JP3968538B2 - ガラス板の曲げ成形方法および装置 - Google Patents

ガラス板の曲げ成形方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、船舶、鉄道、航空機などの輸送機器あるいは建築用その他各種用途のガラス板の曲げ成形方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱炉において軟化点近くまで加熱したガラス板を湾曲した複数のローラにより搬送することによって、ガラス板を曲げ成形する方法が知られている(例えば米国特許4,123,246号明細書)。この場合、軟化したガラス板はその自重により垂れ下がるので、ローラの曲率に倣うように曲げられるものである。
【0003】
また、加熱路において軟化点近くまで加熱したガラス板を、その搬送路が湾曲するように搬送方向に傾斜配置した複数のローラにより搬送することによって、ガラス板を曲げ成形する方法が知られている(例えば米国特許4,820,327号明細書)。この場合、軟化したガラス板はその自重により垂れ下がるので、搬送路の曲率に倣うように曲げられるものである。
【0004】
一方、上記明細書に記載された方法によると、ガラス板は加熱炉を通過した後にローラにより形成された搬送路や湾曲ローラによって曲げ成形されるため、ガラス板が十分に加熱していないと、搬送路やローラの曲率に倣うことができない。そのためにガラス板の温度を上げてやると、今度はガラス板にローラの搬送跡等が残ってしまい、外観不良や光学歪の原因になってしまう。さらに、ガラス板のローラ上の搬送による曲げ成形であることから、搬送路やローラの曲率に倣うように十分な搬送距離を必要とする。そのため、たとえガラス板の温度を上げてやっても、ガラス板がローラに熱を奪われ要求されるガラス板の温度が得られないことがあった。また、十分な搬送距離を必要とするために、成形装置が大型化するという問題もあった。
【0005】
加えて、上記明細書に記載された方法では、ガラス板の周縁領域の十分な曲げ成形が困難であった。すなわち、米国特許4,820,327号明細書に記載された方法では、ガラス板の搬送方向に曲率を有するように成形する。この場合、ガラス板の搬送方向に対する上流側縁部と下流側縁部とが実質的な支持部分になってガラス板の中央領域が下方に落ちるように曲げ成形される。そのため、支持部分近傍の曲げ成形が十分になされず、搬送方向に対する上流側縁部領域と下流側縁部領域とに所望の曲率を与えることができない。
【0006】
同様に、米国特許4,123,246号明細書に記載された方法では、ガラス板の搬送方向に垂直な方向に曲率を有するように成形する。この場合、ガラス板の搬送方向に平行な縁部が実質的な支持部分になってガラス板の中央領域が下方に落ちるように曲げ成形される。そのため、やはり支持部分(縁部)近傍の曲げ成形が十分になされず、搬送方向に平行な両側の縁部領域に所望の曲率を与えることができない。
【0007】
そこで、例えば上記米国特許4,123,246号明細書に記載された方法にさらにガラス板を上下のローラにより挟み込むことが考えられる。これによって、ガラス板の外観不良が生じない程度の温度でもローラにガラス板が倣うようにすることができ、ガラス板の温度を上げすぎずに所望の曲率に曲げ成形されたガラス板を得ることができる。そして、縁部領域の成形不良を低減できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の自動車には少量多品種の要求が高まっているため、その型式毎にそれぞれ対応する曲率のガラス板が必要である。このために、上記米国特許4,123,246号明細書に記載された方法では、型式毎にその型式に見合った曲率のローラに交換する必要があった。この交換には時間がかかるものであり、しかも型式毎に求められる曲率のローラを用意する必要があった。米国特許4,820,327号明細書に記載された方法では、型式毎にその型式に見合った曲率の搬送路になるようにローラの配置を変更する必要があった。この変更には時間がかかるものであった。
【0009】
さらに、特に自動車用の近年の窓は、一方向にだけではなく複数の方向に曲率を有するガラス板(複曲ガラス板)が用いられるようになってきている。上記米国特許4,123,246号明細書には、このような複曲ガラス板を得るために、加熱炉から出たガラス板を搬送する複数のローラを傾斜するように配置し、このローラの搬送方向に垂直な方向に設けられた曲率と搬送方向に設けられた傾斜とによって、複曲曲げ成形されたガラス板を得ている。
【0010】
しかしながら、上記明細書に開示された方法では、ガラス板の搬送される方向において、部位に応じて異なる曲率を与えることができなかった。すなわち、例えば自動車用のリヤガラスの場合、左右辺の近傍は大きな曲率(小さな曲率半径)を有し、中央部は小さな曲率(大きな曲率半径)を有するガラス板が用いられることがある。この場合、ローラの端部の曲率を大きくしておき、リヤガラスの左右辺が搬送方向に向くようにガラス板を搬送することによって、左右辺の近傍に大きな曲率を有するガラス板が得られる可能性がある。しかし、この場合には、ローラの端部に大きな曲率を与えなければならないため、ローラの回転がスムースにいかなくなってしまう。そのため、ガラス板の搬送する向きを変えてやると、搬送方向に設けられた傾斜では一律の曲率しか与えられないため、結局部位によって異なる曲率を有するガラス板の曲げ成形が困難であった。
