JP3980760B2 - プラント監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラント、火力発電プラント、化学プラント等の大規模プラントのプロセス信号を基に運転状態を監視して異常の発生を早期に検出し診断するプラント監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラント、火力発電プラント、化学プラント等の大規模プラントには、プラントの性能およびプラントを構成する様々な系統、機器の健全性を確認する目的で多数のプロセス信号が測定されている。多量の信号の全てをプラントの運転員が常時監視することは困難なことから、多くのプラントには計算機を用いてプラント信号を入力し、予め与えた異常検出しきい値と比較することにより自動的にプラント状態の変化を検出する監視装置が設けられている。これら従来の装置は、信号の入力、データの保存、監視処理といった監視装置の諸機能を通常は1つの処理装置(多くの場合はミニコンピュータクラスの汎用計算機)で高速に実行するように設計製作されている。複数の処理装置を設ける場合にも、その目的は装置全体の信頼性確保にあり、同一機能のバックアップ用装置として作られていた。
【0003】
また、原子力発電プラントを例に採ると、1運転サイクルが終了して燃料交換、機器の定期検査や補修を行って、再度運転を開始した場合に、プラント信号の特性に微妙な変化が観測される場合がある。このため、プラント監視装置の稼動に必要な異常検出しきい値等の様々なパラメータの初期設定を行って装置の運用が開始された後においても、各運転サイクルの開始時に前サイクル運転時のデータを基にしきい値を再設定する必要があり、従来はこれを人間が手作業で行っている。一方、プラント監視装置では監視・診断結果を出力表示するとともに、監視に用いたプラントデータを整理した形で利用者であるプラント運転員等に提供表示することが要求される。プラントデータの監視は、プロセス量の瞬時値である入力データの値yそのもの、あるいは自身を含む他のプロセス量のデータxから既知のプラント特性関数y=f(x)を用いて予測される値からの偏差δy=y−f(x)を監視指標として、これらを異常検出しきい値と比較することにより行われる。従って、プラントデータの情報表示においては時間を横軸にとった入力値yのトレンド図の他、横軸にxの1信号の値、縦軸にyの値をとったx−y相関図を表示することが行われる。これらのプロットには異常検出しきい値を併せて表示することも行われ、相関図の場合には通常時の特性からのズレを確認し易いように特性関数に基づく予測値f(x)を同時に表示することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術のプラント監視装置には以下のような3つの課題が指摘される。すなわち、
(1)既設のプラント監視装置に対して、監視機能の追加修正ばかりでなく、監視対象となる信号を追加するような場合、その規模によっては処理装置のハードウェアの交換やソフトウェアの既存部の大幅な修正が必要となり、改造に要するコストが多大となる問題があった。
【0005】
(2)また、プラント監視装置の運用が開始された後においても、各運転サイクルの開始時に異常検出しきい値を再設定する必要があるが、従来はこの作業を人間が行っていたため、多大な時間を要するばかりでなく、設定基準が作業者に依存して微妙に異なるといった問題があった。
【0006】
(3)装置の提供する情報の利用者にとっては、時間を横軸にとったトレンド図は信号の挙動を把握し易いが、相関図の表示には時間のスケールが含まれないため、予測値からずれたデータが表示された場合に、それが何時の時点で生じたズレであるかを把握することが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に対処してなさたもので、直接の変更対象である機能とは関係のない既存部の交換・修正をほとんど行うことなく、機能・監視対象の拡張・追加を容易に行うことができるプラント監視装置を提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は、異常検出しきい値の設定を一定の基準に従って自動的に行うことができるプラント監視装置を提供することを目的とする。
【0009】
また本発明は、プラントデータの相関情報を時間変化を把握し易い形式で表示するプラント監視装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明のプラント監視装置は、プラントからの各種プラントデータを入力する入力装置と、前記入力装置から送信されるプラントデータを保存するデータ保存装置と、前記データ保存装置に保存されたプラントデータを読み込み監視基準に従って正常/異常の判定を行う監視処理装置とを備え、前記入力装置と前記データ保存装置および前記データ保存装置と前記監視処理装置はそれぞれ通信手段を介して取り外し可能に接続されるとともに、前記入力装置は同じ入力周期のプラントデータを入力するものであって、入力周期によって分けられたプラントデータのグループごとに複数設置され、前記複数の入力装置は、ともに、同一の信号を少なくとも1つ入力し、前記入力装置に接続される前記データ保存装置と前記監視処理装置は、前記同一信号のデータを用いて複数の前記グループ間の入力時間差を評価し、入力時間差によるデータ値のずれを補正して監視処理することを特徴とする。
【0011】
