JP3963357B2 - ジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法 - Google Patents

ジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法に関し、詳しくは、エステル交換反応による反応蒸留を利用した上記の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレンカーボネートとメタノールとをエステル交換反応させてジメチルカーボネート及びエチレングリコールを連続的に製造する場合、平衡反応であるエステル交換反応を効率よく進行させるため、反応と生成物の分離を同時に行う反応蒸留が利用される。反応蒸留において、低沸点生成物のジメチルカーボネートは反応蒸留装置の塔頂から、高沸点生成物のエチレングリコールは塔底から連続的に除去される。
【0003】
ところで、メタノールは、ジメチルカーボネートより沸点が低い上にジメチルカーボネートと最低沸点を持つ共沸混合物を形成するため、ジメチルカーボネートに同伴して塔頂から抜き出される。また、メタノールは、エチレンカーボネートに比べて極めて低沸点であるため、蒸留塔内では主にベーパー中に分布する。ところが、エステル交換反応は液相反応であるためベーパー中のメタノールは反応に寄与できない。
【0004】
そこで、液相中のメタノール濃度を出来るだけ高くする条件が必要となるが、斯かる条件では、上記の生成物分離(すなわち、塔頂からジメチルカーボネートを抜き出し、塔底からエチレングリコールを抜き出すこと)は不可能である。つまり、液相中の未反応メタノールは塔底から抜き出される缶出液中に混入し、メタノールより沸点の高いジメチルカーボネートも同様に缶出液に混入する。従って、エステル交換反応を行いながら2つの生成物を分離する操作は1基の蒸留塔では実現できず、更に、缶出液から低沸点成分を分離して反応蒸留塔に返送する第2の蒸留塔が必要である。そして、斯かる問題の解決方法は幾つかの特許に例示されている。
【0005】
例えば、アメリカ特許第5,847,189号明細書の実施例(実施例2)では、第1蒸留塔で苛性ソーダを触媒としてエステル交換反応を行いながら塔頂からメタノールとジメチルカーボネートを抜き出し、塔底からメタノール、ジメチルカーボネート、エチレングリコール及びエチレンカーボネートを抜き出している。そして、缶出液は塔頂の圧力を1.3KPaに保持した第2蒸留塔に供給し、その塔頂から抜き出されるメタノールとジメチルカーボネートの混合物を第1蒸留塔に返送し、塔底からエチレングリコールと共に触媒を抜き出している。また、未反応のエチレンカーボネートを含むエチレングリコールは第2蒸留塔の側流からベーパーで抜き出し、加水分解反応器と精製塔を経て高純度のエチレングリコールを得ている。
【0006】
エチレングリコールとエチレンカーボネートとを蒸留分離する場合、これらは共沸混合物を形成するが、通常の圧力では最低共沸点がエチレングリコールの沸点と同じであるため、塔頂からエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物が得られ、塔底からエチレンカーボネートが得られる。触媒の塩類は塔底に分配されるが、塩類は一般にエチレンカーボネートに溶解しないため、上記の第2蒸留塔の操作から考えると、触媒の分離と再利用に不都合である。そこで、圧力を1.3KPaまで下げると共沸の状態が変化し、エチレングリコール濃度の高い部分において最低共沸点がエチレングリコールの沸点より低くなる。従って、塔頂からエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物が得られ、塔底からエチレングリコールが得られる。触媒の塩類はエチレングリコールに比較的よく溶けるため、第2蒸留塔を上記の圧力で操作すれば、塔底から分離した触媒のエチレングリコール溶液を第1蒸留塔で再利用できる。しかしながら、斯かる操作条件では、塔頂のベーパー温度が極めて低くなる(−15℃以下)ため、塔頂ベーパーの凝縮に低温の熱媒が必要となるという不都合がある。
【0007】
