JP3969168B2 - インクジェットプリンタのプラテン装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Ｔシャツの布地などに印刷を行うインクジェットプリンタのプラテン装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より布地に模様を印刷する方法としてシルク印刷が用いられている。この場合、予め縫製前の布地にその模様を印刷した後、例えばＴシャツの胸や背中の部位に模様がくるように所定の裁断を行い縫製している。そのため、この方法は工場などで生産する少品種多量生産には好適であるが、顧客の要求に合わせてユニークな模様を多品種少量作ることには適していない。
【０００３】
このような観点から、例えば一旦生産された無地の衣類に、後で模様を施す多品種少量用途も増加しており、その目的にかなう様々な方法が提案されている。例えば、転写材料を塗布した転写紙などの媒体に模様をコピー又はプリントしたり、転写性のトナーやインクを使用し特殊紙にコピー又はプリントして模様を持つ中間体を一旦作成した後、その中間体と被印刷体となる布地を重ね合わせて、熱や圧力又はその両方を作用させることにより模様を布地に転写して定着する方法は、パーソナル／ホームユース市場では一般的である。
【０００４】
更に、多品種少量生産を業務として行う方法として、パソコンなどに接続された特殊プリンタを利用して、パソコンのメモリに格納された模様のデータをＴシャツなどの衣類に直接印刷する方法も提案されている。例えば、特開平５―８４８８７号公報には、インク出力装置の固定されたテーブル上にセットされた衣類の上方を、前後左右にインクヘッドを移動させてインクを衣類上面に直接塗布するプリンタが開示されている。
【０００５】
又、同様に特開平１１―２２７１７１号公報には、上下のベルトにより押圧狭持されて搬送されるＴシャツなどの衣類の上方から、搬送方向に直交する方向に移動してインクを吐出する印字ヘッドを有する物品用図柄印刷装置が開示されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平５―８４８８７号公報で開示されているプリンタによると、Ｔシャツなどをセットするテープル上面にＴシャツ等の衣類を枠に嵌めてそのままセットするため、例えばＴシャツの胸の部分と背中の部分が同じテーブル上面に重ねられた状態で、すなわち、布地が２枚重ねられた状態でセットされることになる。そのため、枠に嵌め込まれているとはいえ、布地が浮きやすく皺も寄りやすいという問題がある。上記公報によるとこの問題を解決するため、各色の印字ヘッド毎に、布地までの距離を読み取るセンサーを配置して、読み取った距離に応じて印字ヘッドを上下させて布地までの距離を一定に保つように自動調整しているが、このような方法では、装置と制御が複雑になるという別の問題が生じる。
【０００７】
又、上述したようにＴシャツなどの衣類の場合、布地を２枚重ねた状態で上方からインクを吐出するため、布地が薄かったり布目が粗い場合や、インクの粘度が低い場合はインクが１枚目の布地を通過して２枚目の布地まで達する可能性がある。更に、衣類をテーブル上面に広げてセットするため、長袖などの袖部分や丈の下部などの非印刷部分を注意してセットしないと、印字ヘッドなどの可動部分の障害になりやすい。更に、上記の枠による衣類の固定は、布目方向に関係なく引っ張るように固定しているため、布地の伸びやすい方向に伸びた状態で布地が印刷されることになり、印刷後元に戻ると印刷した模様に歪みが生じる場合もある。
【０００８】
次に、特開平１１―２２７１７１号公報による印刷装置では、Ｔシャツなどを広げた状態で上下に配されたベルトで押圧狭持して搬送しながら上のベルトに配設された開口部を通してインクを吐出して印刷するため、上記の従来技術同様に２枚重ねられた下の布地にもインクが浸透する可能性があると同時に、装置が大型化する。
【０００９】
本発明は、上記の実状に鑑み、下の布地にインクが浸透したり、布地が伸びることにより印刷された模様が歪むことが少ないインクジェットプリンタのプラテン装置を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、プラテンは、袋状の被印刷体をその一端部から開くようにして挿通可能であり、かつ挿通された前記被印刷体の印刷面部分の内面を載置する載置面を備え、そして、プラテン装置に開閉自在に設けられ、かつ前記プラテンに挿通された前記被印刷体の上方から閉じたとき前記プラテンの載置面の周囲に前記被印刷体を押えつつ挿嵌されて前記載置面に載置された前記被印刷体の前記印刷面部分に張力を与える枠を備えるようにしている。これによって、Ｔシャツや衣類などの袋状の被印刷体をプラテンに挿通してその上から開閉自在な前記枠を閉じることによりプラテンの載置面に載置された前記被印刷体の前記印刷面部分に張力を与えてセットすることができるので、そのセットすることが容易になると同時に、セット不良が起こりにくく、あとは、このように被印刷体がセットされたプラテンを画像形成領域に搬送することで確実な印刷を行うことができる。この場合、前記印刷面部分の下側の被印刷体部分にはその間に前記プラテンが存在するためインクの浸透がない。
【００１１】
