JP3982475B2 - 粉末成形用パウダーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末成形用パウダー製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、溶融性、粉体流動性および作業性に優れる粉末成形用パウダー製造方法に関するものである。
自動車内装部品などの表皮材には、表面に皮しぼ、ステッチ等の複雑な凹凸模様を有すること、インストルメントパネルのバイザー部等に見られるような複雑なデザインを有することが求められており、該表皮材には粉末成形体が主に用いられている。該粉末成形体の成形に用いられるパウダーとしては、例えば、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーからなるペレットを機械的方法(例えば冷凍粉砕法が挙げられる)により粉砕して得られるパウダーが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特開平5−5050号公報 特開2002−166498号公報
しかしながら、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーからなるペレットを機械的方法により粉砕して得られた従来のパウダーは溶融性や粉体流動性に優れるものの、粉末成形機のパウダーボックスへ投入する際や粉末成形過程において、該パウダーに含まれる小粒径のパウダーが作業環境中に飛散することがあり、作業性において十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、溶融性、粉体流動性および作業性に優れる粉末成形用パウダー製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明、熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーを含有するペレットを粉砕して、熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーを含有するポリマー粒子(A)を有する粉末成形用パウダーを製造する方法であって、
該熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーのガラス転移温度以下に冷却した後に、該ペレットを内部の温度が−72〜−88℃であるミルを用いて粉砕する工程を有し、
前記ポリマー粒子(A)が下記成分(1)〜(3)を含有し、かつ粉末成形用パウダーが下記要件(i)〜(iii)のすべてを充足する粉末成形用パウダーの製造方法に係るものである。
(1):ポリオレフィン系樹脂
(2):下記要件(iv)を充足するエチレン−α−オレフィン共重合体
(iv):JIS K−6253(1997)に従い測定されるA硬度が80以下であること。
(3):下記要件(v)を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物
(v):下記(a)及び(b)の構造単位を含有するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水添してなること。
(a):ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(b):下記(b1)及び(b2)から選ばれる少なくとも一種類のブロック
(b1):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体ブロック
(b2):共役ジエン重合体ブロック
(i):JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.18N、温度230℃で測定されるポリマー粒子(A)のメルトフローレートが、10g/10分以上であること。
(ii):粉末成形用パウダーの平均粒径が200〜350μmであること。
(iii):粒径が150μm以下であるパウダーの粉末成形用パウダー中の含有量が25重量%以下であること(ただし、粉末成形用パウダーを100重量%とする。)。
本発明により、溶融性、粉体流動性および作業性に優れる粉末成形用パウダー製造方法を提供することができる。
本発明のポリマー粒子(A)は、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーを含有してなる粒状体であり、該熱可塑性樹脂としては、後述するポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、ポリスチレン等から選ばれる少なくとも1種類であり、該熱可塑性エラストマーとしては、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる(例えば、松崎昭二著 化学工業日報社1991年発行「熱可塑性エラストマー組成物」を参照。)。これらは、単独または2種以上組み合わせて用いられるが、得られる粉末成形体の柔軟性及び脱型性等の観点から熱可塑性エラストマーが好ましく使用される。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系ゴムからなる組成物等が挙げられる。該オレフィン系熱可塑性エラストマーは、例えば特開平5−5050号公報、特開平10−30036号公報、特開平10−231392号公報、特開2001―49052号公報等に記載されている方法で製造することができる。
上記ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数2〜10のオレフィン1種または2種以上から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−6253(1997)のA硬度が98を超える重合体である。ポリオレフィン系樹脂はオレフィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有していてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸があげられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体が挙げられる。これらポリオレフィン系樹脂は1種または2種以上組み合わせて用いられる。
ポリオレフィン系樹脂の中では、得られる粉末成形体の耐熱性の観点から、プロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量が80重量%以上であるポリプロピレン系樹脂が好ましく使用される。該ポリプロピレン系樹脂のプロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、より好ましくは90重量%以上であり、更に好ましくは95重量%以上である。
ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、粉末成形用パウダーの溶融性、得られる粉末成形体の機械的強度、耐磨耗性をより高める観点から、好ましくは10〜500g/10分であり、より好ましくは50〜400g/10分であり、更に好ましくは100〜300g/10分である。なお、MFRは、JIS K−7210(1976)に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
