JP5495525B2 - 研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造 - Google Patents

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本発明は、研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造に関するものであり、特に、化学機械研磨加工(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等において、ウェーハ裏面にゾーン押圧部を直接接触させて局所的押圧を行うとともにウェーハの回転を適正に平均化して所望の残膜厚プロファイル制御を行うことが可能な研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造に関するものである。
従来、例えば、次のようなポリッシング装置が知られている。この従来技術は、トップリング(研磨ヘッド)の下面に弾性マットが貼着されて研磨対象物であるウェーハの裏面を保持する保持面が形成されるとともに、該弾性マットの周囲にはウェーハの外周部を保持するための環状の保持部が形成されている。そして、該環状の保持部でウェーハの外周部を保持して弾性マットで形成された保持面に該ウェーハを保持するように構成されている。また、トップリングには、保持したウェーハをターンテーブル(プラテン)上の研磨布に押圧する押圧力可変のトップリング用押圧手段が設けられている。前記トップリング内には、中央部に位置する円形の第1チャンバ、該第1チャンバの外周側に位置する環状の第2チャンバ、該第2チャンバの外周側に位置する環状の第3チャンバが設けられ、該第1〜第3の各チャンバには、それぞれバルブを介して加圧流体源が接続されている。一方、第1〜第3の各チャンバからはウェーハの保持面に加圧流体を噴出するためのそれぞれ複数の開口が前記弾性マットを介して開穿されている。そして、第1〜第3の各チャンバに供給する加圧流体の圧力をそれぞれ変えてトップリングの保持面とウェーハ裏面との間に介在する流体に圧力勾配をもたせ、ウェーハを研磨布に押し付ける押圧力に勾配をもたせることでウェーハの局部的な研磨量の過不足を補正するようにしている。
さらに、前記トップリングの外周部には、該トップリングに対し上下動自在に押圧リングが配置されている。該押圧リングには押圧力可変のリング用押圧手段が付設されている。そして、研磨中に、押圧リングが研磨布を押圧する押圧力を、トップリングがウェーハを研磨布に押圧する押圧力に応じて適宜に調整することで、ウェーハの中心部から周縁部、さらにはウェーハの外側にある押圧リングの外周部までの研磨圧力が連続且つ、均一になる。そのため、ウェーハの周縁部における研磨量の過不足を防止することができるとしている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、例えば、次のようなウェーハ研磨装置が知られている。この従来技術は、ウェーハを保持するキャリアの底面外周側に、周方向に沿ってエアガイド溝が形成され、該エアガイド溝内に複数のエア噴出孔が円周方向に所定の間隔をおいて形成されている。そして、該複数のエア噴出孔からエアを噴出して、該エアを前記キャリアの外側に流出させながらキャリアの底面とウェーハとの間に圧力エア層を形成し、キャリアに伝達されたエアバックからの押圧力を前記圧力エア層を介してウェーハに伝達することにより、ウェーハを研磨パッドに押し付けて研磨するようにしている。前記複数のエア噴出孔は、エアガイド溝を介して連通されており、各エア噴出孔から噴出されたエアは、該エアガイド溝にガイドされて迅速にウェーハの外周部全体に供給され、圧力エア層が形成される。このように、エアガイド溝を介してウェーハの外周部にエアを供給すると、ウェーハにかかるエア圧力がウェーハ全面において均一になるので、ウェーハを均一な押付け力で研磨することができるとしている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3795128号公報。 特許第2940614号公報。
