JP3982079B2 - 光学記録再生装置、フォーカスバイアス設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光学記録媒体に対応して記録又は再生を行うために収束したレーザ光を照射する際、この収束されるレーザ光の焦点位置に対してオフセットを与えるためのフォーカスバイアスとして、最適とされるフォーカスバイアスを設定するための光学記録再生装置、フォーカスバイアス設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CD(Compact Disc)やCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などのディスク状光学記録媒体が広く普及している。これらCDやCD−ROMは、その製造時においてプラスチック基板表面上に微少な凹部(物理ピット)を形成し、このピット列によって情報が記録されている。また、このピット列自体がトラックとされており、信号再生のための光ビームスポットは、このピット列によるトラックをトレースするようにされている。
即ち、CDやCD−ROM等のメディアは再生専用であり、製造後において情報の追記や書き換えを行うことができるものではない。
【0003】
これに対して、近年、追記型のCD−R(Recordable)や書き換え型のCD−RW(ReWritable)など、データを記録再生可能なディスクが普及してきている。これらの記録媒体には、記録領域において光ビームスポットが適正にトレースを行えるように、製造工程において案内溝としてのグルーブが形成されている。
データの記録はCD−Rであれば光ビームスポットの強度変調を行うことで、上記グルーブ上の記録層を変形させて物理ピットを形成することにより行われる。また、CD−RWであれば、いわゆる相変化方式により相ピットを形成することにより行う。
【0004】
また、近年においては、CDよりも記録容量の大きいDVD(Digital Versataile Disc又はDigital Video Disc)、DVD−ROMなどの再生専用のディスクも知られてきており、更には、これらDVD、DVD−ROMにほぼ相当する記録容量を有する記録可能なディスクメディアも提案されてきている。
【0005】
これらのディスクメディアに対応するディスクドライブ装置では、スピンドルモータにより回転されているディスクに対して、光ピックアップからそのディスク上のトラックに対してレーザ光を照射し、その反射光を検出することでデータの読出を行なったり、記録データにより変調されたレーザ光を照射することでデータの記録を行ったりする。
【0006】
レーザ光により記録又は再生動作を行うためには、レーザ光のスポットがディスクの記録面上において合焦状態で保たれなければならず、このためディスクドライブ装置には、レーザ光の出力端である対物レンズをディスクに接離する方向に移動させてフォーカス状態を制御するフォーカスサーボ回路系が搭載されている。このフォーカスサーボ回路系としては、通常、対物レンズをディスクに接離する方向に移動させるフォーカスコイル及びディスク半径方向に移動させることのできるトラッキングコイルを有する二軸機構と、ディスクからの反射光情報からフォーカスエラー信号(即ち合焦状態からのずれ量の信号)を生成し、そのフォーカスエラー信号に基づいてフォーカスドライブ信号を生成して、上記二軸機構のフォーカスコイルに印加するフォーカスサーボ制御系から構成されている。
【0007】
上記フォーカスサーボ回路系の基本的な動作としては、フォーカスエラー信号レベルが0となるように、二軸機構のフォーカスコイルにフォーカスドライブ信号を印加して対物レンズと信号面との距離を調節するようにされる。つまり、フォーカスエラー信号レベルが0となる状態において、対物レンズが信号面に対して合焦している状態、つまり、信号面に照射されるレーザ光について最良の結像状態が得られている状態とされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際のディスクドライブ装置においては、フォーカスエラー信号レベルが0となる状態のときに最良の合焦状態が得られるとは限らない場合はしばしば起こり得る。
これは、例えばレーザ光源、ディスクからの反射光としてのレーザ光を検出するフォトディテクタ、その他光学系部品の経時変化による位置や特性の変化などに起因する。
また、ディスク状記録媒体は、媒体表面にゴミや傷などが有ったとしても適正に記録再生が行われるようにすることや信号面の保護などを目的として、例えば図16のディスクD(一部断面図)として示すように、樹脂等により形成された透明層202の裏面に対して信号面201が形成されているのが通常である。
この透明層202の厚みTHは、例え同一種類であっても記録媒体ごとにわずかに異なる場合がある。この透明層202の厚みTHにばらつきが生じることで、検出されるフォーカスエラー信号レベルが0であっても、実際に対物レンズ300から照射されているレーザ光としては信号面202にて最良の結像状態が得られていない現象が起こり得ることが分かっている。
【0009】
これらの事情を考慮すると、フォーカスエラー信号レベルの目標値を0とするのではなく、他の適正な値によりシフトして設定できるようにすることが必要とされる。つまり、フォーカスエラー信号に対してオフセット(バイアス)を与えるようにすることが必要となる。また、このバイアスは、固定的なものではなく、光学系の経時変化やディスクごとのばらつきに応じて、適宜設定されるようにすることが必要となる。
【0010】
また、前述したDVD系などの大容量で高記録密度のディスクメディアでは、グルーブの間隔(トラックピッチ)やピット長は光源波長のオーダー程度に小さいので、レーザ光が正確にグルーブ(或いはグルーブ間に形成されるランド)をトレースし、正確にデータの記録又は再生を行うためには、光ビームスポットは、いわゆる回折限界の品質が必要とされる。このため、上述したフォーカスサーボ回路系としても高精度が要求されるため、上記のようなバイアスとしても精度の高い値が相応に得られなければならない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、収束させたレーザ光を光学記録媒体に対して照射することで記録再生を行い、上記収束させたレーザ光の焦点位置についてオフセットを与えるためのフォーカスバイアスを設定するようにした光学記録再生装置であって、通常の記録時に設定されるレーザパワーよりも低くレーザパワーを設定し、かつフォーカスバイアスを可変設定しながら上記光学記録媒体にデータ記録を行う試行記録を実行する試行記録手段と、上記試行記録により記録された記録データを光学記録媒体から読み出すデータ読み出し手段と、上記データ読み出し手段により読み出された記録データについての所定の信号特性を測定し、この測定結果を上記試行記録時に設定されていたフォーカスバイアスと対応させてサンプル情報として得るサンプル手段と、上記サンプル手段により得られたサンプル情報に基づいて、最適とされるフォーカスバイアスを設定するフォーカスバイアス設定手段と、を備えて構成することとした。
また、収束させたレーザ光を光学記録媒体に対して照射することで記録再生を行うことのできる記録再生装置において行われるもので、上記収束させたレーザ光の焦点位置についてオフセットを与えるためのフォーカスバイアスを設定するためのフォーカスバイアス設定方法であって、通常の記録時に設定されるレーザパワーよりも低くレーザパワーを設定し、かつフォーカスバイアスを可変設定しながら光学記録媒体にデータ記録を行うという試行記録を実行する試行記録手順と、試行記録により記録された記録データを光学記録媒体から読み出すデータ読み出し手順と、データ読み出し手順により読み出された記録データについての所定の信号特性を測定し、この測定結果を試行記録時に設定されていたフォーカスバイアスと対応させてサンプル情報として得るサンプル手順と、サンプル手順により得られたサンプル情報に基づいて、最適とされるフォーカスバイアスを設定するフォーカスバイアス設定手順とを実行するように構成することとした。