上記ポリオレフィン系ゴムとは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数2〜10のオレフィン1種または2種以上から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−6253(1997)のA硬度が98以下の重合体である。ポリオレフィン系ゴムはオレフィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有していてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素原子数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸があげられる。
ポリオレフィン系ゴムとしては、たとえば、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、2−メチルプロペン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体があげられ、これらポリオレフィン系ゴムは1種または2種以上組み合わせて用いられる。これらは公知の方法で製造することができる。
ポリオレフィン系ゴムの中では、粉末成形体の機械的強度をより高める観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく使用される。ここで、α−オレフィンとしては、入手容易性の観点から、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
ポリオレフィン系ゴムの中では、粉末成形体の柔軟性、機械的強度及び耐寒衝撃性をより高める観点から、JIS K−6253(1997)のA硬度が80以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい(要件(iv))。
ポリオレフィン系ゴムのメルトフローレート(MFR)は、粉末成形用パウダーの溶融性、粉末成形体の機械的強度、耐磨耗性をより高める観点から、好ましくは0.5〜50g/10分であり、より好ましくは1〜30g/10分である。なお、MFRは、JIS K−7210(1976)に従って、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
オレフィン系熱可塑性エラストマーにおけるポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系ゴムの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、通常20〜300重量部であるが、得られる粉末成形体の柔軟性、耐熱性及び耐寒衝撃性をより高める観点から、好ましくは25〜150重量部である。
ポリマー粒子(A)がオレフィン系熱可塑性エラストマーを含有する場合、さらに水添共役ジエン重合体を含有することにより、粉末成形体の機械的強度を向上させることができる。該水添共役ジエン重合体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2−3−ジメチルブタジエンなどの炭素原子数4〜8の共役ジエン1種又は2種以上の重合体である原料共役ジエン重合体を水添したものをあげることができ、ポリブタジエンの水添物、ポリイソプレンの水添物などを用いることができる。原料共役ジエン重合体を水添することにより、共役ジエンから誘導される繰り返し単位にある不飽和結合が飽和されるが、該飽和されてなる単位を水添共役ジエン単量体単位とした場合、水添共役ジエン重合体としては、得られる粉末成形体の柔軟性をより高める観点から、側鎖の炭素原子数が2以上である水添共役ジエン単量体単位の含有量が50重量%を超えることが好ましい。ただし、水添共役ジエン重合体中の水添共役ジエン単量体単位の含有量を100重量%とする。また、水添共役ジエン重合体は、該割合が異なる2以上のブロックから構成されていてもよい。このような水添共役ジエン重合体としては、特開平3―74409号公報に記載の重合体、JSR株式会社製の「ダイナロンCEBC6200」などの市販品等があげられる。
上記水添共役ジエン重合体を含有する場合、その含有量は得られる粉末成形体の引張強度および柔軟性の観点から、オレフィン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し、好ましくは1〜20重量部であり、より好ましくは2〜10重量部である。
ポリマー粒子(A)がオレフィン系熱可塑性エラストマーを含有する場合、得られる粉末成形体の耐摩耗性をより高める観点から、分子中にシロキサン結合を有するシリコーン化合物をオレフィン系熱可塑性エラストマーに含有せしめることが好ましい。該シリコーン化合物は、アクリル、エポキシ、カルボン酸、アミン、ウレタン等で変性されていてもよい。
上記シリコーン化合物を含有せしめる場合、その含有量は、粉末成形用パウダーの溶融性、得られる粉末成形体の機械的強度をより高める観点から、オレフィン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部であり、好ましくは0.3〜7重量部であり、より好ましくは0.5〜5重量部である。
スチレン系熱可塑性エラストマーとは、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体又はその水添物である。
スチレン系熱可塑性エラストマーに用いられるビニル芳香族化合物としては、例えば、炭素原子数8〜12のビニル芳香族化合物が用いられ、そのビニル基の1位又は2位がメチル基などのアルキル基などで置換されていてもよく、具体的には、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどをあげることができ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、得られる粉末成形体の機械的強度をより高める観点から、スチレンが好ましい。
共役ジエンとしては、例えば、炭素原子数4〜8の共役ジエンが用いられ、1,3−ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2−3−ジメチルブタジエンなどをあげることができ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、得られる粉末成形体の機械的強度をより高める観点から、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンが好ましい。
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体としては、たとえば、スチレン−1,3−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などがあげられ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いられる。また、これらは公知の方法により製造することができる。
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体は、構造が1つのブロックからなるものでもよく、構造が異なる2以上のブロックから構成されてもよい。構造が1つのブロックからなるものとしては、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとがランダムに配列した構造の共重合体、たとえば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体があげられる。構造が異なる2以上のブロックから構成されるものとしては、たとえば、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体から構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン−イソプレン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−スチレン−ブタジエン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体等が挙げられ、かかる共重合体においてスチレン−ブタジエン共重合体ブロックはスチレンとブタジエンとがランダムに共重合した構造のブロックであってもよいし、スチレン単位の含有量が徐々に減少又は増加するテーパー状の構造のブロックであってもよい。
