JP3980605B2 - 圧縮機駆動モータ - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機と圧縮機駆動用モータとが一体となった圧縮機において、耐冷媒及び冷凍機油性に優れ、かつ巻線性に優れた駆動モータ用自己融着性絶縁電線をコイルに用いた圧縮機駆動モータ(以下、「ハーメチックモータ」と記載する。)に関する。
空調機器や冷蔵庫などの冷凍機器に使用されるハーメチックモータは、冷媒及び冷凍機油環境下で運転されるものであり、特にモータ出力が大きい場合は、コイル振動を抑制するために巻線後ワニス処理を行うのが一般的である。しかしながら、ワニスには揮発性溶剤を使用しており、ワニス処理工程の環境悪化やワニス工程に負荷がかかり生産性の悪化を招くなどの課題がある。
前記課題を解決する一つの方法として、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなど少なくとも1種以上の樹脂を塗布、焼付けしてなる絶縁皮膜の最外層に融着性を有した樹脂を塗布、焼付けしてなる融着皮膜を設けた自己融着性絶縁電線が用いられている。
融着皮膜には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリヒドロキシエーテル樹脂などの塗料を塗布、焼付けし、熱可塑性型融着皮膜を形成させる手法と、熱可塑性樹脂にフェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネートなどの架橋剤を添加した塗料を半硬化の状態でエナメル焼付けし、熱硬化型融着皮膜を形成させる手法がある。
前者の自己融着性絶縁電線は、融着皮膜が熱可塑性であるため、樹脂の融点を超える温度で再度融解させて融着させる必要がある。逆に、モータ運転中の温度では融解してはならない。従って、高温雰囲気下で使用されるハーメチックモータは、高融点の樹脂を使用せざるを得ない。
これらの状況から、熱可塑性型融着皮膜を有する自己融着性絶縁電線の融着温度は、一般に200℃以上が必要となる。200℃以上の加熱を行った場合、モータの鉄心絶縁樹脂やリード線被覆樹脂などのポリエステル系材料(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)を劣化または融解させ、モータの絶縁性能を低下させる問題がある。
このため、ハーメチックモータには、後者の熱硬化型融着皮膜を有する自己融着性絶縁電線が選択される。従来、熱硬化型融着皮膜を有する自己融着性絶縁電線は、皮膜の可撓性に優れた分子量20,000以上の熱可塑性樹脂(樹脂基材)にアミノ樹脂の架橋剤を添加した塗料を半硬化状態でエナメル焼付けし、熱硬化型融着皮膜を形成可能な材料が使用されていた。
また、架橋剤を過剰量加えることにより樹脂基材と架橋剤の重合だけでなく、架橋剤間の重合反応も進め、より密な分子構造を実現していた。これにより融着皮膜の耐熱性が向上し、ハーメチックモータ用途として使用可能な特性を得ることができる。
本発明に関する従来技術としては、例えば特許文献1,2が挙げられる。
特公平3−26881号公報 特公平3−36247号公報
しかしながら、前述した従来の自己融着性絶縁電線を使用した場合、余分に含有されている架橋剤および架橋剤の未反応基が、ハーメチックモータに使用される冷凍機油のリン系極圧添加剤と反応し、スラッジを形成したり、極圧添加剤を減少させてしまう欠点があった。
一方、モータの効率を向上するには、モータ鉄心のスロット内により多くの絶縁電線を巻線する(高占積率化する)必要がある。しかしながら、前述した従来の自己融着性絶縁電線の融着皮膜は、半硬化の状態で焼付けられており、融着皮膜の硬度が低く、融着皮膜表面の滑り性が悪いことから、巻線時に融着皮膜が削れ易い欠点や高占積率仕様のモータでは巻線できない欠点があった。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、冷媒及び冷凍機油環境下でも信頼性が高く、高占積率仕様のモータでも優れた巻線性を有する自己融着性絶縁電線を使用することにより、極圧添加剤が減少したりスラッジが形成されることなく信頼性の高いハーメチックモータの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の第1の発明(以下、「第1発明」と記載する。)