JP3983923B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン基板にトレンチやシリコン柱が形成されてなる凹凸パターンを酸化または酸窒化して絶縁膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の微細化に伴い、STI(Shallow Trench Isolation)素子分離法が用いられるようになっている。しかし、ゲート絶縁膜の形成を従来の熱酸化膜法や熱酸窒化法で行った場合は、図19に示すように、ゲート絶縁膜85の薄膜化、さらには角部の尖り形状が生じる。なお、図中、81はシリコン基板、82は素子分離溝、83は素子領域、84は素子分離絶縁膜、86はゲート電極を示している。
【0003】
上述した現象は、シリコン基板の角部のゲート絶縁膜中に生じる圧縮応力の影響で、この部分の成膜レートが低下するために生じると考えられている。この角部の形状に起因して、ゲート絶縁膜の絶縁不良や経時的絶縁劣化等の問題が起こっている。
【0004】
一方、シリコン基板にトレンチを掘ることで実効的に表面積の大きなキャパシタ素子を形成するという、いわゆるトレンチキャパシタ技術において、トレンチ内に埋込み形成されたキャパシタ電極と、トレンチ外に形成された拡散層(またはシリコン基板)を電気的に絶縁するための絶縁膜(カラー絶縁膜)は、界面準位の少ない、低リーク電流の膜である必要がある。
【0005】
また、シリコン基板に形成されたシリコン柱にトランジスタ素子を形成するという、いわゆるSGT(surrounding gate transistor)技術においても、シリコン柱の表面に形成する絶縁膜(ゲート絶縁膜)は、界面準位の少ない、低リーク電流の膜である必要がある。
【0006】
従来より、上記カラー絶縁膜はトレンチ内壁のシリコンを酸素ガス雰囲気で熱酸化して形成し、上記ゲート絶縁膜はシリコン柱を酸素ガス雰囲気で熱酸化して形成している。
【0007】
しかしながら、この種の熱酸化にて形成されたシリコン酸化膜は、酸化レートのシリコン結晶面方位依存性に起因して、角部で部分的な薄膜化(シリコン酸化膜のくびれ形状)が生じるという問題がある。
【0008】
図18に典型的な例を示す。図18(a)は、シリコン(100)面に切り口形状が楕円(短径100nm程度)のトレンチをRIEにて形成した後、その内壁に厚さ30nm相当の熱酸化膜(シリコン酸化膜)を形成した後の断面図を示している。シリコン酸化膜の形成は、1100℃の酸素ガス雰囲気で行った。
【0009】
ここで、シリコン基板に半径が数100nm程度の細いトレンチを形成する場合、その切り口形状はトレンチの先端に近づくほど四角形に近くなる。これは、RIEのエッチングレートの結晶面方位依存性に起因した現象といわれている。このような形状に対して熱酸化を行うと、図18(b)に示すように、トレンチ角部におけるシリコン酸化膜の薄膜化(シリコン酸化膜のくびれ形状)はより顕著となる。これは、角部のシリコン酸化膜中に生じる圧縮応力の影響で、この部分の酸化レートが低下するという現象が、上述の酸化レートのシリコン結晶面方位依存性による薄膜化現象に重畳するためと考えられる。
【0010】
また、図18(c)は、シリコン柱の表面に熱酸化膜を形成した場合の断面図を示している。この場合も、シリコン柱の角部で発生する圧縮応力によって酸化レートの低下が起こるため、シリコン酸化膜の部分的な薄膜化が顕著になる。
【0011】
このようなシリコン酸化膜の部分的な薄膜化は、絶縁不良や経時的絶縁性劣化等の問題を引き起こす。特に、トレンチキャパシタの形成工程では、シリコン酸化膜の形成後に同シリコン酸化膜をエッチングする処理が入る場合があり、この場合は、エッチングの程度によっては、シリコン酸化膜が部分的に消失するという問題が起こる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、STI素子分離法を用いた場合のゲート絶縁膜は、従来の熱酸化や熱酸窒化法で形成すると、シリコン基板の角部でのゲート絶縁膜の薄膜化、さらには角部の尖り形状が生じ、その結果としてゲート絶縁膜の絶縁不良や経時的絶縁劣化等が生じるという問題があった。
【0013】
一方、トレンチキャパシタのカラー絶縁膜、SGTのゲート絶縁膜は界面準位の少ない、低リーク電流の絶縁膜である必要がある。従来、これらの絶縁膜は酸素ガス雰囲気での熱酸化によって形成していた。しかしながら、この種の熱酸化にて形成されたシリコン酸化膜は角部で部分的に膜厚が薄くなり、その結果として絶縁不良や経時的絶縁性劣化等が生じるという問題があった。
【0014】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、シリコンからなり、角部を有する立体パターンの上記角部を含む領域上にシリコンおよび酸素を含む絶縁膜を介して導電膜が形成されてなる構造における、上記角部における上記絶縁膜の薄膜化による絶縁特性の劣化を効果的に防止できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
[構成]
本発明の骨子は、角部での薄膜化を防止するために、オゾン、酸素ラジカル、または酸化剤および窒化剤を含む雰囲気で成膜を行う。
【0016】