又、前記枠は前記プラテン装置の一側辺側で枢支された開閉自在な外枠と、前記外枠に対し回動自在な内枠とから成り、前記外枠を閉じた時に前記内枠が前記プラテンの載置面の周囲において前記被印刷体に当接する。そのため、プラテンに被印刷体をセットするための外枠の動きに対して実際に被印刷体を固定する働きをする内枠は回動方向には自由な動きが可能であるので、被印刷体を固定時に被印刷体に加わる力に偏りが生じにくく、バランスのとれた張力が保持され、被印刷体の印刷面に皺、浮き、弛みなどが発生しにくい。
【００１２】
同様に、枠の上面は、閉じた状態において、前記プラテン上面よりも印字ヘッドのインクを吐出する面に対して離れて位置して被印刷体を押える。そのため、被印刷体の下方に向けて効果的な張力を与えることができる。さらに、印字ヘッドのインク吐出面の障害になることはなく、印字ヘッドと枠により被印刷体がセットされたプラテンとの相対的な移動によって形成される画像形成領域の広がりに制限を与えることはない。又、内枠には、各辺が交わる角部を除いて被印刷体に当接する棒状部材から成る当接部が設けられており、この当接部により被印刷体の周囲を上方から押さえる。そのため、プラテンの角部に皺の原因となる過度の張力を集中的にかけることがない。なお、当接部を構成するものとしては、棒状部材に限るものではない。更に、外枠が閉じた時に被印刷体を介して当接する支持板に内枠の当接部が当接して被印刷体を挟持する。これにより、枠から直接的に不必要な負荷をプラテンが受けることが無く、均一な張力がかかった状態で被印刷体を確実にプラテン上に固定することができる。
【００１３】
又、略五角形の形状の支持板がプラテンに吊り下げられ、該五角形の頂点が被印刷体の挿脱を行う方向に位置するようにして、被印刷体の挿脱を行う前方側の辺に直交する２辺を上部に折り曲げたプラテントレイを前記支持板の下方に取り付ける。これにより、袋状の衣類などの被印刷体の中にプラテンと支持板を容易に挿脱することが可能で、プラテン上で被印刷体が重なることなく所定の印刷領域を印刷できる。さらに、五角形の支持板の頂点が挿入された被印刷体の位置合わせの目印となるので、挿入した後の位置合わせも容易になる。更にプラテン上に載らない被印刷体の他の部分をプラテンの下方でプラテントレイで受けるように収容するため、インクジェットプリンタの可動部の障害になることもない。
【００１４】
外枠を閉じた時に、被印刷体の挿脱を行う前側と後側の支持板上面に、突き当て部となる棒状部材が取り付けられる。そのため、前記の当接部となる棒状部材と被印刷体を介して密着するため、Ｔシャツの伸縮度が小さい方向に対して有効な張力をかけることが可能になる。なお、突き当て部を構成するものとしては、当接部を構成するものの場合と同様に、棒状部材に限るものではなく、装填された被印刷体に対して有効な張力をかけられるものであればその形状や材質を問わない。同時に、プラテンと枠と支持板はアルミニューム材でメッキによる表面処理が施されているため摩擦係数は小さく、反対に、前記棒状部材の摩擦係数は大きいため、被印刷体をプラテン上で滑らせるように周囲からプラテンの下方に向けて均一な張力を与えることができ、その後、支持板上で確実に押圧挟持することができる。又、棒状部材の取付位置が調整可能であるため、被印刷体の厚みや材質に合わせて適切な噛み込み圧力に調整可能にすることができる。
【００１５】
又、プラテンの各辺が交わる角部上面の面取りをして、プラテン角部で被印刷体に不均一な張力がかかり皺寄りや浮きなどが発生することを防いでいる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図１〜図８に基づいて説明する。先ず、本発明に係るプラテン装置を有する布地印刷用インクジェットプリンタの概略構成について、図１に基づき説明する。図１はインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【００１７】
インクジェットプリンタ１は印字ヘッド５や、不図示のインクカートリッジが装備されたキャリッジ４、キャリッジ４が左右方向（主走査方向）に往復摺動する軸となる１つ又は複数のガイド軸２、キャリッジ４に連結され往復摺動駆動力を伝達する駆動ベルト３、印字ヘッド５が初期位置（右端）にある時、所定のインターバルで印字ヘッド５の清掃を行う清掃ユニット６、左端にある時に印字ヘッド５から不要インクを吐出して印字ヘッドのフラッシングを行うフラッシングユニット７、清掃ユニット６或いはフラッシングユニット７を介して排出される廃インクが滴下される開口部９を有する廃インク貯蔵装置８、廃インク貯蔵装置８を所定の位置にセットするための挿脱口１０をインクジェットプリンタ１の本体部に備え、さらに、Ｔシャツなどの被印刷体を挿入する場合のガイドとなる支持板１５、Ｔシャツなどの被印刷体をセットするためのプラテン１２と被印刷体の非印刷部分の垂下がりを防止し、この垂れ下がった被印刷部分を収納するプラテントレイ１３と被印刷体をプラテンに固定する枠１４とから構成されるプラテン装置１１から成っている。
【００１８】
