JP3965393B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

Description

本発明は密閉型圧縮機に係り、より詳しくは部品間の円滑な作動のためにベアリングを用いる密閉型圧縮機に関するものである。

一般に、圧縮機は機械的な力で物質に圧力を加えて物質の体積を縮小させるか又は状態を変化させる装置である。このような圧縮機のうちには、密閉した空間内で回転運動を直線運動に転換して冷媒を圧縮する密閉型圧縮機がある。

このような機能を有する一般の密閉型圧縮機は、密閉空間をなす密閉容器の内部に冷媒を吸入して圧縮する圧縮部と、該圧縮部を駆動させる駆動部とを含む。

前記圧縮部は、フレームに一体的に形成され、圧縮室を形成するシリンダと、圧縮室に対する冷媒の吸入及び吐出を案内するように吸入室と吐出室が設けられたシリンダヘッドと、圧縮室の内部で直線往復運動するピストンとからなる。

前記駆動部は圧縮部の下部に設けられるもので、電源を印加して磁場を形成する固定子と、該固定子と相互作用して回転する回転子と、該回転子の中心部に軸方向に押し込まれて一体に回転する回転軸とを含む。

前記回転軸はフレームに形成された中空部内に設けられ、回転軸の上端には偏心部が設けられる。また、偏心部の中空部上端にはベアリング装着坐が形成され、このベアリング装着坐にはスラストベアリングが装着されて偏心部を支持する。

ところで、このように構成された従来の密閉型圧縮機は、ピストンの圧縮運動により回転軸に衝撃が加わる場合、スラストベアリングの特定ボールに荷重が集中するため、スラストベアリングが円滑に回転できなくなる。

すなわち、スラストベアリングに加わる不均一な分布荷重によりスラストベアリングのボールと下輪間の摩擦が酷くなり、これによる騒音が発生し、圧縮機の効率が低下する問題点があった。

したがって、本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的は、回転軸を支持するスラストベアリングが円滑に回転できるように改善した構造を有する密閉型圧縮機を提供することにある。

前記のような目的を達成するため、本発明は、中空部を有するフレームと、前記中空部に回転可能に設けられる回転軸と、前記回転軸に偏心状態で回転するように設けられる偏心部と、前記偏心部の偏心回転により直線運動するピストンと、前記ピストンが冷媒を圧縮するように前記フレームの一側上端に設けられるシリンダと、前記中空部の上端に設けられるベアリング装着坐と、前記ベアリング装着坐に装着され、前記偏心部を支持するスラストベアリングと、前記回転軸の内部に形成され、上側にオイルを案内するオイル流路と、前記オイル流路に連通し、前記回転軸の外側にオイルを排出するオイル排出孔と、前記オイル排出孔から排出されたオイルが通過するように前記ベアリング装着坐に設けられるオイルスロットとを含む密閉型圧縮機を提供する。

前記オイルスロットは前記ベアリング装着坐の下面に半径方向に延長される。前記ベアリング装着坐は、内周面の下端から上側に拡径される傾斜部を含む。前記オイルスロットは前記中空部と前記傾斜部側に所定距離だけ延長される延長溝を含む。前記オイルスロットは、円周方向に離隔して多数設けられる。前記オイルスロットは、オイルが流入する吸入端の幅が相対的に大きく形成される。前記オイルスロットは、吸入端から吐出端側に幅が次第に縮小し、螺旋状を有する。

以上のような本発明による密閉型圧縮機は、スラストベアリングが取り付けられるベアリング装着坐にオイルスロットが形成され、このオイルスロットを通るオイルによりスラストベアリングの下面が支持される。したがって、ピストンの圧縮運動により回転軸に衝撃が加わる場合、スラストベアリングの下輪をオイルが浮上させて下輪とボール間の分布荷重を均一にするので、スラストベアリングが円滑に回転できる。この結果、スラストベアリングのボールと下輪間の振動及びこれによる騒音が減少し、圧縮機の全般的な効率が上昇する効果がある。

以下、本発明による好ましい実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明による密閉型圧縮機の全体構造を示す側断面図である。同図に示すように、本発明による密閉型圧縮機は、上部容器１１と下部容器１２が結合して密閉空間をなす密閉容器１０の内部に冷媒を吸入して圧縮する圧縮部２０と、該圧縮部２０を駆動させる駆動部３０とを含む。