すなわち、上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の製造方法は、シリコンからなり、角部を有する立体パターンを形成する工程であって、前記立体パターンは、第1の領域を有する上面および第2の領域を有する側面を備え、前記第1の領域と前記第2の領域との間の角の領域が前記角部である前記工程と、前記立体パターンの前記角部を含む領域にシリコン酸化膜を形成する工程であって、前記第1および第2の領域に比べて前記角部での前記シリコン酸化膜の薄膜化が生じないように、前記立体パターンの前記角部を含む領域をオゾンまたは酸素ラジカルを含む雰囲気で酸化して前記シリコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜上に導電膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、シリコンからなり、角部を有する立体パターンを形成する工程であって、前記立体パターンは、第1の領域を有する上面および第2の領域を有する側面を備え、前記第1の領域と前記第2の領域との間の角の領域が前記角部である前記工程と、前記立体パターンの前記角部を含む領域にシリコン酸化膜を形成する工程であって、前記第1および第2の領域に比べて前記角部での前記シリコン酸化膜の薄膜化が生じないように、前記立体パターンの前記角部を含む領域をオゾンまたは酸素ラジカルを含む雰囲気で酸化して前記シリコン酸化膜を形成する工程と、前記角部を含む領域上の前記シリコン酸化膜を除去する工程と、前記シリコン酸化膜を除去した領域上に第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜上に導電膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る他の半導体装置の製造方法、シリコンからなり、角部を有する立体パターンを形成する工程であって、前記立体パターンは、第1の領域を有する上面および第2の領域を有する側面を備え、前記第1の領域と前記第2の領域との間の角の領域が前記角部である前記工程と、前記立体パターンの前記角部を含む領域にシリコン酸化膜を形成する工程であって、前記第1および第2の領域に比べて前記角部での前記シリコン酸化膜の薄膜化が生じないように、前記立体パターンの前記角部を含む領域をオゾンまたは酸素ラジカルを含む雰囲気で酸化して前記シリコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜が形成された前記立体パターンの前記角部を含む領域上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0020】
[作用]
図16および図17に本発明者が行った実験の結果の一例を示す。図16および図17はそれぞれ第1試料および第2試料の断面TEM像を示している。
【0021】
試料は、シリコン基板の表面をRIEで加工し、シリコンからなる角部(シリコン角部)を形成し、酸素酸化でシリコン酸化膜をシリコン角部に形成し、その上に多結晶シリコン膜を堆積したものである。第試料は、酸素酸化の代わりにオゾン酸化でシリコン酸化膜をシリコン角部に形成したものである。
【0022】
これらの第1、第2試料において、酸化温度シーケンスは850℃(240min)の酸化後に、900℃(30min)の酸化を追加したもので、ともに同じであり、また酸化剤の圧力を調節して(100)面上のシリコン酸化膜の膜厚をともに同じ(11.5nm)にし、また酸化剤圧力は、第試料の酸素酸化では酸素ガス圧力:16kPa、第試料のオゾン酸化ではオゾンガスと酸素ガスとの混合雰囲気で行い、それぞれの分圧はオゾンガス分圧:6.5Pa、酸素ガス分圧:123.5Paである。
【0023】
図16、図17に示した実験結果から、オゾン酸化は、酸素酸化に比べて、シリコン角部でのシリコン酸化膜の薄膜化(シリコン角部の尖り)を抑制できることが分かった。なお、図16、図17にはシリコン柱が示されているが、トレンチの場合にも同様にシリコン角部でのシリコン酸化膜の薄膜化(シリコン角部の尖り)を抑制できることを確認した。
【0024】
その理由は次のように考えられる。シリコン酸化膜はその成膜中にシリコン角部の近傍で大きな圧縮応力が生じる。シリコン柱の場合にはシリコン柱の表面からその内側に進む酸化膜成長によって圧縮応力が生じ、トレンチの場合にはトレンチ内壁からその外側に進む酸化膜成長によって圧縮応力が生じる。
【0025】
このため、シリコン角部ではシリコン酸化膜中への酸化剤の拡散が圧縮応力により抑制される。したがって、酸化剤の拡散が律速するような成膜条件の場合、シリコン角部での酸化レートの低下が顕著となる。
【0026】
通常の酸素ガスや水蒸気ガスによるシリコンの酸化の場合、酸化初期では反応律速、酸化の進行とともに拡散律速に変わる。そのため、この種の酸化雰囲気でのシリコン酸化の場合には、圧縮応力の影響が大きく、そのためにシリコン角部の近傍のシリコン酸化膜の薄膜化(シリコン角部の尖り)が顕在化する。
【0027】
これに対して、酸素ラジカルは、酸素ガスに比べて、シリコン酸化膜中の拡散が容易であり、そのために上記圧縮応力による酸化剤のシリコン表面への供給量の低下は起こり難いと考えられる。また、オゾン酸化の場合、酸化剤は酸素ラジカルなので、同様に供給量の低下は起こり難い。
【0028】
さらに、図16、図17の比較から、オゾン酸化は、酸素酸化に比べて、酸化反応レートのシリコン結晶面方位依存性が小さいことが分かる。すなわち、シリコン基板の上面は(100)面、RIE加工した側面は(110)面で構成されているが、それぞれの面上の酸化膜厚の比が1に近くなっている。これは、酸化反応レートがシリコン面密度にほとんど依存しないことを意味しており、酸化種である酸素ラジカルの供給律速で反応が進んでいるためと考えられる。一方、シリコン酸窒化膜を酸化剤と窒化剤を含む雰囲気で形成した場合にも、同様の成膜レートのシリコン結晶面方位依存性が小さくなる現象が見られた。
【0029】
