JP2000090450A - フォーカスバイアス設定装置 - Google Patents

フォーカスバイアス設定装置

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JP2000090450A
JP2000090450A JP10253794A JP25379498A JP2000090450A JP 2000090450 A JP2000090450 A JP 2000090450A JP 10253794 A JP10253794 A JP 10253794A JP 25379498 A JP25379498 A JP 25379498A JP 2000090450 A JP2000090450 A JP 2000090450A
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focus
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area
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JP10253794A
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Katsuhiro Seo
勝弘 瀬尾
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学系の経時変化やディスクごとのばらつき
の兼ね合いによる条件のばらつきに関わらず、装填され
たディスクごとに最適とされるフォーカスバイアスを高
精度で得る。 【解決手段】 エンボスピット領域とオーバーライト領
域とを有する光学記録媒体に対応することを前提とし
て、エンボスピット領域に対してフォーカスバイアスを
変化させながら再生を行い、このときに得られたジッタ
ー値に基づいて、エンボスピット領域に対応して最適と
される第1のフォーカスバイアスを求める。、オーバー
ライト領域に対応して最適とされる第2のフォーカスバ
イアスは、予めの計測結果により得られたオフセット量
を第1のフォーカスバイアスに与えることで求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光学記録媒
体に対応して記録又は再生を行うために収束したレーザ
光を照射する際、この収束されるレーザ光の焦点位置に
対してオフセットを与えるためのフォーカスバイアスと
して、最適とされるフォーカスバイアスを設定するため
のフォーカスバイアス設定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CD(Compact Disc)やCD−ROM(Com
pact Disc-Read Only Memory)などのディスク状光学記
録媒体が広く普及している。これらCDやCD−ROM
は、その製造時においてプラスチック基板表面上に微少
な凹部(物理ピット)を形成し、このピット列によって
情報が記録されている。また、このピット列自体がトラ
ックとされており、信号再生のための光ビームスポット
は、このピット列によるトラックをトレースするように
されている。即ち、CDやCD−ROM等のメディアは
再生専用であり、製造後において情報の追記や書き換え
を行うことができるものではない。
【0003】これに対して、近年、追記型のCD−R(R
ecordable)や書き換え型のCD−RW(ReWritable)な
ど、データを記録再生可能なディスクが普及してきてい
る。これらの記録媒体には、記録領域において光ビーム
スポットが適正にトレースを行えるように、製造工程に
おいて案内溝としてのグルーブが形成されている。デー
タの記録はCD−Rであれば光ビームスポットの強度変
調を行うことで、上記グルーブ上の記録層を変形させて
物理ピットを形成することにより行われる。また、CD
−RWであれば、いわゆる相変化方式により相ピットを
形成することにより行う。
【0004】また、近年においては、CDよりも記録容
量の大きいDVD(Digital Versataile Disc又はDigita
l Video Disc)、DVD−ROMなどの再生専用のディ
スクも知られてきており、更には、これらDVD、DV
D−ROMにほぼ相当する記録容量を有する記録可能な
ディスクメディア(例えばDVD−RAM等)も提案さ
れてきている。例えばDVD−RAM等は、物理的なエ
ンボスピットにより当該ディスクに関して固定的な各種
情報等についてのデータが記録される再生専用領域と、
グルーブが形成されてデータの書き換えが可能な記録領
域とが備えられる。
【0005】これらのディスクメディアに対応するディ
スクドライブ装置では、スピンドルモータにより回転さ
れているディスクに対して、光ピックアップからそのデ
ィスク上のトラックに対してレーザ光を照射し、その反
射光を検出することでデータの読出を行なったり、記録
データにより変調されたレーザ光を照射することでデー
タの記録を行ったりする。
【0006】レーザ光により記録又は再生動作を行うた
めには、レーザ光のスポットがディスクの記録面上にお
いて合焦状態で保たれなければならず、このためディス
クドライブ装置には、レーザ光の出力端である対物レン
ズをディスクに接離する方向に移動させてフォーカス状
態を制御するフォーカスサーボ回路系が搭載されてい
る。このフォーカスサーボ回路系としては、通常、対物
レンズをディスクに接離する方向に移動させるフォーカ
スコイル及びディスク半径方向に移動させることのでき
るトラッキングコイルを有する二軸機構と、ディスクか
らの反射光情報からフォーカスエラー信号(即ち合焦状
態からのずれ量の信号)を生成し、そのフォーカスエラ
ー信号に基づいてフォーカスドライブ信号を生成して、
上記二軸機構のフォーカスコイルに印加するフォーカス
サーボ制御系から構成されている。
【0007】上記フォーカスサーボ回路系の基本的な動
作としては、フォーカスエラー信号レベルが0となるよ
うに、二軸機構のフォーカスコイルにフォーカスドライ
ブ信号を印加して対物レンズと信号面との距離を調節す
るようにされる。つまり、フォーカスエラー信号レベル
が0となる状態において、対物レンズが信号面に対して
合焦している状態、つまり、信号面に照射されるレーザ
光について最良の結像状態が得られている状態とされ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際のディ
スクドライブ装置においては、フォーカスエラー信号レ
ベルが0となる状態のときに最良の合焦状態が得られる
とは限らない場合はしばしば起こり得る。これは、例え
ばレーザ光源、ディスクからの反射光としてのレーザ光
を検出するフォトディテクタ、その他光学系部品の経時
変化による位置や特性の変化などに起因する。また、デ
ィスク状記録媒体は、媒体表面にゴミや傷などが有った
としても適正に記録再生が行われるようにすることや信
号面の保護などを目的として、例えば図16のディスク
D(一部断面図)として示すように、樹脂等により形成
された透明層202の裏面に対して信号面201が形成
されているのが通常である。この透明層202の厚みT
Hは、例え同一種類であっても記録媒体ごとにわずかに
異なる場合がある。この透明層202の厚みTHにばら
つきが生じることで、検出されるフォーカスエラー信号
レベルが0であっても、実際に対物レンズ300から照
射されているレーザ光としては信号面202にて最良の
結像状態が得られていない現象が起こり得ることが分か
っている。
【0009】これらの事情を考慮すると、フォーカスエ
ラー信号レベルの目標値を0とするのではなく、他の適
正な値によりシフトして設定できるようにすることが必
要とされる。つまり、フォーカスエラー信号に対してオ
フセット(バイアス)を与えるようにすることが必要と
なる。また、このバイアスは、固定的なものではなく、
光学系の経時変化やディスクごとのばらつきに応じて、
適宜設定されるようにすることが必要となる。
【0010】また、前述したDVD系などの大容量で好
記録密度のディスクメディアでは、グルーブの間隔(ト
ラックピッチ)やピット長は光源波長のオーダー程度に
小さいので、レーザ光が正確にグルーブ(或いはグルー
ブ間に形成されるランド)をトレースし、正確にデータ
の記録又は再生を行うためには、光ビームスポットは、
いわゆる回折限界の品質が必要とされる。このため、上
述したフォーカスサーボ回路系としても高精度が要求さ
れるため、上記のようなバイアスとしても精度の高い値
が相応に得られなければならない。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、少なくとも、物理ピットが形成される
ことによりデータが記録される第1の領域と、記録デー
タとして物理ピット以外のピットが形成されることでデ
ータが記録される第2の領域とを有する光学記録媒体に
対応するものとされたうえで、収束させたレーザ光を上
