JP3963083B2 - ワークの研磨方法及び研磨装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの研磨技術に関し、具体的には、高い平坦度が要求される半導体ウエーハ等の研磨方法及び研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のデバイスの高精度化に伴ない、デバイス作製に用いられる半導体ウェーハは、非常に高精度に平坦化することが要求されている。
このような要求に対し、半導体ウェーハ(以下、単に「ワーク」あるいは「ウェーハ」という場合がある)の表面を平坦化する技術として、化学機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)が用いられている。従来のCMPの一例として、セラミックス等からなる円板状の保持盤本体に軟質樹脂製の発泡シート等からなるバッキングパッドを取り付け、このバッキングパッドを介してウェーハの裏面をダメージを与えずに保持してウェーハの表面を研磨する方法がある。研磨の際には、回転定盤に貼り付けられた研磨布に研磨スラリーを供給するとともに、ウェーハを回転させながらその表面を研磨布に押し付けて摺接させることで鏡面化を実現する。
【0003】
従来、上記のように研磨する際、バッキングパッドは、常に水で湿らせた状態で使用されている。これは、バッキングパッド表面で水の表面張力を利用して半導体ウェーハを保持すること、さらに、バッキングパッドに付着したスラリーが乾燥してウェーハの品質に悪影響を及ぼすことを回避すること等を目的としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、バッキングパッドに形成されている気泡は、必ずしも均一でない。従って、バッキングパッド面内に硬度斑が生じ、バッキングパッドが吸水した場合には、硬度斑はさらに拡大されるという問題がある。また、バッキングパッド表面に水滴が付いた状態でウェーハを保持すると、水滴がワークとバッキングパッドの間に封じ込められて、バッキングパッドの見かけ上の硬度斑をさらに大きくする場合がある。
【0005】
このような状態のバッキングパッドにワークを保持して研磨加工を行うと、いわゆるバッキングパッドむら(平坦度異常)を引き起こし、ワークの平坦度を悪化させる要因となるため、近年要求されている高平坦度のワークを高歩留りで得ることが困難となる。研磨圧力を下げてバッキングパッドの硬度斑による影響を低減する等の対策も考えられるが、研磨圧力の低圧力化は研磨能率の低下、ひいては生産能力の低下につながっていた。
【0006】
一方、特開平11−151665号公報には、吸水率を抑えたバッキングパッドが開示されている。このバッキングパッドを用いてウェーハを研磨すれば、長時間研磨しても吸水することがなく、局部的な応力の発生を防ぐことができるとされている。
しかしながら、このような吸水率を抑えたバッキングパッドを製造するには、バッキングパッドの表面を樹脂塗料で塗装して表面の気孔の一部を塗料で塞ぐ必要がある。従って、吸水率の高い従来のバッキングパッドをそのまま使用することができず、バッキングパッドの製造コストが上昇するという問題がある。
【0007】
これらの問題点に鑑み、本発明では、バッキングパッドを用いたワークの研磨技術において、バッキングパッドの硬度斑の影響を低減し、吸水率の高いバッキングパッドを使用しても、高平坦度のワークを高歩留りで得ることができる研磨技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明によれば、保持盤本体に取り付けられたバッキングパッドを介してワークを保持し、該ワークを研磨布に摺接させてワーク表面を研磨する方法において、前記ワークの保持前及び/又は保持後に、前記バッキングパッドの少なくとも表層部に含まれている水又は研磨液を除去する工程を含むことを特徴とするワークの研磨方法が提供される。
このようにワークの保持前あるいは保持後に、バッキングパッドの少なくとも表層部に含まれている水や研磨液を除去してワークを保持することにより、バッキングパッドとワークとの間に封じ込められる水分がほとんど無くなる。従って、バッキングパッドの見かけ上の硬度斑が少なくなり、ワークを高平坦度に研磨加工することができる。
