JP3971908B2 - セラミックス構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、セラミックスからなる雌ねじ体に係り、耐熱特性、耐腐食特性、電気的絶縁特性が要求される例えば土木、電気関係に好適な、強度を向上した雌ねじ部を備えるセラミックス構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、部材の耐熱特性、耐腐食特性、電気的腐食性の誘発などを改善するために、金属に代えてセラミックス化するなどの傾向がある。特に、土木関係では、コンクリート構造物の耐久性を向上するために、金属からセラミックスに移行する傾向にある。例えば、コンクリート型枠保持装置の端止体(継ぎ手)としては、各種のものが知られている。例えば、特開平8−135187においては、金属製雌ねじ部をセラミックスで覆ったものが示され、特開平9−324537においては、金属製雌ねじ部を分割セラミックス筒体で保持したものが示されている。又、特開2000−345716や特開2000−345704においては、金属製雌ねじ部をモルタルで覆ったものが示され、特開平11−2025においては、金属製雌ねじ部を合成樹脂で覆ったものが示されている。
【0003】
又、特開平6−279131、同10−272614などにおいては、セラミックス部材同士を焼成収縮率の差を利用して嵌着結合することにより、気密性、接合強度に優れたものを得る技術が示されている。
【0004】
しかし、本発明のように、圧縮力を付与することにより強度を高めるセラミックス構造体の思想は開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の端止体においては、金属製雌ねじ部を合成樹脂で覆ったものは、合成樹脂部が経年により劣化して金属製雌ねじ部が腐食し、金属製セパレータへ腐食が波及することとなった。又、金属製雌ねじ部を無機質(モルタル、セラミックス)で覆ったものは、覆った部分の劣化はないものの、内部の金属製雌ねじ部が腐食し、金属製セパレータへ腐食が波及することとなった。従って、端止体で腐食が始まると、コンクリート構造体の表面部にクラックが発生するなどの劣化が始まり、コンクリート構造体の耐久性を損なうこととなった。
【0006】
一方、発明者らは、図11(a)に示すように、隔壁1aを介して雌ねじ部1b,1cを備えた雌ねじ体1をアルミナセラミックス(アルミナ96重量%)の焼結体で形成し、図11(b)に示すように各雌ねじ部1b,1cにそれぞれボルト2,3を螺合し、一方のボルト3を固定して他方のボルト2を矢印のように引っ張って引っ張り試験を行った所、ボルト2の先端部を起点にして雌ねじ体1の外周面方向に発生した破断面1dにより破断した。せん断強度は2.60〜2.90KNであった。なお、試験に使用した雌ねじ体1の焼結後の寸法関係は図12に示す通りである。すなわち、最大径27mm、両端部の径19mm、全長35mm、雌ねじ部1b,1cは共にねじ径がW3/8でねじ山の数は7〜8山であり、雌ねじ部1bの長さは端部側に形成された径大部1eを含めて18.5mm、雌ねじ部1cの長さは13.5mm、隔壁1aの厚さは3.0mmである。
【0007】
この結果からも明らかなように、腐食を発生せず、コンクリート構造体の耐久性を損なうことがないセラミックスは圧縮力に強いが、靱性に欠け、引っ張り力に弱いことから、コンクリート内に埋設する以前の状態において引っ張り力が作用する構造体への使用普及には限界があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、雌ねじ部を有し、耐腐食性、耐電気腐食性に優れ、圧縮力、引っ張り力にも強いセラミックス構造体を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、雌ねじ体に直接雌ねじ部を設けて構成した場合には、上記のような破断現象が生じるが、雌ねじ部材を鞘管で強く圧縮して雌ねじ体を構成することにより、両者間に存在する圧縮作用による雌ねじ部材の強度向上と密着面の存在により引っ張り強度の向上に著しく寄与して雌ねじ体の耐力を向上できることを見出した。
