JP3970223B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置に関わり、電子放出素子を応用した表示装置等の画像形成装置に適用するスペーサに関するものである。
従来から、電子放出素子として熱陰極素子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出型素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放出素子(以下MIM型と記す)、などが知られている。
表面伝導型放出素子としては、たとえば、M.I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,1290,(1965)や、後述する他の例が知られている。
表面伝導型放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:"Thin Solid Films",9,317(1972)]や、In23/SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:"IEEE Trans.ED Conf.",519(1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が報告されている。
これら表面伝導型放出素子の素子構成の典型的な例として、図9に前述のM.Hartwellらによる素子の平面図を示す。同図において、3001は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のようにH字形の平面形状に形成されている。導電性薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成される。図中の間隔Lは0.5〜1[mm],Wは0.1[mm]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
M.Hartwellらによる素子をはじめとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成するのが一般的である。通電フォーミングとは、導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとした速度で昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発生する。通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧を印加した場合には、亀裂付近において電子放出が行われる。
また、FE型の例は、たとえば、W.P.Dyke&W.W.Dolan,"Field emission",Advance in Electron Physics,8,89(1956)や、あるいは、C.A.Spindt,"Physical properties of thin-film field emission cathodes with molybdenium cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)などが知られている。
FE型の素子構成の典型的な例として、図10に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面図を示す。同図において、3010は基板で、3011は導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコーン、3013は絶縁層、3014はゲート電極である。本素子はエミッタコーン3012とゲート電極3014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコーン3012の先端部より電界放出を起こさせるものである。また、FE型の他の素子構成として図10のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
またMIM型の例としては、たとえば、C.A.Mead,"Operation of tunnel-emission Devices,J.Appl.Phys.,32,646(1961)などが知られている。MIM型の素子構成の典型的な例を図11に示す。同図は断面図であり、図11において、3020は基板で、3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ100オングストローム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ80〜300オングストローム程度の金属よりなる上電極である。MIM型においては、上電極3023と下電極3021の間に適宜の電圧を印加することにより、上電極3023の表面から電子放出をさせるものである。
