JP3638138B2 - ウエーハ保持盤の作製方法及びウエーハの研磨方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエーハ等のウエーハの表面を精密研磨する際に使用する研磨装置に使用されるウエーハ保持盤の作製方法ならびにそのウエーハ保持盤を備えた研磨装置を用いるウエーハの研磨方法に関する。
【0002】
【関連技術】
従来、研磨加工においては、剛性材料であるガラス、金属、セラミックス等の板をウエーハ保持盤とし、その表面にワックス等の接着剤でウエーハを貼り付けたり、通気性のある多孔質材料や表面に多数の吸着孔を設けたウエーハ保持盤表面に真空吸着等でウエーハを保持する方法が行われている。
【0003】
しかし、金属やセラミックス等のウエーハ保持盤の表面に直接ウエーハを保持すると、ウエーハ裏面に傷や汚れが発生してしまう。このようなウエーハへの汚染を防止するため、ウエーハ保持盤表面に数十μmの極薄のテフロン(登録商標)、ナイロン等として知られている材料や塩化ビニール等の樹脂膜を被覆したものや、薄いアクリル樹脂板(樹脂板)を接着剤で貼り付けたもの、また熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂等を塗布し、それを硬化させ被覆した樹脂膜をウエーハ保持盤表面に形成したウエーハ保持盤が提案されている。
【0004】
また、ウエーハを研磨する場合、ウエーハ保持盤の表面の平坦度を高平坦度に仕上げても、研磨布のクリープ変形等で研磨布表面が徐々に変化するため、加工後のウエーハが平坦になるとは限らない問題がある。これについては、上記ウエーハ保持盤に樹脂膜を形成したウエーハ保持盤の樹脂表面を、予めウエーハを研磨する研磨装置(具体的には研磨布)で研磨することで研磨布のクリープ変形に倣ったウエーハ保持盤表面を作り込むこと等、ウエーハ保持盤の表面の調整が行われる(以下この加工を面出し加工ということがある)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ウエーハ保持面に樹脂膜を被覆したウエーハ保持盤を予めウエーハを研磨する研磨装置(具体的には研磨布)で研磨し研磨布の形状に合わせこみ、この形状を有するウエーハ保持盤にウエーハを保持し研磨するとうねりや全体的な平坦度は著しく向上するものの、ナノトポグラフィーレベルの凹凸の悪化が見られることがあった。
【0006】
ナノトポグラフィー(ナノトポロジーとも言われる)は、波長が0.1mmから20mm程度で振幅が数nmから100nm程度の凹凸のことであり、その評価法としては1辺が0.1mmから10mm程度の正方形、または直径が0.1mmから10mm程度の円形のブロック範囲(この範囲はWINDOW SIZE等と呼ばれる)の領域で、ウエーハ表面の凹凸の高低差(PV;peak to valley)を評価する。このPV値はNanotopography Height等とも呼ばれる。ナノトポグラフィーとしては、特に評価したウエーハ面内に存在する凹凸の最大値が小さいことが望まれている。通常2mmの正方形で複数のブロック範囲を評価しそのPV値の最大値で評価する。この値が小さければ小さいほど良品である。
【0007】
このナノトポグラフィーレベルの凹凸は、例えばデバイス工程で行われているCMP(Chemical Mechanical Polishing)で問題となることがある。例えば素子間に深さ1ミクロン弱の溝を形成し、その溝に酸化膜を充填させ、CMP法にて余分な酸化膜を研磨し素子分離を行いつつ素子領域を平坦化する工程において、溝形成前のウエーハのナノトポグラフィーレベルが悪いと(ウエーハ表面に大きな凹凸が存在すると)、ウエーハ表面の凸部では研磨加工が終了し素子分離されたとしても、凹部では未だ酸化膜が残り、素子分離構造がうまく形成されないという研磨不良の問題を生じる。
【0008】
ナノトポグラフィーレベルの悪化は、ウエーハ保持盤のウエーハ保持面を作製している間に、吸着孔付近の形状が悪化し、この状態でウエーハをこのウエーハ保持面に保持して研磨すると、その吸着孔付近の形状がウエーハに転写しナノトポグラフィーレベルの凹凸の悪化が見られるようになると考えられる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ウエーハ保持盤のウエーハ保持面の吸着孔付近の形状がウエーハに転写するのを防ぐとともにナノトポグラフィーレベルの凹凸の悪化を防止し、デバイス工程でのCMPにおける研磨不良等の問題を改善し、高集積デバイスの歩留り向上を図ることができ、その上簡便にウエーハ保持面を作製することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法及びこのウエーハ保持盤を備えた研磨装置を用いるウエーハの研磨方法を提供することを主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填した状態で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなることを特徴とする。
【0011】
このように充填材によって吸着孔を充填した状態でウエーハ保持盤のウエーハ保持面の面出し加工を行うことにより、面出し加工時に吸着孔部分の広がりが少なくなり、ナノトポグラフィーの悪化が防止できる。
【0012】
シリコンウエーハの研磨工程ではケミカルな作用及びメカニカルな作用の組合せにより加工を行うが、面出し加工では、アルカリ溶液にエッチングされにくい樹脂膜を、アルカリ性の研磨剤を用い面出し加工しているので、メカニカルな作用が主に影響すると考えられ上記したように吸着孔を充填材によって充填した後に面出し加工(特に研磨加工)を行うことが好ましい。
【0013】
特にその充填材が前記樹脂膜と同等の性質を持つ材料であるのが好ましい。つまり、充填材としてはアルカリ溶液にエッチングされにくく、また吸着孔に充填しやすい材質を選定する。
【0014】
また、本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、ウエーハを研磨する時の研磨圧力より低い圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなることを特徴とする。
【0015】
ウエーハ保持面の研磨圧力は通常、ウエーハの研磨圧力と同じにすることが好ましいと考えられるが、本発明ではウエーハ保持面の研磨圧力をウエーハの研磨圧力より低く設定して研磨を行う。このように、ウエーハ保持面を研磨する時にウエーハを研磨する時の圧力より低く設定して加工することにより、ウエーハを研磨するときに影響する程の吸着孔の悪化は見られずナノトポグラフィーが良くなる。ウエーハ保持面を研磨する時の研磨圧力を、ウエーハを研磨する時の研磨圧力の90%〜10%程度の圧力で処理することが好ましい。