前記圧縮部２０は、フレーム２１に一体的に形成され、一側上端に圧縮室２２ａを有するシリンダ２２と、圧縮室２２ａに対する冷媒の吸入及び吐出を案内するように吸入室２３ａと吐出室２３ｂが設けられたシリンダヘッド２３と、圧縮室２２ａの内部で直線往復運動するピストン２４とからなる。また、シリンダ２２とシリンダヘッド２３間には、圧縮室２２ａを通過する冷媒の吸入及び吐出を断続するため、バルブプレート２５が設けられる。

前記駆動部３０は圧縮部２０の下部に設けられるもので、電源の印加により磁場を形成する固定子３１と、該固定子３１と相互作用して回転する回転子３２と、該回転子３２の中心部に軸方向に押し込まれて一体に回転する回転軸３３とを含む。

前記回転軸３３の上端には偏心状態で回転する偏心部３４が設けられる。この偏心部３４は、回転軸３３が均衡を維持したままで回転するようにする回転錐３４ａと、該回転錐３４ａの上側に所定長さで突出した偏心軸３４ｂとを含み、偏心軸３４ｂの偏心回転運動はコネクティングロッド３５により直線運動に転換され、ピストン２４が圧縮室２２ａ内で直線往復運動する。また、回転軸３３はフレーム２１に形成された中空部２１ａ内に設けられ、フレーム２１の中空部２１ａの上端には環状のベアリング装着坐４０が形成され、このベアリング装着坐４０には、回転軸３３を支持するため、ボール５１と上輪及び下輪５２、５３とからなるスラストベアリング５０が装着される。

前記回転軸３３には、オイルＬを吸入して案内するため、下端から前記偏心軸３４ｂまでオイル流路３３ａが貫設され、回転軸３３がフレーム２１に摺動する位置からは、回転軸３３の外面に螺旋状のオイル溝３３ｂが形成される。前記螺旋状のオイル溝３３ｂの下端及び上端にはオイル排出孔３３ｃとオイル吸入孔３３ｄがそれぞれ形成され、このオイル排出孔３３ｃとオイル吸入孔３３ｄはオイル流路３３ａに連通する。

したがって、回転軸３３の回転により密閉容器１０の底面のオイルＬはオイル流路３３ａに沿って所定距離だけ上昇してからオイル排出孔３３ｃを介して排出され、排出されたオイルは螺旋状のオイル溝３３ｂにより案内されながら回転軸３３とフレーム２１間の接触面と、回転軸３３とスラストベアリング５０間の接触面に油膜を形成する。

図２に示すように、本発明による密閉型圧縮機は、ベアリング装着坐４０の底面４１に円周方向に離隔した多数のオイルスロット（細長い小さな孔：スリットまたは溝）４３が形成される。

前記ベアリング装着坐４０は、内側の底面４１と、内周面の下端から上側に拡径される傾斜部４２とを含む。オイルスロット４３は傾斜部４２の中間部から底面４１の内側端まで延長され、それぞれ上部延長溝４５と下部延長溝４４をなす。

このようなオイルスロット４３により、オイルがスラストベアリング５０の下側に通過でき、この際、オイルはスラストベアリング５０の下輪５３を支持する。

前記オイルスロット４３は図３ないし図５に示すような形態にも具現することができるが、この図において、矢印はオイルの流れを示す。また、図３に示すように、オイルスロット４３は同一幅で半径方向に延長できる。また、オイルスロット４３にオイルが円滑に流入されるようにするため、図４に示すように、オイルが流入される吸入端４３ａが拡張した形状を有するか、又は、図５に示すように、吸入端４３ａから吐出端４３ｂ側に幅が次第に縮小し緩やかな螺旋状を有することもできる。

つぎに、本発明による密閉型圧縮機の動作及び作用を説明する。圧縮機に電源が印加されると、固定子３１との電磁気的相互作用により回転子３２と回転軸３３が同時に回転する。すると、回転軸３３の偏心部３４にコネクティングロッド３５を介して連結されたピストン２４が圧縮室２２ａ内で直線往復運動することにより、冷媒を吸入し圧縮してから吐き出す。

一方、回転軸３３の回転によりオイル流路３３ａに沿って上昇したオイルの一部はオイル排出孔３３ｃを介して排出され、排出されたオイルは螺旋状のオイル溝３３ｂにより案内されて回転軸３３、スラストベアリング５０などを潤滑し、ついでスラストベアリング５０の下側に設けられたオイルスロット４３を通過しながらスラストベアリング５０の下輪５３を支持する。