は、少なくとも分子量20,000以上のポリヒドロキシエーテル樹脂及びポリサルホン系樹脂からなる樹脂基材、並びに1分子中に2個の官能基を有する架橋剤からなり、ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂との質量比が、不揮発分で20/80〜90/10の範囲であり、ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂の不揮発分換算合計量100質量部に対する、1分子中に2個の官能基を有する架橋剤量が不揮発分換算で10〜40質量部である樹脂を有効成分として含有する熱硬化型絶縁材が、導体上に絶縁皮膜を介して塗布焼付けされてなる融着皮膜を有し、耐冷媒及び冷凍機油性を有する自己融着性絶縁電線をコイルに用いたことを特徴とする圧縮機駆動モータを提供する。
前記目的を達成するため、本発明の第2の発明(以下、「第2発明」と記載する。)は、前述した第1発明のハーメチックモータにおいて、融着皮膜の少なくとも最外層に、巻線の滑り性を向上させる滑剤を配合したハーメチックモータを提供する。
また、本発明のハーメチックモータにおいて、ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂と1分子中に2個の官能基を有する架橋剤量との不揮発分換算合計量100質量部に対する、滑剤量が不揮発分換算で1〜5質量部である絶縁材からなる融着皮膜を有する自己融着性絶縁電線を使用したことが好ましい。
本発明によれば、冷媒及び冷凍機油環境下でも信頼性が高く、高占積率仕様のモータでも優れた巻線性を有する自己融着性絶縁電線を使用することにより、極圧添加剤が減少したりスラッジが形成されることなく信頼性の高いハーメチックモータを提供することができる。
次に本発明について詳細に記載する。
第1発明で用いる自己融着性絶縁電線の融着樹脂基材の一つである、分子量20,000以上のポリヒドロキシエーテル樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂を使用することが可能である。より具体的には、市販のエピコート1256、4250、4275、1255HX30(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、PKHC、PKHH、PKHJ(いずれもUCC社製)、YP−50,YP−40ASM40、YP−50EK35、YP−50CS25(いずれも東都化成社製)、デンカブチラール#2000−L、#3000−1、#3000−2、#3000−K、#4000−1、#4000−2、#5000−A、#6000−C(いずれも電気化学工業社製)、ビニレックK、L、H、E(いずれもチッソ社製)等を例示することができる。
本発明で用いる自己融着性絶縁電線の他の融着樹脂基材であるポリサルホン系樹脂としては、ポリサルホン樹脂又はポリサルホン樹脂の部分構造を有する樹脂が挙げられる。より具体的には、市販のユーデルP−1700、レーデルA−200A、A−300A(いずれも米国のソルベイ社製)、YPS−007−A30、YPS−030−A30(いずれも東都化成社製)等を例示することができる。
また、ビスフェノールAとビスフェノールSとエピクロルヒドリンとの重合反応により生成された樹脂を使用することも可能である。
ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂との質量比は、不揮発分換算で20/80〜90/10の範囲であることが好ましく、30/70〜80/20の範囲であることが特に好ましい。該質量比が20/80未満であると、融着皮膜は十分な融着性が得られなくなり、90/10を超えると、高温雰囲気下及び冷媒・冷凍機油中での融着性が低下する。
また1分子中に2個の官能基を有する架橋剤としては、2価の安定化イソシアネート、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、2価の有機酸、2価の有機酸の誘導体が挙げられる。具体的には、2価の安定化イソシアネートとして、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4”−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等をフェノール性水酸基、アルコール性水酸基等を有する化合物でマスクしたものである。
より具体的には、市販のミリオネートMS−50、コロネート2501、2507、2513、2515(いずれも日本ポリウレタン工業社製)、デュラネート17B60−PX、TPA−B80X、MF−B60X、MF−K60X、E402−B−80T(いずれも旭化成社製)等を例示することができる。