【0010】
この発明の請求項1に係るセラミックス構造体は、内部に雌ねじ部を備えた筒状のセラミックスからなる雌ねじ部材と、少なくとも一層のセラミックスからなる鞘管とから構成され、焼成することにより鞘管が雌ねじ部材を圧縮して両者を密着固定したものである。
【0011】
鞘管を一層以上とし、多層にすることにより、せん断強度を増す。又、雌ねじ部材と鞘管を同種のセラミックス(例えばアルミナセラミックス)で形成する場合、鞘管の圧縮力を大きくする手段として、鞘管の成形時の圧力を雌ねじ部材より低くすることにより、鞘管の収縮率を大きくできる。又は、鞘管の原料粉末の粒径を大きくすることによっても、焼成時の収縮率を大きくでき、これらの組み合わせでもよい。又、異種のセラミックスで雌ねじ部材及び鞘管を形成する場合には、焼結完了の温度、収縮率などを考慮して組み合わせることが重要である。
【0012】
請求項2に係るセラミックス構造体は、最外位置の鞘管の外形を円柱状、樽形状、多角形、外周面凹凸状のいずれかにしたものである。
【0013】
請求項3に係るセラミックス構造体は、セラミックスを、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素のいずれかを主成分としたものである。
【0014】
雌ねじ部材と鞘管を同種のセラミックスで組み合わせる、又は異種のセラミックスで組み合わせることは、必要に応じて行う。
【0015】
請求項4に係るセラミックス構造体は、鞘管が隔壁を介して一対の穴を備え、この穴内に各々雌ねじ部材を備えて構成したものである。
【0016】
隔壁の外周は、平面より曲面状が望ましい。又、雌ねじ部材は、貫通した雌ねじ部を有する。
【0017】
請求項5に係るセラミックス構造体は、鞘管が貫通した孔を備え、この孔内に雌ねじ部材を備えて構成したものである。
【0018】
雌ねじ部材は、一端が閉鎖されているもの、中間部に隔壁を有するもの、中間部の隔壁が別形成のもののいずれかである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施形態1
以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。図1は発明の実施形態1によるセラミックス構造体の製造方法の説明図を示し、アルミナセラミックスの原料粉末を加圧成形して、内部に雌ねじ部4aを有する筒状の雌ねじ部材(未焼結体)4を形成するとともに、同じくアルミナセラミックスの原料粉末を加圧成形して、隔壁5aを介して一対の穴5b,5cを備えた外形が樽形状の鞘管(未焼結体)5を形成する。
【0020】
次に、鞘管5の穴5b,5c内に雌ねじ部材4を装着し、両者を焼成する。この際、雌ねじ部材4と鞘管5とでアルミナ量を変更することにより、焼結の完了に時間差が生じる(焼成温度に差が出る。)。例えば、雌ねじ部材4のアルミナ量を94重量%、鞘管5のアルミナ量を96重量%とすると、焼成温度を昇温する過程において、雌ねじ部材4は例えば1500℃で焼結して反応が停止する。又、外側の鞘管5は例えば1600℃で焼結して反応が停止する。一方、アルミナセラミックスの焼成時の線縮小率は14〜17%であるが、この縮小率は粒径や加圧成形圧力により異なってくる。例えば、加圧成形圧力を鞘管5より雌ねじ部材4を大きくすれば、焼成時の縮小率は雌ねじ部材4より鞘管5の方が大きくなる。従って、焼成時、まず雌ねじ部材4が焼結して縮小し、その後鞘管5がより大きな縮小率で焼結する。この結果、鞘管5が雌ねじ部材4を加圧圧縮し、両者は嵌合密着結合し、セラミックス構造体6が形成される。このとき、両者間に拡散結合は一部を除いて生じない。このように、両者間に締め付け圧縮力が作用することにより、セラミックス構造体6の強度が向上する。従って、全体的な拡散結合が生じると、雌ねじ部材4と鞘管5が同一体となってしまい、好ましくない。
【0021】