これは、後述の第1の参考例の項で詳述するように、酸化レートの速い面方位は、窒化レートも速いため、表面窒化による酸化レートの低下が起こって、速い酸化レートが相殺されるためと考えられる。
【0030】
したがって、本発明のように、上述したような作用効果を奏する酸化種を含む雰囲気中で酸化を行えば、シリコン角部におけるシリコンおよび酸素を含む絶縁膜(シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜)の薄膜化による絶縁特性の劣化を効果的に防止できるようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0032】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るMOSキャパシタの製造方法を示す工程断面図である。本実施形態は、MOSキャパシタのゲート酸化膜に本発明を適用した例である。
【0033】
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板1をエッチングしてSTIによる素子分離のためのトレンチ2を形成するとともに、シリコン柱3を形成する。図2に、この段階の鳥瞰図を示す。図1は、図2のシリコン柱3を通り、トレンチ2の底面に対して垂直な面における断面図である。
【0034】
次に図1(b)に示すように、シリコン柱3の上部が露出するように、トレンチ2の内部をシリコン酸化膜4で埋め込む。このようなシリコン酸化膜4を形成するには、例えば、トレンチ2の内部を完全に埋め込むように全面にシリコン酸化膜を形成した後、その上部を希フッ酸を用いたエッチングにより除去すれば良い。
【0035】
次に図1(c)に示すように、縦型バッチ式酸化炉にて、オゾン/酸素混合ガス(オゾン5%)を導入しながら、850℃、40分、130Paの条件で熱処理を行い、露出したシリコン柱3の表面に、厚さ4nmのゲート酸化膜5を形成する。このとき、シリコン柱3の上端角部でのゲート酸化膜5の薄膜化(シリコン角部の尖り)は見られなかった。
【0036】
最後に、図1(d)に示すように、周知の技術で、高濃度のリンがドーピングされたポリシリコン膜からなるゲート電極6をシリコン柱3上にゲート酸化膜5を介して形成して、MOSキャパシタが完成する。
【0037】
以上述べた方法で製造したMOSキャパシタを調べたところ、6MV/cmの動作電界を保証できることを確認した。このような良好な値が得られた理由は、本実施形態の製造方法によれば、シリコン柱3の上端角部におけるゲート酸化膜5の薄膜化(シリコン角部の尖り)を防止でき、同上端角部における電界集中を緩和できた結果であるといえる。
【0038】
なお、図3に、図1(d)のMOSキャパシタの水平断面図を示す。これは図1(d)の点A−点A’を通り、基板表面に水平な面による断面図である。図から、この断面で見たシリコン柱3の上端角部においても、ゲート酸化膜5の薄膜化(シリコン角部の尖り)は見られないことが分かる。
【0039】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係るMOSキャパシタの製造方法を示す工程断面図である。本実施形態は、MOSキャパシタの製造に用いる、チャネルイオン注入用のマスク酸化膜に本発明を適用した例である。なお、図1と対応する部分には図1と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0040】
まず、図4(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、素子分離のためのトレンチ2、シリコン柱3を形成する。
【0041】
次に図4(b)に示すように、縦型バッチ式酸化炉にて、オゾンガスを導入しながら、900℃、120分、10Paの条件で熱処理を行い、露出したシリコン柱3の表面に、厚さ8nmのマスク酸化膜7を形成する。このとき、シリコン柱3の上端角部でのマスク酸化膜7の薄膜化(シリコン角部の尖り)は見られなかった。この後、同図(b)に示すように、リンイオン(P+ )8をマスク酸化膜7を介してシリコン柱3に注入する。
【0042】
次に図4(c)に示すように、マスク酸化膜7を希フッ酸にて全て除去する。
【0043】
次に図4(d)に示すように、一酸化窒素ガス雰囲気で、800℃、60分、30kPaの条件で熱処理を行い、露出したシリコン柱3の表面に厚さ2nmのゲート酸窒化膜5ONを形成する。最後に、同図(d)に示すように、高濃度のリンがドーピングされたポリシリコン膜からなるゲート電極6を形成して、MOSキャパシタが完成する。
【0044】
以上述べた方法で製造したMOSキャパシタを調べたところ、5MV/cmの動作電界を保証できることを確認した。このような良好な値が得られた理由は、本実施形態の製造方法によれば、シリコン柱3の上端角部におけるマスク酸化膜7の薄膜化(シリコン角部の尖り)を防止でき、これによりマスク酸化膜7を除去した後のシリコン柱3の上端角部の薄膜化(シリコン角部の尖り)を防止でき、同上端角部における電界集中を緩和できた結果であるといえる。
【0045】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係るMOSキャパシタの製造方法を示す工程断面図である。本実施形態は、MOSキャパシタの製造に用いるパッド酸化膜に本発明を適用した例である。パッド酸化膜は、STIによる素子分離のためのトレンチの内部に埋め込まれた絶縁膜とシリコン基板との界面状態を向上させて、素子の接合リークを低減する目的で用いられる。なお、図1と対応する部分には図1と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0046】
