JP3961251B2 - 磁気検出素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CPP(current perpendicular to the plane)型の磁気検出素子に係り、特に、磁気検出素子を構成する薄膜層間の短絡を防止することができ、品質を向上させることのできる磁気検出素子製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16及び図17は従来の磁気検出素子の製造方法を示す図、図18は従来の磁気検出素子を記録媒体からの対向面側からみた断面図である。
【0003】
まず、基板(図示せず)上に、NiFeなどからなる下部シールド層1、Cuなどからなる下部電極層2を形成する。さらに、下部電極層2の上に、第1フリー磁性層3a、非磁性中間層3b、第2フリー磁性層3cからなるフリー磁性層3、非磁性材料層4、第2固定磁性層5a、非磁性中間層5b、第1固定磁性層5cからなる固定磁性層5、及び反強磁性層6を順次積層する。
【0004】
第1フリー磁性層3a、第2フリー磁性層3c、第2固定磁性層5a、第1固定磁性層5cは、NiFeなどで形成される。また、非磁性材料層4はCuなどで形成され、非磁性中間層3b及び5bはRuなどで形成される。
【0005】
フリー磁性層3から反強磁性層6までが多層膜Tとなる。さらに、多層膜T上に、リフトオフ用のレジスト層Rを形成した状態が図16に示されている。
【0006】
次に、レジスト層Rに覆われていない多層膜Tをイオンミリングによって除去した状態を図17に示す。
【0007】
さらに、前記イオンミリングにおいて削り残された多層膜Tの両側であって下部電極層2上に、絶縁層7,7を介して、CoPtなどの硬磁性材料からなるハードバイアス層8,8を積層し、ハードバイアス層8,8の上層に絶縁層9,9を積層した後、レジスト層Rを除去する。
【0008】
レジスト層Rを除去した後、Cuなどによって上部電極層10及びNiFeなどからなる上部シールド層11が積層されると、図18に示される磁気検出素子が形成される。この磁気検出素子は、反強磁性層6がフリー磁性層3の上層に位置するいわゆるトップスピン型のスピンバルブ型磁気検出素子である。
【0009】
図18に示される磁気検出素子は、いわゆるCPP(current perpendicular to the plane)型の磁気検出素子であり、センス電流が多層膜Tの各膜面に対し垂直方向に流されるものである。
【0010】
検出対象の磁界(外部磁界)が磁気検出素子に印加される前の状態において、固定磁性層5の磁化方向とフリー磁性層3の磁化方向は、所定の角度をなしている。この状態の磁気検出素子に外部磁界が印加されると、フリー磁性層3の磁化方向が回転し、固定磁性層5の磁化方向とフリー磁性層3の磁化方向の相対角度が変化して、磁気検出素子の直流抵抗値及び出力電圧が変化する。
【0011】
CPP型の磁気検出素子は、多層膜Tの各膜面に対しほぼ水平方向にセンス電流が流されるCIP(current in the plane)型の磁気検出素子と比べて、発熱量(P)を一定として、前記多層膜Tの各膜面の面積を小さくしたときの、抵抗変化量ΔR及び出力ΔVを大きくすることができる。
【0012】
すなわち、素子サイズを小さくしていくと、CIP型よりもCPP型にする方が出力を大きくでき、CPP型は、今後の高記録密度化に伴う素子サイズの狭小化に適切に対応できる構造であると期待されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図16及び図17に示された製造方法によって形成された図18に示される従来のCPP型の磁気検出素子では、次のような問題が生じていた。
【0014】
多層膜Tのレジスト層Rによって覆われていない領域をイオンミリングによって削るときに多層膜Tの各層の材料が、削り残される多層膜Tのトラック幅方向の側端面に付着し、図17及び図18に示されるような再付着物層L,Lとなる。
【0015】
多層膜Tを構成するフリー磁性層3、非磁性材料層4、固定磁性層5、反強磁性層6は導電性材料からなるものであるので、多層膜Tのトラック幅方向の側端面に再付着物層L,Lが付着すると、図18に示される磁気検出素子において、上部電極層10から下部電極層2に直流電流を流したときに、多層膜Tの各層が電気的に短絡してしまう。
【0016】
特に、センス電流が多層膜Tの各膜面に対し垂直方向に流されるCPP型磁気検出素子の場合には、フリー磁性層3と固定磁性層5が短絡すると、外部磁界が印加されてフリー磁性層3の磁化方向が変化しても、抵抗変化が生じなくなり、磁気検出素子として機能しなくなってしまう。
【0017】
また、絶縁層7,7、ハードバイアス層8,8、絶縁層9,9を多層膜Tの両側領域に積層する前に、多層膜Tの上面に対する法線方向からの入射角度が大きいイオンミリングを行って再付着物層L,Lを削って除去すると、多層膜Tの側端面付近が損傷し、磁気検出素子の磁界検出能が低下する。
【0018】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、磁気検出素子の多層膜を構成する各層間の電気的絶縁をとることができ、品質を向上させることのできる磁気検出素子製造方法を提供することを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】
発明の磁気検出素子の製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(a)基板上に下部電極層を形成し、前記下部電極層上に絶縁材料層を積層する工程と、
(b)前記絶縁材料層を上下方向に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔内に前記下部電極層の表面を露出させる工程と、
(c)前記貫通孔内であって、前記下部電極層上に、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層を有する多層膜を形成する工程と、
(d)前記多層膜上にレジスト層を形成し、前記レジスト層に覆われていない前記多層膜を除去し、さらに、前記絶縁材料層の前記レジスト層に覆われていない部分の上面が前記フリー磁性層の上面より下方に位置するように、前記絶縁材料層を削る工程と、