【0009】
この場合、バッキングパッド表層部に含まれている水等の除去の仕方は特に限定されないが、ワーク保持前であれば、回転による振り切り、バッキングパッド表層部へのエアーブロー、又はこれらを併用することにより水等の除去を好適に行うことができる。
また、ワーク保持後であれば、研磨ヘッドを下げ、ワークを研磨布に接触させた状態で、バッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射することにより水等の除去を好適に行うことができる。
【0010】
また、本発明の研磨方法では、バッキングパッドとして、少なくともその表層部が疎水性を有するバッキングパッドや、独立発泡構造又は無発泡構造を有するバッキングパッドを用いることが好ましい。
このようなバッキングパッドを用いることにより、上記水分除去が容易に行え、バッキングパッド表層部に水分をほとんど含まずにワークを保持して研磨することができ、非常に高精度の研磨加工を行うことができる。
【0011】
さらに本発明では、保持盤本体に取り付けられたバッキングパッドを介してワークを保持し、該ワークを研磨布に摺接させてワーク表面を研磨する研磨装置において、バッキングパッドの表層部に含まれている水又は研磨液を除去する手段を有するワーク研磨装置が提供される。この除去手段は、回転による振り切り手段、バッキングパッド表層部へのエアーブロー手段、及びバッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射する手段のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
【0012】
また、少なくとも表層部が疎水性を有するバッキングパッドや、独立発泡構造又は無発泡構造を有するバッキングパッドを用いれば、更に水分除去が容易になる。従って、上記のような水分除去手段を備えた研磨装置を用いてワークの研磨を行うことで、バッキングパッド表層部の水分を効果的に除去することができ、より高精度な平坦化を達成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明が適用されるワークとしては、特に限定されるものではなく、シリコンウェーハをはじめとした半導体ウェーハ、酸化物結晶、石英基板等の高い平坦度が要求される薄板状ワークを研磨する場合に適用できるが、好適な具体例として半導体ウエーハを研磨する場合を例として以下に説明する。
【0014】
本発明によれば、バッキングパッドとウェーハとの間に余分な水を封じ込めることなく、ウェーハを高平坦度に研磨することができる方法が提供される。すなわち、保持盤本体に取り付けられたバッキングパッドを介してウェーハを保持し、該ウェーハを研磨布に摺接させてウェーハ表面を研磨する際、ウェーハの保持前あるいは保持後に、バッキングパッドの少なくとも表層部に含まれている水又は研磨液を除去して研磨を行えばよい。
【0015】
図1は、上記のようにバッキングパッド表面の水分除去処理を行うことができる研磨装置の一例の概略を示している。このウェーハ研磨装置1は、バッキングパッド4の表層部に含まれている水又は研磨液を除去する手段として、高速回転による振り切り手段、バッキングパッド表層部へのエアーブロー手段、及びバッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射する手段を備えている。このような装置を用いれば、バッキングパッドの表層部に含まれている水や研磨液を、ワーク保持前には、高速回転による振り切り、バッキングパッド表層部へのエアーブロー、又はこれらを併用することにより、また、ワーク保持後には、研磨ヘッドを降下してワークを研磨布に接触させた後、バッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射することにより除去することができる。
【0016】