【0012】
上記構成による発明のもとでの試行記録では、変更されるフォーカスバイアスによりレーザ光のフォーカス状態が変わるが、通常記録時よりも低いレーザパワーにより記録を行うことで、記録データとして形成されるピットの品質は通常記録時よりもフォーカス状態に大きく依存する。そして本発明では、上記試行記録により記録されたデータを再生して得られる所定の信号特性に基づいてフォーカスバイアスを設定するのであるが、この信号特性としては、試行記録時のフォーカス状態の変化に応じた顕著な変動が見られることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以降、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態のフォーカスバイアス設定装置としては、例えばホストとしてのパーソナルコンピュータ等と接続され、所定種類のディスクについて記録再生が可能とされる構成を採るディスクドライブ装置に搭載される場合を例に挙げる。
なお、以降の説明は次の順序で行う。
1.ディスクドライブ装置
2.フォーカスバイアス設定(第1例)
3.フォーカスバイアス設定(第2例)
4.処理動作
【0014】
1.ディスクドライブ装置
図1は、本実施の形態のディスクドライブ装置の要部の構成を示すブロック図である。
この図に示すディスクDは、ターンテーブル7に載せられて再生動作時においてスピンドルモータ6によって一定線速度(CLV)もしくは一定角速度(CAV)で回転駆動される。そして光学ピックアップ1によってディスクDの信号面に記録されているデータの読み出しが行われる。
【0015】
光学ピックアップ1は、レーザ光の光源となるレーザダイオード4と、偏向ビームスプリッタや対物レンズ2からなる光学系、及びディスクに反射したレーザ光を検出するためのフォトディテクタ5等が備えられて構成されている。ここで、対物レンズ2は、二軸機構3によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に支持されている。
【0016】
図2は、光学ピックアップ1における光学系の構造例を示す。
この図に示す光学系としては、レーザダイオード4から出力されるレーザビームは、コリメータレンズ51で平行光にされた後、ビームスプリッタ52によりディスクD側に90度反射され、対物レンズ2からディスクDに照射される。
ディスクDで反射された反射光は、対物レンズ2を介してビームスプリッタ52に入り、そのまま透過して集光レンズ53に達する。そして集光レンズ53で集光された後、円筒レンズ(シリンドリカルレンズ)54を介してフォトディテクタ5に入射される。
【0017】
ここで、レーザーダイオード4は、実際に再生されるべきディスク種別に対応してその中心波長が設定され、対物レンズ2の開口率NAも実際に再生されるべきディスク種別に対応して設定される。
【0018】
当該ディスクドライブ装置の再生動作によって、ディスクDから反射されたレーザ光はフォトディテクタ5によって受光電流として検出される。そして、この受光電流をディスクから読み出した情報信号としてRFアンプ9に対して出力する。
RFアンプ9は、電流−電圧変換回路、増幅回路、マトリクス演算回路(RFマトリクスアンプ)等を備え、フォトディテクタ5からの信号に基づいて必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのプッシュプル信号PP、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、いわゆる和信号であるプルイン信号PIなどを生成する。
【0019】
フォトディテクタ5としては図3(a)のような向きで、検出部A,B,C,Dから成る4分割ディテクタ5aが設けられており、この場合フォーカスエラー信号FEは検出部A,B,C,Dの出力について、FE=(A+C)−(B+D)の演算により生成される。
【0020】
図4には、対物レンズ2のディスク信号面に対するフォーカス状態に応じて4分割ディテクタ5aにて得られる、反射光としてのビームスポットSPのパターン例を示している。
例えば、対物レンズ2のディスク信号面に対するフォーカス状態として、ジャストフォーカスの状態であるとされる場合には、図4(a)に示すようにして、受光素子A,B,C,DにてビームスポットSPが受光される。つまり、受光素子A,B,C,Dに対してほぼ均等な受光量が得られる。
これに対して、対物レンズ2のディスク信号面に対するフォーカス状態として、合焦状態よりも近い位置にある場合には、図4(b)に示すようにして、受光素子B,Dよりも受光素子A,Cにて多くの受光量が得られるようにしてビームスポットSPが受光される。また、合焦状態よりも遠い位置にある場合には、図4(c)に示すようにして、受光素子A,Cよりも受光素子B,Dにて多くの受光量が得られるようにしてビームスポットSPが受光される。
【0021】
このようにして、フォーカス状態に応じて受光素子A,B,C,Dにおける受光領域が変化するが、このような受光素子A,B,C,Dについて、上記した演算を行う結果フォーカスエラー信号FEが得られることになる。この場合には、ジャストフォーカス状態よりも近ければデフォーカスに応じて、0レベルに対応する基準値に対して正の領域で変動し、逆に、ジャストフォーカス状態よりも遠ければデフォーカスに応じて、基準値に対して負の領域で変動する信号となる。
【0022】
また、プルイン信号PIについては、PI=(A+B+C+D)となる。
また、この4分割ディテクタ5aでプッシュプル信号PPを生成する場合は、図2(b)に示すようにディテクタ5aの検出部A,B,C,Dの出力について、差動アンプ5bで(A+D)−(B+C)の演算を行うことにより生成することができる。
また、トラッキングエラー信号TEはいわゆる3ビーム方式を考えれば、図3に示した4分割ディテクタとは別にサイドスポット用のディテクタE,Fを用意し、E−Fの演算で生成してもよい。
【0023】
図1に説明を戻す。
RFアンプ9で生成された各種信号は、二値化回路11、サーボプロセッサ14に供給される。即ちRFアンプ9からの再生RF信号は二値化回路11へ、プッシュプル信号PP、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIはサーボプロセッサ14に供給される。
【0024】
RFアンプ9から出力される再生RF信号は二値化回路11で二値化されること
で二値化信号(例えばEFM信号(8−14変調信号)、或いはEFM+信号(8−16変調信号)等)とされ、エンコーダ/デコーダ12、PLL(Phase Locked Loop)回路20、及びジッター検出回路21に対して分岐して供給される。
【0025】
PLL回路20では、入力された二値化信号のチャンネルビット周波数に同期した再生クロックPLCKを生成する。この再生クロックPLCKは、再生時における信号処理等のための基準クロックとして利用され、例えば図のようにエンコーダ/デコーダ12に対して供給されて、エンコーダ/デコーダ12における再生信号処理タイミングの基準となる。また、本実施の形態においては、再生クロックPLCKはジッター検出回路21に対しても供給される。
【0026】
再生時において、エンコーダ/デコーダ12のデコード部ではEFM復調、又はEFM+復調,更に、所定方式に従った誤り訂正処理(RS−PC方式、CIRC方式等)を行いディスクDから読み取られた情報の再生を行う。そして、エンコーダ/デコーダ12によりデコードされたデータはインターフェース部13を介して、図示しないホストコンピュータなどに供給される。