(e)硬磁性材料からなり、前記多層膜の少なくとも前記フリー磁性層のトラック幅方向における側端面に対向して前記フリー磁性層にトラック幅方向の磁界を印加する、一対の縦バイアス層を設ける工程と、
)前記レジスト層を除去する工程と、
)前記多層膜の上面と電気的に接続される上部電極層を形成する工程。
【0047】
本発明では、前記(c)の工程において、前記多層膜が絶縁材料層に設けられた貫通孔内部に形成されるので、前記多層膜が前記絶縁材料層によって保護される。
【0048】
従って、前記(d)の工程において、前記レジスト層に覆われていない前記多層膜をイオンミリングなどで除去するときに、前記貫通孔内部に位置し磁界検出能を有する前記多層膜の中央部が損傷することを防ぐことができる。
【0049】
前記(b)の工程において、前記貫通孔の側面を、前記絶縁材料層の上面に対する垂直面にすると、前記磁気抵抗効果素子のトラック幅寸法を正確に規定することができるので好ましい。ただし、前記貫通孔の側面を、前記絶縁材料層の上面に対する傾斜面にしてもかまわない。
【0050】
なお、前記(b)の工程において、前記貫通孔を反応性イオンミリングを用いて形成すると、前記貫通孔の側面を前記絶縁材料層の上面に対する垂直面にすることが容易になるので好ましい。
【0051】
従って、前記(a)の工程において、前記絶縁材料層を、反応性イオンミリングによって削られる材料によって形成することが好ましい。反応性イオンミリングによって削られる材料とは、例えば、SiO2、Ta25である。
【0053】
また、前記(d)の工程と前記()の工程の間に、
(h)前記(d)の工程で除去されずに残された前記絶縁材料層の外側面を削る工程を有してもよい。
【0054】
なお、前記(c)の工程において、前記多層膜の側端部が、前記絶縁材料層の上面に積層されるように、前記多層膜が前記貫通孔内部から前記絶縁材料層の上面にかけて形成されてもよい。この場合、前記絶縁材料層の上面に積層された前記多層膜の側端部は、前記多層膜の前記貫通孔内部に位置する中心部よりも磁気抵抗効果が低下していることが好ましい。
【0055】
前記多層膜の側端部が、前記絶縁材料層の上面に積層される場合、前記多層膜は、前記貫通孔内部から前記絶縁材料層の上面にかけて形成され、前記貫通孔の上部開口部の縁部上で屈曲する。前記多層膜の磁気抵抗変化率は屈曲した部分(屈曲部)で低下する。
【0056】
従って、前記多層膜の前記貫通孔内部に位置する中心部に電流を流すと、主に前記貫通孔内部の磁気抵抗変化のみが検出され、前記多層膜の側端部の磁気抵抗効果は、前記中心部よりも低下する。
【0057】
また、前記(d)の工程と前記(e)の工程の間に、
(i)前記(d)の工程で除去されずに、前記絶縁材料層の上面に残された多層膜のトラック幅方向の側端面をミリングによって削る工程を有することにより、前記多層膜の側端部を削ることが好ましい。
【0058】
また、前記(i)の工程で、前記多層膜の側端部にミリング粒子を打ち込むことにより、故意に磁気抵抗効果を低下させることもできる。
【0059】
また、前記(h)または前記(i)の工程において、前記貫通孔のトラック幅方向中央位置から前記多層膜の両側の側端面までの距離、及び/または前記貫通孔のトラック幅方向中央位置から前記絶縁材料層の両側の外側面までの距離が等しくなるように、多層膜の側端面及び/または前記絶縁材料層の外側面を削ることにより、前記多層膜を左右対称構造にできる。
【0060】
特に、前記(h)の工程において、前記貫通孔のトラック幅方向中央位置から前記絶縁材料層の両側の外側面までの距離を等しくすることにより、前記(g)の工程で形成される一対の縦バイアス層からのバイアス磁界を、前記フリー磁性層にトラック幅方向の左右両側端面で等しくできる。
【0061】
なお、前記(d)の工程において、前記貫通孔のトラック幅方向中央位置と、前記レジスト層のトラック幅方向中央位置が重なるように前記レジスト層を前記多層膜上に形成すると、前記貫通孔のトラック幅方向中央位置から前記多層膜の両側の側端面までの距離、及び/または前記貫通孔のトラック幅方向中央位置から前記絶縁材料層の両側の外側面までの距離が、前記(d)の工程終了時に等しくなるのでより好ましい。
【0062】
本発明では、前記(c)の工程において、前記多層膜を前記固定磁性層に接する反強磁性層を有するものとして形成し、下から、反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層の順序で積層してもよいし、前記多層膜を前記多層膜を前記固定磁性層に接する反強磁性層を有するものとして形成し、下から、フリー磁性層、非磁性材料層、固定磁性層及び反強磁性層の順序で積層してもよい。
【0063】
本発明では、前記(a)の工程において、前記下部電極層の下層に下部シールド層を形成し、前記()の工程の後で、前記上部電極層の上層に上部シールド層を形成することができる。
【0064】
あるいは、前記(a)の工程において前記下部電極層を、前記()の工程において前記上部電極層を、それぞれ磁性材料によって形成することにより、前記下部電極層及び前記上部電極層が、それぞれ、下部シールド層及び上部シールド層の機能を有するようにしてもよい。
なお、前記絶縁材料層は鏡面反射効果を有することが好ましい。
ここでスペキュラー膜(鏡面反射膜)を用いることによる鏡面反射効果について図6を参照しながら説明する。図6は本発明における磁気検出素子の構造の一部を模式図的に示したものである。
アップスピン電子(図では上向き矢印で示している)は、固定磁性層の磁化とフリー磁性層の磁化が平行となる状態では、固定磁性層、非磁性材料層を通りぬけて、前記フリー磁性層の内部を移動できる。
ここでトラック幅Twの狭小化が進み特に素子面積が60nm角以下になると、前記アップスピン電子の一部は、前記フリー磁性層の内部を通過する前に、多層膜の側端面に衝突しやすくなるが、前記多層膜の側端面にスペキュラー膜を設けると、前記多層膜の側端面に到達した前記アップスピン電子は、そこでスピン状態(エネルギー、量子状態など)を保持したまま鏡面反射する。そして鏡面反射したアップスピン電子の伝導電子は、移動向きを変えて前記フリー磁性層内を通り抜けることが可能になる。
このため、素子面積の狭小化においても前記アップスピン電子を持つ伝導電子の平均自由行程λ + を従来に比べて伸ばすことが可能になり、よって前記アップスピン電子を持つ伝導電子の平均自由行程λ + と、ダウンスピン電子を持つ伝導電子の平均自由行程λ - との差を大きくすることができ、従って再生出力の向上とともに、抵抗変化率(ΔR/R)の向上を図ることが可能になる。