請求項1の発明においては、プラント監視に必要な諸機能の処理をそれぞれ異なるハードウェアで実行するモジュール型装置として構成しており、このように機能単位に分割したことによりハードウェアとしてはパソコンクラスの汎用計算機の使用が可能となり、機能単位での拡張・追加を容易かつ安価に行うことができる。なお、機能単位にソフトウェアをモジュール化するだけでなくハードウェアをも分割することにより、同一ハードウェア内で処理するのに比べて各機能の間で必要な情報の授受に、従来にない伝送時間が余分に必要となるが、近年のネットワーク通信速度の向上と監視周期の調整によりこのようなモジュール化は可能である。また、同一時間間隔で入力すべき監視対象信号数が多い場合にも、限られた入力チャンネル数の入力装置を複数台用いることによって容易かつ安価に対応することができる。また、同一入力間隔の監視対象信号を追加する場合にも、既存入力装置の大幅な改造等を避けることができる。
【0019】
請求項の発明は、請求項記載のプラント監視装置において、入力時間差は、相互相関関数あるいは複素コヒーレンス関数のフーリエ逆変換として定義される量であるレホケンスが最大となる時間、あるいは位相差と周波数の関数の傾きにより評価することを特徴とする。
【0020】
請求項の発明においては、複数の入力装置間でハードウェアによって同期をとる必要がなくなるため、前述したように入力装置の増設を容易に行うことができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0057】
図1は、本発明のプラント監視装置の第1の実施の形態の全体構成を示すもので、プラントデータを入力する入力装置1と、入力されたプラントデータを保存するデータ保存装置2と、保存されたプラントデータを指定周期で入力し正常/異常の判定を行う監視処理装置3とで構成される。
【0058】
上記構成において、プラントから得られる信号は入力装置1によって時系列データに変換され、データ保存装置2に伝送される。データ保存装置2は入力装置1によって入力されたプラントデータの一定期間分を常時連続して保存する。監視処理装置3は、データ保存装置2に格納されているプラントデータを指定監視周期ごとに入力し、予め定めた監視基準に従って正常/異常の判定を行う。異常が検出された場合にはその結果の保存と出力表示を行うとともに、監視処理に用いたデータの異常検出前後一定期間分を異常データとして保存する。
【0059】
また図2〜図4は、上記各装置の詳細な構成例を示すものである。入力装置1は、装置内の機能を制御する制御部1aと、プラント信号を量子化する量子化部1bと、量子化されたデータを一定量記憶する2つの一時記憶部1cと、記憶および取り出し時の一時記憶部1cの切り替えを行うゲート部1d、1eと、データ送信を行う通信部1fとで構成される。
【0060】
データ保存装置2は、各機能を制御する制御部2aと、データの受信または送信を行う通信部2b、2cと、データを記憶する記憶部2dとで構成される。
【0061】
監視処理装置3は、各機能を制御する制御部3aと、データの受信を行う通信部3bと、監視基準に従ってデータの異常を検出する監視処理部3cと、監視基準を格納する監視基準格納部3dと、監視結果を格納する監視結果格納部3eと、監視結果を出力表示する出力表示部3fと、異常を検出されたデータについて一定期間のデータを記憶する長期記憶部3gとで構成される。
【0062】
次に、本実施の形態の作用を図2〜図4に基づいて説明する。
図2に示す入力装置1において、予め設定された入力時間間隔Δtごとに制御部1aから出される指令に従い、プラント信号は量子化部1bにより量子化され、ゲート部1dを経由して予め設定された容量を持つ一時記憶部1cのいずれか一方に格納される。入力データを格納中の一時記憶部1cに空き容量がなくなった場合、制御部1aはゲート部1dに指令を出して格納先の一時記憶部1cを切り替えるとともに、格納を終えた一時記憶部1cの時系列データをゲート部1eを経由して通信部1fよりデータ保存装置2へ送信する。
【0063】
入力装置1からデータ保存装置2へ送信されたデータは、制御部2aにより、通信部2bを経由して一定期間分の容量を持つリングバッファ状の記憶部2dに保存される。すなわち、記憶部2dにおいて一定期間を経過したデータは新たなデータによって上書きされる。記憶部2dのプラントデータは、指定監視周期ごとに図4に示す監視処理装置3の制御部3aの指令によって、通信部3b、2cを経由して読み出され、監視処理部3cにおいて監視基準格納部3dに設定された監視方法、異常検出しきい値等の条件に従ってその正常/異常が判定される。異常が検出された場合、制御部3aはその結果を監視結果格納部3eに保存し、出力表示部3fに表示する。また、異常検出の前後の予め定めた期間分のプラントデータを長期記憶部3gに格納する。
【0064】
以上の説明からも明らかなように、本実施の形態によれば、各機能処理間のデータの流れは一方向のみであるため、各機能単位にソフトウェアおよびハードウェアの独立性を高めたモジュール型プラント監視装置を実現することができる。このように機能単位に分割したことにより、ハードウェアとしてはパソコンクラスの汎用計算機の使用が可能であり、これにより機能単位での拡張・追加を容易かつ安価に行うことができる。
【0065】
なお、長期記憶部3gをデータ保存装置2に含め、監視処理装置3において異常が検出された場合にデータ保存装置2に長期保存の指令を出すように構成することも可能である。さらに、監視処理装置3の出力表示部3fを別置の出力表示/対話処理装置として構成することも可能である。
【0066】
図5は、本発明のプラント監視装置の第2の実施の形態の全体構成を示すもので、プラントからの信号を入力する入力装置1と、入力されたプラントデータに対してあらかじめ定めた監視基準に従って正常/異常の判定を行い、判定結果に従って入力データを保存するデータ監視保存装置4とで構成される。この構成では、プラントから得られる信号は入力装置1によって時系列データに変換されデータ監視保存装置4に伝送される。
【0067】