次に、インクジェットプリンタ１の概略動作を説明する。図示しないプラテン作動スイッチを押すと、プラテン装置１１はインクジェットプリンタ１に収容された位置（印刷開始位置）から被印刷体セット位置（図１に示される位置）に摺動操出された後停止する。この後、枠１４を上方に開くように持ち上げた状態で、プラテン上に被印刷体をセットし、枠１４を下方に閉めるようにして、被印刷体を固定する。この時、枠１４からはみ出した被印刷体の部分は、プラテン１２の下部に設置されたプラテントレイ１３に収納しておくことでインクジェットプリンタ１の可動部の障害とならずにすみ、印刷中に被印刷体を汚すこともなくなる。
【００１９】
この後、図示しない印刷開始スイッチを押すと、被印刷体が固定されたプラテン装置１１はインクジェットプリンタ１の後側（印刷開始位置）へ、摺動しながら移動する。印刷開始位置に戻ると、印字ヘッド５を有するキャリッジ４が駆動ベルト３により主走査方向に往復摺動すると同時に、印字ヘッド５のノズルから所定のインクが被印刷体上に吐出され印字を開始する。主走査方向の一往復摺動が終了すると、プラテン装置１１が副走査方向に一ステップ移動し、次の主走査方向の印字が始まる。以上の動作を繰り返すことにより、被印刷体上に所定の模様などの印刷を行うことが可能となる。なお、印字は上述の動作によるものばかりとは限らず、印字ヘッド５が左から右あるいは右から左に摺動したらプラテン装置１１が一ステップ移動し、以上の動作を繰り返すことで印字を行うようにしてもよく、動作手順に限定はない。
【００２０】
印字ヘッド５は複数の色のインクに対応した複数のノズルを備えており、上記の動作中、複数の色に対応したインクカートリッジからインク供給流路を介して各色のインクが供給される。更に、印字ヘッド５の清掃のために吐出或いは吸引された廃インクは清掃ユニット６を介して、更に印字ヘッド５のフラッシングのために吐出された廃インクはフラッシングユニット７を介して、それぞれ図示しない廃インク排出流路を流れて、インクジェットプリンタ１に挿入された廃インク貯蔵装置８の開口部９の上方に配された図示しない滴下チューブから廃インク貯蔵装置８の開口部９へ滴下される。
【００２１】
次に、本発明に係るプラテン装置の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図２は本発明に係る実施形態のプラテン装置の斜視図である。図３はプラテン装置の左側面図である。尚、図２を参照する場合、図の右側、すなわち、被印刷体をプラテンに挿脱する側を「前側」、図の左側を「後側」、同様に、図の左下を「左側」、右上を「右側」と便宜的に呼称する。
【００２２】
プラテン装置１１は、全体としては、被印刷体が載置される直方形の平板状プラテン１２と、このプラテン１２の下部に配置される略５角形の支持板１５と、プラテン１２に載置された被印刷体を支持板１５とともに挟持して保持する枠１４と、これらプラテン１２と支持板１５と枠１４との下部に位置して、枠１４により挟持された被印刷体のプラテン１２上に載らなかった部分を受けるようにして収容するプラテントレイ１３とから構成される。
【００２３】
このうちプラテン１２の下面には、支持板取り付けピン１６がねじ止めされている。この支持板取り付けピン１６の下方の他端には、被印刷体の挿脱方向の対応する装置前側にその頂点である角部がくるように略５角形の支持板１５が吊り下げられるようにして保持されている。支持板１５の上面の装置前側と後側に突き当て部としての丸棒形状の押さえ棒下１７が配置されている。装置前側に角部があるので、Ｔシャツのような袋状の被印刷物の上面側と下面側をそれぞれプラテン１２上と支持板１５の下側に位置するように開いて挿入することが容易にでき、被印刷物を載置するときの位置決めの目安ともなる。
【００２４】
被印刷体をこの支持板１５とともに挟持して保持する枠１４は、一側辺で回動自在に支持された直方体の外枠１８と、この外枠１８に内接するように左右の辺で支えられて回動自在に支持された直方体の内枠１９と、外枠１８を開閉する場合の取っ手として働くアーム２０とから構成されている。内枠１９の各辺の下面には、被印刷体を支持板１５とともに挟持して保持するために枠１４を閉じたときに、支持板１５の上面に接して被印刷体を挟持する当接部としての押さえ棒上２１が設置されている。なお、枠１４を閉じたとき、内枠１９の左右の辺に設置された押さえ棒上２１は、支持板１５の上面と被印刷物を挟んでこれを保持するだけであるが、内枠１９の装置前側と後側に設置された押さえ棒上２１は、支持板１５の上面で被印刷物を保持するだけでなく、支持板１５の上面に設置された押さえ棒下１７とともに被印刷物を挟持して密着する。そのため、たとえばＴシャツのように幅方向に伸縮度が大きく丈方向には伸縮度が小さいといった被印刷物に対しても、良好な印刷結果を得るための適切な張力をかけることができる。また、この枠１４を閉じて支持板１５に当接させた状態では、枠１４の上面がプラテン１２の表面より上に位置することがないように構成されているので、被印刷体に有効な張力を与えることができるとともに、印字ヘッド５による印刷動作の妨げとなることがない。これは画像形成領域を決める上で、設計上の自由度を与えることになる。
【００２５】
