JP3969091B2 - 遠心分離機及びこれを用いる試料調製装置 - Google Patents
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Description
本発明は遠心分離機及び遠心ロータに関し,試料媒質と溶媒の分離回収に好適な遠心分離方法,遠心分離装置に関する。
背景技術
DNA又はmRNA等の生体中のポリヌクレオチドを測定して生命の機能を明らかにする試みが盛んになりつつある。具体的なアプローチの方法として,(1)標的DNAと相補な配列を持つDNAプローブを作り,このDNAプローブが標的DNAとハイブリダイズするか否かを調べるプローブ検査,(2)標的DNA配列の存在する領域を選び,1組のDNAプライマーを用いてPCR増幅されるか否かを調べたり,増幅した断片の長さや配列を調べるPCR検査等がある。
生体機能は,非常に多種類の遺伝子が相互に関連しながら発現することにより成り立っているので,染色体に含まれる遺伝子の転写発現を総合的に評価する必要がある。ガンや遺伝病をDNAレベルで解明する試みに於いても,健常細胞と変異細胞中のmRNAの比較,又は健常細胞と変異細胞中の広範囲のDNAの差異の比較を行なう必要がある。mRNAの計測では,先ず,細胞からmRNAを抽出し,逆転者酵素を用いてcDNAを作り,プローブ検査やPCRを用いて特定mRNAを検出する。細胞間や臓器間でのmRNA発現の比較を行なうディファレンシャルディスプレー(Peng Liang and Arthur B.Pardee,Science 258,967−972(1992))や,増幅断片長多型解析(Amplified Fragment Length Polymorphisms)(WO93/06239)が注目を集めている。この方法では,mRNAをランダムプライマーや任意配列のプライマーを用いてPCR増幅して得られるパターンを比較して,細胞間や臓器間でのmRNA発現の比較を可能としている。
一方,ゲノム又は特定のDNA領域に注目したフィンガープリント法も試みられている。制限酵素ランドマークスキャニング法では,ゲノムをレアーカッターであるNotIを用いて切断し,切断部に標識を導入する。次に,アガロース電気泳動で分離する。電気泳動分離後,電気泳動分離したDNAを4塩基認識酵素を用いてゲル中で再切断した後に,アガロースゲルをポリアクリルアミドの平板ゲル上に展開する。即ち,2次元電気泳動により,非常に多種類のゲノム由来DNA断片を検出できるように工夫している。
ゲノム解析を中心にDNA塩基配列決定の高効率化のニーズが高まっている。従来の放射性同位元素を用いてDNA断片を標識し,ゲル電気泳動によりDNAの長さを計測して人手により行なう塩基配列決定法に代わり,DNAを蛍光体で標識し,ゲル電気泳動しながら光を照射して自動的にDNA断片を光学検出する装置(DNAシーケンサー),塩基配列決定方法が普及してきている。塩基配列決定方法は,サンガー法又はダイデオキシ法と呼ばれ方法であり,標的DNAにプライマーであるDNAオリゴマーをハイブリダイズさせ,酵素を用いた相補鎖合成反応により塩基配列決定に用いる種々の長さのDNA断片を作製し,ゲル電気泳動によりDNA断片の長さを調べて配列決定する方法である。この方法で,1度に塩基配列決定できる長さは,ゲルによる長さ分離能で制限され,400塩基長から700塩基長である。塩基配列決定の対象は,ゲノムやmRNAが殆どであり,塩基配列決定すべき対象の塩基長は,mRNAの場合でも数キロ塩基長,ゲノムの場合は数キロ塩基長よりも更に長い場合が殆どであり,シーケンサーで1度に塩基配列決定できない。
従来,数K塩基から数十K塩基という長いDNAの塩基配列決定にはショットガン法が使用されてきた。ショットガン法では,DNAを超音波等を用いてランダムに切断し,DNA断片をクローニングして大腸菌等に埋め込み,コロニー培養した後,各コロニー中の大腸菌を培養してDNA断片のコピーを増やす。次いで,試料DNAを抽出して塩基配列決定等のDNA解析をする。原理的にショットガン法では,各DNA断片のつながりを明らかにするため,ランダムなDNA断片調製を行ないDNA断片間のオーバラッピングをとるので,塩基配列が全く未知で長いDNAに適しており,ショットガン法はゲノム解析計画の主要な手法となっている。
以上説明したDNAプローブやPCRを用いる検査,ディファレンシャルディスプレー,増幅断片長多型解析,制限酵素ランドマークスキャニング法,DNA塩基塩基配列決定は,電気泳動分離とレーザ照射による蛍光検出と組み合わせた自動計測装置や,自動ハイブリダイゼーション検出装置により実現されている。
一方,遺伝子解析や遺伝子診断等に於ける分子生物学手法を用いた試料調製操作では,核酸の精製や酵素反応等の種々の操作を行なう必要があり,液体試料をマイクロリッター単位の微小なスケールで取り扱うことがしばしば必要になる。これらの試料調製操作に必要な液体試料ハンドリングでは,液体の定量,搬送,保持,混合,保存等があり,それぞれの目的に適した種々の液体試料ハンドリングツールが市販されている。
液体の定量,搬送を液体試料ハンドリングツールとして,プラスチック製チップを使用するマイクロピペッターが広く普及している。マイクロピペッターは,管状のプラスチック製の使い捨てチップを用いて,エアシリンダで液体試料を吸引,吐出して試料の定量,搬送の操作を行なう。液体の保持,混合,保存をするプラスチック製のサンプルチューブや多穴プレートが広く普及している。特に,精製時の操作のために,フィルターを装備したカラム状の容器が普及している。このような装置,治具を用いて,試料調製を全自動で行なう装置も出現している。
従来,用手法でなされていた試料調製に於いて,日常的に利用されている操作として,エタノール沈殿法がある。エタノール沈殿法では,一定のイオン強度環境でDNA又はRNA試料溶液に60%から70になるようにエタノールを添加して遠心分離すると,DNA又はRNAは沈殿分離する。また,生体試料から蛋白質や脂質を除去し,DNA又はRNAを精製するために,試料混合物にフェノールを添加して蛋白質を変成沈殿させたり,脂溶性物質をクロロホルム抽出して除去することが日常的に行われている。これらの方法は,分子生物学手法の基本操作であるが,遠心分離操作を行なう必要がある。
従来の遠心分離操作では,先ず,試料を入れた遠心分離チューブを遠心分離機の遠心ロータに装着する。遠心分離操作は,多数本の遠心分離チューブを同時に処理するバッチ処理が基本である。試料の液量は試料毎に異なる場合が殆どで,多数本の試料を同時に遠心分離する場合には,対となる遠心分離チューブのバランスをとる(2本の遠心分離チューブの重量を合わせる操作)か,オートバランス付きの遠心分離機を用いる必要があった。また,複数の試料を入れた遠心分離チューブを,遠心分離機の遠心ロータに自動的に順次に装填するには,1)遠心分離チューブを装填する遠心ロータ場所の位置決め,2)遠心分離チューブのピックアップ,3)遠心分離チューブの装填を遠心分離チューブの数だけ行なう必要があり,更に,4)遠心ロータの回転開始,5)遠心ロータの回転停止と停止位置の位置決め,6)遠心ロータから複数の遠心分離チューブを,遠心分離チューブの装填した順に取り出して,遠心分離チューブを配列する必要がある。
最近,高スループット装置のための配列可能なフロースルーマイクロ遠心分離機に関する報告がある(A.Marzialiら,“An arrayable flow−through microcentrifuge for high−throughput instrumentation”(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.96,pp.61−66(1999)))。この報告内容の概要は以下の通りである。サンプルホルダとしても機能する複数の高速ロータに基づき,非常に多数のサンプルの高スループットな遠心分離のための,コンパクトな,フロースルーマイクロ遠心分離機が開発された。この小型の複数のロータは,標準的な96ウェルマイクロタイタープレイトの間隔で配列可能であり,複数試料の並列処理が可能な自動化処理装置に好適である。フロースルー遠心分離機は,少量のサンプルを含む多くのプロセスに於ける通常の遠心分離の代わりに使用可能である。表面浮遊物とペレットの双方の回収のための技術,サンプルの混合及び再使用可能なロータの洗浄のための技術が開発された。フロースルー遠心分離機の,細胞分離及び再浮遊への適用,DNAの純化及び濃縮への適用の図式と実行に関して論じている。
A.Marzialiらのフロースルー遠心分離機では,内部に断面がVの字型の空間を持ち,上部にVの字型空間に通じる上部孔を,下部にVの字型空間に通じる下部孔をそれぞれ持つロータを高速回転させる。ロータが高速回転している状態で,上部孔から試料を含む試料溶液が注入されると,試料,溶媒は,遠心力によりVの字型空間の側壁に移動する。ロータを停止すると,溶媒は下部孔より流出し,試料はVの字型空間の側壁に捕捉される。
発明の開示
遠心分離操作により遠心分離した試料は,衝撃に弱く簡単に遠心分離した沈殿物が再度溶媒と混合したり,沈殿物が浮遊したりするため,遠心分離した試料のハンドリングでは細心の注意が必要となる。遠心分離操作を自動化するには,高度なセンシング技術とハンドリング技術が必要であり,現実には,遠心分離操作を1連の試料調製プロセスに取り入れた全自動装置を構築には,コストと確実性に問題がある。更に,試料調製の自動化プロセス,又は計測システムを含む全自動装置を考える場合,遠心分離機のバッチ処理は決定的なネックとなっている。試料調製に於ける遠心分離操作以外の他の処理プロセスは,全て個々の試料を独立して処理可能なシーケンシャル処理(ディスクリート処理)が可能である。ディスクリート処理の利点は,流れ作業的に工程を進めることができ,自動化に好適である点,割り込み処理が可能な点にある。バッチ処理の場合では,そのバッチの処理工程が終了するまで,次の試料処理ができない。このため,研究の都合で緊急を要する試料を先に処理する必要が生じた場合でも,割り込みによる優先処理が困難であるという問題がある。