図6は、データ監視保存装置4の詳細な構成例を示すもので、各機能を制御する制御部4aと、データを受信する通信部4bと、監視基準に従ってデータの異常を検出する監視処理部4cと、監視基準を格納する監視基準格納部4dと、監視結果を格納する監視結果格納部4eと、監視結果を出力表示する出力表示部4fと、異常データを格納する長期記憶部4gと、正常データを格納する記憶部4hとで構成される。
【0068】
次に、本実施の形態におけるデータ監視保存装置4の動作を図6に基づいて説明する。
通信部4bより入力されたプラントデータは、監視処理部4cにおいて、監視基準格納部4dに格納されている監視周期、監視方法、異常検出しきい値等の条件に従って処理され、正常/異常が判定される。
【0069】
監視結果が正常な場合、制御部4aは一定期間分の入力データを記憶部4hに格納する。異常が検出された場合、制御部4aはその結果を監視結果格納部4eに保存し、出力表示部4fに出力するとともに、異常検出前後一定期間分のデータを異常データとして長期記憶部4gに保存する。
【0070】
以上の説明からも明らかなように、本実施の形態によれば、入力データの監視と保存の2つの処理を同一装置内で行うため、前記第1の実施の形態におけるデータ保存装置から監視処理装置へのデータ通信に要する時間が不要となり、より短周期での監視が可能となる。
【0071】
図7は、本発明のプラント監視装置の第3の実施の形態の全体構成を示すもので、プラントデータを入力し保存するデータ入力保存装置5と、データ入力保存装置5からプラントデータを指定周期で入力し正常/異常の判定を行う監視処理装置3とで構成される。この構成では、プラントから得られる信号はデータ入力保存装置5に入力されて時系列データに変換され、常時一定期間分のデータが連続的に保存される。監視処理装置3は第1の実施の形態におけるものと同様であり、図4に示すような構成を有する。
【0072】
図8は、データ入力保存装置5の詳細な構成例を示すもので、制御部5aと、量子化部5bと、2つの一時記憶部5cと、これらの一時記憶部5cへの読み込みおよび読み出しを行うゲート部5d、5eと、一時記憶部5cへ一時記憶されたプラントデータを格納する記憶部5fと、データ送信を行う通信部5gとで構成される。
【0073】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
図8に示すように構成されたデータ入力保存装置5においては、プラント信号は量子化部5bにより量子化され、ゲート部5dを経由して予め設定された容量を持つ一時記憶部5cのいずれか一方に格納される。入力データを格納中の一時記憶部5cに空き容量がなくなった場合、制御部5aはゲート部5dに指令を出して格納先の一時記憶部5cを切り替えるとともに、格納を終えた一時記憶部5cの時系列データをゲート部5eを経由して記憶部5fに直接に保存する。記憶部5fに格納されたプラントデータは通信部5gを経由して、監視処理装置3により指定監視周期ごとに読みだされ、第1の実施の形態で説明したように処理される。
【0074】
本実施の形態によれば、監視対象信号の拡張といった要求には対応し難いものの、観測信号の数が限られているプラントや監視対象信号の拡張の可能性がないプラントに対しては、高速のデータ保存が可能なプラント監視装置を実現することができる。
【0075】
図9は、本発明のプラント監視装置の第4の実施の形態の全体構成を示すもので、入力時間間隔の同じグループのプラント信号をそれぞれ入力するグループ単位の複数台の入力装置1と、これらの入力装置1によって入力されたプラントデータを保存するデータ保存装置2′と、保存されたプラントデータを指定周期で入力し正常/異常の判定を行う監視処理装置3とで構成される。
【0076】
この構成において、入力装置1は、図2に示す構成を有し、第1の実施の形態とは入力周期のみがΔt1 、…、Δtn と異なる。監視処理装置3は、第1の実施の形態と同じく図4に示すような構成を有する。
【0077】
データ保存装置2′は図10に構成例を示すように、図3に示すデータ保存装置2とほぼ同じであるが、制御部2′aと、データの受信または送信を行う通信部2′b、2′cと、データを記憶する記憶部2′dに加えて、入力された信号グループ別にプラントデータを分けて保存するための前処理部2′eが設けられている。
【0078】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
この実施の形態では、監視対象のプラント信号は入力時間間隔の同じ信号ごとにグループ化され、各グループに対して独立に設けられた複数台の入力装置1にそれぞれ入力される。
【0079】
各入力装置1から送出されたプラントデータは、データ保存装置2′において常時一定期間分が信号グループ別に分けて連続的に保存される。このデータは予め設定された監視周期ごと監視処理装置3に入力されて監視処理が実行される。
【0080】
従来のプラント監視装置のように1台の入力装置しかない場合には、新たに異なる入力周期の信号を追加するには入力部のソフトウェアの大幅な改造が必要となったが、これに対して本実施の形態によれば、同一構成の入力装置を追加することで既存入力装置の大幅な改造を避けることができる。
【0081】
なお、第1の実施の形態と同様に、入力装置が分離された構成の第2の実施の形態のプラント監視装置に対しても、図11に例示するように入力装置1を信号グループごとに独立して設けた構成とすることが可能である。この場合、データ監視保存装置4′は図6と類似の構成となるが、監視処理部4cの前に図10と同様の前処理部が付加される。
【0082】