【0011】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた欠点を解消することにあり、従来知られていなかったガラス板の曲げ成形方法および装置を新規に提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題に鑑みてなされたものであり、ガラス板を加熱炉内に搬送手段にて概略水平方向に搬送しながら成形温度まで加熱し、前記加熱炉の下流に設けられた成形手段によって曲げ成形するガラス板の曲げ成形方法において、前記成形手段は複数のローラがガラス板の搬送される搬送面の上下に配されたローラ群を備えてなり、これら上下のローラの間にガラス板を挟み込んで曲げ成形するとともに、上下のローラによりガラス板が挟み込まれる領域を変えるように前記複数のローラの位置を搬送方向に移動させながらガラス板を搬送し、ガラス板を所定の曲率に曲げることを特徴とするガラス板の曲げ成形方法を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、ガラス板を成形温度まで加熱する加熱炉と該加熱炉内にガラス板を概略水平方向に搬送する搬送手段とを有する加熱ステージと、前記加熱炉の下流に設けられたガラス板を曲げ成形する成形手段と、を含むガラス板の曲げ成形装置において、前記成形手段は、複数のローラが、前記ガラス板の搬送される搬送面の上下に、ガラス板の搬送方向に移動自在に配されたローラ群と、前記複数のローラをガラス板の搬送方向に移動させる移動手段と、前記加熱ステージから搬送されてきたガラス板を前記上下のローラで挟み込んで所定の曲率に曲げるとともに、上下のローラによりガラス板が挟み込まれる領域を変えてガラス板の曲げられる領域を変えながら、前記複数のローラの位置を搬送方向に移動するように前記移動手段を制御する制御手段と、から成ることを特徴とするガラス板の曲げ成形装置を提供するものである。
【0014】
このガラス板の曲げ成形方法及びその装置において、ガラス板の搬送方向に対する上流側縁部領域および下流側縁部領域が、前記上下の複数のローラの間を通過する際に、前記両縁部領域を上ローラのローラ面に下ローラで倣わせるように上ローラと下ローラとを相対的に移動させることによって、前記両縁部領域を所定の曲率に曲げることができる。また、上下のローラを湾曲形状のローラにすることによって、ガラス板の搬送方向に垂直な方向の部位に応じた曲率を変えることができ、しかも、複雑な曲げ形状のガラス板にともなう搬送不良も減少させることができる。
【0015】
そして、このガラス板の曲げ成形方法及びその装置において、下ローラをガラス板の搬送方向下流側ローラと搬送方向上流側ローラとの少なくとも2本のローラとし、ガラス板を下流側ローラおよび上流側ローラにより支持しながら、上ローラを下流側ローラと上流側ローラとの間に配してガラス板の上方からガラス板に当接させて、ガラス板の下流側ローラに支持される部位と上流側ローラに支持される部位との間の領域を下に凸形状となるように曲げ成形するとともに、下流側ローラおよび上流側ローラを搬送方向に移動させてガラス板を搬送方向に搬送しながら、上ローラを搬送方向に移動させて、ガラス板の下流側ローラに支持される部位と上流側ローラに支持される部位との間の領域を変化させて曲げ成形すべきガラス板の全領域を順次曲げ成形することにより、搬送方向の所定の曲率をガラス板に与えることができ、かつ曲げ成形するゾーンを短ゾーン化できる。
【0016】
また、このガラス板の曲げ成形方法及びその装置において、ガラス板の曲げ成形の後に冷却手段によりガラス板を急冷することにより、強化処理された曲げガラス板を得ることができる。この場合、ガラス板を急冷強化する冷却手段を、搬送手段によりも上方に設けて、ガラス板の搬送方向の湾曲形状に概略一致する経路を備えて、上下のローラをガラス板の搬送方向の湾曲形状に概略一致する経路を形成するように搬送手段と冷却手段との間を移動可能にすることによって、ガラス板の搬送をスムーズに、かつ曲げ成形するゾーンを短ゾーン化できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るガラス板の曲げ成形装置を含むガラス板の曲げ強化工程の全体構成を示す機略断面図である。
ガラス板10は、加熱ステージST1において加熱炉1内に搬送され、成形温度まで加熱される。この際、加熱炉1内ではこのガラス板10は第1の搬送手段11によって搬送される。
【0018】
加熱炉の下流には成形ステージST2が設けられている。この成形ステージST2には、ガラス板10を搬送しながら曲げ成形する複数の湾曲ローラ21(第1の成形手段=第2の搬送手段)が搬送方向に下方に傾斜するように配されている。湾曲ローラ21の後段には、搬送されるガラス板10の上下に配された複数のローラ22、22’からなる第2の成形手段が備えられている。ガラス板10は、湾曲ローラ21上に搬送されることによって予備曲げ成形され、湾曲ローラ22、22’によって上下から挟み込まれることによって、複数の湾曲ローラ21の傾斜配置によって設けられた搬送方向の予備曲率にさらに所望の曲率を与える。
【0019】
こうして曲げ成形されたガラス板10は、冷却ステージST3に搬送され、搬送面の上下に配された冷却風吹き付け装置から吹き付けられる冷却風によって冷却される。このとき、ガラス板の厚みに応じた冷却能を適宜選択することによる熱処理によって、ガラス板を急冷強化することは好ましい。