特許文献1に記載の従来技術においては、トップリングの底部に形成された環状の保持部でウェーハの外周部を保持し、該保持部の回転でウェーハに直接トルクを与えてウェーハを回転させている。ここで、ウェーハの研磨において特にウェーハ周縁部における研磨レート均一性を向上させるためには、ウェーハの回転速度を平均化することが必須とされる。これに対し、上記のように保持部の回転でウェーハに直接トルクを与え、ウェーハの回転を該保持部の回転に同期させる構造の場合、ウェーハの回転は保持部の加工精度に依存する。しかしながら、加工精度を上げるためには、そのための生産性の低下が生じるとともに、平滑度等の精度検査のための時間及び設備等が必要であり、コスト高を招くことになる。また、この従来技術では、前記トップリング内に第1〜第3のチャンバを設け、各チャンバにはそれぞれバルブを介して加圧流体源を接続し、該トップリングの保持面とウェーハの上面との間に介在する流体そのものに圧力勾配をもたせ、ウェーハを研磨布に押し付ける押圧力に勾配をもたせることでウェーハの局部的な研磨量の過不足を補正することも行っている。さらに、この従来技術では、前記トップリングの外周部に上下動自在に押圧リングを配置し、この押圧リングが研磨布を押圧する押圧力を、トップリングがウェーハを研磨布に押圧する押圧力に応じて調整することで、ウェーハの周縁部における研磨量の過不足を防止するようにしている。このように、トップリング内に第1〜第3のチャンバを設けている点、及びトップリングの外周部に押圧リングを配置している点においても、さらにコスト高を招いている。
また、特許文献2に記載の従来技術においては、キャリアに伝達されたエアバックからの押圧力を該キャリアの底面部に形成された圧力エア層を介してウェーハに伝達することにより、ウェーハを均一加圧して研磨するようにしている。
ところで、CMPにおいてウェーハの研磨均一性は、上記のような圧力エア層を介してのウェーハの均一加圧と回転速度の平均化で達成することが可能である。そして、ウェーハ回転の平均化は、リテーナリングの内径をウェーハの直径よりも所要長さだけ大径に設定し、ウェーハをリテーナリングの回転に対し非同期で従動回転させることにより、ウェーハ保持部としてのリテーナリングの加工精度に依存することなく、低コストで達成することが考えられている。なお、ウェーハをリテーナリングの回転に対し非同期で従動回転させてウェーハの回転速度を平均化させる技術は、本出願人の特許出願に係る特願2008−104039号の願書に添付した明細書及び図面に開示されている。
しかし、昨今、半導体デバイス製造工程でのCMPの位置付けは、ウェーハ残膜厚のプロファイル制御を行うことに移行しており、この残膜厚のプロファイル制御は、前記エアバックによる押圧力を圧力エア層を介してウェーハに伝達する均一加圧法では達成が困難になっている。このため、ゾーン押圧部を設け、このゾーン押圧部をウェーハの裏面に直接接触させて局所的押圧を行える研磨ヘッドが求められている。しかしながら、ゾーン押圧部をウェーハの裏面に直接接触させると、摩擦抵抗が生じて前記回転非同期による従動回転でウェーハ回転を平均化することが難しくなるという問題点があった。
そこで、研磨時にウェーハの裏面にゾーン押圧部を直接接触させて効果的な局所的押圧を行うとともに格別コスト高を招くことなくウェーハの回転を適正に平均化して、所望の残膜厚プロファイル制御を実行するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、ウェーハをプラテン上の研磨パッドに押付け、前記プラテンに対し相対回転させて前記ウェーハを研磨する研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造であって、
前記ウェーハの裏面を押圧するバックプレートを押圧するエアバックの押圧力で研磨ヘッド下面部を押圧して成り、
前記ウェーハの裏面に前記バックプレートを介して直接接触して局所的押圧を行うゾーン押圧部を備えるとともに該ゾーン押圧部における前記ウェーハ裏面への接触部にフッ素系樹脂のコーティングを施したウェーハ回転安定化構構造において、
前記ウェーハの周囲を囲むようにして研磨ヘッド側に設けられたリテーナリングの内径を該ウェーハの直径よりも所要長さだけ大径に設定し、該ウェーハは、その外周部が前記リテーナリングの内周部に転がり接触することにより駆動されて回転する研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を提供する。