上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較して低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒーターを必要としない。したがって、熱陰極素子よりも構造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒーターの加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点もある。
このため、冷陰極素子を応用するための研究が盛んに行われてきている。
たとえば表面伝導型放出素子は冷陰極素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点がある。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31332号公報において開示されるように、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究されている。また、表面伝導型放出素子の応用については、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形成装置や、荷電ビーム源等が研究されている。
特に画像形成装置への応用としては、たとえば本出願人による米国特許第 5,066,883号や特開平2−257551号公報や特開平4−28137号公報において開示されているように、表面伝導型放出素子と電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合わせた研究がされている。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像形成装置は、従来の他の方式の画像形成装置よりも優れた特性が期待されている。たとえば近年普及してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるためバックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優れていると言える。
またFE型を多数個ならべて駆動する方法は、たとえば本出願人による米国特許第4,904, 895号に開示されている。またFE型を画像形成装置に応用した例として、たとえば、R.Meyer らにより報告された平板型表示装置が知られている[R.Meyer:"Recent Development on Micro-tips Display at LETI",Tech.Digest of 4th Int. Vacuum Microelectronics Conf.,Nagahama,pp.6〜9(1991)]。
またMIM型を多数個並べて画像形成装置に応用した例は、たとえば本出願人による特開平3−55738号公報に開示されている。
上記のような電子放出素子を用いた画像形成装置のうちで、奥行きの薄い平面型画像形成装置は省スペースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に置き換わるものとして注目されている。図12は平面型の画像形成装置をなす表示パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示している。
図中、3115はリアプレート、3116は側壁、3117はフェースプレートであり、リアプレート3115、側壁3116およびフェースプレート3117により、表示パネルの内部を真空に維持するための外囲器(気密容器)を形成している。
リアプレート3115には基板3111が固定されているが、この基板3111上には冷陰極素子3112が、N×M個形成されている(N、Mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。)。またN×M個の冷陰極素子3112は、図12に示すとおり、M本の行方向配線3113とN本の列方向配線3114により配線されている。これら基板3111、冷陰極素子3112、行方向配線(上配線)3113および列方向配線(下配線)3114によって構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線3113と列方向配線3114の少なくとも交差する部分には、両配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
フェースプレート3117の下面には、蛍光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤(R)、緑(G)、育(B)の3原色の蛍光体(不図示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をなす上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けてあり、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115側の面には、Al等からなるメタルバック3119が形成されている。
Dx1〜DxmおよびDy1〜DynおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線3113と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向配線3114と、Hvはメタルバック3119と各々電気的に接続している。