また、尿素樹脂としては、市販のUFR65、UFR300(いずれも日本サイテック社製)、ベンゾグアナミン樹脂としては、市販のサイメル1123、マイコート102、105、106、1128(いずれも日本サイテック社製)を例示することができる。
また、2価の有機酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。2価の有機酸の誘導体としては、例えばこれらの酸塩化物が挙げられる。
ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂の不揮発分換算合計量100質量部に対する、1分子中に2個の官能基を有する架橋剤量は、10〜40質量部の範囲であることが好ましく、15〜30質量部の範囲が特に好ましい。架橋剤量が10質量部未満の場合、高温雰囲気下および冷媒・冷凍機油中における融着力が低下しやすくなり、冷媒抽出率も増大する。架橋剤量が40質量部を超える場合、融着が困難になる。
以上説明した通り、例示した化学物質をそれぞれ任意に選択し、所要量を配合し、シクロヘキサノン等の有機溶媒に溶解することにより、本発明に使用した自己融着性絶縁電線の融着皮膜の材料となる樹脂塗料が得られる。次いで、前記の樹脂塗料を定法により導体に他の絶縁皮膜を介して半硬化状態にエナメル焼付けし、本発明に使用した自己融着性絶縁電線が得られる。
図1は、本発明で使用した自己融着性絶縁電線の構成を例示する断面図である。この自己融着性絶縁電線は、導電率が良好な電気銅からなる導体1と、該導体1上に設けられた絶縁皮膜2と、該絶縁皮膜2上に設けられた融着皮膜3からなっている。
次いで、この自己融着性絶縁電線を巻線してコイルを作製後、加熱処理を施すことで余分な残基の少ない3次元構造が形成されたコイルとなり、ハーメチックモータに要求される耐冷媒及び冷凍機油性が得られる。
第2発明は、第1発明で使用した自己融着性絶縁電線の融着樹脂塗料に滑剤を配合し、導体に他の絶縁皮膜を介して塗布して焼付けた自己融着性絶縁電線を使用した他は、前記第1発明と同一である。
但し、前記ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂との質量比は、不揮発分換算で20/80〜90/10の範囲であることが好ましく、30/70〜80/20の範囲であることが特に好ましいことは第1発明で使用した自己融着性絶縁電線の融着樹脂と同一であるが、該質量比が90/10を超えると、自己融着層の皮膜強度が低下するため、十分なすべり性が得られない。
ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂と1分子中に2個の官能基を有する架橋剤の不揮発分換算合計量100質量部に対する、滑剤量は、1〜5質量部の範囲であることが好ましい。滑剤量が1質量部未満であると、高占積率仕様モータ巻線が可能なすべり性が得られず、5質量部を超えると融着率が低下してくる。
この滑剤としては、ポリエチレン系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ワックス、ステアリン酸アミド等のアミド系ワックス、ミツロウ、カルナバワックス、モンタンワックス等およびこれらワックスの分子末端を変性させたものを単独もしくは複数選択して配合することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例中の例1〜例24において、ポリヒドロキシエーテル樹脂はPKHH(商品名;UCC社製)、ポリサルホン系樹脂はYPS−007(商品名;東都化成社製)、2価のイソシアネートはミリオネートMS−50(商品名;日本ポリウレタン工業社製)、アミノ樹脂はサイメル370(商品名;日本サイテック社製)、滑剤はポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業社製)である。
[例1]
分子量20,000以上のポリヒドロキシエーテル樹脂としてPKHH 50質量部、ポリサルホン系樹脂としてYPS−007 50質量部(不揮発分換算)を80℃に加熱したシクロヘキサノン300質量部に添加して溶解した。得られた溶液を室温に冷却し、1分子中に官能基を2個有するイソシアネートとしてミリオネートMS−50を20質量部添加して溶解し、更にシクロヘキサノンを添加して不揮発分を30質量%に調整し、自己融着性絶縁塗料を用意した。