A.Marzialiらのフロースルー遠心分離機に於いても,各ロータは試料毎に独立しているものの,複数のロータは96穴マイクロプレートと同じ配列となっているので,バッチ処理しかできないという問題がある。また,各ロータの上部に試料を添加する添加孔を持ち,各ロータの上部に試料を回収する回収孔を持ち,添加孔と回収孔とが連結する管構造であるので,ロータを回転した状態で試料溶液をロータの上部の試料を添加する孔に添加する必要があるという問題がある。
分子生物学に於ける試料調製の自動化を考えると,全工程をディスクリート処理できるシステムが,バッチ処理に比べて優れている。これまでのヒトゲノム計画の塩基配列決定での試料前処理のように,個々の試料を塩基配列決定するだけでは意味のあるデータが得られず,ある一定の範囲のゲノムやmRNAの塩基配列をまとめて得ることが必要であったため,一度に多数の試料を処理できるバッチ処理が適していたといえる。しかし,例えばゲノム計画が進展すると,同1ゲノムの狭い部分を異なる固体間や生物種間で比較することが重要になってくる。基本的に試料毎のデータが重要になり,緊急検査的な試料調製の要請が増大すると予想される。試料数も増大すると予想され,連続的に一定時間間隔毎に処理された試料を得る方式が,計測やデータ処理を含めたシステムでは融通が利きシステムをまとめやすい。
ディスクリート処理では,基本的に1個ずつ試料容器が連続して試料調製の各工程に送り込まれるので,特定の工程に別の試料容器を割り込ませることが容易であり,しかも処理すべき試料全体の処理に与える影響は,割り込ませた試料の1工程分の時間が伸びるだけで,システム全体への影響が殆ど出ない。
本発明の目的は,個々の試料毎に独立して行なうディスクリート処理(シーケンシャル処理)が可能な遠心分離操作方法,遠心ロータ,遠心分離装置を提供し,塩析,有機溶媒添加による生体試料の沈殿回収,精製,特に,DNA,RNAの回収を,ディスクリート処理する遠心分離操作方法,遠心分離装置を提供することにある。また,本発明の別の目的は,ディスクリート処理可能な遠心分離装置を使用する分子生物学関連の試料調製装置,試料調製方法を提供することにある。
本発明の遠心分離機では,遠心ロータが静止した状態で試料溶液を,遠心ロータの内部に設けられるただ1つの試料分離室に添加して,遠心ロータの上部開口を閉じた後に,遠心ロータを回転させて遠心分離を行ない,個々の試料を異なる遠心ロータでそれぞれ独立して扱うディスクリート処理により実行する。本発明の構成は,ディスクリート処理に適した構造の遠心ロータ,この遠心ロータを用いてディスクリート処理を可能とする遠心分離機,及びディスクリート処理シーケンスに関する以下の特徴を有している。
(A)本発明の遠心ロータの特徴は,遠心ロータの回転軸(第1方向(Z軸)とする)を対称軸とする上部開口を有し,上部開口に通じるただ1つの試料分離室を遠心ロータの内部に設ける構成にある。本発明の遠心ロータでは,1つの遠心ロータにより,1つの試料を他の試料とは独立に遠心分離する。
試料分離室,及び遠心ロータはそれぞれ,遠心ロータの回転軸を含み直交する2つの対称面を持つ。第1方向に直交する2方向を,第2方向(X軸),第3方向(Y軸)とする時,試料分離室の第3方向での長さを,試料分離室の第2方向での長さより長くして,沈殿物が遠心分離により試料分離室の第3方向での両端部に生じるようにする。
即ち,遠心ロータの回転軸に垂直な方向での試料分離室の両端部の間の距離が最大となる方向をY軸(第3方向),Z軸及びY軸に直交する方向をX軸(第2方向)とする。
遠心分離によるDNA等の沈殿の生成を容易にするため,遠心分離する試料を注入する試料分離室の構造を,ZX面に平行な面での試料分離室の断面積に於いて,Z軸より遠い位置での断面積が,Z軸に近い位置での断面積よりも小さくなるようにする。また,試料分離室は,遠心ロータの回転軸を含み直交する2つの対称面を持つ凹部を底部に有する。遠心分離後に回転を停止すると,この凹部に遠心分離上清が集まる。遠心分離上清は上部開口から吸引により排出される。
次に,上部開口から沈殿物を洗浄する洗浄液を試料分離室に添加し遠心ロータを回転すると,洗浄液は沈殿物に接触し沈殿物が洗浄される。遠心ロータの回転を停止して,洗浄液を上部開口から吸引して排出する。同様にして,沈殿物を溶解する溶解液を上部開口から添加し遠心ロータを回転すると,溶解液は沈殿物に接触し沈殿物が溶解される。遠心ロータを停止して,最終的に目的とする沈殿物が溶解した溶液を上部開口から吸引して回収する。
このような遠心ロータの内部に試料分離室を配置する簡単な構成により,沈殿物の,洗浄,再溶解,回収がより容易に迅速にできる。
(B)本発明の遠心ロータの特徴は,遠心ロータの回転軸(第1方向(Z軸)とする)をそれぞれ対称軸とする上部開口と下部開口を有し,上部開口,下部開口に通じるただ1つの試料分離室を遠心ロータの内部に設け,遠心分離する試料溶液を注入して保持する凹部を有する溶液保持容器を試料分離室の内部の中心部に配置する構成にある。本発明の遠心ロータでは,(A)と同様に,1つの遠心ロータにより,1つの試料を他の試料とは独立に遠心分離する。
溶液保持容器,及び試料分離室はそれぞれ,遠心ロータの回転軸を含み直交する2つの対称面を持つ。溶液保持容器は,遠心ロータの内部に固定される皿のような凹部を持つ容器である。第1方向に直交する2方向を,第2方向(X軸),第3方向(Y軸)とする時,試料分離室の第3方向での長さを,試料分離室の第2方向での長さより長くして,沈殿物が遠心分離により試料分離室の第3方向での両端部に生じさせるようにする。
即ち,遠心ロータの回転軸に垂直な方向での試料分離室の両端部の間の距離が最大となる方向をY軸(第3方向),Z軸及びY軸に直交する方向をX軸(第2方向)とする。溶液保持容器の一方の両端部は,試料分離室の第2の方向の内壁に一体にされ,溶液保持容器の他方の両端部と試料分離室の第3の方向の内壁とは接触せず分離されている。遠心分離による沈殿の生成を容易にするため,試料分離室の構造を,ZX面に平行な面での前記試料分離室の断面積に於いて,Z軸より遠い位置での断面積が,Z軸に近い位置での断面積よりも小さくなるようにする。また,遠心分離後,回転を停止すると,下部開口から遠心分離上清が排出される。この第2の特徴によれば,上部開口から試料を溶液保持容器に添加し,遠心分離後に下部開口から遠心分離上清が廃液容器に回収できる。
即ち,遠心ロータの回転停止時に,試料を溶液保持容器に注入しこれを保持でき,遠心ロータの回転が始まると遠心力により,試料溶液が回転軸に対して放射方向に移動して,溶液保持容器から試料分離室に移動して,遠心分離により沈殿物が,試料分離室の第3方向での両端部に生じ,保持される。回転停止により遠心分離上清が下部開口より廃液容器に排出する。次に,上部開口から沈殿物を洗浄する洗浄液を溶液保持容器に添加し遠心分離すると,洗浄液は試料分離室に移動し沈殿物に接触し,沈殿物が洗浄される。遠心ロータの回転を停止すると,洗浄液が自動的に下部開口から廃液容器に排出される。同様にして,沈殿物を溶解する溶解液を上部開口から溶液保持容器に添加し遠心分離すると,溶解液は試料分離室に移動し沈殿物に接触し,沈殿物が溶解される。遠心ロータを停止すると,最終的に目的とする沈殿物が溶解した溶液が自動的に下部開口から排出され,回収容器に回収される。
このように,試料分離室の内部に溶液保持容器を配置する簡単な構成により,沈殿物の,洗浄,再溶解,回収がより容易に迅速にできる。
(C)本発明の遠心分離機では,(A),(B)の構成に於いて,遠心ロータの回転は,上部開口と密着して噛み合わせて結合可能な先端部をもつ蓋をモーターにより回転させて行なうことに特徴がある。即ち,モーターが取り付けられた蓋と上部開口とを密着して噛み合わせて結合することにより,モーターの回転を遠心ロータに伝達し,遠心ロータを回転駆動する回転駆動手段とする構成とする。遠心ロータは,遠心ロータ底部の外周の軸受けで支持され,下部開口から,廃液,試料液の排出を可能としている。本発明では,遠心ロータの回転のための動力を,遠心ロータの底部から供給される従来の概念とは異なり,遠心ロータの上部から供給する。
(B)の構成と(C)の構成とを組み合わせ,試料間での汚染(コンタミネーション)を防ぎ,上部開口から試料を添加し,遠心分離後に,最終的に目的とする試料を回収できる自動化に適する遠心分離機が可能となる。試料の添加時,遠心分離上清の排出時,目的とする沈殿物の,洗浄時,再溶解時,回収時を除く時間帯では,各遠心ロータに蓋がされた状態を保持しておくので,分子生物学,医化学の分野で,しばしば問題になる試料間での汚染が防止できる。
(D)本発明の遠心ロータの特徴は,(A),(B),(C)の何れかの構成に於いて,遠心ロータ,及び試料分離室はそれぞれ,遠心ロータの回転軸を含み共通の2つの対称面を有し,遠心ロータが上部部材と下部部材とから構成され,溶液保持容器が遠心ロータ内の試料分離室に固定保持される構造にある。