【0016】
特に、吸着孔に充填材を充填しない本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様においては、ウエーハ保持面の研磨(面出し研磨)の時の研磨圧力そのものを300g/cm2以下、好ましくは200g/cm2以下とすることが良い。
【0017】
ウエーハを研磨する圧力が低い場合、例えば200g/cm2程度であれば、ウエーハ保持面を研磨する時の研磨圧力もウエーハを研磨する時の圧力より若干低く設定すればよい。一方、ウエーハの研磨圧が高い場合、ウエーハを研磨する時の圧力とほぼ同等にすると、面出し研磨時の圧力が大きくなり機械的作用が働きすぎ吸着孔付近を過剰に削ってしまう可能性がある。何故ならば、この削られたものがウエーハ研磨時に影響する程度の吸着孔の悪化につながるためである。従って、例えば400g/cm2程度の圧力でウエーハを研磨する場合等は、面出し研磨は300g/cm2以下程度にするのが好ましい。
【0018】
更に、本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第3の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填した状態とするとともにウエーハを研磨する時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなることを特徴とする。
【0019】
つまり、充填材及びウエーハ保持面を研磨する時にウエーハを研磨する時の圧力以下にして加工することにより、吸着孔部分の広がりが少なくなり、またウエーハ保持面を処理する条件と、ウエーハを処理する条件の関係が良好となり、ナノトポグラフィーが良くなる。この場合、ウエーハを研磨する研磨圧力が高い場合(例えば400g/cm2程度)でも、面出し研磨の研磨圧力を高くする(ウエーハの研磨圧力と同じ400g/cm2程度及びそれ以下)にすることができる。
【0020】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、ウエーハを研磨する時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなり、該ウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨加工するにあたり、研磨圧力を少なくとも2段階に変えて研磨加工することを特徴とする。
【0021】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5の態様は、ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填した状態とするとともにウエーハを研磨する時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなり、該ウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨加工するにあたり、研磨圧力を少なくとも2段階に変えて研磨加工することを特徴とする。
【0022】
上記した本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4及び第5の態様のように、ウエーハ保持盤基体の吸着孔が充填材で充填されていてもいなくても、ウエーハ保持面の樹脂膜を面出し加工するにあたり、研磨圧力を少なくとも2段階に変えて研磨加工することによってさらに良好な面状態を形成することができる。例えば、初段の研磨圧力はウエーハの研磨圧力と同等にし、ウエーハ保持面全体の形状を作りこみ、2段目の研磨圧力は特に限定するものではないが初段の約半分程度の研磨圧力にし、吸着孔周辺の形状を作りこむようにする。この時研磨圧力は連続的に変化させても、段階的に変化させても良い。
【0023】
このように、初めは、製品を研磨する時の研磨条件と同様にして、ウエーハ保持面を研磨し、研磨布に倣ったウエーハ保持盤とし、次に圧力をさげ、軽くウエーハ保持盤を研磨することで、吸着孔部分の広がりが少なくなりナノトポグラフィーが良くなる。
【0024】
また、本発明のウエーハ保持盤の作製方法においては、ウエーハを研磨する研磨装置を用いて樹脂膜の研磨加工を行うことによって前記ウエーハ保持面の面出し加工を行うことが好ましい。このようにすれば、研磨布の形状にあった正確な倣い研磨ができる。
【0025】
さらに、本発明のウエーハ保持盤の作製方法においては、ウエーハを研磨する研磨装置と同等の装置を用い、外段取りであらかじめ樹脂膜の研磨加工を行うことによって、前記ウエーハ保持面の面出し加工を行うことができる。ここでいう外段取りとは、ウエーハを研磨するための研磨装置とは別な研磨装置であらかじめワーク保持盤の面出し研磨を実施しておくことである。これはウエーハを研磨する装置と同様の仕様、例えばウエーハ保持面への影響が大きい研磨布の硬度などを揃えて、実際のウエーハを研磨するための研磨装置と同じ状態の保持面となるようにあらかじめ加工しておくことである。このように外段取りでウエーハ保持盤を加工すれば、ウエーハを研磨する装置の稼働率を向上することができる。
【0026】
前記ウエーハ保持面の面出し加工は、遊離砥粒を用いたラッピング加工を行い、次いで前記樹脂面の研磨加工を行うことによって行うのが好適である。
【0027】
ウエーハ保持盤の表面、即ち樹脂膜表面は、先ずラッピング加工によって面修正し、次いで研磨装置の定盤上で研磨加工修正することでより高精度なウエーハ保持盤のウエーハ保持面を形成することができる。このウエーハ保持盤を使用することによって平坦度の高いウエーハ研磨加工が可能となる。
【0028】
前記樹脂膜を構成する樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、及びフェノール樹脂からなる群から選択される1種とすることができる。樹脂膜の材質を上記した樹脂類の中から選択すれば、本発明のウエーハ保持盤の作製方法で要求される膜物性である硬度、機械的強度、線膨張係数等を満足することができるが、特にエポキシ樹脂が好ましい。
【0029】
前記ウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を被覆する樹脂膜の厚さとしては、0.1〜3mmが好適である。このように、樹脂膜の厚さを3mm以下にするとウエーハ保持盤本体の剛性を低下させることがないので、より高精度なウエーハ研磨加工を行うことができ、0.1mm以上にすると高い平坦度が得られる。
【0030】