次に、直径0.9mmの銅線にポリエステルイミド塗料(東特塗料社製、商品名;ネオヒート8600)を25μmの絶縁皮膜厚となるように塗布、焼付けして、更にその上層にポリアミドイミド塗料(日立化成工業社製、商品名HI−400)を5μmの絶縁皮膜厚となるように塗布、焼付けした。そして更にその上層に、前記自己融着性絶縁塗料を13μmの絶縁皮膜厚となるように塗布、焼付けし、自己融着性絶縁電線を製造した。この後、この電線を巻線して最高占積率64%と68%の2タイプのハーメチックモータ(単相、定格電圧220V、出力1.7kW)を作製した。なお、コイルの融着条件は160℃、2時間としている。
[例2]
PKHH 100質量部を80℃に加熱したシクロヘキサノン300質量部に添加して溶解した。得られた溶液を室温に冷却し、アミノ樹脂としてサイメル370を不揮発分換算で40質量部添加して溶解し、更にシクロヘキサノンを添加して不揮発分30質量%に調整し、自己融着性絶縁塗料を用意した。次いで、例1と同様にして自己融着性絶縁電線を製造した後、この電線を巻線し、例1と同様にしてハーメチックモータを作製した。
[例3]
PKHH 50質量部、YPS−007 50質量部(不揮発分換算)を80℃に加熱したシクロヘキサノン300質量部に添加して溶解した。得られた溶液を室温に冷却し、アミノ樹脂としてサイメル370を不揮発分換算で40質量部添加して溶解し、更にシクロヘキサノンを添加して不揮発分30質量%に調整し、自己融着性絶縁塗料を用意した。次いで、例1と同様にして自己融着性絶縁電線を製造した後、この電線を巻線し、例1と同様にしてハーメチックモータを作製した。
[例4]
PKHH 100質量部を80℃に加熱したシクロヘキサノン300質量部に添加して溶解した。得られた溶液を室温に冷却し、ミリオネートMS−50を20質量部添加して溶解し、更にシクロヘキサノンを添加して不揮発分30質量%に調整し、自己融着性絶縁塗料を用意した。次いで、例1と同様にして自己融着性絶縁電線を製造した後、この電線を巻線し、例1と同様にしてハーメチックモータを作製した。
[例5〜例9]
表2に示す配合割合で、例1の場合と同様にして、不揮発分30質量%に調整した後、得られた混合物120質量部(不揮発分換算)に、滑剤としてポリテトラフルオロエチレンを表2に示す配合割合で添加し、均一に分散し、自己融着性絶縁塗料を用意した。次いで、例1と同様にして自己融着性絶縁電線を製造した後、この電線を巻線し、例1と同様にしてハーメチックモータを作製した。
[例10]
例2の場合と同様にして、不揮発分30質量%に調整した後、得られた混合物120質量部(不揮発分換算)に、滑剤としてポリテトラフルオロエチレンを6質量部添加し、均一に分散し、自己融着性絶縁塗料を用意した。次いで、例1と同様にして自己融着性絶縁電線を製造した後、この電線を巻線し、例1と同様にしてハーメチックモータを作製した。
[例11〜例19]
表3に示す配合割合で、例1の場合と同様にして、自己融着性絶縁電線を製造した後、この電線を巻線し、例1と同様にしてハーメチックモータを作製した。
[例20〜例24]
表4に示す配合割合で、例1の場合と同様にして、自己融着性絶縁電線を製造した後、この電線を巻線し、例1と同様にしてハーメチックモータを作製した。
[評価例]
前記例1〜例24での巻線性、及び作製されたハーメチックモータでの耐久テストを実施した後の電線を含めた各素材の状況を調査し、評価した。
1)巻線性(インサート性)
最高占積率64%(通常品)と68%(高占積率品)でのインサート方式巻線が可能かどうかを調査した。
2)コイル固着力
最高占積率64%(通常品)タイプのハーメチックモータのスロット部の直線状況の電線束(直径0.9mm×62本)を取り出して折り曲げ力を調査した。
3)耐久テスト後の耐冷媒/冷凍機油性、及びコイルの固着状況調査
220V,1000時間の負荷耐久テスト後にハーメチックモータを分解し、耐冷媒/冷凍機油性とコイルの固着状況を調査した。耐冷媒/冷凍機油性は3−a)と3−b)の2種類の系での耐久テストを実施した。
3−a)R410A/エーテル油系
リン酸トリクレジルが2%添加されたエーテル油(ポリビニルエーテル油 出光興産社製)と冷媒(R410A ダイキン工業社製)を使用し、耐久テスト後のエーテル油に添加されているリン酸トリクレジルの減少率を分析した。
3−b)R22/精製鉱油系
リン酸トリフェニルが2%添加された精製鉱油(ナフテン系鉱油 新日本石油社製)と冷媒(R22 旭硝子社製)を使用し、耐久テスト後の精製鉱油に添加されているリン酸トリフェニルの減少率を分析した。