この構成によれば、ウェーハの裏面を押圧するバックプレートを押圧するエアバックの押圧力で研磨ヘッド下面部を押圧して成るところ、接触部に滑り性の優れたフッ素系樹脂のコーティングを施したゾーン押圧部を、ウェーハの裏面に前記バックプレートを介して直接接触させて押圧することを通じて、ウェーハが研磨ヘッドの回転に非同期で回転しても摩擦抵抗が極小に抑えられて該ウェーハの回転を阻害することなく効果的に所望の局所的押圧が行われる。これにより、所望の残膜厚プロファイル制御を程よく行うことが可能となる。
また、リテーナリングの内径を該ウェーハの直径よりも所要長さだけ大径に設定することで、研磨ヘッドが回転すると前記ウェーハの外周部とリテーナリングの内周部との間に、その接触位置が所要量ずつ順次ずれるような転がり接触が生じ、この転がり接触によりウェーハはリテーナリングの回転に対し非同期で回転するとともに、その回転速度が平均化される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記ゾーン押圧部は、上記研磨ヘッドの回転中心をリング中心とするリング状に形成されている研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を提供する。
この構成によれば、ウェーハ上の所望半径の環状ゾーンに確実に効果的な局所的押圧を加えることができて、所望の残膜厚プロファイル制御を確実に行うことが可能となる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、上記ゾーン押圧部は、同心上に形成されたリング状の複数のゾーン押圧部からなり、相隣るリング状のゾーン押圧部間にはエアガイド溝が形成されるとともに該エアガイド溝内に複数のエア噴出孔が適宜間隔をおいて設けられている研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を提供する。
この構成によれば、リング状の複数のゾーン押圧部を設けたことで、ウェーハ上の複数の所望半径の各環状ゾーンに確実に効果的な局所的押圧を加えることが可能となる。また、エア噴出孔から供給された圧縮エアがエアガイド溝を介して相隣るリング状のゾーン押圧部間に迅速に行き渡って圧力エア層が形成され、前記局所的押圧が加えられるウェーハ上の各環状ゾーンの間が該圧力エア層により押圧される。したがって、所望の残膜厚プロファイル制御を確実に行うことが可能となる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、上記リング状の各ゾーン押圧部には、上記研磨ヘッドの半径方向と同方向に複数のゾーン部エア溝が形成され、該複数のゾーン部エア溝は上記エアガイド溝に連通している研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を提供する。
この構成によれば、エア噴出孔から供給された圧縮エアが各ゾーン押圧部に形成されたゾーン部エア溝にも行き渡り、ウェーハに対し圧力エア層による加圧領域が増える。これに加えてウェーハ上の複数の所望半径の各環状ゾーンに確実に効果的な局所的押圧が行われて、所望の残膜厚プロファイル制御を確実に行うことが可能となる。また、複数のゾーン部エア溝とエアガイド溝とは連通していることで、該両溝はエア噴出孔から供給された圧縮エアの排気路としても機能し、供給された圧縮エアは該排気路を介して適宜に外部に排出される。
請求項1記載の発明は、ウェーハの裏面を押圧するバックプレートを押圧するエアバックの押圧力で研磨ヘッド下面部を押圧するので、ウェーハに対し効果的に所望の局所的押圧を行うことができるとともに、ウェーハが研磨ヘッドの回転に対し非同期で回転しても、ウェーハの回転を適正に維持することができる。
したがって、所望の残膜厚プロファイル制御を実行することができる。また、ゾーン押圧部が低摩耗化されて寿命向上に寄与できるという利点がある。
さらに、ウェーハの外周部とリテーナリングの内周部との間に、その接触位置が所要量ずつ順次ずれるような転がり接触が生じることで、ウェーハはリテーナリングの回転に対して非同期で回転する。これにより、コスト高につくリテーナリングの加工精度に依存することなく、ウェーハの回転を平均化することができるという利点がある。
請求項2記載の発明は、ウェーハ上の所望半径の環状ゾーンに効果的に局所的押圧を加えることができて、所望の残膜厚プロファイル制御を確実に実行することができるという利点がある。