従来の研磨装置でも、通常、研磨ヘッドは回転機能を具備しているが、本発明に係る研磨装置1では、研磨ヘッド2が高速で回転することができる。例えば、通常の研磨では、50rpm以下で研磨ヘッドを回転させることが多い。本発明では水分を振り切るために研磨ヘッドの回転速度を100rpm以上と高速で行う。ただし、この回転速度は必ずしも100rpmに設定する必要はない。回転速度はバッキングパッドの種類により適宜選定すれば良く、バッキングパッドの表面の水分を除去できる程度に設定する。これによりウェーハを保持する前に、バッキングパッド4に含まれている水や研磨液を振り切ることができる。
【0017】
また、図1の装置1では、バッキングパッド表層部へのエアーブロー手段5を備えている。具体的には、ウェーハを保持する前に、エアーブローノズル5からバッキングパッド4表面へのエアーブローを行うことで、バッキングパッド表層部の水分を吹き飛ばすことができる。エアーブロー手段5の設置位置は、特に限定されないが、例えば、図1に示されるようにウェーハローディングユニット(ローダー)6付近に設けておけば、ウェーハ保持前にバッキングパッド表層部へのエアーブローを行い、その後すぐにウェーハを保持することができる。
なお、このエアーブローは空気に限らず、Nガス等、他の気体でもよい。
【0018】
また、本発明では、高速回転による振り切り手段とバッキングパッド表層部へのエアーブロー手段を併用してもよく、例えば、研磨ヘッドを高速あるいは低速で回転させながらエアーブローを行ってもよいし、高速で振り切り後、エアーブローを行ってもよい。なお、他の水分除去手段として、バッキングパッド表面に赤外線ランプを照射する手段を用いることもできる。
【0019】
さらに本発明に係る研磨装置は、バッキングパッド表層部に含まれている水をウェーハ保持後に除去する手段として、バッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射する手段を具備している。図2に示されているように、SiC製の硬質の保持盤本体3には厚さ方向に多数の貫通孔17が所定の間隔で設けられており、貫通孔17はワーク保持盤本体3とワーク保持盤裏板11の間にある空間部16を経て、真空ライン13から不図示の真空ポンプにつながっている。さらに図3に示されるように、真空ライン13の途中には、エアー供給源につながっているエアー噴射ライン19が連結されており、各ラインの弁21,22の開閉により、真空吸引あるいはエアー噴射を行うことができる。
【0020】
保持盤本体3の下面には、バッキングパッド4が取り付けられ、さらに、バッキングパッドの周囲に沿ってテンプレート10が取り付けられている。バッキングパッド4には、保持盤本体3の貫通孔17の位置に合わせて穿たれた孔18が設けられている。バッキングパッド4の孔18の大きさは特に限定されず、針等であけたような非常に小さなものであってもよい。
【0021】
なお、研磨ヘッド2は、エアバック加圧方式を採用しており、保持盤本体3の上部、裏板11、及び真空ライン13の外側を覆う外カバー14が設けられ、さらに外カバー14と保持盤本体3をつなぐゴムシート12が保持盤本体3の周囲に沿って設けられている。そして、外カバー14とゴムシート12と保持盤9等により密閉された領域が加圧エリア15を形成し、加圧エリア15内の圧力を調整することで、研磨圧力を調整することができる。
【0022】
このような研磨ヘッド2を備えた研磨装置を用いてウェーハを研磨する場合、真空吸着により研磨ヘッド2でバッキングパッド4を介してウェーハWの裏面を保持した後、研磨布8が貼られた定盤7上に移動して研磨ヘッド2を定盤上に降下させる。次いで、真空ライン13の真空オンオフ弁21を閉じる一方、エアー噴射ライン19のエアー噴射オンオフ弁22を開く。これによりウェーハWを保持した状態で、バッキングパッド4に設けた孔18からエアーを噴射することができる。このとき、ウェーハWはバッキングパッド4と研磨布8との間に挟まれている上、ウェーハWの周囲をテンプレートが囲っているため、ウェーハWがエアー噴射によって保持盤9から外れることはない。
【0023】
次いで、研磨布8を回転させながら研磨液を供給するとともに、研磨ヘッド2を回転させて研磨を行うが、この場合、エアー噴射を止めてから研磨を行うほか、研磨しながらエアー噴射を行ってもよい。例えば、研磨ヘッド2を定盤7上に降下させた後、エアー噴射しながら研磨を開始することができる。
【0024】