なお、スペキュラー膜の形成により伝導電子が鏡面反射する理由は、フリー磁性層、非磁性材料層、固定磁性層の側壁とスペキュラー膜との界面付近にポテンシャル障壁が形成されるためであると考えられる。
特に、磁気検出素子のトラック幅寸法が小さくなると、前記アップスピン電子を持つ伝導電子が多層膜の側端面に到達する回数が増え、スペキュラー膜の持つ鏡面反射効果を有効に機能させることができ、抵抗変化率の向上を図ることができる。
【0065】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における第1の実施形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0066】
図1に示す磁気検出素子は、記録媒体に記録された記録信号を再生するためのMRヘッドである。記録媒体との対向面は、例えば磁気検出素子を構成する薄膜の膜面に垂直で且つ磁気検出素子のフリー磁性層の外部磁界(記録信号磁界)が印加されていないときの磁化方向と平行な平面である。図1では、記録媒体との対向面はX−Z平面に平行な平面である。
【0067】
なお、磁気検出素子が浮上式の磁気ヘッドに用いられる場合、記録媒体との対向面とは、いわゆるABS面のことである。
【0068】
また磁気検出素子は、例えばアルミナ−チタンカーバイト(Al23−TiC)で形成されたスライダのトレーリング端面上に形成される。スライダは、記録媒体との対向面と逆面側で、ステンレス材などによる弾性変形可能な支持部材と接合され、磁気ヘッド装置が構成される。
【0069】
なお、トラック幅方向とは、外部磁界によって磁化方向が変動する領域の幅方向のことであり、例えば、フリー磁性層の外部磁界が印加されていないときの磁化方向、すなわち図示X方向である。トラック幅方向のフリー磁性層の幅寸法が磁気検出素子のトラック幅Twを規定する。
【0070】
なお、記録媒体は磁気検出素子の記録媒体との対向面に対向しており、図示Z方向に移動する。この記録媒体からの洩れ磁界方向は図示Y方向である。
【0071】
図1に示される磁気検出素子は、下地層22、シード層23、反強磁性層24、第1固定磁性層25a、非磁性中間層25b、第2固定磁性層25cからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層25、非磁性材料層26、第2フリー磁性層27a、非磁性中間層27b、第1フリー磁性層27cからなるシンセティックフェリフリー型のフリー磁性層27、保護層28からなる多層膜T1がボトムスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子となっている。
【0072】
多層膜T1の下層には、基板(図示せず)上に、アルミナなどの絶縁性材料からなる下地層(図示せず)を介して、下部シールド層20、下部電極層21が成膜されており、多層膜T1の上層には、上部電極層33、上部シールド層34が形成されている。
【0073】
下部電極層21は多層膜T1の下面と電気的に接続されており、上部電極層33は多層膜T1の上面と電気的に接続されている。
【0074】
下部電極層21上に絶縁材料層29が積層されており、多層膜T1は絶縁材料層29を上下方向(Z方向)に貫通する貫通孔H内部から絶縁材料層29の上面29a1上にかけて形成されている。貫通孔Hの側面Ha(絶縁材料層29の貫通孔H対向面)は、絶縁材料層29の上面29a1に対する垂直面となっている。
【0075】
なお、絶縁材料層29は、反応性イオンミリングによって削られる材料、具体的には、SiO2、Ta25によって形成されている。絶縁材料層29を、反応性イオンミリングによって削って、貫通孔Hを形成すると貫通孔Hの側面Haを絶縁材料層29の上面29a1に対する垂直面にすることが容易になり、多層膜T1のトラック幅寸法Twを正確に規定することができるので好ましい。絶縁材料層29の膜厚は例えば500Åである。
【0076】
なお、多層膜T1のトラック幅寸法Twとは、貫通孔H内部に位置し、磁界検出能を有する多層膜T1の中央部Cのトラック幅方向の幅寸法である。
【0077】
絶縁材料層29の多層膜T1が積層されていない部分の上面29a2上には、バイアス下地層30,30を介して、ハードバイアス層31,31が積層されている。ハードバイアス層31,31上には絶縁層32,32が積層されている。この絶縁層32,32によって、上部電極層33と、多層膜T1の側端面T1s,T1s、ハードバイアス層31,31が絶縁されている。
【0078】
なお、本実施の形態では、ハードバイアス層31の側端面31aと貫通孔Hの側面Haの間の絶縁材料層29の厚さt1は、フリー磁性層27にハードバイアス層31,31から十分なバイアス磁界がかかるような厚さ、例えば10nmである。
【0079】
また、厚さt1を適宜調節することにより、フリー磁性層27がハードバイアス層31,31から受け取る縦バイアス磁界の大きさを調節することができる。
【0080】
図1に示された磁気検出素子は、いわゆるスピンバルブ型磁気検出素子であり、固定磁性層25の磁化方向が、適正に図示Y方向に平行な方向に固定され、しかもフリー磁性層27の磁化が適正に図示X方向に揃えられており、固定磁性層25とフリー磁性層27の磁化が交叉している。記録媒体からの洩れ磁界が磁気検出素子の図示Y方向に侵入し、フリー磁性層27の磁化が感度良く変動し、この磁化方向の変動と、固定磁性層25の固定磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化により、記録媒体からの洩れ磁界(記録信号磁界)が検出される。
【0081】
ただし、電気抵抗値の変化(出力)に直接寄与するのは第2固定磁性層25cの磁化方向と第2フリー磁性層27aの磁化方向の相対角であり、これらの相対角が検出電流が通電されている状態かつ記録信号磁界が印加されていない状態で直交していることが好ましい。
【0082】
この実施形態では、例えば上部電極層33から下部電極層21に向けてセンス電流が流れるため、前記センス電流は、多層膜内の各層を膜面と垂直方向に流れる。前記センス電流が、多層膜内の各層を膜面と垂直方向に流れる磁気検出素子をCPP型の磁気検出素子という。
【0083】