図2に示すように、上記したセラミックス構造体6の雌ねじ部4aにボルト2,3を螺合し、一方のボルト3を固定し、他方のボルト2を矢印のように引っ張って、引っ張り試験を行うと、従来より大きな耐力が得られることが判明した。即ち、引っ張り力は従来のように鞘管5に直接局部的に作用せず、引っ張り力により雌ねじ部材4に作用する応力は雌ねじ部材4と鞘管5との密着面Aを介して鞘管5に作用するので、引っ張り強度が著しく向上する。
【0022】
なお、若干形状が異なるが、図3(a)は焼成前の鞘管5の寸法を示し、最大径31.8mm、両端部の径22.4mm、穴5b,5cの径17.1mm、穴5b,5cの深さ21.8mm、15.9mm、全長41.2mm、隔壁5aの厚さ3.5mmである。又、図3(b)は1600℃で焼成後(収縮率15%)の鞘管5の寸法を示し、最大径27mm、両端部の径19mm、全長35mm、穴5b,5cの深さ18.5mm、13.5mm、隔壁5aの厚さ3.0mmである。図3(c)は1600℃で焼成後の雌ねじ部材4の寸法を示し、外径15mm、長さ13.5mm、雌ねじ部4aのねじ径はW3/8、ねじ山数は7〜8であり、雌ねじ部材4の成形は静水圧成形機(通称CIP)により5MPaの圧力で成形する。なお、鞘管5の穴5b,5cの焼成後の自然状態における径は14.5mmとなり、雌ねじ部材4の焼成後の外径は15mmであるから、14.5−15mmの差分で鞘管5の穴5b,5cが雌ねじ部材4を締め付けることになる。セラミックス構造体6のせん断強度は11.5〜13KNであった。
【0023】
実施形態1においては、隔壁5aを介して一対の穴5b,5cを有するセラミックス製の鞘管5の穴5b,5c内にセラミックス製で雌ねじ部4aを有する筒状の雌ねじ部材4を装着し、焼成することにより、セラミックス構造体6を形成しており、焼成の際に縮小した鞘管5が雌ねじ部材4を加圧圧縮することにより両者は嵌合密着結合し、両者間に締め付け圧縮力が作用することにより、セラミックス構造体6の引っ張り強度が向上する。
【0024】
図4は上記したセラミックス構造体6を用いた端子体の構成を示し、端子体7はセラミックス構造体6とセラミックスからなる筒状のスリーブ体8とから主に構成され、その他にセラミックス構造体6の一端とスリーブ体8の一端を接続する樹脂製の接続体9と、スリーブ体8の他端に設けられたゴムパッキン10を備えている。
【0025】
図5は端子体7を用いたコンクリート型枠保持装置の構成図を示し、11はセパレータであり、その両端は端子体7のセラミックス構造体6の雌ねじ部4aに螺合され、一端が型枠12を挿通して端子体7のセラミックス構造体6の雌ねじ部4aに螺合されたボルト13の他端にナット14を螺合し、これによって当接体15及びパイプ16を介して型枠12と一体の桟木17を端子体7側に押圧し、型枠12を端子体7のゴムパッキン10に当接させて固定する。この状態で型枠12間にコンクリートを打設し、コンクリートが固化してコンクリート構造物18になった後、ナット14、当接体15、パイプ16、桟木17及び型枠12を除去する。
【0026】
その後、ゴムパッキン10も除去する。ゴムパッキン10はコンクリート打設時にコンクリートが端子体7内に侵入するのを防止するなどのために設けてあり、スリーブ体8の一端に一成分形の瞬間接着剤により貼着される。瞬間接着剤としては例えばシアノアクリレート系のものが用いられ、具体的には、アロンアルファ(東亜合成株式会社製)、セメダイン3000シリーズ(セメダイン株式会社製)などが用いられる。瞬間接着剤は、接着作業を迅速に行うことができ、除去する際にも剥離を容易に行うことができる利点がある。ただし、スリーブ体8が上記したようにセラミックス製あるいはモルタル製の場合には、接着剤はゼリー状である必要がある。接着剤が液状であると、塗布したものがスリーブ体8内にしみこみ、拡散して接着層を形成できないからである。
【0027】