適度な時間で上記のようにエアー噴射を行う。保持盤本体3の貫通孔17を通ってウェーハ裏面方向に噴射されたエアーは、ウェーハ裏面で反射し、バッキングパッド4に当たる。これによりバッキングパッド4に含まれている水分をバッキングパッド4の周囲に向けて移動させ、除去することができる。
そして、このような方法によりウェーハの研磨を行えば、比較的高い研磨圧力でも、ウェーハの平坦度異常が発生し難く、高平坦度のウェーハを高効率で生産することができる。
【0025】
上記の例では、バッキングパッドを具備し、バッキングパッドの表層部に含まれている水又は研磨液を除去する手段として、高速回転による振り切り手段、バッキングパッド表層部へのエアーブロー手段、及びバッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射する手段の3つを具備した態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記3つの水分除去手段のうち、少なくとも1つを備えた研磨装置であれば、バッキングパッド表面の水滴に起因する硬度斑を抑制することができる。従って、吸水率の高いバッキングパッドを用いた場合でも、上記水分除去手段によりバッキングパッド表面の水分を容易に除去することができ、これにウェーハを保持して研磨を行うことで、ウェーハを高平坦度に研磨することができる。
【0026】
また、本発明では、疎水性を有するバッキングパッドや、独立発泡構造又は無発泡構造のバッキングパッドを使用すれば、水分起因の硬度斑を更に容易に抑制することができる。
ここで、疎水性を有するバッキングパッドとは、バッキングパッドの少なくとも表層部が疎水性、すなわち、水の吸収や吸着をしない、あるいは吸収、吸着等をし難い性質を有するバッキングパッドである。このような疎水性のバッキングパッドとしては、パッド全体を疎水性を有する材料で作製するか、あるいは市販されている従来のバッキングパッドの表面を疎水性のコート剤でコートすることによって作製してもよい。
【0027】
上記疎水性材料としては、水の吸収や吸着をし難く、バッキングパッドとして形成できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウレタンゴムにフッ素系界面活性剤を練り込んだ材料を使用することができる。また、疎水性のコート剤に関しても特に限定されないが、例えば、フッ素系表面コート剤を使用できる。このコート剤は、塗膜形成型のコート剤であり、バッキングパッドにコートすることで、見かけ上、疎水性材料でバッキングパッドを作製したのと同様の効果を得ることができる。
【0028】
さらにバッキングパッドの構造は、オープンポア(連続気泡)タイプとしてもよいが、少なくとも表層部が独立発泡構造又は無発泡構造とすることが好ましい。このように他の気泡とは連絡がない(表層部に連続気泡がほとんど存在しない)あるいは気泡のない構造のバッキングパッドとすれば、表面で口の開いた気泡も少ないので、バッキングパッド全体として吸水し難い構造となり、水分の除去が容易で、バッキングパッド中の水分起因の硬度斑を最小限に抑えることができる。
従って、上記のような疎水性を有するバッキングパッドや、独立発泡構造または無発泡構造のバッキングパッドを用いれば、極めて容易に水分除去処理を行うことができ、ウェーハをより高平坦に研磨することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
バッキングパッドの水分除去処理の影響を確認した。本実施例では、枚葉式の研磨装置を用いた。細孔を多数設けたSiC製ワーク保持盤本体にバッキングパッドをはり付け、細孔部に相当する部分に孔をあけることによりワーク保持盤を作製した。このワーク保持盤は、図2に示すようなエアバック加圧方式の研磨ヘッド2に保持され、図3に示すようなライン13,19を通じて保持盤本体3及びバッキングパッド4の孔17,18から真空引き又はエアー噴射を行うことができる。
【0031】