なお本発明では、トラック幅は約10nm以上で300nm以下であることが好ましい。より好ましくは約10nm以上で100nm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、約10nm以上で60nm以下である。トラック幅が、上記数値範囲程度に狭小化されると、さらなる再生出力の向上を図ることができる。
【0084】
下部シールド層20、下部電極層21、下地層22、シード層23、反強磁性層24、固定磁性層25、非磁性材料層26、フリー磁性層27、保護層28、バイアス下地層30,30、ハードバイアス層31,31、絶縁層32,32、上部電極層33、上部シールド層34はスパッタ法や蒸着法などの薄膜形成プロセスによって形成される。
【0085】
下部シールド層20及び上部シールド層34はNiFeなどの磁性材料を用いて形成される。なお、下部シールド層20及び上部シールド層34は磁化容易軸がトラック幅方向(図示X方向)を向いていることが好ましい。下部シールド層20及び上部シールド層34は、電解メッキ法によって形成されてもよい。
【0086】
反強磁性層24は、PtMn合金、または、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1または2種以上の元素である)合金で形成する。
【0087】
これらの合金は、成膜直後の状態では、不規則系の面心立方構造(fcc)であるが、熱処理によってCuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に構造変態する。
【0088】
反強磁性層24の膜厚は、トラック幅方向の中心付近において80〜300Å、例えば200Åである。
【0089】
ここで、反強磁性層24を形成するための、前記PtMn合金及び前記X−Mnの式で示される合金において、PtあるいはXが37〜63at%の範囲であることが好ましい。また、前記PtMn合金及び前記X−Mnの式で示される合金において、PtあるいはXが47〜57at%の範囲であることがより好ましい。特に規定しない限り、〜で示す数値範囲の上限と下限は以下、以上を意味する。
【0090】
また、Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’+Ptが37〜63at%の範囲であることが好ましい。また、前記Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’+Ptが47〜57at%の範囲であることがより好ましい。さらに、前記Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’が0.2〜10at%の範囲であることが好ましい。ただし、X’がPd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である場合には、X’は0.2〜40at%の範囲であることが好ましい。
【0091】
これらの合金を使用し、これを熱処理することにより、大きな交換結合磁界を発生する反強磁性層24を得ることができる。特に、PtMn合金であれば、48kA/m以上、例えば64kA/mを越える交換結合磁界を有し、前記交換結合磁界を失うブロッキング温度が380℃と極めて高い優れた反強磁性層24を得ることができる。
【0092】
第1固定磁性層25a及び第2固定磁性層25cは、強磁性材料により形成されるもので、例えばNiFe合金、Co、CoFeNi合金、CoFe合金、CoNi合金などにより形成されるものであり、特にCoFe合金またはCoにより形成されることが好ましい。また、第1固定磁性層25a及び第2固定磁性層25cは同一の材料で形成されることが好ましい。
【0093】
また、非磁性中間層25bは、非磁性材料により形成されるもので、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種またはこれらの2種以上の合金で形成されている。特にRuによって形成されることが好ましい。
【0094】
第1固定磁性層25a及び第2固定磁性層25cは、それぞれ10〜70Å程度で形成される。また非磁性中間層の膜厚は3Å〜10Å程度で形成で形成される。
【0095】
なお固定磁性層25は上記したいずれかの磁性材料を使用した1層構造あるいは上記したいずれかの磁性材料からなる層とCo層などの拡散防止層の2層構造で形成されていても良い。
【0096】
また、図1では、磁気的膜厚(Ms×t;飽和磁化と膜厚の積)が異なる第1固定磁性層25aと第2固定磁性層25cが、非磁性中間層25bを介して積層されたものが、一つの固定磁性層25として機能する。
【0097】
第1固定磁性層25aは反強磁性層24と接して形成され、磁場中アニールが施されることにより、第1固定磁性層25aと反強磁性層24との界面にて交換結合による交換異方性磁界が生じ、第1固定磁性層25aの磁化方向が図示Y方向に固定される。第1固定磁性層25aの磁化方向が図示Y方向に固定されると、非磁性中間層25bを介して対向する第2固定磁性層25cの磁化方向が、第1固定磁性層25aの磁化方向と反平行の状態で固定される。
【0098】
このように、第1固定磁性層25aと第2固定磁性層25cの磁化方向が、反平行となるフェリ磁性状態になっていると、第1固定磁性層25aと第2固定磁性層25cとが互いに他方の磁化方向を固定しあうので、全体として固定磁性層25の磁化方向を一定方向に強力に固定することができる。
【0099】
なお、第1固定磁性層25aの磁気的膜厚(Ms×t)と第2固定磁性層25cの磁気的膜厚(Ms×t)を足し合わせた合成の磁気的膜厚(Ms×t)の方向が固定磁性層25の磁化方向となる。
【0100】
図1では、第1固定磁性層25a及び第2固定磁性層25cを同じ材料を用いて形成し、さらに、それぞれの膜厚を異ならせることにより、それぞれの磁気的膜厚(Ms×t)を異ならせている。
【0101】
また、第1固定磁性層25a及び第2固定磁性層25cの固定磁化による反磁界(双極子磁界)を、第1固定磁性層25a及び第2固定磁性層25cの静磁界結合同士が相互に打ち消し合うことによりキャンセルできる。これにより、固定磁性層25の固定磁化による反磁界(双極子磁界)からの、フリー磁性層27の変動磁化への寄与を減少させることができる。
【0102】