記光学記録媒体に対して照射することで記録再生を行う
ことのできる記録再生装置に備えられ、上記収束させた
レーザ光の焦点位置についてオフセットを与えるための
フォーカスバイアスを設定するためのフォーカスバイア
ス設定装置として、フォーカスバイアスを可変設定しな
がら上記光学記録媒体の第1の領域に対するデータ再生
を行うという試行再生を実行する試行再生手段と、この
試行再生手段により得られた再生データについての所定
の信号特性を測定し、この測定結果を試行再生時に設定
されていたフォーカスバイアスと対応させてサンプル情
報として得るサンプル手段と、このサンプル手段により
得られたサンプル情報に基づいて、第1の領域に個別に
対応して最適、又は第1の領域と第2の領域とで共通に
対応して最適とされる第1のフォーカスバイアスと、第
2の領域に個別に対応して最適とされる第2のフォーカ
スバイアスとを設定するフォーカスバイアス設定手段と
を備えて構成することとした。
【0012】上記構成によれば、物理ピットによりデー
タが記録される第1の領域と、例えばグルーブなどを有
してデータの記録が可能な第2の領域とを有する光学記
録媒体に対応することを前提とし、可変されたフォーカ
スバイアスによりフォーカスサーボが実行されている状
態の下で上記第1の領域を再生して得られる信号の特性
に基づいて、第1及び第2の領域について最適とされる
フォーカスバイアスを設定するように構成される。つま
り、記録媒体ごとに応じて、その再生信号についての特
性に基づいて最適とされるフォーカスバイアスを求める
ようにすることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以降、本発明の実施の形態につい
て説明する。本実施の形態のフォーカスバイアス設定装
置としては、例えばホストとしてのパーソナルコンピュ
ータ等と接続され、所定種類のディスクについて記録再
生が可能とされる構成を採るディスクドライブ装置に搭
載される場合を例に挙げる。ここで、本実施の形態とし
てのディスクドライブ装置により記録再生可能なディス
ク種別としては特に限定しないが、記録ピットとして物
理的なピットがトラックに形成される読み出し専用領域
を有するディスクの他、光磁気方式或いは相変化方式に
より記録再生が可能な記録再生領域を有するディスク、
更には、記録膜に有機色素を利用した追記型(ライトワ
ンス)の記録再生領域を有するディスク等が該当可能と
される。なお、以降の説明は次の順序で行う。 1.ディスク構造 2.ディスクドライブ装置 3.ジッター検出 4.フォーカスバイアス設定
【0014】1.ディスク構造 まず、本実施の形態が対応するとされるディスク構造に
ついて説明する。図14(a)には、本実施の形態に対
応するとされるディスクDの一例が示されている。この
ディスクDは、物理的なエンボスピットによりデータが
記録されて再生専用とされるエンボスピット領域Aep
が内周側に形成されており、更にその外周に対してデー
タのオーバーライトが可能(若しくは単に書き換え可能
とされてもよい)なオーバーライト領域Aovが設けら
れている。
【0015】上記エンボスピット領域Aepには、例え
ばディスク種別をはじめとする、そのディスクについて
固有で固定的な管理情報等が格納される。つまり、いわ
ゆるTOC(Table Of Contents)領域として扱われる。
【0016】この場合のオーバーライト領域Aovが対
応する記録再生方式としては特に限定されないが、光磁
気方式、或いは相変化方式等を採用することができる。
【0017】オーバーライト領域Aovには、例えば図
14(b)に拡大して示すように、照射された光ビーム
が適正にトラックをトレースできるように、案内溝とし
ての凹部であるグルーブGrが形成される。また、或る
グルーブGrと隣り合うグルーブGrとの間には凸部と
してのランドLdが形成される。これらグルーブGr及
びランドLdは、同心円状、或いはスパイラル状に信号
面に対して形成される。データは、例えばグルーブGr
をトラックとして記録される。なお、ランドLdにデー
タが記録される方式も存在するが、以降の説明において
は特に断りが無い限り、データはグルーブGrに対して
記録されるものとする。なお、この図には示していない
が、ディスク上でのアドレス情報として、アドレスデー
タにより変調された信号に対応した蛇行がグルーブGr
及びランドLdに対して形成される場合がある。
【0018】また、上記図14に示すディスクDとして
は、特にオーバーライト領域Aovに関して1層構造の
もの(1層ディスク)と2層構造のもの(2層ディス
ク)との2種類が存在するが、これら各ディスクの断面
構造をそれぞれ図15(a)(b)に示す。
【0019】先ず、図15(a)(b)に示す1層ディ
スク、2層ディスク共にディスク全体の厚みは1.2mm と
されている。そして、図15(a)に示す1層ディスク
110には、光透過率が高くかつ耐機械的特性或いは耐
化学特性を有する透明ポリカーボネイト樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、或いはアクリル樹脂等の透明な合成樹脂材
料によってディスク基板(透明層)121が成形され
る。そして、ディスク基板121の裏面側(図の上側)
に信号面124が形成される。この信号面124は、例
えば実際には上記図14(b)に示したようにしてグル
ーブ(又はランド)としての記録トラックが形成され
る。この信号面124が形成されたディスク基板121
の面には光反射率の高いアルミニウム等が蒸着されて反
射層125が形成される。反射層125の上は接着面1
26とされ、これを介してダミー板127が接着され
る。この1層ディスク110に対してはディスクドライ
ブ装置からのレーザ光がディスク表面128側から入射
され、信号面124に記録された情報が、その反射光か
ら検出されることになる。
【0020】図11(b)の2層ディスクも同様にディ
スク表面128側からディスク基板121が配され、デ
ィスク基板121の裏面側に信号面が形成される。但
し、この場合は信号面が2層とされているので、先ず、
第1信号面122及び第1信号面122に対応する第1
反射層123により第1層のデータ記録面が形成され
る。また第2信号面124及び第2信号面124に対応
する第2反射層125により第2層のデータ記録面が形
成される。第2反射層125の上は接着面126とさ
れ、これを介してダミー板127が接着される。
【0021】第1反射層123は半透明膜とされ、レー
ザ光の一定割合を反射させるように形成されている。こ
れによってレーザ光が第1信号面122に焦点を当てれ
ば第1反射層123による反射光から第1信号面122
に記録された信号を読み取ることができ、またレーザ光
を第2信号面124に焦点をあてさせる際は、そのレー
ザ光は第1反射層123を通過して第2信号面124に
焦光され、第2反射層125による反射光から第2信号
面124に記録された信号を読み取ることができる。つ
まり、図15(a)に示した1層ディスク110の場合
は、信号面124及び反射層125のみが、図15
(b)における第2信号面124と第2反射層125と
同様に形成されているものとみることができる。
【0022】また、図15(a)(b)から分かるよう
に、これら1層ディスク及び2層ディスクは、信号面1
22(124)はディスク表面128側からみて、ほぼ
ディスクの厚みの中央に近い位置に形成されている(デ
ィスク表面128側から概略0.6mm の位置にレーザスポ
ットの焦点を当てるべき信号面122(124)が位置
する)。
【0023】2.ディスクドライブ装置 図1は、本実施の形態のディスクドライブ装置の要部の
構成を示すブロック図である。この図に示すディスクD
は、ターンテーブル7に載せられて再生動作時において
スピンドルモータ6によって一定線速度(CLV)もし
くは一定角速度(CAV)で回転駆動される。そして光
学ピックアップ1によってディスクDの信号面に記録さ
れているデータの読み出しが行われる。
【0024】光学ピックアップ1は、レーザ光の光源と
なるレーザダイオード4と、偏向ビームスプリッタや対
物レンズ2からなる光学系、及びディスクに反射したレ
ーザ光を検出するためのフォトディテクタ5等が備えら
れて構成されている。ここで、対物レンズ2は、二軸機
構3によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移
動可能に支持されている。
【0025】図2は、光学ピックアップ1における光学
系の構造例を示す。この図に示す光学系としては、レー
ザダイオード4から出力されるレーザビームは、コリメ
ータレンズ51で平行光にされた後、ビームスプリッタ
52によりディスクD側に90度反射され、対物レンズ
2からディスクDに照射される。ディスクDで反射され
た反射光は、対物レンズ2を介してビームスプリッタ5
2に入り、そのまま透過して集光レンズ53に達する。
そして集光レンズ53で集光された後、円筒レンズ(シ