また上記気密容器の内部は1.3×10-4Pa程度の真空に保持されており、画像形成装置の表示面積が大きくなるにしたがい、気密容器内部と外部の気圧差によるリアプレート3115およびフェースプレート3117の変形あるいは破壊を防止する手段が必要となる。リアプレート3115およびフェースプレート3116を厚くすることによる方法は、画像形成装置の重量を増加させるのみならず、斜め方向から見たときに画像のゆがみや視差を生ずる。これに対し、図12においては比較的薄いガラス板からなり大気圧を支えるための構造支持体(スペーサあるいはリブと呼ばれる)3120が設けられている。このようにして、マルチ電子ビーム源が形成された基板3111と蛍光膜3118が形成されたフェースプレート3117間は通常サブミリないし数ミリに保たれ、前述したように気密容器内部は高真空に保持されている。
以上説明した表示パネルを用いた画像形成装置は、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加すると、各冷陰極素子3112から電子が放出される。それと同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通じて数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記放出された電子を加速し、フェースプレート3117の内面に衝突させる。これにより蛍光膜3118をなす各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
ところが、スペーサ近傍ではしばしば画像がゆがんで表示されるという問題があった。スペーサ3120の近傍から放出された電子の一部がスペーサ3120に当ることにより、あるいは放出電子の作用でイオン化したイオンがスペーサに付着することにより、スペーサ帯電を引き起こす可能性がある。このスペーサの帯電により冷陰極素子3112から放出された電子はその軌道を曲げられ、蛍光体上の正規な位置とは異なる場所に到達し、スペーサ近傍の画像がゆがんで表示される。この問題点を解決するためにスペーサ表面に高抵抗膜を形成し、微小電流が流れるようにして帯電を除去する方法が特許文献1に開示されている。この帯電原因の詳細は明らかになっていないが、スペーサに近接する電子放出素子による反射電子、スペーサ表面の二次電子放出などが考えられており、特許文献2に改善方法が提案されている。
米国特許第5,760,538号公報 特開2000−311632号公報
以上説明した画像形成装置の表示パネルにおいては、以下のような問題点があった。すなわち、スペーサ表面に高抵抗膜を形成して帯電を除去しても、長時間にわたって画像を表示すると、スペーサ近傍の画像が乱れてくるという問題である。
本発明の目的は、長時間の表示してもスペーサ近傍に画像の乱れが発生しないスペーサを有する画像形成装置を提供することであり、詳しくは電子照射に曝されても抵抗変化が抑制されるようなスペーサを有する画像形成装置を提供することである。
前述したようにスペーサ表面は画像表示しているときには電子に曝されている。このため、絶縁性基体の表面を高抵抗膜で被覆したスペーサを用いても、長時間にわたって画像を表示することで経時変化して、スペーサ近傍の表示画像が乱れてくる。加速電圧など表示パネルの駆動条件やパネルの構成によって表示画像の乱れの程度に多少の差異はあるが、種々の検討を行った結果、この長時間の表示による画像の乱れという変化は高抵抗膜の抵抗分布が変化することに起因すると本発明者は考えるにいたった。スペーサの抵抗分布の変化は、画像形成装置作動時のスペーサ近傍の電位分布変化となる。このため放出電子の軌道が変化してしまい、表示画像が乱れることになる。
上記観点に基づき検討を行った結果、本発明者はリアプレートからフェースプレートにいたる高抵抗膜の抵抗が、電子照射にさらされても変化が十分に小さくなり、電子軌道に影響を与えないようなスペーサの構成を見出した。
たとえ電子照射に曝されて高抵抗膜の抵抗が変化するとしても、高抵抗膜への侵入電子が少なければこの変化は抑制される。侵入電子の少ない膜領域の抵抗が全体の膜抵抗を規定しているならば、高抵抗膜の抵抗分布は電子照射に曝されてもあまり変化しない。すなわち電子照射に曝される膜表面近傍の抵抗が経時変化しても、それより深部の膜領域は侵入電子が少なく、ほとんど抵抗は変化しないから、深部の膜領域が表層よりも低抵抗になっているならば、高抵抗膜の抵抗分布はこの低抵抗領域により概ね規定される。従ってスペーサのリアプレートからフェースプレートにいたる膜抵抗の長時間表示による変化は抑制され、スペーサ近傍の画像の乱れも抑制されることになる。
具体的には、本発明は電子放出素子を有する電子源が形成された第1の基板と、前記電子源より放出される電子が照射される被照射体が形成された第2の基板とをスペーサを介して対向させ、前記第1及び第2の基板間に加速電圧を印加して、前記電子源より放出される電子を前記被照射体に照射させる画像形成装置において、