図12は、本発明のプラント監視装置の第5の実施の形態の全体構成を示すもので、入力時間間隔の同じグループのプラント信号をそれぞれ入力し、かつともに共通信号を入力する複数台の入力装置1と、これらの入力装置1によって入力された各グループのプラントデータおよびグループ間の入力時間差を評価した共通データを保存するデータ保存装置2″と、保存されたプラントデータをグループ間の入力時間差を補正して正常/異常の判定を行う監視処理装置3′とで構成される。
【0083】
本実施の形態は、同一周期で入力すべき信号数が非常に大きい場合に対応したものであり、第4の実施の形態と同様にこれらの信号を複数のグループに分割し、グループごとに異なる入力装置1に入力する。このとき、各入力装置1に共通の信号を含めて入力する。共通信号としては、プラント信号の中で低周波から高周波までのできるだけ広い周波数成分を持った信号を選択して用いるか、あるいは同様の特性を持つ疑似信号、例えば良く知られるM系列信号のような信号、を用いる。各入力装置1は、第1の実施の形態と同様に図2に示すような構成を有する。
【0084】
各入力装置1から送出されたプラントデータは、データ保存装置2″に入力されて常時一定期間分が連続的に保存される。データ保存装置2″は、図13に示すように、第4の実施の形態における図10に示すデータ保存装置2′と比較して、制御部2″a、通信部2″b、2″c、記憶部2″dおよび前処理部2″eに、各グループに含まれる共通信号の時系列データに基づいてグループ間の入力時間差を評価し記憶部2″dに保存する時間差評価部2″fが付加された構成を有する。
【0085】
また、監視処理装置3′も、図14に示すように、第1の実施の形態における図4に示す監視処理装置3と比較して、制御部3′a、通信部3′b、監視処理部3′c、監視基準格納部3′d、監視結果格納部3′e、出力表示部3′fおよび長期記憶部3′gに、プラントデータを入力時間差によって補正する時間差評価部3′iが付加された構成を有する。
【0086】
次に、図13および図14に基づいて、本実施の形態におけるデータ保存装置2″および監視処理装置3′の動作を説明する。
【0087】
データ保存装置2″では、通信部2″bを介して各入力装置1からのプラントデータの入力が開始され、予め設定された評価期間分のデータが前処理部2″eを経由して記憶部2″dに保存されたとき、制御部2″aの指令によって時間差評価部2″fは各グループに含まれる共通信号の時系列データを入力し、グループ間の入力時間差を評価して記憶部2″dに保存する。
【0088】
2つの異なる信号グループ間の入力時間差評価は次のように行う。すなわち、2つのグループに含まれる共通信号データをそれぞれx、yとする。予め設定した評価期間をmΔtとすると、m点の時系列データx、yの相互相関関数φxy
(τ)を求め、図15に示すようにその最大値を与えるτを入力時間差δとする(τ=δ)。あるいは、データ保存装置2″の記憶部2″dに保存されるデータ数が多くてmも大きい場合には、x、yの複素コヒーレンス関数のフーリエ逆変換として定義されるレホケンス(H.Nishihara & H.Konishi: A New Correlation Method for Transit-time Estimation, Progress in Nuclear Energy, Vol.1, p.219, Pergamon Press 1977) を求め、相互相関関数の場合と同様にその最大値を与える遅れ時間を入力時間差とする。あるいはこの解析において得られる図16に例示するようなx、yの位相差θ−周波数f特性に対して、xを基準として見たyの位相遅れをθ=−360δfなる直線で近似して得られる値δを入力時間差とする。
【0089】
データ保存装置2″の記憶部2″dに保存されたデータは、予め設定された監視周期ごとに監視処理装置3′に入力され、時間差を考慮した監視処理が行われる。すなわち、通信部3′fから入力されたプラントデータは、時間差評価結果とともにまず時間差補正部3′iに与えられる。ここでは、例えば、監視処理において異なるグループに含まれるデータから算出する監視指標を用いる場合、時間の最も遅れたグループを基準に他のグループのデータを内挿することによって、グループ間の時間差を補正したデータを作成する。
【0090】
いま時間差評価部2″fで得られた2つのグループ間の入力時間差がδ(<Δt)であったとすると、入力の早いグループのデータxi (i=t/Δt)は、次式
i ′=xi +(xi+1 −xi )*(δ/Δt)
に従ってxi ′に補正される。もちろん、(δ/Δt)の大きさによって補正を行わない、あるいは単に1点分ずらす、といった処理を行うことも可能である。
【0091】
監視処理部3′cでは、補正後のデータに対して、監視基準格納部3′dに設定された監視方法、異常検出しきい値等の条件に従って正常/異常判定を行う。異常が検出された場合の動作は、時間差評価結果を含めて長期記憶部3′gに保存する他は、第1の実施の形態と同様である。
【0092】
以上のように構成することにより、同一時間間隔で入力すべき監視対象信号を、既存の入力装置で対応できない数だけ追加するような場合にも、限られた入力チャンネル数の入力装置を複数台追加するだけで容易かつ安価に対応することができる。
【0093】
なお、以上で説明した実施の形態は、図9に示すプラント監視装置において、同一入力間隔の信号が多数ある場合への対応を可能とするものである。同様に、図11に示すプラント監視装置の場合にも本実施の形態の適用は可能である。この場合のデータ監視保存装置は、図6に示す構成の監視処理部4cの前段に図13における時間差評価部2″fと図14における時間差補正部3′iが付加されたものとなる。
【0094】