支持板１５の下方には、プラテン１２と支持板１５を受けるようにプラテントレイ１３が、プラテントレイ１３の下面の右側と左側に延設されたトレイ支持棒２３により保持されている。ここには、Ｔシャツなどの被印刷体をプラテン１２に載置したときに、垂れ下がってしまう被印刷体の非印刷部分が収納されることになる。また、このプラテントレイ１３は、右側と左側の端部が上方に折り曲げられているので収納された被印刷部分が側方にはみ出してしまい、本発明のインクジェットプリンタ１の可動部の障害となることも、これにより被印刷体を汚してしまうこともないようになっている。
【００２６】
プラテン装置１１は、さらに、支持板１５が吊り下げられたプラテン１２をその下部から支えるアーム部材２５と、プラテン装置１１の上部にあって被印刷体を支持板１５とともに保持する枠１４の外枠１９を回動自在に枢支する枠支持板２２と、アーム部材２５とトレイ支持棒２３とが連結固定される底部２４とから構成される。この底部２４の上面には、枠１４の開閉枢支軸となる枠支持板２２が固定されている。このように、プラテン装置１１は、底部２４により、その主要な構成部材であるプラテン１２と支持板１５と枠１４とプラテントレイ１３とが一体に組み付けられた構成となっている。
【００２７】
上記の構造において、図示しないプラテン作動スイッチを押すと、プラテン装置１１は被印刷体セット位置（図１に示される位置）に摺動操出された後停止する。この後、アーム２０を手で持って、枠１４を上方に開くように持ち上げた状態で、プラテン上に被印刷体をセットすることができる。この時、Ｔシャツなどの袋状の衣類をそのままプラテン上にセットすると、例えば、胸部と背中部の布地が重なり合い、布地が浮いて皺が生じやすく、上面からインクを吐出して印刷すると印刷不良が発生しやすくなる。又、従来技術の課題として前述したように、インクが２枚目の布地に浸透して印刷汚れが発生する場合がある。
【００２８】
このため、本実施形態ではＴシャツなどの袋状の衣類をプラテンにセットする場合、図４に示すようにＴシャツの印刷面となる布地をプラテン上面に、反対側の布地を支持板下方に滑り込ませるようにしてセットできる構造になっている。図４（Ａ）はＴシャツ３２の挿入時の斜視図、図４(Ｂ)はＴシャツ３２挿入後の状態の斜視図、図４（Ｃ）はＴシャツ３２がプラテン１２にセットされた状態の前側面図、図４（Ｄ）はＴシャツ３２をプラテン１２にセットして枠を下げて固定した状態の右斜視図である。
【００２９】
図４（Ｂ）に示すように、プラテン１２と支持板１５とからなる構造体を包み込むように、袋状のＴシャツ３２の裾部分を開くようにして装置前側から挿入すると、Ｔシャツ３２の胸部と背中部をプラテン１２の上方と支持板１５の下方に容易に振り分けることが可能となる。更に、支持板１５はＴシャツ３２の挿入時に案内ガイドとなるように、装置前側に五角形の頂点部がくるような形状になっており、その頂点部及び頂点部から傾斜して装置右側と左側に位置する角部は、挿入時にＴシャツ３２が引っ掛からず、滑り込ませやすいように丸みを帯びた形状になっている。
【００３０】
Ｔシャツ３２の肩部を支持板１５の装置前側の傾斜辺に沿うまで挿入した状態を図４（Ｂ）に示す。この時、支持板１５の前記の頂点部３１が襟の開口部の中心に来るようにセットする。通常のサイズのＴシャツであれば、この状態でプラテン１２の中心部にＴシャツ３２の幅と丈方向の中心部分が来るように、プラテン１２と支持板１５の寸法が設定されている。
【００３１】
なお、本実施形態では、支持板１５を吊り下げているプラテン１２をその下から支えているアーム部材２５は、図３に示したように、底部２４より装置前側に対して斜め上方の延びるように配置されているので、支持板１５の下部には被印刷体を滑り込ませるために十分の空間が確保されている。そのため、袋状の被印刷体であっても、プラテン１２上に載せられている被印刷部に皺、浮きあるいは弛み等が生じることなく、十分に奧まで挿入することができる。
【００３２】
上記のようにＴシャツ３２を完全に挿入した後、裾部、脇腹部、袖部などをそのままの状態にしておくと、プラテン装置１１の摺動時にプラテン装置１１やインクジェットプリンタ１の可動部の障害となり、Ｔシャツ３２の前記部分が汚れたり破損したりする。最悪の場合、可動部にＴシャツ３２が引き込まれてプリンタの故障の原因ともなる。そのため、Ｔシャツ３２の挿入後、図４（Ｃ）に示すように、プラテン１２に載らない部分は支持板１５の下方に垂らすよう中心部に巻き込み、プラテントレイ１３で受けるように収容する。このプラテントレイ１３は、その左右の端部が上向きに折り曲げられているので、収容された被印刷体は側方にはみ出ることがない。この場合、プラテントレイ１３で受けるように収容する状態を目視確認できるようにプラテントレイ１３の材質を、透明又は半透明のアクリル樹脂などにしても良い。
【００３３】
前記のようにプラテン１２に載らない布地部分の処理をした後、枠１４を手前下方に閉めると、図４（Ｄ）に示すようにＴシャツ３２が枠１４に内接する内枠１９により固定され、プラテン１２の上面に載っている布地に軽く張力が与えられるので、その印刷面は皺や弛みが生じ難くい平らな状態に維持される。
【００３４】
