JP3967717B2 - 有機珪素化合物を基礎とする架橋可能な材料 - Google Patents
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Description
・錫触媒の代わりにチタン触媒を使用する。この場合の欠点は、材料の黄変であり、これによりくすんだ、半透明でない材料が生じることがある。
・錫触媒の量を減少する。
・腐食性の少ない錫触媒、例えば錫−キレート触媒を使用する。例えばアセチルアセトネートのような過剰のキレート化合物が必要である。しかしこれは揮発性であり、毒性が憂慮され、健康に問題がある。
・高い反応性によりアルコールと反応するアルコール捕捉物、いわゆるスカベンジャーを添加する。しかしこの添加物は費用がかかり、一般に付着特性を劣化する。
RaR1 b(XR3)cSnX(4−a−b−c)/2 (I)
(式中、
Rは同じかまたは異なっていてもよく、置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、前記基は酸素原子により中断されていてもよく、
Xは同じかまたは異なっていてもよく、−O−または−S−を表し、
R1は同じかまたは異なっていてもよく、−OS(=O)2R2を表し、
R2は同じかまたは異なっていてもよく、−NH 2 基、または置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、前記基は−S(=O)2−により中断されてもよく、
R 3は同じかまたは異なっていてもよく、水素原子または置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、前記基は酸素原子により中断されていてもよく、
aは0,1,2または3であり、
bは0,1,2または3であり、
cは0、1,2または3である)の単位を有する少なくとも1個の有機錫化合物(C)
および
アミン、窒素含有複素環またはアミノ官能性有機珪素化合物から選択される塩基性窒素を有する化合物(D)
を含有し、ただしa+b+cの合計は4より小さく、有機錫化合物は少なくとも1個の基R1を有することを特徴とする。
(R9O)4−gSiR10 g (IV)
(式中、
R9は同じかまたは異なっていてもよく、上記R3に記載されたものの1つを表し、
R10は同じかまたは異なっていてもよく、塩基性窒素を有する置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、
gは1,2,3または4である)の有機珪素化合物またはその部分的加水分解物である。
(A)アセトキシ基、オキシメート基およびオルガニルオキシ基から選択される少なくとも2個の加水分解可能の基を有するオルガノポリシロキサン、場合により
(B)アセトキシ基、オキシメート基およびオルガニルオキシ基から選択される少なくとも3個の加水分解可能の基を有する架橋剤および/またはその部分的加水分解物、
(C)一般式(I)の単位を有する有機錫化合物、
(D)塩基性窒素を有する化合物(D)
を有する材料である。
(R5O)3−dR6 dSiO−[R6 2SiO]e−SiR6 d(OR5)3−d (II)
(式中、
dは0、1または2であり、
R6は同じかまたは異なるSiC結合した1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基であり、前記基は場合によりハロゲン原子、エーテル基、エステル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、アミノ基または(ポリ)グリコール基により置換され、(ポリ)グリコール基はオキシエチレン単位および/またはオキシプロピレン単位から形成され、
R5は同じかまたは異なっていてもよく、R3に関して記載されたものを表し、
eは10〜10000、有利に100〜3000、特に400〜2000の整数であり、
ただしR5が水素原子である場合は、dは2である)の化合物である。
(MeO)2MeSiO[SiMe2O]200−2000SiMe(OMe)2、
(EtO)2MeSiO[SiMe2O]200−2000SiMe(OEt)2、
(MeO)2ViSiO[SiMe2O]200−2000SiVi(OMe)2、
(EtO)2ViSiO[SiMe2O]200−2000SiVi(OEt)2であり、
Meはメチル基、Etはエチル基およびViはビニル基を表わす。