図2は、本発明における成形手段の一例を示す要部概略断面図である。複数の湾曲ローラ22、22’は、ガラス板10が搬送される搬送面の上下に配されていて、ガラス板10が搬送されてきたときにこのガラス板10を挟み込む。このとき、湾曲ローラ22、22’は、ガラス板10の搬送方向の曲率を部位によって変化させるために、搬送方向の水平成分方向(X軸方向)および垂直方向(Z軸方向)にその位置を可変としている。
【0020】
具体的には、例えばガラス板の搬送方向下流側の部位を大きな曲率に曲げ成形する場合には、ガラス板10が湾曲ローラ22の近傍に到達すると、湾曲ローラ22はガラス板10を押しつけるように搬送面よりも下方に位置を変える。一方、湾曲ローラ22’は、図中左側に位置する湾曲ローラ22’はさらに左側へ、図中右側の湾曲ローラ22’はさらに右側へと、その位置を変化させる(図2(a);点線の位置から実線の位置)。
【0021】
次いで、さらにガラス板10が搬送されると、湾曲ローラ22は上方へ、湾曲ローラ22’はそれぞれもとの場所へと、その位置を移動させる(図2(b)点線の位置から実線の位置)。こうして、ガラス板10の搬送方向下流側を大きな曲率(小さな曲率半径)とし、中央部を小さな曲率(大きな曲率半径)とするガラス板を得ることができる。このように、本例におけるガラス板の曲げ成形は、基本的にガラス板の搬送方向下流側ロ−ラと搬送方向上流側ロ−ラとの2本のローラを用いてガラス板を支持しながら、下流側ローラと上流側ローラとの間のガラス板のガラス板上面に上ローラを当接させて、ガラス板を曲げ成形するものである。すなわち、2本の下ローラによってガラス板を上方に向けて支持し、上ローラによってガラス板に下方に向かう押圧力を与えることによって、ガラス板の下流側ローラに支持される部位と上流側ローラに支持される部位との間の領域を下に凸形状となるように曲げ成形するものである
【0022】
なお、図2において、湾曲ローラ22は1本、湾曲ローラ22’は2本のみ図示してあるが、その本数は得ようとするガラス板の曲げ形状に応じて適宜決定される。本例のように、ガラス板の部位に応じて曲率を変える場合に、図示は省略したが上下に3本ずつ程度が、ガラス板の所望の形状が得られる点で好ましい。また、図において、便宜上湾曲ローラの径を大きく示したが、これらの湾曲ローラの径は、図面を用いてその特徴を限定して示すものではない。上下の湾曲ローラの径は、ともに同じ大きさであっても異なる大きさであってもよい。各々のローラが他のローラの動きを妨げないように、その径の大きさが決定されるものである。
上記のように、2本の下ローラによってガラス板を上方に向けて支持し、上ローラによってガラス板に下方に向かう押圧力を与え、ガラス板の下流側ローラに支持される部位と上流側ローラに支持される部位との間の領域を下に凸形状と成るように曲げ成形する場合には、上ローラの径を下ローラの径よりも大きくすることが好ましい。
【0023】
さらに、搬送方向における部位に応じて曲率を変化させるための湾曲ローラの移動は、得ようとするガラス板の形状データに基づき、行うことが好ましい。特に車両窓用のガラス板は、その形状がCADデータとして準備される。このCADデータを上記の湾曲ローラの移動を制御する装置にリンクさせることによって、自動的に所定のガラス板の曲げ形状を得ることができる。
【0024】
上記例では、湾曲ローラ21、22、22’はそれぞれ下に凸となる曲率を有する。したがって、予備曲げ成形たる湾曲ローラ21上にガラス板を搬送することによって、ガラス板の中央部が下方に壁れ下がるように自重により曲げ成形される。
本発明においてこれら湾曲ローラは、上記例とは逆に上に凸形状であってもよい。この場合、ガラス板の周縁部が下方に垂れ下がることによって、ガラス板が自重により曲げ成形される。ガラス板の中央部が垂れ下がる場合と周縁部が垂れ下がる場合とを比べると、ガラス板の温度によっては後者の方がガラス板の中央部にローラ搬送による光学歪が形成されるおそれがある。また、ローラが上に凸である場合、上記の予備曲げ成形においては、複数の湾曲ローラ21を上方に傾斜するように配置する方が、ガラス板の所望の曲げ形状を得やすい場合が多い。これらの事情から、湾曲ローラは下に凸形状に湾曲したものの方が好ましい。
【0025】
本発明におけるガラス板は、加熱炉内において600〜700℃程度に加熱される。この場合、ガラス板は加熱炉内をローラによって搬送させてもよいし、加熱炉の下方から吹き出す加熱エアによりガラス板を浮揚させながら搬送させてもよい。次のステージ(成形ステージ)においてローラでガラス板を搬送する点から、加熱炉内でもローラで搬送することが好ましい。
【0026】
上記例において、成形ステージにおける成形手段を2種類設けた。本発明において、上記例の第1の成形手段は必要に応じて設けられるものである。すなわち、予備曲げ成形をせずにガラス板を無理なく曲げ成形できるような形状であれば、第1の成形手段を介さずに、加熱炉で加熱されたガラス板を上記第2の成形手段で曲げ成形してもよい。この場合、加熱されたガラス板の温度が冷える前に第2の成形手段にて曲げ成形できるため、好ましい。
【0027】
一方、曲げ形状によっては予備曲げ成形をしておいた後に、本曲げ成形として第2の成形手段を用いる必要性が生じる場合がある。このような場合には、第1の成形手段として第2の搬送手段たる湾曲ローラ上を搬送させることによって、まずガラス板をある程度予備曲げ成形し、次いで、第2の成形手段でガラス板の上下に配された湾曲ローラの位置を変化させながらガラス板を挟み込むことによって、ガラス板の所定の部位に所望の曲率を与えることができる。