このようにしてＴシャツを固定する構造を図５（Ａ）〜図５（Ｃ）を参照して、より詳細に説明する。図５（Ａ）は、図４（Ｄ）のＡ−Ａ断面図であり、プラテン１２上にセットされたＴシャツ３２の幅方向で、内枠１９の左右の辺下面に設置された丸棒形状の押さえ棒上２１がＴシャツ３２を上部から軽く押える構造を示している。図５（Ｂ）は、図４（Ｄ）のＢ−Ｂ断面図であり、プラテン１２上にセットされたＴシャツ３２の丈方向にＴシャツ３２を、内枠１９の前後の辺下面に設置された押さえ棒上２１が支持板１５の上面に設置された押さえ棒下１７に噛み合いながら、Ｔシャツ３２の上部から軽く挟持し張力をかけていく過程を示しており、図５（Ｃ）は、図５（Ｂ）の過程を経た後、Ｔシャツ３２がセットされた状態を示す図である。図５（Ｄ）は押え棒上２１又は押え棒下１７の位置調整を可能にしたことを示す図である。これにより、押さえ棒上２１と押さえ棒下１７とで被印刷体を挟持するときに働く張力を調整することができる。
【００３５】
Ｔシャツなどの衣類に使用される布地は、一般的に幅方向に伸縮しやすく、丈方向に伸縮し難くい布目構造になっている。そのため、プラテン１２上に載ったＴシャツを軽く引っ張るように押えて固定する場合、前記の布地の性質を充分理解する必要がある。すなわち、幅方向と丈方向に同じ張力をかけてＴシャツを固定すると、丈方向の伸びは無視できる程度であるが、Ｔシャツの印刷面において幅方向に大きく伸びたままの状態で印刷が行われることになる。印刷終了後、Ｔシャツをプラテンから外すと、幅方向の伸びは元に戻り、印刷した模様が幅方向に縮んでしまう。
【００３６】
この課題に対処するため、本実施形態では、幅方向にはほとんど張力をかけずにＴシャツを押える程度とし、丈方向に張力を与える構造にしている。図５（Ａ）に示すように、プラテン１２にセットされたＴシャツ３２の印刷面の皺を取るように、Ｔシャツ３２の印刷領域以外の部分を支持板１５の下部に送り込み、プラテントレイ１３で受けるように収容した後、枠１４（図１）を閉じてＴシャツ３２を押えると、内枠１９の装置右側と左側の枠の下面に固定された棒状の押え棒上２１の下部に枠１４の自重がかかり、押え棒上２１の下接線部がＴシャツ３２を介して支持板１５に当接する。このように枠１４の自重を押え棒上２１の接線部にかけるため、張力はほとんどかからず、布地が必要以上に横方向に伸びていない状態のまま支持板１５に固定されることになる。
【００３７】
しかし、ある程度の張力がないと印刷面で皺よりの原因となるため、図５（Ｂ）に示すように、プラテン１２にセットされたＴシャツ３２の印刷面の皺を取るように、Ｔシャツ３２の印刷領域以外の部分を支持板１５の下部に送り込み、プラテントレイ１３で受けるように収容した後、枠１４（図１）を閉じてＴシャツを押えると、内枠１９の装置前側と後側の枠の下面に固定された棒状の押え棒上２１が、Ｔシャツ３２の布地を上方から押えながら支持板１５の上面の装置前側と後側に配された押え棒下１７とで布地を挟み込むようして下方に移動する。枠１４が閉じられた状態において、押え棒上２１と押え棒下１７とは布地を噛み込むように突き当たる。こうして、布地をプラテン上面から下方に引っ張る力が生じて布地を引っ張るとともに、図５（Ｃ）に示すように、枠１４（図１）が所定の位置にセットされた後もその張力は保持されて布地が緩みにくくなる。
【００３８】
上記のように枠１４を閉じて布地を上方から下方に引っ張るように張力を生じさせ、その張力を保持すること以外にも、枠１４を閉じた時に、枠１４の上面はプラテン上面より印字ヘッドの吐出面に対してより離れて位置することが大事である。このようにすれば、張力を均一にかけやすく、プラテン１２が移動中に枠１４が印字ヘッド５に衝突することもなくなる。また、プラテン１２と印字ヘッド５との相対移動を行う上で障害となるものがないので、被印刷体への印刷領域の設定に自由度が生じることになる。
【００３９】
更に、前述したようにプラテン１２や支持板１５はＴシャツを滑らせるように挿入させるため、アルミニューム材に無電解ニッケル表面処理などのメッキ処理を施して摩擦係数を小さくしている。反対に、押え棒上２１や押え棒下１７は布地に接して布地を押えたり、プラテン１２の上面から下方に引っ張ったりすることから、プラテン１２や支持板１５の摩擦係数より大きい係数を持つ材料を使用したり、表面処理を施す必要がある。また、Ｔシャツ３２を透過したインクがプラテン１２に付着したり、外枠１８や内枠１９にインクが付着する可能性もあり、上記した材質と表面処理にすれば表面の平滑性に優れた効果を発揮するので、付着したインクが容易に拭き取れる。勿論、上記材料や表面処理に特定する必要は無く、その主旨に沿うものであればよい。
【００４０】
又、図５（Ｄ）に示すように、押え棒下１７又は装置前後側に設けられた押え棒上２１の取付位置を、ねじ止めなどにより装置前後方向に調整可能にすれば、Ｔシャツ３２の丈方向の押さえ張力を可変とし、布地の厚みや材質に対して適切な張力を設定できる。
【００４１】
次に、図６を参照して、Ｔシャツの丈方向の装置前側と後側の張力のバランスについて説明する。図６は外枠１８に対して回動自在に保持された内枠１９と、プラテン１２と支持板１５を示す断面図である。前記したように、プラテン１２上面にセットされたＴシャツ３２の皺や弛みを取ったり、印刷時にセットされたＴシャツ３２が弛まないようにするため、装置前側と後側から丈方向に張力をかけている。しかし、装置前側と後側の一方の張力が他方の張力より強い場合、他方で押えた布地が一方に引っ張られて、必要な張力が発生しない場合がある。又、このようなバランスを欠いた張力により、新たな皺や弛みが発生する場合もある。
【００４２】