請求項3記載の発明は、ウェーハ上の複数の所望半径の各環状ゾーンに効果的に局所的押圧を加えることができ、さらに各環状ゾーンの間には圧力エア層による押圧を加えることができて、所望の残膜厚プロファイル制御を一層確実に実行することができるという利点がある。
請求項4記載の発明は、ウェーハに対し局所的押圧領域以外の領域に対してエア層による均一加圧を維持でき、所望の残膜厚プロファイル制御の制御範囲を広げることができるという利点がある。
請求項5記載の発明は、ウェーハの外周部とリテーナリングの内周部との間に、その接触位置が所要量ずつ順次ずれるような転がり接触が生じることで、ウェーハはリテーナリングの回転に対し非同期で回転する。これにより、コスト高につくリテーナリングの加工精度に依存することなく、ウェーハの回転を平均化することができるという利点がある。
研磨時にウェーハの裏面にゾーン押圧部を直接接触させて効果的な局所押圧を行うとともに格別コスト高を招くことなくウェーハの回転を適正に平均化して、所望の残膜厚プロファイル制御を実行するという目的を達成するために、
ウェーハをプラテン上の研磨パッドに押付け、前記プラテンに対し相対回転させて前記ウェーハを研磨する研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造であって、前記ウェーハの裏面を押圧するバックプレートを押圧するエアバックの押圧力で研磨ヘッド下面部を押圧して成り、前記ウェーハの裏面に前記バックプレートを介して直接接触して局所的押圧を行うゾーン押圧部を備えるとともに該ゾーン押圧部における前記ウェーハ裏面への接触部にフッ素系樹脂のコーティングを施したウェーハ回転安定化構構造において、
前記ウェーハの周囲を囲むようにして研磨ヘッド側に設けられたリテーナリングの内径を該ウェーハの直径よりも所要長さだけ大径に設定し、該ウェーハは、その外周部が前記リテーナリングの内周部に転がり接触することにより駆動されて回転するようにして実現した。

以下、本発明の実施例に係る研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を図面に従って詳述する。図1は研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を備えたウェーハ研磨装置の斜視図、図2はウェーハ回転安定化構造を内装した研磨ヘッドの概略拡大縦断面図、図3は図2の研磨ヘッドにおけるゾーン押圧部部分の底面図、図4はゾーン押圧部の部分を拡大して示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は側面図である。
まず、研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を備えたウェーハ研磨装置の構成を説明する。図1においてウェーハ研磨装置(CMP装置)1は、主としてプラテン2と、研磨ヘッド3とから構成されている。前記プラテン2は、円盤状に形成され、その下面中央には回転軸4が連結されており、モータ5の駆動によって矢印A方向へ回転する。プラテン2の上面には研磨パッド6が貼付されており、該研磨パッド6上に図示しないノズルから研磨剤と化学薬品との混合物であるスラリーが供給される。
研磨ヘッド3は、図示しない昇降装置によって上下移動自在に設けられており、研磨対象のウェーハを研磨ヘッド3にセットする際に上昇移動される。また、研磨ヘッド3は、ウェーハを研磨する際には下降移動されて研磨パッド6に当接される。
前記研磨ヘッド3は、図2に示すように、主としてヘッド本体7、バックプレート8、リング状のバックプレート用エアバック9、ゾーン押圧部10、リテーナリング11、リング状のリテーナリング用エアバック13及びエア等の制御手段で構成されている。前記バックプレート用エアバック9及びリテーナリング用エアバック13には、それぞれエアを供給するための図示しない空気供給機構が連結されている。