【0029】
さらに、上記のようにガラス板の搬送方向及び搬送方向に垂直な方向に所望の曲率を与えるように複数の湾曲ローラの位置を可変とすることは、次のような利点を有する。すなわち、型式ごとに形状が異なるガラス板を曲げ成形する場合の、成形手段の交換時間を大幅に短縮できることである。
【0030】
図3は、本発明の第2の実施の形態のガラス板の曲げ成形装置30を含むガラス板の曲げ強化工程の全体構成を示す斜視図であり、図4はその側面図である。なお、図3では、図4に示している多数の冷風吹付ノズル32、32…等を省略して示している。また、このガラス板の曲げ成形装置30は、先に述べた予備曲げ成形をせずに曲げ成形できるガラス板、例えば自動車のドアガラスのような一方向に曲率を有するガラス板34の曲げ成形を対象としている。したがって、当該成形装置30で適用される成形用の3本のローラに、即ち上ローラ36、第1下ローラ38、及び第2下ローラ40は湾曲ローラではなくストレートのものが使用される例を示している。また、第1の実施の形態と異なり、傾斜配置した湾曲ローラによる予備曲げ成形を行わない例である。前記ローラ36、38、40については後述する。
【0031】
次に、前記成形装置30の構成について説明する。
図3、図4に示すように当該成形装置30は、成形工程の上流から下流に向かって、第1搬送装置42を有する加熱炉44、成形用の3本のローラ36、38、40、第2搬送装置46、一次冷却用冷風吹付ノズル32、32…、二次冷却用冷風吹付ノズル48、48…、スライド移送装置50(図5参照)、回転移送装置52、及び第3搬送装置54が順に配置されている。
【0032】
ここで、上記各装置におけるガラス板34の成形工程を説明すると、まず、曲げ成形前のガラス板34は、第1搬送装置42によって加熱炉44内に搬送され、成形温度まで加熱される。そして、加熱されたガラス板34は、加熱炉44を出た直後に、前記3本のローラ36、38、40で挟み込まれることによって、所望の一方向の曲率に曲げられる。
【0033】
こうして、本例におけるガラス板の曲げ成形は、図1、図2に示した実施の形態と同様に、基本的に搬送方向下流側ローラ(第1下ローラ38)と搬送方向上流側ローラ(第2下ローラ40)との2本のローラを用いてガラス板34を支持しながら、第1下ローラ38と第2下ローラ40との間のガラス板34のガラス板上面に上ローラ36を当接させて、ガラス板34を曲げ成形するものである。すなわち、2本の下ロ−ラ38、40によってガラス板34を上方に向けて支持し、上ロ−ラ36によってガラス板36に下方に向かう押圧力を与えることによって、ガラス板34の第1下ローラ38に支持される部位と第2下ローラ40に支持される部位との間の領域を下に凸形状となるように曲げ成形するものである。そして、ガラス板を搬送しながら少なくとも第1下ローラ38を下流側に向かって移動させ、第1下ローラ38と第2下ロ−ラ40とスパンを変化させて曲げ成形すべきガラス板の全領域を順次曲げ成形するものである。この場合、以下の図8、9に詳説する細かい動作は別として、ガラス板の曲げ成形されるべき曲率に沿った経路を形成するように、上下のローラ36、38、40はX,Z軸方向に移動する。
【0034】
そして、曲げられたガラス板34は、その曲率と同一の曲率を持って配設された第2搬送装置46によって上昇搬送されながら、ガラス板34の両側に配置された一次冷却用(急冷強化用)冷風吹付ノズル32、32…から吹き出される冷却風により急冷強化される。このガラス板34の搬送中において、ガラス板34の上面側に配置した一次冷却用冷風吹付ノズル32、32…からのエア圧を、下面側に配置した一次冷却用冷風吹付ノズル32´、32´…からのエア圧よりも十分に高くして、その圧力差でガラス板34を第2搬送装置46に押し付けて搬送している。これにより、ガラス板34は滑落することなく上昇搬送される。
【0035】
前記一次冷却用冷風吹付ノズル32、32…を通過したガラス板34は、第2搬送装置46によって継続して上昇搬送されながら、水平方向に上下に並んで配置された二次冷却用冷風吹付ノズル48、48…からの冷却風で冷却される。このガラス板34の搬送中において、ガラス板34の左側に配置した二次冷却用冷風吹付ノズル48、48…からのエア圧を、右側に配置した二次冷却用冷風吹付ノズル49、49…からのエア圧よりも十分に高くして、その圧力差でガラス板34を第2搬送装置46に押し付けて搬送している。これにより、ガラス板34は、滑落することなく上昇搬送される。また、前記二次冷却用冷風吹付ノズル48は、ガラス板34が一次冷却により急冷強化されて形状が変化しない程度に冷却されており、ガラス板34を風冷強化するものではないため、一次冷却用冷風吹付ノズル32、32…よりも配置間隔が広く設定されている。
【0036】
第2搬送装置46で最上位置まで搬送されたガラス板34は、図5のスライド移送装置50(図3、図4には不図示)によって、図3の回転移送装置52に移送される。移送されたガラス板34は、回転移送装置52の複数本のアーム53、53…に受け取られた後、回転移送装置52の図上矢印で示す回転によって第3搬送装置54上に載置される。そして、ガラス板34は、第3搬送装置54によって検査工程に搬送される。以上が、図3、図4に示した成形装置30におけるガラス板34の流れである。