(A),(B),(C)の構成と同様にして,モーターが取り付けられた蓋と上部部材に形成される上部開口とを密着して噛み合わせ結合することにより,モーターの回転を遠心ロータに伝達し,遠心ロータを回転駆動する回転駆動手段とする構成とする。また,(A)の構成に於いて,遠心ロータを,上部部材と下部部材とから構成する場合には,下部部材の底部に,遠心ロータの回転軸と一致する対称軸を持つ凹部を形成しておく。この凹部は,試料分離室に貫通しない。モーターが取り付けられた部材の先端をこの凹部に密着して噛み合わせ結合して,モーターの回転を遠心ロータに伝達し,遠心ロータを回転駆動する回転駆動手段とする構成としても良い。また,下部部材の底部に形成された部材にモーターを直結して,モーターの回転を遠心ロータに伝達し,遠心ロータを回転駆動する回転駆動手段とする構成としても良い。このように,(A)の構成では,遠心ロータの上部,下部の何れからも回転駆動が可能である。
(E)本発明の試料調製装置の特徴は,(A)〜(D)で説明した遠心ロータを複数有し,各遠心ロータがそれぞれ独立して回転駆動制御され,更に,試料添加,遠心分離,試料回収等を,各遠心ロータ毎に独立して行なう。各遠心ロータは,所定の軌道を移動する1つの搬送装置に保持され,搬送装置により試料添加装置と試料回収装置との間を移動でき,試料添加,遠心分離,試料回収等が,各遠心ロータ毎に独立してできる。各遠心ロータを保持する搬送装置を,ガイドに沿って所定の方向に移動させる機構を設け,ガイドの定められた区間で,各遠心ロータを回転させ試料の遠心分離を行ない,一定時間当たり一定の試料数で遠心分離する能力を持つ。ガイドは,円,楕円等のループ状に形成され,各遠心ロータはループ状の閉じた軌道で所定の方向に移動され,各遠心ロータは予め定められたループ状の閉じた軌道の所定の移動範囲で回転し試料の遠心分離を行なう。また,ガイドの近傍に,試料添加装置,試料回収装置,遠心ロータ洗浄装置が設けられ,各遠心ロータは,試料添加装置と試料回収装置の間の区間で回転し試料を遠心分離する。これにより,遠心分離できる試料の数を実質的に無制限にできる。
(F)本発明の試料調製方法の特徴は,(A)〜(D)で説明した遠心ロータ,遠心ロータを回転駆動する回転駆動手段をそれぞれ複数使用し,各遠心ロータをガイドに沿って所定の方向に移動させ,各遠心ロータをそれぞれ独立して回転駆動制御して,試料添加,遠心分離,試料回収等を,各遠心ロータ毎に独立して行なうディスクリート処理シーケンスにある。ガイドの近傍には,試料添加装置と試料回収装置が配置され,各遠心ロータは試料添加装置と試料回収装置の間の区間で回転し試料の遠心分離を行なう。本発明のディスクリート処理シーケンスでは,試料添加装置を用いて試料を遠心ロータに添加する工程と,遠心ロータをガイドに沿ってループ状軌道で搬送して,試料を遠心分離する工程と,溶液排出装置を用いて遠心分離上清を排出する工程とを,各遠心ロータ毎にシーケンシャルに行なう。更に,ガイドに試料添加装置と溶液排出装置の他に溶媒添加装置をガイドの近傍に配置することにより,試料添加装置を用いて試料を遠心ロータに添加する工程と,遠心ロータをガイドに沿ってループ状軌道で搬送し,遠心分離して沈殿を形成する工程と,溶液排出装置を用いて遠心分離上清を排出する工程と,溶媒添加装置を用いて溶媒を添加する工程と,遠心分離し沈殿を溶媒に溶解する工程と,沈殿を溶解した溶媒を試料回収装置に回収する工程とを,各遠心ロータ毎にシーケンシャルに行なう。
本発明では,1つの遠心ロータで1種類の試料を扱うので,従来技術の遠心分離機の遠心ロータでの複数の遠心分離チューブの位置決め等の煩雑さがなくなり,遠心分離操作を含む試料調製の自動化が容易となる。更に,本発明では,遠心分離できる試料の数は実質的に無制限である。
発明を実施するための最良の形態
以下の実施例で使用する図面のうち,第7図,第9図,第10図,第12図,第14図,第15図,第18図の各図は,投影図の半分が外形を表わし,他の半分が断面を表わす片側断面を示す図であり,説明の中では単に断面図ということにする。
(実施例1)
第1図は,本発明の実施例1の遠心分離機の構成を示す斜視図である。第1図の遠心分離機はディスクリート処理に好適である。第1図に示すように,遠心分離機は,遠心ロータ10−1と,遠心ロータ10−1の底部とモータ305に直結する下部回転軸5と,モータ305を保持固定するモータ台310とから構成される。モータ台310は,固定用の孔390を使用して,実験台,搬送板等に保持固定される。遠心ロータ10−1の内部にただ1つの試料分離室2が形成されており,試料溶液の添加,及び回収を行なう上部開口3が遠心ロータの上部に形成され,上部開口3は試料分離室2に通じている。上部回転軸を兼ねる蓋100は,第1図,第2図に図示しないモータの軸に結合される。上部開口3は,蓋100の先端の四角柱及び四角錐台の部分と密着し噛み合い結合する。
第2図は,遠心ロータ10−1の回転軸(第1方向,Z軸)に垂直で試料分離室2の最大長を持つ方向(Y軸)を含む面での断面図(A−A’断面),回転軸(Z軸)を含み試料分離室2の最大長を持つ方向(Y軸)を含む面での断面図(B−B’断面)である。遠心ロータ10−1は試料分離室2をただ1つだけ持つ。試料分離室2は,回転軸(Z軸)を含み直交する2つの対称面(YZ面,XZ面)を持つ。第1図,第2図に示すように,試料分離室2の内部形状は,回転軸と直交する第3方向(Y軸)に伸びる細長い形状を持ち,回転軸ら第3方向へ遠ざかるにつれて,第3方向に垂直な断面積が小さくなっている。第3方向での試料分離室2の最大寸法は,第2方向(X軸)での試料分離室2の最大寸法より長い。試料分離室2の底面はテーパー状の構造をしている。
遠心ロータ10−1は,下部回転軸5と上部回転軸により回転駆動を受けるので,回転動力を分散できより小型のモータで遠心分離が可能となる。
第1図,第2図に示す遠心ロータ10−1の直径は50mm,高さは20mmである。試料分離室2のZ(回転軸)方向,Y方向,及びX方向での最大寸法はそれぞれ,15mm,30mm,10mmであり,最大0.3mL(ミリリットル)の試料溶液を試料分離室2に添加して,遠心分離を実行できる。
以下,230塩基長の2本鎖DNAのPCR増幅産物を試料とし,0.1pmolの溶液50μL(マイクロリットル)をエタノール沈殿で回収する例をとって,実施例1の遠心分離機の使用方法を説明する。試料溶液に,酢酸ナトリウム溶液(3M濃度,pH5.5)の5μL,エタノール130μLを混合する。この混合液を10分間20°Cで10分間放置した後,自動分注器を用いて混合液180μLを上部開口3から試料分離室2に添加する。上部回転軸を兼ねる蓋100を密着して上部開口3に噛み合わせて連結する。遠心ロータ10−1を15000rpmで15分間回転し,試料分離室2の両端部6にDNAを沈殿させる。
遠心ロータの回転を停止した後,蓋100をはずし,吸引器を用いて試料分離室2の底面のテーパー部にたまっている上清を吸い出す。過剰の塩を除去するため,70%の冷エタノール溶液250μLを試料分離室2に添加し,再び蓋100をして10000rpmで遠心分離する。蓋100を取り外し,吸引器を用いて70%の冷エタノール溶液を試料分離室2から除去する。この時点で,DNA沈殿物は,まだ試料分離室2の両端部6に保持されている。ドライエアーを試料分離室2に吹き込み,若干残っているエタノールを除去する。次に,エタノール沈殿で生成したDNAを試料分離室2から回収するため,滅菌水50μLを添加し,再び蓋100をして10000rpmで遠心分離して沈殿しているDNAを溶解する。遠心ロータの回転停止後に蓋を開け,自動分注器を用いて上部開口3より精製したDNA溶液を回収する。
以上のようにして精製回収したDNAの濃度を測定した結果,回収した溶液50μLの260nmでの吸光度は0.052を示した。2本鎖DNAは吸光度1.0で50μg/mL(ミリリットル)なので,2.6μg/mLの濃度のDNAが50μL存在することになる。即ち,0.13μgのDNAが存在する。DNAは230塩基長なので分子量が151800ダルトンであることを考慮すると,0.86pmolのDNAが回収されたことになる。DNAの回収率は86%であるので,通常使用されている従来技術の遠心分離機を用いたエタノール沈殿に比較し何ら遜色の無いことがわかる。
なお,実施例1の変形実施例1として,後述する実施例5と同様にして,実施例1の遠心ロータの上部開口3に代えてネジ孔を形成して,試料分離室2に試料溶液を添加した後に,上部回転軸を兼ねる蓋100の代わりに,このネジ孔にフィテイングするボルトを蓋として使用し,ネジ孔を密閉しても良い。また,実施例1の変形実施例2として,上部回転軸を兼ねる蓋100の代わりに,実施例1の遠心ロータの上部開口3に落とし込み,上部開口3をふさぐ蓋をロックする機構を遠心ロータ10−1に設けて上部開口3を密閉しても良い。
(実施例2)
第3図は,本発明の実施例2の遠心分離機の構成を示す斜視図である。第3図の遠心分離機はディスクリート処理に好適である。第3図に示すように,遠心分離機は,遠心ロータ10−2と,複数の耐摩耗性剛性球により回転可能な状態で遠心ロータ10−2の底部を保持する遠心ロータ保持台18とから構成される。遠心ロータ保持台18は,固定用の孔390を使用して,実験台,搬送板等に保持固定される。
第4図は,遠心ロータ10−2の回転軸(第1方向,Z軸)に垂直で試料分離室15の最大長を持つ方向を含む面での断面図(A−A’断面),回転軸(Z軸)を含み試料分離室15の最大長を持つ方向(Y軸)を含む面での断面図(B−B’断面),及び,回転軸(Z軸)を含み試料分離室15の最大長を持つ方向(Y軸)に直交する方向(X軸)を含む面での断面図(C−C’断面)である。