リンドリカルレンズ)54を介してフォトディテクタ5
に入射される。
【0026】ここで、レーザーダイオード4は、実際に
再生されるべきディスク種別に対応してその中心波長が
設定され、対物レンズ2の開口率NAも実際に再生され
るべきディスク種別に対応して設定される。
【0027】当該ディスクドライブ装置の再生動作によ
って、ディスクDから反射されたレーザ光はフォトディ
テクタ5によって受光電流として検出される。そして、
この受光電流をディスクから読み出した情報信号として
RFアンプ9に対して出力する。RFアンプ9は、電流
−電圧変換回路、増幅回路、マトリクス演算回路(RF
マトリクスアンプ)等を備え、フォトディテクタ5から
の信号に基づいて必要な信号を生成する。例えば再生デ
ータであるRF信号、サーボ制御のためのプッシュプル
信号PP、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエ
ラー信号TE、いわゆる和信号であるプルイン信号PI
などを生成する。
【0028】フォトディテクタ5としては図3(a)の
ような向きで、検出部A,B,C,Dから成る4分割デ
ィテクタ5aが設けられており、この場合フォーカスエ
ラー信号FEは検出部A,B,C,Dの出力について、
FE=(A+C)−(B+D)の演算により生成され
る。
【0029】図4には、対物レンズ2のディスク信号面
に対するフォーカス状態に応じて4分割ディテクタ5a
にて得られる、反射光としてのビームスポットSPのパ
ターン例を示している。例えば、対物レンズ2のディス
ク信号面に対するフォーカス状態として、ジャストフォ
ーカスの状態であるとされる場合には、図4(a)に示
すようにして、受光素子A,B,C,Dにてビームスポ
ットSPが受光される。つまり、受光素子A,B,C,
Dに対してほぼ均等な受光量が得られる。これに対し
て、対物レンズ2のディスク信号面に対するフォーカス
状態として、合焦状態よりも近い位置にある場合には、
図4(b)に示すようにして、受光素子B,Dよりも受
光素子A,Cにて多くの受光量が得られるようにしてビ
ームスポットSPが受光される。また、合焦状態よりも
遠い位置にある場合には、図4(c)に示すようにし
て、受光素子A,Cよりも受光素子B,Dにて多くの受
光量が得られるようにしてビームスポットSPが受光さ
れる。
【0030】このようにして、フォーカス状態に応じて
受光素子A,B,C,Dにおける受光領域が変化する
が、このような受光素子A,B,C,Dについて、上記
した演算を行う結果フォーカスエラー信号FEが得られ
ることになる。この場合には、ジャストフォーカス状態
よりも近ければデフォーカスに応じて、0レベルに対応
する基準値に対して正の領域で変動し、逆に、ジャスト
フォーカス状態よりも遠ければデフォーカスに応じて、
基準値に対して負の領域で変動する信号となる。
【0031】また、プルイン信号PIについては、PI
=(A+B+C+D)となる。また、この4分割ディテ
クタ5aでプッシュプル信号PPを生成する場合は、図
2(b)に示すようにディテクタ5aの検出部A,B,
C,Dの出力について、差動アンプ5bで(A+D)−
(B+C)の演算を行うことにより生成することができ
る。また、トラッキングエラー信号TEはいわゆる3ビ
ーム方式を考えれば、図3に示した4分割ディテクタと
は別にサイドスポット用のディテクタE,Fを用意し、
E−Fの演算で生成してもよい。
【0032】図1に説明を戻す。RFアンプ9で生成さ
れた各種信号は、二値化回路11、サーボプロセッサ1
4に供給される。即ちRFアンプ9からの再生RF信号
は二値化回路11へ、プッシュプル信号PP、フォーカ
スエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プル
イン信号PIはサーボプロセッサ14に供給される。
【0033】RFアンプ9から出力される再生RF信号
は二値化回路11で二値化されることで二値化信号(例
えばEFM信号(8−14変調信号)、或いはEFM+
信号(8−16変調信号)等)とされ、エンコーダ/デ
コーダ12、PLL(Phase Locked Loop)回路20、及
びジッター検出回路21に対して分岐して供給される。
【0034】PLL回路20では、入力された二値化信
号のチャンネルビット周波数に同期した再生クロックP
LCKを生成する。この再生クロックPLCKは、再生
時における信号処理等のための基準クロックとして利用
され、例えば図のようにエンコーダ/デコーダ12に対
して供給されて、エンコーダ/デコーダ12における再
生信号処理タイミングの基準となる。また、本実施の形
態においては、再生クロックPLCKはジッター検出回
路21に対しても供給される。
【0035】再生時において、エンコーダ/デコーダ1
2のデコード部ではEFM復調、又はEFM+復調,更
に、所定方式に従った誤り訂正処理(RS−PC方式、
CIRC方式等)を行いディスクDから読み取られた情
報の再生を行う。そして、エンコーダ/デコーダ12に
よりデコードされたデータはインターフェース部13を
介して、図示しないホストコンピュータなどに供給され
る。また、エンコーダ/デコーダ12においては、再生
クロックPLCKからディスク回転速度情報を得る。こ
のディスク回転情報は光学ピックアップ1から出力され
るレーザスポットと、記録ピットが形成されているトラ
ックとの相対的な速度を示す。
【0036】ジッター検出回路21は、入力された二値
化信号及び再生クロックPLCKを利用して、後述する
ようにして二値化信号のジッター量を検出し、この検出
されたジッター量の情報を、ジッター値JTとしてシス
テムコントローラ10に対して出力するようにされてい
る。ここでのジッターとは、二値化信号の時間軸方向に
沿った揺れを指すものである。
【0037】また、ディスクDにデータを記録する場合
には、例えば図示しないホストコンピュータから供給さ
れたデータがインターフェース部13を介してエンコー
ダ/デコーダ12のエンコード部に送られる。
【0038】このエンコード部では、上記インターフェ
ース部13から入力されたデータについて、所定方式に
従った誤り訂正符号の付加とエンコード処理とを施し、
さらにディスクDへの記録のための所定の変調処理を行
って記録データWDを生成する。ここで、例えばディス
クDのオーバーライト領域Aovが光磁気方式に対応す
るとして、光変調オーバーライト方式により記録を行う
のであれば、この記録データWDをレーザドライバ18
に出力する。レーザドライバ18では、供給された記録
データに基づいて変調したレーザダイオード駆動電圧を
生成して、光学ピックアップ1のレーザダイオード4を
駆動する。これにより、レーザダイオード4からは、記
録データWDにより変調されたパルス発光を行うように
される。この一方で、例えばシステムコントローラ10
では、磁気ヘッドドライバ22を制御することで、磁気
ヘッド23から例えば所要の一定レベルの磁界を発生さ
せてディスクDに印加させる。このようにして、光変調
オーバーライト方式によるデータ記録が実現される。
【0039】また、磁界変調オーバーライト方式(ここ
では単純磁界変調方式を例に挙げる)により記録を行う
のであれば、エンコーダ/デコーダ12のエンコード部
にて生成された記録データWDを磁気ヘッドドライバ2
2に供給するようにされる。磁気ヘッドドライバ22で
は、入力された記録データWDに対応する駆動信号を磁
気ヘッド23に出力することで、磁気ヘッド23から
は、記録データに応じたN又はSの磁界を発生してディ
スクに印加する。これと共に、システムコントローラ1
0では、所要の記録レベルに対応するレーザパワーを設
定したレーザ駆動制御データを生成し、例えばサーボプ
ロセッサ14を介してレーザドライブ信号としてレーザ
ドライバ18に出力する。これにより、レーザダイオー
ド4からは記録レベルに対応するレーザパワーによる発
光が行われる。このようにして、記録データにより変調
された外部磁界を印加すると共に、記録レベルのレーザ
パワーによるレーザ光の照射を行うことで、磁界変調オ
ーバーライト方式による記録が可能となる。なお、磁界
変調オーバーライト方式として、単純磁界変調方式より
も高記録密度化を図ったいわゆるレーザストローブ磁界
変調方式が提案されているが、この方式に依るデータ記
録を行う場合には、記録データにより変調された外部磁
界を印加すると共に、記録データのクロックタイミング
に応じてレーザ光をパルス発光させるようにシステムコ
ントローラ10が制御を実行すればよい。
【0040】上記した何れの光磁気記録方式においても
いえることであるが、記録時の光学ピックアップ3のレ
ーザダイオード4は、ディスクDの記録面上の温度をい
わゆるキュリー点まで上昇させるだけのパワーを有する
レーザ光を発生し、当該レーザ光によりキュリー点まで
温度が上昇したディスクDの記録面に対して、上記磁気
ヘッド23が磁界を印加し、その後、ディスクDの回転
に伴って当該記録面の温度が低下することで上記印加し