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物とは、前述のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水素添加することにより得られる重合体であり、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体と同様、構造が1つのブロックからなるものでもよく、構造が異なる2以上のブロックから構成されてもよい。ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水添物としては、たとえば、スチレン−1,3−ブタジエン共重合体水添物、スチレン−イソプレン共重合体水添物があげられ、これらは1種または2種以上組み合わせて用いられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーのJIS K−7210(1976)に従って230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR)は、得られる粉末成形体の機械的強度、耐磨耗性及び得られる粉末成形用パウダーの溶融性をより高める観点から、好ましくは1〜200g/10分であり、より好ましくは2〜100g/10分であり、更に好ましくは3〜80g/10分である。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、官能基で変性されていてもよく、官能基としては、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基及びエポキシ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を用いることができる。これら官能基で変性したスチレン系熱可塑性エラストマーを用いた場合、例えば得られる粉末成形体をポリウレタン発泡層と接着して二層成形体又は多層成形体を製造する場合に、ポリウレタン発泡層との接着性が向上するという利点を得ることが可能である。
スチレン系熱可塑性エラストマーの中では、得られる粉末成形体の機械的強度をより高める観点から、下記要件(v)を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物であることが好ましい。
(v):下記(a)及び(b)の構造単位を含有するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水添してなること
(a):ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(b):下記(b1)及び(b2)から選ばれる少なくとも一種類のブロック
(b1):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体ブロック
(b2):共役ジエン重合体ブロック
上記の要件(v)を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物は、一般式[(a)−(b)]n、[(a)−(b)]n−(a)、[(b)−(a)]n−(b)(ただし、nは1以上の整数であり、(a)及び(b)が複数の場合、複数の(a)及び(b)はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。)で表わされる構成を有し、例えば[(a)−(b1)]n−(a)、[(a)−(b2)]n−(a)で表わされるものがあげられる。
上記の要件(v)を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物の中では、得られる粉末成形体の機械的強度をより高める観点から、(a)−(b1)−(a)、(a)−(b2)−(a)で表わされるスチレン−ジエン系共重合体が好ましく、例えばスチレン単独重合体ブロック−ブタジエン−スチレン共重合体ブロック(ランダム共重合ブロックまたはスチレンが漸増するテーパー状ブロック)−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン−スチレン共重合体ブロック(ランダム共重合ブロックまたはスチレンが漸増するテーパー状ブロック)−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物などがあげられ、これらの中では、(a)−(b2)−(a)で表わされる該ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物がより好ましく、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体水添物が特に好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーの全ビニル芳香族化合物単量体単位含有量(T:重量%)は、得られる粉末成形体の柔軟性をより高める観点から、スチレン系熱可塑性エラストマー中の全単量体単位含有量を100重量%とすると、10〜18重量%であることが好ましく、12〜17重量%であることがより好ましい(要件(vi))。なお、全ビニル芳香族化合物単量体単位含有量は、該スチレン系熱可塑性エラストマーの四塩化炭素等溶液を用いて、1H−NMR測定により求めることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、得られる粉末成形体の柔軟性及び耐折り曲げ白化性をより高める観点から、側鎖の炭素原子数が2以上である水添共役ジエン単量体単位の含有量(U:重量%)が60重量%を超えるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が好ましく、側鎖の炭素原子数が2以上である水添共役ジエン単量体単位の含有量が65〜85重量%であるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物がより好ましく、側鎖の炭素原子数が2以上である水添共役ジエン単量体単位の含有量が70〜80重量%であるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が更に好ましい(要件(vii))。ただし、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中の水添共役ジエン単量体単位の含有量を100重量%とする。なお、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水添することにより、該重合体の共役ジエンから誘導される繰り返し単位にある不飽和結合が飽和されるが、該飽和されてなる単位を水添共役ジエン単量体単位とし、該水添共役ジエン単量体単位の含有量は、赤外分析を用い、モレロ法により求めることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、得られる粉末成形体の耐熱性(成形体表面の光沢およびブリード物防止)をより高める観点から、(a)ビニル芳香族化合物重合体ブロック中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量(S:重量% ただし、スチレン系熱可塑性エラストマー中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量を100重量%とする。)、要件(vi)の(T)、要件(vii)の(U)の関係が、下記式(イ)を満足すること(要件(viii))が好ましい。