また、エンコーダ/デコーダ12においては、再生クロックPLCKからディスク回転速度情報を得る。このディスク回転情報は光学ピックアップ1から出力されるレーザスポットと、記録ピットが形成されているトラックとの相対的な速度を示す。
【0027】
ジッター検出回路21は、入力された二値化信号及び再生クロックPLCKを利用して、後述するようにして二値化信号のジッター量を検出し、この検出されたジッター量の情報を、ジッター値JTとしてシステムコントローラ10に対して出力するようにされている。ここでのジッターとは、二値化信号の時間軸方向に沿った揺れを指すものである。
なお、このジッター検出回路21にて得られるジッター値JTは、システムコントローラ10が各種制御処理時において必要とされるときに用いることができるが、後述する第2例としてのフォーカスバイアス設定の構成では、最適値としてのフォーカスバイアスを設定する際に測定すべき信号特性として扱われる。
【0028】
また、ディスクDにデータを記録する場合には、例えば図示しないホストコンピュータから供給されたデータがインターフェース部13を介してエンコーダ/デコーダ12のエンコード部に送られる。
【0029】
このエンコード部では、上記インターフェース部13から入力されたデータについて、所定方式に従った誤り訂正符号の付加とエンコード処理とを施し、さらにディスクDへの記録のための所定の変調処理を行って記録データWDを生成する。
ここで、例えばディスクDのオーバーライト領域Aovが光磁気方式に対応するとして、光変調オーバーライト方式により記録を行うのであれば、この記録データWDをレーザドライバ18に出力する。レーザドライバ18では、供給された記録データに基づいて変調したレーザダイオード駆動電圧を生成して、光学ピックアップ1のレーザダイオード4を駆動する。これにより、レーザダイオード4からは、記録データWDにより変調されたパルス発光を行うようにされる。この一方で、例えばシステムコントローラ10では、磁気ヘッドドライバ22を制御することで、磁気ヘッド23から例えば所要の一定レベルの磁界を発生させてディスクDに印加させる。このようにして、光変調オーバーライト方式によるデータ記録が実現される。
【0030】
また、磁界変調オーバーライト方式(ここでは単純磁界変調方式を例に挙げる)により記録を行うのであれば、エンコーダ/デコーダ12のエンコード部にて生成された記録データWDを磁気ヘッドドライバ22に供給するようにされる。磁気ヘッドドライバ22では、入力された記録データWDに対応する駆動信号を磁気ヘッド23に出力することで、磁気ヘッド23からは、記録データに応じたN又はSの磁界を発生してディスクに印加する。これと共に、システムコントローラ10では、所要の記録レベルに対応するレーザパワーを設定したレーザ駆動制御データを生成し、例えばサーボプロセッサ14を介してレーザドライブ信号としてレーザドライバ18に出力する。これにより、レーザダイオード4からは記録レベルに対応するレーザパワーによる発光が行われる。
このようにして、記録データにより変調された外部磁界を印加すると共に、記録レベルのレーザパワーによるレーザ光の照射を行うことで、磁界変調オーバーライト方式による記録が可能となる。
なお、磁界変調オーバーライト方式として、単純磁界変調方式よりも高記録密度化を図ったいわゆるレーザストローブ磁界変調方式が提案されているが、この方式に依るデータ記録を行う場合には、記録データにより変調された外部磁界を印加すると共に、記録データのクロックタイミングに応じてレーザ光をパルス発光させるようにシステムコントローラ10が制御を実行すればよい。
【0031】
上記した何れの光磁気記録方式においてもいえることであるが、記録時の光学ピックアップ3のレーザダイオード4は、ディスクDの記録面上の温度をいわゆるキュリー点まで上昇させるだけのパワーを有するレーザ光を発生し、当該レーザ光によりキュリー点まで温度が上昇したディスクDの記録面に対して、上記磁気ヘッド23が磁界を印加し、その後、ディスクDの回転に伴って当該記録面の温度が低下することで上記印加した磁界が残り、これにより記録が行われたことになるものである。
【0032】
また、ディスクDのオーバーライト領域Aovが相変化方式に対応するとして、このオーバーライト領域Aovに対して記録を行う場合には、例えば、エンコーダ/デコーダ12のエンコード部にて生成された記録データWDをレーザドライバ18に供給する。この場合、例えばレーザドライバ18では、入力された記録データWDに基づいて変調を行い、所要の記録レベルと消去レベルとを組み合わせたレーザダイオード駆動電圧を生成してレーザダイオード4を駆動する。これにより、相変化方式に従ってデータの記録が実行される。この相変化方式に依る記録/再生の構成のみを採る場合、磁気ヘッドドライバ22及び磁気ヘッド23は省略して構わない。
【0033】
サーボプロセッサ14は、RFアンプ9からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プッシュプル信号PP等から、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスドライブ信号FDR、トラッキングドライブ信号TDRを生成し、二軸ドライバ16に供給する。
【0034】
二軸ドライバ16は、例えばフォーカスコイルドライバ16a、及びトラッキングコイルドライバ16bを備えて構成される。フォーカスコイルドライバ16aは、上記フォーカスドライブ信号FDRに基づいて生成した駆動電流を二軸機構3のフォーカスコイルに供給することにより、対物レンズ2をディスク面に対して接離する方向に駆動する。トラッキングコイルドライバ16bは、上記トラッキングドライブ信号TDRに基づいて生成した駆動電流を二軸機構3のトラッキングコイルに供給することで、対物レンズ2をディスク半径方向に沿って移動させるように駆動する。
これによって光学ピックアップ1、RFアンプ9、サーボプロセッサ14、二軸ドライバ16によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0035】
また、サーボプロセッサ14は、後述するスピンドルモータドライバ17に対して、スピンドルエラー信号SPEから生成したスピンドルドライブ信号を供給する。スピンドルモータドライバ17はスピンドルドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドルモータ6に印加し、スピンドルモータ6が所要の回転速度となるように回転駆動する。
更に、サーボプロセッサ14はシステムコントローラ10からのスピンドルキック(加速)/ブレーキ(減速)信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ17によるスピンドルモータ6の起動または停止などの動作も実行させる。
【0036】
サーボプロセッサ14は、例えばトラッキングエラー信号TEの低域成分から得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ15に供給する。スレッドドライバ15はスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構8を駆動する。スレッド機構8は光学ピックアップ1全体をディスク半径方向に移動させる機構であり、スレッドドライバ15がスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構8内部のスレッドモータを駆動することで、光学ピックアップ1の適正なスライド移動が行われる。
【0037】
更に、サーボプロセッサ14は、光学ピックアップ1におけるレーザダイオード4の発光駆動制御も実行する。レーザダイオード4はレーザドライバ18によってレーザ発光駆動されるのであるが、サーボプロセッサ14は、システムコントローラ10からの指示に基づいて記録再生時などにおいてレーザ発光を実行すべきレーザドライブ信号を発生させ、レーザドライバ18に供給する。これに応じてレーザドライバ18がレーザダイオード4を発光駆動することになる。