したがって、ピストン２４の圧縮運動により回転軸３３に衝撃が加わる場合、スラストベアリング５０の下輪５３をオイルが浮上させることにより、下輪５３とボール５１間の分布荷重が均一になるので、スラストベアリング５０が円滑に回転できる。

よって、スラストベアリング５０のボール５１と下輪５３間の振動、及びこれによる騒音が減少し、圧縮機の全般的な効率が上昇する。

本発明による密閉型圧縮機の全体構造を示す側断面図である。 本発明による密閉型圧縮機のフレームを示す分解斜視図である。 本発明による密閉型圧縮機のオイルスロットの形状を示す平面図である。 本発明による密閉型圧縮機の他のオイルスロットの形状を示す平面図である。 本発明による密閉型圧縮機のさらに他のオイルスロットの形状を示す平面図である。

符号の説明

１０ 密閉容器
１１ 上部容器
１２ 下部容器
２０ 圧縮部
２１ フレーム
２１ａ 中空部
２２ シリンダ
２３ シリンダヘッド
２２ａ 圧縮室
２３ａ 吸入室
２３ｂ 吐出室
２４ ピストン
２５ バルブプレート
３０ 駆動部
３１ 固定子
３２ 回転子
３３ 回転軸
３３ａ オイル流路
３３ｂ 螺旋状のオイル溝
３３ｃ オイル排出孔
３３ｄ オイル吸入孔
３４ 偏心部
３４ａ 回転錐
３４ｂ 偏心軸
３５ コネクティングロッド
４０ ベアリング装着坐
４１ 底面
４３ オイルスロット
４２ 傾斜部
４４ 下部延長溝
４５ 上部延長溝
５０ スラストベアリング
５１ ボール
５２ 上輪
５３ 下輪

Claims (7)

1. 中空部のフレーム（２１）と、
   前記中空部に回転可能に設けられる回転軸（３３）と、
   前記回転軸（３３）に偏心回転するように設けられる偏心部（３４）と、
   前記偏心部（３４）の偏心回転により直線運動するピストン（２４）と、
   前記ピストン（２４）が冷媒を圧縮するように前記フレーム（２１）の一側上端に設けられるシリンダ（２２）と、
   前記中空部から延び、ストラストベアリングが支持される下面と前記下面から上向き傾斜するように形成される傾斜部(４２)とを備えるベアリング装着坐（４０）と、
   前記ベアリング装着坐（４０）に設けられて前記偏心部（３４）を支持するスラストベアリング（５０）と、
   前記回転軸（３３）の内部に形成され、上側にオイルを案内するオイル流路（３３ａ）と、
   前記オイル流路（３３ａ）に連通されて前記回転軸（３３）の外側にオイルを排出するオイル排出孔（３３ｃ）と、
   前記スラストベアリング（５０）の下輪（５３）を浮上させるために、前記ベアリング装着坐（４０）の下面に前記オイル排出孔（３３ｃ）を通じて排出されたオイルが通過するように設けられたオイル溝（４３）と、
   を含むことを特徴とする密閉型圧縮機。
2. 前記オイル溝（４３）は前記ベアリング装着坐（４０）の下面に半径方向に延長されることを特徴とする請求項１に記載の密閉型圧縮機。
3. 前記ベアリング装着坐（４０）は、内周面の下端から上側に拡径される傾斜部を含むことを特徴とする請求項２に記載の密閉型圧縮機。
4. 前記オイル溝（４３）は前記中空部と前記傾斜部側に所定距離だけ延長される延長溝（４４，４５）を含むことを特徴とする請求項３に記載の密閉型圧縮機。
5. 前記オイル溝（４３）は、円周方向に離隔して多数設けられることを特徴とする請求項２に記載の密閉型圧縮機。
6. 前記オイル溝（４３）は、オイルが流入する吸入端（４３ａ）の幅が相対的に大きく形成されることを特徴とする請求項２に記載の密閉型圧縮機。
7. 前記オイル溝（４３）は、吸入端（４３ａ）から吐出端（４３ｂ）側に幅が次第に縮小し、螺旋状を有することを特徴とする請求項２に記載の密閉型圧縮機。

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