上記特許の別の実施例(実施例6)では、第2蒸留塔の塔底から水をフィードし、第2蒸留塔内でエチレンカーボネートを加水分解してエチレングリコールに変えることにより、塔底から触媒のエチレングリコール溶液を得ている。この方法では、共沸のために1.3KPaまで圧力を下げる必要がないため、27KPaで操作している。しかしながら、斯かる操作条件では、エチレングリコールにエチレンカーボネート又は水が不可避的に混入するたるため、高品質のエチレングリコールを得ることが出来ない。
【0008】
また、国際公開公報(WO 00/51954号)の実施例(実施例5)においては、第2蒸留塔の操作温度を上げてエチレングリコールとエチレンカーボネートの反応を促進し、ジエチレングリコールを生成させてエチレンカーボネートを除去する方法が例示されている。この方法では、第2蒸留塔の塔底温度を201℃に保つために塔頂圧力を常圧としている。しかしながら、斯かる方法では、通常の冷却水で塔頂ベーパーの凝縮が可能であるが、エチレングリコールの温度による品質劣化があるため、高品質のエチレングリコールを得ることが出来ない。
【0009】
要するに、従来の方法においては、第1蒸留塔の缶出液から低沸点成分を回収する第2蒸留塔において、塔底からエステル交換反応触媒をエチレングリコールと共に分離しようとすると、低圧での操作が避けられず、塔頂ベーパーの凝縮が困難であり、また、第2蒸留塔内でエチレンカーボネートを水またはエチレングリコールと反応させて除去しようとすると、製品として取り出すエチレングリコールの品質劣化が避けられないという問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、反応蒸留によるエステル交換反応を利用したジメチルカーボネートとエチレングリコールの製造方法であって、通常の冷却水(工業用水など)で第2蒸留塔の塔頂ベーパーを凝縮して第1蒸留塔に返送することが出来、しかも、EGの品質が劣化しない温度でECとEG及びエステル交換反応触媒を抜き出すことが出来る様に改良されたジメチルカーボネートとエチレングリコールの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、第1蒸留塔の缶出液から低沸点成分を回収する第2蒸留塔において、その塔頂圧力と塔底圧力とを所定の値に保持するならば、第2蒸留塔の塔頂ベーパーを通常の冷却水で凝縮して第1蒸留塔に返送することが出来、しかも、エチレングリコールの品質劣化が抑制された温度でエチレングリコール、エチレンカーボネート、エステル交換反応触媒を抜き出すことが出来るとの知見を得、本発明の完成に到った。
【0012】
すなわち、本発明の要旨は、以下の第1工程〜第5工程を順次に包含することを特徴とするジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法に存する。
【0013】
<第1工程>
第1蒸留塔において、均一系触媒の存在下にエチレンカーボネートとメタノールとを反応蒸留し、メタノール及びジメチルカーボネートを含み且つエチレングリコールを含まない低沸点留分と、メタノール、ジメチルカーボネート、エチレングリコール及びエチレンカーボネートを含む高沸点留分とに蒸留分離する。
【0014】
<第2工程>
第2蒸留塔において、塔頂圧力25KPa以上、塔底圧力80KPa以下の条件下、第1蒸留塔にて回収された高沸点留分を、メタノール及びジメチルカーボネートを含み且つエチレングリコールを含まない低沸点留分と、エチレングリコール、エチレンカーボネート及び均一系触媒を含み且つジメチルカーボネートを含まない高沸点留分とに蒸留分離し、第1蒸留塔に低沸点留分を返送する。
【0015】
<第3工程>
第2蒸留塔にて回収された高沸点留分に当該高沸点留分中のエチレンカーボネートに対して過剰モル量の水を添加してエチレンカーボネートをエチレングリコールと二酸化炭素とに加水分解する。
【0016】
<第4工程>
第3工程にて回収された反応混合物から二酸化炭素を分離し、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び均一系触媒を含む混合物を回収する。
【0017】
<第5工程>