【0038】
以上のようなサーボ及びエンコード/デコードなどの各種動作はマイクロコンピュータ等を備えて構成されるシステムコントローラ10により制御される。
例えば再生開始、終了、トラックアクセス、早送り再生、早戻し再生などの動作は、システムコントローラ10がサーボプロセッサ14を介して光学ピックアップ1の動作を制御することで実現される。
なお、この図に示されるテーブル10aは、システムコントローラ10内部のROM等に格納される情報とされ、その内容としては、ディスク種別ごとにおいて、オーバーライト領域Aovに対応して設定された、エンボスピット領域Aepに対応するフォーカスバイアスに対するオフセット値とされるが、これについては後述する。
【0039】
ここで、図1に示す構成からフォーカスサーボ系を抜き出した構成を図5に示す。なお、この図において図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
光学ピックアップ1のフォトディテクタにて検出された受光信号は、前述したようにRFアンプ9に供給される。RFアンプ9では、生成信号の1つとしてフォーカスエラー信号FEを生成してサーボプロセッサ14内のフォーカスサーボ系に供給する。
この図に示すサーボプロセッサ14内のフォーカスサーボ系としては、目標値制御回路41,差動アンプ42,及び位相補償回路43が備えられる。目標値制御回路41は、フォーカスサーボループによる回路系が収束するための目標値として、フォーカスエラー信号に重畳すべきフォーカスバイアスとしての電圧レベルを発生して出力する。このフォーカスバイアスの値は、システムコントローラ10から出力されるバイアス設定制御信号に基づいて設定される。
【0040】
差動アンプ42の非反転入力にはフォーカスエラー信号FEが入力され、反転入力には目標値制御回路41から出力されたフォーカスバイアスとしての電圧レベルが供給される。これにより、差動アンプ42からは、目標値制御回路41にて設定されたフォーカスバイアスが重畳されたフォーカスエラー信号FEが出力されることになる。
【0041】
差動アンプ42の出力は位相補償回路43にて位相補償されて、フォーカスコイルドライブ信号FDRとしてフォーカスコイルドライバ16aに供給される。フォーカスコイルドライバ16aからは、入力されたフォーカスコイルドライブ信号FDRに応じて二軸機構3のフォーカスコイルを駆動して、対物レンズ2をディスクに接離する方向に移動させる。
【0042】
この図5に示す構成では、仮に目標値制御回路41において出力すべきフォーカスオフセット値として「0」であるとすれば、フォーカスエラー信号レベルが0となるようにしてフォーカスサーボループ回路系が動作することになる。また、値「x」としてのフォーカスバイアス値が設定されたとすれば、フォーカスエラー信号の0レベルに対して、このフォーカスバイアス値「x」によりシフトされたレベルに収束するように動作することになる。
【0043】
従来例にて前述したように、各種要因により、フォーカスエラー信号が0レベルであるときのフォーカス状態は最良の結像状態ではないとされる状態が発生するが、上記のようにしてフォーカスエラー信号FEに対してフォーカスバイアスを設定することで、閉ループによるフォーカスサーボ制御としては、常に適正な結像状態が得られるようにすることが可能になる。
なお、本実施の形態として、目標値制御回路41に対して設定すべきフォーカスバイアスを決定するための構成については次に述べる。
【0044】
2.フォーカスバイアス設定(第1例)
本実施の形態においては、最適値としてのフォーカスバイアスは次のようにして設定する。
先ず、本実施の形態では、ディスクDが装填されたとすると、このディスクDの所定領域(例えば予め設定されたテスト記録領域)に対してテスト記録(試行記録)を行う。
この際、フォーカスバイアスとしては、適当に設定した範囲内においてフォーカスバイアスを所定タイミングで逐次変更していくようにされる。
また、一般には、通常の記録時においては、データ記録に適合した再生時よりも強い所定のレーザパワー(通常記録レーザパワー)が設定されるのであるが、本実施の形態においては、このテスト記録時に際しては、上記通常記録レーザパワーよりも低いがデータ記録が可能とされるだけの所定のレーザパワー(テスト記録レーザパワー)が設定される。
つまり、本実施の形態では、通常記録レーザパワーよりも低いテスト記録レーザパワーにより、フォーカスバイアスを可変しながらテスト記録を行うものである。
【0045】
本来、適正にデータが記録されるためには、ディスクの信号記録面に照射されるレーザ光が最適な結像状態とされている必要があるが、フォーカスバイアスを可変しながら記録を行うということは、レーザ光のフォーカス状態を強制的にデフォーカス(ジャストフォーカスから外れた状態である)させながら記録を行うことに他ならない。これにより、ディスクに記録データとして形成されるピットの品質は、強制的につくられるデフォーカス状態の程度に依存して変化し得ることになる。
但し、通常記録レーザパワーにより記録を行った場合、或る程度のデフォーカスの状態であるとしても形成されるピット品質には顕著な変化は与えられない場合がある。これに対して、例えば上記テスト記録レーザパワーのように、通常記録レーザパワーよりも低いレベルで記録を行うと、逆にわずかなデフォーカスによっても形成されるピット形状等には大きな影響が現れるものである。つまり、記録データの品質としてはデフォーカスの程度に応じて大きく変化するものが得られる。
【0046】
そして、本実施の形態では、上記テスト記録により記録されるデータについて再生を行って、再生データについての所定の信号特性を計測し、この計測された信号特性をテスト記録時において設定されていたフォーカスバイアスと関連づけてサンプルして保持するようにされる。
ここで、先に述べたように、ディスクにテスト記録されたピットは、通常記録レーザパワーよりも低いレベルのテスト記録レーザパワーで記録されたことで、デフォーカスに応じたその品質の変化は著しいものとなっている。従って、その再生信号としても、記録時のデフォーカスの状態に応じた顕著な信号特性の変化が得られていることになる。
【0047】
ここで、本実施の形態のフォーカスバイアス設定のための構成の第1例として、最適とされるフォーカスバイアスを求めるための判断材料となる信号特性としては、信号変調度を用いることとする。信号変調度はディスク信号面に照射されるレーザ光のスポット径、及びピット形状により決定されるが、デフォーカスによっても大きく影響を受けることが知られている。
【0048】
図6には、上記した再生信号についてのサンプルを行った結果として、再生信号の変調度と、テスト記録時において設定されていたフォーカスバイアスとの関係が示されている。この図においては、横軸がフォーカスバイアスとされ、縦軸が変調度とされている。
また、図の座標内に示す×印はサンプルポイント(測定点)を示す。この場合には、6つのサンプルポイント(フォーカスバイアスとして、−4,−3,−2,−1,0,1,の6ポイント)について変調度を測定した場合が示されている。
また、図の座標内に示す○印のサンプルポイントは、通常記録レーザパワーにより記録を行ったとする場合の、記録時のフォーカスバイアスと変調度との関係を示している。この×印と○印のサンプルポイントの様子を比較して分かるように、デフォーカスに応じた再生信号の変調度の変化は、通常記録レーザパワーにより記録した場合には微少であるのに対して、これより低いテスト記録レーザパワーにより記録した場合にはこれが顕著なものとなっている。
これは、以降説明するようにして最適とされるフォーカスバイアスを求めるのにあたっては、本実施の形態のようにして、デフォーカスに応じた変調度の変化が著しいほうが、より精度の高い結果を得ることができることを意味するものである。