そのため、外枠１８に内接する内枠１９を、外枠１８に対して回動自在に内枠固定ピン３３で枢支支持する。このようにすると、枠１４を下方に閉めて押え棒上２１が布地に当接するとき、外枠１８の支持板１５に対する角度にかかわらず内枠１９は略水平に維持され、押え棒上２１は布地を介して装置前側と後側の押え棒下１７にほぼ同時に密着するようになる。これにより、装置の前側と後側からＴシャツ３２に対し同様の張力が加わることになるので、被印刷体へのバランスのとれた張力の印加が可能となる。
【００４３】
又、プラテン１２の角部で布地が弛んだり皺が寄ったりする場合がある。図７（Ａ）と（Ｂ）を参照してプラテン角部の布地の状態を説明する。図７（Ａ）はプラテン角部が鋭角の場合の布地の状態を示すワイヤフレーム図で、図７（Ｂ）はプラテン角部を面取りした場合の布地の状態を示すワイヤフレーム図である。図７（Ａ）に示すようにプラテン１２の各辺が直交する角部３４が面取りをしない略直角の場合、鋭角な角部３４により張力が部分的に急激に変化するため、角部３４上で布地が盛り上がるように皺が寄る場合がある。このような皺が発生すると、模様を印刷する布地の中心部に皺が移動して印刷不良が発生したり、後述する印刷面上の障害物を検知するセンサーに検知され、印刷が出来ない状態になることもある。更に、図２に示す押え棒上２１と押え棒下１７が長すぎる場合も、枠１４を閉じた時に、プラテン１２の角部３４にかかる布地が必要以上に押えられたり、角部３４に不要な張力が与えられたりすることにより、上記と同様の問題が生じる場合もある。
【００４４】
そのため、図７（Ｂ）に示すように、角部３４を大きく面取りして、上述した張力の急激な変化を分散させるようにすると、角部３４で印刷の障害になる布地の盛り上がりや皺が発生し難くなる。又、同時に図２に示すように、押え棒上２１と押え棒下１７がプラテン角部の下方で交差しないように短くすることにより問題が発生する可能性は非常に小さくなる。
【００４５】
このように本発明の実施の形態では、プラテン１２上に印刷面がセットされるＴシャツ３２などの布地が容易かつ確実にセットでき、プラテン１２上で布地が浮いたり、皺が寄ったりしないプラテン装置１１について説明したが、プラテン装置１１が装備されるインクジェットプリンタ１の構造、布地の種類などにより、上記の主旨を逸脱しない範囲において、説明した機構や方法を選択的に組み合わせることも可能である。
【００４６】
次に、印刷面上に浮きや撓み或いは落下物などの障害物が存在して、印刷不良を生じさせたり印字ヘッド５を損傷させることを事前に防ぐことができる、干渉物の検出方法について図を参照して説明する。上述した図１のインクジェットプリンタ１において、被印刷体をセットする位置（図示の位置）にプラテン装置１１がある時、プラテン装置１１の移動方向にあって、印字ヘッド５とプラテン１２の後端（装置後側）との間に、発光センサーヘッド４１と受光センサーヘッド４２がインクジェットプリンタ１の図示しない機構枠に固定装着されている。
【００４７】
より具体的に、関連部品との位置関係を図８（Ａ）〜（Ｃ）に基づいて説明する。図８（Ａ）は印字ヘッド５と発光センサーヘッド４１とプラテン装置１１の位置関係を示す左側面図である。図８（Ｂ）は図８(Ａ)の前側面図である。図８(Ｃ)はプラテン装置１１が移動中の左側面図である。図８(Ａ)に示すように、プラテン装置１１が移動する面に対しての発光センサーヘッド４１の水平位置は、キャリッジ４に装着された印字ヘッド５とプラテン装置１１の後端との間にあって、インクジェットプリンタ１の図示しない機構枠に固定されている。
【００４８】
更に、図８(Ｂ)に示すように、発光センサーヘッド４１が発光した光を受光する受光センサーヘッド４２は、プラテン装置１１を挟んで反対側に装着されており、発光センサーヘッド４１と同じ水平位置にある。それぞれのセンサーヘッドの垂直位置は、印字ヘッド５の印字ヘッド面（下面）とプラテン１２上にセットされたＴシャツ３２の印刷面（上面）との間に有り、上方に大きく突出するＴシャツ３２の皺や弛みや浮きや、操作中に印刷面上に誤って落とした落下物などが、被印刷体の印刷面と印字ヘッド５の印字面との間にある場合、干渉物として検出するようになっている。このような干渉物が存在すると、印刷不良が発生したり、最悪の場合、印字ヘッド５に衝突したり、或いはその下面とＴシャツ３２との間に食い込んで、印字ヘッド５を故障または破損させる可能性がある。
【００４９】
そのため、干渉物の実際の検出は、図８（Ｃ）に示すように、プラテン１２上にＴシャツ３２などの被印刷体をセットした後、プラテン装置１１が前側（被印刷体セット位置）から後側（印刷開始位置）に移動中に行われる。この間に干渉物が検出されると、プラテン装置１１は即座に移動を中止して待機する。このようにすれば、干渉物を検出した場合、印刷は行われず印刷不良が発生することはない。或いは、干渉物が検出されると、プラテン装置１１は即座に移動を中止して、前側（被印刷体セット位置）に反転し、被印刷体のセット位置で停止するようにしてもよい。この場合、被印刷体を再セットするために、プラテン装置１１を前側に再度移動させる手間が省ける。又、図８（Ｃ）で明らかなように、そのような干渉物が印字ヘッド５の下方に到達する前に、検出とプラテン装置１１の停止あるいは前側への反転が行われるので、干渉物が印字ヘッド５に衝突して損傷させることもない。