(R7O)4−fSiR8 f (III)
(式中、
R7は同じかまたは異なっていてもよく、R3に関して記載されたものを表し、
R8はRに関して記載されたものを表し、
fは0または1である)の有機珪素化合物およびその部分的加水分解物である。
充填剤(F)の例は非強化充填剤、すなわち50m2/gまでのBET表面積を有する充填剤、例えば石英、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸ジルコニウム、ゼオライト、金属酸化物粉末、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄または酸化亜鉛もしくはこれらの混合酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、窒化珪素、炭化珪素、窒化硼素、ガラス粉末およびプラスチック粉末、例えばポリアクリロニトリル粉末、強化充填剤、すなわち50m2/gより大きいBET表面積を有する充填剤、例えば熱分解により製造された珪酸、沈降珪酸、沈降白亜、カーボンブラック、例えばファーネスブラックおよびアセチレンブラック、および大きいBET表面積の珪素−アルミニウム混合酸化物、繊維状充填剤、例えばアスベストおよびプラスチック繊維である。前記充填剤は、例えばオルガノシランもしくはオルガノシロキサンまたはステアリン酸で処理することによりまたはヒドロキシル基をエーテル化してアルコキシ基にすることにより疎水化されていてもよい。充填剤(E)を使用する場合は、有利に親水性熱分解珪酸およびステアリン酸を被覆した白亜を使用する。
(A)一般式(II)のジオルガノポリシロキサン、場合により
(B)一般式(III)の架橋剤および/またはその加水分解物、
(C)一般式(I)の単位を有する有機錫化合物、および
(D)塩基性窒素を有する一般式(IV)の化合物
を有する材料である。
(A)一般式(II)のポリジオルガノポリシロキサン100質量部、
(B)一般式(III)の架橋剤および/またはその加水分解物0.01〜20質量部、
(C)一般式(I)の単位を有する有機錫化合物0.05〜3質量部、
(D)塩基性窒素を有する一般式(IV)の化合物0.01〜4質量部、
(E)可塑剤0〜300質量部、
(F)充填剤0〜300質量部、
(G)カップリング剤0〜50質量部、および
(H)添加剤0〜100質量部
からなる材料である。
錫触媒1の製造
テトラ−n−ブチルジメトキシジスタンオキサン40gをドデシルベンゼンスルホン酸16gと混合し、その際生じるメタノールを真空で除去する。粘性の透明な化合物が得られる。119Sn−NMRスペクトルは−420ppmの高範囲変位信号を示し、反応が完全に行われたことを示す。
錫触媒2の製造
ジ−n−ブチル錫酸化物をトルエン中で2モル当量のp−トルエンスルホン酸一水和物と一緒に還流加熱し、反応水を共沸蒸留により除去する。無色の粉末が得られる。
錫触媒3の製造
ジ−n−ブチル錫酸化物を水/メタノール(1/1v/v)中で2モル当量のドデシルベンゼンスルホン酸と一緒に還流加熱し、反応水をトルエンで共沸蒸留により除去する。無色の粉末が得られる。
錫触媒4の製造
テトラ−n−ブチルジメトキシジスタンオキサン40gをアミノスルホン酸4.8gと混合する。無色の透明な液体が得られる。
比較成分1の製造
p−トルエンスルホン酸9.5gをアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン11gと混合し、その際混合物を強く温める。引き続きテトラ−n−ブチルジメトキシジスタンオキサン40gを添加する。得られた固形物をクロロホルムに溶かす。119Sn−NMR−スペクトルは−174ppmおよび−188ppmでテトラブチルジメトキシジスタンオキサンの信号を示す。
真空を備えた遊星形ミキサー内で水の排除下で、粘度80000mPasを有する−OSi(OCH3)2(CH3)−末端基を有するポリジメチルシロキサン55.4質量部を、−OSi(CH3)3−末端基および粘度100mPasを有するポリジメチルシロキサン31.2質量部およびメチルトリメトキシシラン4.0質量部および3−アミノプロピルトリメトキシシラン1.5質量部と混合する。引き続きBET表面積150m2/gを有する熱分解珪酸(Wacker−Chemie社の商標名WACKER HDK(登録商標)V15として市販されている)8.0質量部と混合し、最後にテトラエトキシシラン4部とジブチル錫ジアセテート2.2部の反応により製造した錫触媒(比較成分2)0.4質量部を添加する。真空下で均一にした後でこうして得られたコンパウンドを、湿分を通さない束に満たし、表1に示される保存時間の後に例1に記載と同様に架橋する。