スリーブ体8はかぶり寸法を確保するために設けてあり、セラミックス(アルミナ、ムライトなど)、コンクリート、モルタルなどの無機質体により形成される。スリーブ体8とセラミックス構造体6との接続は、接続体を介して接続し、または接着剤により接着する。セラミックス構造体6とスリーブ体8を接着剤により接着する場合には、接着剤として常温硬化形のエポキシ樹脂を使用した。例えば、エポキシ樹脂系二液形の接着剤であり、主成分のエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂中間体)と充填剤、染料とからなる主剤と、主成分のポリチオールと充填剤とからなる硬化剤の二液から構成される。具体的には商品名EP−330(セメダイン株式会社製)を使用した。この場合、主剤と硬化剤の二液を50:50で混合し、塗布後スリーブ体8とセラミックス構造体6と合わせて静止状態とし、自然硬化により接合した。
【0028】
図5に示したコンクリート型枠保持装置においては、雌ねじ体としてセラミックス構造体6を用いており、セラミックス構造体6はすべてセラミックスからなり、金属製ではないので腐食の心配がなく、またセラミックス構造体6は隔壁5aを介して一対の雌ねじ部4aを有しており、内部のセパレータ11が外部に露出しないので、両水の浸入によるセパレータ11の腐食の発生もない。従って、端子体7で腐食が発生することはなく、コンクリート構造物18の表面部にクラックが発生するなどの劣化現象はなく、コンクリート構造物18の耐久性は損なわれず、耐久性の高いコンクリート構造物18が得られる。
【0029】
実施形態2
図6(a),(b)は実施形態2によるセラミックス構造体の断面図及び雌ねじ部材の断面図を示し、鞘管19はセラミックスにより外形が樽形状に形成され、中心には貫通した孔19aが設けられる。雌ねじ部材20はセラミックスにより筒状に形成され、内部に一端が閉塞された雌ねじ部20aが形成される。この雌ねじ部材20を焼成したものを一対備え、鞘管19の貫通孔19a内に一対の雌ねじ部材20を閉塞端側を合わせてセットし、鞘管19を焼成する。
【0030】
実施形態2においても、鞘管19は焼成により縮小し、鞘管19と雌ねじ部材20は嵌合密着結合し、セラミックス構造体21が形成される。このとき、鞘管19と雌ねじ部材20との間に締め付け圧縮力が作用し、セラミックス構造体21の引っ張り強度が向上する。
【0031】
実施形態3
図7(a),(b)は実施形態3によるセラミックス構造体の断面図及び雌ねじ部材の断面図を示し、雌ねじ部材22はセラミックスにより筒状に形成され、内部に隔壁22aを介して一対の雌ねじ部22b,22cが形成される。この雌ねじ部材22を焼成して鞘管19の貫通孔19aにセットし、鞘管19を焼成する。
【0032】
実施形態3においても、鞘管19は焼成により縮小し、鞘管19と雌ねじ部材22は嵌合密着結合し、セラミックス構造体23が形成される。このとき、鞘管19と雌ねじ部材22との間に締め付け圧縮力が作用し、セラミックス構造体23の引っ張り強度が向上する。
【0033】
実施形態4
図8(a),(b)は実施形態4によるセラミックス構造体の断面図と雌ねじ部材の断面図及び隔壁の正面図を示し、焼成済の一対の雌ねじ部材4とその間に介在させた未焼成のセラミックス製の隔壁24を鞘管19の貫通孔19a内にセットし、これらを焼成する。
【0034】
実施形態4においても、鞘管19は焼成により縮小し、鞘管19と雌ねじ部材4と隔壁24は嵌合密着結合し、セラミックス構造体25が形成される。このとき、鞘管19と雌ねじ部材4及び隔壁24との間に締め付け圧縮力が作用し、セラミックス構造体25の引っ張り強度が向上する。
【0035】
実施形態5
図9(a),(b)は実施形態5によるセラミックス構造体の断面図と雌ねじ部材の断面図及び隔壁の正面図を示し、セラミックス製の隔壁26が両側に凸部26aを有する点のみが実施形態4と異なり、セラミックス構造体27が形成される。凸部26aは雌ねじ部材4の雌ねじ部4aと係合し、一対の雌ねじ部材4と隔壁26の芯を揃えるようにするために設けてある。
【0036】
実施形態6
図10(a)は実施形態6によるセラミックス構造体の横断面図を示し、上記各実施形態においては図10(b)に示すように一層からなる鞘管5が焼成時に縮小することにより雌ねじ部材4を圧縮していたが、この実施形態においては鞘管5の外側にさらに鞘管28を設け、焼成時セラミックスからなる鞘管28により鞘管5を圧縮し、鞘管5により雌ねじ部材4を圧縮してセラミックス構造体29を形成している。