U≦0.375×S+1.25×T+40 (イ)
これらのうち、上記要件(v)〜(viii)を充足するスチレン系熱可塑性エラストマーを使用した場合は、機械的強度、柔軟性、耐折り曲げ白化性及び耐熱性(成形体表面の光沢およびブリード物防止)に優れた粉末成形体を得ることができる。
上記要件(v)〜(viii)を充足するスチレン系熱可塑性エラストマーは、たとえば特開平3―72512号公報、特開平5―271325号公報、特開平5―271327号公報、特開平6−287365号公報などに記載された方法によって製造することができる。
また、上記スチレン系熱可塑性エラストマーに、上記のポリオレフィン系樹脂を含有させて使用することもでき、該ポリオレフィン系樹脂の含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し、通常500重量部以下であり、好ましくは67〜400重量部である。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとは、ポリウレタンをハードセグメントに、ポリオールやポリエステルをソフトセグメントに有する熱可塑性エラストマーである。必要に応じて、安定剤や顔料が配合されてなる。また、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーからなるパウダーとしては、三洋化成工業株式会社製のメルテックスLA等が挙げられる。
ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーとは、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤及び必要に応じて安定剤や顔料が配合されなる熱可塑性エラストマーである。ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーとしては、例えば住友化学工業株式会社製スミリットFLX等が挙げられる。また、塩化ビニル系熱可塑性エラストマーは、さらにNBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム)や、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム)等のポリマーが配合されていてもよい。この場合、耐寒衝撃性の優れた粉末成形体を得ることができる。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとは、結晶性で溶融温度の高いポリアミドをハードセグメントとして有し、非結晶性でガラス転移温度の低いポリエーテルやポリエステルをソフトセグメントとして有するブロックコポリマーである。必要に応じて、顔料や安定剤が配合される。ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ポリエーテルエステルタイプ及びポリエステルアミドタイプの2種類に大別される、また、ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、さらにNBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム)や、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム)等のポリマーが配合されていてもよい。この場合、耐寒衝撃性の優れた粉末成形体を得ることができる。
熱可塑性エラストマーとしては、得られる粉末成形体の機械的強度、耐折り曲げ白化性、耐熱性(成形体表面の光沢及びブリード物防止)及び耐光性を高める観点から、オレフィン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性エラストマーを含有する熱可塑性エラストマーが好ましく、ポリオレフィン系樹脂及び上記要件(iv)の要件を充足するポリオレフィン系ゴムからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー及び上記要件(v)〜(viii)のすべてを充足するスチレン系熱可塑性エラストマーを含有する熱可塑性エラストマーがより好ましい。
この場合、ポリオレフィン系ゴムの含有量は、得られる粉末成形体の柔軟性、耐寒衝撃性、耐熱性及び耐光性をより高める観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、好ましくは20〜200重量部であり、より好ましくは25〜150重量部である。また、スチレン系熱可塑性エラストマーの含有量は、得られる粉末成形体の機械的強度、耐折り曲げ白化性、耐熱性及び耐光性をより高める観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、好ましくは20〜300重量部であり、より好ましくは25〜150重量部である。
ポリマー粒子(A)は、上記の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの他に、共役ジエン重合体;天然ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム等のゴム質重合体;エチレン−アクリル酸共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこれらのけん化物;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体;エチレン−アクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体;エチレン−メタクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体等の他の重合体成分を含有していてもよい。
ポリマー粒子(A)は、たとえば鉱物油系軟化剤や、フェノール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系、アミド系等の耐熱安定剤;耐候安定剤;帯電防止剤;顔料;シリコーン化合物;金属石鹸;パラフィン系、マイクロクリスタリン系、水添テルペン樹脂等のワックス;防かび剤;抗菌剤;フィラー;発泡剤などの各種添加剤などを含有していてもよい。
ポリマー粒子(A)が顔料を含有する場合、所望の色の粉末成形体を得ることができる。顔料としては、アゾ系、フタロシアン系、スレン系、染色レーキ等の有機顔料;酸化チタン等の酸化物系、クロモ酸モリブデン酸系、硫化セレン化合物、フェロシアン化合物、カーボンブラック等の無機顔料が用いられる。
ポリマー粒子(A)に用いられる熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーを含有する重合体組成物を得るためには、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーを構成する上記の重合体成分と、必要に応じて他の重合体成分及び/又は添加剤とを溶融混練すればよい。また、上記の成分の全種類あるいは数種類を選択して混練又は動的架橋した後に、選択しなかった成分を溶融混練することによっても製造することができる。ここで、溶融混練には、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ロール等の公知の混練設備を用いることができる。なお、他の重合体成分や添加剤は、これらが予め配合された上記の重合体成分(熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーを構成する重合体成分)を用いることによって配合することもできるし、上記の重合体成分(熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーを構成する重合体成分)の混練や動的架橋の際に配合することもできる。