【0037】
なお、図4に示すように一次冷却用冷風吹付ノズル32、第2搬送装置46、二次冷却用冷風吹付ノズル48、49、及びスライド移送装置50(図5参照)は、ユニットとして一体に組み立てられている。また、一次冷却用冷風吹付ノズル32、第2搬送装置46、及び二次冷却用冷風吹付ノズル48、49は互いに可撓自在に連結されている。このように構成されたユニットは、加熱炉44の出口に設置された櫓56に、その下部が回動自在に支持され、その上部が櫓56の梁58に高さ調整バー60を介して連結されている。この高さ調整バー60に対する上部の連結位置を変えると、第2搬送装置46の曲率を変えることができる。これによって、ガラス板34の型式に合った曲率に、第2搬送装置46の曲率を合わすことができる。
【0038】
図5は、前記成形装置30の制御系を示すブロック図である。同図に示す制御装置72は、装置全体を統括制御する制御装置である。同図の第1エア供給装置74は、一次冷却用冷風吹付ノズル32に冷却風を供給する装置であり、その供給量が前記制御装置72に制御されている。また、第2エア供給装置76は、二次冷却用冷風吹付ノズル48、49に冷却風を供給する装置であり、その供給量が制御装置72に制御されている。また、制御装置72は、センサ78からのガラス板検出信号に基づいて、上ローラ回転移動装置80、第1下ローラ回転移動装置82、及び第2下ローラ回転移動装置84を制御する。なお、本実施の形態では、前記センサ78を加熱炉44の出口近傍に設けたが、これに限られるものではない。
【0039】
前記上ローラ回転移動装置80は図6に示すように、回転モータ86(図上破線で示す)、Z軸駆動モータ88、及びX軸駆動モータ90を主な構成としている。X軸駆動モータ90は、図4に示した櫓56に図示しない出力軸を水平に向けて固定され、その出力軸に連結された図示しないねじ棒に図6のスライダ92が螺合されている。したがって、X軸駆動モータ90を駆動すると、前記スライダ92がねじの作用によって水平方向(X軸方向)にスライド移動する。
【0040】
前記スライダ92に下面には、前記Z軸駆動モータ88が固定されている。このZ軸駆動モータ88の図示しない出力軸は、ギアボックス94に設けられた図示しない減速機構に連結され、この減速機構の出力端にはロッド96が接続されている。したがって、Z軸駆動モータ88を駆動すると、ロッド96が上下方向(Z軸方向)に上下移動する。なお、前記ロッド96は、ガイド筒98によってガイドされて上下移動する。
【0041】
前記ロッド96の下端部には、ピン99を介して上ローラ36が回転自在に連結され、前記ピン99に前記回転モータ86の出力軸(図示せず)が連結されている。したがって、前記上ローラ36は、回転モータ86によって回転され、Z軸駆動モータ88によって上下移動され、X軸駆動モータ90によって水平移動される。なお、上ローラ36の回転速度は、上ローラ36をどの位置に移動させても上ローラ36とガラス板34との間で速度差によるスリップが生じないように、前記制御装置72によって制御されている。
【0042】
第1下ローラ回転移動装置82は、回転モータ100(図上破線で示す)、Z軸駆動モータ102、X軸駆動モータ104を主な構成としている。
X軸駆動モータ104は、架台112上に図示しない出力軸を水平に向けて固定され、その出力軸に連結された図示しないねじ棒にスライダ106が螺合されている。このスライダ106は、架台112上に水平方向にスライド移動自在に支持されている。したがって、X軸駆動モータ104を駆動すると、前記スライダ106がねじの作用によって水平方向(X軸方向)にスライド移動する。
【0043】
スライダ106に上面には、前記Z軸駆動モータ102が固定される。このZ軸駆動モータ102の図示しない出力軸は、ギアボックス108に設けられた図示しない減速機構に連結され、この減速機構の出力端にはロッド110が接続されている。したがって、Z軸駆動モータ102を駆動すると、ロッド110が上下方向(Z軸方向)に上下移動する。なお、ロッド110は、ガイド筒112によってガイドされて上下移動する。
【0044】
前記ロッド110の上端部には、ピン113を介して第1下ローラ38が回転自在に連結され、前記ピン113に前記回転モータ100の出力軸(図示せず)が連結されている。したがって、第1下ローラ38は、回転モータ100によって回転され、Z軸駆動モータ102によって上下移動され、X軸駆動モータ104によって水平移動される。なお、第1下ローラ38の回転速度は、第1下ローラ38をどの位置に移動させても第1下ローラ38とガラス板34との間で速度差によるスリップが生じないように、前記制御装置72によって制御されている。
【0045】
第2下ローラ回転移動装置84は、回転モータ114(図上破線で示す)、Z軸駆動モータ116、X軸駆動モータ118を主な構成としている。
X軸駆動モータ118は、架台112上に図示しない出力軸を水平に向けて固定され、その出力軸に連結された図示しないねじ棒にスライダ120が螺合されている。スライダ120は、架台112上に水平方向にスライド移動自在に支持されている。したがって、X軸駆動モータ118を駆動すると、スライダ120がねじの作用によって水平方向(X軸方向)にスライド移動する。
【0046】