た磁界が残り、これにより記録が行われたことになるも
のである。
【0041】また、ディスクDのオーバーライト領域A
ovが相変化方式に対応するとして、このオーバーライ
ト領域Aovに対して記録を行う場合には、例えば、エ
ンコーダ/デコーダ12のエンコード部にて生成された
記録データWDをレーザドライバ18に供給する。この
場合、例えばレーザドライバ18では、入力された記録
データWDに基づいて変調を行い、所要の記録レベルと
消去レベルとを組み合わせたレーザダイオード駆動電圧
を生成してレーザダイオード4を駆動する。これによ
り、相変化方式に従ってデータの記録が実行される。こ
の相変化方式に依る記録/再生の構成のみを採る場合、
磁気ヘッドドライバ22及び磁気ヘッド23は省略して
構わない。
【0042】サーボプロセッサ14は、RFアンプ9か
らのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信
号TE、プッシュプル信号PP等から、フォーカス、ト
ラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボドライ
ブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。即ちフォーカ
スエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じ
てフォーカスドライブ信号FDR、トラッキングドライ
ブ信号TDRを生成し、二軸ドライバ16に供給する。
【0043】二軸ドライバ16は、例えばフォーカスコ
イルドライバ16a、及びトラッキングコイルドライバ
16bを備えて構成される。フォーカスコイルドライバ
16aは、上記フォーカスドライブ信号FDRに基づい
て生成した駆動電流を二軸機構3のフォーカスコイルに
供給することにより、対物レンズ2をディスク面に対し
て接離する方向に駆動する。トラッキングコイルドライ
バ16bは、上記トラッキングドライブ信号TDRに基
づいて生成した駆動電流を二軸機構3のトラッキングコ
イルに供給することで、対物レンズ2をディスク半径方
向に沿って移動させるように駆動する。これによって光
学ピックアップ1、RFアンプ9、サーボプロセッサ1
4、二軸ドライバ16によるトラッキングサーボループ
及びフォーカスサーボループが形成される。
【0044】また、サーボプロセッサ14は、後述する
スピンドルモータドライバ17に対して、スピンドルエ
ラー信号SPEから生成したスピンドルドライブ信号を
供給する。スピンドルモータドライバ17はスピンドル
ドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドル
モータ6に印加し、スピンドルモータ6が所要の回転速
度となるように回転駆動する。更に、サーボプロセッサ
14はシステムコントローラ10からのスピンドルキッ
ク(加速)/ブレーキ(減速)信号に応じてスピンドル
ドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ1
7によるスピンドルモータ6の起動または停止などの動
作も実行させる。
【0045】サーボプロセッサ14は、例えばトラッキ
ングエラー信号TEの低域成分から得られるスレッドエ
ラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス
実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成
し、スレッドドライバ15に供給する。スレッドドライ
バ15はスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構8
を駆動する。スレッド機構8は光学ピックアップ1全体
をディスク半径方向に移動させる機構であり、スレッド
ドライバ15がスレッドドライブ信号に応じてスレッド
機構8内部のスレッドモータを駆動することで、光学ピ
ックアップ1の適正なスライド移動が行われる。
【0046】更に、サーボプロセッサ14は、光学ピッ
クアップ1におけるレーザダイオード4の発光駆動制御
も実行する。レーザダイオード4はレーザドライバ18
によってレーザ発光駆動されるのであるが、サーボプロ
セッサ14は、システムコントローラ10からの指示に
基づいて記録再生時などにおいてレーザ発光を実行すべ
きレーザドライブ信号を発生させ、レーザドライバ18
に供給する。これに応じてレーザドライバ18がレーザ
ダイオード4を発光駆動することになる。
【0047】以上のようなサーボ及びエンコード/デコ
ードなどの各種動作はマイクロコンピュータ等を備えて
構成されるシステムコントローラ10により制御され
る。例えば再生開始、終了、トラックアクセス、早送り
再生、早戻し再生などの動作は、システムコントローラ
10がサーボプロセッサ14を介して光学ピックアップ
1の動作を制御することで実現される。なお、この図に
示されるテーブル10aは、システムコントローラ10
内部のROM等に格納される情報とされ、その内容とし
ては、ディスク種別ごとにおいて、オーバーライト領域
Aovに対応して設定された、エンボスピット領域Ae
pに対応するフォーカスバイアスに対するオフセット値
とされるが、これについては後述する。
【0048】ここで、図1に示す構成からフォーカスサ
ーボ系を抜き出した構成を図5に示す。なお、この図に
おいて図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略
する。光学ピックアップ1のフォトディテクタにて検出
された受光信号は、前述したようにRFアンプ9に供給
される。RFアンプ9では、生成信号の1つとしてフォ
ーカスエラー信号FEを生成してサーボプロセッサ14
内のフォーカスサーボ系に供給する。この図に示すサー
ボプロセッサ14内のフォーカスサーボ系としては、目
標値制御回路41,差動アンプ42,及び位相補償回路
43が備えられる。目標値制御回路41は、フォーカス
サーボループによる回路系が収束するための目標値とし
て、フォーカスエラー信号に重畳すべきフォーカスバイ
アスとしての電圧レベルを発生して出力する。このフォ
ーカスバイアスの値は、システムコントローラ10から
出力されるバイアス設定制御信号に基づいて設定され
る。
【0049】差動アンプ42の非反転入力にはフォーカ
スエラー信号FEが入力され、反転入力には目標値制御
回路41から出力されたフォーカスバイアスとしての電
圧レベルが供給される。これにより、差動アンプ42か
らは、目標値制御回路41にて設定されたフォーカスバ
イアスが重畳されたフォーカスエラー信号FEが出力さ
れることになる。
【0050】差動アンプ42の出力は位相補償回路43
にて位相補償されて、フォーカスコイルドライブ信号F
DRとしてフォーカスコイルドライバ16aに供給され
る。フォーカスコイルドライバ16aからは、入力され
たフォーカスコイルドライブ信号FDRに応じて二軸機
構3のフォーカスコイルを駆動して、対物レンズ2をデ
ィスクに接離する方向に移動させる。
【0051】この図5に示す構成では、仮に目標値制御
回路41において出力すべきフォーカスオフセット値と
して「0」であるとすれば、フォーカスエラー信号レベ
ルが0となるようにしてフォーカスサーボループ回路系
が動作することになる。また、値「x」としてのフォー
カスバイアス値が設定されたとすれば、フォーカスエラ
ー信号の0レベルに対して、このフォーカスバイアス値
「x」によりシフトされたレベルに収束するように動作
することになる。
【0052】従来例にて前述したように、各種要因によ
り、フォーカスエラー信号が0レベルであるときのフォ
ーカス状態は最良の結像状態ではないとされる状態が発
生するが、上記のようにしてフォーカスエラー信号FE
に対してフォーカスバイアスを設定することで、閉ルー
プによるフォーカスサーボ制御としては、常に適正な結
像状態が得られるようにすることが可能になる。なお、
本実施の形態として、目標値制御回路41に対して設定
すべきフォーカスバイアスを決定するための構成につい
ては後述する。
【0053】3.ジッター検出これまで説明した構成に
よるディスクドライブ装置では、ディスクから再生した
データについてのジッター量を検出可能とされる。本実
施の形態では、このジッター量は後述するようにして、
少なくともエンボスピット領域のフォーカスサーボ制御
に対応して最適とされるフォーカスバイアスを設定する
のに利用される。そこで次に、本実施の形態において、
ジッターを検出するための構成について説明する。
【0054】図6は、ジッター検出回路21の構成例を
示すブロック図である。この図に示すジッター検出回路
21は、逓倍器30、ΔT検出回路31,及びジッター
値算出回路32よりなる。
【0055】ΔT検出回路31に対しては、二値化回路
11からの二値化信号、再生クロックPLCK、及び再
生クロックPLCKを逓倍器30にて所定の倍数nによ
り逓倍した逓倍クロックMCK(=n×PLCK)が入