従って、フリー磁性層27の変動磁化の方向を所望の方向に補正することがより容易になり、アシンメトリーの小さい対称性の優れたスピンバルブ型薄膜磁気素子を得ることが可能になる。
【0103】
ここで、アシンメトリーとは、再生出力波形の非対称性の度合いを示すものであり、再生出力波形が与えられた場合、波形が対称であればアシンメトリーが小さくなる。従って、アシンメトリーが0に近づく程再生出力波形が対称性に優れていることになる。
【0104】
前記アシンメトリーは、フリー磁性層27の磁化の方向と固定磁性層25の固定磁化の方向とが直交しているときに0となる。アシンメトリーが大きくずれるとメディアからの情報の読み取りが正確にできなくなり、エラーの原因となる。このため、前記アシンメトリーが小さいものほど、再生信号処理の信頼性が向上することになり、スピンバルブ薄膜磁気素子として優れたものとなる。
【0105】
また、固定磁性層25の固定磁化による反磁界(双極子磁界)Hdは、フリー磁性層27の素子高さ方向において、その端部で大きく中央部で小さいという不均一な分布を持ち、フリー磁性層27内における単磁区化が妨げられる場合があるが、固定磁性層25を上記の積層構造とすることにより双極子磁界Hdを小さくすることができ、これによってフリー磁性層27内に磁壁ができて磁化の不均一が発生しバルクハウゼンノイズなどが発生することを防止することができる。
【0106】
非磁性材料層26は、固定磁性層25とフリー磁性層27との磁気的な結合を防止する層であり、Cu,Cr,Au,Agなど導電性を有する非磁性材料により形成されることが好ましい。特にCuによって形成されることが好ましい。非磁性材料層26は例えば18〜30Å程度の膜厚で形成される。
【0107】
また非磁性材料層26は、Al23やSiO2などの絶縁材料で形成されていてもよいが、本発明のようにCPP型の磁気検出素子の場合には、非磁性材料層26内部にも、膜面と垂直方向にセンス電流が流れるようにしなければならないので、非磁性材料層26が絶縁物であるときは、非磁性材料層26の膜厚を50Åに薄くして形成して絶縁耐圧を低下させる必要がある。また非磁性材料層26をAl23やTaO2などの鏡面反射効果を有する材質で形成したときは、非磁性材料層26をスペキュラー膜や実効的な素子面積を低減させる電流制限層として機能させることもできる。
【0108】
第1フリー磁性層27c及び第2フリー磁性層27aは、強磁性材料により形成されるもので、例えばNiFe合金、Co、CoFeNi合金、CoFe合金、CoNi合金などにより形成されるものであり、特にNiFe合金またはCoFe合金、CoFeNi合金により形成されることが好ましい。
【0109】
非磁性中間層27bは、非磁性材料により形成されるもので、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種またはこれらの2種以上の合金で形成されている。特にRuによって形成されることが好ましい。
【0110】
第1フリー磁性層27c及び第2フリー磁性層27aは、それぞれ10〜70Å程度で形成される。また非磁性中間層27bの膜厚は3Å〜10Å程度で形成で形成される。
【0111】
なお、第2フリー磁性層27aが2層構造で形成され、非磁性材料層26と対向する側にCo膜が形成されていることが好ましい。これにより非磁性材料層26との界面での金属元素等の拡散を防止でき、抵抗変化率(ΔR/R)を大きくすることができる。
【0112】
なおフリー磁性層27は上記したいずれかの磁性材料を使用した1層構造で形成されていても良い。
【0113】
また本実施の形態では、第1フリー磁性層27c及び第2フリー磁性層27aの少なくとも一方を、以下の組成を有する磁性材料で形成することが好ましい。
【0114】
組成式がCoFeNiで示され、Feの組成比は9原子%以上で17原子%以下で、Niの組成比は0.5原子%以上で10原子%以下で、残りの組成はCo。
【0115】
これにより第1フリー磁性層27cと第2フリー磁性層27a間で発生するRKKY相互作用における交換結合磁界を強くすることができる。具体的には、反平行状態が崩れるときの磁界、すなわちスピンフロップ磁界(Hsf)を約293(kA/m)にまで大きくすることができる。
【0116】
よって、第1フリー磁性層27c及び第2フリー磁性層27aの磁化を適切に反平行状態にできる。
【0117】
なお第1フリー磁性層27c及び第2フリー磁性層27aの双方を前記CoFeNi合金で形成することが好ましい。これにより、より安定して高いスピンフロップ磁界を得ることができ、第1フリー磁性層27cと第2フリー磁性層27aとを適切に反平行状態に磁化できる。
【0118】
また上記した組成範囲内であると、第1フリー磁性層27cと第2フリー磁性層27aの磁歪を−3×10-6から3×10-6の範囲内に収めることができ、また保磁力を790(A/m)以下に小さくできる。
【0119】
さらに、フリー磁性層27の軟磁気特性の向上、フリー磁性層27と非磁性材料層26間でのNiの拡散による抵抗変化量(ΔR)や抵抗変化率(ΔR/R)の低減の抑制を適切に図ることが可能である。
【0120】
なお、第2フリー磁性層27aと非磁性材料層26間にCoなどからなる拡散防止層を設け、第1フリー磁性層27c及び第2フリー磁性層27aの少なくとも一方をCoFeNi合金で形成するとき、前記CoFeNi合金のFeの組成比を7原子%以上で15原子%以下、Niの組成比を5原子%以上で15原子%以下、残りの組成比をCoにすることが好ましい。
【0121】
フリー磁性層27は、磁気的膜厚(Ms×t;飽和磁化と膜厚の積)の大きさが異なる第2フリー磁性層27aと第1フリー磁性層27cが、非磁性中間層27bを介して積層され、第2フリー磁性層27aと第1フリー磁性層27cの磁化方向が反平行となるフェリ磁性状態である。このとき、磁気的膜厚(Ms×t)が大きい方、例えば、第2フリー磁性層27aの磁化方向が、ハードバイアス層から発生する磁界の方向(図示X方向)に向き、第1フリー磁性層27cの磁化方向が、180度反対方向(図示X方向と反平行方向)に向いた状態になる。
【0122】
第2フリー磁性層27aと第1フリー磁性層27cの磁化方向が180度異なる反平行のフェリ磁性状態になると、フリー磁性層の膜厚を薄くすることと同等の効果が得られ、単位面積あたりの実効的な磁気モーメントが小さくなり、フリー磁性層27の磁化が変動しやすくなって、磁気検出素子の磁界検出感度が向上する。
【0123】