前記ヘッド本体7は前記プラテン2よりも小形の円盤状に形成され、その上面中央に回転軸12(図1参照)が連結されている。該ヘッド本体7は前記回転軸12に軸着されて図示しないモータで駆動され図1の矢印B方向に回転する。前記バックプレート8は円盤状に形成され、ヘッド本体7の中央下方に配設されている。該バックプレート8の上面中央部とヘッド本体7の中央下部との間にはドライプレート14が設けられており、ヘッド本体7から回転が伝達される。前記ドライプレート14の中央下部と前記バックプレート8の中央上部との間には図示しない作動トランスが配設されており、該作動トランスは図示しない制御部に連結されてウェーハ上に形成された導電性膜の研磨状態信号を該制御部に出力する。
前記バックプレート8の上面周縁部にはリング状のバックプレート押圧部材15が設けられており、バックプレート8は該バックプレート押圧部材15を介してバックプレート用エアーバック9から押圧力が伝達される。そして、該バックプレート8の下面に、研磨中のウェーハの裏面に直接接触して該ウェーハに対し局所的押圧を行う前記ゾーン押圧部10が固着されている。該ゾーン押圧部10は、ゴム材等で作製されており、図3の構成例に示すように、研磨ヘッド3の回転中心をリング中心としてそれぞれリング状に形成された外周側ゾーン押圧部10A、中間ゾーン押圧部10B及び内側ゾーン押圧部10Cの3個で構成されている。
これらのゾーン押圧部10A,10B,10Cは研磨中のウェーハの裏面に直接接触するものであるため、ウェーハが研磨ヘッド3の回転に対し非同期で回転すると摩擦抵抗により、ウェーハの回転を阻害することになる。このため、図4(a)に示すように、各ゾーン押圧部10A,10B,10Cにおけるウェーハ裏面への接触部には、機械的特性及び滑り性の優れたポリ四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂のコーティング16が施されている。該フッ素系樹脂のコーティング16の部分が、ウェーハが研磨ヘッド3の回転に対し非同期で回転しても摩擦抵抗を極小に抑えるウェーハ回転安定化構造として機能する。該フッ素系樹脂のコーティング16は、少なくとも各ゾーン押圧部10A,10B,10Cにおけるウェーハ裏面への接触部に対して行えばよく、後述するエアガイド溝内やゾーン部エア溝内には、行う必要はない。
前記外周側ゾーン押圧部10Aと中間ゾーン押圧部10Bとの間、及び中間ゾーン押圧部10Bと内側ゾーン押圧部10Cとの間には、それぞれエアガイド溝17a,17b形成され、該両エアガイド溝17a,17b内及び内側ゾーン押圧部10Cの内周縁に沿ったバックプレート8の底面部分には、圧縮エアを噴射するためのそれぞれ複数のエア噴出孔18が適宜間隔をおいて設けられている。エアガイド溝17a内の複数のエア噴出孔18、エアガイド溝17b内の複数のエア噴出孔18、及び内側ゾーン押圧部10Cの内周縁に沿った複数のエア噴出孔18には、全エア噴出孔18に共通もしくはエアガイド溝17a内の複数のエア噴出孔18、エアガイド溝17b内の複数のエア噴出孔18等毎に各別に圧縮エア供給用の図示しないエアフロートラインが連結されている。
前記複数のエア噴出孔18の配設に加えて、前記エアガイド溝17b内等のバックプレート8下面の適宜の部位には、図示しないバキュームラインに通じるバキューム孔が設けられている。なお、前記複数のエア噴出孔18をバルブ等により前記エアフロートラインとバキュームラインに切換え接続して、該複数のエア噴出孔18をバキューム孔に兼用させてもよい。エアフロートラインからの圧縮エアの供給及びバキュームラインからのバキューム作用等は制御部からの指令信号によって実行される。
図3のゾーン押圧部部分の底面図及び図4(b)の拡大した側面図に示すように、外周側ゾーン押圧部10A、中間ゾーン押圧部10B及び内側ゾーン押圧部10Cの各ゾーン押圧部の下面側には、研磨ヘッド3の半径方向と同方向に複数のゾーン部エア溝19が形成されている。該複数のゾーン部エア溝19は前記両エアガイド溝17a,17b及び内側ゾーン押圧部10Cの内周縁側空間部に連通している。このように各ゾーン押圧部10A,10B,10Cに形成された複数のゾーン部エア溝19と両エアガイド溝17a,17bとは連通していることで、該両溝19と17a,17bは複数のエア噴出孔18から噴射された圧縮エアの排気路としても機能し、噴射された圧縮エアは該排気路を介して適宜に外部に排出される。
前記リテーナリング11は、その内径がウェーハの直径(例えば300mm)よりも所要長さ(例えば少なくとも3mm)だけ大径のリング状に形成され、バックプレート8の外周に配置されている。このように、リテーナリング11の内径をウェーハの直径よりも所要長さだけ大径に設定したことで、ウェーハは、その外周部がリテーナリング11の内周部に転がり接触することにより駆動されて該リテーナリング11の回転に対し非同期で回転する。