力される。ここでは、倍数n=10とし、逓倍クロック
MCKは、再生クロックPLCKを10倍程度に逓倍し
た周波数信号であるものとする。なお、実際の倍数n
は、後述するΔTの周期のカウントができるだけ正確に
行えるような値が任意に設定されればよい。
【0056】図7は、ΔT検出回路31に対して入力さ
れる信号を示すタイミングチャートであり、図7(a)
(b)(c)は、それぞれ入力された二値化信号、再生
クロックPLCK、及びMCKを示している。ここで、
図7(a)に示す二値化信号としては、3TのHレベル
による反転間隔が示されている。また、図7(b)に示
す再生クロックPLCKは、前述したように、上記二値
化信号のチャンネルビット周波数を有して二値化信号に
同期した信号である。また、図7(c)に示す逓倍クロ
ックMCKは、再生クロックPLCKを逓倍して得られ
る周波数信号であることから、再生クロックPLCKに
同期した周波数信号となる。
【0057】ところで、理想的には、二値化信号のエッ
ジタイミングと再生クロックPLCKのエッジタイミン
グとは、時間軸的に一致すべきものであるが、実際に
は、信号処理によるディレイなどによって、図の期間t
0〜t1、及びこれに続く期間t2〜t3に示すように
して、ΔTで示す位相誤差が生じることがある。
【0058】ここでのジッター量とは、上記位相誤差Δ
Tの揺らぎの範囲をいうものである。つまり、例えば、
二値化信号が反転するごとにサンプルしたΔT,ΔT,
ΔT・・・について、仮に一定であるならば、ジッター
は0とされることになる。これに対して、ΔT,ΔT,
ΔT・・・が一定ではなく、変化が見られるのであれば
ジッターが存在することになり、その変化量が大きいほ
どジッター量は大きいことになる。このようなジッター
の発生にはいくつかの要因が考えられるものの、主とし
ては、ディスクDにデータとして形成されている記録ピ
ット長自体のばらつきなどが挙げられる。また、再生時
において照射されるレーザ光のデフォーカスをはじめ、
光学系を含む再生系の動作性能にも依存して発生する。
つまりジッター量は、記録ピット長の形成状態を示し得
る他、再生特性の良好性を示す情報としても扱うことが
できる。
【0059】ΔT検出回路31では、二値化信号波形が
反転してエッジ位置が得られるごとに上記ΔTとしての
位相誤差量を検出するものであるが、その検出は例えば
次のようにして行うことができる。
【0060】図8は、図7における期間t0〜t1の付
近を拡大して示している。ジッター検出回路21では、
例えば時点t0のようにして、入力された二値化信号波
形(図8(a))についての立ち上がり(又は立ち下が
り)のエッジ位置が検出されると、この時点t0から最
先のPLCK(図8(b))の立ち上がりが得られる時
点t1間での期間(即ち位相誤差ΔTが生じている期
間)、図8(c)に示す逓倍クロックMCKの周期(例
えば反転回数としてもよい)をカウントする。逓倍クロ
ックMCKは、再生クロックPLCKに同期した信号で
ある。
【0061】図8においては、期間t0〜t1において
逓倍クロックMCKがちょうど3周期得られ、反転回数
としては「6」が得られた状態が示されているが、ΔT
検出回路31では、例えばこのカウントした反転回数の
値を位相誤差ΔTの値としてジッター値算出回路32に
出力する。なお、ここでは位相誤差ΔTの値を反転回数
としているが、できるだけ正確な値が得られるのであれ
ば、特にこれに限定されるものではなく、例えばHレベ
ルのパルス出現回数などとしてもよいものである。
【0062】ジッター値算出回路32には、二値化信号
が反転するごとに位相誤差ΔTの値の情報が得られるこ
とになる。そこでジッター値算出回路32では、二値化
信号が反転するごと順次得られる位相誤差ΔTの値につ
いて、所定のm個のサンプル数をとり、次に示す演算を
行うことでジッター値JTを得るようにされる。ここで
は、サンプルされるm個の位相誤差ΔTについて、サン
プルされた時間軸に従ってΔTi(1≦i≦m)として
表している。先ず、
【数1】 により示される演算を行うことで、サンプルしたm個の
ΔTi,ΔTi,ΔTi・・・についての平均値を得
る。そして、この平均値を利用して、
【数2】 により示す演算を実行することで、ジッター値JTを得
る。この(数2)により示されるジッター値JTは、サ
ンプルされたm個のΔTi,ΔTi・・・間の変動幅を
示すものとなる。このようにして算出されたジッター値
JTは、システムコントローラ10に対して入力され
る。
【0063】なお、上記サンプル数mは、ジッター値J
Tができるだけ高精度で得られることと、ジッター値J
Tの算出に要する時間が必要以上に長くならないように
することを考慮して任意に設定されればよい。また、ジ
ッター検出回路21を形成する各部の内部構成は各種考
えられるためここでは、詳しい図示は省略する。例え
ば、ΔT検出回路31及びジッター値算出回路32等
は、各種デジタル回路や論理回路を組み合わせること
で、上記した動作を実現することが容易に可能とされる
ものである。また、上記(数1)(数2)により示した
ジッター値JTの算出方法はあくまでも一例であり、他
の演算式等を利用して行われてもよいものである。
【0064】4.フォーカスバイアス設定本実施の形態
においては、フォーカスバイアスは次のようにして設定
する。なお、ここでは、図14に示した構造のディスク
Dが装填されることを前提としている。つまり、エンボ
スピット領域Aepとオーバーライト領域Aovを有す
るディスクである。先ず、本実施の形態では、ディスク
Dが装填されたとするとエンボスピット領域Aepにお
ける所定の記録済み領域について試行再生を行う。但
し、この際、フォーカスバイアスとしては、適当に設定
した範囲内においてフォーカスバイアスを所定タイミン
グで逐次変更していくようにされる。
【0065】ここで、フォーカスバイアスを変更しなが
ら再生を行うということは、フォーカスサーボループ制
御により得られるフォーカス状態の良好性が変化すると
いうことであり、このときに再生される信号としては、
その特性の良否に影響が現れることになる。言い換えれ
ば、信号特性の最も良好な状態の時に設定されていたフ
ォーカスバイアスが、少なくともエンボスピット領域A
epに対応して最適とされるフォーカスバイアスとなり
得ることになる。本実施の形態では、この判断材料とな
る信号特性を先に説明したジッター値JTとするもので
ある。つまり、本実施の形態では、上記した試行再生を
行っている期間において得られるジッター値JTを監視
するようにされる。
【0066】図9には、上記した試行再生の結果得られ
たとされるフォーカスバイアスとジッター値JTとの関
係例を示している。この図においては、横軸がフォーカ
スバイアスとされ、縦軸がジッター値とされている。ま
た、図の座標内に示す×印はサンプルポイント(測定
点)を示す。この場合には、6つのサンプルポイント
(フォーカスバイアスとして、−3,−2,−1,0,
1,2の6ポイント)によりジッター値を測定した場合
が示されている
【0067】例えば、この図に示すような結果が得られ
た場合において、最適値としてのフォーカスバイアスは
次のようにして求めることができる。1つには、サンプ
ルポイントのうちで、最も少ないジッター値(最良値)
が得られたときのフォーカスバイアスを最適値として設
定する方法である。図9の場合であれば、座標(−1,
1)が極値とされている。従って、この場合には、フォ
ーカスバイアス=−1を最適値として設定するようにさ
れる。また、1つには、計測結果により最もジッター値
の変化率が低いとされる領域を見いだし、この領域に対
応するフォーカスバイアスを最適値として設定するもの
である。図9の場合であれば、座標(−1,1)の付近
が最もジッター値の変化率が低い。従ってこの場合に
も、フォーカスバイアス=−1を最適値として設定する
ようにされる。
【0068】また1つには、その座標のジッター値が予
め設定した所定値に近く、かつ、ジッター値としての極
値を挟む2つのサンプルポイントの平均値、或いは相加
平均値をフォーカスバイアスの最適値として設定する方
法である。ここで、図9の場合において、予め設定した
ジッター値を「2」としたとすれば、ジッター値2に近
く、かつ、極値の座標(−1,1)を挟む2つのサンプ
ルポイントとしては、座標(−2,1.8)(1,2)
となる。そして、この2つのサンプルポイントのフォー
カスバイアス値を利用して平均値を求めると、 (−2+1)/2=−0.5 となり、フォーカスバイアス=−0.5が求められるこ
とになる。また、図9の場合において、相加平均値を求
めるのであれば、上記平均値を求めた場合と同様に、予
め設定したジッター値を「2」とすれば、極値の座標
(−1,1)を挟んで、かつ、ジッター値2に近い、2
つのサンプルポイントとしては座標(−2,1.8)
(1,2)となる。そして、この2つの座標の値により
相加平均を求めると、 (−2/1.8+1/2)/(|−2+1|)≒−0.