第2フリー磁性層27aの磁気的膜厚(Ms×t)と第1フリー磁性層27cの磁気的膜厚(Ms×t)を足し合わせた合成の磁気的膜厚(Ms×t)の方向がフリー磁性層27の磁化方向となる。
【0124】
ただし、固定磁性層25の磁化方向との関係で出力に寄与するのは第2フリー磁性層27aの磁化方向のみである。
【0125】
保護層28は、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1種以上で形成される。保護層28の膜厚は30Å程度である。
【0126】
ハードバイアス層31,31は、Co−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などの硬磁性材料で形成される。これら合金の結晶構造は一般的にはバルクにおいて、面心立方構造(fcc)と稠密六方構造(hcp)の混相となる組成付近の膜組成に設定されている。
【0127】
バイアス下地層30,30は、Cr,Ti,W,Mo,V,Mn,Nb,Taのいずれか1種または2種以上の元素で形成されることが好ましい。例えば、CrやW50Mo50によって形成される。バイアス下地層30,30を結晶構造がbcc(体心立方格子)構造であるCrなどを用いて形成すると、ハードバイアス層31,31の保磁力及び角形比が大きくなりバイアス磁界を大きくできる。
【0128】
ここで上記の金属で形成されたバイアス下地層30,30とハードバイアス層31,31を構成するCoPt系合金のhcp構造の格子定数は近い値となるために、CoPt系合金はfcc構造を形成しづらくhcp構造で形成されやすくなる。このときhcp構造のc軸はCoPt系合金とバイアス下地層30,30の境界面内に優先配向される。hcp構造はfcc構造に比べてc軸方向に大きな磁気異方性を生じるため、ハードバイアス層31,31に磁界を与えたときの保磁力Hcは大きくなる。さらにhcpのc軸はCoPt系合金とバイアス下地層30,30との境界面内で優先配向となっているため、残留磁化が増大し、残留磁化/飽和磁化で求められる角形比Sは大きくなる。その結果、ハードバイアス層31,31の特性を向上させることができ、ハードバイアス層31,31から発生するバイアス磁界を増大させることができる。
【0129】
なお、ハードバイアス層31,31は、フリー磁性層27を構成する第2フリー磁性層27aと第1フリー磁性層27cのうち、一方の磁化方向を揃えるだけでよい。例えば、第2フリー磁性層27aの磁化方向が一定方向に揃えられると、第1フリー磁性層27cは磁化方向が反平行となるフェリ磁性状態となり、フリー磁性層27全体の磁化方向が一定方向に揃えられる。
【0130】
なお、下部電極層21及び上部電極層33はW,Ta,Cr,Cu,Rh,Ir,Ru,Auなどを材料として用いて形成することができる。
【0131】
なお、下部電極層21及び上部電極層33としてTaを用いる場合には、上部電極層33の下層に、Crの中間層を設けることによってCrの上層に積層されるTaの結晶構造を低抵抗の体心立方構造にしやすくなる。
【0132】
また、下部電極層21及び上部電極層33としてCrを用いる場合には、上部電極層33の下層にTaの中間層を設けることにより、Crがエピタキシャルに成長して、抵抗値を低減できる。
【0133】
図1に示された磁気検出素子は、多層膜T1が絶縁材料層29に設けられた貫通孔H内部に形成されていることを特徴とするものである。多層膜T1が絶縁材料層29に設けられた貫通孔H内部に形成されるので、多層膜T1が絶縁材料層29によって保護される。従って、多層膜T1をイオンミリングなどで削り出し形成するときに、貫通孔H内部に位置し、磁界検出能を有する多層膜T1の中央部Cが損傷することを防ぐことができる。
【0134】
また、図1の磁気検出素子では、多層膜T1の側端部S,Sが、絶縁材料層29の上面29a1に積層されている。なお、絶縁材料層29の上面29a1に積層された多層膜T1の側端部S,Sは、多層膜T1の中心部Cよりも磁気抵抗効果が低下している。
【0135】
多層膜T1は、貫通孔H内部から絶縁材料層29の上面29a1にかけて形成されているので、貫通孔Hの上部開口部の縁部、すなわち絶縁材料層29の角部29b上で屈曲する。多層膜T1の磁気抵抗変化率は屈曲した部分(屈曲部)で低下する。
【0136】
従って、多層膜T1の中心部Cに、膜面垂直方向の電流を流すと、主に中心部Cの磁気抵抗変化のみが検出され、多層膜T1の側端部S,Sの磁気抵抗効果は検出されなくなっている。
【0137】
また、多層膜T1の側端部S,S、特に側端面T1s,T1sにミリング粒子を打ち込み、故意に磁気抵抗効果を低下させることもできる。
【0138】
多層膜T1のような、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子において、フリー磁性層27と固定磁性層25が短絡すると、外部磁界が印加されてフリー磁性層27の磁化方向が変化しても、抵抗変化が生じなくなり、磁気検出素子として機能しなくなる
従来の磁気検出素子では、上述したように製造過程における、フリー磁性層と固定磁性層が金属材料の再付着によって短絡する確率が高かった。
【0139】
しかし、本発明では、多層膜T1が貫通孔H内部に形成され、絶縁材料層29によって保護される。従って、フリー磁性層27と固定磁性層25が短絡することを防ぐことができる。
【0140】
なお、図1のように、多層膜T1の側端部S,Sが、絶縁材料層29の上面29a1に積層されていると、フリー磁性層27と固定磁性層25の側端面に金属材料が再付着することがある。しかし、絶縁材料層29の上面29a1に積層される多層膜T1の側端部S,Sは、磁界検出能に関与させないことが好ましいこともあり、多層膜T1の上面に対する法線方向(磁気検出素子が形成される基板表面に対する法線方向)に対して大きな入射角度のミリングによって削られることが好ましい。このミリング工程によって、フリー磁性層27と固定磁性層25の側端面に再付着した金属材料を除去して、フリー磁性層27と固定磁性層25の電気的短絡を解消できる。
【0141】
なお、絶縁材料層29は鏡面反射効果を有することが好ましい。
また、図1では、下部電極層21の下層に下部シールド層20が形成され、上部電極層33の上層に上部シールド層34が形成されている。ただし、下部電極層21及び上部電極層33が磁性材料によって形成され、下部電極層21及び上部電極層33がそれぞれ、下部シールド層及び上部シールド層の機能を有してもよい。
