JP3967605B2 - 電子部品搬送装置における電子部品受渡機構及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品搬送装置における電子部品受渡機構及び方法に関し、特にトランジスタ、ダイオード、IC等の微小な電子部品(以下、デバイスとも称する)の搬送装置における電子部品受渡機構及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような微小な電子部品(デバイス)は、直線移動式の搬送機構(以下、リニアパーツフィーダーとも称する)に個別に投入され、該搬送機構で整列し、自動ハンドリングシステム(オートハンドラー)の各種処理工程へ供給される。各種処理工程では、電気特性テスト、マーキング、外観検査、テーピング等の各種処理が行われる。
【0003】
上記自動ハンドリングシステムに使用されているリニアパーツフィーダーの先端部における従来のデバイス受渡機構を図1に示す。図1(a)は従来のデバイス受渡機構を模式的に示す側面図(一部断面図となっている)、図1(b)は同正面図(真空吸引部を取除いた状態)である。
これらの図において、1はリニアパーツフィーダーであり、進行方向に振動してデバイス2を個別に順次連続的に先端部3へ搬送する。一方、先端部3の前方には真空吸引部4が設けられ、真空吸引により、先端部3に達したデバイス2を受渡位置5に移動させる。受渡位置5の上方には上下動可能な真空チャック6が配置され、デバイス2の受渡時には下降し、デバイス2を真空吸引した後、上昇し、デバイス2を次の処理工程ステージへ移送させるようになっている。
また、別の従来のデバイス受渡機構として、図2に示すように、受渡位置5の下方に、上下動可能な突上ピン7が配置され、受渡時に上昇してデバイス2を真空吸引して支持する構成のものもある。
【0004】
しかしながら、上記従来のデバイス受渡機構には次のような問題があった。
リニアパーツフィーダー1はデバイス搬送のため振動しており、またデバイス2はリニアパーツフィーダー1内では図示の如く大きなあそびをもって供給されてくる。従って、振動するリニアパーツフィーダー1から直接デバイス2を真空チャック6によりチャッキングすると、デバイス2の位置が不安定となりチャッキングミスを起こすことがある。
また、受渡位置5より一個手前のデバイス2の供給スピードはリニアパーツフィーダー1まかせとなり、供給スピードが遅く、デバイス受渡に時間がかかる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、電子部品の受渡位置における位置決め精度を上げてチャッキングミスをなくし、かつ電子部品の供給スピードを速くして受渡時間を短縮することのできる電子部品搬送装置における電子部品受渡機構及び方法を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の電子部品搬送装置における電子部品受渡機構は、多数の電子部品を個別に電子部品搬送装置上を順次連続的に搬送し、前記電子部品搬送装置の先端部にて電子部品の供給を行い、前記先端部より前方の電子部品受渡位置にて真空吸着手段に電子部品の受渡を行う、電子部品搬送装置における電子部品受渡機構において、前記電子部品搬送装置の先端部位置と前記電子部品受渡位置との間を移動可能であり、前記先端部位置にて電子部品を真空吸着して受け取るための真空吸着部を有し、受け取った電子部品を前記電子部品受渡位置に移動させる電子部品吸着移動手段と、前記電子部品搬送装置の先端部位置近傍にて電子部品の供給を補助するエアーブロー手段と、電子部品の受渡前に後続の電子部品の飛び出しを防止するストッパー手段とを備え、前記電子部品吸着移動手段は、電子部品を移動させる方向と垂直方向に軸を備え、この軸を中心として回転方向に揺動自在なレバー部材からなることを特徴とする。
また、請求項2の電子部品搬送装置における電子部品受渡方法は、多数の電子部品を個別に電子部品搬送装置上にて順次連続的に搬送し、前記電子部品搬送装置の先端部近傍にて電子部品の供給を行い、前記先端部より前方の電子部品受渡位置にて真空吸着手段に電子部品の受渡を行う、電子部品搬送装置における電子部品受渡方法において、前記電子部品搬送装置の先端部位置と前記電子部品受渡位置との間を、電子部品を移動させる方向と垂直方向の軸を中心として回転方向に揺動するレバー部材により移動可能であり、前記先端部位置にて電子部品を真空吸着して受け取るための真空吸着部を有する電子部品吸着移動手段と、電子部品の受渡前に後続の電子部品を停止させ飛び出しを防止するストッパー手段と、を用いて、前記電子部品吸着移動手段により、供給されてきた電子部品を受け取り、前記電子部品受渡位置にて真空吸着手段に電子部品を受け渡すとともに、前記ストッパー手段により受渡前に後続の電子部品を停止させ飛び出しを防止させることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を好ましい実施例により説明する。