前記スペーサは、絶縁性基体と該絶縁性基体の表面の少なくとも一部を被覆した高抵抗膜からなり、
10kV以上且つ29kV以下の前記加速電圧における前記高抵抗膜の電子進入深さをλ、前記高抵抗膜の膜厚をd、αを0.1の定数とし、
前記絶縁性基体表面から(d−αλ)の厚さまでの前記高抵抗膜のシート抵抗Rs1(Ω/□)と、膜表面からαλの厚さまでの前記高抵抗膜のシート抵抗Rs2(Ω/□)とは以下の関係を満たし、
前記絶縁性基体表面から(d−αλ)の厚さまでの前記高抵抗膜の抵抗率よりも、膜表面からαλの厚さまでの前記高抵抗膜の抵抗率が高いことを特徴とする画像形成装置である。
2≦Rs2/Rs1≦100
10 7 ≦Rs1≦10 14
λ>d
なお、本発明での電子侵入深さλとは、加速電圧Hvで加速された電子が固体表面に垂直入射したときの固体内部に侵入する平均的深さに相当し、後述するような実験的方法により求めた。
またシート抵抗Rsは、Rs=ρ/d′で表される値である(ρは抵抗率、d′は膜厚)。一般に膜の抵抗値RはR=ρ(L/(d′・W))=Rs(L/W)で表される(ρは抵抗率、d′は膜厚、Lは膜の長さ、Wは膜の幅)。
本発明によれば、画像形成装置で長時間画像を表示した時のスペーサ近傍の画像の乱れを抑制することができる。また、使用環境によって第1の基板と第2の基板とに温度差が発生しても、スペーサ近傍の画像の乱れを抑制できるという効果がある。
以下に本発明の好ましい態様について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明による画像形成装置の表示パネルの斜視図である。内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示している。図1中、1011は電子放出部を搭載した基板、1012は電子放出部を有す電子放出素子、1013は電子放出素子を駆動するための行方向の配線、1014は列方向の配線、1015はリアプレート、1016は側壁、1117はフェースプレートであり、これらリアプレート1015、側壁1016、フェースプレート1117により表示パネルの内部を真空に維持するための気密容器を形成している。気密容器を組み立てるにあたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させるため封着する必要があるが、例えばフリットガラスを接合部に塗布し、大気中で400℃〜500℃、10分以上焼成することにより封着を達成することができる。上記気密容器の内部は10-4Pa程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を防止する目的で耐大気圧構造体としてスペーサ20が設けられている。また、1118はフェースプレート内に設けられた発光材の蛍光体、1119はメタルバックである。
図3にスペーサ20の例を示す。スペーサ20はセラミックやガラス等の絶縁性基体となる絶縁性基板の表面に高抵抗膜が形成されている。フェースプレート1117やスペーサ20の材質、形状、配置、配置本数は外囲器の形状並びに熱膨張係数等、外囲器の受ける大気圧、熱等を考慮して決定される。スペーサ20の形状には十字型、L字型、円柱型、あるいは電子線通過部に穴を有したものなどがあり、ここで示した平板型に制限されない。すなわち、高抵抗膜の下地となる絶縁性基体としては、絶縁性基板の他に、十字型、L字型、円柱型、あるいは電子線通過部に穴を有したもの等を用いることができる。
絶縁性のスペーサ基板は電子放出素子が形成されたリアプレート1015、蛍光体が形成されたフェースプレート1117とほぼ同一の熱膨張特性の材料であることが好ましい。また、装置作製工程中の熱工程と大気圧を支持する必要からガラス、セラミック等機械的強度が高く、耐熱性の高い材料が適する。
スペーサ基板は絶縁体であるが、ソーダライムガラス程度の抵抗値を有しても構わない。基板の表面形状は平滑であっても良いが、凹凸構造が形成されている方が好ましい。本発明の実施例で用いた基板は、特開2000−311608号で述べられている加熱延伸法によって形成された凹凸形状であるが、これに限ったものではない。例えばサンドブラスト法によって形成されるランダム形状や特開2000−311608号で述べられているストライプ形状、さらにはこれらが複合した形状であっても良い。
凹凸の作成方法としては、例えば特開2000−311608号で述べられている加熱延伸法、研削等ブラスト、エッチング、リフトオフ法等が適用できる。また、必要に応じて光学的なパターニングや機械的なマスクを用いて形状制御することも可能である。酸化ケイ素や金属酸化物をバインダーマトリクス中に分散させた微粒子分散型膜などで高抵抗膜との間に粗面化層を設けても良い。
高抵抗膜としては、金属酸化物、金属窒化物や炭化物が利用でき、酸化錫、酸化クロム、酸化ゲルマニウム、窒化アルミニウム、窒化ゲルマニウム、またはカーボンに、必要に応じて金属等の添加物をいれて抵抗制御して用いることができる。しかし、高抵抗膜はこれらの材料に限定されるものではなく、抵抗が調節できて安定ならば使用可能である。中でも、遷移金属や貴金属とセラミックの複合体、Au−SiO2、Pt−SiO2、Cr−SiO2、Cr−Al23、In23−Al23、W−Ge−O等や遷移金属と窒化物の複合体、W−Ge−N、W−Al−N、Cr−Al−N、Ti−Al−N、Ta−Al−N、Cr−B−N、Cr−Si−N等やカーボン、窒化カーボンなどが好ましい。