【0049】
そして、図6に示すサンプル結果が得られた場合において、最適値としてのフォーカスバイアスは次のようにして求めることができる。
1つには、サンプルポイントのうちで、最も大きな変調度(最良値)が得られたときのフォーカスバイアスを最適値として設定する方法である。図6の場合であれば、座標(−1,5)が極値とされている。従って、この場合には、フォーカスバイアス=−1を最適値として設定するようにされる。
また、1つには、最も変調度の変化率が低いとされるサンプル領域を見いだし、この領域に対応するフォーカスバイアスを設定するものである。図6の場合であれば、座標(−1,5)の付近が最も変調度の変化率が低い。従ってこの場合にも、フォーカスバイアス=−1を最適値として設定するようにされる。
【0050】
また1つには、その座標の変調度が予め設定した所定値に近く、かつ、変調度としての極値を挟む2つのサンプルポイントの平均値、或いは相加平均値をフォーカスバイアスの最適値として設定する方法である。
ここで、図6の場合において、予め設定した所定の変調度を「2」としたとすれば、ジッター値2に近く、かつ、極値の座標(−1,5)を挟む2つのサンプルポイントとしては、座標(−3,2)(1,2.5)となる。そして、この2つのサンプルポイントのフォーカスバイアス値を利用して平均値を求めると、
(−3+1)/2=−1
となり、フォーカスバイアス=−1が求められることになる。
また、図6の場合において、相加平均値を求めるのであれば、上記平均値を求めた場合と同様に、予め設定したジッター値を「2」とすれば、極値の座標(−1,5)を挟んで、かつ、ジッター値2に近い、2つのサンプルポイントとして座標(−3,2)(1,2.5)となる。そして、この2つの座標の値に基づき、重み付けのパラメータを変調度として相加平均を求めると、
{(−3×2)+(1×2.5)}/(|−3+1|)≒−1.8
となり、フォーカスバイアス=−1.8が求められることになる。なお、相加平均を求めるための演算式は他にも考えられるものである。
【0051】
更に1つには、フォーカスバイアスと変調度には或る程度の相関関係がある(例えば図6に示す結果であれば二次関数的関係を有する)ことを利用して、各サンプルポイントの計測結果の全て或いはその一部を利用して所要の数値演算処理を実行することで、ジッター値が極値であるとして想定される値を算出し、更にこの極値に対応すると推定されるフォーカスバイアス値を算出する。そして、この算出されたフォーカスバイアス値を最適値とするものである。
図6の場合であれば、6つのサンプルポイントにて得られたサンプル情報(フォーカスバイアスと、これに対応して計測された変調度である)の全てまたは一部を利用して、数値演算処理を実行して、このときに極値として算出されたジッター値に対応するとされるフォーカスバイアスを算出し、これを最適値として設定するものである。
【0052】
上記のようにして設定された最適値としてのフォーカスバイアスは、例えばシステムコントローラ10の内部RAM(図示せず)に保持される。そして、実際の記録又は再生時においては、この内部RAMに保持されたフォーカスバイアスをフォーカスエラー信号FEに重畳して、フォーカスサーボループ制御を実行すればよい。このためには、前述したように、システムコントローラ10がバイアス設定制御信号S1を出力することで、これまでの検出動作により得られた第1フォーカスバイアスを目標値制御回路41に対して設定するように制御を実行すればよいことになる。
【0053】
3.フォーカスバイアス設定(第2例)
上記第1例としては、最適とされるフォーカスバイアスを求めるためにサンプルする再生信号特性として信号変調度を利用したが、この他に、再生信号のジッターを利用することも可能である。再生信号に現れるジッター量も、記録時のデフォーカスに応じた記録ピットの品質(形状)に依存し、また、通常記録レーザパワーより低いテスト記録レーザパワーにより記録した場合の方が、デフォーカスに応じた変化は著しいものとなる。
そこで、以降、本実施の形態の第2例として、再生信号のジッターに基づいてフォーカスバイアスを設定する構成について説明する。
【0054】
そこで、先ず、本実施の形態のディスクドライブ装置においてジッター値を得るための構成例について説明しておく。
本実施の形態においては、図1に示すジッター検出回路21によりジッターを検出する。
【0055】
図7は、ジッター検出回路21の構成例を示すブロック図である。
この図に示すジッター検出回路21は、逓倍器30、ΔT検出回路31,及びジッター値算出回路32よりなる。
【0056】
ΔT検出回路31に対しては、二値化回路11からの二値化信号、再生クロックPLCK、及び再生クロックPLCKを逓倍器30にて所定の倍数nにより逓倍した逓倍クロックMCK(=n×PLCK)が入力される。ここでは、倍数n=10とし、逓倍クロックMCKは、再生クロックPLCKを10倍程度に逓倍した周波数信号であるものとする。なお、実際の倍数nは、後述するΔTの周期のカウントができるだけ正確に行えるような値が任意に設定されればよい。
【0057】
図8は、ΔT検出回路31に対して入力される信号を示すタイミングチャートであり、図8(a)(b)(c)は、それぞれ入力された二値化信号、再生クロックPLCK、及びMCKを示している。
ここで、図8(a)に示す二値化信号としては、3TのHレベルによる反転間隔が示されている。
また、図8(b)に示す再生クロックPLCKは、前述したように、上記二値化信号のチャンネルビット周波数を有して二値化信号に同期した信号である。また、図8(c)に示す逓倍クロックMCKは、再生クロックPLCKを逓倍して得られる周波数信号であることから、再生クロックPLCKに同期した周波数信号となる。
【0058】
ところで、理想的には、二値化信号のエッジタイミングと再生クロックPLCKのエッジタイミングとは、時間軸的に一致すべきものであるが、実際には、信号処理によるディレイなどによって、図の期間t0〜t1、及びこれに続く期間t2〜t3に示すようにして、ΔTで示す位相誤差が生じることがある。
【0059】
ここでのジッター量とは、上記位相誤差ΔTの揺らぎの範囲をいうものである。つまり、例えば、二値化信号が反転するごとにサンプルしたΔT,ΔT,ΔT・・・について、仮に一定であるならば、ジッターは0とされることになる。これに対して、ΔT,ΔT,ΔT・・・が一定ではなく、変化が見られるのであればジッターが存在することになり、その変化量が大きいほどジッター量は大きいことになる。
このようなジッターの発生にはいくつかの要因が考えられるものの、主としては、ディスクDにデータとして形成されている記録ピット長自体のばらつきなどが挙げられる。また、再生時において照射されるレーザ光のデフォーカスをはじめ、光学系を含む再生系の動作性能にも依存して発生する。つまりジッター量は、記録ピット長の形成状態を示し得る他、再生特性の良好性を示す情報としても扱うことができる。
【0060】
ΔT検出回路31では、二値化信号波形が反転してエッジ位置が得られるごとに上記ΔTとしての位相誤差量を検出するものであるが、その検出は例えば次のようにして行うことができる。
【0061】
図9は、図8における期間t0〜t1の付近を拡大して示している。
ジッター検出回路21では、例えば時点t0のようにして、入力された二値化信号波形(図9(a))についての立ち上がり(又は立ち下がり)のエッジ位置が検出されると、この時点t0から最先のPLCK(図9(b))の立ち上がりが得られる時点t1間での期間(即ち位相誤差ΔTが生じている期間)、図9(c)に示す逓倍クロックMCKの周期(例えば反転回数としてもよい)をカウントする。逓倍クロックMCKは、再生クロックPLCKに同期した信号である。
【0062】