前記ウエーハ保持盤本体の吸着孔本体の孔径は、吸着力等を考慮すると0.1mm〜0.3mm程度にするのが好ましい。特にウエーハの口径が大きいほど、吸着孔の広がりが大きくなる傾向がある。これは研磨布の当たりが特に問題と考えられるからである。従って、吸着孔は小さいほうが好ましいが、反対に吸着孔が小さすぎると、ウエーハ保持力が低下し、研磨中にウエーハが外れる虞れもある。他にも吸着孔が詰まりやすい等の問題もあり、吸着孔の孔径は、特に0.15mm以上0.25mm以下が好ましい。
【0031】
前記ウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体に熱硬化性樹脂膜を形成し、その後該樹脂膜に機械的に吸着孔部を形成することによって、吸着孔部を有する樹脂膜を作成するのが好適である。
【0032】
ウエーハ保持盤本体を被覆する樹脂膜の形成方法は特に限定するものではないが、例えばウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体に熱硬化性樹脂を塗布し、これを熱硬化させた皮膜で被覆し、かつ上述したような樹脂膜表面の研磨を行えば均一な樹脂膜が形成できる。その結果、樹脂膜の厚さムラ等がウエーハの表面へ転写するといった問題がなくなり、樹脂膜によって高精度に形成されたウエーハ保持面によって所望の高い平坦度とうねりのない高精度なウエーハ研磨加工が可能となる。また、樹脂膜の吸着孔部を機械的に形成することにより吸着孔部の大きさを揃えることができる。但し、ウエーハ保持盤本体を被覆する樹脂膜の形成方法はこれに限定するものではない。
【0033】
また、本発明のウエーハの研磨方法は、上記したような方法で作製したウエーハ保持盤と研磨布を備えた研磨装置を用い該ウエーハ保持盤のウエーハ保持面にウエーハの裏面を真空吸着保持せしめ、次いで該ウエーハを該研磨布に接触させて該ウエーハの表面を研磨することを特徴とする。
【0034】
本発明のウエーハ研磨方法によれば、吸着孔付近の形状の悪化が無いウエーハ保持盤を用い研磨することができ、高平坦度でうねりのないウエーハの研磨加工が可能となり、特にウエーハ研磨後のナノトポグラフィーレベルの凹凸の発生を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0036】
図1は本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の態様の工程順を模式的に示す説明図であり、図2は同上の工程順を示すフローチャートである。最初に、吸着孔を有するウエーハ保持盤基体30Aを作成する(図2のステップ100)。具体的には、まず、吸着孔本体32aを有するウエーハ保持盤本体30aを準備する〔図1(a)、図2のサブステップ100a〕。
【0037】
ウエーハ保持盤本体30aの材質は特に限定するものではないが、高剛性で研磨加工液等にも腐食されにくい耐食性の高い材料が好ましい。また、ウエーハ保持盤本体30aが低熱膨張係数をもつ材料で形成されていれば、研磨装置定盤上で後述するウエーハ保持盤基体30Aのウエーハ保持面34bを研磨加工する場合〔図1(e)〕とウエーハを研磨加工する場合のウエーハ保持盤本体30aの熱変形量の差を小さくできるので、後述する高精度なウエーハ保持盤30のウエーハ保持面34b〔図1(g)〕の形状を維持することができ、高平坦度のウエーハ研磨加工が可能となる。このようにウエーハ保持盤本体30aの材料の線熱膨張係数は1×10-5/℃以下であることが望ましく、さらにウエーハ保持盤本体30aの材質としては、例えば、炭化けい素(SiC)の焼結体(セラミックス)であることが好ましい。以下、ウエーハ保持盤本体30aの材質として炭化けい素を用いた例を説明する。
【0038】
上記ウエーハ保持盤本体30aには真空吸着するための吸着孔本体32aが設けられているが、この吸着孔本体32aの孔径は0.1〜0.3mm程度が好ましい。
【0039】
次に、上記したウエーハ保持盤本体30aのウエーハ保持面本体34aに樹脂膜30bを被覆する〔図1(b)、図2のサブステップ100b〕。本発明で使用する樹脂膜30bは特に限定するものではないが、例えば、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂からなる群から選択される1種を用いることができる。上記した樹脂の中でもエポキシ樹脂が、本発明のウエーハ保持盤の作製方法で要求される熱硬化後の皮膜物性である硬度、機械的強度、線膨張係数等の要求を充分に満足することができる。以下、樹脂膜30bとしてエポキシ樹脂を用いた例を説明する。
【0040】
また、このような樹脂膜30bをウエーハ保持盤本体30aに被覆する方法は、種々の方法が考えられるが、以下の例では、ウエーハ保持盤本体30aの表面に樹脂を塗布する場合を説明する。
【0041】
先ず、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を攪拌混合槽に仕込み、真空下充分脱泡して空気を除去する。樹脂塗布用治具の上にウエーハ保持盤本体30aをウエーハ保持面本体34aを上にして載置し、塗布量調整板をセットした後、ウエーハ保持面本体34aの上に熱硬化性樹脂を流し込む。
【0042】
塗布量調整板の上にバーを滑らせて余分な樹脂を掻き取り、厚さの均一な樹脂膜30bを形成する。ウエーハ保持盤本体30aのウエーハ保持面本体34aを被覆する樹脂膜30bの厚さは0.1〜3mmであることが望ましい。このように、樹脂膜30bの厚さを3mm以下にするとウエーハ保持盤本体30aの剛性を低下させることがないので、より高精度なウエーハ研磨加工を行うことができ、0.1mm以上にすると高い平坦度が得られる。
【0043】
上記した樹脂を塗布したウエーハ保持盤本体30aを樹脂塗布用治具と共に電気加熱炉に設置し、樹脂膜30bの全体を熱硬化させる。
【0044】
次いで、該樹脂膜30bにおける上記ウエーハ保持盤本体30aの吸着孔本体32aに対応する部分を、ドリルを用い機械的に開穿し、吸着孔部32bを形成する〔図1(c)、図2のサブステップ100c〕。
【0045】
上記した手順により、ウエーハ保持面本体34aを樹脂膜30bで被覆し、ウエーハ保持面34bを形成したウエーハ保持盤基体30Aが作成される(図2のステップ100)。なお、上記樹脂膜30bの形成は、一例であり他の方法により形成しても良い。
【0046】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法では、このように形成されたウエーハ保持面34bを後述する研磨装置の研磨布に倣わせる時の処理(面出し加工)に特徴があるが、その処理の態様についてさらに説明する。