図3は本発明の一実施例に係る電子部品受渡機構(以下、デバイス受渡機構とも称する)の構造を模式的に示す図である。図3(a)は該電子部品受渡機構の側面図(一部断面図となっている)、図3(b)は同正面図(アーム状部材を取除いた状態)である。図3(a)において一点鎖線で示されているものはデバイス供給時の状態であり、実線で示されているものはデバイス受渡時の状態である。
【0008】
図中11はリニアパーツフィーダーであり、デバイス進行方向に振動してデバイス12を整列し、個別に順次連続的に先端部13へ搬送する。リニアパーツフィーダー11はデバイス12の幅方向の位置決めを行う位置決め部材14を有するとともに、先端部13には切り込み部15が形成されている。位置決め部材14は、デバイス12がIC等の半導体素子の場合、デバイス12との間隔が片側で0.05〜0.1mm程度となるように位置決めを行う。
【0009】
リニアパーツフィーダー11の前方側にはレバー部材16が軸17の周りを揺動自在に配置されている。レバー部材16は、供給されたデバイス12を載置するための載置部18を有するとともに、リニアパーツフィーダー11の先端部13にて供給されたデバイス12を真空吸着してバキューム固定するための真空吸着部19を有する。レバー部材16は実線で示すデバイス受渡時の位置と一点鎖線で示すデバイス供給時の位置との間を揺動自在であり、その揺動動作は高速動作ソレノイド等からなるアクチュエーター20により行われる。
【0010】
デバイス受渡位置21の上方には真空チャック22が上下動可能に設置されている。また、リニアパーツフィーダー11の先端部13の手前には、デバイス12の供給を補助するためにエアーブローするエアーブロー部23が設置されている。さらに、リニアパーツフィーダー11の先端部13付近上方には、デバイス受渡時にデバイス供給位置(先端部13)にある後続のデバイス12が不測に飛び出すことを防止するためのストッパー24が軸25の周りを回動自在に配置されている。ストッパー24の回動動作は高速動作ソレノイド等からなるアクチュエーター26により行われ、実線で示す作動位置と一点鎖線で示す非作動位置との間を揺動できるようになっている。
【0011】
次に本実施例のデバイス受渡機構の動作について述べる。
先ず、リニアパーツフィーダー11はデバイス進行方向に振動してデバイス12を整列し、個別に順次連続的に先端部13に向けて搬送する。エアーブロー部23は先端部13に向けてエアーブローして、デバイス12の先端部13への供給を補助する。この搬送に当たってデバイス12は位置決め部材14によりその幅方向の位置決めがなされる。
【0012】
デバイス供給時には、アクチュエーター20が作動し、レバー部材16を一点鎖線の位置まで揺動させる。この時ストッパー24は一点鎖線の位置にある。レバー部材16は、真空吸着部19により、リニアパーツフィーダー11内で幅方向に位置決めされ、先端部13に達したデバイス12を、バキューム固定する。その後、アクチュエーター20の作動によりレバー部材16は実線位置まで揺動し、これにより、受渡となるデバイス12(斜線を付してある)はレバー部材16の載置部18上に載置された状態で強制的に引っ張り出され、振動するリニアパーツフィーダー11から分離される。この動作と同期して、次の受渡となるデバイス12はリニアパーツフィーダー11の振動により先端部13に達する。そして、真空チャック22が下降し、受渡となるデバイス12をチャッキングした後、上昇と同時にアクチュエーター26の作動によりストッパー24が実線位置の状態となり、デバイス受取時に後続のデバイス12の飛び出しを防止する。
デバイス12の受渡が終わると、レバー部材16が先端部13にあるデバイス12を取りに動いた後、アクチュエーター26の作動によりストッパー24は一点鎖線の状態まで回動する。
【0013】