図9においては、期間t0〜t1において逓倍クロックMCKがちょうど3周期得られ、反転回数としては「6」が得られた状態が示されているが、ΔT検出回路31では、例えばこのカウントした反転回数の値を位相誤差ΔTの値としてジッター値算出回路32に出力する。なお、ここでは位相誤差ΔTの値を反転回数としているが、できるだけ正確な値が得られるのであれば、特にこれに限定されるものではなく、例えばHレベルのパルス出現回数などとしてもよいものである。
【0063】
ジッター値算出回路32には、二値化信号が反転するごとに位相誤差ΔTの値の情報が得られることになる。
そこでジッター値算出回路32では、二値化信号が反転するごと順次得られる位相誤差ΔTの値について、所定のm個のサンプル数をとり、次に示す演算を行うことでジッター値JTを得るようにされる。ここでは、サンプルされるm個の位相誤差ΔTについて、サンプルされた時間軸に従ってΔTi(1≦i≦m)として表している。
先ず、
【数1】
により示される演算を行うことで、サンプルしたm個のΔTi,ΔTi,ΔTi・・・についての平均値を得る。そして、この平均値を利用して、
【数2】
により示す演算を実行することで、ジッター値JTを得る。この(数2)により示されるジッター値JTは、サンプルされたm個のΔTi,ΔTi・・・間の変動幅を示すものとなる。
このようにして算出されたジッター値JTは、システムコントローラ10に対して入力される。
【0064】
なお、上記サンプル数mは、ジッター値JTができるだけ高精度で得られることと、ジッター値JTの算出に要する時間が必要以上に長くならないようにすることを考慮して任意に設定されればよい。
また、ジッター検出回路21を形成する各部の内部構成は各種考えられるためここでは、詳しい図示は省略する。例えば、ΔT検出回路31及びジッター値算出回路32等は、各種デジタル回路や論理回路を組み合わせることで、上記した動作を実現することが容易に可能とされるものである。
また、上記(数1)(数2)により示したジッター値JTの算出方法はあくまでも一例であり、他の演算式等を利用して行われてもよいものである。
【0065】
そして、第2例の場合においては、テスト記録としては先の第1例の場合と同様に行われるが、このテスト記録により記録されたデータを再生して信号特性を計測する際、上記のようにして得られたジッター値JTをサンプル値として取り込み、テスト記録時において設定されていたフォーカスバイアスと関連づけて、例えばシステムコントローラ10内部のRAMに保持することになる。
【0066】
ここで、図10に上記のようにしてサンプルを行った結果として、再生信号のジッター値と、テスト記録時において設定されていたフォーカスバイアスとの関係が示されている。この図においては、横軸がフォーカスバイアスとされ、縦軸がジッター値とされる。そして、図の座標内には×印により6つのサンプルポイントA〜Fが示されている。ジッター値は、良好であるほど小さい値を示すので、先に図6に示した変調度とフォーカスバイアスとの関係に対して、逆の傾向となる。
【0067】
例えば図10に示すようにして、再生信号のジッター値とテスト記録時に設定されたフォーカスバイアスとの関係がサンプル情報として得られさえすれば、最適とされるフォーカスバイアスは、先に第1例で述べたと同様にして求めることができる。
つまりは、サンプルポイントのうちで、最も小さなジッター値(最良値)が得られたときのフォーカスバイアスを最適値として設定することができる。
また、最もジッター値の変化率が低いとされるサンプル領域を見いだし、この領域に対応するフォーカスバイアスを最適なフォーカスバイアスとして設定することができる。
また、ジッター値が予め設定した所定値に近く、かつ、ジッター値としての極値を挟む2つのサンプルポイントの平均値、或いは相加平均値をフォーカスバイアスの最適値として設定することができる。
更には、サンプル結果に基づいて、信号特性の極値を算出、更にこの極値に対応する推定されるフォーカスバイアスを算出するための数値演算処理を実行することで最適値としてのフォーカスバイアスを設定することができる。
【0068】
4.処理動作
続いて、これまで説明した最適値としてのフォーカスバイアスを設定するための動作を実現するための処理動作について図11〜図13のフローチャートを参照して説明する。この処理動作は、システムコントローラ10が実行するものとされる。また、以降の処理動作の説明は、第1例に則って、測定すべき再生信号特性として変調度を採用している場合を例に挙げる。
【0069】
最適値としてのフォーカスバイアス設定のための処理動作としては、図11に示すようにして、先ず、ステップS101においてディスクが装填されるのを待機している。そしてディスクが装填されたことが判別されるとステップS102に進んで、テスト記録レーザパワーを設定する。つまり通常記録時に設定されるレーザパワーよりも低いレベルのレーザパワーを設定する。
【0070】
続くステップS103においては、テスト記録エリア、つまり、例えば予めテスト記録用に設定されたディスク上の記録領域に対してシークを行う。そして、シークが完了したら、ステップS104により前述したテスト記録と、テスト記録により記録されたデータを再生してサンプル情報(変更されたフォーカスバイアスごとに対応する再生信号の変調度)を取得するための処理を行う。
【0071】
但し、本実施の形態においては、テスト記録動作として2つの方法が考えられるものである。
1つは、テスト記録エリアにおける同一の記録領域に対して、変更設定されたフォーカスバイアスによってデータ記録を行う方法(以降、第1のテスト記録もという)であり、もう1つは、フォーカスバイアスを変更するごとに、テスト記録エリアにおける同一の記録領域に対してデータ記録を行う方法(以降、第2のテスト記録もという)である。
例えば、通常のテスト記録としては、第2のテスト記録でよいものとされるが、例えばディスクによっては、記録領域によって感度にばらつきの生じる場合があるため、このようなことが想定される場合には、第1のテスト記録を採用した方が、再生信号特性としても記録領域による感度のばらつきに影響されない信頼性の高い結果を得ることが可能となる。
【0072】
そこで、ステップS104としてのテスト記録及びサンプル取得のための制御処理として、第1のテスト記録によりサンプル情報を取得する処理と、第2のテスト記録にによりサンプル情報を取得する処理とを、それぞれ図12と図13のフローチャートに示す。
【0073】
先ず、図12に示す第1のテスト記録によりサンプルを取得するための処理から説明する。
この図に示すルーチンにおいては、先ず、ステップS201においてテスト記録エリア内の所定のアドレスにアクセスするための制御を実行する、そして、続くステップS202として最初の1回目の処理では、予めテスト記録に対応して設定された所定サンプル数に対応した複数のフォーカスバイアスのうち、最初に設定すべき所要のフォーカスバイアスを設定する。
【0074】
そして、次のステップS203において、上記ステップS201においてアクセスしたテスト記録エリア内の所定のアドレスからデータ記録を行うようにされる。この際記録するデータとしては、予めテスト記録のために決めておいた所定パターンを記録するようにすればよい。
【0075】
上記ステップS203におけるデータ記録を完了すると、ステップS204により記録開始したアドレスに再度アクセスし、続くステップS205において、このアクセスしたアドレスからデータを再生するための制御処理を実行する。これにより、或るフォーカスバイアスが設定された状態でテスト記録されたデータを再生することが行われることになる。
このようにして再生された信号はRFアンプ9、二値化回路11を介してエンコーダ/デコーダ12のデコーダ部に送られるが、システムコントローラ10では、ステップS206において、このデコーダ部に入力された再生データをサンプルして変調度を測定し、この測定結果を現在設定されていたフォーカスバイアスと対応させてサンプル情報として内部RAMに保持する。
【0076】