6 となり、フォーカスバイアス=−0.6が求められるこ
とになる。なお、相加平均を求めるための演算式は他に
も考えられるものである。
【0069】更に1つには、フォーカスバイアスとジッ
ター値には或る程度の相関関係がある(例えば図9に示
す結果であれば二次関数的関係を有する)ことを利用し
て、各サンプルポイントの計測結果の全て或いはその一
部を利用して所要の数値演算処理を実行することで、ジ
ッター値が極値であるとして想定される値を算出し、更
にこの極値に対応すると推定されるフォーカスバイアス
値を算出する。そして、この算出されたフォーカスバイ
アス値を最適値とするものである。図9の場合であれ
ば、6つのサンプルポイントにて得られたサンプル情報
(フォーカスバイアスと、これに対応して計測されたジ
ッター値である)の全てまたは一部を利用して、数値演
算処理を実行して、このときに極値として算出されたジ
ッター値に対応するとされるフォーカスバイアスを算出
し、これを最適値として設定するものである。
【0070】このようにして設定されるフォーカスバイ
アスであるが、これは、エンボスピット領域Aepに対
して試行再生を行ったことによって得られたものであ
り、従って、直接的には、エンボスピット領域Aepに
対してフォーカスサーボ制御を実行する際に最適とされ
るフォーカスバイアスとなる。従って、ここまでの段階
で得られたフォーカスバイアス(以降、これを「第1フ
ォーカスバイアス」ともいう)は、少なくとも、このデ
ィスクのエンボスピット領域Aepを再生する際の最適
値としてのフォーカスバイアスとして設定してよいこと
になる。つまり、実際のエンボスピット領域Aepの再
生時においては、第1フォーカスバイアスをフォーカス
エラー信号FEに重畳して、フォーカスサーボループ制
御を実行すればよい。このためには、前述したように、
システムコントローラ10がバイアス設定制御信号S1
を出力することで、これまでの検出動作により得られた
第1フォーカスバイアスを目標値制御回路41に対して
設定するように制御を実行すればよいことになる。
【0071】そして、或る種別のディスクDの特性とし
て、エンボスピット領域Aepとオーバーライト領域A
ovとで、同一値によるフォーカスバイアスを設定して
よいことが分かっている場合には、オーバーライト領域
Aovを再生する際においても、共通に第1フォーカス
バイアスを設定してフォーカスサーボループ制御を実行
すればよいものとされる。
【0072】但し、ディスク種別によっては、最適とさ
れるフォーカスバイアスがエンボスピット領域Aepと
オーバーライト領域Aovとで異なる場合のあることは
当然起こり得る。そこで、このような場合には、次のよ
うにしてエンボスピット領域Aepとオーバーライト領
域Aovとのそれぞれに対応して最適とされるフォーカ
スバイアスを求めるようにされる。
【0073】ここで、エンボスピット領域Aepに対応
して最適とされるフォーカスバイアスは、上述した第1
フォーカスバイアスとされればよいことから、先に図9
を参照して説明したエンボスピット領域Aepに対する
試行再生により得られる第1フォーカスバイアスとすれ
ばよい。そして、エンボスピット領域Aepに対応して
最適とされるフォーカスバイアス(以降、これを「第2
フォーカスバイアス」ともいう)については、上記第1
フォーカスバイアスを求めた後、この第1フォーカスバ
イアスを利用して、以降の説明のようにして求めるよう
にされる。
【0074】図10には、或る特定の種別のディスクに
ついてのエンボスピット領域Aepとオーバーライト領
域Aovに対して試行再生を行ったとされる場合の、フ
ォーカスバイアスとジッター値との測定結果を示してい
る。この図に示すディスクとしては、1層ディスク(図
15(b)参照)とされ、かつ、オーバーライト領域A
ovにおいてはグルーブGrをトラックとして記録を行
うようにされたディスクとされる。この場合には、曲線
L1がエンボスピット領域Aepの測定結果であり、曲
線L2がオーバーライト領域Aovの測定結果である。
この図によると、例えば曲線L1,L2の各極値に対応
するフォーカスバイアス(B1−B2間)のオフセット
量は(x)で表される。
【0075】上記オフセット量(x)は、或る程度のわ
ずかな誤差は存在するものの、この種別のディスクには
固有で一義的なものであると見なすことができる。そこ
で、この種別のディスクについてフォーカスバイアスを
求める場合には、先ず、先に述べたエンボスピット領域
Aepの試行再生により第1フォーカスバイアスを求め
た後、この第1フォーカスバイアスの値をm、第2フォ
ーカスバイアスをnとして、 n=m+x の演算により得るようにされる。このようにして、エン
ボスピット領域Aepに対応する第1フォーカスバイア
スと、オーバーライト領域Aovに対応して最適とされ
る第2フォーカスバイアスが求められることになる。そ
して、実際においては、エンボスピット領域Aepの再
生時には第1フォーカスバイアスを、オーバーライト領
域Aovの再生時には第2フォーカスバイアスを目標値
制御回路41に設定することになる。
【0076】また、ディスク種別として、1層ディスク
とされ、かつ、オーバーライト領域Aovにおいてはグ
ルーブGr及びランドLdをトラックとして記録を行う
ようにされたディスク(ここではランド/グルーブディ
スクということにする)も考えられる。このようなディ
スクでは、オーバーライト領域Aovにおいて、更にグ
ルーブ領域及びランド領域とで最適とされるフォーカス
バイアスが異なることが考えられる。このような場合に
は、次のようにしてエンボスピット領域Aep、グルー
ブ領域、ランド領域の各々について最適とされるフォー
カスバイアスを求めるようにされる。図11は、或る特
定種類のランド/グルーブディスクについて試行再生を
行った場合の測定結果(フォーカスバイアスとジッター
値との関係)が示されている。この図では、曲線L1が
エンボスピット領域Aep、曲線L2がグルーブ領域、
曲線L3がランド領域の測定結果である。この図による
と、例えば曲線L1,L2の各極値に対応するフォーカ
スバイアス(B1−B2間)のオフセット量は(x1)
で表される。また、例えば曲線L1,L3の各極値に対
応するフォーカスバイアス(B1−B3間)のオフセッ
ト量は(x2)で表される。
【0077】この場合も、上記オフセット量(x1)
(x2)は、或る程度のわずかな誤差は存在するもの
の、この種別のディスクには固有で一義的なものである
と見なすことができる。そこで、この種別のディスクに
ついてフォーカスバイアスを求める場合にも、先ず、先
に述べたエンボスピット領域Aepの試行再生により第
1フォーカスバイアスを求めるようにされる。そしてこ
の後、この第1フォーカスバイアスの値をm、グルーブ
領域に対応する第2フォーカスバイアスをn1として n1=m+x1 の演算により、グルーブ領域に対応して最適とされる第
2フォーカスバイアスを得るようにされる。また、同様
にして、第1フォーカスバイアスの値をm、ランド領域
に対応する第2フォーカスバイアスをn2として n2=m+x2 の演算により、ランド領域に対応して最適とされる第2
フォーカスバイアスを得るようにされる。なお、ランド
Ldのみに記録するフォーマットのディスクについて
も、上記n2を求める演算を行うことで、第2フォーカ
スバイアスを得ることができる。このようにして、エン
ボスピット領域Aepに対応する第1フォーカスバイア
スに続き、グルーブ領域とランド領域との各々に対応し
て最適とされる2つの第2フォーカスバイアスが求めら
れることになる。
【0078】更に、図15(b)に示すような2層ディ
スクにおいては、オーバーライト領域Aovにおいて、
更に第1信号面と第2信号面とでフォーカスバイアスが
異なることが考えられる。このような場合にも、次のよ
うにして、エンボスピット領域Aepと、オーバーライ
ト領域Aovにおける第1信号面と第2信号面との各々
について最適とされるフォーカスバイアスを求めること
ができる。
【0079】図12は、或る特定種類の2層ディスクに
ついて試行再生を行った場合の測定結果(フォーカスバ
イアスとジッター値との関係)が示されている。この図
では、曲線L1がエンボスピット領域Aep、曲線L1
0が第1信号面、曲線L11が第2信号面の測定結果で
ある。この図によると、例えば曲線L10,L11の各
極値に対応するフォーカスバイアス(B1−B10間)
のオフセット量は(x10)で表される。また、例えば
曲線L1,L11の各極値に対応するフォーカスバイア
ス(B1−B11間)のオフセット量は(x11)で表
される。なお、この図に示す測定結果は、第1信号面と
第2信号面とで共にグルーブGrをトラックとして記録
するように規定されたディスクに対応しているものとす
る。
【0080】この場合も、上記オフセット量(x10)
(x11)は、或る程度のわずかな誤差は存在するもの
の、この種別のディスクには固有で一義的なものである
と見なすことができる。そこで、この種別のディスクに
ついてフォーカスバイアスを求める場合にも、先ず、先
に述べたエンボスピット領域Aepの試行再生により第
1フォーカスバイアスを求めるようにされる。そしてこ
の後、この第1フォーカスバイアスの値をm、第1信号
層に対応する第2フォーカスバイアスをn10として n10=m+x10 の演算により、第1信号層に対応して最適とされる第2
フォーカスバイアスを得るようにされる。また、同様に
して、第1フォーカスバイアスの値をm、第2信号層に
対応する第2フォーカスバイアスをn11として n11=m+x11 の演算により、第2信号層に対応して最適とされる第2
フォーカスバイアスを得るようにされる。
【0081】このようにすれば、エンボスピット領域A
epに対応して最適とされる第1フォーカスバイアスに
加えて、オーバーライト領域Aovにおける第1信号層
と第2信号層との各々に対応して最適とされる2つの第
2フォーカスバイアスが得られる。なお、第2信号層の
グルーブは、その構造によっては、光学的には先に図1
1により説明したランド/グルーブディスクのランドと
等価とされる場合があるが、この場合には、フォーカス
バイアス設定に関しては、ランド/グルーブディスクと
同様の扱いが可能となる。
【0082】本実施の形態では、例えば上記図10〜図
12により説明したようにして、ディスク種別ごとに適
正なフォーカスバイアスが得られるようにすることを可