高抵抗膜の膜厚方向の抵抗の制御については種々の方法がある。例えば窒化アルミニウムはタングステンを添加して抵抗調整を行えるが、添加量を0.1λの膜厚の前後で変えることで本発明の構成を実現できる。添加量を連続的に変化させていってもよい。
また高抵抗膜は必ずしも同一化合物で構成する必要はなく、異なる化合物からなる多層膜であっても良い。更に基板に含まれるイオンを膜に熱拡散、膜の表面から膜中に拡散、大気中での高温アニールによる膜表面の酸化などのプロセスを用い、表面から基板界面まで組成比が連続的に変わる構成でも効果がある。
高抵抗膜の作製手法としては、既存の帯電防止膜の作製プロセスが適用できる。例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法、印刷法、エアゾール法、ディッピング法、などが適用できる。
このようにして出来たスペーサ20は、リアプレート1015とフェースプレート1117の間に適当な間隔と数をもって配置され、大気圧を支持する。
フェースプレート1117の下面には蛍光体1118が形成されている。本実施態様はカラー表示装置であるので、赤、青、緑の三原色の蛍光体1118が塗りわけられている。各色の蛍光体1118は、例えば図2のようなストライプ状に塗り分けられ、蛍光体1118のストライプの間には黒色の導電体1010が設けられている。三原色の塗り分けは、ストライプ状の配列に限られるわけではなく、それ以外の配列であってもよい。また、モノクロームの表示パネルを作成する場合には単色の蛍光体を用いればよく、また黒色導電材料はかならずしも、必要ではない。
また、蛍光体1118のリアプレート側の面にはメタルバック1119を設けてある。メタルバック1119は蛍光膜1118をフェースプレート基板1117に形成後、蛍光体表面を平滑処理し、その上にアルミニウムを真空蒸着することにより形成した。
前述したようにリアプレート1015とフェースプレート1117はフリットガラスにより封着されて、気密容器を形成する。十分に真空排気したのち、排気管を封止することにより、表示パネルができる。
容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じて各電子放出素子に電圧が印加されて、電子放出素子から電子が放出される。容器外端子Hvからはメタルバック1119には数kv以上の高電圧が印加される。放出された電子はこの電圧により加速されてフェースプレート1117に衝突する。これにより蛍光体1118が励起されて発光し、画像が表示される。
このように形成した画像形成装置を用いて、スペーサ近傍の画像の乱れを評価した。ここでの画像の乱れとは、スペーサ20に近接した電子放出素子の電子ビームが蛍光体1118に照射されたときの輝点の、スペーサ20に垂直な方向への位置変化のことである。ビーム位置の変化の大きさはパネルの幾何学的な構成によっても変わるので、スペーサ近傍のビーム位置の変動は、スペーサ20に垂直な方向の素子ピッチLに対する変化量で規格化して評価した。すなわち、ある加速電圧を印加して画像を表示したとき、スペーサ20に最も近い発光輝点の表示された直後の位置と、3時間にわたって画像表示し続けた後の位置との距離を素子ピッチで規格化したものをビーム移動量とした。移動量が大きいほど、表示画像の乱れも大きくなる。この輝点の移動量と画質としての対応は主観画質評価法によった。その結果、劣化が判るが気にならないレベルとしての移動量はおよそ0.1Lであった。
次に本発明の高抵抗膜の特性について述べる。
図4は、膜構成を下層のシート抵抗Rs1に対して上層のシート抵抗Rs2をRs2/Rs1=2となるようにして、上層の膜厚を変えた高抵抗膜を形成したスペーサ20を用いたときの、3時間表示した前後でのビーム移動量を示したものである。下層は膜厚、シート抵抗ともに一定条件とし、上層の膜厚を変えることに伴い、上層膜のW添加量を微調整することで、抵抗比がRs2/Rs1=2になるようにした。
高抵抗膜としてはW−GeN膜をスパッタ法により形成した。GeとWのターゲットをアルゴンガスと窒素の混合雰囲気中で同時スパッタリングことにより窒化膜を形成した。抵抗は、Wターゲットの電力を変えることにより上層と下層の抵抗比が一定になるように制御した。上層の膜厚値は電子侵入深さλで規格化してある。
ここで形成したW−GeN膜の10kvの加速電圧に対する電子侵入深さλは後述する測定によれば、0.7μmであった。図4(a)より、Rs2層の膜厚が0.1λ以上であれば、そのビーム移動量はおよそ0.1L以下になることを示している。より好ましくは、Rs2の膜厚は、0.5λ以上であり、さらにこの好ましくは、Rs2の膜厚はλであればよい。λ以上は特性はほぼ変化しないので、生産上の面から、λあれば十分である。ここではW−GeN膜という高抵抗膜を用いたが、この効果はこの材料に限定されるわけではない。図4(b)は、Cr−AlN膜についてのビーム移動量とRs2層の膜厚との関係を示している。Cr−AlN膜は、AlとCrのターゲットをArおよび窒素の混合雰囲気でスパッタリングすることにより形成しており、その10kvの加速電圧に対する電子侵入深さλは、1.5μmである。ここでもW−GeN膜とおなじようにRs2層の膜厚が0.1λ以上であれば、ビーム移動量Lは0.1L以下になる。より好ましくは0.5λ以上であり、さらにλの膜厚があれば、ビーム移動量は飽和している。