ポリマー粒子(A)のメルトフローレート(MFR)は、10g/10分以上であり、通常500g/10分以下である。該MFRは、好ましくは30〜100g/10分である。該MFRが小さすぎる場合は、粉末成形用パウダーの溶融性に劣る場合がある。該MFRが大きすぎる場合は、得られる粉末成形体の機械的強度に劣る場合がある。なお、MFRは、JIS K−7210(1976)に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
本発明のポリマー粒子(A)の製造方法において、機械的粉砕法としては、好適には、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーを含有するペレットを、該熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーのガラス転移温度以下に冷却した後に、該ペレットを内温が−72〜−88℃、好ましくは−74〜−85℃であるミルを用いて粉砕する方法があげられる。該方法においては、ミルの内部の温度が高すぎると、得られる粉末成形用パウダーの平均粒径が大きくなることがあり、また、ミルの内部の温度が低すぎると、得られる粉末成形用パウダーに含まれる150μm以下のパウダーの含有量が多くなることがある。なお、ミルの内部の温度は、通常ミル内に電磁弁等を通して冷媒(液体窒素、冷却された窒素ガスなど)を投入することにより自動的に制御することができる。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析により測定されるが、該ガラス転移温度が2個以上存在する場合は、これらのうち最も温度が低いものを、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーのガラス転移温度とする。
本発明のポリマー粒子(A)の製造に用いられるミルとしては、リンレックスミル、ピンミル、ディスクミル、ボールミル、ターボミル等の各種ミルをあげることができる。
リンレックスミルとは、ミルの外周に固定された多数の鋭利部を有するライナーと、複数の刃を有するプレートとからなるミルである。通常、プレートの回転軸は該リンレックスミルの中央部に設置される。プレートに固定された刃とライナーとの間に衝撃を加えることにより、上記のペレットが粉砕される。ここで、該リンレックスミルのサイズ、プレートのサイズ、プレートの回転数、プレートに固定される刃の数等は適宜選択される。該リンレックスミルとしては、例えばホソカワミクロン株式会社製のLXシリーズが挙げられる。なお、該リンレックスミルは、分級機構を有していてもよい。
ピンミルとは、多数のピンが融着固定された一対の円盤状のディスクを内部に有するミルである。一対のディスクを逆方向に回転させる、あるいは片方のディスクを固定しもう一方のディスクを回転させることにより、該ディスク間で該ペレットを粉砕し、粉末成形用パウダーが得られる。ここで、該ピンミルのサイズ、ディスクのサイズ、ディスクの回転数、ディスクに融着固定されるピンの数、ディスク間の距離等は適宜選択される。
ディスクミルとは、多数の鋭利部(ブレード)を有する一対の円盤状のディスクを内部に有するミルである。一対の該ディスクを逆方向に回転させる、あるいは片方のディスクを固定しもう一方のディスクを回転させることにより、該ディスク間で上記のペレットを粉砕し、粉末成形用パウダーを得ることができる。ここで、該ディスクミルのサイズ、ディスクのサイズ、ディスクの回転数、ディスク上の鋭利部(ブレード)の数、ディスク間の距離等は適宜選択される。
ボールミルとは、耐磨耗材が内張りされているドラムの中に、ボールとペレットを投入し、ドラムを回転させることにより、該ペレットを粉砕する粉砕機である。
なお、上記のミルにより粉砕されたパウダーを分級して所望の粒度に制御して使用することもできる。例えば、600μmを超えるパウダーが5重量%を超えて生成した場合、粉末成形用パウダーの溶融性が低下し、得られた粉末成形体にピンホール等の不具合が生じる場合がある。この場合は、上記の600μmを超えるパウダーを篩振とう機等を使用して分級後、除去して使用することができる。なお、600μmを超えるパウダーを、再度上記のミルに投入して機械的に粉砕し、合わせて使用することもできる。
本発明の粉末成形用パウダーは、ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)とをドライブレンドしてなるパウダーであってもよい。ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)とをドライブレンドすることにより、粉体流動性が向上した粉末成形用パウダーを得ることができる。よって、欠肉やピンホールがより低減した粉末成形体を得る観点から、ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)とをドライブレンドしてなる粉末成形用パウダーを粉末成形に用いることが好ましい。また、ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)とをドライブレンドしてなる粉末成形用パウダーは、互着防止性に優れる。
該微細粉体(B)としては、通常1次粒径が10μm以下の粉体が用いられる。該微細粉体(B)としては、アルミナ、シリカ、アルミナシリカ、炭酸カルシウム等の無機酸化物(その表面はジメチルシリコーンオイル等でコーティングされていてもよいし、トリメチルシリル基等で表面処理されていてもよい);脂肪酸金属塩;炭酸カルシウム;粉末顔料(ただし、顔料を熱可塑性エラストマー組成物に含有せしめる場合は、その顔料と同色であることが好ましい。アゾ系、フタロシアン系、スレン系、染色レーキ等の有機顔料、酸化チタン等の酸化物系、クロモ酸モリブデン酸系、硫化セレン化合物、フェロシアン化合物、カーボンブラック等の無機顔料等があげられる。);アクリル系重合体(例えば特開2001−123019号公報を参照)やポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂;ポリウレタン等の熱硬化性樹脂;ペースト用塩化ビニル樹脂等があげられ、これらは、1種または2種以上組み合わせてもちいられる。
微細粉体(B)は、無機粉体、熱可塑性樹脂粉体および熱硬化性樹脂粉体からなる群から選ばれた少なくとも1種の粉体であることが好ましい。
微細粉体(B)の1次粒径は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以下であり、更には5nm〜5μmであることが好ましい。ここで1次粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)により微細粉体の写真を撮影し、任意に1000個程度の粒子を選択して粒子の直径を測定し、これらの粒子の直径の合計値を粒子の個数で除した値である。
これら微細粉体(B)は単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。たとえば、無機酸化物単独を用いることもできるし、粉末顔料と無機酸化物とを組み合わせて用いることも可能である。また、微細粉体(B)として、1次粒径が異なる微細粉体を2種以上組み合わせて用いてもよく、例えば、1次粒径が300nm以下の微細粉体と、300nm〜10μmの微細粉体を組み合わせて使用した場合、各々を単独で用いた場合と比較して、さらにパッキング性及び耐凝集性の優れた粉末成形用パウダーを得ることができる。