スライダ120に上面には、前記Z軸駆動モータ116が固定される。このZ軸駆動モータ116の図示しない出力軸は、ギアボックス122に設けられた図示しない減速機構に連結され、この減速機構の出力端にはロッド124が接続されている。したがって、Z軸駆動モータ116を駆動すると、ロッド124が上下方向(Z軸方向)に上下移動する。なお、ロッド124は、ガイド筒126によってガイドされて上下移動する。
【0047】
ロッド124の上端部には、ピン127を介して第2下ローラ40が回転自在に連結され、前記ピン127に前記回転モータ114の出力軸(図示せず)が連結されている。したがって、第2下ローラ40は、回転モータ114によって回転され、Z軸駆動モータ116によって上下移動され、X軸駆動モータ118によって水平移動される。なお、第2下ローラ40の回転速度は、第2下ローラ40をどの位置に移動させても第2下ローラ40とガラス板34との間で速度差によるスリップが生じないように、前記制御装置72によって制御されている。
制御装置72による前記各ローラ36、38、40の制御は、例えば数値制御によって行われている。ガラス板34の曲げ形状はCADデータ等によってデータ化されている。このデータに基づき、ガラス板34の搬送速度、ガラス板34の搬送されている位置に応じて、各ローラ36〜40のX軸方向、Z軸方向への移動距離を、それぞれ予め制御装置72に入力しておく。これにより、ガラス板34の逐次ガラス板34の所定部位に上方から上ローラ36が当接し、この上ローラ36の搬送方向上下流側で下ローラ38、40がガラス板34を支持して所定部位を所定曲率に曲げ成形できるように上下のローラ36、38、40を所定位置に移動させることができる。この際、ガラス板34の搬送速度及び各ローラ36、38、40の移動速度に応じて、さらに各ローラ36、38、40の回転速度を上述のように制御する。
【0048】
次に、図7を参照して上ローラ36、第1下ローラ38、及び第2下ローラ40によるガラス板34の曲げ成形動作について説明する。
まず、図7(A)に示すように、加熱炉44からガラス板34が搬出されてきたことをセンサ78で検知すると、上ローラ36、第1下ローラ38、及び第2下ローラ40は、ガラス板34との間でスリップが生じないように、ガラス板34と接触する直前でガラス板34の搬送速度と同速度で回転され、そして、ガラス板34の搬送方向に対する下流側縁部領域34Aの曲げ成形を開始する。この下流側縁部領域34Aの曲げ成形方法の詳細は後述する。
【0049】
次に、下流側縁部領域34Aの曲げ成形が終了すると、図7(B)、(C)に示すように、上ローラ36は右方向に低速で移動し、第1下ローラ38がそれよりも速く移動し、第1下ローラ38と第2下ローラ40とのスパンを広くして、そのスパンの中央部を通過するガラス板34を上ローラ36で押す。これにより、所定の曲率にガラス板34を曲げ成形していく。
【0050】
そして、図7(D)に示すように、ガラス板34の上流側縁部領域34Bがセンサ78の下方を通過すると、第2下ローラ40がガラス板34と共に上ローラ36に向けて移動していく。そして、第2下ローラ40と上ローラ36とによって前記上流側縁部領域34Bの曲げ成形を開始する。この上流側縁部領域34Bの曲げ成形方法の詳細は後述する。
【0051】
そして、上流側縁部領域34Bの曲げ成形が終了すると、図7(E)に示すように第2下ローラ40が上流側縁部領域34Bを支持しながら上ローラ36を越えて移動する。そして、上流側縁部領域34Bが第1下ローラ38を通過すると、図7(F)に示すように上ローラ36、第1下ローラ38、及び第2下ローラ40が図7(A)に示した元の位置に復帰して停止する。そして、次のガラス板34が搬送されてくるまでその位置に待機する。以上が、上ローラ36、第1下ローラ38、及び第2下ローラ40による1枚のガラス板34の曲げ成形動作である。
【0052】
次に、図8を参照して上ローラ36と第1下ローラ38とによる下流側縁部領域34Aの曲げ成形動作を説明する。
図8(A)は、ガラス板34の上流側縁部領域34Aが、上ローラ36と第1下ローラ38とに挟み込まれた直後の状態を示している。この状態から図8(B)で示すように、上ローラ36はガラス板34の搬送速度よりも若干遅い速度で搬送方向(矢印方向)に移動し、これと同期して第1下ローラ38は、ガラス板34の搬送速度よりも若干早い速度で反時計回り方向の円弧状軌跡に沿って移動する。これにより、下流側縁部領域34Aは、上ローラ36のローラ面に第1下ローラ38によって倣わせられて所定の曲率に成形される。ここで、本実施の形態の成形装置30と従来装置とを比較すると、従来装置では、下流側縁部領域が実質的な支持部分となるためこの領域を所定の曲率に成形することができないが、本実施の形態の成形装置30ではそれが可能となる。
【0053】
図8(C)は、下流側縁部領域34Aの曲げ成形が終了した直後の上ローラ36と第1下ローラ38との位置関係を示している。上ローラ36は、若干量搬送方向に移動して、後続するガラス板34の曲げ成形を行い、そして、第1下ローラ38は、下流側縁部領域34Aを支持しながら搬送方向に移動する。この第1下ローラ38が、曲げ成形された直後の下流側縁部領域34Aを支持することによって、下流側縁部領域34Aの自重による垂れ下がり変形を防止している。以上が、上ローラ36、第1下ローラ38による下流側縁部領域34Aの曲げ成形動作である。
【0054】
次に、図9を参照して上ローラ36と第2下ローラ40とによる上流側縁部領域34Bの曲げ成形動作を説明する。