図17は、本発明のプラント監視装置の第6の実施の形態を示すもので、図1に示す第1の実施の形態と比較して、図1に示す監視処理装置3にデータを送信するための通信部を付加し、この監視処理装置3からの監視処理結果を基に予め与えた診断基準に従って異常原因を判定する診断処理装置6が設けられてる。この診断処理装置6は、図18に示すように、制御部6aと、監視処理装置3から監視処理結果を受信する通信部6bと、監視処理結果から診断基準に従って異常診断を行う診断処理部6cと、診断処理部6cで用いる診断基準を格納する診断基準格納部6dと、診断処理部6cの診断結果を格納する診断結果格納部6eと、診断結果を出力表示する出力表示部6fとで構成される。
【0095】
次に、診断処理装置6の動作を図18に基づいて説明する。
診断処理の実行は出力表示部6fを介した対話入力による使用者の要求により、あるいは予め設定された時間において自動的に出される制御部6aからの指令により開始される。実行開始により、まず監視処理装置3の監視結果格納部に保存されている監視処理結果が、監視処理装置3の通信部を経由して診断処理装置6に送信され、通信部6bを経由して診断処理部6cに入力される。
【0096】
監視処理結果は、監視指標ごとにそれぞれが異常検出しきい値を越えて増加したか減少したかあるいは正常値のままであったかについての情報であり、あるいは単に正常または異常といった情報である。ここではこれらを監視指標の変化パターンと呼ぶことにすると、診断基準格納部6dには既知の異常事象に対して想定される監視指標の変化パターンが基準パターンとして与えられている。
【0097】
診断処理部6cでは、監視処理装置3から入力された現状の監視指標の変化パターンを基準パターンと比較照合し、現状に最も類似した基準パターンを示す既知事象を異常の原因事象と診断する。制御部6aは、この診断結果を出力表示部6fに出力するとともに診断結果格納部6eに保存する。
【0098】
なお、本実施の形態は第1の実施の形態に診断処理装置6を付加したものであるが、当然第2ないし第5の実施の形態にも診断処理装置6を付加することができる。
【0099】
このように、診断のための専用処理装置を設けることにより、監視機能、診断機能のいずれを修正・追加する場合にも、それぞれの既存部の大幅な改造を避けることができる。
【0100】
図19は、本発明のプラント監視装置の第7の実施の形態の全体構成を示すもので、プラント監視装置の従来型である入力手段、保存手段および監視処理手段を備えたプラント監視処理装置7に、その監視処理結果を入力し予め与えた診断基準に従って異常原因を判定する専用の診断処理装置6を付加している。
【0101】
プラント監視処理装置7には、図20に示すように、制御部7aと、図1に示す入力装置1相当の量子化部7b、ゲート部7d、7e、および一時記憶部7cよりなるプラントデータ入力機能と、図6に示すデータ監視保存装置4相当の監視処理部7f、監視基準格納部7g、監視結果格納部7h、出力表示部7i、プラントデータを常時保存する記憶部7jおよび異常検出時のプラントデータを保存する長期記憶部7kよりなる監視処理保存機能が備えられている。
【0102】
診断処理装置6は、第6の実施の形態で説明した図18と同様に構成され、出力表示部6fを介した対話入力による使用者の要求により、あるいは予め設定された時間において自動的に出される制御部6aからの指令により診断処理が開始される。すなわち、まず監視結果格納部7hに保存されている監視処理結果が、図示されていない通信部を経て診断処理装置6に入力され、以下第6の実施の形態で説明したのと同様の動作で診断処理を実行する。
【0103】
このような構成とすることにより、第3の実施の形態で示した装置と同様に観測信号の数が限られているプラントや監視対象信号の拡張の可能性がないプラントに対して、高速の監視処理とデータ保存が可能でかつ監視処理装置を改造することなく診断機能の改良等を行うことができる。
【0104】
図21は、本発明のプラント監視装置の第8の実施の形態の全体構成を示すもので、第4の実施の形態の変形例として図11に示した構成に、診断処理装置6と、プラントデータに対してそれぞれの目的により個別の監視診断処理を行う複数の専用装置(個別監視診断処理装置)8が付加されている。この図において、入力装置1は図2と同様に構成され、データ監視保存装置4′は、第4の実施の形態で説明したように図6に示す構成に前処理部を設けたものに、データを送信するための通信部を付加したものである。また、診断処理装置6は図18と同様に構成される。
【0105】
個別監視診断処理装置8は、図22に示すように、制御部8aと、データを受信する通信部8bと、個別監視診断基準に従って個別の異常を監視する個別処理部8cと、個別監視診断基準格納部8dと、監視診断結果格納部8eと、出力表示部8fと、異常を検出されたプラントデータを保存する長期記憶部4gとで構成されている。
【0106】
次に、本実施の形態における個別監視診断処理装置8の動作を図22に基いて説明する。
個別監視診断処理装置8の制御部8aは、予め設定された監視診断周期ごとにデータ監視保存装置4′の記憶部4h(図6参照)より図示しない通信部および図22に示す通信部8bを経由してプラントデータを入力し、個別処理部8cに与える。
【0107】
個別処理部8cは、監視診断基準格納部8dに与えられた処理方法、異常検出しきい値等に従ってプラントデータを処理し、正常/異常の判定を行う。異常が検出された場合にはその結果を出力表示部8fに出力し、監視診断結果格納部8eに保存するとともに、異常検出前後一定時間分の入力データを長期記憶部8gに保存する。
【0108】
診断処理装置6は、第6の実施の形態で説明したように、監視処理装置3やデータ監視保存装置4より得られる各監視指標の変化パターンを基に診断するのに対し、ここで述べた個別監視診断処理装置8は、例えば特定の異常事象のみに注目した処理を行い、当該事象が発生しているか否かを監視する、といった目的で設置するものを含んでいる。