まず、図5(a)のように、第1の実施形態と同様に、素子分離のためのトレンチ2、シリコン柱3を形成する。
【0047】
次に図5(b)に示すように、縦型バッチ式酸化炉にて、オゾン/酸素混合ガス(オゾン10%)を導入しながら、950℃、60分、50Paの条件で熱処理を行い、厚さ10nmのパッド酸化膜9をトレンチ2の底面およびシリコン柱3の表面(上面、側面)に形成する。このとき、シリコン柱3の上端角部でのパッド酸化膜9の薄膜化(シリコン角部の尖り)は見られなかった。
【0048】
次に図5(c)に示すように、トレンチ2の内部を完全に埋め込むように全面にシリコン酸化膜4をCVD法により形成する。
【0049】
次に図5(d)に示すように、トレンチ2内に素子分離に必要なシリコン酸化膜4を残して残りの不要なシリコン酸化膜4を希フッ酸を用いたエッチングにより除除する。このとき、同図(d)に示すように、パッド酸化膜9の一部もエッチングされて、シリコン柱3の上端角部が露出する。
【0050】
次に図5(e)に示すように、一酸化窒素ガス雰囲気で、900℃、30分、30kPaの条件で熱処理を行い、露出したシリコン柱3の表面に、厚さ2nmのゲート酸窒化膜5ONを形成する。最後に、同図(e)に示すように、高濃度のリンがドーピングされたポリシリコン膜からなるゲート電極6を形成して、MOSキャパシタが完成する。
【0051】
以上述べた方法で製造したMOSキャパシタを調べたところ、5MV/cmの動作電界を保証できることを確認した。このような良好な値が得られた理由は、本実施形態の製造方法によれば、シリコン柱3の上端角部におけるパッド酸化膜9の薄膜化(シリコン角部の尖り)を防止でき、これによりパッド酸化膜9の一部除去後の同上端角部における電界集中の緩和を抑制できた結果であるといえる。
【0052】
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態に係るフラッシュメモリセルの製造方法を示す工程断面図である。これはチャネル幅方向と平行な面による断面図を示している。本実施形態は、フラッシュメモリセルの浮遊ゲート電極と制御ゲート電極との間の電極間絶縁膜に本発明を適用した例である。
【0053】
まず、図6(a)に示すように、シリコン基板11の表面に素子分離絶縁膜12を形成し、この素子分離絶縁膜12に囲まれたシリコン素子領域13の表面に、厚さ8nmのトンネル酸化膜14を形成する。
【0054】
次に図6(b)に示すように、高濃度のリンがドーピングされたポリシリコン膜をCVD法により全面に形成し、このポリシリコン膜をRIEで加工して、素子分離絶縁膜12上に乗り上げるように浮遊ゲート電極15を形成する。このとき、浮遊ゲート電極15にはほぼ直角の上端角部が形成される。
【0055】
次に図8(c)に示すように、縦型バッチ式酸化炉にて、オゾン/酸素混合ガス(オゾン5%)を導入しながら、850℃、30分、130Paの条件で熱処理を行い、厚さ3nmのシリコン酸化膜16を浮遊ゲート電極15の表面に形成する。このとき、浮遊ゲート電極15の角部でのシリコン酸化膜16の薄膜化(シリコン角部の尖り)は見られなかった。
【0056】
次に同図(c)に示すように、同一酸化炉内で連続して、一酸化窒素/テトラクロルシラン混合ガス(流量比500/5sccm)を導入しながら、850℃、60分、200Paの条件で酸化を行い、厚さ5nmのシリコン酸窒化膜17をシリコン酸化膜16上に形成する。シリコン酸化膜16の場合と同様に、シリコン酸窒化膜17にも薄膜化(シリコン角部の尖り)は見られなかった。この結果、シリコン酸化膜16、シリコン酸窒化膜17からなる厚さ8nmの積層構造の電極間絶縁膜が形成される。
【0057】
最後に、周知の技術で、高濃度のリンがドーピングされたポリシリコン膜からなる制御ゲート電極18、ソース拡散層、ドレイン拡散層を形成して、フラッシュメモリセルが完成する。
【0058】
以上述べた方法で製造したMOSキャパシタを調べたところ、電極間絶縁膜16,17の膜厚が8nmと薄くても、十分な電荷保持特性が得られることを確認した。このような良好な電荷保持特性が得られた理由は、本実施形態の製造方法によれば、浮遊ゲート電極15の上端角部における電極間絶縁膜16,17の薄膜化(シリコン角部の尖り)を防止でき、同上端角部における電界集中を緩和できた結果であるといえる。
【0059】
なお、第1〜第4の実施形態では、オゾン酸化プロセスを用いて、シリコン角部における薄膜化を防止しているが、酸素ラジカル酸化プロセスを用いても、原理的には同様の効果がある。
【0060】
ただし、酸素ラジカル酸化の場合は、酸素ラジカルの発生位置からシリコン基板(ウェハ)位置までの酸素ラジカルの輸送時間が長いと、酸素ラジカルの濃度が著しく減少してしまうため、多数枚のウェハを同時に酸化するバッチ処理には向いていない。バッチ処理の場合は、オゾン酸化プロセスが望ましい。
【0061】
第1の参考例
図7および図8は、第1の参考例に係るDRAMトレンチキャパシタセルの製造方法を示す工程断面図である。
【0062】
まず、図7(a)に示すように、p型シリコン基板21(例えば、比抵抗10Ω・cm、結晶面(100))の全面に厚さ10nmのシリコン酸化膜22を熱酸化法で形成する。この後、同図(a)に示すように、シリコン酸化膜22上に厚さ200nmのシリコン窒化膜23、厚さ500nmのシリコン酸化膜24を順次CVD法で形成する。
【0063】