【0047】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の態様においては、図1(d)に示すように上記樹脂膜30bが形成されたウエーハ保持盤基体30Aの吸着孔32に充填材36を充填して、ウエーハ保持面34bの処理(面出し加工)を行う(図2のステップ102)点に特徴がある。
【0048】
つまり、上述したようにウエーハ保持盤基体30Aを作成した後、吸着孔32に充填材36を充填する〔図1(d)、図2のサブステップ102a〕。充填材36の材質は特に限定するものではないが、樹脂膜30bと同等の性質を持つ材料が好ましい。樹脂膜30bがエポキシ樹脂の場合、針状に成形したエポキシ樹脂や熱硬化させる前のエポキシ樹脂を吸着孔32に詰め、自然乾燥させる等して吸着孔32に充填材36を挿入し、吸着孔32を塞いだ状態でウエーハ保持面34bの面出し加工を行う〔図1(e)、図2のサブステップ102c〕。
【0049】
面出し加工は、ウエーハを研磨する研磨装置又はウエーハを研磨する装置と同等の装置を用い外段取りで加工を行い最終的にウエーハ保持面34bの研磨加工をすればよいが、はじめに樹脂膜30bで被覆したウエーハ保持盤本体30aをラッピングマシンにセットし、定盤を回転させながらノズルからラップ液を滴下して樹脂膜30bの表面を研削し面修正を行う工程を入れても良い(図2のサブステップ102b)。またその後洗浄工程を入れても良い。
【0050】
ラッピング条件としては、特に限定するものではないが、片面ラップ装置を用い、ラッピング装置のウエーハ保持盤部分に、上記樹脂膜を形成したウエーハ保持盤をセットし、その保持面をラッピングする。
【0051】
このようにラッピング修正を終わったウエーハ保持盤本体を、例えば、ウエーハを研磨する研磨装置にセットし、定盤を回転させながらノズルから研磨剤を滴下して樹脂膜の表面を研磨し面修正を行う。この時、ウエーハを研磨する装置と同等の装置を用い外段取りで加工しても良い。
【0052】
この時用いるウエーハ研磨装置は特に限定するものではないが、例えば、図9に示すような装置を用いることができる。図9は本発明のウエーハの研磨方法で用いるウエーハ研磨装置の一例を示す概略説明図である。
【0053】
図9において、研磨装置10は、回転する定盤(回転テーブル)12と研磨ヘッド14に装着したウエーハ保持盤30と研磨剤供給管16から成っている。
【0054】
定盤12の上面には研磨布12aが貼付してある。定盤12は回転軸18により所定の回転速度で回転される。該研磨布12a上に研磨剤供給管16から研磨剤16aが供給される。
【0055】
そして、ウエーハ保持盤30は、図11に示すようにウエーハ保持面34bに穿設された多数の吸着孔32を介して真空吸着等によりそのウエーハ保持面34bにウエーハWを保持し研磨することができるようになっている。
【0056】
なお、研磨ヘッド14は裏板20及び外カバー22を有しており、裏板20とウエーハ保持盤30とによって真空部24が形成されている。26は該真空部24を密封するように裏板20及び外カバー22の下端部に設けられた弾性シート(ゴムシート)である。該真空部24には吸引路28が挿通されている。裏板20と外カバー22とによって加圧部31が形成され、該加圧部31には加圧空気供給路33が挿通されている。
【0057】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法(特に面出し加工)では、図10に示すように、図9に示した研磨装置10でウエーハWを保持しない状態で予めウエーハ保持盤基体30Aのウエーハ保持面34bを加工する。なお、図10において図9と同一部材は同一符号で示されている。
【0058】
ウエーハ保持盤基体30Aを、回転軸14aをもつ研磨ヘッド14に装着し、研磨ヘッド14により回転させると同時に所定の荷重で研磨布12aにウエーハ保持盤基体30Aを押し付ける。研磨剤供給管16から所定の流量(ウエーハを研磨する時と同条件が好ましい)で研磨布12a上に研磨剤16aを供給し、この研磨剤16aがウエーハ保持盤30のウエーハ保持面34bと研磨布12aの間に供給されることによりウエーハ保持面34bを形成する樹脂膜30bが研磨される。
【0059】
このような研磨後、ウエーハ保持面34bを充分洗浄してウエーハ保持盤30を完成させ、吸着孔32から充填材36を取り除く〔図1(f)、図2のサブステップ102d〕。充填材36は、例えば、ウエーハ保持盤30の裏側からエアブローしたり、水ブローしたりすることにより除去できる。
【0060】
以上のように、ウエーハ保持盤30の樹脂膜30bの表面、即ちウエーハ保持面34bを、吸着孔32に充填材36を充填した状態で、先ずラッピング加工によって面修正し(図2のステップ102b)、次いで研磨装置の定盤上で研磨加工修正すること(図2のステップ102c)で、より高精度な保持盤本体の保持面形状を形成することができる〔図1(g)、図2のステップ104〕。この研磨用ウエーハ保持盤30を使用することによって平坦度の高いウエーハ研磨加工が可能となる。
【0061】
上記した本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の態様においては、ウエーハ保持面34bの面出し加工時の研磨圧力について特別の限定はなく、樹脂膜30bの研磨量等により若干の研磨条件を工夫する必要があるが、通常はウエーハを研磨する時の研磨圧力(研磨条件)と同等の研磨圧力(研磨条件)を適用すればよい。
【0062】
続いて、本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様について述べる。図3は本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様の工程順を模式的に示す説明図であり、図4は同上の工程順を示すフローチャートである。本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様は、上述した第1の態様とはウエーハ保持面34bの面出し加工の手法が異なる(図4のステップ102A)が、ウエーハ保持盤基体30Aの作成手順(図4のステップ100)は同一であるので、相違する手順についてのみ説明し、同一手順についての再度の説明は省略する。
【0063】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様の特徴は、ウエーハ保持面34bの面出し加工において、充填材36を吸着孔32に充填することなく、換言すれば吸着孔32を開口したままの状態でウエーハ保持面34bの面出し加工(研磨)を行い、その面出し研磨時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨圧力より低くする点にある〔図3(e1)、図4のサブステップ102c1〕。