能とするために、例えば、本実施の形態のディスクドラ
イブ装置により再生されることが想定されるディスク種
別ごとに、予め計測を行って、第2フォーカスを得るた
めの第1フォーカスバイアスに対するオフセット値のデ
ータを得て、この情報をパラメータとしてディスクドラ
イブ装置のセット内に記憶するようにしておく。これ
が、図1に示したテーブル10aとされる。そして、実
際のフォーカスバイアス設定に際しては、現在装填され
ているディスク種別、及び再生すべき領域に応じたオフ
セット値を読み出して、上述のようにして、先の試行再
生により既に獲得しているとされる第1フォーカスバイ
アスに対してオフセット値を与える演算を行うことで、
最適とされる第2フォーカスバイアスを求めるようにさ
れる。
【0083】続いて、上記したフォーカスバイアスを求
める動作を実際に実現するための処理動作について図1
3のフローチャートを参照して説明する。この図に示す
処理は、システムコントローラ10が実行するものとさ
れる。
【0084】このルーチンにおいては、先ず、ステップ
S101においてディスクが装填されるのを待機してお
り、ディスクが装填されたことが判別されると、ステッ
プS102に進む。ステップS102においては、エン
ボスピット領域Aepの所定領域に対してシークを行う
ための制御処理が実行される。そして、ステップS10
3においては、先に説明した試行再生を実行するための
制御を行う。つまり、上記ステップS102においてシ
ークしたエンボスピット領域の所定領域に対する再生を
行い、この際、目標値制御回路41(図5参照)に対し
て、例えば、所定タイミングで段階的に可変したフォー
カスバイアスを設定するようにされる。そして、このと
きに再生される二値化信号のジッター値JTを取り込
み、変更されたフォーカスバイアスごとに対応して内部
RAMに保持するようにされる。
【0085】上記ステップS103による試行再生が完
了した段階では、内部RAMには、図9に示したような
サンプルポイントとしてのフォーカスバイアスとジッタ
ー値JTとの関係を示すデータが得られている。そこ
で、続くステップS104においては、先に図9を参照
して説明した演算方法のうち例えば予め設定された任意
の演算方法を用いて、第1フォーカスバイアスを求める
ようにされる。そして、ここで得られた第1フォーカス
バイアスの値を内部RAMに保持する。
【0086】続いては、ステップS105においてディ
スク種別を判別することが行われる。ここでの判別は、
例えばエンボスピット領域Aepに記録されているディ
スク種別の識別情報を読み出し、この識別情報に基づい
て行うことができる。上記ステップS105によりディ
スク種別が判別されると、続くステップS106におい
て、テーブル10aから判別した種別のディスクに対応
するパラメータ(オフセット値)を読み出して内部RA
Mに取り込むようにされる。そして、続くステップS1
07においては、上記ステップS106により取り込ん
だパラメータ(オフセット値)を利用して、先に説明し
たような第2フォーカスバイアスを求めるようにされ
る。そして、算出された第2フォーカスバイアスを内部
RAMに保持する。このステップS107の処理が完了
すると、このフォーカスバイアス設定のための処理を終
了する。
【0087】なお、前述したように、ステップS107
にて得られるべき第2フォーカスバイアスとしては、デ
ィスク種別によっては、使用される領域ごとに応じて複
数の値が算出される場合がある。また、ディスク種別に
よって、エンボスピット領域Aepとオーバーライト領
域Aovとで同じフォーカスバイアスを用いてもよいと
されるディスクに対応する場合、例えば、テーブル10
aにおいては、オフセット値として0をセットしておけ
ばよい。これにより、結果的には、第2のフォーカスバ
イアスは第1のフォーカスバイアスと同一となるように
される。更には同じオーバーライト領域Aovにおける
異なる領域(或いは信号面)間で同じフォーカスバイア
スを用いてもよい場合には、これらのオフセット値とし
て同一値をセットしておけばよいものである。
【0088】このようにして、ステップS104及びス
テップS107にて算出され、内部RAMに保持された
第1,第2フォーカスバイアスの値は、この後のディス
ク再生時において再生されるべき領域に応じて読み出さ
れ、これまで説明したようにして目標値制御回路41に
対して設定が行われる。これにより、実際の再生時にお
いては、装填されたディスクごとに適合して設定された
フォーカスバイアスが与えられた状態の下で閉ループに
よるフォーカスサーボ制御が実行される。つまり、適正
なフォーカスサーボ制御動作が得られることになる。
【0089】なお、本発明はこれまで説明した構成に限
定されるものではない。例えば、記録領域としては、C
D−Rの記録層のように、記録データを物理ピット(エ
ンボスピット)として形成していく追記型も存在する。
これまでの説明においては、エンボスピット領域Aep
は再生専用領域とされていたが、エンボスピットが形成
されてデータが記録されるべき領域であるという観点か
らすれば、このエンボスピット領域Aepについて、例
えば、上記CD−Rの記録層のような追記型の記録領域
を設定することが考えられる。このような場合でも、追
記型であるエンボスピット領域Aepに何らかのデータ
が記録されていれば本発明の適用が可能である。逆に、
オーバーライト領域Aovとして、これをグルーブGr
を有して記録が行われる領域として考えた場合、上記し
たCD−Rのような追記型の記録層もグルーブを有する
ため、オーバーライト領域Aovを、このような追記型
の領域として設定することも考えられる。
【0090】また、上記実施の形態においてはディスク
ドライブ装置として記録再生が可能な記録再生装置を例
に挙げているが、本発明が適用されるディスクドライブ
装置としては、再生専用装置とされても構わないもので
ある。また、図1のディスクドライブ装置は或る程度汎
用的な構成を示すにとどまっており、実際に対応するデ
ィスク種別に応じて必要となる機能回路部が追加若しく
は削除されるなど、各部は適宜変更されるものである。
また、フォーカスバイアスを求めるための信号特性とし
てジッター値を採用しているが、デフォーカス状態に依
存する信号特性であれば、例えば信号の振幅や変調度な
ど他の信号特性が採用されて構わないものである。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、物理ピッ
トが形成されることによりデータが記録される第1の領
域(エンボスピット領域)と、記録データとして物理ピ
ット以外のピットが形成されることでデータが記録され
る第2の領域(オーバーライト領域)とを有する光学記
録媒体に対応することを前提として、第1の領域に対し
てフォーカスバイアスを変化させながら再生を行い、こ
のときに得られた信号特性に基づいて、第1の領域に個
別に対応して最適、又は第1の領域と第2の領域とで共
通に対応して最適(第1の領域と第2の領域とでバイア
ス特性が同じ時)とされる第1のフォーカスバイアス
と、第2の領域に個別に対応して最適とされる第2のフ
ォーカスバイアスとを設定できるように構成される。こ
の構成に依れば、フォーカスバイアスは、装填されたデ
ィスクごとに適合して設定される。つまり、光学系の経
時変化やディスクごとのばらつきの兼ね合いによる条件
のばらつきに関わらず、装填されたディスクごとに最適
とされるフォーカスバイアスを得ることが可能となる。
従って、どのようなディスクが装填されたとしても適正
なフォーカスサーボ制御を実行することができる。ま
た、再生信号を利用することで、例えば精度の高いフォ
ーカスバイアス値を得ることが可能となり、特に、高記
録密度のメディアに対応することでデフォーカスのマー
ジンが小さいとされるシステムであっても高い信頼性が
得られる。更には、再生信号を利用することで、特にフ
ォーカスバイアスを求めるための機能回路部等を追加す
る必要もなく、比較的簡易な構成で実現されるものであ
る。また、一般には書き換え可能とされる第2の領域に
データが全く記録されていない状態であるとしても、第
1の領域(エンボスピット領域)が再生専用領域として
設定されているので有れば、必ず何らかのデータが記録
されている第1の領域を利用してフォーカスバイアスを
求めることができるものである。
【0092】また、第1の領域と上記第2の領域とで個
別に対応して最適とされるフォーカスバイアスを設定す
る構成として、試行再生により第1の領域に対応して最
適とされる第1のフォーカスバイアスを設定し、この第
1のフォーカスバイアスに対してオフセット値を与える
ことにより第2の領域に対応して最適とされる第2のフ
ォーカスバイアスを設定するようにしたことで、比較的
簡易な構成によっても相応に精度の高いフォーカスバイ
アスを記録領域ごとに対応して得ることが可能になるも
のである。更にこの際、ディスク種別ごとに応じて設定
されたオフセット値を第1のフォーカスバイアスに対し
て与えることにより第2のフォーカスバイアスを得るよ
うにすれば、ディスク種別の相違にも対応して精度の高
いフォーカスバイアスを得ることができるものである。
【0093】また、信号特性に基づいてフォーカスバイ
アスを求めるのにあたっては、所定の信号特性が最良と
されるとき、又はその変化率が最小となったときに設定
されていたフォーカスバイアスを第1のフォーカスバイ
アスとして設定するとすれば、比較的単純な処理でもっ
てフォーカスバイアスを求めることができる。また、所
定の特性が最良としての極値に近く、かつ、この極値を
挟む2サンプル以上に対応して設定されていたフォーカ
スバイアスの相加平均又は平均値を第1のフォーカスバ
イアスとして設定する、更にはサンプル値に基づいて、
信号特性の極値に対応するとされるフォーカスバイアス
を得るための数値演算処理を実行することで第1のフォ
ーカスバイアスを求めるようにすれば、必要最小限とさ
れる少ないサンプル数によっても高い精度でフォーカス
バイアスを得ることができる。
【0094】そして、最適とされるフォーカスバイアス
を求めるために利用する再生信号についての所定の特性
として、ジッターの変化量を検出するように構成した場
合、例えば本来のディスクドライブ装置の機能としてジ
ッターの変化量を検出する構成が備えられる場合にはこ
れを流用すればよいことにもなり、機能回路部の追加は