第3蒸留塔において、第4工程にて回収された混合物から、水およびエチレングリコールを含み且つジエチレングリコールを含まない低沸点留分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び均一系触媒を含む高沸点留分とを蒸留分離し、エチレングリコール留分を回収する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい態様の一例を示すプロセス説明図である。
【0019】
本発明の製造方法は、以下に記載の第1工程〜第5工程を順次に包含する。なお、以下の説明においては次の表1に示す略号を使用することがある。
【0020】
【表1】
Figure 0003963357
【0021】
<第1工程>
先ず、第1蒸留塔(1)において、均一系触媒の存在下にECとMeOHとをエステル交換反応させ、MeOH及びDMCを含み且つEGを含まない低沸点留分と、MeOH、DMC、EG、EC及び均一触媒を含む高沸点留分とに蒸留分離する。なお、ECとMeOHとのエステル交換反応は以下の化学反応式(1)で示される。
【0022】
【化1】
Figure 0003963357
【0023】
エステル交換反応の際の均一系触媒としては、トリエチルアミン等のアミン類、ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、クロロ酢酸ナトリウム、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属化合物、タリウム化合物などが挙げられる。これらは、通常、EGに溶解した溶液として使用され、その濃度は、通常1〜50重量%、好ましくは3〜20重量%である。均一系触媒の使用量は、ECに対する値(重量%)として、通常100〜1500であり、ECに対するMeOHの使用割合(モル比)は通常2〜20である。
【0024】
上記のエステル交換反応は、第1蒸留塔(1)において、MeOH及びDMCを含み且つEGを含まない低沸点留分と、MeOH、DMC、EG、EC及び均一触媒を含む高沸点留分とに蒸留分離しつつ行なわれる。
【0025】
図示した例の場合、第1蒸留塔(1)は、後述の第2蒸留塔(4)にて回収された低沸点留分が返送されるため、上から順次に、第1層、第2層、第3層の、3層に分割された充填部構造を備えている。
【0026】
充填部の第1層の上部には、ライン(L1)及び(L2)を通し、それぞれ、均一系触媒(例えば水酸化カリウムのエチレングリコール溶液:KOH/EG)及びECが供給され、第3層の上部には、ライン(L3)を通し、MeOHがガス状で供給される。なお、第2層の上部には、後述の第2蒸留塔(4)にて回収された低沸点留分が供給される。
【0027】
MeOH及びDMCを含み且つEGを含まない低沸点留分は、第1蒸留塔(1)の頂部のライン(L4)から抜出され、凝縮器(3)によって凝縮され、その一部はライン(L4a)を通して第1蒸留塔(1)に還流され、他の一部はライン(L4b)を通して抜出される。一方、MeOH、DMC、EG、EC及び均一触媒を含む高沸点留分は、第1蒸留塔(1)の底部のライン(L5)から抜出され、後述の第2蒸留塔(4)に供給される。
【0028】
第1蒸留塔(1)の濃縮段および回収段の段数、操作条件(反応圧力および反応温度)は、上記の成分分離が行なわれる様に適宜選択される。第1蒸留塔(1)の操作圧力は、通常50〜200KPa、好ましくは80〜120KPa、操作温度(塔底液温度)は、通常50〜180℃、好ましくは100〜160℃であり、第1蒸留塔(1)における滞留時間(反応時間)は通常0.1〜2時間である。また、凝縮器(3)における凝縮温度は通常40〜80℃であり、還流比は、通常0.1〜5、好ましくは0.2〜1である。なお、上記の塔底液温度は塔底部のリボイラー(2)によって制御される。
【0029】
<第2工程>
次いで、第2蒸留塔(4)において、第1蒸留塔(1)にて回収された高沸点留分を、MeOH及びDMCを含み且つEGを含まない低沸点留分と、EG、EC及び均一系触媒を含み且つDMCを含まない高沸点留分とに蒸留分離する。
【0030】
MeOH及びDMCを含み且つEGを含まない低沸点留分は、第2蒸留塔(4)の頂部のライン(L6)から抜出され、凝縮器(6)によって凝縮され、その一部はライン(L6a)を通して第2蒸留塔(4)に還流され、他の一部はライン(L6b)を通して第1蒸留塔(1)充填部の第2層の上部に返送される。一方、EG、EC及び均一系触媒を含み且つDMCを含まない高沸点留分は、第2蒸留塔(4)の底部のライン(L7)から抜出され、次の第3工程に供給される。