図5は、W−GeN膜のRs2層の膜形成条件を変えずに、すなわち膜厚と抵抗は一定にしたまま(ここでは、0.1λに相当する膜厚)、下層のシート抵抗Rs1を変化させたときのビーム移動量を示したものである。上層(抵抗Rs2)と下層(抵抗Rs1)の抵抗比(Rs2/Rs1)を1からおよそ100までかえたところ、抵抗比がおおきくなるに従い、急激にビーム移動量は小さくなった。Rs2/Rs1がおよそ2以上になるとビーム移動量は0.1ライン以下になることがわかる。抵抗比Rs2/Rs1は2から100が好ましい。さらに生産上安定な領域としては、抵抗比Rs2/Rs1は10から100が好ましい。ここでもW―GeN膜を用いたが、この効果はこの材料に限定されるわけではない。
また、上述した効果は必ずしも2層の構成でなければ得られないわけではない。電子侵入深さλを基準として0.1λよりも表側にある膜領域の抵抗とスペーサ基板側にある膜領域のシート抵抗Rs2とシート抵抗Rs1の比が、2から100までになっていればよく、2層の構成に制限されるわけではない。抵抗が膜厚方向に連続的に変化していても、あるいは多層膜構成になっていても、上述の関係が満たされるならば、同様な効果が得られる。
前述のW−GeN膜をスペーサ基板上に形成する際にGeターゲットの投入電力は一定にしたまま、Wターゲットの投入電力を時間によって小さくするように変化させて高抵抗膜を形成しても、同様の効果は得られる。このときの膜厚方向の抵抗分布は以下のようにして調べた。
まず、スペーサ20を適当な大きさに切断し、メタルマスク1119を用いて高抵抗膜の上に金属電極を成膜する(図6参照)。このときの電極間のコンダクタンスを測定したのち、電極間領域をドライエッチングする。次にエッチングされた膜厚を測定して、電極間のコンダクタンスを測定する。これを繰り返してエッチング膜厚に対する電極間のコンダクタンスを測定する。この結果を図7に示す。図中、例えば1.0E−12は1.0×10-12を示す。
抵抗が連続的に変化しても、多層構成になっていても上述したように、Rs2とRs1の比が2〜100になっていれば同様の効果は得られ、その抵抗分布は前述した方法により、測定することができる。
また、スペーサ20の高抵抗膜の抵抗値の下限は熱暴走が引き起こされないことから決定されている。
スペーサ20の抵抗温度係数は正の場合には、温度の上昇とともに抵抗値は増加するため、スペーサ20での発熱は抑制される。逆に抵抗温度係数が負であると、スペーサ表面で消費される電力による温度上昇で抵抗が減少し、更に発熱し温度が上昇し続け、過大な電流が流れる、いわゆる熱暴走をひきおこす。厳密には熱暴走はスペーサ20とリアプレート1015やフェースプレート1117との熱接触などにより影響を受けるが、本発明者は種々の構成や条件で実験を行ったところ、高抵抗膜の1cm2あたりの消費電力がおよそ0.1Wを超えるようになるとスペーサ20に流れる電流が増加しつづけ、熱暴走になることが認められた。消費電力が1cm2あたり0.1Wを超えないシート抵抗の値として、107Ω以上であることが望ましい。
また、スペーサ20に被覆された高抵抗膜は表面に帯電することなく電荷を速やかに除電するに十分な電流が流れることが必要であり、これは抵抗値によって支配される。抵抗膜表面の帯電量は電子源からの放出電子と高抵抗膜の二次電子放出率に依存するが、シート抵抗が1014Ω以下であればだいたいの使用条件に対応できる。十分な帯電防止効果を得るためには1013Ω/□以下がさらに好ましい。
本発明に係わる高抵抗膜は、その電流成分の多くを電子侵入深さλに対して、絶縁性基板から(d−αλ)の領域が担っているので(dは高抵抗膜の膜厚)、絶縁性基板から(d−αλ)の厚さの膜領域のシート抵抗Rs1は、107Ω以上であり、1014Ω以下であることが望ましい。
また、スペーサ20の高抵抗膜の抵抗温度係数はビーム移動量にも影響する。スペーサ20を配置した画像形成装置が、使用環境等によりフェースプレート1117とリアプレート1015との温度差が発生した場合、スペーサ20の高抵抗膜は温度依存性を持つために、温度差により、高抵抗膜の抵抗がフェースプレート側とリアプレート側とで異なるという現象が発生する。これが電子軌道に影響するために、ビームを変化させてしまう。
本発明の高抵抗膜にあっては、フェースプレート1117からリアプレート1015にいたる加速電圧の電位勾配は、絶縁性基板から(d−αλ)の膜厚の領域が支配的であるため、この領域の抵抗温度係数が重要になる。本発明者は、フェースプレート1117とリアプレート1015との温度差および、そのビーム移動量と高抵抗膜の抵抗温度特性との関係を検討した結果、通常の使用環境ではフェースプレ−ト1117とリアプレート1015との温度差は大体15℃以内に収まること、そのときのビーム変動量を0.1Lに収める高抵抗膜の抵抗温度係数は、3%以内であることが実験的に認められた。本発明の高抵抗膜は、絶縁性基板表面から(d−αλ)の厚さの膜領域の抵抗温度係数が、3%以下であることがのぞましい。