遠心ロータ10−2の内部にただ1つの試料分離室15が形成されており,試料溶液の添加,及び回収を行なう上部開口3が遠心ロータの上部に形成されている。遠心ロータ10−2では,試料溶液の注入,廃液の排出を自動化する目的で,凹部13を持つ溶液保持容器12を試料分離室15の内部に設ける。上部開口3は試料分離室15に通じており,上部開口3から注入される溶液は溶液保持容器12の凹部13に添加される。試料分離室15の底部には,遠心ロータ10−2の外部に溶液を排出する下部開口16が形成されている。
溶液保持容器12は,回転軸(Z軸)を含み試料分離室15の最大長を持つ方向で,遠心ロータ10−2の内壁と分離しており,溶液保持容器12は,回転軸を含み試料分離室15の最大長を持つ方向に直交する方向で,遠心ロータ10−2の内壁に連結している。即ち,溶液保持容器12は,回転軸を含み試料分離室15の最大長を持つ方向に直交する方向に細長い凹部13を持つ。
溶液を添加する凹部13を試料分離室15の中心部の近傍に持つ溶液保持容器12,及び試料分離室15の形状はそれぞれ,遠心ロータ10−2の回転軸(Z軸)を含み直交する2つの対称面(YZ面,XZ面)を持つ。
上部回転軸を兼ねる蓋100は,第3図,第4図に図示しないモータの軸に結合される。上部開口3は,蓋100の先端の四角柱及び四角錐台の部分と密着し噛み合い結合する。上部回転軸を兼ねる蓋100の先端が上部開口3に結合され,モータの回転が遠心ロータ10−1に伝達される。
以上説明した構成により,遠心ロータ10−2の回転停止時に,上部開口3から試料を溶液保持容器12の凹部13に添加し保持した後,遠心ロータ10−2の回転を開始すると,試料溶液が,遠心力により回転軸に対して放射方向に移動して,溶液保持容器12の凹部13から試料分離室15に移動し,遠心分離により沈殿物を生じる。沈殿物は,回転軸を含み試料分離室15の最大長を持つ方向の,試料分離室15の内壁に生じる。遠心ロータ10−2の回転を停止すると,下部開口16から遠心分離上清が自動的に排出される。第4図,第5図に示すように,遠心ロータ保持台18は,遠心ロータ10−2の回転軸に中心を持つ下部開口16が配置される空間部分を持つので,容易に排出される遠心分離上清を回収できる。
実施例2の遠心ロータ10−2では,試料分離室15の内部に凹部13を持つ溶液保持容器12を配置するので,沈殿物の,生成,洗浄,再溶解,及び回収がより容易にできる。
第5図は,本発明の実施例2の遠心分離機を用いた遠心分離操作の手順を説明する,回転軸(Z軸)を含み試料分離室15の最大長を持つ方向を含む面での断面図(第4図に示すB−B’断面)である。第5図の説明で使用する試料は,実施例1で用いた試料と全く同一である。実施例1の混合液を20°Cで10分間放置した後,自動分注器21を用いて混合液180μLを上部開口3より,当液保持容器12の凹部13に添加する(step−1)。一端,溶液保持容器12の凹部13に溶液が保持される。遠心ロータ10−2を回転させると,試料溶液は,遠心力もより飛散して試料分離室15に移動する(step−2)。
モータ20に連結される上部回転軸を兼ねる蓋100を上部開口3に密着して噛み合わせて遠心ロータ10−2を一定時間回転させて,遠心分離を行ない沈殿物を形成させる。遠心ロータ10−2の回転を停止して遠心分離を止めると,遠心分離上清は,試料分離室15の底部に移動して,下部開口16から排出される(step−3)。
この結果,沈殿物のみが遠心ロータ10−2の試料分離室15の内壁に残る。次に,沈殿物の洗浄液として70%メタノールを,自動分注器21を用いて開口14から溶液保持容器12の凹部13に添加する(step−1)。
次に,遠心ロータ10−2を回転させ遠心分離すると,洗浄液は試料分離室15に移動し,沈殿物に接触し過剰の塩を溶解する(step−2)。
遠心ロータの回転を停止して遠心分離を止めると洗浄液が下部開口16より自動的に排出される(step−3)。
同様に,溶解液として滅菌水100μLを溶液保持容器の凹部に添加し(step−1),遠心ロータを回転させて遠心分離すると,溶解液は試料分離室15に移動し,沈殿物に接触し沈殿物が溶解する(step−2)。
遠心ロータの回転を停止して遠心分離を止めると,沈殿物が溶解した溶液が自動的に下部開口16から排出され,回収容器22に回収される(step−3)。
沈殿物が溶解した溶液の回収率を上げるために,加圧器23を用いて空気で加圧して,下部開口16等に残っている溶液を回収する。以上のようにして回収された液量は97μLである。実施例1と同様にして,回収した溶液の吸光度の測定から回収率を計算すると,DNAの回収率は89%であった。
第3図,第4図,第5図に示す遠心ロータ10−2の直径は44mm,高さは46mmである。試料分離室15のZ(回転軸)方向,Y方向,X方向での最大寸法はそれぞれ,16mm,35mm,18mmであり,最大0.5mLの試料溶液を試料分離室15に添加して,遠心分離を実行できる。
(実施例3)
第6図は,本発明の実施例3の遠心分離機の構成を示す斜視図である。第6図の遠心分離機はディスクリート処理に好適である。第6図に示すように,遠心分離機は,上部開口3を有する上部部材110−1と下部部材120−1から構成される遠心ロータ80−1と,複数の耐摩耗性剛性球131(第7図)により回転可能な状態で遠心ロータ80−1を保持する軸受130と,軸受130を保持する遠心ロータ保持台140とから構成される。遠心ロータ保持台140は,固定用の孔390を使用して,実験台,搬送板等に保持固定される。
第7図は,本発明の実施例3の遠心分離機の遠心ロータ80−1の回転軸(Z軸)を含み試料分離室70の最大長を持つ方向(Y軸)を含む面での断面図である。遠心ロータ80−1は,上部部材110−1と下部部材120−1とから構成さる。上部部材110−1と下部部材120−1とが接合(嵌合)して,遠心ロータ80−1の内部に試料分離室70が形成される。上部部材110−1は,モータに連結される上部回転軸を兼ねる蓋100が密着して噛み合わせられる上部開口3を持つ。遠心ロータの下部部材120−1は,軸受130に嵌合されている。
第8図は,本発明の実施例3の遠心ロータ80−1の平面図であり,第9図は,本発明の実施例3の遠心ロータ80−1の回転軸(Z軸)を含み試料分離室70の最大長を持つ方向(Y軸)を含む面での断面図(第8図に示すA−A’に於ける断面図)であり,第10図は,本発明の実施例3の遠心ロータ80−1の回転軸(Z軸)を含み試料分離室70の最大長を持つ方向(Y方向)に直交する方向(X軸)を含む面での断面図(第8図に示すB−B’に於ける断面図)断面)である。上部開口3から試料を試料分離室70に添加した後,上部開口3と,上部回転軸を兼ねる蓋100の先端の四角柱及び四角錐台の部分とを密着させ噛み合わせ結合する。蓋100の先端が上部開口3に結合され,モータの回転が遠心ロータ80−1に伝達される。
第11図は,本発明の実施例3の遠心ロータ80−1の試料分離室70の形状を示す斜視図である。上部部材100−1と下部部材120−1とを接合(嵌合)して形成される試料分離室70は,遠心ロータ80−1の回転軸をZ軸(第1方向),回転軸に垂直な方向で試料分離室70が最大長を持つ方向をY軸(第3方向),最小長を持つ方向をX軸(第2方向)とする。試料分離室70は,回転軸(Z軸)を含み直交する2つの対称面(YZ面,XZ面)を持つ。試料分離室70のZX面に平行な断面の面積はZ軸から離れる程小さくなる。また,試料分離室70の底部は凹部となっており,遠心ロータの回転を停止し遠心分離を終了した時,凹部に遠心分離上清が集まり,沈殿物は,試料分離室70の最大長を持つ方向の両端内壁に生成する。
第6図から第11図に示す遠心ロータ80−1の直径は40mm,高さは20mmである。試料分離室70のZ方向,Y方向,及びX方向での最大寸法はそれぞれ,9mm,28mm,12mmであり,最大0.2mLの試料溶液を試料分離室70に添加して,遠心分離を実行できる。
(実施例4)
第6図は,本発明の実施例4の遠心分離機の構成を示す斜視図である。第6図の遠心分離機はディスクリート処理に好適である。第6図に示すように,遠心分離機は,上部開口3を有する上部部材110−2と下部部材120−2から構成される遠心ロータ80−2と,複数の耐摩耗性剛性球131により回転可能な状態で遠心ロータ80−2を保持する軸受130と,軸受130を保持する遠心ロータ保持台140とから構成される。遠心ロータ保持台140は,固定用の孔390を使用して,実験台,搬送板等に保持固定される。
第12図は,本発明の実施例4の遠心分離機の遠心ロータ80−2の回転軸(Z軸)を含み試料分離室70の最大長を持つ方向(Y軸)を含む面での断面図である。遠心ロータ80−2は,上部部材110−2と下部部材120−2とから構成される。下部部材120−2には,下部部材を貫通する下部開口16が形成され,凹部160を持つ溶液保持容器150が接合(嵌合)される。溶液保持容器150が接合(嵌合)された上部部材110−2と下部部材120−2とを接合(嵌合)して,遠心ロータ80−2の内部に試料分離室70を形成する。上部部材110−2は,モータに連結される上部回転軸を兼ねる蓋100が密着して噛み合わせられる上部開口3を持つ。遠心ロータ80−2の下部部材120−2は,軸受130に嵌合されている。
第13図は,本発明の実施例4の遠心ロータ80−2の平面図であり,第14図は,本発明の実施例4の遠心ロータ80−2の回転軸(Z軸)を含み試料分離室70の最大長を持つ方向(Y軸)を含む面での断面図(第13図に示すA−A’於ける断面図)であり,第15図は,本発明の実施例4の遠心ロータ80−2の回転軸(Z軸)を含み試料分離室70の最大長を持つ方向(Y軸)に直交する方向(X軸)を含む面での断面図(第13図に示すB−B’に於ける断面図)である。上部開口3から試料を試料分離室70の内部の溶液保持部150の凹部160に添加した後,上部開口3と,上部回転軸を兼ねる蓋100の先端の四角柱及び四角錐台の部分とを密着させ噛み合わせ結合する。蓋100の先端が上部開口3に結合され,モータの回転が遠心ロータ80−2に伝達される。