【0064】
具体的に言えば、ウエーハを研磨する時の研磨圧力が、例えば、400g/cm2(40kPa)であれば、面出し加工時の研磨圧力は400g/cm2より低くし、また前者が200g/cm2(20kPa)であれば、後者は200g/cm2より低くすればよい。
【0065】
上記面出し加工(研磨)時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨圧力の90%〜10%で実施すると良く、300g/cm2以下にすることが好ましい。このような研磨圧力範囲で面出し研磨を行えば、研磨効率が良く、吸着孔32付近の形状の悪化が防止でき、ウエーハ保持面34bの面状態も良好となる。
【0066】
さらに、本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第3の態様について述べる。図5は本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第3の態様の工程順を示すフローチャートである。本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第3の態様は、前述した第1の態様とはウエーハ保持面34bの面出し加工における研磨圧力が限定されている点で異なる(図5のステップ102B)のみであり、その相違点についてのみ説明し、同一手順についての説明は省略する。
【0067】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第3の態様の特徴は、ウエーハ保持面34bの面出し加工において、第1の態様と同様に、充填材36を吸着孔32に充填して面出し加工(研磨)を行うが、その面出し研磨時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨圧力以下に限定した点にある(図5のサブステップ102c2)。
【0068】
具体的に言えば、ウエーハを研磨する時の研磨圧力が、例えば、400g/cm2(40kPa)であれば、面出し加工時の研磨圧力は400g/cm2以下とし、また前者が200g/cm2(20kPa)であれば、後者は200g/cm2以下とすればよい。
【0069】
次いで、本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4及び第5の態様について述べる。図6は本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4の態様の工程順を示すフローチャートである。本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4の態様は、前述した第2の態様とはウエーハ保持面34bの面出し加工における研磨圧力を複数段階に変化させる点で異なる(図6のステップ102C)のみであり、その相違点についてのみ説明する。
【0070】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4の態様の特徴は、ウエーハ保持面34bの面出し加工において、第2の態様と同様に、充填材36を吸着孔32に充填することなく、吸着孔32を開口したままでウエーハ保持面34bの面出し加工(研磨)を行うが、その面出し研磨時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨圧力以下とするとともに少なくとも2段階に変えて研磨加工を行う点にある(図6のサブステップ102c3)。
【0071】
図7は本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5の態様の工程順を示すフローチャートである。本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5の態様は、前述した第3の態様とはウエーハ保持面34bの面出し加工における研磨圧力を複数段階に変化させる点で異なる(図7のステップ102D)のみであり、その相違点についてのみ説明する。
【0072】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5の態様の特徴は、ウエーハ保持面34bの面出し加工において、第3の態様と同様に、充填材36を吸着孔32に充填して面出し加工(研磨)を行うが、その面出し研磨時の研磨圧力をウエーハの研磨加工時の研磨圧力以下とするとともに少なくとも2段階に変えて研磨加工を行う点にある(図7のサブステップ102c4)。
【0073】
上述した第4及び第5の態様に示すように、研磨圧力を2段階以上に変化させて処理することによって、ウエーハ保持面をさらに良好な面状態とすることができる。例えば、ウエーハを研磨する時の研磨圧力が400g/cm2(40kPa)であれば、面出し加工時の研磨圧力ははじめに400g/cm2とウエーハを研磨する時と同じ研磨圧力で吸着面全体の形状を作りこみ、次に、例えば200g/cm2程度(約半分)の研磨圧力に変え、吸着孔付近の形状の作りこみを行うように面出し研磨を行えば良い。このように、研磨圧力を2段階以上に変化させる場合、最終的に面出し研磨の研磨圧力をウエーハの研磨圧力より低くすることが必要である。
【0074】
上記した第1〜第5の態様において説明したように、ウエーハ保持面の樹脂膜を研磨処理することによって、研磨布に倣わせたウエーハ保持盤を作製することができる。
【0075】
引き続いて、本発明のウエーハの研磨方法について説明する。図8は本発明のウエーハの研磨方法の工程順を示すフローチャートである。まず、上述した本発明のウエーハの保持盤の作製方法によって作製したウエーハ保持盤を準備する(ステップ200)。次いで、そのウエーハ保持盤を研磨装置にセットし(ステップ202)、ウエーハを研磨する(ステップ204)。この研磨装置としては、前述したウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨する際に用いられる研磨装置または同等の装置が適用可能である。
【0076】
つまり、本発明のウエーハの研磨方法で用いる研磨装置は、前述した図9に示したような装置を用いる。ウエーハの研磨では、回転軸14aをもつ研磨ヘッド14に装着されたウエーハ保持盤30のウエーハ保持面34bにウエーハWを真空吸着等により保持する。このウエーハWは、研磨ヘッド14により回転させられると同時に所定の荷重で研磨布12aに押し付けられる。研磨剤16aの供給は研磨剤供給管16から所定の流量で研磨布12a上に供給し、この研磨剤16aがウエーハWと研磨布12aの間に供給されることによりウエーハWが研磨される。
【0077】