【0142】
なお、貫通孔Hのトラック幅方向中央位置Hcから絶縁材料層29の外側面29c,29cまでの距離W1RとW1Lが等しいと、フリー磁性層27がハードバイアス層31,31から受け取る縦バイアス磁界の大きさが、図示X方向の右側端部と左側端部で等しくなるので好ましい。
【0143】
図2は、本発明における第2の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0144】
図2に示される磁気検出素子は、多層膜T2が下から順に、第1フリー磁性層27c、非磁性中間層27b、第2フリー磁性層27aからなるシンセティックフェリフリー型のフリー磁性層27、非磁性材料層26、第2固定磁性層25c、非磁性中間層25b、第1固定磁性層25aからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層25、反強磁性層24、保護層28が下から順に積層された、いわゆるトップ型のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子である点で、図1に示された磁気検出素子と異なっている。
【0145】
多層膜の積層順序が異ならされた図2に示される磁気検出素子でも、図1に示された磁気検出素子と同様に、多層膜T2が絶縁材料層29に設けられた貫通孔H内部に形成されているので、多層膜T2が絶縁材料層29によって保護される。
【0146】
従って、多層膜T2をイオンミリングなどで削り出し形成するときに、貫通孔H内部に位置し、磁界検出能を有する多層膜T2の中央部Cが損傷することを防ぐことができる。
【0147】
また、図2の磁気検出素子でも、多層膜T2の側端部S,Sが、絶縁材料層29の上面29a1に積層されている。絶縁材料層29の上面29a1に積層された多層膜T2の側端部S,Sは、多層膜T2の中心部Cよりも磁気抵抗効果が低下している。
【0148】
図3は、本発明における第3の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0149】
図3の磁気検出素子は、多層膜T2の最下層の第1フリー磁性層27cに重なる位置に縦バイアス層としてエクスチェンジバイアス層35,35が形成されている点で図2の磁気検出素子と異なっている。なお、下部電極層21は、エクスチェンジバイアス層35,35間に形成されている。
【0150】
図3に示される磁気検出素子でも、図2に示された磁気検出素子と同様に、多層膜T2が絶縁材料層29に設けられた貫通孔H内部に形成されているので、多層膜T2が絶縁材料層29によって保護される。
【0151】
従って、多層膜T2をイオンミリングなどで削り出し形成するときに、貫通孔H内部に位置し、磁界検出能を有する多層膜T2の中央部Cが損傷することを防ぐことができる。
【0152】
また、図3の磁気検出素子でも、多層膜T2の側端部S,Sが、絶縁材料層29の上面29a1に積層されている。絶縁材料層29の上面29a1に積層された多層膜T2の側端部S,Sは、多層膜T2の中心部Cよりも磁気抵抗効果が低下している。
【0153】
エクスチェンジバイアス層35,35は、反強磁性層24と同じく、PtMn合金、または、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1または2種以上の元素である)合金で形成することができる。
【0154】
なお、エクスチェンジバイアス層35,35がα−Fe23、NiO、CoOのうちいずれか一種以上で形成されることが好ましい。
【0155】
α−Fe23、NiOなどで形成されたエクスチェンジバイアス層35,35は、絶縁性であり、従ってセンス電流がエクスチェンジバイアス層35,35に分流するのを適切に抑制することができる。
【0156】
第1フリー磁性層27cは、エクスチェンジバイアス層35,35との交換異方性磁界によって、磁化方向がトラック幅方向(図示X方向)に揃えられ、第2フリー磁性層27aは、第1フリー磁性層27cとのRKKY相互作用によって、図示X方向と反平行方向の磁化方向となる。
【0157】
エクスチェンジバイアス層35,35によって、フリー磁性層27を単磁区化すると、エクスチェンジバイアス層35,35間距離で規定される光学的トラック幅と、フリー磁性層27の磁化が変動する領域のトラック幅方向寸法で規定される磁気的トラック幅が一致する。
【0158】
すなわち、ハードバイアス層によってバイアス磁界を与える構成と異なり、光学的トラック幅の領域内にいわゆる不感領域が形成されないという利点を有する。
【0159】
また、図1及び図2に示されたハードバイアス型の磁気検出素子では、ハードバイアス層31の側端面31aと貫通孔Hの側面Haの間の絶縁材料層29の厚さt1を、フリー磁性層27にハードバイアス層31,31から十分なバイアス磁界がかかるような厚さに制御するのが困難になることがある。図4に示される磁気検出素子では、エクスチェンジバイアス層35,35に重なる位置に、第1フリー磁性層27cを積層するだけでよい。
【0160】
これらの利点を有するエクスチェンジバイアス方式の磁気検出素子は、磁気検出素子の小型化を進めるときに、特に有利な縦バイアス方式となる。
【0161】
なお、エクスチェンジバイアス層35,35とフリー磁性層27の間に、強磁性材料からなる強磁性層や非磁性材料からなる層を形成してもよい。または、エクスチェンジバイアス層35,35を強磁性材料によって形成してもよい。
【0162】
図4は、本発明における第4の実施形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0163】
図4の磁気検出素子は、フリー磁性層27の上に非磁性材料からなる分離層36が積層され、分離層36上に、縦バイアス層として、硬磁性材料からなるインスタックバイアス層37が積層されている多層膜T3を有し、ハードバイアス層が形成されていない点で図1に示された磁気検出素子と異なっている。
【0164】
分離層36より下層の、下地層22、シード層23、反強磁性層24、第1固定磁性層25a、非磁性中間層25b、第2固定磁性層25cからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層25、非磁性材料層26、第2フリー磁性層27a、非磁性中間層27b、第1フリー磁性層27cからなるシンセティックフェリフリー型のフリー磁性層27の構成は、図1に示された磁気検出素子と同じである。