第16図は,本発明の実施例4の遠心ロータ80−2の試料分離室70の内部に配置され,凹部160を持つ溶液保持容器150の形状を示す斜視図である。溶液を添加する凹部160を試料分離室70の中心部の近傍に持つ溶液保持容器150,及び試料分離室70の形状はそれぞれ,遠心ロータ80−2の回転軸(Z軸)を含み直交する2つの対称面(YZ面,XZ面)を持つ。溶液保持容器150のX軸方向の長さは,溶液保持容器150のY軸方向の長さより大である。溶液保持容器150のX軸方向の両端部は,下部部材120−2と接合(嵌合)されている。溶液保持容器150のX軸方向の両端部と下部部材120−2とを,熱溶着,接着,又はネジにより一体化しても良い。溶液保持容器150のX軸方向の両端部を除く部分は,試料分離室70の内壁に接触せず,内壁から分離されている。
以上説明した試料分離室70の内部での溶液保持容器150の配置により,遠心ロータ80−2を回転させ遠心分離を開始すると,溶液保持容器150の凹部160に添加された試料溶液は,凹部から試料分離室70に速やかに移動する。遠心分離による沈殿物は,試料分離室70の最大長を持つ方向での両端部の内壁に生じる。遠心ロータ80−2の回転を停止すると,下部開口16から遠心分離上清が自動的に排出される。
実施例2の遠心ロータ10−2と同様に,遠心ロータ80−2では,試料分離室70の内部に凹部160を持つ溶液保持容器150を配置するので,沈殿物の,生成,洗浄,再溶解,及び回収がより容易にできる。
第6図,第13図から第16図に示す遠心ロータ80−2の直径は40mm,高さは20mmである。試料分離室70のZ(回転軸)方向,Y方向,及びX方向での最大寸法はそれぞれ,8mm,30mm,14mmである。溶液保持容器150の凹部160の底部のZ方向,Y方向,及びX方向の寸法はそれぞれ,5mm,12mm,14mmであり,最大0.3mLの試料溶液を凹部160に添加して,遠心分離を実行できる。
(実施例5)
第17図は,本発明の実施例3の変形例である実施例5の遠心分離機の構成を示す斜視図である。第17図の遠心分離機はディスクリート処理に好適である。実施例3の遠心分離機と実施例5の遠心分離機の構成とは,遠心ロータの回転駆動に関する構成が異なる。第17図に示すように,遠心分離機は,ネジ孔が形成された上部部材110−3と下部部材120−3から構成される遠心ロータ80−3と,複数の耐摩耗性剛性球131により回転可能な状態で遠心ロータ80−3を保持する軸受130と,軸受130を保持する遠心ロータ保持台140とから構成される。遠心ロータ保持台140は,固定用の孔390を使用して,実験台,搬送板等に保持固定される。遠心ロータ80−3は,下方から回転駆動される。
第18図は,本発明の実施例5の遠心分離機の遠心ロータ80−3の回転軸(Z軸)を含み試料分離室70の最大長を持つ方向(Y方向)を含む面での断面図(A−A’断面)である。遠心ロータ80−3は,上部部材110−3と下部部材120−3とから構成される。実施例1の変形実施例1と同様に,上部部材110−3の上部にはネジ孔が形成されている。上部部材110−3と下部部材120−3と接合(嵌合)して,遠心ロータ80−3の内部に試料分離室70を形成する。遠心ロータ80−3の下部部材120−3は,軸受130に接合(嵌合)されている。モータ305に連結される下部回転軸100の先端の四角柱及び四角錐台の部分と密着し噛み合い結合する結合用凹部が,下部部材120−3の下面に形成されている。結合用凹部は試料分離室70に貫通していない。上部部材110−3のネジ孔から試料分離室70に試料溶液を添加した後に,上部部材110−3のネジ孔をフィテイングするボルトを蓋90で密閉する。蓋100の先端が結合用凹部に結合され,モータ305の回転が遠心ロータ80−3に伝達される。
実施例5の変形実施例として,実施例1から実施例4の上部開口3と同様の形状の開口を,ネジ孔の代わりに形成して,この開口をふさぐ蓋をロックする機構を遠心ロータ80−3に設けて,開口を実施例1の変形実施例2と同様にして,密閉しても良い。更に,実施例5の変形実施例に於いて,実施例1と同様に,モータ305に直結される下部回転軸100を,遠心ロータ80−3の底部に直結しても良い。
遠心ロータ80−3の上部には,蓋90以外の構造体が無いので,試料分離室70への試料溶液の添加,又は試料分離室70からの試料の回収を行なうピペット等のアクセスが容易になる点にある。
以上説明した,実施例1から実施例5では,上部,又は下部回転軸を兼ねる蓋100の先端の四角柱及び四角錐台の部分を,上部開口3,又は結合用凹部と密着して噛み合わせ,上部,又は下部回転軸をと遠心ロータとを結合したが,蓋100の先端の形状を,四角柱から,多角柱,星型の柱に代えて,蓋100の先端を,上部開口3,又は結合用凹部と密着して噛み合わせことができる。また,上部開口3,又は結合用凹部を円錐台の形状とし,蓋100の先端を円錐台の形状として,上部開口3,又は結合用凹部に蓋100の先端を密着させ,モータの回転を摩擦により伝達(フリクションドライブ)しても良い。
実施例1,及び実施例2の遠心ロータ(10−1,10−2)は,実施例3,実施例4,実施例5と同様にして,遠心ロータ(10−1,10−2)を上部部材と,下部部材とに分けて製作できる。実施例3から実施例5では,遠心ロータ(80−1,80−2,80−3)を,上部部材(110−1,110−2,110−3)と下部部材(120−1,120−2,120−3)とを接合(嵌合)して一体化して形成するが,実施例1から実施例5に示す遠心ロータ(10−1,10−2,80−1,80−2,80−3)を,上部部材と下部部材とを加熱溶着,又は接着して一体化して形成しても良い。更に,上部部材と下部部材とをOリング等のシール材を使用してネジで一体化しても形成できる。
実施例1から実施例5の遠心ロータの高速回転を実現するために,遠心ロータはチタン合金で製作するのが好ましいが,錆びにく高強度特性をもつ,高強度アルミニウム,ステンレススチールも使用できる。
(実施例6)
第19図は,本発明の実施例6であり,実施例2,又は実施例4の遠心ロータを複数有し各遠心ロータがそれぞれ独立して回転駆動制御され,試料溶液の添加,遠心分離,試料の回収等を,各遠心ロータ毎に独立して自動的に行なうディスクリート処理が可能な試料調製装置の例,試料調製方法の例を説明する平面図である。
第19図に示す例では,試料調製装置は,16個の遠心ロータ(回転する搬送板40の回転位置41−1,41−2,〜,41−16に配置される),遠心ロータを搬送する搬送板40,遠心ロータに試料溶液を注入する自動ピペット61,上部の回転部材を兼ねる蓋(42−1,42−2,〜,42−8の位置に配置される),遠心ロータから遠心分離された試料を回収する回収容器64,及び回収容器64を搬送する装置,自動分注器を兼ねる加圧器(49,51の位置に配置される),加圧器(53,56の位置に配置される),PCR増幅産物を含む容器62,及び容器62を搬送する装置,洗浄器(54の位置に配置される),等からなる。駆動モーターは上部の回転部材を兼ねる蓋(搬送板の回転位置42−1,42−2,〜,42−8の上方位置に配置される)に取り付けてある。
なお,16個の遠心ロータは回転する搬送板に固定されており,上部の回転部材を兼ねる蓋,自動ピペット,自動分注器を兼ねる加圧器,加圧器は,洗浄器,搬送板の上部空間で,上下方向に移動可能なように,搬送板とは分離して配置されている。
実施例6では,試料DNAをエタノール沈殿法で回収する試料調製を,実施例2,又は実施例4で説明した遠心ロータを複数使用して行なう装置の例について説明する。試料は,PCR増幅して得られた2本鎖DNAを含む50μLの溶液である。PCRサイクルの条件は,90°Cに30秒間保持,60°Cに30秒間保持,72°Cに60秒間保持する熱サイクルを30回行なう。異なる温度条件に移るには約0.5°C/秒かかる。従って,PCR反応に約2時間を要するが,実施例6では,4分間隔で1本の容器ずつPCR反応が終了するように設定する。PCRが終了した容器62は矢印63の方向に,2分に1回の速度でステップワイズに移動する。PCR反応終了液には,PCR増副産物の他に,dNTP及びプライマーの残り,PCRに用いる緩衝液(ここでは,pH9.5のTris−HCl緩衝液を用いる)が含まれる。このうちdNTP及びPCR緩衝液はエタノール沈殿により容易に除去できる。PCR反応終了液に,3M酢酸ナトリウム(pH5.2)5μL,エタノール137μLを加える。
以下,搬送板の回転位置41−1,41−2,〜,41−16の各遠心ロータに対してなされる操作,処理について説明する。搬送板40の回転位置41−1の遠心ロータには,自動ピペット61を用いて,PCR増幅産物を含む容器62から試料溶液が添加される。試料溶液の添加が終了すると搬送板40が矢印58の方向に1ステップだけ回転移動し,搬送板の回転位置41−16にあった遠心ロータに試料が添加される。PCR産物は4分間隔で生産されるので,遠心ロータには4分に1個の割合で試料が添加される。搬送板の回転位置41−3の,試料容器が添加されている遠心ロータには,モーターが結合した上部の回転部材を兼ねる蓋が位置42−1で取り付けられ,遠心ロータの回転が開始され遠心分離が開始される。