また、高抵抗膜の電子侵入深さλは次のようにエネルギー分散型X線分析装置により測定した値から求めた。まず高抵抗膜の構成元素以外の元素を含む平滑基板上に、膜厚が既知の高抵抗膜を成膜した。この膜表面にいろいろな加速電圧で電子線を垂直に照射する。電子銃の加速電圧が大きいと電子は膜を通り抜け、膜が形成されている基板(下地)まで到達し、膜構成元素の特性X線だけでなく、基板構成元素の特性X線も発生する。加速電圧を低下させると基板構成元素の特性X線シグナルの強度も弱くなっていく。エネルギー分散型X線分析装置により、基板構成元素のシグナルが検出できなくなる加速電圧を求め、基板構成元素の最低励起電圧を差し引いた電圧値を求めると、膜厚はこの電圧値に対する電子侵入長λとなる。
下地には、できるだけ最低励起電圧の低い元素が含まれていることが、λの測定精度を高くするために望ましい。
また、各電圧に対するλは次のように求められる。高抵抗膜として膜厚の違うW−GeN膜をアルミナ基板上に形成する。それぞれに対し膜表面から電子を照射し、下地に含まれるアルミ元素のシグナルが検出されなくなる加速電圧を求めた。それぞれの加速電圧から、アルミの最低励起電圧を差し引いた電圧とその膜厚、すなわち電子侵入深さλをプロットして、以下の式にフィッティングする。
λ=kEn(E:加速電圧(一次電子の入射エネルギー)から励起電圧を引いた値、k、n:定数)
実験結果から上式の定数k、nを求めることにより、その材料の加速電圧にたいするλが求められる。
前述した方法は予め膜厚が異なるサンプルを準備してλを求める方法であるが、膜厚の異なるサンプルがなくても、膜をエッチングすることによって同様にλを求めることができる。また基板と膜に共通元素があり、測定に適さないなどの場合には膜表面に適当な測定に適した材料を蒸着等によりコートしたうえで、ガラス板等を接着し、もとの基板(スペーサ基板)をエッチングして除去すれば、同様にλを求めることができる。
次に本発明の実施例について説明する。
図1に示すような表示パネルを用いてスペーサ20の特性を評価した。高圧端子Hvには10kvを印加した。使用したスペーサ基板は図3に示すように、高さH=3mm、厚み:D=0.2mm、長さ:L=40mmの形状をした高歪み点ガラスを用いた。表面には凹凸形状が形成されており、そのピッチ30μm、深さ10μmである。
このようなスペーサ基板に以下の表1に示すような酸化物および窒化物を形成して評価した。いずれも形成条件をRs1とRs2で変化させた2層の構成となっている。形成条件は、スパッタリングについてはガス圧力0.5〜3Paで行っている。W−GeO膜は、WとGeO2のターゲットを用いたAr+O2雰囲気での同時スパッタリングで形成した。Pt−SiO膜は、PtとSiOターゲットを用いたAr+O2雰囲気での同時スパッタリングである。Cr−AlN膜はCrとAlターゲットを用いたAr+N2雰囲気での同時スパッタリングである。また、Al−SnO膜は、Al添加したSnO2微粒子を有機溶剤に分散させて、基板をディップした後に、大気中400度でアニ−ルして下層(シート抵抗Rs1)とした。この上にW−GeO膜を前述と同様に上層(シート抵抗Rs2)として形成した。C−N膜は、C22+N2ガスをプラズマにより分解して基板上に形成した。このときは基板を250℃に加熱した。なお、抵抗変化(シート抵抗の変化)をつける際の高抵抗膜の材料の組成比の変化がわずかで、また組成比の変化に対する電子侵入深さλの変化は少ない(例えば、W/Ge比を5倍にしても電子侵入深さλは約5%増加するにすぎない)。つまり高抵抗膜の材料の組成比を変えてシート抵抗を変化させても電子侵入深さλは無視できる範囲の変化しかなく、抵抗調整のために高抵抗膜の材料の組成比は適宜設定することができる。
これらの膜の10kvにおける電子侵入深さλは、以下のようであった。表1のRs2層の厚さは、表面から0.1λの深さまでを示す。

材料 電子侵入深さ(λ)
W-GeO膜 0.8μm
Pt-SiO膜 0.7μm
Cr-AlN膜 1.5μm
C-N膜 1.8μm
Figure 0003970223
上記のように実施例のいずれもの高抵抗膜も、ビーム移動量は0.1L以下になっていた。
実施例1と同様なスペーサ基板に、スパッタリングによりW−GeN膜を形成した。WとGeのターゲットを用いて、Ar+N2雰囲気で同時スパッタリングを行い、抵抗の変化は、Wの投入電力を時間によって変化させることで制御した。出来た膜の膜厚は0.6μmであり、高抵抗膜の全体のシート抵抗は、8.3x1011Ωである。抵抗分布は、前述したようにドライエッチングして各点の導電率を測定することにより求めた。図8にエッチングからもとめた表層からの深さに対する導電率を示す。このように分布のあるW−GeN膜に、加速電圧を変えて(電子侵入深さλを変えて)、実施例1と同様にビーム移動量を評価した。その結果を以下に示す。

加速電圧(kv) 電子侵入深さ(μm) Rs1(Ω) Rs2/Rs1 ビーム移動量