本発明のウエーハ保持盤の作製方法によって作製した本発明のウエーハ保持盤30には裏板20がセットされ、吸着孔32はウエーハ保持盤本体30aと裏板20の間にある真空部24を経て吸引路28から不図示の真空装置につながり、真空の発生によってウエーハ保持面34bにウエーハWを吸着保持するようになっている。
【0078】
研磨ヘッド14は、その外カバー22の内部に加圧部31を設け、弾性シート(ゴムシート)26を介してウエーハ保持盤30を気密に保持している。加圧部31は加圧空気供給路33を経て空気圧縮機(不図示)につながっている。そしてウエーハWをウエーハ保持面34b上の樹脂膜30bの表面に真空吸着保持しているウエーハ保持盤30に回転あるいは揺動を与えると同時にウエーハ保持盤30の背面を空気により加圧して、ウエーハ保持盤30に吸着保持されたウエーハWを研磨布12aに押し付けてウエーハWの研磨を行う。
【0079】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0080】
なお、以下の実施例及び比較例で用いる研磨装置は図9に示す形態のもので、特にウエーハ保持盤本体は、厚さ30mmの炭化けい素(SiC)盤(熱膨張係数4×10-6/℃)を用い、これに樹脂膜を被覆し、ウエーハ保持盤基体を作成した。樹脂膜は熱硬化性エポキシ樹脂を用い、上記実施の形態で説明した方法で作製した。作製した樹脂膜の厚さは1.5mmである。このウエーハ保持盤基体には、直径0.25mmの吸着孔が8mm間隔でワーク保持面の全体に形成されている。この条件はすべての実施例及び比較例で共通である。
【0081】
(実施例1及び比較例1)
(ウエーハ保持面の面出し加工)
上記したウエーハ保持盤基体を用い、そのウエーハ保持面の処理を行った。まず、ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填した。この充填処理は、熱硬化させる前のエポキシ樹脂を吸着孔に詰め、自然乾燥させることによって行った。
【0082】
面出し加工として、ラッピング加工及び研磨加工を行った。ラッピング処理は、片面ラッピング装置に上記ウエーハ保持盤基体をセットし、緑色炭化けい素系のラップ剤(株式会社フジミインコーポレーテッド社製GC#240)を用いウエーハ保持面(樹脂膜)を200μm除去した。この条件は以下のすべての実施例及び比較例で共通である。
【0083】
次にウエーハ保持面の研磨処理を行い、ウエーハ保持面(樹脂膜)を40μm研磨した。面出し加工の研磨条件は、研磨圧力を400g/cm2、研磨相対速度を50m/min、研磨布として不織布系研磨布(アスカーC硬度90)を、研磨剤としてコロイダルシリカ及びクリスタルシリカを含有するアルカリ溶液(pH11.0)を用いた。研磨終了後、充填材をエアブローにより吸着孔から除去し、ウエーハ保持盤を作製した(実施例1)。
。
【0084】
ウエーハ保持盤基体の吸着孔にエポキシ樹脂の充填材を充填しないこと以外は実施例1と同様にしてウエーハ保持盤を作製した(比較例1)。
【0085】
実施例1及び比較例1で作製したウエーハ保持盤について、吸着孔付近の形状を触針式の粗さ測定器(例えばPerphen社製Perthometer S6P)を用いて測定し、その結果を図12に示した。
【0086】
図12から明らかなように、比較例1では、吸着孔の周り約0.5から1mmの範囲でだれていることがわかる。これは吸着孔(直径0.25mm)の大きさが、ウエーハ保持部分で直径1.25〜2.25mm程度に広がっていることを意味する。これに対し、本発明の方法(実施例1)ではほとんど平らであり、吸着孔(直径0.25mm)をそのまま維持していることがわかる。
【0087】
(ウエーハの研磨)
実施例1及び比較例1によって作製したウエーハ保持盤を図9に示した構造の研磨装置のウエーハ保持盤としてそれぞれセットし使用した。ウエーハはシリコンウエーハ、直径 200mm、厚さ735μmのものを用いた。
【0088】
ウエーハの研磨は、研磨圧力を400g/cm2、研磨相対速度を100m/min、研磨加工代を9μm、研磨布として不織布系研磨布(アスカーC硬度90)を、研磨剤としてコロイダルシリカ含有アルカリ溶液(pH10.8)を用いて行った。
【0089】
研磨した後、ウエーハ表面のナノトポグラフィーについて評価した。ナノトポグラフィーは、ADE PhaseShift社製Nanomapper(2mm×2mm角のエリア)で測定し、その結果を図13に示す。
【0090】
図13において、横軸は2mm×2mmの各エリアで評価した時のウエーハ表面の凹凸の高低差(PV値)であり、縦軸はそのPV値以上のエリアの存在率(%)である。
【0091】
図13から明らかなように、実施例1のウエーハ保持盤で研磨したウエーハは比較例1のウエーハ保持盤を用い研磨したウエーハに比べナノトポグラフィーが改善されていることがわかる。実施例1のウエーハ保持盤で研磨した場合、ウエーハ面内のほとんどのエリアのPV値が20nm以下であり、好ましいウエーハであることが判明した。
【0092】
なお、表1に示したように、本発明の研磨条件ではナノトポグラフィーのPV値の最大値は実施例1のウエーハ保持盤で研磨した場合、約28nmであり、比較例1のウエーハ保持盤で研磨した場合の約51nmと比較して半減している。
【0093】
【表1】
【0094】
(比較例2)
面出し研磨の研磨圧力を200g/cm2、ウエーハの研磨圧力を200g/cm2とした以外は比較例1と同様にウエーハ保持盤を作製し、またウエーハの研磨も同様に行った。
【0095】
本比較例のウエーハ保持盤においては、比較例1のウエーハ保持盤よりは吸着孔の周りのだれは小さくなっていた。しかし、本比較例のウエーハ保持盤でウエーハを研磨したところ、表1に示したごとく、ナノトポグラフィーのPV値の最大値は42nmとあまり改善されていなかった。
【0096】
本比較例の結果から、面出し研磨の研磨圧力を低くするほど、ナノトポグラフィーは改善される傾向にあるが、面出し研磨の圧力を制御しただけでは不十分であることが判明した。
【0097】
(実施例2)
ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填しない状態で、面出し研磨の研磨圧力を200g/cm2とした以外は実施例1と同様にしてウエーハ保持盤を作製した。
【0098】
作製したウエーハ保持盤の吸着孔付近の形状を観察した結果、わずかにだれは見られるものの吸着孔の周りはほとんど平らであった。
【0099】
また、この作製したウエーハ保持盤を用い、ウエーハを研磨した。ウエーハの研磨条件は実施例1のウエーハ保持盤を用いウエーハを研磨したときと同様(ウエーハの研磨圧力=400g/cm2)とした。
【0100】
つまり、本実施例は、面出し研磨の研磨圧力をウエーハの研磨圧力(400g/cm2)の半分(200g/cm2)にした例である。