必要ないため、コストの削減を図ることができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のディスクドライブ装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】光学ピックアップの光学系の構造例を概念的に
示す構造図である。
【図3】光学ピックアップのフォトディテクタによる検
出動作を示す説明図である。
【図4】フォトディテクタにおいて受光するビームスポ
ット形状をフォーカス状態に応じて示す説明図である。
【図5】本実施の形態のフォーカスサーボ系を示すブロ
ック図である。
【図6】本実施の形態のジッター検出回路の構成例を示
すブロック図である。
【図7】本実施の形態のジッター検出に際して必要とな
る二値化信号と再生クロックとの位相差の検出動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【図8】本実施の形態のジッター検出に際して必要とな
る二値化信号と再生クロックとの位相差の検出動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【図9】エンボスピット領域を試行再生して得られるフ
ォーカスバイアスとジッター値との関係例を示す説明図
である。
【図10】エンボスピット領域、オーバーライト領域と
を再生した場合として、フォーカスバイアスとジッター
値との関係例を示す説明図である。
【図11】エンボスピット領域、オーバーライト領域
(グルーブ領域/ランド領域)とを再生した場合とし
て、フォーカスバイアスとジッター値との関係例を示す
説明図である。
【図12】エンボスピット領域、オーバーライト領域
(第1信号面/第2信号面)とを再生した場合として、
フォーカスバイアスとジッター値との関係例を示す説明
図である。
【図13】第1,第2フォーカスバイアスを求めるため
の処理動作を示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態が対応するディスク構造を示す
斜視図である。
【図15】本実施の形態が対応するディスク構造を示す
断面図である。
【図16】ディスク信号面に照射されるレーザ光の様子
を概念的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 光学ピックアップ、2 対物レンズ、3 二軸機
構、4 レーザダイオード、5 フォトディテクタ、5
a 分割ディテクタ、5b 差動アンプ、6 スピンド
ルモータ、7 ターンテーブル、8 スレッド機構、9
RFアンプ、10 システムコントローラ、10a
テーブル、11 二値化回路、12 デコーダ、13
インターフェース部、14 サーボプロセッサ、15
スレッドドライバ、16 二軸ドライバ、16a フォ
ーカスコイルドライバ、16b トラッキングコイルド
ライバ、17 スピンドルモータドライバ、18 レー
ザドライバ、20 PLL回路、21 ジッター検出回
路、22 磁気ヘッドドライバ、23 磁気ヘッド、3
0 逓倍器、31 ΔT検出回路、32 ジッター値算
出回路、51 コリメータレンズ、52 ビームス
プリッタ、53 集光レンズ、36 円筒レンズ、41
目標値制御回路、42 差動アンプ、43位相補償回
路、110 1層ディスク、120 2層ディスク、1
21 ディスク基板、122 (第1)信号面、123
(第1)反射層、124 第2信号面、125 第2
反射層、126 接着面、127 ダミー板、128
ディスク表面、Aep エンボスピット領域、Aov
オーバーライト領域、D ディスク、Gr グルーブ、
Ld ランド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、物理ピットが形成されるこ
    とによりデータが記録される第1の領域と、記録データ
    として物理ピット以外のピットが形成されることでデー
    タが記録される第2の領域とを有する光学記録媒体に対
    応するものとされたうえで、 収束させたレーザ光を上記光学記録媒体に対して照射す
    ることで記録再生を行うことのできる記録再生装置に備
    えられ、上記収束させたレーザ光の焦点位置についてオ
    フセットを与えるためのフォーカスバイアスを設定する
    ためのフォーカスバイアス設定装置として、 フォーカスバイアスを可変設定しながら上記光学記録媒
    体の第1の領域に対するデータ再生を行うという試行再
    生を実行する試行再生手段と、 上記試行再生手段により得られた再生データについての
    所定の信号特性を測定し、この測定結果を上記試行再生
    時に設定されていたフォーカスバイアスと対応させてサ
    ンプル情報として得るサンプル手段と、 上記サンプル手段により得られたサンプル情報に基づい
    て、上記第1の領域に個別に対応して最適、又は上記第
    1の領域と上記第2の領域とで共通に対応して最適とさ
    れる第1のフォーカスバイアスと、上記第2の領域に個
    別に対応して最適とされる第2のフォーカスバイアスと
    を設定することのできるフォーカスバイアス設定手段
    と、 を備えていることを特徴とするフォーカスバイアス設定
    装置。
  2. 【請求項2】 上記フォーカスバイアス設定手段は、上
    記第1の領域と上記第2の領域とで個別に対応して最適
    とされる第1のフォーカスバイアスと第2のフォーカス
    バイアスを設定するために、 上記サンプル情報に基づいて直接的に上記第1のフォー
    カスバイアスを設定し、この第1のフォーカスバイアス
    に対して特定のオフセット値を与えることにより、上記
    第2のフォーカスバイアスを設定するように構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のフォーカスバイ
    アス設定装置。
  3. 【請求項3】 記録又は再生が可能な記録再生部位に対
    して装填された記録媒体の種別を判別可能な媒体種別判
    別手段を備え、 上記フォーカスバイアス設定手段は、上記媒体種別判別
    手段により判別された記録媒体種別に応じて設定された
    上記特定のオフセット値を上記第1のフォーカスバイア
    スに対して与えることにより、上記第2のフォーカスバ
    イアスを設定するように構成されていることを特徴とす
    る請求項2に記載のフォーカスバイアス設定装置。
  4. 【請求項4】 上記フォーカスバイアス設定手段は、 上記サンプル情報に基づいて、上記所定の信号特性が最
    良であるとされた再生データに対応して上記試行再生時
    に設定されていたフォーカスバイアスを特定すること
    で、上記第1のフォーカスバイアスを設定するように構
    成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォー
    カスバイアス設定装置。
  5. 【請求項5】 上記フォーカスバイアス設定手段は、 上記サンプル情報に基づいて、上記所定の信号特性の変
    化率が最小であるとされた再生データに対応して上記試
    行再生時に設定されていたフォーカスバイアスを特定す
    ることで、上記第1のフォーカスバイアスを設定するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    フォーカスバイアス設定装置。
  6. 【請求項6】 上記フォーカスバイアス設定手段は、 上記サンプル情報に基づいて、上記所定の信号特性が予
    め設定した所定値に近く、かつ、測定された上記所定の
    信号特性の極値とされる測定点を挟む、2つの測定点に
    おいて得られたサンプル情報としてのフォーカスバイア
    スを利用して平均値を算出し、この算出された平均値を
    上記第1のフォーカスバイアスとして設定することを特
    徴とする請求項1に記載のフォーカスバイアス設定装
    置。
  7. 【請求項7】 上記フォーカスバイアス設定手段は、 上記サンプル情報に基づいて、上記所定の信号特性が予
    め設定した所定値に近く、かつ、測定された上記所定の
    信号特性の極値とされる測定点を挟む、2つの測定点に
    おいて得られたサンプル情報を利用してフォーカスバイ
    アスについての相加平均値を算出し、この算出された相
    加平均値を上記第1のフォーカスバイアスとして設定す
    ることを特徴とする請求項1に記載のフォーカスバイア
    ス設定装置。
  8. 【請求項8】 上記フォーカスバイアス設定手段は、 上記サンプル情報に基づいて、信号特性としての極値に
    対応するとされるフォーカスバイアスを求めるための所
    要の数値演算処理を行い、この演算結果により得られた
    値を上記第1のフォーカスバイアスとして設定すること
    を特徴とする請求項1に記載のフォーカスバイアス設定
    装置。
  9. 【請求項9】 上記フォーカスバイアス設定手段は、 上記所定の信号特性としてジッターの変化量を測定する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のフォーカスバイアス設定装置。
JP10253794A 1998-09-08 1998-09-08 フォーカスバイアス設定装置 Withdrawn JP2000090450A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102693734A (zh) * 2011-03-24 2012-09-26 索尼计算机娱乐公司 光盘装置

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2012203949A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Sony Computer Entertainment Inc 光ディスク装置
US8675460B2 (en) 2011-03-24 2014-03-18 Sony Corporation Optical disc device

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