【００５０】
上記で、発光センサヘッド４１から光が受光センサヘッド４２に向けて発光され、干渉物が遮光した場合に検出する光透過型センサーを用いた実施例について説明したが、検出の方法はこれに限定されず、上記の目的に沿う範囲であれば他の方法でも可能である。
【００５１】
なお、本実施形態では、支持板１５を吊り下げ保持しているプラテン１２を、アーム部材２５は、図３に示したように、底部２４より装置前側に対して斜め上方の延びるようにして支持している。そのため、例えば、袋状の被印刷体のサイズが異なるものを用いて印刷しようとした場合、被印刷体のサイズに適応したプラテン１２と支持板１５とを用いる必要があるが、両者を組として一度に交換することができる。交換作業にかかる時間が短くてすむ。このとき、枠１４の内枠１９も新たに交換されたプラテン１２と支持板１５に適応したサイズのものに交換する。あるいは、枠１４ごと交換してもよい。このようにして、被印刷体の大きなものから小さなものまで、大きさに限定されることなく良好な印刷ができる。
【００５２】
【発明の効果】
本発明によると、プラテンは、袋状の被印刷体をその一端部から開くようにして挿通可能であり、かつ挿通された前記被印刷体の印刷面部分の内面を載置する載置面を備え、そして、プラテン装置に開閉自在に設けられ、かつ前記プラテンに挿通された前記被印刷体の上方から閉じたとき前記プラテンの載置面の周囲に前記被印刷体を押えつつ挿嵌されて前記載置面に載置された前記被印刷体の前記印刷面部分に張力を与える枠を備えたため、Ｔシャツや衣類などの袋状の被印刷体をプラテンに挿通してその上から開閉自在な前記枠を閉じることによりプラテンの載置面に載置された前記被印刷体の前記印刷面部分に張力を与えてセットすることができ、そのセットすることが容易になると同時に、セット不良が起こりにくく、確実な印刷を行うことができる。この場合、前記印刷面部分の下側の被印刷体部分にはその間に前記プラテンが存在するためインクの浸透がない。
【００５３】
又、本発明によると、前記枠は前記プラテン装置の一側辺側で枢支された開閉自在な外枠と、前記外枠に対し回動自在な内枠とから成り、前記外枠を閉じた時に前記内枠が前記プラテンの載置面の周囲において前記被印刷体に当接するため、バランスのとれた張力で保持され、被印刷体の印刷面に皺、浮き、弛みなどが発生しにくい。
【００５４】
同様に、枠の上面は、閉じた状態において、前記プラテン上面よりも印字ヘッドのインクを吐出する面に対して離れて位置して被印刷体を押えることにより、被印刷体の下方に向けて効果的な張力を与えることができるとともに、印字ヘッドのインク吐出面の障害になることはない。又、内枠には、各辺が交わる角部を除いて被印刷体に当接する棒状部材から成る当接部が設けられており、被印刷体の周囲を上方から押さえることが可能となるとともに、プラテンの角部に皺の原因となる過度の張力をかけることがない。更に、外枠が閉じた時に被印刷体を介して当接する支持板に内枠が当接して被印刷体を挟持することが可能となり、被印刷体を確実にプラテン上に固定することができる。
【００５５】
又、略五角形の形状の支持板がプラテンに吊り下げられ、該五角形の頂点が被印刷体の挿脱を行う方向に位置するようにして、被印刷体の挿脱を行う前方側の辺に直交する２辺を上部に折り曲げたプラテントレイを前記支持板の下方に取り付けるため、袋状の衣類などの被印刷体を容易に挿脱することが可能で、挿入した後の位置合わせも容易になる。更にプラテン上に載らない被印刷体の他の部分をプラテンの下方でプラテントレイで受けるように収容するため、インクジェットプリンタの可動部の障害になることはない。
【００５６】
外枠を閉じた時に、被印刷体の挿脱を行う前側と後側の支持板上面に、突き当て部となる棒状部材が取り付けられ、前記の当接部となる棒状部材と被印刷体を介して密着するため、Ｔシャツの伸縮度が小さい方向に対して有効な張力をかけることが可能になる。同時に、プラテンと枠と支持板はアルミニューム材でメッキによる表面処理が施されているため摩擦係数は小さく、反対に、前記棒状部材の摩擦係数は大きいため、被印刷体をプラテン上で滑らせるように周囲からプラテンの下方に向けて均一な張力を与えることができ、その後、支持板上で確実に押圧挟持することができる。又、棒状部材の取付位置が調整可能であるため、被印刷体の厚みや材質に合わせて適切な噛み込み圧力に調整可能にすることができる。
【００５７】
又、プラテンの各辺が交わる角部上面の面取りをして、プラテン角部で被印刷体に不均一な張力がかかり皺寄りや浮きなどが発生することを防いでいる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の廃インク貯蔵装置を用いるインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図２】 プラテン装置の斜視図である。
【図３】 プラテン装置の左側面図である。
【図４】 （Ａ）はＴシャツ３２の挿入時の斜視図、 (Ｂ)はＴシャツ３２挿入後の状態の斜視図、（Ｃ）はＴシャツ３２がプラテンにセットされた状態の前側面図、（Ｄ）はＴシャツ３２をプラテンにセットして枠を下げて固定した状態の右斜視図である。