以上の動作を繰り返して、デバイス受渡が高速に行われる。例えば、アクチュエータ20、26として高速動作ソレノイドを使用すると、デバイス供給動作が1サイクル20ms以下も可能となる。また、位置決め部14による幅方向の位置決めと、デバイス受渡時においてリニアパーツフィーダー11から分離した状態で受渡を行うことにより、位置決め精度が向上し、チャッキングミスがなくなる。
【0014】
以上本発明を一実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されず、種々の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施例では、電子部品吸着移動手段として、揺動自在なレバー部材を用いたが、直線方向に前進、後退する部材を用いてもよい。
また、上記実施例では、アクチュエーターとして高速動作ソレノイドを用いたが、パルスモーターを使った偏心カム等を用いてもよい。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品搬送装置の先端部において、供給されてきた電子部品をバキューム固定できる電子部品吸着移動手段で強制的に引っ張りだすことで、振動する電子部品搬送装置と分離した状態で電子部品の受渡が行えるため、位置決め精度が上がり、チャッキングミスをなくすことができる。
また、電子部品吸着移動手段と、電子部品飛び出し防止のためのストッパー手段とを備えることにより、電子部品の供給スピードを速くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデバイス受渡機構の構造を模式的に示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図2】従来の別のデバイス受渡機構の構造を模式的に示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るデバイス受渡機構の構造を模式的に示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
11 リニアパーツフィーダー
12 デバイス(微小な電子部品)
13 先端部
14 位置決め部材
15 切り込み部
16 レバー部材
17 軸
18 載置部
19 真空吸着部
20 アクチュエーター
21 デバイス受渡位置
22 真空チャック
23 エアーブロー部
24 ストッパー
25 軸
26 アクチュエーター
Claims (2)
- 多数の電子部品を個別に電子部品搬送装置上を順次連続的に搬送し、前記電子部品搬送装置の先端部にて電子部品の供給を行い、前記先端部より前方の電子部品受渡位置にて真空吸着手段に電子部品の受渡を行う、電子部品搬送装置における電子部品受渡機構において、
前記電子部品搬送装置の先端部位置と前記電子部品受渡位置との間を移動可能であり、前記先端部位置にて電子部品を真空吸着して受け取るための真空吸着部を有し、受け取った電子部品を前記電子部品受渡位置に移動させる電子部品吸着移動手段と、
前記電子部品搬送装置の先端部位置近傍にて電子部品の供給を補助するエアーブロー手段と、
電子部品の受渡前に後続の電子部品の飛び出しを防止するストッパー手段とを備え、
前記電子部品吸着移動手段は、電子部品を移動させる方向と垂直方向に軸を備え、この軸を中心として回転方向に揺動自在なレバー部材からなることを特徴とする電子部品搬送装置における電子部品受渡機構。 - 多数の電子部品を個別に電子部品搬送装置上にて順次連続的に搬送し、前記電子部品搬送装置の先端部近傍にて電子部品の供給を行い、前記先端部より前方の電子部品受渡位置にて真空吸着手段に電子部品の受渡を行う、電子部品搬送装置における電子部品受渡方法において、
前記電子部品搬送装置の先端部位置と前記電子部品受渡位置との間を、電子部品を移動させる方向と垂直方向の軸を中心として回転方向に揺動するレバー部材により移動可能であり、前記先端部位置にて電子部品を真空吸着して受け取るための真空吸着部を有する電子部品吸着移動手段と、
電子部品の受渡前に後続の電子部品を停止させ飛び出しを防止するストッパー手段と、
を用いて、
前記電子部品吸着移動手段により、供給されてきた電子部品を受け取り、前記電子部品受渡位置にて真空吸着手段に電子部品を受け渡すとともに、前記ストッパー手段により受渡前に後続の電子部品停止させ飛び出しを防止させることを特徴とする電子部品搬送装置における電子部品受渡方法。
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