次に図7(b)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングを用いて、トレンチ25を形成する。次に同図(b)に示すように、トレンチ25の内壁に厚さ5nmのシリコン酸化膜26を熱酸化法で形成した後、厚さ10nmのシリコン窒化膜27をCVD法で全面に形成する。
【0064】
次に図7(c)に示すように、トレンチ25の途中の深さまでを充填するようにレジスト28を形成し、このレジスト28をマスクにしてシリコン窒化膜27をCDE(Chemical Dry Etching)法にてエッチングし、シリコン窒化膜27の露出部分を除去する。この結果、トレンチ25の上端部のシリコン酸化膜26が露出する。この後、レジスト28を除去する。
【0065】
次に図7(d)に示すように、亜酸化窒素(N2 O)/酸素混合ガス雰囲気(亜酸化窒素50%)で1000℃の酸窒化を行い、カラー絶縁膜と呼ばれる厚さ20nmのシリコン酸窒化膜29をトレンチ25の上端部(シリコン酸化膜26の露出部)に形成する。
【0066】
次に図8(e)に示すように、シリコン窒化膜27を熱リン酸液を用いて除去し、続いてシリコン酸化膜26を希フッ酸液を用いて除去する。このとき、カラー絶縁膜であるシリコン酸窒化膜9の表面がエッチングされて、その厚さは10nmになる。その後、同図(e)に示すように、トレンチ25内壁のシリコン露出表面に、周知の気相拡散法でn型不純物拡散層(プレート電極)30を形成する。
【0067】
次に同図(f)に示すように、キャパシタ絶縁膜としての厚さ5nmのシリコン窒化膜31をCVD法で形成し、続いてストレージノード電極32となる第1の砒素ドープポリシリコン膜をトレンチ25内を充填するように全面に形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)とRIE(Reactive Ion Etching)を用いて砒素ドープポリシリコン膜をエッチバックし、ストレージノード電極32を形成する。
【0068】
次に図8(g)に示すように、熱リン酸液と希フッ酸液を用いたウエットエッチングによって、トレンチ25の上部のシリコン窒化膜31およびシリコン酸窒化膜29を除去した後、これらの絶縁膜31,29を除去して現れた基板部分にリンを斜めイオン注入して、n型不純物拡散層33を形成する。
【0069】
次に同図(g)に示すように、埋め込みストラップ34となる第2の砒素ドープポリシリコン膜をトレンチ25内を充填するように全面に形成した後、CMPとRIEを用いて第2の砒素ドープポリシリコン膜をエッチバックし、埋め込みストラップ34を形成する。なお、埋め込みストラップ34中の燐を基板中に拡散することによって、n型不純物拡散層33を形成しても良い。
【0070】
最後に、図8(h)に示すように、周知の方法でSTI(Shallow Trench Isolation)のための素子分離絶縁膜35、ゲート絶縁膜36、ゲート電極37、n型ソース・ドレイン拡散層38からなるMOSトランジスタを形成して、DRAMトレンチキャパシタセルが完成する。
【0071】
参考例によるシリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29は、シリコン基板21との界面準位密度が1×1011cm-2eV-1以下であり、n型ソース・ドレイン拡散層38とシリコン基板21との間のリーク電流に起因するデータ保持特性の劣化の問題は起こらないことを確認した。上記界面準位密度の値はシンター工程前の値であり、シンター工程後には1×1010cm-2eV-1以下となることを確認した。
【0072】
なお、従来の熱酸化法でも、本参考例と同レベルの界面準位密度を実現できるが、シリコン角部で薄膜化するなど断面形状に関して問題がある。断面形状を改善するために、CVD酸化膜を使う従来技術もあるが、この場合には界面準位密度が高くなり(1×1011cm-2eV-1以上)、界面準位密度に関して問題がある。
【0073】
さらに本参考例によれば、図9に示すように、膜厚が均一で、かつ尖った部分が無い断面形状を有するシリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)を実現できるようになる。
【0074】
このような断面形状を得ることができる理由は、以下のように考えられる。酸素ガスや水蒸気ガスによるシリコン基板の酸化反応レートには、シリコン結晶面方位依存性があり、酸化膜厚が10nm程度までの初期酸化領域では、例えば(110)面は(100)面よりも1.5倍程度速いことが分かっている。
【0075】
この酸化反応レートの結晶面方位依存性は、シリコン面密度の違いに起因すると説明されており、上記1.5倍の違いは、(100)面のシリコン面密度が(100)面より1.41倍大きいことを反映していると考えられる(Philosophical Magazine B, 1987, Vol. 55, No.2, p.131-145)。
【0076】
一方、表面に熱酸化膜が形成されたシリコン基板を用いて、一酸化窒素ガス(NOガス)によるシリコン基板表面の窒化反応レートを調べたところ、図10、図11に示す結果が得られた。これらの図から、窒化反応の場合にも、上記酸化反応の場合と同様に、シリコン面密度に起因した結晶面方位依存性があることが分かる。具体的には、(110)面は(100)面よりも1.4倍程度速いことが分かる。
【0077】
さらに、亜酸化窒素ガス(N2 Oガス)によるシリコン基板の酸窒化反応レートを調べたところ、(110)面と(100)面との差は1.1倍程度しかないことが分かった。
【0078】