該リテーナリング11は研磨ヘッド3に設けられたリテーナリングホルダ20に取付けられ、該リテーナリングホルダ20にはスナップリング21を介してリテーナリング押圧部材22が連結されている。また、スナップリング21の外周にはスナップリングカバー23が取付けられている。リテーナリング11は、前記リテーナリング押圧部材22等を介してリテーナリング用エアバック13からの押圧力が伝達されて研磨パッド6に押し付けられる。
次に、上述のように構成された研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造の作用を説明する。まず、研磨ヘッド3を図示しない移動機構により所定箇所に待機中のウェーハ上に載置する。そして、研磨ヘッド3のバキュームライン側を作動状態とし、バックプレート8の下面にウェーハを吸着する。そして、前記移動機構により、ウェーハを吸着保持した研磨ヘッド3をプラテン2上に運び、該ウェーハを、研磨対象である導電性膜が研磨パッド6に対接するようにプラテン2上に載置する。
次いで、バキュームライン側の作動を解除し、図示しない空気供給機構からバックプレート用エアバック9及びリテーナリング用エアバック13にエアを供給して該両エアバック9,11を膨らませる。これと同時に各エア噴出孔18から両エアガイド溝17a,17b内及び内側ゾーン押圧部10Cの内周縁側空間部並びに各ゾーン部エア溝19内に圧縮エアーを供給して、これらの部位に圧力エア層を形成する。
これにより、リテーナリング用エアーバック13の膨らみによって、リテーナリング11が研磨パッド6に押し付けられる。また、バックプレート用エアーバック9の膨らみによるバックプレート8の押圧力により、外周側ゾーン押圧部10A、中間ゾーン押圧部10B及び内側ゾーン押圧部10Cがウェーハの裏面に直接接触して各ゾーン押圧部10A,10B,10Cに対応したウェーハ上の各環状ゾーンに局所的押圧が加えられ、さらに各環状ゾーンの間等が圧力エア層を介して押圧される。
この状態でプラテン2を図1の矢印A方向に回転させるとともに研磨ヘッド3を図1の矢印B方向に回転させ、回転する研磨パッド6上に図示しないノズルからスラリーを供給する。前記リテーナリング11は、その内径がウェーハの直径よりも所要長さだけ大径に設定されていることで、研磨ヘッド3が回転するとウェーハの外周部とリテーナリング11の内周部との間に、その接触位置が所要量ずつ順次ずれるような転がり接触が生じる。この転がり接触によりウェーハの回転速度は、リテーナリング11の内径とウェーハの直径との比に反比例して大となり、ウェーハはリテーナリング11の回転に対し非同期で回転始動する。
このとき、ウェーハの裏面に直接接触して局所的押圧を加えている各ゾーン押圧部10A,10B,10Cは、その接触部に滑り性の優れたフッ素系樹脂のコーティング16が施されていることで、ウェーハがリテーナリング11の回転に対し非同期で回転しても摩擦抵抗が極小に抑えられて該ウェーハの非同期回転を阻害することがない。この結果、ウェーハの回転速度が適正に平均化されるとともに各ゾーン押圧部10A,10B,10Cにより効果的に所望の局所的押圧が行われて研磨が進行し、所望の残膜厚プロファイル制御が確実に行われる。
なお、本実施例は、バックプレート8に伝達される押圧力により前記各ゾーン押圧部10A,10B,10Cがウェーハの裏面に接触しないようにバックプレート用エアーバック9へのエア供給量を適宜に調整することで、該バックプレート8に伝達された押圧力を圧力エア層を介してウェーハに伝達し、該ウェーハを均一に加圧した状態で研磨することもできる。
上述したように、本実施例に係る研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造においては、リテーナリング11の内径をウェーハの直径よりも所要長さだけ大径に設定したことで、ウェーハの外周部とリテーナリング11の内周部との間に、その接触位置が所要量ずつ順次ずれるような転がり接触が生じて、ウェーハはリテーナリング11の回転に対し非同期で回転する。これにより、コスト高につくリテーナリングの加工精度に依存することなく、ウェーハの回転を平均化することができる。