続くステップS207においては、全サンプル情報を取得したか否かが判別されるが、ここで全てのサンプル情報が取得されていないと判別された場合には、ステップS208にて、再度記録開始アドレス(この場合はステップS201及びS204によりアクセスしたアドレスと同一アドレス)にアクセスしてステップS202に戻る。
そして、2回目以降のステップS202の処理としては、先に設定されていたフォーカスバイアスとは異なる所定のフォーカスバイアスを設定してステップS203以降の処理を実行する。このような処理が実行されることで、全サンプル情報を取得するまで、変更設定されたフォーカスバイアスにより記録したデータを再生して変調度を測定し、この測定結果をこのとき設定されたフォーカスバイアスと対応付けて内部RAMに保持するという動作が得られることになる。また、ステップS208の処理によって、同一の記録開始アドレスに戻ってからデータ記録を行うようにされるため、フォーカスバイアスを可変しながらのデータ記録は常に同一の記録領域に対して行われることになる。
【0077】
そして、ステップS207において全てのサンプル情報を取得したことが判別されると、図11に示したステップS105に進むことになる。
【0078】
次に、図13に示す第2のテスト記録によりサンプル情報を取得するための処理を説明する。
この図に示すルーチンにおいて、ステップS301から開始され、最初の1回目に実行されるステップS302〜S307までの処理は、図12に示したステップS201〜S207までの処理と同様となる。但し、ステップS307にて否定結果が得られて、次のサンプルを取得する必要がある場合、ステップS308において、例えば、先のステップS303におけるデータ記録を行った領域には含まれないアドレスを次の記録開始アドレスとして設定するようにされる。そして、この後ステップS302に進んで、先のフォーカスバイアスとは異なる所要のフォーカスバイアスを設定してステップS303以降に進むようにされる。このようにステップS308の処理を経て、2回目以降のステップS302〜S307の処理が実行されることで、フォーカスバイアスが可変設定されるごとに異なる記録領域に対してデータ記録が行われることになる。
そして、この場合にも、ステップS307において全てのサンプル情報を取得したことが判別されると、図11に示したステップS105に進むことになる。
【0079】
図11に示すステップS105では、ステップS104の処理によって得られたサンプル情報を利用して、図6により説明した各種算出方法の何れかを用いるなどして最適値としてのフォーカスバイアスを求めるようにされる。そして、算出された最適値としてのフォーカスバイアスをシステムコントローラ10の内部RAMに保持するようにされる。
このようにして、ステップS105にて算出され、内部RAMに保持された最適値としてのフォーカスバイアスは、この後のディスク再生時において再生されるべき領域に応じて読み出され、これまで説明したようにして目標値制御回路41(図5参照)に対して設定が行われる。これにより、実際の再生時においては、装填されたディスクごとに適合して設定されたフォーカスバイアスが与えられた状態の下で閉ループによるフォーカスサーボ制御が実行される。つまり、適正なフォーカスサーボ制御動作が得られることになる。
【0080】
なお、第2例のようにしてジッター値を信号特性として扱う場合には、上記図11,図12,及び図13に示した処理動作において、変調度に代えてジッター値を取り込むようにして制御処理を実行すれば、同様の処理手順によってフォーカスバイアスを設定することが可能とされるものである。
また、例えばディスクのばらつきや各種条件の相違によっては、ステップS102において設定したテスト記録レーザパワーが弱すぎて、どのサンプルについてもフォーカスバイアス設定に必要なだけの所要の変調度が得られなかったり、或るいは、テスト記録レーザパワーが強すぎてサンプルごとの変調度にあまり変化が見られないような場合が起こり得る。そこで、このような状態であることが上記図11(及び図12、図13)に示す処理動作中において判別されたときには、再度ステップS102に戻って、テスト記録レーザパワーを強めに、或いは弱めに設定し直すように構成することが考えられる。
【0081】
また、本発明はこれまで説明した構成に限定されるものではない。例えば、図1のディスクドライブ装置は或る程度汎用的な構成を示すにとどまっており、実際に対応するディスク種別に応じて必要となる機能回路部が追加若しくは削除されるなど、各部は適宜変更されるものである。
また、フォーカスバイアスを求めるための信号特性として変調度又はジッター値を採用しているが、記録時のデフォーカス状態に応じた記録ピットの品質に依存して変化するとされる再生信号特性であれば、例えば他の信号特性が採用されて構わないものである。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、通常記録時のレーザパワーよりも低い試行記録用のレーザパワーにより、フォーカスバイアスを可変しながら試行記録を行い、このようにして記録されたデータを再生して得られる所定の信号特性に基づいて最適とされるフォーカスバイアスを設定するようにされる。
この構成に依れば、第1にフォーカスバイアスは、装填されたディスクごとに適合して設定される。つまり、光学系の経時変化やディスクごとのばらつきの兼ね合いによる条件のばらつきに関わらず、装填されたディスクごとに最適とされるフォーカスバイアスを得ることが可能となる。従って、どのようなディスクが装填されたとしても適正なフォーカスサーボ制御を実行することができる。
また、再生信号を利用することで、例えば精度の高いフォーカスバイアス値を得ることが可能となり、特に、高記録密度のメディアに対応することでデフォーカスのマージンが小さいとされるシステムであっても高い信頼性が得られる。更には、再生信号を利用することで、特にフォーカスバイアスを求めるための機能回路部等を追加する必要もなく、比較的簡易な構成で実現されるものである。
また、書き換え可能とされるディスク領域にデータが全く記録されていない状態であるとしても、本発明では試行記録を行ってデータ記録を行うという手順を含むため、適切にフォーカスバイアスを求めることができるものである。
【0083】
また、信号特性に基づいてフォーカスバイアスを求めるのにあたっては、所定の信号特性が最良とされるとき、又はその変化率が最小となったときに設定されていたフォーカスバイアスを最適なフォーカスバイアスとして設定するとすれば、比較的単純な処理でもってフォーカスバイアスを求めることができる。
また、所定の特性が最良としての極値に近く、かつ、この極値を挟む2サンプル以上に対応して設定されていたフォーカスバイアスの相加平均又は平均値を最適なフォーカスバイアスとして設定する、更にはサンプル値に基づいて、信号特性の極値に対応するとされるフォーカスバイアスを得るための数値演算処理を実行することで最適値としてのフォーカスバイアスを求めるようにすれば、必要最小限とされる少ないサンプル数によっても高い精度でフォーカスバイアスを得ることができる。
【0084】
そして、最適とされるフォーカスバイアスを求めるために利用する再生信号特性として、信号変調度或いはジッターの変化量を検出するように構成した場合、例えば本来のディスクドライブ装置の機能として、変調度やジッターの変化量を検出する構成が備えられる場合にはこれを流用すればよいことにもなり、機能回路部の追加は必要ないため、コストの削減を図ることができるものである。また、本発明に対応してこのような機能を追加するとしても、回路規模の拡大やコストアップは小さくて済むものである。
【0085】