【0101】
このような条件でウエーハ保持盤を作製し、これを用いて研磨した場合、表1に示したごとく、ウエーハのナノトポグラフィーのPV値の最大値は29nmと、面出し研磨の研磨圧力を200g/cm2、ウエーハの研磨圧力を200g/cm2とした比較例2に比べ改善されていることが判明した。
【0102】
通常、面出し研磨の絶対的な研磨圧力を低下させれば、吸着孔付近の悪化が防止されると考えられるが、それだけでは不十分でナノトポグラフィーを改善するには面出し研磨時の研磨圧力と、ウエーハの研磨圧力の関係が重要であることがわかる。
【0103】
(比較例3)
面出し研磨の研磨圧力を400g/cm2、ウエーハの研磨圧力を200g/cm2とした以外は比較例1と同様にしてウエーハ保持盤を作製し、ウエーハの研磨も同様に行った。つまり、面出し研磨の研磨圧力(400g/cm2)をウエーハ研磨圧力(200g/cm2)の倍にして処理した。
【0104】
作製したウエーハ保持盤の吸着孔付近の形状を観察した結果、比較例1と同様に吸着孔の周りが約0.5から1mm程度の範囲でだれていた。
【0105】
この作製したウエーハ保持盤を用い、ウエーハを研磨した後、そのウエーハ表面のナノトポグラフィーについて評価した。本比較例のウエーハ保持盤を用いて研磨した場合、表1に示したごとく、ウエーハのナノトポグラフィーのPV値の最大値は39nmであった。
【0106】
この測定結果からウエーハの研磨圧力が低いのでナノトポグラフィーの悪化は若干は改善されるものの十分ではないことがわかった。
【0107】
(実施例3)
ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填しない状態で、面出し研磨の研磨圧力を2段階に変化させて面出し加工を実施した。つまり、ウエーハ保持盤基体の面出し研磨を、はじめにウエーハ研磨圧力と同等の研磨圧力(本実施例では400g/cm2)で実施し、次いで研磨圧力を200g/cm2に低下させて研磨し、ウエーハ保持盤を作製した。
【0108】
次に、この作製したウエーハ保持盤を用い、ウエーハの研磨処理を行った。ウエーハの研磨条件は、実施例1と同様(研磨圧力400g/cm2)とした。
【0109】
作製したウエーハ保持盤の吸着孔付近の形状を観察した結果、わずかにだれは見られるものの吸着孔の周りはほとんど平らであった。
【0110】
この作製したウエーハ保持盤を用いてウエーハを研磨した場合、表1に示したごとく、ウエーハのナノトポグラフィーのPV値の最大値は27nmと良好であった。
【0111】
この測定結果から、ウエーハ保持盤基体の面出し研磨を行う場合、面出し研磨の最終的な研磨圧力がウエーハのナノトポグラフィーに特に影響していることが考えられる。
【0112】
このように吸着孔に充填材を充填しなくても、面出し研磨時の研磨圧力と、ウエーハの研磨圧力の関係を考慮することである程度のナノトポグラフィーの改善は可能である。この場合、面出し研磨時の研磨圧力及びウエーハの研磨圧力のみで制御する場合、工程としては少ないため簡便に実施できるという利点がある。
【0113】
(実施例4)
吸着孔に充填材を充填した状態で、面出し研磨の研磨圧力をウエーハ研磨圧力より低くした例を示す。
【0114】
あらかじめウエーハ保持盤基体の吸着孔に実施例1と同様の充填材を充填して、更に実施例3と同様に面出し研磨時の研磨圧力をウエーハの研磨圧力より低く(本実施例では300g/cm2)し、ウエーハ保持盤の作製を行った。この場合も吸着孔の周りはほとんど平らであり、吸着孔(直径0.25mm)をそのまま維持しており同じ効果が得られた。
【0115】
作製したウエーハ保持盤を用い、実施例1と同様の条件でウエーハを研磨したところ、表1に示したごとく、ウエーハのナノトポグラフィーのPV値の最大値は約25nmと良好な面状態であった。
【0116】
面出し研磨時の研磨圧力及びウエーハの研磨圧力のみで制御する場合、工程としては少ないため簡便に実施できるという利点はあるものの、それぞれの研磨圧力をどの程度にすればよいか等の予備実験等が必要な場合もある。またウエーハ又はウエーハ保持盤の保持面を研磨する場合、研磨圧力が高ければ研磨能力も高いため好ましい場合もあり、このような高圧力条件、またはその他の研磨条件に影響されず確実にナノトポグラフィーを改善するには充填材の充填を併用することが好ましい。充填材の充填を行い面出し研磨を行えば、研磨条件等の影響も少なく簡便に良好なウエーハ保持盤のウエーハ保持面を形成できる。
【0117】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0118】
例えば、本実施例では製品を研磨する研磨圧力を400g/cm2の条件を中心に説明したが、研磨圧力やその他の研磨条件等は任意である。現状用いられている研磨装置及び研磨剤等の条件では、面出し加工の研磨圧力は100〜300g/cm2程度、ウエーハの研磨圧力は200〜500g/cm2程度が好ましい。また、面出し加工のラッピング工程は必ずしも入れる必要が無い。なお、本実施例の形態で充填材を充填する場合、ラッピング処理(例えば図2のサブステップ102b)の前に実施していたが、これはラッピング処理後、研磨前(例えば図2のサブステップ102cの前)に実施しても良い。
【0119】
さらに、上記のようなウエーハ保持盤の面出し加工は、ウエーハを研磨する前に行うのが通常であるが、ウエーハを研磨するにつれ、研磨布の経時変化が起こることもあるので、これに対応させ、面出し加工をやり直す等しても良い。この場合も本発明のウエーハ保持盤の作製方法を適用して行うと良い。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高精度のウエーハ保持面を有する研磨用ウエーハ保持盤が提供される。従って、このウエーハ保持盤を備えた研磨装置を用いてウエーハの研磨加工を行えば、優れた平坦度とうねりのない表面を持ったウエーハを作製することが出来る。特に、ウエーハが、本発明の研磨用ウエーハ保持盤を用いて研磨加工された半導体ウエーハの場合は、ナノトポグラフィーも改善され、高集積デバイス工程でのCMPにおける研磨不良を低減することが可能であり、高集積デバイスの歩留り向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の態様の工程順を模式的に示す説明図である。
【図2】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第1の態様の工程順を示すフローチャートである。
【図3】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様の工程順を模式的に示す説明図である。