図9(A)は、ガラス板34の下流側縁部領域34Bが、第2下ローラ40を通過する直前の状態を示している。この状態から図9(B)で示すように、第2下ローラ40は、ガラス板34の搬送速度よりも若干早い速度で図上右斜め上方に移動する。これにより、上流側縁部領域34Bは、上ローラ36のローラ面に第2下ローラ40によって倣わせられて所定の曲率に成形される。
【0055】
図9(C)は、上流側縁部領域34Aの成形が終了した直後の上ローラ36と第2下ローラ40との位置関係を示している。同図に示すように第2下ローラ40は、上流側縁部領域34Bを支持しながら搬送方向に移動する。この第2下ローラ40が、曲げ成形された直後の上流側縁部領域34Bを支持することによって、上流側縁部領域34Bの自重による垂れ下がり変形を防止している。以上が、上ローラ36、第2下ローラ40による上流側縁部領域34Bの曲げ成形動作である。
【0056】
以上の如く本実施の形態の成形装置30は、従来装置では達成することのできない上流側縁部領域、下流側縁部領域に他の領域と同じように曲率を与えた曲げ成形を達成することができる。
本実施の形態においても、上下のローラの径は適宜決定できる。上記のように上ローラの面に倣わせるように曲げ成形する場合には、上ローラの曲率は得ようとするガラス板の曲率に合わせて決められる。上下のローラの移動可能域と得ようとするガラス板の曲率とに鑑みれば、通常は上ローラの径が下ローラの径よりも大きいことが好ましい。さらに、2本の下ローラによってガラス板を上方に向けて支持し、上ローラによってガラス板に下方に向かう押圧力を与え、ガラス板の下流側ローラに支持される部位と上流側ローラに支持される部位との間の領域を下に凸形状となるように曲げ成形する場合に鑑みても、上ローラの径を下ローラの径よりも大きくすることが好ましい。
【0057】
なお、この成形装置30における上下のローラの形状を湾曲形状として、ガラス板の搬送方向に垂直な方向に曲率を与えることもできる。この場合、上下のローラの移動および挟み込みによってガラス板の搬送方向に曲率が与えられ、ローラの湾曲形状に倣うようにガラス板の搬送方向に垂直な方向に曲率が与えられ、複曲曲げ形状のガラス板が得られる。また、上下のローラの移動のタイミングを適宜選択することによって、搬送方向に単一の曲率の曲げガラス板だけでなく、部位に応じて搬送方向の曲率が異なるガラス板を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、成形手段におけるガラス板を挟み込むローラの位置を移動可能にしているので、ガラス板の成形温度を必要以上に上昇させる必要がないため、ガラス板の外観不良を減少できる。この場合、上下のローラによる挟み込みによってガラス板を曲げ成形するので、成形ゾーンを実質的にガラス板の搬送方向の長さ分だけの長さにできるので、ガラス板からの放熱を抑えることができる。この点からも、ガラス板の温度を必要以上に上昇させる必要がない。
【0059】
特に、型式毎にそれぞれ異なる曲率のガラス板を得るために、当該型式に応じた曲率に複数のローラの位置を移動させることによって、従来必要であった成形手段の交換作業を省くことができ、ローラの移動制御データを変更するだけで別の型式のガラス板の成形に変えるまでのジョブチェンジ時間を実質的になくすことができる。
【0060】
更に、本発明において、ガラス板の搬送方向に対する上流側縁部領域および下流側縁部領域が、上下の複数のローラの間を通過する際に、両縁部領域を上ローラのローラ面に下ローラで倣わせるように上ローラと下ローラとを相対的に移動させることによって、従来困難であった両縁部領域を所定の曲率に曲げることができる。これに加えて、上下のローラを湾曲形状のローラにすることによって、ガラス板の搬送方向に垂直な方向の部位に応じた曲率を変えることができる。しかも、複雑な曲げ形状のガラス板にともなう搬送不良も減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るガラス板の曲げ成形装置を含むガラス板の曲げ強化工程の全体構成の一例を示す概略断面図
【図2】本発明における成形手段の一例を示す要部概略断面図
【図3】本発明の第2実施の形態に係るガラス板の曲げ成形装置を含むガラス板の曲げ強化工程の全体構成の一例を示す斜視図
【図4】図3に示したガラス板の曲げ成形装置の側面図
【図5】図3に示したガラス板の曲げ成形装置の制御系を示すブロック図
【図6】成形装置である各ローラの回転移動装置の構造図
【図7】上ローラ、第1下ローラ、第2下ローラの動作説明図
【図8】ガラス板の下流側端部領域を曲げ成形する上ローラと第1下ローラとの動作説明図
【図9】ガラス板の上流側端部領域を曲げ成形する上ローラと第2下ローラとの動作説明図
【符号の説明】
1、44…加熱炉
10、34…ガラス板
11、42…第1搬送手段(第1搬送装置)
21、22…湾曲ローラ
36…上ローラ
38…第1下ローラ
40…第2下ローラ
72…制御装置
80…上ローラ回転移動装置
82…第1下ローラ回転移動装置
84…第2下ローラ回転移動装置

Claims (13)

  1. ガラス板を加熱炉内に搬送手段にて概略水平方向に搬送しながら成形温度まで加熱し、前記加熱炉の下流に設けられた成形手段によって曲げ成形するガラス板の曲げ成形方法において、