【0031】
第2蒸留塔(4)の濃縮段および回収段の段数、操作条件は、上記の成分分離が行なわれる様に適宜選択されるが、塔頂圧力は25KPa以上(好ましくは28〜75KPa)、塔底圧力は80KPa以下(好ましくは28〜75KPa)に選定する必要がある。斯かる条件を採用することにより、通常の冷却水(工業用水など)で塔頂ベーパーを凝縮して第1蒸留塔(1)に返送することが出来、しかも、EGの品質が劣化しない温度でECとEG及びエステル交換反応触媒を抜き出すことが出来る。
【0032】
具体的には、第2蒸留塔(4)の塔底液温度は、通常100〜180℃、好ましくは150〜170℃、凝縮器(6)における凝縮温度は、通常30〜80℃、好ましくは40〜60℃、還流比は、通常0.01〜5、好ましくは0.05〜2である。なお、前記の操作圧力は、第2蒸留塔(4)の塔頂に備えられた凝縮器(6)の気相部に連結された真空ライン(L15)の真空度によって調節される。また、上記の塔底液温度は塔底部のリボイラー(5)によって制御される。
【0033】
<第3工程>
次いで、第2蒸留塔(4)にて回収された高沸点留分に当該高沸点留分中のECに対して過剰モル量の水を添加してECをEGと二酸化炭素(CO2)とに加水分解する。ECの加水分解は以下の化学反応式(2)で示される。なお、この加水分解工程においては、生成したEGからDEGが副生し、更に、TEG、PEG等が生成することもある。
【0034】
【化2】
Figure 0003963357
【0035】
通常、上記の加水分解は触媒の存在下に行なわれる。触媒としては、活性アルミナが好適に使用される。加水分解反応器(7)の形式は、特に限定されないが、図示した様に、固定床式反応器を使用するのが好ましい。第2蒸留塔(4)の底部のライン(L7)から抜出された高沸点留分は、ライン(L8)から水が添加された後に、加水分解反応器(7)に供給される。ECに対する水の使用割合(モル比)は通常1〜5であり、反応温度は通常100〜200℃、反応圧力は通常100〜3000KPa、反応時間は通常0.5〜5時間である。
【0036】
<第4工程>
次いで、第3工程にて回収された反応混合物から二酸化炭素(CO2)を分離し、水、EG、DEG及び均一系触媒を含む混合物を回収する。二酸化炭素(CO2)の分離手段は特に制限されない。加水分解工程の反応混合物を常圧の脱炭酸タンク内に供給して加水分解工程の圧力を開放するだけで二酸化炭素(CO2)を容易に分離することが出来る。
【0037】
図示した脱炭酸タンク(気液分離器)(8)は、圧力調節器(図示せず)を備え、更に、二酸化炭素(CO2)と共に留出する水蒸気を回収するために凝縮器(9)を備えている。前記の第3工程(加水分解工程)にて回収された反応混合物はライン(L9)から脱炭酸タンク(8)に導入され、二酸化炭素(CO2)は、ライン(L10)を経由し、凝縮器(9)の気相部のラインから抜出される。
【0038】
<第5工程>
第3蒸留塔(10)において、第4工程にて回収された混合物から、水およびEGを含み且つDEGを含まない低沸点留分と、EG、DEG及び均一系触媒を含む高沸点留分とを蒸留分離し、EG留分を回収する。第4工程にて回収された混合物は、ライン(L11)から第3蒸留塔(10)の供給段に導入され、水およびEGを含み且つDEGを含まない低沸点留分は塔頂のライン(L12)から凝縮器(12)に導入され、EG、DEG及び均一系触媒を含む高沸点留分は塔底のライン(L13)から抜出される。そして、EG留分は、塔中間のライン(L14)からサイドカットとして回収される。
【0039】
第3蒸留塔(10)の濃縮段および回収段の段数、操作条件(温度、圧力、還流比など)は、目的とする成分分離が行なわれる様に適宜選択される。第3蒸留塔(10)の操作圧力は、通常2〜20KPa、好ましくは5〜10KPa、操作温度(塔底液温度)は、通常100〜180℃、好ましくは130〜160℃である。また、凝縮器(12)における凝縮温度は通常30〜80℃であり、還流比は、通常0.1〜5、好ましくは0.5〜2である。なお、操作圧力は、凝縮器(12)の気相部に連結された真空ライン(L15)の真空度によって調節される。また、塔底液温度は塔底部のリボイラー(11)によって制御される。