この酸窒化反応レートの結晶面方位依存性が小さい理由は、以下のように考えられる。亜酸化窒素ガスによる酸窒化膜形成は、ガス分解生成物である酸素ガスによる酸化反応と一酸化窒素ガスによる窒化反応が同時進行して起こるといわれている。したがって、酸化反応が起こりやすい結晶面は、窒化反応も起こりやすいので、一旦窒化反応が進行すると、それ以降の酸化反応レートが低下して、結果的に、成膜レートの面方位依存性は小さくなると考えられる。
【0079】
このように酸化反応と窒化反応を同時に進行させることで、成膜レートの結晶面方位依存性を抑制することが可能となる。
【0080】
なお、図8(e)に示した希フッ酸液によるシリコン酸化膜26の除去工程のように、後工程でシリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29がエッチングされる場合には、成膜時のシリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29の膜厚を厚くしておくことが望ましい。
【0081】
そのためには、酸窒化によるシリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29の成膜後に追加酸化を行って、シリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29の仕上がり膜厚を制御すると良い。
【0082】
このよう追加酸化によって、界面準位密度はさらに低くなるので、データ保持特性はさらに向上する。ここで、上記追加酸化は950℃以上の高温で行うことが望ましい。その理由は、成膜時の応力起因の成膜レートの差を低減でき、シリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29の膜厚をより均一にできるからである。
【0083】
さらにまた、上記追記酸化は950℃以上の高温の水蒸気(H2 O)雰囲気で行うことが望ましい。その理由は、シリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29中の窒素が常に界面に移動するため、追加酸化時の膜厚差が生じにくいためである。
【0084】
なお、本参考例では、シリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29の角部での薄膜化(くびれ形状のない内壁絶縁膜)を防止し、シリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29の膜厚均一化を実現しているが、図12に示すように、シリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29の角部での膜厚化を実現することもできる。
【0085】
それを実現するための具体的な方法としては、例えば先に窒化をしてその後に酸化を行う方法がある。シリコン窒化膜の膜厚は、(110)面よりも(100)面の方が薄くなるため、窒化後の追加酸化により(100)面の方が膜厚が厚くなり、その結果として図12に示した形状のシリコン酸窒化膜を実現できる。
【0086】
窒化後に窒化膜の一部を剥離して(110)面にのみ窒化膜が残るようにしたり、あるいは窒化後の酸化をオゾンや酸素ラジカルで行えば、角部でのシリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29のさらなる膜厚化が実現可能となる。
【0087】
図12に示した形状にすることで、角部での電界集中を緩和でき、シリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)29の絶縁破壊耐圧の向上やリーク電流の低減を実現できる。
【0088】
また、本参考例では、亜酸化窒素/酸素混合ガス雰囲気で成膜を行っているが、酸化剤と窒化剤を含む雰囲気ならば良く、例えば亜酸化窒素雰囲気、一酸化窒素(NO)/酸素混合ガス雰囲気等でも同様の効果がある。また、酸化剤と窒化剤を含む雰囲気でなくとも、成膜レートの基板面方位依存性の小さい雰囲気ならば良く、例えばオゾンまたは酸素ラジカルを含む雰囲気での酸化でも同様の効果がある。
【0089】
また、本参考例の酸化種を用いた各酸化プロセスの特徴は以下の通りである。
【0090】
亜酸化窒素/酸素混合ガスプロセスは、10nm以上の厚い絶縁膜を形成するのに最も適している。また、界面の電気的特性も良好である。
【0091】
亜酸化窒素単独プロセスは、界面の電気的特性が良好である。
【0092】
一酸化窒素/酸素混合プロセスは、ガス混合条件をうまく選ぶと膜厚均一化を実現できる。また、成膜温度が変わっても炉内のガス組成はあまり変わらず、プロセスの制御性が最も良い。
【0093】
アンモニア窒化または一酸化窒素窒化後プロセス後の追加酸化プロセスは、膜厚均一化を実現でき、また条件を選べばシリコン角部での厚膜化も可能である。
【0094】
第2の参考例
図13は、第2の参考例に係るSGT(Surrounding Gate Transistor)の製造方法を示す工程断面図である。
【0095】
まず、図13(a)に示すように、p型シリコン基板31(例えば、比抵抗10Ω・cm、結晶面(100))の全面に厚さ10nmのシリコン酸化膜32を熱酸化法で形成する。この後、同図(a)に示すように、シリコン酸化膜32上に厚さ200nmのシリコン窒化膜33をCVD法で形成する。
【0096】
次に図13(b)に示すように、シリコン窒化膜33、シリコン酸化膜32、p型シリコン基板31をフォトリソグラフィとエッチングを用いてパターニングし、トレンチを形成する。これにより、シリコン柱が形成される。
【0097】