【0037】
実施形態6においては、上記したように、二層の鞘管5,28によって雌ねじ部材4を圧縮することにより、セラミックス構造体29を形成しており、セラミックス構造体29の引っ張り強度を高めることができるとともに、せん断強度を高めることができる。なお、三層以上の鞘管によって雌ねじ部材を圧縮するようにすれば、さらにこれらの強度を高めることができる。
【0038】
なお、上記各実施形態においては、最外位置の鞘管の外形を樽形状としたが、円柱状、多角形、外周面凹凸状などとしてもよい。又、鞘管、雌ねじ部材(別体の隔壁を含む。)をアルミナセラミックスにより形成したが、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックスにより形成してもよい。
【0039】
【実施例】
(1)雌ねじ部材4の製造方法
まず、主成分となる酸化アルミニウム原料(粒径1μm以下、純度99.8%、含有量94重量%)に焼結を助けるための副成分(焼結助材、残りの成分)を添加し、さらに純水を加え、ボールミルにより10時間混合破砕を行う。得られた原料スラリーにポリビニールアルコールなどの有機バインダーと分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム塩を添加し、スプレードライヤーで150℃の温度で乾燥し、噴霧造粒する。得られた顆粒を静水圧成形機(通称CIP)により5MPaの圧力で成形する。寸法は実施形態1で説明した通りである。
【0040】
(2)鞘管5の製造方法
まず、主成分となる酸化アルミニウム原料(粒径1μm以下、純度99.8%、含有量96重量%)に焼結を助けるための副成分(焼結助材、残りの成分)を添加し、さらに純水を加え、ボールミルにより10時間混合破砕を行う。得られた原料スラリーにポリビニールアルコールなどの有機バインダーと分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム塩を添加し、スプレードライヤーで150℃の温度で乾燥し、噴霧造粒する。得られた顆粒を静水圧成形機により4.5MPaの圧力で成形する。寸法は実施形態1で説明した通りである。
【0041】
(3)セラミックス構造体6の製造方法
鞘管5の穴5b,5c内に雌ねじ部材4をセットし、ガス炉により1600℃で2時間焼成し、100℃/時間の降温速度で冷却し、セラミックス焼結体からなるセラミックス構造体6を得る。セラミックス構造体6の焼成においては、雌ねじ部材4はアルミナ量を94重量%とすることにより、約1500℃で焼結が完了する。一方、鞘管5はアルミナ量を96重量%とすることにより、約1600℃で焼結が完了し、しかも加圧成形圧力を雌ねじ部材4の5MPaに対してこれより低い4.5MPaとすることにより収縮率を大きくすることができ、雌ねじ部材4を鞘管5で締め付け圧縮することができる。
【0042】
(4)成分について(各部材共通、以下同じ)
主成分の酸化アルミニウムの含有量は約90〜98重量%とする。90重量%以下の場合には、接続継手としての強度が不足し、特に内部のねじ山が破損する。98重量%以上の場合には、焼結温度を高くする必要があり、経済的に好ましくない。焼結助材としては、MgO,SiO2,CaOが好ましく、焼成温度を低下させる効果がある。
【0043】
(5)粒径について
噴霧造粒された顆粒は、その粒径が約30〜200μmの範囲に分布する粒子が80%以上占めるものが好ましい。この範囲を下回る場合(小径)には、流動性が悪化して成形型への充填が困難となり、空洞が発生する。この範囲を上回る場合(大径)には、ねじ山の形成が確実に行われない。いずれにしても、所望の端子体を得ることが困難である。
【0044】
(6)圧力について
成形圧力は、3〜10MPaの範囲であればよい。これ以下では、圧力不足により欠けやクラックを発生する。これ以上では、圧力解除までの時間がかかり、生産性が低下し、しかも離型性が悪く、型割れが発生しやすくなる。