各ゾーン押圧部10A,10B,10Cにおけるウェーハへの接触部に滑り性の優れたフッ素系樹脂のコーティング16を施したことで、ウェーハがリテーナリング11の回転に対し非同期で回転しても摩擦抵抗が極小に抑えられて該ウェーハの非同期回転を阻害することがない。この結果、ウェーハの回転を適正に平均化することができるとともに該ウェーハに対し効果的に所望の局所的押圧を行うことができて、所望の残膜厚プロファイル制御を実行することができる。また、各ゾーン押圧部10A,10B,10Cが低摩耗化されて寿命向上に寄与することができる。
各ゾーン押圧部10A,10B,10Cに対応したウェーハ上の各環状ゾーンに効果的に局所的押圧を加えることができるとともに各環状ゾーンの間には圧力エア層による押圧を加えることができて、所望の残膜厚プロファイル制御を一層確実に実行することができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
図は本発明の実施例に係る研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を示すものである。
研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造を備えたウェーハ研磨装置の斜視図。 ウェーハ回転安定化構造を内装した研磨ヘッドの概略拡大縦断面図。 図2の研磨ヘッドにおけるゾーン押圧部部分の底面図。 ゾーン押圧部の部分を拡大して示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は側面図。
符号の説明
1 ウェーハ研磨装置
2 プラテン
3 研磨ヘッド
4 回転軸
5 モータ
6 研磨パッド
7 ヘッド本体
8 バックプレート
9 バックプレート用エアバック
10 ゾーン押圧部
10A 外周側ゾーン押圧部
10B 中間ゾーン押圧部
10C 内側ゾーン押圧部
11 リテーナリング
12 回転軸
13 リテーナリング用エアバック
14 ドライプレート
15 バックプレート押圧部材
16 フッ素系樹脂のコーティング
17a,17b エアガイド溝
18 エア噴出孔
19 ゾーン部エア溝
20 リテーナリングホルダ
21 スナップリング
22 リテーナリング押圧部材
23 スナップリングカバー

Claims (4)

  1. ウェーハをプラテン上の研磨パッドに押付け、前記プラテンに対し相対回転させて前記ウェーハを研磨する研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造であって、
    前記ウェーハの裏面を押圧するバックプレートを押圧するエアバックの押圧力で研磨ヘッド下面部を押圧して成り、
    前記ウェーハの裏面に前記バックプレートを介して直接接触して局所的押圧を行うゾーン押圧部を備えるとともに該ゾーン押圧部における前記ウェーハ裏面への接触部にフッ素系樹脂のコーティングを施したウェーハ回転安定化構構造において、
    前記ウェーハの周囲を囲むようにして研磨ヘッド側に設けられたリテーナリングの内径を該ウェーハの直径よりも所要長さだけ大径に設定し、該ウェーハは、その外周部が前記リテーナリングの内周部に転がり接触することにより駆動されて回転することを特徴とする研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造。
  2. 上記ゾーン押圧部は、上記研磨ヘッドの回転中心をリング中心とするリング状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造。
  3. 上記ゾーン押圧部は、同心上に形成されたリング状の複数のゾーン押圧部からなり、相隣るリング状のゾーン押圧部間にはエアガイド溝が形成されるとともに該エアガイド溝内に複数のエア噴出孔が適宜間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造。
  4. 上記リング状の各ゾーン押圧部には、上記研磨ヘッドの半径方向と同方向に複数のゾーン部エア溝が形成され、該複数のゾーン部エア溝は上記エアガイド溝に連通していることを特徴とする請求項3記載の研磨ヘッドにおけるウェーハ回転安定化構造。
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