次に図13(c)に示すように、縦型バッチ式酸化炉にて、オゾン/酸素混合ガス(オゾン5%)を導入しながら、900℃、10分、130Paの条件で熱処理を行い、シリコン柱の側面およびトレンチの底面にゲート酸化膜34を形成する。その後、同図(b)に示すように、ゲート電極となるリンがドーピングされた厚さ100nmの多結晶シリコン膜35を全面に形成する。
【0098】
次に図13(d)に示すように、多結晶シリコン膜35をフォトリソグラフィとRIEを用いてパターニングし、シリコン柱を取り囲むゲート電極35を形成する。ここで、ゲート電極25は紙面に対して垂直方向に延びており、その延びた部分で後工程でゲート配線のコンタクトが取られる。
【0099】
次に同図(d)に示すように、ゲート電極35をマスクにして基板表面に砒素イオンを注入し、トレンチの底部にn型ソース拡散層36を形成した後、同図(d)に示すように、全面に層間絶縁膜としてのシリコン酸化膜37をCVD法により形成する。なお、この段階では砒素イオンの活性化(アニール)を行っていないので、n型ソース拡散層36は未完成である。すなわち、n型ソース拡散層36はシリコン柱の下端部までは延びていない。
【0100】
次に図13(e)に示すように、フォトリソグラフィと異方性エッチングを用いてシリコン酸化膜37、シリコン窒化膜33、シリコン酸化膜32をパターニングし、シリコン柱の上面を露出させる。
【0101】
次に同図(e)に示すように、シリコン柱の上面の露出面に砒素イオンを注入した後、1000℃、10秒の活性化アニールを行って、砒素イオンを活性化することによって、n型ソース層36を完成させるとともに、シリコン柱の端まで延びたn型ドレイン拡散層38を形成する。
【0102】
この後は、周知の方法(例えばIEDM Tech.Dig., p.222(1988)のFIG.3、特願平5−201599)に従って、図示しないゲート配線、ソース配線およびドレイン配線を形成してSGTが完成する。
【0103】
参考例によるゲート酸化膜34は、シリコン基板31(シリコン柱)との界面準位密度が5×1010cm-2eV-1以下であり、トランジスタ特性の低下の問題は起こらないことを確認した。
【0104】
さらに本参考例によれば、図14に示すように、膜厚が均一で、かつ尖った部分が無い断面形状を有するゲート酸化膜34を実現できるようになる。
【0105】
なお、本参考例は、成膜レートの基板面方位依存性の小さい成膜方法ならば良く、酸化剤と窒化剤を含む雰囲気での酸窒化でも同様の効果がある。
【0106】
なお、本参考例では、ゲート酸化膜34の膜厚均一化(くびれ形状のない表面絶縁膜)を実現しているが、例えば先に窒化をしてその後に酸化を行うという法により、図15に示すように、ゲート絶縁膜34としてのシリコン酸窒化膜の膜厚をシリコン柱の角部で厚くすることもできる。図15に示した形状にすることで、角部での電界集中を緩和でき、ゲート酸化膜34の絶縁破壊耐圧の向上やリーク電流の低減化を実現できる。
【0107】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、シリコン角部を有する立体パターンとしてシリコン柱やトレンチの場合について説明したが、角部を有するシリコン球など他の立体パターンにも本発明は適用できる。
【0108】
また、上記実施形態では、本発明をキャパシタ絶縁膜やゲート絶縁膜に適用した場合について説明したが、本発明はチャネル領域下に短チャネル効果を抑制するための空洞を有するMOSトランジスタの上記空洞の内壁に形成する絶縁膜にも適用できる。
【0109】
ここで、空洞の内壁は多面体で構成され、面と面の境では角部が存在する。多面体は、シリコン基板の主面が(100)の場合には、{100}面群、{110}面群、{111}面群、{311}面群、{531}面群、{541}面群で構成されている。そのため、多面体の全ての面で酸化速度が同じなることはなく、通常の酸素雰囲気による酸化では面によって膜厚が薄くなる可能性がある。さらに、面と面の境である角部でも膜厚が薄くなる可能性がある。しかし、本発明の酸化種を用いれば一様な膜厚の絶縁膜を形成でき、部分的な薄膜化を効果的に防止できるようになる。
【0110】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【0111】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明によれば、所定の酸化種を含む雰囲気中で酸化を行うことによって、シリコンからなる角部におけるシリコンおよび酸素を含む絶縁膜(シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜)の薄膜化による絶縁特性の劣化を効果的に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るMOSキャパシタの製造方法を示す工程断面図
【図2】図1(a)の工程の同MOSトランジスタの鳥瞰図
【図3】図1(d)の工程の同MOSキャパシタの断面図
【図4】本発明の第2の実施形態に係るMOSキャパシタの製造方法を示す工程断面図
【図5】本発明の第3の実施形態に係るMOSキャパシタの製造方法を示す工程断面図
【図6】本発明の第4の実施形態に係るフラッシュメモリセルの製造方法を示す工程断面図
【図7】 第1の参考例に係るDRAMトレンチキャパシタセルの製造方法の前半を示す工程断面図
【図8】 第1の参考例に係るDRAMトレンチキャパシタセルの製造方法の後半を示す工程断面図
【図9】図8のトレンチキャパシタの断面形状を示す図
【図10】面方位の違いによる基板表面の窒素面密度のNOアニール時間との関係を示す図
【図11】面方位の違いによる基板表面のシリコン面密度と窒素面密度との関係を示す図
【図12】 第1の参考例の変形例を説明するための断面図