    前記成形手段は複数のローラがガラス板の搬送される搬送面の上下に配されたローラ群を備えてなり、これら上下のローラの間にガラス板を挟み込んで曲げ成形するとともに、上下のローラによりガラス板が挟み込まれる領域を変えるように前記複数のローラの位置を搬送方向に移動させながらガラス板を搬送し、ガラス板を所定の曲率に曲げることを特徴とするガラス板の曲げ成形方法。
  2. 前記成形手段によりガラス板を曲げ成形した後に、前記成形手段の下流に設けられた冷却手段によってガラス板を冷却強化処理することを特徴とする請求項1記載のガラス板の曲げ成形方法。
  3. 前記ガラス板の搬送方向に対する上流側縁部領域および下流側縁部領域が、前記上下の複数のローラの間を通過する際に、前記両縁部領域を上ローラのローラ面に下ローラで倣わせるように上ローラと下ローラとを相対的に移動させて、前記両縁部領域を所定の曲率に曲げることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板の曲げ成形方法。
  4. 前記上下のローラを湾曲形状として、これらのローラの湾曲形状に倣うようにガラス板の搬送方向に垂直な方向にガラス板を曲げ成形し、上下のローラによる挟み込みによりガラス板の搬送方向にガラス板を曲げ成形することを特徴とする請求項1、2または3に記載のガラス板の曲げ成形方法。
  5. 前記下ローラはガラス板の搬送方向下流側ローラと搬送方向上流側ローラとの少なくとも2本のローラを有し、ガラス板を下流側ローラおよび上流側ローラにより支持しながら、上ローラを下流側ローラと上流側ローラとの間に配してガラス板の上方からガラス板に当接させて、ガラス板の下流側ローラに支持される部位と上流側ローラに支持される部位との間の領域を下に凸形状となるように曲げ成形するとともに、ガラス板を搬送方向に搬送しながら下流側ローラと上流側ローラとスパンを変化させて曲げ成形すべきガラス板の全領域を順次曲げ成形することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のガラス板の曲げ成形方法。
  6. 前記成形手段が設けられた成形ゾーンにおいて、ガラス板を所定のガラス板の曲率に概略一致した搬送方向に搬送するように、前記複数のローラを前記所定のガラス板の曲率に概略一致した搬送方向に移動させながらガラス板を所定の曲率に曲げることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のガラス板の曲げ成形方法。
  7. ガラス板を成形温度まで加熱する加熱炉と該加熱炉内にガラス板を概略水平方向に搬送する搬送手段とを有する加熱ステージと、前記加熱炉の下流に設けられたガラス板を曲げ成形する成形手段と、を含むガラス板の曲げ成形装置において、
    前記成形手段は、
    複数のローラが、前記ガラス板の搬送される搬送面の上下に、ガラス板の搬送方向に移動自在に配されたローラ群と、
    前記複数のローラをガラス板の搬送方向に移動させる移動手段と、
    前記加熱ステージから搬送されてきたガラス板を前記上下のローラで挟み込んで所定の曲率に曲げるとともに、上下のローラによりガラス板が挟み込まれる領域を変えてガラス板の曲げられる領域を変えながら、前記複数のローラの位置を搬送方向に移動するように前記移動手段を制御する制御手段と、
    から成ることを特徴とするガラス板の曲げ成形装置。
  8. 前記成形手段の下流にガラス板を冷却強化処理する冷却ステージが設けられていることを特徴とする請求項7記載のガラス板の曲げ成形装置。
  9. 前記制御手段で前記移動手段を制御して、前記ガラス板の搬送方向に対する上流側縁部領域および下流側縁部領域を上ローラのローラ面に下ローラで倣わせるように上ローラと下ローラとを相対的に移動させることを特徴とする請求項7または8に記載のガラス板の曲げ成形装置。
  10. 前記上下のローラが、ガラス板の搬送方向に垂直な方向にガラス板を曲げ成形するように湾曲形状を呈していることを特徴とする請求項7、8または9に記載のガラス板の曲げ成形装置。
  11. 前記下ローラはガラス板の搬送方向下流側を支持する下流側ローラとガラス板の搬送方向上流側を支持する上流側ローラとの少なくとも2本のローラを有し、上ローラが、ガラス板の下流側ローラに支持される部位と上流側ローラに支持される部位との間の領域を下に凸形状に曲げ成形するように、ガラス板の上方からガラス板に当接可能に下流側ローラと上流側ローラとの間に配されるとともに、下流側ローラと上流側ローラとスパンを変化させて曲げ成形すべきガラス板の全領域を順次曲げ成形するように、下流側ローラおよび上流側ローラが搬送方向に移動可能であることを特徴とする請求項7、8、9または10に記載のガラス板の曲げ成形装置。
  12. 前記成形ゾーンにおいて、ガラス板が所定のガラス板の曲率に概略一致した搬送方向に搬送されるように、前記複数のローラは前記所定のガラス板の曲率に概略一致した搬送方向に移動可能であることを特徴とする請求項7、8、9、10または11に記載のガラス板の曲げ成形装置。
  13. 前記冷却手段は、搬送手段よりも上方に設けられ、ガラス板の搬送方向の湾曲形状に概略一致する経路を有しており、前記上下のローラは、ガラス板の搬送方向の湾曲形状に概略一致する経路を形成するように搬送手段と冷却手段との間を移動可能であることを特徴とする請求項7、8、9、10、11または12に記載のガラス板の曲げ成形装置。
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