【図4】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第2の態様の工程順を示すフローチャートである。
【図5】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第3の態様の工程順を示すフローチャートである。
【図6】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第4の態様の工程順を示すフローチャートである。
【図7】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法の第5の態様の工程順を示すフローチャートである。
【図8】 本発明のウエーハの研磨方法の工程順を示すフローチャートである。
【図9】 本発明のウエーハの研磨方法で用いるウエーハ研磨装置の一例を示す概略説明図である。
【図10】 図9に示したウエーハ研磨装置でウエーハを保持しない状態を示す概略説明図である。
【図11】 本発明のウエーハ保持盤の作製方法によって作製したウエーハ保持盤のウエーハ保持面の1例を示す平面図である。
【図12】 実施例1及び比較例1において作製したウエーハ保持盤の吸着孔付近の形状変化を示すグラフである。
【図13】 実施例1及び比較例1において研磨したウエーハのナノトポグラフィーを示すグラフである。
【符号の説明】
10:研磨装置、12:定盤、12a:研磨布、14:研磨ヘッド、14a:回転軸、16:研磨剤供給管、16a:研磨剤、18:回転軸、20:裏板、22:外カバー、24:真空部、28:吸引路、30:ウエーハ保持盤、30A:ウエーハ保持盤基体、30a:ウエーハ保持盤本体、30b:樹脂膜、31:加圧部、32:吸着孔、32a:吸着孔本体、32b:吸着孔部、33:加圧空気供給路、34a:ウエーハ保持面本体、34b:ウエーハ保持面、36:充填材、W:ウエーハ。
Claims (13)
- ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填した状態で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなることを特徴とするウエーハ保持盤の作製方法。
- ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、ウエーハを研磨する時の研磨圧力より低い圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなることを特徴とするウエーハ保持盤の作製方法。
- 前記ウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨加工するにあたり、研磨圧力を300g/cm2(30kPa)以下とすることを特徴とする請求項2記載のウエーハ保持盤の作製方法。
- ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填した状態とするとともにウエーハを研磨する時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなることを特徴とするウエーハ保持盤の作製方法。
- ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、ウエーハを研磨する時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなり、該ウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨加工するにあたり、研磨圧力を少なくとも2段階に変えて研磨加工することを特徴とするウエーハ保持盤の作製方法。
- ウエーハを研磨するに際し当該ウエーハをウエーハ保持面に真空吸着保持することができるようにしたウエーハ保持盤の作製方法であって、多数の吸着孔本体を有するウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体を樹脂膜で被覆して該樹脂膜表面をウエーハ保持面とするとともに該吸着孔本体に連通する吸着孔部を該樹脂膜に開穿して多数の吸着孔を有するウエーハ保持盤基体を作成する工程と、該ウエーハ保持盤基体の吸着孔に充填材を充填した状態とするとともにウエーハを研磨する時の研磨圧力以下の圧力で該樹脂膜の研磨加工を行って該ウエーハ保持面の面出し加工を行い、該ウエーハ保持面の調整を行う工程と、からなり、該ウエーハ保持盤の樹脂膜を研磨加工するにあたり、研磨圧力を少なくとも2段階に変えて研磨加工することを特徴とするウエーハ保持盤の作製方法。
- ウエーハを研磨する研磨装置を用いて前記樹脂膜の研磨加工を行うことによって前記ウエーハ保持面の面出し加工を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方法。
- 遊離砥粒を用いたラッピング加工を行い、次いで前記樹脂膜の研磨加工を行うことによって前記ウエーハ保持面の面出し加工を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方法。
- 前記樹脂膜を構成する樹脂が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、及びフェノール樹脂からなる群から選択される1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方法。
- 前記樹脂膜の厚さが0.1〜3mmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方法。
- 前記吸着孔本体の孔径が、0.1〜0.3mmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方法。
- 前記ウエーハ保持盤本体のウエーハ保持面本体に熱硬化性樹脂膜を形成し、その後該樹脂膜に機械的に吸着孔部を形成することによって、前記吸着孔部を有する樹脂膜を作成することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のウエーハ保持盤の作製方法。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載したウエーハ保持盤の作製方法によって作製されたウエーハ保持盤と研磨布とを備えた研磨装置を用い、該ウエーハ保持盤のウエーハ保持面にウエーハの裏面を真空吸着保持せしめ、次いで該ウエーハを該研磨布に接触させて該ウエーハの表面を研磨することを特徴とするウエーハの研磨方法。
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