【0040】
前記の各蒸留塔の形式は、棚段塔または充填塔の何れの形式であってもよい。棚段塔としては、シーブトレイ、泡鐘塔などの公知の型式を使用することが出来る。充填塔における充填物としては、スルザーパック、メラパック、MCパック等の規則充填物、IMTP、ラシヒリング等の不規則充填物を使用することが出来る。因に、各蒸留塔の理論段数は、通常5〜50段、好ましくは7〜25段である。また、前記の各凝縮器としては一般的な多管式熱交換器を使用することが出来る。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
実施例1
図1に示すのと同様のプロセスにより、以下に記載の第1工程〜第5工程を順次に行なった。
【0043】
<第1工程>
第1蒸留塔(1)として、内径0.15m、高さ20mの充填塔であって、規則充填物である「BXパッキング」により、上から順次に、第1層(充填層高13.5m)、第2層(充填層高0.6m)、第3層(充填層高0.9m)に3分割されている充填塔を使用した。
【0044】
充填部の第1層の上部には、ライン(L1)及び(L2)を通し、それぞれ、5重量%の濃度に調節したKOHのEG溶液1.2Kg/hおよびEC29Kg/hを連続的に供給し、第3層の上部には、ライン(L3)を通し、3重量%のDMCを含有するMeOH84Kg/hをガス状で連続的に供給し、反応蒸留を開始した。第1蒸留塔(1)の操作圧力は常圧、操作温度は67℃、第1蒸留塔(1)における滞留時間(反応時間)は40分、凝縮器(3)における凝縮温度は40℃、還流比は0.3とした。
【0045】
そして、MeOH及びDMCを含み且つEGを含まない低沸点留分は、第1蒸留塔(1)の頂部のライン(L4)から抜出し、凝縮器(3)によって凝縮し、その一部はライン(L4a)を通して第1蒸留塔(1)に還流し、他の一部はライン(L4a)を通して抜出した。一方、MeOH、DMC、EG、EC及び均一触媒を含む高沸点留分は、第1蒸留塔(1)の底部のライン(L5)から抜出し、次の第2蒸留塔(2)に供給した。なお、第1蒸留塔(1)の塔頂凝縮液流量は92Kg/hであり、その組成はMeOH66重量%、DMC34重量%であった。
【0046】
<第2工程>
第2蒸留塔(4)として、内径0.15m、高さ15mの充填塔であって、規則充填物である「メラパック250Y」により、上層(第1層)(充填層高6.3m)、下層(第2層)(充填層高5m)に2分割している充填塔を使用した。
【0047】
第2蒸留塔(4)充填部の第2層の上部に第1蒸留塔(1)にて回収した高沸点留分を供給した。塔頂圧力は46.7KPa、塔底圧力は47.1KPa(塔底液温度164℃)、凝縮器(6)における凝縮温度は30℃、還流比は0.1とした。
【0048】
MeOH及びDMCを含み且つEGを含まない低沸点留分(温度46℃)は、第2蒸留塔(4)の頂部のライン(L6)から抜出し、凝縮器(6)によって凝縮し、その一部はライン(L6a)を通して第2蒸留塔(4)に還流し、他の一部はポンプ(図示せず)で昇圧した後にライン(L6b)を通して第1蒸留塔(1)充填部の第2層の上部に返送した。一方、EG、EC及び均一系触媒を含み且つDMCを含まない高沸点留分は、第2蒸留塔(4)の底部のライン(L7)から抜出し、次の第3工程に供給した。なお、第2蒸留塔(4)の缶出液流量は22Kg/hであった。また、その組成は、EC5重量%、EG95重量%であり、他に水酸化カリウム0.3重量%と微量のMeOHを含んでいた。
【0049】
<第3工程>
加水分解反応器(7)として、活性アルミナを充填した反応器を使用した。第2蒸留塔(4)の底部のライン(L7)から抜出した高沸点留分(22Kg/h)にライン(L8)から水(0.3Kg/h)を添加して加水分解反応器(7)に供給した。反応温度:180℃、反応圧力:2500KPa、LHSV:0.5で反応を行なった。加水分解後のEC濃度は10重量ppm未満に低下した。
【0050】
<第4工程>