研磨の手順を示すと、まずバッキングパッド表面のゴミを除去するため、シャワー水を噴射、又はシャワー水を噴射しながらブラッシングをする。なお、ブラッシング部にはエアーノズルが設置されており、ゴミ除去後は、エアーブローによる水分除去操作が可能となっている。ゴミを除去した後、研磨ヘッドを高速回転(本実施例では100rpmで回転)させながらエアーブローすることによりバッキングパッド表面の水分を除去する。その後、ワーク(ウェーハ)をローディングステージで保持盤に真空吸着し、研磨定盤上に搬送する。研磨定盤上に移動したら研磨ヘッドを降下させた後、真空を切ってラインを大気開放状態にし、その後所望の研磨圧力を印加してワークの研磨を行った。
【0032】
なお、本実施例の研磨条件としては、ワークとして直径200mmのシリコンウェーハ、研磨剤としてコロイダルシリカ系研磨剤(pH=10〜11)、研磨布として不織布タイプ研磨布を使用した。研磨圧力は30kPa、目標研磨代8μmで研磨した。バッキングパッドは、オープンポアタイプのバッキングパッド(ロデール・ニッタ(株)製 R201)を用いた。
【0033】
(比較例1)
バッキングパッド表面のゴミをシャワー水で除去した後、バッキングパッド表面の水分を除去することなしにウェーハを保持し、研磨を行った。なお、水分除去処理を実施しなかった以外は実施例1と同じ条件で研磨を行った。
【0034】
(評価)
実施例1及び比較例1で研磨を行った各ウェーハの研磨前後の平坦度を比較し、ウェーハ形状が急峻に変化している部分の有無によってバッキングパッド起因の平坦度異常の有無を判断した。具体的には、静電容量式の平坦度測定器等を用いて平坦度のデータの等高線マップを、0.03μm間隔で作成した。平坦度が高ければ、同心円状のマップが得られるが、水滴の存在などによるバッキングパッド起因の異常があると、同心円状が崩れたマップになる。このような状態を平坦度異常とした。実施例1及び比較例1の各条件でそれぞれ100枚研磨し、上記のような平坦度異常の発生割合を調べた。
【0035】
実施例1のようにワーク保持前の高速回転による水切りとバッキングパッド表面へのエアーブローにより、平坦度異常の発生は30%に抑えられた。
一方、水分除去処理を実施しなかった比較例1では、ほぼ100%で平坦度異常が発生した。
このような平坦度異常のあるウェーハ及び平坦度異常のないウェーハについて、セルサイズ25mm×25mmで測定した平坦度(SFQRmax)を確認した。平坦度異常があるウェーハは、SFQRmax=0.15μm以上、特に0.2μm程度であり、平坦度としては通常レベルであった。一方、平坦度異常のないものはSFQRmax=0.15μm未満、特に0.13μm以下の高平坦度ウェーハであった。本発明のように水分除去処理を行い同心円状が崩れたマップとなる状態のウェーハがないように研磨すれば、たいへん高平坦度なウェーハを高歩留りで生産できる。
【0036】
なお、SFQR(Site Front Least Squares Range)とは、設定されたサイト内でデータを最小二乗法にて算出したサイト内平面を基準平面とし、この平面からの+側、−側各々最大変位量の絶対値の和で表した平坦度のことである。各サイト毎に評価し、最大値をSFQRmaxという。
【0037】
(実施例2)
水分除去処理として実施例1と同様に、ワーク保持前にバッキングパッド表面の水を遠心力で除去できる程度の高速回転による水切りとバッキングパッド表面へのエアーブローを行った。ワークを保持盤に保持した後、研磨ヘッドを下げてワークと研磨布とを接触させた状態で、バッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射することにより水分を除去した。
研磨条件に関しては、研磨圧力のみ10、20、30、50、60、70kPaとそれぞれ変えた以外は、実施例1と同様の条件で研磨を行った。
【0038】
(比較例2)
バッキングパッド表面の水分除去処理を実施しないで研磨した以外は、実施例2と同じ条件でウェーハを研磨した。
【0039】
水分除去処理をしないで研磨した比較例2では、研磨圧力が10kPa及び20kPa程度と低い場合でも、平坦度異常の発生はそれぞれ50%、80%程度と高く、30kPa以上の研磨圧力では、ほぼ100%で平坦度異常が発生した。