真空を備えた遊星形ミキサー内で水の排除下で、粘度80000mPasを有する−OSi(OCH3)2(CH3)−末端基を有するポリジメチルシロキサン55.4質量部を、−OSi(CH3)3−末端基および粘度100mPasを有するポリジメチルシロキサン31.2質量部およびメチルトリメトキシシラン4.0質量部およびテトラ−n−ブチルジメトキシジスタンオキサン0.2質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸0.2質量部と混合し、10分間撹拌する。引き続きBET表面積150m2/gを有する熱分解珪酸(Wacker−Chemie社の商標名WACKER HDK(登録商標)V15として市販されている)8.0質量部と混合し、最後に3−アミノプロピルトリメトキシシラン1.5質量部を添加する。真空下で均一にした後でこうして得られたコンパウンドを、湿分を通さない束に満たし、表1に示される保存時間の後に例1に記載と同様に架橋する。
真空を備えた遊星形ミキサー内で水の排除下で、粘度80000mPasを有する−OSi(OCH3)2(CH3)−末端基を有するポリジメチルシロキサン55.4質量部を、−OSi(CH3)3−末端基および粘度100mPasを有するポリジメチルシロキサン31.2質量部およびメチルトリメトキシシラン4.0質量部および3−アミノプロピルトリメトキシシラン1,5質量部と混合する。引き続きBET表面積150m2/gを有する熱分解珪酸(Wacker−Chemie社の商標名WACKER HDK(登録商標)V15として市販されている)8.0質量部と混合し、最後にテトラ−n−ブチルジメトキシジスタンオキサン0.2質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸0.2質量部を添加する。真空下で均一にした後でこうして得られたコンパウンドを、湿分を通さない束に満たし、表1に示される保存時間の後に例1に記載と同様に架橋する。
真空を備えた遊星形ミキサー内で水の排除下で、粘度80000mPasを有する−OSi(OCH3)2(CH3)−末端基を有するポリジメチルシロキサン55.4質量部を、−OSi(CH3)3−末端基および粘度100mPasを有するポリジメチルシロキサン31.2質量部およびメチルトリメトキシシラン4.0質量部およびテトラ−n−ブチルジメトキシジスタンオキサン0.2質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸0.2質量部と混合し、10分間撹拌する。引き続きBET表面積150m2/gを有する熱分解珪酸(Wacker−Chemie社の商標名WACKER HDK(登録商標)V15として市販されている)8.0質量部と混合する。真空下で均一にした後でこうして得られたコンパウンドを、湿分を通さない束に満たす。こうして得られた材料は加硫しない。
Claims (8)
- 少なくとも2個の加水分解可能な基を有する有機珪素化合物を基礎とする架橋可能なオルガノポリシロキサン材料において、前記材料は、触媒として、一般式(I)
RaR1 b(XR3)cSnX(4−a−b−c)/2 (I)
(式中、
Rは同じかまたは異なっていてもよく、置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、前記基は酸素原子により中断されていてもよく、
Xは同じかまたは異なっていてもよく、−O−または−S−を表し、
R1は同じかまたは異なっていてもよく、−OS(=O)2R2を表し、
R2は同じかまたは異なっていてもよく、−NH2基、または置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、前記基は−S(=O)2−により中断されてもよく、
R3は同じかまたは異なっていてもよく、水素原子または置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、前記基は酸素原子により中断されていてもよく、
aは0,1,2または3であり、
bは0,1,2または3であり、
cは0、1,2または3である)の単位を有する少なくとも1個の有機錫化合物(C)