【0045】
(7)焼成条件について
雰囲気は大気中でもよい。焼成保持温度は1500〜1700℃、焼成時間は2時間以上、降温速度は、焼成保持温度から400℃までを50〜200℃/時間の冷却速度で行えばよい。理由は、90重量%以上の酸化アルミニウムと焼結助材(MgO,SiO2,CaO)を含む組成では、約1500〜1700℃で焼結しないと焼結が完了せず、また50〜200℃/時間の降温速度でないと、焼成後の強度が低下して好ましくないからである。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、セラミックスからなる雌ねじ部材をセラミックスからなる鞘管によりその焼成時の収縮力を利用して圧縮し、セラミックス構造体を形成しており、雌ねじ部材には圧縮力が作用し、しかも雌ねじ部材と鞘管との間には密着面が存在することから、セラミックス構造体の引っ張り強度を著しく向上することができる。又、セラミックス構造体は腐食しないので、耐食性、耐電気絶縁性などが要求される各種用途に適用され、例えばコンクリート構造物内に埋設した場合には、耐久性が高いコンクリート構造物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1によるセラミックス構造体の製造方法の説明図である。
【図2】実施形態1によるセラミックス構造体の引っ張り強度試験の説明図である。
【図3】実施形態1によるセラミックス構造体の鞘管の焼成前後の寸法及び焼成後の雌ねじ部材の寸法を示す図である。
【図4】実施形態1によるセラミックス構造体を用いた端子体の構成図である。
【図5】実施形態1によるセラミックス構造体を用いたコンクリート型枠保持装置の構成図である。
【図6】実施形態2によるセラミックス構造体の断面図及び雌ねじ部材の断面図である。
【図7】実施形態3によるセラミックス構造体の断面図及び雌ねじ部材の断面図である。
【図8】実施形態4によるセラミックス構造体の断面図と雌ねじ部材の断面図及び隔壁の正面図である。
【図9】実施形態5によるセラミックス構造体の断面図と雌ねじ部材の断面図及び隔壁の正面図である。
【図10】実施形態6によるセラミックス構造体の横断面図及び他の実施形態によるセラミックス構造体の横断面図である。
【図11】従来の雌ねじ体の断面図及びその引っ張り強度試験の説明図である。
【図12】従来の雌ねじ体の寸法を示す図である。
【符号の説明】
4,20,22…雌ねじ部材
4a,22b,22c…雌ねじ部
5,19,28…鞘管
5a,22a,24,26…隔壁
5b,5c…穴
6,21,23,25,27,29…セラミックス構造体
18…コンクリート構造物
19a…貫通孔

Claims (5)

  1. 内部に雌ねじ部を備えた筒状のセラミックスからなる雌ねじ部材と、少なくとも一層のセラミックスからなる鞘管とから構成され、焼成することにより鞘管が雌ねじ部材を圧縮して両者を密着固定させたことを特徴とするセラミックス構造体。
  2. 最外位置の鞘管は、外形を円柱状、樽形状、多角形、外周面凹凸状のいずれかにしたことを特徴とする請求項1記載のセラミックス構造体。
  3. セラミックスは、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素のいずれかを主成分としたことを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックス構造体。
  4. 鞘管は、隔壁を介して一対の穴を備え、この穴内に各々雌ねじ部材を備えて構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックス構造体。
  5. 鞘管は、貫通した孔を備え、この孔内に雌ねじ部材を備えて構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックス構造体。
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