微細粉体(B)の製造方法としては、無機酸化物、脂肪酸金属塩、炭酸カルシウム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを機械的に粉砕する方法;公知の懸濁重合法により、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを製造する方法などを用いることができる。また、熱可塑性樹脂を機械的に粉砕して得られた粉体などは、該樹脂に対して貧溶媒である溶剤中で、分散剤と乳化剤の存在下、該樹脂の溶融温度以上で攪拌後、冷却することにより、球状化処理を施してもよい。
微細粉体(B)の添加量はポリマー粒子(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部であり、粉末成形用パウダーの粉体流動性、溶融性をより高める観点から、好ましくは0.2〜8重量部である。
上記ポリマー粒子(A)に、上記微細粉体(B)をドライブレンドする方法としては、微細粉体(B)がポリマー粒子(A)上に均一付着する方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、ジャケットのついたブレンダーや高速回転型ミキサー、ナウターミキサー、ユニバーサルミキサー等を使用してバッチブレンドする方法などがあげられる。なお、配合は通常常温で行われる。
また、混合攪拌羽を有するミキサーであって、ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)との配合割合が所望の割合となるように、ポリマー粒子(A)及び微細粉体(B)を夫々所定の供給速度で該ミキサーに供給できる装置、および、ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)とをドライブレンドしてなるパウダーを、該ミキサーの排出口から所定の排出速度で排出できる装置を有するミキサーを使用して、ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)とをミキサーに連続して供給し、粉末成形用パウダーをミキサーから連続して排出した場合、生産性に優れる点で好ましい(例えば、米国特許第4,512,732号を参照)。配合は通常予め粉砕して得られたポリマー粒子(A)と微細粉体(B)を使用して常温で行われるが、得られる粉末成形用パウダーの粉体流動性を高める観点から、該ミキサーのジャケットに冷却用配管(通常は水冷である)を設置して昇温を防ぐ等の対策を施すことが好ましい。
また、該ミキサーとポリマー粒子(A)の製造に用いられるミルとを接続し、ポリマー粒子(A)を該ミルの排出口から該ミキサー内へ連続して供給してもよい。この場合はさらに生産性に優れる。なお、使用する該ミキサーのサイズ、混合攪拌羽の形状、回転条件、ポリマー粒子(A)及び微細粉体(B)の該ミキサーへの供給速度等は、適宜選択される。
また、ナウターミキサーとポリマー粒子(A)の製造に用いられるミルとを接続し、ポリマー粒子(A)を該ミルの排出口から該ナウターミキサー内へ排出した後に、該ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)を該ナウターミキサーでドライブレンドすることも可能である。この場合、得られた粉末成形用パウダーは、ナウターミキサーの容量まで貯蔵された後で排出されるため、フレコン(フレキシブルコンテナ)等への粉末成形用パウダーの充填及び出荷を容易に行うことができ、生産性に優れる。また、該ナウターミキサーのジャケットを温水で加温しながらドライブレンドすると、排出時までに該粉末成形用パウダーが加温されるため、得られた粉末成形用パウダーが吸湿し難いという利点もある。
粉末成形用パウダーの平均粒径は、200〜350μmであり、好ましくは220〜330μmである。平均粒径が小さすぎる場合は、粉末成形用パウダーの作業性に劣る場合がある。また、平均粒径が大きすぎる場合は、粉末成形用パウダーの溶融性に劣る場合がある。なお、粉末成形用パウダーの平均粒径は、JIS Z−8801(1976)に規定される標準篩を用いてJIS R−6002(1978)に従って篩い分けを行い、各標準篩の目開き値に対して各標準篩を通過した粉末成形用パウダーの重量分率をプロットし、該各プロットから得られる累積重量分率線を基に、該累積重量分率線と累積重量分率50重量%線との交点から求められる。
また、本発明の粉末成形用パウダーに含まれる粒径150μm以下のパウダーの含有量は25重量%以下であり、好ましくは22重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。該含有量が大きすぎる場合は、作業性に劣る場合がある。ただし、粉末成形用パウダーを100重量%とする。なお、該含有量は、JIS Z−8801(1976)に規定される標準篩を用い、JIS R−6002(1978)に従い、篩い分け法により測定される。
また、本発明の粉末成形用パウダーに含まれる粒径600μmを超えるパウダーの含有量は、得られる粉末成形体の機械的強度を高める観点から、5重量%以下であることが好ましく、さらには3重量%以下であることが好ましい。ただし、粉末成形用パウダーを100重量%とする。なお、該含有量は、JIS Z−8801(1976)に規定される標準篩を用い、JIS R−6002(1978)に従い、篩い分け法により測定される。
本発明の粉末成形用パウダーは、粉末スラッシュ成形法、流動浸漬法、静電塗装法、粉末溶射法、粉末回転成形法などの種々の粉末成形法に適用することができるが、中でも粉末スラッシュ成形法に好適である。
例えば、粉末スラッシュ成形法では、以下に示す第一工程から第五工程からなる方法により製造される。
第一工程:ポリマー粒子(A)の溶融温度以上に加熱された金型の成形面上に、粉末成形用パウダーを供給する工程
通常、金型温度は160〜320℃であり、金型の加熱方法は、ガス加熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油内又は熱流動砂内への浸漬方式、高周波誘導加熱方式などが用いられる。
第二工程:第一工程の成形面上で粉末成形用パウダーを所定の時間加熱し、少なくともその表面が溶融したパウダーを互いに融着させる工程
第三工程:第二工程において所定時間経過した後に、融着しなかった粉末成形用パウダーを回収する工程
第四工程:必要に応じて、溶融した粉末成形用パウダーがのっている金型をさらに加熱する工程
第五工程:第四工程の後、金型を冷却して、その上に形成された成形体を金型から脱型する工程
また、上記の脱型性をより高めるため、第一工程でポリマー粒子(A)の溶融温度以上に金型を加熱する前に、該金型の成形面上に、フッ素系又はシリコーン系離型剤をコートしておいてもよい。フッ素系スプレーとしては、ダイキン社製のダイフリーGA−6010(有機溶剤希釈品)、ME−413(水希釈品)等が、シリコーン系スプレーとしては、例えば信越シリコーン社製のKF96SP(有機溶剤希釈品)、ネオス社製のフリリース800(水希釈品)等が挙げられる。
本発明の粉末成形用パウダーを粉末成形してなる粉末成形体は単層成形体として使用してもよく、成形体の片面又は両面に他の層を積層した多層成形体として使用してもよい。該他の層としては、合成樹脂層や金属層などがあげられ、該合成樹脂層を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;熱可塑性エラストマー;ポリアミド樹脂;エチレン−ビニルアルコール共重合体;ポリエステル樹脂;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);接着性樹脂などをあげることができる。なお、これらの層は発泡処理されていてもよい。