【0109】
なお、本実施の形態で用いた個別監視診断処理装置は、第1〜第7の実施の形態にも付加することができる。
【0110】
上記したように、本実施の形態のように構成することにより、装置の既存部を改造することなく例えば従来にない診断機能を追加するといった作業を容易に行うことができ、装置に機能拡張性を持たせることが可能となる。
【0111】
図23は、本発明のプラント監視装置の第9の実施の形態の全体構成を示すもので、入力装置1とデータ監視保存装置4″とで構成される。この実施の形態の全体構成は、図5に示す第2の実施の形態と類似しているが、入力装置1に接続されるデータ監視保存装置4″が、図24に示すように、図6に示すデータ監視保存装置4と比較して、異常検出のための監視方法と異常検出しきい値を、過去に保存されたプラントデータの時系列から予め与えた条件に従って自動的に設定する機能を備えている。
【0112】
図24において、データ監視保存装置4″は、制御部4″aと、データを受信する通信部4″bと、監視基準に従ってデータの異常を検出する監視処理部4″cと、監視基準を格納する監視基準格納部4″dと、監視結果を格納する監視結果格納部4″eと、監視結果を出力表示する出力表示部4″fと、異常データおよび正常データを長期間格納する長期記憶部4″gと、通信部4″bで受信したプラントデータを保存する記憶部4″hと、記憶部4″h内のプラントデータを長期記憶部4″gに保存処理する保存処理部4″iと、長期記憶部4″g内のデータを用いて監視基準を作成し監視基準格納部4″dに設定する監視基準設定部4″jとで構成される。
【0113】
次に、図24に基づいて本実施の形態におけるデータ監視保存装置4″の動作を説明する。
通信部4″bより入力されたプラントデータは、一定期間分の時系列データを保存する記憶部4″hに逐次格納される。制御部4″aは、監視基準格納部4″dに与えられた監視周期で監視処理部4″cを起動する。監視処理部4″cは、記憶部4″hよりプラントデータを入力し、監視基準格納部4″dに設定された監視方法、異常検出しきい値に従って異常の有無を判定する。異常が検出された場合、制御部4″aはその結果を監視結果格納部4″eに保存し、出力表示部4″fに出力するとともに、異常検出前後一定期間分のデータを異常データとして長期記憶部4″gに保存する。ここまでの動作は記憶部4″hへの保存と監視処理の実行との前後関係を除いて第2の実施の形態の場合と同様である。
【0114】
本実施の形態の特徴は、監視処理の結果が正常という状態が続いた場合にも、保存処理部4″iによってプラントデータが長期記憶部4″gに保存されること、出力表示部4″fあるいは図示しない別置の出力表示/対話装置を介した利用者の要求により起動される監視基準設定部4″jを備え、長期記憶部4″gに保存されたプラントデータを基に監視方法と異常検出しきい値を自動設定するようにしたことにある。
【0115】
図25は、監視基準設定部4″jの処理の流れを示したもので、6つのステップ101〜106で処理が行われる。すなわち、ステップ101では、長期記憶部4″gに保存されたプラントデータの中から、設定条件Oの1つとして利用者の指定した期間のデータを入力する。今、入力された中の1信号の時系列データが図26(a)のようであったとする。
【0116】
ステップ102では、入力データについて、機器のテスト運転等の既知の運転操作の影響が現れている期間を、予め与えられた判定条件Pに従って判定し、異常検出しきい値の設定用データからその期間内のデータを除外する。ここで、運転操作の判定条件は、例えば判定用信号の一定時間内の変化量や変化率がある範囲を越えたか否か、あるいは特定の機器の運転状態を示す信号の値から操作の有無を直接判断する、といった論理データとして与えておく。今、図26(a)のデータの急激な変化を示している期間が運転操作によるものと判定された場合、同図(b)に示すように操作期間内のデータが除外される。
【0117】
またステップ102では、使用データの設定条件Oの1つとして指定された、異常の影響を受けていることが明らかなデータ、および/あるいは単に除外指定されたデータを、異常検出しきい値の設定用データから除外する処理を行う。図26(a)で点線で示した円内のデータが、異常の影響によって変化したデータ、あるいは除外指定されたデータであった場合、同図(b)に示すようにこの点が除外される。
【0118】
ステップ103では、予め与えた定常性判定条件Qに従い、運転操作が行われていない期間の、かつ除外指定データを含まないデータに対して定常性の判定を行う。この判定処理は、例えば、データの最大値と最小値の差(以下、最大振れ幅という。)および算術平均値を求め、前記最大振れ幅が前記算術平均値の定数倍(例えば 3%)よりも小さければ定常、大きければ非定常、といった判定条件に基づいて行う。さらにこのステップでは、プラントデータごとに定常/非定常に応じて監視方法の選定を行う。すなわち、定常性を示すデータに対してはその算術平均値の上下に固定したしきい値を設けて監視する方法を適用し、非定常なデータに対してはその移動平均値の上下に固定幅のしきい値を設けて監視する方法を適用する、といった選定を行う。
【0119】
ステップ104では、選定された監視方法をステップ102で得られたデータに適用し、算術平均値あるいは移動平均値からの偏差を監視指標として、監視指標の変動量を評価する。図26(c)は、図26(b)のデータを非定常と判定し、滑らかな細線で示す移動平均値を求めて表示したものである。同図(e)には移動平均値からの偏差を監視指標として示している。
【0120】