また、テスト記録時において、フォーカスバイアスを可変設定しながら光学記録媒体の同一の所定領域に対してデータ記録を行うようにすれば、記録領域よっては存在する感度のばらつきに影響されずにデフォーカスに応じたピット品質を得ることができる。従って、再生信号特性としても記録領域によるする感度のばらつきに依存しない測定結果が得られ、この測定結果に基づいて得られるフォーカスバイアスとしても信頼性の高い結果が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のディスクドライブ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光学ピックアップの光学系の構造例を概念的に示す構造図である。
【図3】光学ピックアップのフォトディテクタによる検出動作を示す説明図である。
【図4】フォトディテクタにおいて受光するビームスポット形状をフォーカス状態に応じて示す説明図である。
【図5】本実施の形態のフォーカスサーボ系を示すブロック図である。
【図6】テスト記録時のフォーカスバイアスと再生信号の変調度との関係例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態のジッター検出回路の構成例を示すブロック図である。
【図8】本実施の形態のジッター検出に際して必要となる二値化信号と再生クロックとの位相差の検出動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】本実施の形態のジッター検出に際して必要となる二値化信号と再生クロックとの位相差の検出動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】テスト記録時のフォーカスバイアスと再生信号のジッター値との関係例を示す説明図である。
【図11】最適値としてのフォーカスバイアスを求めるための処理動作を示すフローチャートである。
【図12】第1のテスト記録によりサンプルを得るための処理動作を示すフローチャートである。
【図13】第2のテスト記録によりサンプルを得るための処理動作を示すフローチャートである。
【図14】ディスク信号面に照射されるレーザ光の様子を概念的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 光学ピックアップ、2 対物レンズ、3 二軸機構、4 レーザダイオード、5 フォトディテクタ、5a 分割ディテクタ、5b 差動アンプ、6 スピンドルモータ、7 ターンテーブル、8 スレッド機構、9 RFアンプ、10 システムコントローラ、11 二値化回路、12 デコーダ、13 インターフェース部、14 サーボプロセッサ、15 スレッドドライバ、16 二軸ドライバ、16a フォーカスコイルドライバ、16b トラッキングコイルドライバ、17 スピンドルモータドライバ、18 レーザドライバ、20 PLL回路、21 ジッター検出回路、22 磁気ヘッドドライバ、23 磁気ヘッド、30 逓倍器、31 ΔT検出回路、32 ジッター値算出回路、51 コリメータレンズ、52 ビームスプリッタ、53 集光レンズ、36 円筒レンズ、41 目標値制御回路、42 差動アンプ、43 位相補償回路、Dディスク、
Claims (10)
- 収束させたレーザ光を光学記録媒体に対して照射することで記録再生を行い、上記収束させたレーザ光の焦点位置についてオフセットを与えるためのフォーカスバイアスを設定するようにした光学記録再生装置であって、 通常の記録時に設定されるレーザパワーよりも低くレーザパワーを設定し、かつフォーカスバイアスを可変設定しながら上記光学記録媒体にデータ記録を行う試行記録を実行する試行記録手段と、
上記試行記録により記録された記録データを光学記録媒体から読み出すデータ読み出し手段と、
上記データ読み出し手段により読み出された記録データについての所定の信号特性を測定し、この測定結果を上記試行記録時に設定されていたフォーカスバイアスと対応させてサンプル情報として得るサンプル手段と、
上記サンプル手段により得られたサンプル情報に基づいて、最適とされるフォーカスバイアスを設定するフォーカスバイアス設定手段と、
を備えていることを特徴とする光学記録再生装置。 - 上記フォーカスバイアス設定手段は、
上記サンプル情報に基づいて、上記所定の信号特性が最良であるとされた記録データに対応して上記試行記録時に設定されていたフォーカスバイアスを特定することで、最適とされるフォーカスバイアスを設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学記録再生装置。 - 上記フォーカスバイアス設定手段は、
上記サンプル情報に基づいて、上記所定の信号特性の変化率が最小であるとされた記録データに対応して上記試行記録時に設定されていたフォーカスバイアスを特定することで、最適とされるフォーカスバイアスを設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学記録再生装置。 - 上記フォーカスバイアス設定手段は、
上記サンプル情報に基づいて、上記所定の信号特性が予め設定した所定値に近く、かつ、測定された上記所定の信号特性の極値とされる測定点を挟む、2つの測定点において得られたサンプル情報としてのフォーカスバイアスを利用して平均値を算出し、この算出された平均値を最適とされるフォーカスバイアスとして設定することを特徴とする請求項1に記載の光学記録再生装置。 - 上記フォーカスバイアス設定手段は、
上記サンプル情報に基づいて、上記所定の信号特性が予め設定した所定値に近く、かつ、測定された上記所定の信号特性の極値とされる測定点を挟む、2つの測定点において得られたサンプル情報を利用してフォーカスバイアスについての相加平均値を算出し、この算出された相加平均値を最適とされるフォーカスバイアスとして設定することを特徴とする請求項1に記載の光学記録再生装置。 - 上記フォーカスバイアス設定手段は、
上記サンプル情報に基づいて、信号特性としての極値に対応するとされるフォーカスバイアスを求めるための所要の数値演算処理を行い、この演算結果により得られた値を最適とされるフォーカスバイアスとして設定することを特徴とする請求項1に記載の光学記録再生装置。 - 上記フォーカスバイアス設定手段は、
上記所定の信号特性として信号変調度を測定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学記録再生装置。 - 上記フォーカスバイアス設定手段は、
上記所定の信号特性としてジッターの変化量を測定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学記録再生装置。 - 上記試行記録手段は、
フォーカスバイアスを可変設定しながら上記光学記録媒体にデータ記録を行う際、上記光学記録媒体の同一の所定領域に対してデータ記録を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学記録再生装置。 - 収束させたレーザ光を光学記録媒体に対して照射することで記録再生を行うことのできる記録再生装置において行われるもので、上記収束させたレーザ光の焦点位置についてオフセットを与えるためのフォーカスバイアスを設定するためのフォーカスバイアス設定方法であって、
通常の記録時に設定されるレーザパワーよりも低くレーザパワーを設定し、かつフォーカスバイアスを可変設定しながら上記光学記録媒体にデータ記録を行う試行記録を実行する試行記録手順と、
上記試行記録により記録された記録データを光学記録媒体から読み出すデータ読み出し手順と、
上記データ読み出し手順により読み出された記録データについての所定の信号特性を測定し、この測定結果を上記試行記録時に設定されていたフォーカスバイアスと対応させてサンプル情報として得るサンプル手順と、
上記サンプル手順により得られたサンプル情報に基づいて、最適とされるフォーカスバイアスを設定するフォーカスバイアス設定手順と、
を実行することを特徴とするフォーカスバイアス設定方法。
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