3−c)コイルの固着状況
[評価基準]
1)コイル固着力・・・スロット部の直線状況の電線束の折り曲げ力で評価した。なお、折り曲げ力は3点曲げ試験で支点間距離50mm、折り曲げ速度100mm/分の条件で測定した。
○:400N以上、△:200N以上400N未満、×:200N未満。
2)耐冷媒/冷凍機油性
コイル固着力・・・スロット部の直線状況の電線束の折り曲げ力で評価した。
○:320N以上、△:200N以上320N未満、×:200N未満。
添加剤減少率・・・ガスクロマトグラフィーにより耐久テスト前後の添加剤量を定量分析し、耐久テスト前の添加剤量に対するテスト後の添加剤量の減少率(%)を算出した。
○:20%以下、×:20%を超える。
3)巻線性(インサート性)
○:インサート方式巻線可能、×:インサート方式巻線不可能。
それぞれの結果を以下の表1〜表4に示す。
なお、表1〜表4中、「EI」はポリエステルイミドを表し、「AI」はポリアミドイミドを表し、「ポリヒドロキシエーテル樹脂 *1」は前記PKHHを表し、「ポリサルホン系樹脂 *2」は前記YPS−007を表し、「2価イソシアネート *3」は前記ミリオネートMS−50を表し、「アミノ樹脂 *4」は前記サイメル370を表し、「ポリテトラフルオロエチレン *5」は滑剤として添加したポリテトラフルオロエチレンを表している。
Figure 0003980605
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表1に示す通り、本発明のハーメチックモータ(例1)は、耐冷媒/冷凍機油性に優れ、コイル固着力も問題のないものであった。一方、例2,3のハーメチックモータは添加剤減少率が高く、例3,4のハーメチックモータでは耐冷媒/冷凍機油試験後のコイル固着力が極端に低いかまたは低下するものが認められた。
また、表2の例5〜例9の結果から、滑剤が適正量であれば、優れた巻線性が得られることが認められた。また、例10と比較しても巻線性に優れていることが明白である。
表3の例11〜例19及び表4の例20〜例24の結果からは、配合割合が適正であれば優れた耐冷媒/冷凍機油性を有することが確認された。
これらの試験結果から、本発明のハーメチックモータは、従来の自己融着性絶縁電線を使用したハーメチックモータと比較して、耐冷媒/耐冷凍機油性、巻線性に優れた性能を有していることが明らかになった。
本発明のハーメチックモータは、空調機器や冷蔵庫などの冷凍機器に使用されるハーメチックモータ用として有用である。
本発明のハーメチックモータに用いる自己融着性絶縁電線の構造を例示する断面図である。
符号の説明
1…導体、2…絶縁皮膜、3…融着皮膜。

Claims (3)

  1. 少なくとも分子量20,000以上のポリヒドロキシエーテル樹脂及びポリサルホン系樹脂からなる樹脂基材、並びに1分子中に2個の官能基を有する架橋剤からなり、ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂との質量比が、不揮発分で20/80〜90/10の範囲であり、ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂の不揮発分換算合計量100質量部に対する、1分子中に2個の官能基を有する架橋剤量が不揮発分換算で10〜40質量部である樹脂を有効成分として含有する熱硬化型絶縁材が、導体上に絶縁皮膜を介して塗布焼付けされてなる融着皮膜を有し、耐冷媒及び冷凍機油性を有する自己融着性絶縁電線をコイルに用いたことを特徴とする圧縮機駆動モータ。
  2. 融着皮膜の少なくとも最外層に、巻線の滑り性を向上させる滑剤を配合したことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機駆動モータ。
  3. ポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂と1分子中に2個の官能基を有する架橋剤量との不揮発分換算合計量100質量部に対する、滑剤量が不揮発分換算で1〜5質量部である絶縁材からなる融着皮膜を有する自己融着性絶縁電線を使用したことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮機駆動モータ。
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