および
アミン、窒素含有複素環またはアミノ官能性有機珪素化合物から選択される塩基性窒素を有する化合物(D)
を含有し、ただしa+b+cの合計は4より小さく、有機錫化合物は少なくとも1個の基R1を有することを特徴とする有機珪素化合物を基礎とする架橋可能なオルガノポリシロキサン材料。 - 一般式(I)中のXが酸素原子を表す請求項1記載の材料。
- 塩基性窒素を有する化合物(D)がアミノ官能性有機珪素化合物である請求項1または2記載の材料。
- 塩基性窒素を有する化合物(D)が一般式(IV)
(R9O)4−gSiR10 g (IV)
(式中、
R9は同じかまたは異なっていてもよく、上記R3に記載されたものの1つを表し、
R10は同じかまたは異なっていてもよく、塩基性窒素を有する置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、
gは1,2,3または4である)の有機珪素化合物またはその部分的加水分解物である請求項1から3までのいずれか1項記載の材料。 - 架橋可能な材料が
(A)アセトキシ基、オキシメート基およびオルガニルオキシ基から選択される少なくとも2個の加水分解可能な基を有するオルガノポリシロキサン、場合により
(B)アセトキシ基、オキシメート基およびオルガニルオキシ基から選択される少なくとも3個の加水分解可能な基を有する架橋剤および/またはその部分的加水分解物、
(C)一般式(I)の単位を有する有機錫化合物および
(D)塩基性窒素を有する化合物(D)
を有する材料である請求項1から4までのいずれか1項記載の材料。 - 架橋可能な材料が
(A)一般式(II):
(R5O)3−dR6 dSiO−[R6 2SiO]e−SiR6 d(OR5)3−d
(式中、
dは0、1または2であり、
R 6 は同じかまたは異なるSiC結合した1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基であり、前記基は場合によりハロゲン原子、エーテル基、エステル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、アミノ基または(ポリ)グリコール基により置換され、(ポリ)グリコ ール基はオキシエチレン単位および/またはオキシプロピレン単位から形成され、
R 5 は同じかまたは異なっていてもよく、R 3 に関して記載されたものを表し、
eは10〜10000の整数であり、
ただしR 5 が水素原子である場合は、dは2である)のジオルガノポリシロキサン、場合により
(B)一般式(III):
(R7O)4−fSiR8 f
(式中、
R 7 は同じかまたは異なっていてもよく、R 3 に関して記載されたものを表し、
R 8 はRに関して記載されたものを表し、
fは0または1である)の架橋剤および/またはその部分的加水分解物
(C)一般式(I)の単位を有する有機錫化合物および
(D)一般式(IV)
(R9O)4−gSiR10 g (IV)
(式中、
R 9 は同じかまたは異なっていてもよく、上記R 3 に記載されたものの1つを表し、
R 10 は同じかまたは異なっていてもよく、塩基性窒素を有する置換されたまたは置換されていない一価の炭化水素基を表し、
gは1,2,3または4である)の塩基性窒素を有する化合物
を有する材料である請求項1から5までのいずれか1項記載の材料。 - 架橋可能な材料が
(A)一般式(II)のジオルガノポリシロキサン100質量部、
(B)一般式(III)の架橋剤および/またはその部分的加水分解物0.01〜20質量部、
(C)一般式(I)の単位を有する有機錫化合物0.05〜3質量部、
(D)一般式(IV)の塩基性窒素を有する化合物0.01〜4質量部
(E)可塑剤0〜300質量部
(F)充填剤0〜300質量部
(G)官能基を有するシランおよびオルガノポリシロキサンおよびテトラアルコキシシランから選択されるカップリング剤0〜50質量部および
(H)顔料、染料、香料、殺菌剤、酸化防止剤、電気特性調節剤、難燃剤、光保護剤、皮膜形成時間延長剤、細胞形成剤、熱安定剤、チキソトロープ剤および有機溶剤から選択される添加剤0〜100質量部
からなる材料である請求項6項記載の材料。 - 請求項1から7までのいずれか1項記載の材料の架橋により製造される成形体。
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