ステップ105では、監視指標の変動量を基に、予め与えたしきい値設定条件Rに従い異常検出しきい値を設定する。しきい値設定条件Rとしては、例えば最大偏差の定数倍、あるいは標準偏差の定数倍、といった条件が与えられる。図26(d)に示した振幅Α、Bは最大偏差の定数倍として定めた場合のしきい値を示したものである。
【0121】
以上のようにして設定した監視方法と異常検出しきい値をステップ106で監視基準格納部4″dに保存する。図26(e)は、同図(a)のデータに対して監視を行った場合に適用される上・下限しきい値をデータとともに表示したものである。
【0122】
なお、ステップ103の処理における定常性判定条件Qは、前記の最大振れ幅が算術平均値の定数倍(例えば 3%)より小さければ定常、大きければ非定常という基準に替えて、あるいは併用して、次のような基準を用いることができる。すなわち、最大振れ幅が算術平均値の定数倍よりも小さく、かつ算術平均値廻りの標準偏差が算術平均値の別途設定された定数倍よりも小さければ定常、いずれか一方が大きければ非定常とする。これにより、図27の(a)に示すような時系列データを非定常と判定することができる。あるいは、最大振れ幅が算術平均値のある定数倍(例えば 3%)より大きくても、さらに別の定数倍(例えば1000%)より大きければ定常とする。これにより、図27の(b)に示すような算術平均値がゼロに近い時系列データを定常と判定することができる。あるいは、最大振れ幅が算術平均値廻りの標準偏差の定数倍よりも小さければ定常、大きければ非定常とする。これにより、図27の(c)に示すような正常時の振れ幅が大きなデータは非定常と判定され、移動平均値からの偏差を監視指標とすることによって、正常時の振れ幅を異常とすることなく異常値を高感度に検出することが可能となる。
【0123】
本実施の形態のように監視基準の自動設定機能を備えることにより、異常検出しきい値の設定に要していた時間を大幅に短縮することができるとともに、設定者に依存しない一定の基準に従ったしきい値の設定が可能となる。また、運転操作の行われたことを識別してしきい値設定および監視実行対象から除外することにより、高感度の異常検出が可能となる。さらに、プラント信号が正常時において定常性を示すか否かを判定することにより、処理速度と検出感度の観点から好適な監視方法を設定することができる。
【0124】
なお、上記監視基準の自動設定機能は、第2の実施の形態に限らず、第1の実施の形態から第8の実施の形態のプラント監視装置に持たせることができる。また、従来のプラント監視装置に対して上記監視基準の自動設定機能を持たせたものも、本発明の範囲に含まれる。
【0125】
本発明のプラント監視装置の第10の実施の形態は、プラント監視装置の出力表示部あるいは別置の出力表示/対話装置において、プラント信号Χの入力値を横軸、プラント信号Yの入力値を縦軸とするX−Y相関図を表示するにあたり、Yの入力値と与えられた既知の基準モデル(予測モデル)により算出したYの予測値との差(予測残差)の時間トレンドを同時に表示する機能を備えたものである。
【0126】
例えば、図4に示す第9の実施の形態のデータ監視保存装置4″の出力表示部4″fにおいて、本機能を実施する部分の構成を図28に示す。同図において、出力表示部4″fは、長期記憶部4″gから2つの信号X、Yの所定期間のデータを取り出すデータ取り出し部11と、2信号のデータからグラフデータを作成する相関図作成部12と、信号Yの入力値と、予測モデルY=f(X)により信号Xから求まる信号Yの期待値f(X)との差を求める残差列計算部13と、相関図作成部12と残差列計算部13で作成された各々のデータを同一画面上に表示するデータ表示部14とを有する。
【0127】
次に、出力表示部4″fの図28に示す機能の動作を説明して上記本実施の形態の作用を説明する。
データ取り出し部11は、相関表示する横軸の信号Xと縦軸の信号Yの2つの信号の時系列データを、指定された期間について長期記憶部4″gから取り出す。相関図作成部12は、データ取り出し部11により取り出された2信号X、Yのデータを用いて相関図データを作成する。また、残差列計算部13ではデータ取り出し部11により取り出された2信号X、Yのデータを用いて、信号Yの観測値と、予め設定されている基準相関式である予測モデルY=f(X)により信号Xから求まる信号Yの期待値f(X)との差を求め残差列データを作成する。
【0128】
データ表示部14は、相関図作成部12と残差列計算部13で作成された各々のデータを図29に示すように同一画面上に表示する。このとき、相関図には時間に関する情報が明示されないため、相関図と時間トレンドの対応する表示色をともに連続的に変化させることで時間の経過を示す。
【0129】
また、データ表示部14は、利用者によって指定された時刻のデータを、色またはマークにより他のデータと区別して表示する。図30は、利用者により指定されたデータをマークを変えることで区別して表示した画面例であり、同図に三角形で示した時刻操作スイッチSを操作することでデータの指定時刻を変えることができる。利用者からの指定が、図30に示した開始時刻と終了時刻で与えられる任意の時間幅であった場合には、データ表示部14はデータの色またはマークによる区別表示を一定時間間隔で、指定された時間幅について繰り返し行うことにより、時間の経過に伴うデータの変化を動的に表示する。
【0130】
本実施の形態によれば、相関図と残差列時間トレンド図を同時に表示し、且つ色またはマークによる識別により、相関関係の時間変化を容易に把握することが可能となる。
【0131】
【発明の効果】
上記したように、本発明によれば、プラント監視に必要な諸機能の処理を機能単位に分割してそれぞれ異なるハードウェアで実行するモジュール型装置として構成したことにより、ハードウェアとしてはパソコンクラスの汎用計算機の使用が可能となり、機能単位での拡張・追加を容易かつ安価に行うことができる。特に、複数台の入力装置から並列に入力されたデータ間の時間補正機能を備えたことにより監視対象信号を追加する場合にも、既存入力装置の大幅な改造等を避けることができる。