【図５】 （Ａ）は、図４（Ｄ）のＡ−Ａ断面図であり、プラテン１２上にセットされたＴシャツ３２の幅方向でＴシャツ３２を上部から軽く押える構造を示しており、（Ｂ）は、図４（Ｄ）のＢ−Ｂ断面図であり、プラテン１２上にセットされたＴシャツ３２の丈方向にＴシャツ３２を上部から軽く挟持し張力をかけていく過程を示しており、（Ｃ）は、図５（Ｂ）の過程を経た後、Ｔシャツ３２がセットされた状態を示す図で、（Ｄ）は押え棒上２１又は押え棒下１７の位置調整を可能にしたことを示す図である。
【図６】 外枠に対して回動自在に保持された内枠と、プラテンと支持板を示す断面図である。
【図７】 （Ａ）はプラテン角部が鋭角の場合の布地の状態を示すワイヤフレーム図で、（Ｂ）はプラテン角部を面取りした場合の布地の状態を示すワイヤフレーム図である。
【図８】 （Ａ）は印字ヘッド５と発光センサーヘッド４１とプラテン装置１１の位置関係を示す左側面図で、（Ｂ）はその前側面図で、 (Ｃ)はプラテン装置１１が移動中の左側面図である。
【符号の説明】
１ インクジェットプリンタ
２ ガイド軸
３ 駆動ベルト
４ キャリッジ
５ 印字ヘッド
６ 清掃ユニット
７ フラッシングユニット
８ 廃インク貯蔵装置
９ 開口部
１０ 挿脱口
１１ プラテン装置
１２ プラテン
１３ プラテントレイ
１４ 枠
１５ 支持板
１６ 支持板取付ピン
１７ 棒下
１８ 外枠
１９ 内枠
２０ アーム
２１ 支持板
２１ 押え棒上
２２ 枠支持板
２３ トレイ支持棒
２４ 底部
２５ アーム部材
２５ 廃インク滴下チューブ
３１ 頂点部
３２ Ｔシャツ
３３ 内枠固定ピン
３４ 角部
４１ 発光センサーヘッド
４２ 受光センサーヘッド

Claims (15)

1. プラテンに被印刷体の印刷面部分を載置し、印字ヘッドからインクを吐出して前記印刷面部分に画像を形成する画像形成領域に前記プラテンを搬送するインクジェットプリンタのプラテン装置において、
   前記プラテンは、袋状の前記被印刷体をその一端部から開くようにして挿通可能であり、かつ挿通された前記被印刷体の前記印刷面部分の内面を載置する載置面を備え、
   前記プラテン装置に開閉自在に設けられ、かつ前記プラテンに挿通された前記被印刷体の上方から閉じたとき前記プラテンの載置面の周囲に前記被印刷体を押えつつ挿嵌されて前記載置面に載置された前記被印刷体の前記印刷面部分に張力を与える枠を備えることを特徴とするプラテン装置。
2. 前記枠は前記プラテン装置の一側辺側で枢支された開閉自在な外枠と、前記外枠に対し回動自在な内枠とから成り、前記外枠を閉じた時に前記内枠が前記プラテンの載置面の周囲において前記被印刷体に当接することを特徴とする請求項１に記載のプラテン装置。
3. 前記枠の上面は、閉じた状態において、前記プラテン上面よりも前記印字ヘッドのインクを吐出する面に対して離れて位置して、前記被印刷体を押えることを特徴とする請求項２に記載のプラテン装置。
4. 前記内枠は被印刷体に当接する当接部を備え、前記当接部は前記内枠の各辺が交わる角部を除いて設けられたことを特徴とする請求項２または請求項３に記載のプラテン装置。
5. 前記当接部は、前記内枠の各辺に沿って延設された第１の棒状部材であることを特徴とする請求項４に記載のプラテン装置。
6. 前記外枠が閉じたときに前記被印刷体を介して前記内枠が当接し、前記内枠の当接部で前記被印刷体を挟持する支持板を備えることを特徴とする請求項２から請求項５のいずれかに記載のプラテン装置。
7. 前記支持板は前記プラテンに吊り下げられていることを特徴とする請求項６に記載のプラテン装置。
8. 前記支持板は略五角形の形状で、該五角形の頂点が被印刷体の挿脱を行う方向に位置するようにしたことを特徴とする請求項６又は請求項７に記載のプラテン装置。
9. 被印刷体の挿脱を行う前方側の辺に直交する２辺を上部に折り曲げたプラテントレイを備え、前記プラテントレイを前記支持板の下方に取り付けたことを特徴とする請求項６から請求項８のいずれかに記載のプラテン装置。
10. 前記支持板面上に設置された突き当て部を備え、前記突き当て部は前記外枠を閉じた時に前記内枠の前記当接部と被印刷体を介して密着することを特徴とする請求項６から請求項９のいずれかに記載のプラテン装置。
11. 前記突き当て部は前記支持板面上に設置された第２の棒状部材であり、前記第２の棒状部材は、前記支持板面上において前記被印刷体の挿脱を行う前方側と後方側に設置されていることを特徴とする請求項１０に記載のプラテン装置。
12. 前記当接部と前記突き当て部の摩擦係数は前記プラテン及び前記支持板の摩擦係数より大きいことを特徴とする請求項１０又は請求項１１に記載のプラテン装置。
13. 前記第１と第２の棒状部材の取付位置を調整可能として被印刷体の噛み込み圧力を調整可能としたことを特徴とする請求項１１に記載のプラテン装置。
14. 前記プラテンの各辺が交わる角部上面を面取りしたことを特徴とする請求項１から請求項１３のいずれかに記載のプラテン装置。
15. 前記プラテンと前記枠と前記支持板はアルミニュームから成り、メッキ法による表面処理が施されていることを特徴とする請求項６から請求項１４のいずれかに記載のプラテン装置。

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