また、本発明の粉末成形用パウダーを粉末成形してなる粉末成形体は、たとえばインストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラー等の自動車内装部品等に最適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
はじめに、本発明における各種評価方法について説明する。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.18N、温度230℃にて測定した。
(2)ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量(T:重量%)
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物の四塩化炭素溶液を用いて、1H−NMR測定法(周波数90MHz)より求めた。
(3)(a)ビニル芳香族化合物重合体ブロック中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量(S:重量%)
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物の四塩化炭素溶液を用いて、1H−NMR測定法(周波数90MHz)より求めた。
(4)側鎖の炭素原子数が2以上である水添共役ジエン単量体単位の含有量(U:重量%)
赤外分析を用い、モレロ法により求めた。
(5)ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物の水添率
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体の四塩化炭素溶液、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物の四塩化炭素溶液を用いて、1H−NMR測定法(周波数90MHz)より求めた。
(6)ガラス転移温度
JIS K−7121(1987)に従い、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマー10mgを使用し、示差走査熱量分析計(セイコーインスツルメンツ株式会社製 DSC RDC220)を用いて測定した。測定温度範囲は―150〜100℃とし、昇温速度を5℃/分とした。
(7)粉末成形用パウダーの平均粒径
JIS Z−8801(1976)にて規定されている目開き500μm、355μm、250μm、212μm、180μm、150μmおよび106μmの標準篩(内径200mm)を用いて、JIS R−6002(1978)に従い、標準篩を目開きの小さいものから順に受け皿の上に積み重ね、次に、目開き500μmの標準篩上に粉末成形用パウダー100gを投入し、ふるい振とう機(飯田製作所製)を用いて、周波数165Hz、振幅1.2cmで10分間振とうさせた。
各標準篩の目開き値をX軸(単位:μm)に、該目開きの標準篩を通過した粉末成形用パウダーの重量分率(該目開きの標準篩よりも下にある標準篩および受け皿にある粉末成形用パウダーの重量分率、単位:重量%)をY軸にプロットし、各プロットから累積重量分率線を作成した。次に、該累積重量分率線と、累積重量分率50重量%線(Y=50重量%線)との交点を求め、該交点のX軸値を粉末成形用パウダーの平均粒径とした。なお、粉末成形用パウダーの重量分率については、評価に用いられた試料の合計量を100重量%とした。
(8)粉末成形用パウダーに含まれる粒径が150μm以下のパウダーの含有量
上記の平均粒径を測定後、150μmの標準篩を通過したパウダーの割合(重量%)を求めた。
(9)無機粉体の1次粒径
無機粉体を2000〜5000倍の倍率で電子顕微鏡にて観察し、その中から任意に50個の粉体の直径を測定し、数平均値より求めた。
(10)粉末成形用パウダーの作業性
後述の方法で製造した粉末成形用パウダー1kgを、ポリエチレン製透明袋(サーモ株式会社製、26cm×38cm×0.03mm厚)に投入し、室温で1時間放置した。次いで、該粉末成形用パウダーを該ポリエチレン製袋の開口部を下に向けることにより排出した後、大気中に存在している滞留している該粉末成形用パウダーの様子を観察し、下記の基準によって評価した。
1:粉末成形用パウダーの滞留が観察された。
2:粉末成形用パウダーの滞留がほとんど観察されなかった。
(11)粉末成形用パウダーの粉体流動性
JIS K−6722(1977)に記載の、かさ比重測定装置の漏斗に100cm3の粉末成形用パウダーを入れた後、ダンパーを開いてから全パウダーが漏斗から抜け出るまでの時間を測定した。
(12)粉末成形用パウダーの溶融性
粉末成形用パウダーを、290℃に加温されたニッケル製金型(15cm×15cm×3mm厚)上にふりかけ、15秒経過後に該金型に付着しなかった余剰の粉末成形用パウダーを払い落とした。次いで、該粉末成形用パウダーが付着した該金型を、雰囲気温度290℃に保たれたギヤーオーブン中に投入し1分間加熱した。次いで、該金型を冷却後、シート状の粉末成形体を該金型から脱型した。得られた粉末成形体の表面(金型に接触していた側の面)上に発生したピンホールの様子を、下記の基準により目視で判定した。
1:粉末成形体の表面上にピンホールが観察された。
2:粉末成形体の表面上にピンホールが観察されなかった。
実施例1
(1)熱可塑性エラストマーペレットの製造
下記原料を二軸混練機(日本製鋼所(株)社製、TEX−44HCT)を用いて、シリンダー温度150℃で混練して熱可塑性エラストマーを作成し、これを切断機で切断してペレットとした。なお、該熱可塑性エラストマーのメルトフローレート(MFR)は、80g/10分であり、ガラス転移温度は―45℃であった。
<原料>
・ポリオレフィン樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂(住友化学工業株式会社製 PPD200、エチレン単量体単位含有量5重量%、MFR=220g/10分))100重量部
・エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−オクテン共重合体(デュポンダウエラストマー社製 エンゲージ8411、MFR=18g/10分(但し荷重21.18N、温度190℃にて測定)、A硬度76))84重量部
・ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物、全スチレン単量体単位含有量15重量%、ビニル芳香族化合物重合体ブロック中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量100重量%、側鎖の炭素原子数が2以上である水添共役ジエン単量体単位の含有量80重量%、共役ジエン単量体単位の二重結合の水添率98%)113重量部
・水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)社製、クリアロンM115)16重量部
・酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 IRGANOX1076)1.8重量部
・滑剤(日本精化(株)社製 ニュートロンS(エルカ酸アミド))0.6重量部
・顔料(グレー色顔料、住化カラー(株)社製 グレーPPM8Y1853))9重量部
(2)粉末成形用パウダーの製造
上記ペレットを冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン株式会社製 リンレックスミルLX−0型)を用いて粉砕した。この時、ミルの内部の温度(ミルの出口に設けられた熱電対により測定)は−75℃であり、プレートの回転数は11000rpmであった。