13 1.0 8.5x1011 47 0.03L
19 2.0 9.1x1011 11 0.03L
24 3.0 1.0x1012 4 0.07L
29 4.0 1.3x1012 2 0.09L

いずれの高抵抗膜においても、電子侵入深さで規格化した抵抗比が、
2<Rs2/Rs1<100 にあれば、ビーム移動量は、0.1L以下であった。
Rs2層の膜厚は、0.1λである。10kVのときのRs2の膜厚は、10kVのλ(1μm)×0.1=0.1μmとなる。
実施例1と同様なスペーサ基板に、W−GeN膜をスパッタリングにより形成条件を変えて高抵抗膜を形成した。Ar+N2雰囲気の圧力は、0.5〜3.0Pa、N2分圧は10〜60%の範囲で形成した。W−GeN膜は抵抗温度係数が負であり、その室温近傍での抵抗温度係数は、6%以下であり、形成条件により変化した。表示パネルのフェースプレート側から、ラバーヒータで加熱することにより、フェースプレート1117とリアプレート1015との温度差を発生させた。そのときの温度差によるビーム移動の結果を以下に示す。加速電圧は10kvとした。

サンプル番号 抵抗温度係数 Rs1(Ω) Rs2/Rs1 温度差(℃) ビーム移動量
1 1.6% 5x107 56 15 0.06L
2 2.5% 8x1012 23 15 0.08L
3 2.8% 7x1013 12 15 0.09L
(比較例)
4 3.3% 2x1013 8 15 0.13L
5 4.7% 3x1013 14 15 0.20L

上記の結果のように、絶縁基板より(d−0.1λ)の厚さの膜領域の抵抗温度係数が、3%以内にあればビーム変動量は、0.1L以内に抑制される。
本発明は、長時間の表示してもスペーサ近傍に画像の乱れが発生しないことが求められる画像形成装置に用いることができる。
本発明の一実施形態の画像形成装置の斜視図である。 本発明の実施形態であるフェースプレートの蛍光体配列を例示した平面図である。 本発明の実施形態であるスペーサの斜視図である。 本発明の実施形態である高抵抗膜のビーム移動量の特性を示す図である。 本発明の実施形態である高抵抗膜のビーム移動量の特性を示す図である。 本発明の実施形態である高抵抗膜をエッチング方法の説明図である。 本発明の実施形態である高抵抗膜をエッチングしたときの電気特性を示す図である。 本発明の実施形態である高抵抗膜が抵抗分布を持つときの電気特性を示す図である。 表面伝導型素子の一例を示す図である。 FE型素子の一例を示す図である。 MIM型素子の一例を示す図である。 従来の画像形成装置の表示パネルを一部きり欠いて示した斜視図である。
符号の説明
20 スペーサ
25 電極
101 表示パネル
1010 黒色導電体
1011 基板
1012 電子放出部
1013 行方向配線電極
1014 列方向配線電極
1015 リアプレート
1016 側壁
1117 フェースプレート
1118 蛍光膜
1119 メタルバック
3004 導電性薄膜
3005 電子放出部
3010 基板
3011 エミッタ配線
3012 エミッタコーン
3013 絶縁層
3014 ゲート電極
3020 基板
3021 下電極
3022 絶縁層
3023 上電極
3117 フェースプレート
3118 蛍光膜
3119 メタルバック
3120 構造支持体(スペーサ)

Claims (4)

  1. 電子放出素子を有する電子源が形成された第1の基板と、前記電子源より放出される電子が照射される被照射体が形成された第2の基板とをスペーサを介して対向させ、前記第1及び第2の基板間に加速電圧を印加して、前記電子源より放出される電子を前記被照射体に照射させる画像形成装置において、
    前記スペーサは、絶縁性基体と該絶縁性基体の表面の少なくとも一部を被覆した高抵抗膜からなり、
    10kV以上且つ29kV以下の前記加速電圧における前記高抵抗膜の電子進入深さをλ、前記高抵抗膜の膜厚をd、αを0.1の定数とし、
    前記絶縁性基体表面から(d−αλ)の厚さまでの前記高抵抗膜のシート抵抗Rs1(Ω/□)と、膜表面からαλの厚さまでの前記高抵抗膜のシート抵抗Rs2(Ω/□)とは以下の関係を満たし、
    前記絶縁性基体表面から(d−αλ)の厚さまでの前記高抵抗膜の抵抗率よりも、膜表面からαλの厚さまでの前記高抵抗膜の抵抗率が高いことを特徴とする画像形成装置。
    2≦Rs2/Rs1≦100
    107≦Rs1≦1014
    λ>d
  2. 前記シート抵抗Rs1と前記シート抵抗Rs2が
    10≦Rs2/Rs1≦100
    であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記絶縁性基板表面から(d−αλ)の厚さまでの前記高抵抗膜の抵抗温度係数が、3%以下であることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  4. 前記高抵抗膜は、前記絶縁性基体表面から(d−αλ)の厚さを有する第1層と、該第1層と接し膜表面からαλの厚さを有する第2層と、を有する請求項1記載の画像形成装置。
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