上記の反応混合物をライン(L9)から脱炭酸タンク(8)に導入し、反応混合物を常圧まで減圧し、二酸化炭素を分離した。反応混合物の液温は、減圧に伴い低下したが、100℃を超えているため、二酸化炭素と共に水が留去する。そこで、凝縮器(9)により留出ベーパーを50℃に冷却して凝縮し、得られた凝縮液を脱炭酸タンク(8)に戻しながら操作を行った。
【0051】
<第5工程>
第3蒸留塔(10)として、内径0.15m、高さ15mの充填塔であって、規則充填物である「メラパック250Y」により、上から順次に、第1層(充填層高4.1m)、第2層(充填層高2.3m)、第3層(充填層高2.7m)に3分割している充填塔を使用した。
【0052】
第3蒸留塔(10)充填部の第2層の上部に第4工程にて回収した混合物をライン(L11)を通して供給した。塔頂圧力は8KPa、塔底液温度133℃、凝縮器(12)における凝縮温度は50℃、還流比は1.2とした。
【0053】
塔頂凝縮液流量は2Kg/hであり、その組成は水7重量%、EG93重量%であった。缶出液量は1Kg/hであり、その組成は水酸化カリウム5重量%、EG95重量%であった。また、側流抜出し液量は19Kg/hであり、その組成は、EG99.8重量%、DEG0.2重量%であり、ECは検出されなかった。
【0054】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、反応蒸留によるエステル交換反応を利用したジメチルカーボネートとエチレングリコールの製造方法であって、通常の冷却水(工業用水など)で第2蒸留塔の塔頂ベーパーを凝縮して第1蒸留塔(1)に返送することが出来、しかも、EGの品質が劣化しない温度でECとEG及びエステル交換反応触媒を抜き出すことが出来る様に改良されたジメチルカーボネートとエチレングリコールの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい態様の一例を示すプロセス説明図
【符号の説明】
1:第1蒸留塔
2:リボイラー
3:凝縮器
4:第2蒸留塔
5:リボイラー
6:凝縮器
7:加水分解反応器
8:脱炭酸タンク(気液分離器)
9:凝縮器
10:第3蒸留塔
11:リボイラー
12:凝縮器

Claims (2)

  1. 以下の第1工程〜第5工程を順次に包含することを特徴とするジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法。
    <第1工程>
    第1蒸留塔において、均一系触媒の存在下にエチレンカーボネートとメタノールとをエステル交換反応させ、メタノール及びジメチルカーボネートを含み且つエチレングリコールを含まない低沸点留分と、メタノール、ジメチルカーボネート、エチレングリコール、エチレンカーボネート及び均一系触媒を含む高沸点留分とに蒸留分離する。
    <第2工程>
    第2蒸留塔において、塔頂圧力25KPa以上、塔底圧力80KPa以下の条件下、第1蒸留塔にて回収した高沸点留分を、メタノール及びジメチルカーボネートを含み且つエチレングリコールを含まない低沸点留分と、エチレングリコール、エチレンカーボネート及び均一系触媒を含み且つジメチルカーボネートを含まない高沸点留分とに蒸留分離し、第1蒸留塔に低沸点留分を返送する。
    <第3工程>
    第2蒸留塔にて回収した高沸点留分に当該高沸点留分中のエチレンカーボネートに対して過剰モル量の水を添加してエチレンカーボネートをエチレングリコールと二酸化炭素とに加水分解する。
    <第4工程>
    第3工程にて回収した反応混合物から二酸化炭素を分離し、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び均一系触媒を含む混合物を回収する。
    <第5工程>
    第3蒸留塔において、第4工程にて回収した混合物から、水およびエチレングリコールを含み且つジエチレングリコールを含まない低沸点留分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び均一系触媒を含む高沸点留分とを蒸留分離し、エチレングリコール留分を回収する。
  2. 第1蒸留塔の操作圧力が50〜200KPa、第3蒸留塔の操作圧力が2〜20KPaである請求項1に記載の製造方法。
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