次いで、この熱可塑性エラストマーパウダー100重量部あたりに、シリカ(日本アエロジル(株)社製 OX50、1次粒径50nm)1.0重量部及びアルミナシリカ2.0重量部(水澤化学工業(株)社製 JC30、1次粒径3μm)をヘンシェルミキサー(川田製作所社製、5リッタースーパーミキサー)を用いてドライブレンドし(1500rpmで1分間混合)、粉末成形用パウダーを得た。得られた粉末成形用パウダーの平均粒径、粉末成形用パウダーに含まれる150μm以下のパウダーの割合、粉体流動性、作業性及び溶融性の評価結果を表1に示す。
比較例1
ミルの内部の温度を−100℃とした以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
比較例2
ミルの内部の温度を−120℃とした以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
比較例3
ミルの内部の温度を−60℃とした以外は、実施例1と同様に粉末成形用パウダーの製造を試みたが、粉砕時のせん断発熱により熱可塑性エラストマーからなるペレットが溶融互着したため、粉砕を行うことができなかった。
実施例2
熱可塑性エラストマーペレットの製造における原料を下記原料とした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。なお、得られた熱可塑性エラストマーのメルトフローレート(MFR)は、70g/10分であり、ガラス転移温度は―42℃であった。評価結果を表2に示す。
<原料>
・ポリオレフィン樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂(住友化学工業株式会社製 PPD200、エチレン単量体単位含有量5重量%、MFR=220g/10分))100重量部
・エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−1−ブテン共重合体(住友化学工業株式会社製 CX5501、MFR=30g/10分(但し荷重21.18N、温度190℃にて測定)、A硬度70))104重量部
・ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物、全スチレン単量体単位含有量15重量%、ビニル芳香族化合物重合体ブロック中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量100重量%、側鎖の炭素原子数が2以上である水添共役ジエン単量体単位の含有量80重量%、共役ジエン単量体単位の二重結合の水添率98%)156重量部
・水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)社製、クリアロンP135)19重量部
・酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 IRGANOX1076)2.2重量部
・滑剤(日本精化(株)社製 ニュートロンS(エルカ酸アミド))0.7重量部
・顔料(グレー色顔料、住化カラー(株)社製 グレーPPM8Y1853))11重量部
比較例4
実施例2において、ミルの内部の温度を−100℃とした以外は、実施例2と同様に行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0003982475
Figure 0003982475
本発明の粉末成形用パウダーを粉末成形してなる粉末成形体は、インストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラー等の自動車内装部品等に使用される。

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーを含有するペレットを粉砕して、熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーを含有するポリマー粒子(A)を有する粉末成形用パウダーを製造する方法であって、
    該熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーのガラス転移温度以下に冷却した後に、該ペレットを内部の温度が−72〜−88℃であるミルを用いて粉砕する工程を有し、
    前記ポリマー粒子(A)が下記成分(1)〜(3)を含有し、かつ粉末成形用パウダーが下記要件(i)〜(iii)のすべてを充足する粉末成形用パウダーの製造方法。
    (1):ポリオレフィン系樹脂
    (2):下記要件(iv)を充足するエチレン−α−オレフィン共重合体
    (iv):JIS K−6253(1997)に従い測定されるA硬度が80以下であること。
    (3):下記要件(v)を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物
    (v):下記(a)及び(b)の構造単位を含有するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水添してなること。
    (a):ビニル芳香族化合物重合体ブロック
    (b):下記(b1)及び(b2)から選ばれる少なくとも一種類のブロック
    (b1):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体ブロック
    (b2):共役ジエン重合体ブロック
    (i):JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.18N、温度230℃で測定されるポリマー粒子(A)のメルトフローレートが、10g/10分以上であること。
    (ii):粉末成形用パウダーの平均粒径が200〜350μmであること。
    (iii):粒径が150μm以下であるパウダーの粉末成形用パウダー中の含有量が25重量%以下であること(ただし、粉末成形用パウダーを100重量%とする。)。
  2. ポリマー粒子(A)に含まれる前記要件(v)を満たすビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が、さらに下記要件(vi)〜(viii)のすべてを充足する請求項1に記載の粉末成形用パウダーの製造方法。
    (vi):ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量(T:重量%)が10〜18重量%であること(ただし、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)。
    (vii):ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中の水添共役ジエン単量体単位の含有量を100重量%として、側鎖の炭素原子数が2以上である水添共役ジエン単量体単位の含有量(U:重量%)が60重量%を超えること。
    (viii):(a)ビニル芳香族化合物重合体ブロック中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量(S:重量% ただし、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量を100重量%とする。)、要件(vi)の(T)、要件(vii)の(U)の関係が、下記式(イ)を満足すること。
    U≦0.375×S+1.25×T+40 (イ)
  3. 混合攪拌羽を有するミキサーであって、ポリマー粒子(A)及び微細粉体(B)を夫々所定の供給速度で該ミキサーに供給できる装置、および、ポリマー粒子(A)と微細粉体(B)とをドライブレンドしてなるパウダーを該ミキサーの排出口から所定の排出速度で排出できる装置を有するミキサーを用いて、ポリマー粒子(A)と1次粒径が10μm以下である微細粉体(B)とをドライブレンドする工程を有する請求項1または2に記載の粉末成形用パウダーの製造方法。
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