搬送板40は4分間に1ステップの回転速度で矢印58の方向に回転している。搬送板の回転位置41−3,41−4,〜,41−8の遠心ロータには,位置42−1,42−2,〜,42−6(合計6個所の位置)で,上部回転軸を兼ねる蓋が取り付けられた状態にある。蓋を取り付ける位置42−1と,蓋を取り外す位置42−6では,搬送板の回転位置41−3,41−8の遠心ロータは回転を停止している。従って,搬送板の回転位置41−3,41−4,〜,41−8の遠心ロータが回転して,遠心分離が実行される期間は,搬送板40の回転の5ステップの20分間である。遠心分離は,14000rpmで行なうように設定してある。
遠心分離が終了すると,搬送板の回転位置41−8の遠心ロータでは,位置42−6で,上部の回転部材を兼ねる蓋が取り外される。遠心分離上清は自動的に搬送板の回転位置41−8の遠心ロータの下部の開口より排出される。搬送板の回転位置41−9の遠心ロータでは,自動分注器を兼ねる加圧器(49の位置に配置される)により,内部に残っている遠心分離上清が空気加圧により強制排出される。
次に,70%エタノール溶液を自動分注器を兼ねる加圧器(49の位置に配置される)を用いて,搬送板の回転位置41−9の遠心ロータに添加する。搬送板の回転位置41−10の遠心ロータには,位置42−7で,上部の回転部材を兼ねる蓋が取り付けられ,遠心ロータの回転が開始され遠心分離が実行される。搬送板の回転位置41−11の遠心ロータでは,加圧器を兼ねる自動分注器51を用いてエタノール溶液が空気加圧により排出された後,搬送板の回転位置41−11の遠心ロータに沈殿を溶解する溶解液100μLが添加される。
搬送板の回転位置41−12の遠心ロータでは,位置42−8で,上部の回転部材を兼ねる蓋が取り付けられて,遠心ロータの回転が開始され遠心分離が実行され,沈殿したDNAが溶解される。搬送板の回転位置41−13の遠心ロータでは,位置53で加圧器53を用いて,上部の開口から加圧されたエアーが噴射され,溶解したDNAを含む溶液が下部の開口から回収容器64に回収される。回収の終了後,回収容器64は矢印65の方向に移動する。搬送板の回転位置41−14の遠心ロータでは,位置54の洗浄器からの洗浄液が内部に噴射され洗浄が実行される。搬送板の回転位置41−15の遠心ロータでは自然乾燥がなされ,搬送板の回転位置41−16の遠心ロータでは,内部に残る洗浄液が,位置56の加圧器により,遠心ロータの上部の開口からのエアーで加圧され外部に排出される。
第20図は,本発明の実施例6に於いて,駆動モータが連結した上部回転部材を兼ねる蓋209を遠心ロータの上部に自動的に結合させて,遠心ロータを回転させる機構,及び試料溶液を自動的に添加するピペットノズルの移動機構を説明する斜視図である。遠心ロータ210は,円盤状の搬送板201の外周の位置43a,43b,43c,43d,〜にほぼ等間隔に設置されている。搬送板201は軸223に固定され,矢印204の方向にステップワイズに移動する。
駆動モータ211は,水圧シリンダ212に結合しており,矢印216の方向に上下に移動できる。水圧シリンダ212は水圧シリンダ用パイプ215中の水圧により上下方向に駆動される。水圧シリンダ212は,軸223に固定される固定台202に固定されており,搬送板202と連動して矢印204の方向にステップワイズに回転移動する。
位置43aでは,上部回転部材を兼ねる蓋209は,未だ遠心ロータ210に結合していない。即ち,遠心ロータ210の上部開口から試料溶液の添加,試料の回収が可能な状態である。
位置43bで,水圧式のピペットノズル221から試料溶液を,遠心ロータの開口から溶液保持容器の凹部に添加する。ピペットノズル221はノズル保持台の先端部に固定されている。ピペットノズル221は水圧パイプ222により溶液を矢印223の方向に吸引,排出できる。また,ピペットノズル221は,位置43bの遠心ロータと試料容器231との間を,矢印225の両方向に移動できる。ピペットノズル221は,エアシリンダ224により矢印226の方向に上下できる。試料容器231は,回転台230の上に保持されており,搬送板201と連動して矢印232の方向にステップワイズに動く。位置43cで,試料溶液が添加された遠心ロータは,モータ211の結合した上部回転部材を兼ねる蓋209と結合する。43dの位置で,遠心ロータはモータにより矢印271の方向に回転して,試料の遠心分離が実行される。
(実施例7)
第21図は,本発明の実施例7であり,実施例1の変形実施例1,2,実施例5及びその変形実施例の何れかの遠心ロータを複数有し,各遠心ロータがそれぞれ独立して回転駆動制御され,試料溶液の添加,遠心分離,試料の回収等を,各遠心ロータ毎に独立して自動的に行なうディスクリート処理が可能な試料調製装置の例,試料調製方法の手順を例を説明する模式図である。簡単のために第21図では,遠心ロータは複雑な形状を省略した断面により示している。実施例7で使用する試料は,培養で得たM13ファージDNAである。
実施例7では,遠心ロータ501が,第21図に図示しない,円盤状の搬送板の外周の位置500−1〜500−15に,ほぼ等間隔に固定されている。遠心ロータは,第21図の中央部の矢印で示すように,ステップワイズに反時計回りの方向に回転移動する。この回転移動を繰返して試料調製の各工程を繰返す。駆動用モータ502が遠心ロータの底部に連結している。即ち,駆動用モータに直結する下部回転軸が,遠心ロータ501の底部に直結している。
位置500−1では,遠心ロータが待期の状態にある。位置500−2では,自動ピペット503により第21図に図示しない試料溶液容器から試料溶液を吸引し,試料溶液が遠心ロータの内部にに添加される。試料溶液が添加された遠心ロータは位置500−3に回転移動し,上部開口に蓋504がされる。蓋がされた遠心ロータは,位置500−4に回転移動し,遠心ロータの回転が開始され遠心分離を開始する。位置500−5では,引き続き遠心分離が続行されている。遠心ロータは,位置500−6に回転移動し,遠心ロータの回転を停止して遠心分離を停止する。次に,遠心ロータから蓋をとり,吸引器505により遠心分離上清を遠心ロータの内部から吸い出す。遠心ロータの内部には沈殿物551が残る。
遠心ロータは,位置500−7に回転移動し,自動ピペット506により洗浄液(70%アルコール溶液)を遠心ロータの内部に添加する。遠心ロータは,位置500−8に回転移動し,遠心ロータに蓋がされる。遠心ロータは,位置500−9に回転移動し,再び遠心ロータの回転を開始する。遠心ロータの回転を停止後,遠心ロータは,位置500−10に回転移動し,吸引器507により洗浄液を遠心ロータから吸い出す。この時点では,沈殿物551は未だ遠心ロータの内壁に付着している。遠心ロータは,位置500−11に回転移動し,自動ピペット508を用いて,滅菌水100μLを遠心ロータの内部に添加する。遠心ロータは,位置500−12に回転移動し,遠心ロータの回転を開始して,沈殿物551を滅菌水に溶解する。遠心ロータは,位置500−13に回転移動し,自動ピペット510を用いて,遠心ロータから沈殿したDNAを吸い上げて,回収容器509に回収する。遠心ロータは,位置500−14に回転移動し,自動ピペット511を用いて,遠心ロータに洗浄液が添加される。遠心ロータは,位置500−15に回転移動し,自動ピペット512を用いて,洗浄液を遠心ロータから吸い出す。遠心ロータは回転移動して,位置500−15に再び戻り,新しい試料に関する試料調製の開始を待つ待期の状態に戻る。
なお,遠心ロータの蓋504の開け閉めは,蓋504のネジを自動的にしめたり,ゆるめたりする第21図に図示しない機構,または,蓋504のロックを自動的にセットしたり,解除する第21図に図示しない機構により,自動的に行なわれる。
以上説明したように,実施例7では,遠心ロータへの試料溶液の添加する工程,遠心ロータを回転して試料を遠心分離する工程,遠心分離された沈殿試料を洗浄する工程,遠心分離された沈殿試料を溶解する工程,溶解した試料を遠心ロータから回収する工程,遠心ロータを洗浄する工程等からなる各工程を,順次異なる試料溶液に適用して繰返すループを形成している。
本発明では,小型軽量の遠心ロータを実現することができる。本発明では,複数の各遠心ロータは移動可能な搬送装置に設置され,試料添加装置と試料回収装置との間を移動でき,試料溶液の添加,遠心分離,試料の回収を各遠心ロータ毎に独立して,容易に迅速に実行でき,自動化に適する遠心分離機を提供できる。また,一定時間当たり一定の試料数で処理し続ける能力を有し,PCR等の各種反応を行なう装置,遠心ロータへ試料溶液を添加する試料添加装置,遠心ロータから遠心分離された試料を回収する試料回収装置,遠心ロータの洗浄装置を含み,試料調製の各種の工程を各遠心ロータ毎に独立して自動的にシーケンシャルに行なう試料調製装置を実現できる。本発明では,小型軽量の遠心ロータを使用するので,試料調製装置の全体を小型軽量にできる。
本発明の代表的な構成は以下の特徴を有する。
(C1)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口が設けられ,2回の回転対称軸を有する遠心ロータと,前記開口に結合可能な部材と,前記回転対称軸の方向を第1方向として前記第1方向の回転軸の回りに,前記部材を回転させて前記遠心ロータを回転させる回転駆動手段とを有し,前記第1方向に直交する2方向を第2方向,第3方向とする時,前記試料分離室の前記第3方向での長さが,前記試料分離室の前記第2方向での長さより大である遠心分離機。
(C2)(C1)の遠心分離機に於いて,前記部材と前記上部開口とを噛み合わせ,前記部材が前記上部開口を密閉する遠心分離機。
(C3)(C1)の遠心分離機に於いて,前記試料分離室の内部に前記上部開口から注入される遠心分離機。