【0132】
また、プラントデータの監視基準を、過去に保存されたプラントデータから自動的に設定する機能を備えたことにより、異常検出しきい値の設定に要していた時間を大幅に短縮できるとともに、設定者に依存しない監視基準の設定が可能となる。
【0133】
さらに、プラントデータの相関特性の表示に、基準相関特性からの偏差のトレンド図を同時に表示することにより、従来判り難かった相関特性の時間変化が把握し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態のプラント監視装置を示すブロック図である。
【図2】図1における入力装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1におけるデータ保存装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1における監視処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のプラント監視装置を示すブロック図である。
【図6】図5におけるデータ監視保存装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態のプラント監視装置を示すブロック図である。
【図8】図7におけるデータ入力保存装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態のプラント監視装置を示すブロック図である。
【図10】図9におけるデータ保存装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】図9に示すプラント監視装置の変形例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態のプラント監視装置を示すブロックズである。
【図13】図12におけるデータ保存装置の構成例を示すブロック図である。
【図14】第12における監視処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図15】相互相関関数により入力信号間の時間差を評価する例を示す図である。
【図16】位相差−周波数特性により入力信号間の時間差を評価する例を示す図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態のプラント監視装置を示すブロック図である。
【図18】図17における診断処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図19】本発明の第7の実施の形態のプラント監視装置を示すブロック図である。
【図20】図19におけるプラント監視処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図21】本発明の第8の実施の形態のプラント監視装置を示すブロック図である。
【図22】図21における個別監視診断処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図23】本発明の第9の実施の形態のプラント監視装置を示すブロック図である。
【図24】図23におけるデータ監視保存装置の構成例を示すブロック図である。
【図25】図24における監視基準設定部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】監視基準設定方法を説明する図である。
【図27】監視基準設定方法における定常性判定方法を説明する図である。
【図28】本発明にかかる出力表示部の相関図表示に関する構成を示すブロック図である。
【図29】相関図の表示画面例を示す図である。
【図30】相関図の表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
1………入力装置
2、2′、2″………データ保存装置
3、3′………監視処理装置
4、4′、4″………データ監視保存装置
5………データ入力保存装置
6………診断処理装置
7………プラント監視処理装置
8………個別監視診断処理装置
11………データ取り出し部
12………相関図作成部
13………残差列計算部
14………データ表示部

Claims (2)

  1. プラントからの各種プラントデータを入力する入力装置と、前記入力装置から送信されるプラントデータを保存するデータ保存装置と、前記データ保存装置に保存されたプラントデータを読み込み監視基準に従って正常/異常の判定を行う監視処理装置とを備え、前記入力装置と前記データ保存装置および前記データ保存装置と前記監視処理装置はそれぞれ通信手段を介して取り外し可能に接続されるとともに、前記入力装置は同じ入力周期のプラントデータを入力するものであって、入力周期によって分けられたプラントデータのグループごとに複数設置され、前記複数の入力装置は、ともに、同一の信号を少なくとも1つ入力し、前記入力装置に接続される前記データ保存装置と前記監視処理装置は、前記同一信号のデータを用いて複数の前記グループ間の入力時間差を評価し、入力時間差によるデータ値のずれを補正して監視処理することを特徴とするプラント監視装置。
  2. 前記入力時間差は、相互相関関数あるいは複素コヒーレンス関数のフーリエ逆変換として定義される量であるレホケンスが最大となる時間、あるいは位相差と周波数の関数の傾きにより評価することを特徴とする請求項記載のプラント監視装置。
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