【図13】 第2の参考例に係るSGTの製造方法を示す工程断面図
【図14】図13のトレンチキャパシタの断面形状を示す図
【図15】 第2の参考例の変形例を説明するための断面図
【図16】本発明による酸化処理が施された第1試料を示す顕微鏡写真
【図17】従来の酸化処理が施された第2試料を示す顕微鏡写真
【図18】従来の問題点を説明するための断面図
【図19】従来の問題点を説明するための断面図
【符号の説明】
1…シリコン基板
2…トレンチ
3…シリコン柱
4…シリコン酸化膜
5…ゲート酸化膜
ON ゲート酸窒化膜
6…ゲート電極
7…マスク酸化膜
8…リンイオン(P+
9…パッド酸化膜
11…シリコン基板
12…素子分離絶縁膜
13…シリコン素子領域
14…トンネル酸化膜
15…浮遊ゲート電極
16…シリコン酸化膜
17…シリコン酸窒化膜
21…p型シリコン基板
22…シリコン酸化膜
23…シリコン窒化膜
24…シリコン酸化膜
25…トレンチ
26…シリコン酸化膜
27…シリコン窒化膜
28…レジスト
29…シリコン酸窒化膜(カラー絶縁膜)
30…n型不純物拡散層(プレート電極)
31…シリコン窒化膜(キャパシタ絶縁膜)
32…第1の砒素ドープポリシリコン膜(ストレージノード電極)
33…n型不純物拡散層(プレート電極)
34…埋め込みストラップ
35…素子分離絶縁膜
36…ゲート絶縁膜
37…ゲート電極
38…n型ソース・ドレイン拡散層

Claims (8)

  1. シリコンからなり、角部を有する立体パターンを形成する工程であって、前記立体パターンは、第1の領域を有する上面および第2の領域を有する側面を備え、前記第1の領域と前記第2の領域との間の角の領域が前記角部である前記工程と、
    前記立体パターンの前記角部を含む領域にシリコン酸化膜を形成する工程であって、前記第1および第2の領域に比べて前記角部での前記シリコン酸化膜の薄膜化が生じないように、前記立体パターンの前記角部を含む領域をオゾンまたは酸素ラジカルを含む雰囲気で酸化して前記シリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記シリコン酸化膜上に導電膜を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. シリコンからなり、角部を有する立体パターンを形成する工程であって、前記立体パターンは、第1の領域を有する上面および第2の領域を有する側面を備え、前記第1の領域と前記第2の領域との間の角の領域が前記角部である前記工程と、
    前記立体パターンの前記角部を含む領域にシリコン酸化膜を形成する工程であって、前記第1および第2の領域に比べて前記角部での前記シリコン酸化膜の薄膜化が生じないように、前記立体パターンの前記角部を含む領域をオゾンまたは酸素ラジカルを含む雰囲気で酸化して前記シリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記角部を含む領域上の前記シリコン酸化膜を除去する工程と、
    前記シリコン酸化膜を除去した領域上に第1絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1絶縁膜上に導電膜を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記シリコン酸化膜を介して前記立体パターンにイオンを注入し、次に前記シリコン酸化膜の全てを除去し、次に前記第1絶縁膜を形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記立体パターン上に前記シリコン酸化膜を介して第2絶縁膜を堆積することで前記立体パターンの表面を平坦化し、次に前記角部が露出するまで前記第2絶縁膜および前記シリコン酸化膜の表面を後退させ、次に前記シリコン酸化膜を除去した領域上に前記第1絶縁膜を形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記立体パターンは、シリコン基板に形成された凹凸パターンであり、この凹凸パターンの凹部がトレンチであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. シリコンからなり、角部を有する立体パターンを形成する工程であって、前記立体パターンは、第1の領域を有する上面および第2の領域を有する側面を備え、前記第1の領域と前記第2の領域との間の角の領域が前記角部である前記工程と、
    前記立体パターンの前記角部を含む領域にシリコン酸化膜を形成する工程であって、前記第1および第2の領域に比べて前記角部での前記シリコン酸化膜の薄膜化が生じないように、前記立体パターンの前記角部を含む領域をオゾンまたは酸素ラジカルを含む雰囲気で酸化して前記シリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記シリコン酸化膜が形成された前記立体パターンの前記角部を含む領域上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記立体パターンは、シリコン基板上にパターニングされたシリコン膜が設けられてなる凹凸パターンであることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1の領域はシリコン基板の(100)面、前記第2の領域はシリコン基板の(110)面であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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