(C4)(C1)の遠心分離機に於いて,前記試料分離室は前記回転対称軸に交叉する中心を持つ凹部を有する遠心分離機。
(C5)(C1)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータの回転により生じる最も遠心分離加速度がかかる部分が最も狭い断面積を有する遠心分離機。
(C6)(C1)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータの下部に前記試料分離室に通じる下部開口を有する遠心分離機。
(C7)(C1)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータが上部部材と下部部材とから構成され,前記上部部材と前記下部部材とが接合される遠心分離機。
(C8)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口が設けられ,2回の回転対称軸を有する遠心ロータと,前記開口に結合可能な部材と,前記回転対称軸をZ軸として前記Z軸の回りに,前記部材を回転させて前記遠心ロータを回転させる回転駆動手段とを有し,前記Z軸に垂直な方向での前記試料分離室の両端部の間の距離が最大となる方向をY軸,前記Z軸及び前記Y軸に直交する方向をX軸とする時,ZX面に平行な面での前記試料分離室の断面積に於いて,前記Z軸より遠い位置での前記断面積が,前記Z軸に近い位置での前記断面積よりも小さい遠心分離機。(C9)(C8)の遠心分離機に於いて,前記部材と前記上部開口とを噛み合わせ,前記部材が前記上部開口を密閉する遠心分離機。
(C10)(C8)の遠心分離機に於いて,前記試料分離室の内部に前記上部開口から注入される遠心分離機。
(C11)(C8)の遠心分離機に於いて,前記試料分離室は前記Z軸を含み直交する2つの対称面を持つ凹部を有する遠心分離機。
(C12)(C8)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータの回転により生じる最も遠心分離加速度がかかる部分が最も狭い断面積を有する遠心分離機。
(C13)(C8)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータの下部に前記試料分離室に通じる下部開口を有する遠心分離機。
(C14)(C8)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータが上部部材と下部部材とから構成され,前記上部部材と前記下部部材とが接合される遠心分離機。
(C15)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,2回の回転対称軸を有する遠心ロータと,前記回転対称軸を回転軸として前記回転軸の回りに,前記遠心ロータを回転させる回転駆動手段と,前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器とを有する遠心分離機。
(C16)(C15)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータが上部部材と下部部材とから構成され,前記上部部材と前記下部部材とが接合される遠心分離機。(C17)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,2回の回転対称軸を有する遠心ロータと,前記回転対称軸をZ軸として前記Z軸の回りに前記遠心ロータを回転させる回転駆動手段とを有し,前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器とを有し,前記Z軸に垂直な方向での前記試料分離室の両端部の間の距離が最大となる方向をY軸,前記Z軸及び前記Y軸に直交する方向をX軸とする時,前記溶液保持容器の長手方向が前記Y軸に一致する遠心分離機。
(C18)(C17)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータが上部部材と下部部材とから構成され,前記上部部材と前記下部部材とが接合される遠心分離機。
(C19)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,2回の回転対称軸を有する遠心ロータと,前記開口に結合可能な部材と,前記回転対称軸の方向を第1方向として前記第1方向の回転軸の回りに,前記部材を回転させて前記遠心ロータを回転させる回転駆動手段と,前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器とを有し,前記第1方向に直交する2方向を第2方向,第3方向とする時,前記試料分離室の前記第3方向での長さが,前記試料分離室の前記第2方向での長さより大である遠心分離機。
(C20)(C19)の遠心分離機に於いて,前記部材と前記上部開口とを噛み合わせ,前記部材が前記上部開口を密閉する遠心分離機。
(C21)(C19)の遠心分離機に於いて,前記試料分離室は前記回転対称軸を含み直交する2つの対称面を持つ凹部を有する遠心分離機。
(C22)(C19)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータの回転により生じる最も遠心分離加速度がかかる部分が最も狭い断面積を有する遠心分離機。
(C23)(C19)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータを下方から回転可能に支持する手段を有する遠心分離機。
(C24)(C19)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータが上部部材と下部部材とから構成され,前記上部部材と前記下部部材とが接合される遠心分離機。(C25)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,2回の回転対称軸を有する遠心ロータと,前記開口に結合可能な部材と,前記回転対称軸をZ軸として前記Z軸の回りに,前記部材を回転させて前記遠心ロータを回転させる回転駆動手段と,前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器とを有し,前記Z軸に垂直な方向での前記試料分離室の両端部の間の距離が最大となる方向をY軸,前記Z軸及び前記Y軸に直交する方向をX軸とする時,ZX面に平行な面での前記試料分離室の断面積に於いて,前記Z軸より遠い位置での前記断面積が,前記Z軸に近い位置での前記断面積よりも小さい遠心分離機。
(C26)(C25)の遠心分離機に於いて,前記部材と前記上部開口とを噛み合わせ,前記部材が前記上部開口を密閉する遠心分離機。
(C27)(C25)の遠心分離機に於いて,前記試料分離室は前記回転対称軸を含み直交する2つの対称面を持つ凹部を有する遠心分離機。
(C28)(C25)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータの回転により生じる最も遠心分離加速度がかかる部分が最も狭い断面積を有する遠心分離機。
(C29)(C25)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータを下方から回転可能に支持する手段を有する遠心分離機。
(C30)(C25)の遠心分離機に於いて,前記遠心ロータが上部部材と下部部材とから構成され,前記上部部材と前記下部部材とが接合されることを遠心分離機。
(C31)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口が設けられ,2回の回転対称軸を有する複数の遠心ロータと,前記各遠心ロータの前記回転対称軸を回転軸として前記回転軸の回りに,前記各遠心ロータを回転させる複数の回転駆動手段と,前記各回転駆動手段を互いに独立に駆動させる制御手段とを有する試料調製装置。
(C32)(C31)の試料調製装置に於いて,前記制御手段は,前記各遠心ロータの前記試料分離室への前記試料溶液の注入の制御と,前記各遠心ロータの前記試料分離室から前記試料を回収する制御とを,前記各遠心ロータ毎に行なう試料調製装置。
(C33)(C31)の試料調製装置に於いて,前記各遠心ロータはループ状の軌道を移動する搬送装置に設置される試料調製装置。
(C34)(C31)の試料調製装置に於いて,前記各遠心ロータはループ状の軌道を移動する搬送装置に設置され,前記搬送装置の所定の移動の区間で,前記各遠心ロータが回転され前記試料溶液の遠心分離を行なう試料調製装置。
(C35)(C31)の試料調製装置に於いて,前記各遠心ロータは円軌道を移動する搬送装置に設置される試料調製装置。
(C36)(C31)の試料調製装置に於いて,前記各遠心ロータは円軌道を移動する搬送装置に設置され,前記搬送装置の所定の移動の区間で,前記各遠心ロータが回転され前記試料溶液の遠心分離を行なう試料調製装置。
(C37)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,2回の回転対称軸を有する複数の遠心ロータと,前記各遠心ロータの前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器と,前記各遠心ロータの前記回転対称軸を回転軸として前記回転軸の回りに,前記遠心ロータを回転させる複数の回転駆動手段と,前記各遠心ロータの前記回転駆動手段を互いに独立に駆動させる制御手段とを有する試料調製装置。