これに対し、実施例2では、20kPa以下では0%、30kPaで30%、50kPaで42%、60kPaで53%、70kPaで70%程度と、比較例2に比べれば、全研磨圧力において遥かに平坦度異常の発生は少なかった。これによりバッキングパッドの水分除去処理を行って研磨した方が、平坦度異常の発生割合が低くなることがわかる。
【0040】
(実施例3)
バッキングパッドとして、疎水性で独立発泡構造のバッキングパッドを用いた以外は実施例1と同様にウェーハの研磨を行った。
その結果、平坦度異常は観察されなかった(0%)。疎水性で独立発泡構造のバッキングパッドを用い、これに水分除去処理を行ったことにより、バッキングパッド表面に残る水滴が除去されやすくなり、結果的にウェーハを高平坦度に研磨することができた。また、この条件で研磨圧力を高くして研磨を行った場合、約60kPaの研磨圧力でも平坦度異常の発生は観察されなかった。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、バッキングパッドの水分除去処理を行ってワークの研磨を行うことで、平坦度異常の発生を防止または大幅に抑制することができる。また、本発明の研磨装置を用いることで、比較的高い研磨圧力でワークの研磨を行っても、平坦度異常が発生し難くなるので、高平坦度のワークを高効率で生産することが可能になる。特に、疎水性のバッキングパッドを用いれば、ワークの平坦度異常の発生を大きく低下させることができる。
【0043】
特に、半導体ウエーハのような非常に高い平坦度が要求される研磨に本発明を適用することで、表面全体にわたって非常に高い平坦度が達成され、表面特性に優れた鏡面ウエーハを高歩留りで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研磨装置の一例の部分概略図である。
【図2】本発明で使用される研磨ヘッドの一例の部分断面図である。
【図3】真空ラインとエアー噴射ラインとの連結を示す説明図である。
【符号の説明】
1…研磨装置、 2…研磨ヘッド、 3…保持盤本体、 4…バッキングパッド、 5…エアーブローノズル、 6…ローダー、 7…回転定盤、 8…研磨布、 9…保持盤、 10…テンプレート、 11…保持盤裏板、 12…ゴムシート、 13…真空ライン、 14…外カバー、 15…加圧エリア、 16…空間部、 17…貫通孔、 18…孔、 19…エアー噴射ライン、 21…真空オンオフ弁、 22…エアー噴射オンオフ弁、 W…ワーク(ウエーハ)。

Claims (6)

  1. 保持盤本体に取り付けられたバッキングパッドを介してワークを保持し、該ワークを研磨布に摺接させてワーク表面を研磨する方法において、前記ワーク保持後に、前記バッキングパッドの少なくとも表層部に含まれている水又は研磨液を除去する工程を含み、前記ワーク保持後の水又は研磨液の除去を、ワークを研磨布に接触させた状態で、バッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射することにより行うことを特徴とするワークの研磨方法。
  2. 前記バッキングパッドとして、少なくともその表層部が疎水性を有するバッキングパッドを用いることを特徴とする請求項1記載のワークの研磨方法。
  3. 前記バッキングパッドとして、少なくともその表層部が独立発泡構造又は無発泡構造を有するバッキングパッドを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワークの研磨方法。
  4. 保持盤本体に取り付けられたバッキングパッドを介してワークを保持し、該ワークを研磨布に摺接させてワーク表面を研磨する研磨装置において、前記バッキングパッドの表層部に含まれている水又は研磨液を除去する手段を有し、該バッキングパッドの表層部に含まれている水又は研磨液を除去する手段が、ワーク保持後にバッキングパッドに設けた孔からエアーを噴射する手段あることを特徴とするワーク研磨装置。
  5. 前記バッキングパッドの少なくとも表層部が、疎水性を有することを特徴とする請求項に記載のワーク研磨装置。
  6. 前記バッキングパッドが、独立発泡構造又は無発泡構造を有することを特徴とする請求項または請求項に記載のワーク研磨装置。
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