(C38)(C37)の試料調製装置に於いて,前記制御手段は,前記各遠心ロータの前記溶液保持容器への前記試料溶液の注入の制御と,前記各遠心ロータの前記試料分離室から前記試料を回収する制御とを,前記各遠心ロータ毎に行なう試料調製装置。
(C39)(C37)の試料調製装置に於いて,前記各遠心ロータはループ状の軌道を移動する搬送装置に設置される試料調製装置。
(C40)(C37)の試料調製装置に於いて,前記各遠心ロータはループ状軌道を移動する搬送装置に設置され,前記搬送装置の所定の移動の区間で,前記各遠心ロータが回転され前記試料溶液の遠心分離を行なう試料調製装置。
(C41)(C37)の試料調製装置に於いて,前記各遠心ロータは円軌道を移動する搬送装置に設置される試料調製装置。
(C42)(C37)の試料調製装置に於いて,前記各遠心ロータは円軌道を移動する搬送装置に設置され,前記搬送装置の所定の移動の区間で,前記各遠心ロータが回転され前記試料溶液の遠心分離を行なう試料調製装置。
(C43)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口が設けられ,2回の回転対称軸を有する複数の遠心ロータを用いる試料調製方法であって,(1)前記各遠心ロータの前記試料分離室に前記試料溶液を添加する工程と,(2)前記各遠心ロータをループ状軌道で移動させる工程と,(3)前記各遠心ロータの前記回転対称軸を回転軸として前記回転軸の回りに前記各遠心ロータを互いに独立に回転させ,前記試料溶液を遠心分離する工程と,(4)前記各遠心ロータの前記試料分離室から遠心分離された前記試料を回収する工程とを有する試料調製方法。
(C44)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口が設けられ,2回の回転対称軸を有する複数の遠心ロータを用いる試料調製方法であって,(1)前記各遠心ロータの前記試料分離室に前記試料溶液を添加する工程と,(2)前記各遠心ロータをループ状軌道で移動させる工程と,(3)前記各遠心ロータの前記回転対称軸を回転軸として前記回転軸の回りに前記各遠心ロータを互いに独立に回転させて,前記試料溶液を遠心分離し前記試料の沈殿を生成する工程と,(4)前記各遠心ロータの前記試料分離室から遠心分離上清を排出する工程と,(5)前記各遠心ロータの前記試料分離室の内部の前記沈殿を洗浄する工程と,(6)前記各遠心ロータの前記試料分離室の内部に溶媒を添加して,前記各遠心ロータを互いに独立に回転させて,前記沈殿を前記溶媒に溶解する工程と,(7)前記各遠心ロータの前記試料分離室から前記沈殿が溶解した溶媒を回収容器に回収する工程とを有する試料調製方法。
(C45)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,2回の回転対称軸を有する複数の遠心ロータを用いる試料調製方法であって,(1)前記各遠心ロータの前記試料分離室の内部に固定され凹部を持つ溶液保持容器に,前記試料溶液を添加する工程と,(2)前記各遠心ロータをループ状軌道で移動させる工程と,(3)前記各遠心ロータの前記回転対称軸を回転軸として前記回転軸の回りに前記各遠心ロータを互いに独立に回転させ,前記試料溶液を遠心分離する工程と,(4)前記各遠心ロータの前記試料分離室から遠心分離された前記試料を回収する工程とを有する試料調製方法。(C46)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,2回の回転対称軸を有する複数の遠心ロータを用いる試料調製方法であって,(1)前記各遠心ロータの前記試料分離室の内部に固定され凹部を持つ溶液保持容器に,前記試料溶液を添加する工程と,(2)前記各遠心ロータをループ状軌道で移動させる工程と,(3)前記各遠心ロータの前記回転対称軸を回転軸として前記回転軸の回りに前記各遠心ロータを互いに独立に回転させて,前記試料溶液を遠心分離し前記試料の沈殿を生成する工程と,(5)前記各遠心ロータの前記試料分離室の前記下部開口から遠心分離上清を排出する工程と,(6)前記各遠心ロータの前記試料分離室の内部の前記沈殿を洗浄する工程と,(7)前記各遠心ロータの前記試溶液保持容器に溶媒を添加して,前記各遠心ロータを互いに独立に回転させて,前記沈殿を前記溶媒に溶解する工程と,(8)前記各遠心ロータの前記試料分離室の前記下部開口から前記沈殿が溶解した溶媒を回収容器に回収する工程とを有する試料調製方法。
(C47)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口が設けられ,2回の回転対称軸を有し,前記回転対称軸の方向を第1方向として,前記第1方向に直交する2方向を第2方向,第3方向とする時,前記試料分離室の前記第3方向での長さが,前記試料分離室の前記第2方向での長さより大である遠心ロータ。
(C48)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口が設けられ,2回の回転対称軸を有し,前記回転対称軸をZ軸として,前記Z軸に垂直な方向での前記試料分離室の両端部の間の距離が最大となる方向をY軸,前記Z軸及び前記Y軸に直交する方向をX軸とする時,ZX面に平行な面での前記試料分離室の断面積に於いて,前記Z軸より遠い位置での前記断面積が,前記Z軸に近い位置での前記断面積よりも小さい遠心ロータ。
(C49)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器とを有し,2回の回転対称軸を有する遠心ロータ。
(C50)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器を有し,前記Z軸に垂直な方向での前記試料分離室の両端部の間の距離が最大となる方向をY軸,前記Z軸及び前記Y軸に直交する方向をX軸とする時,前記溶液保持容器の長手方向が前記Y軸に一致し,2回の回転対称軸を有する遠心ロータ。
(C51)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器とを有し,前記第1方向に直交する2方向を第2方向,第3方向とする時,前記試料分離室の前記第3方向での長さが,前記試料分離室の前記第2方向での長さより大であり,2回の回転対称軸を有する遠心ロータ。
(C52)試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に有し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,前記試料分離室の内部に固定され,前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器とを有し,前記Z軸に垂直な方向での前記試料分離室の両端部の間の距離が最大となる方向をY軸,前記Z軸及び前記Y軸に直交する方向をX軸とする時,ZX面に平行な面での前記試料分離室の断面積に於いて,前記Z軸より遠い位置での前記断面積が,前記Z軸に近い位置での前記断面積よりも小さく,2回の回転対称軸を有する遠心ロータ。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の実施例1の遠心分離機の構成を示す斜視図である。
第2図は,本発明の実施例1の遠心ロータの断面図である。
第3図は,本発明の実施例2の遠心分離機の構成を示す斜視図である。
第4図は,本発明の実施例2の遠心ロータの断面図である。
第5図は,本発明の実施例2の遠心分離機を用いた遠心分離操作の手順を説明する断面図である。
第6図は,本発明の実施例3の遠心分離機の構成を示す斜視図である。
第7図は,本発明の実施例3の遠心ロータの断面図である。
第8図は,本発明の実施例3の遠心ロータの平面図である。
第9図,第10図は,本発明の実施例3の遠心ロータの断面図である。
第11図は,本発明の実施例3の遠心ロータの試料分離室の形状を示す斜視図である。
第12図は,本発明の実施例4の遠心分離機の断面図である。
第13図は,本発明の実施例4の遠心ロータの平面図である。
第14図,第15図は,本発明の実施例4の遠心ロータの断面図である。
第16図は,本発明の実施例4の遠心ロータの試料分離室の内部に配置される溶液保持容器の形状を示す斜視図である。
第17図は,本発明の実施例3の変形例である実施例5の遠心分離機の構成を示す斜視図である。
第18図は,本発明の実施例5の遠心分離機の断面図である。
第19図は,本発明の実施例6であり,実施例2,又は実施例4の遠心ロータを複数有し,各遠心ロータ毎に試料調製を独立して行なう試料調製装置,及び試料調製方法の例を説明する平面図である。
第20図は,本発明の実施例6に於いて,遠心ロータを回転させる機構,及びピペットノズルの移動機構を説明する斜視図である。
第21図は,本発明の実施例7であり,実施例1の変形実施例1,2,実施例5及びその変形実施例の何れかの遠心ロータを複数有し,各遠心ロータ毎に試料調製を独立して行なう試料調製装置,及び試料調製方法の例を説明する模式図である。
Claims (1)
- 試料溶液に含まれる試料を遠心分離する1つの試料分離室を内部に具備し,上部に前記試料分離室に通じる上部開口と,下部に前記試料分離室に通じる下部開口とが設けられ,回転対称軸を具備する遠心ロータと,
前記回転対称軸を回転軸として前記回転軸の回りに,前記遠心ロータを回転させる回転駆動手段と,
前記試料分離室の内部に固定され,かつ前記上部開口から注入された前記試料溶液を保持する凹部を持つ溶液保持容器とを有することを特徴とする遠心分離機。
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