【0165】
図4に示される磁気検出素子でも、図1に示された磁気検出素子と同様に、多層膜T3が絶縁材料層29に設けられた貫通孔H内部に形成されているので、多層膜T3が絶縁材料層29によって保護される。
【0166】
従って、多層膜T3をイオンミリングなどで削り出し形成するときに、貫通孔H内部に位置し、磁界検出能を有する多層膜T3の中央部Cが損傷することを防ぐことができる。
【0167】
また、図4の磁気検出素子でも、多層膜T3の側端部S,Sが、絶縁材料層29の上面29a1に積層されている。絶縁材料層29の上面29a1に積層された多層膜T3の側端部S,Sは、多層膜T3の中心部Cよりも磁気抵抗効果が低下している。
【0168】
図4に示される磁気検出素子では、インスタックバイアス層37とフリー磁性層27間に静磁的な結合が発生し、フリー磁性層27の磁化方向が一方向にそろえられる。図4では、フリー磁性層27のうちインスタックバイアス層37に近い側の第1フリー磁性層27cとインスタックバイアス層37間に静磁的な結合が発生し、第1フリー磁性層27cの磁化が図示X方向に単磁区化され、第2フリー磁性層27aの磁化が図示X方向と180°異なる方向を向く。
【0169】
第2フリー磁性層27aの磁気的膜厚(Ms×t)と第1フリー磁性層27cの磁気的膜厚(Ms×t)を足し合わせた合成の磁気的膜厚(Ms×t)の方向がフリー磁性層27の磁化方向となる。
【0170】
図1または図2に示された磁気検出素子では、多層膜のトラック幅方向の側端面にハードバイアス層31,31を対向させることでフリー磁性層27内に反磁界が生じるバックリング現象や、フリー磁性層27の磁化が側端面付近で強固に固定され磁化反転が悪化する不感領域の発生が問題になることがある。
【0171】
しかし、図4のようにフリー磁性層27の非磁性材料層26が形成された面と反対側の面に分離層36を介してインスタックバイアス層37を設けることで、バックリング現象や不感領域の発生問題を解消できる。
【0172】
従って、フリー磁性層27の単磁区化を適切に促進でき、またフリー磁性層の外部磁界に対する磁化反転を良好にでき、再生感度が良く再生波形の安定性に優れた磁気検出素子を製造することが可能である。
【0173】
なおインスタックバイアス層37の膜厚は50〜300Åであることが好ましい。
【0174】
図5は、本発明における第5の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0175】
図5に示された磁気検出素子は、下部電極層21上に積層された絶縁材料層48に形成された貫通孔H1の側面H1aが絶縁材料層48の上面48a1に対する傾斜面である点で図1に示された磁気検出素子と異なっている。
【0176】
図5に示された磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子として多層膜T4が形成されている。この多層膜T4は、図1に示された磁気検出素子の多層膜T1と同様に、下から、下地層40、シード層41、反強磁性層42、第1固定磁性層43a、非磁性中間層43b、第2固定磁性層43cからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層43、非磁性材料層44、第2フリー磁性層45a、非磁性中間層45b、第1フリー磁性層45cからなるシンセティックフェリフリー型のフリー磁性層45、保護層46が積層されたものである。各層の材料は、図1の多層膜T1の各層の材料と同じなので説明を省略する。
【0177】
絶縁材料層48の多層膜T4が積層されていない部分の上面48a2上には、バイアス下地層30,30を介して、ハードバイアス層31,31が積層されている。ハードバイアス層31,31上には絶縁層32,32が積層されている。この絶縁層32,32によって、上部電極層33と、多層膜T4の側端面T4s,T4s、ハードバイアス層31,31が絶縁されている。
【0178】
なお、本実施の形態でも、ハードバイアス層31の側端面31aと貫通孔H1の側面H1aの間の絶縁材料層48の厚さや側面H1aの傾斜角度は、フリー磁性層45にハードバイアス層31,31から十分なバイアス磁界がかかるように設定する。
【0179】
反応性イオンミリングを用いないと、図1に示されるような、側面Haが絶縁材料層29の上面29a1に対する垂直面である貫通孔Hを絶縁材料層29に形成することは難しい。そのため、絶縁材料層29に貫通孔Hを精度良く形成するためには、絶縁材料層29の材料を反応性イオンミリングによって加工できるもの中から選択する必要があった。
【0180】
一方、図5に示されるような、側面H1aが絶縁材料層48の上面48a1に対する傾斜面である貫通孔H1を形成するのであれば、絶縁材料層48の材料を、アルミナ(Al23)やAl−Si−Oなどより広い範囲から選択することができる。
【0181】
なお、多層膜T4のトラック幅寸法Twとは、貫通孔H1内部に位置し、磁界検出能を有する多層膜T4の中央部Cのトラック幅方向(X方向)の幅寸法である。
【0182】
図5に示される磁気検出素子でも、図1に示された磁気検出素子と同様に、多層膜T4が絶縁材料層48に設けられた貫通孔H1内部に形成されているので、多層膜T4が絶縁材料層48によって保護される。
【0183】
従って、多層膜T4をイオンミリングなどで削り出し形成するときに、貫通孔H1内部に位置し、磁界検出能を有する多層膜T4の中央部Cが損傷することを防ぐことができる。
【0184】
また、図5の磁気検出素子でも、多層膜T4の側端部S,Sが、絶縁材料層48の上面48a1に積層されている。絶縁材料層48の上面48a1に積層された多層膜T4の側端部S,Sは、多層膜T4の中央部Cよりも磁気抵抗効果が低下している。
【0185】
図1に示された磁気検出素子の製造方法を説明する。
まず、図7に示されるように、図示しない基板上に、アルミナなどの下地層(図示せず)を介して、下部シールド層20、下部電極層21、及び絶縁材料層29を成膜する。各層の材料は、図1に示された磁気検出素子と同じなので説明を省略する。特に、絶縁材料層29を反応性イオンエッチングによって削ることのできる材料、例えば、SiO2(酸化ケイ素)などを用いることが重要である。なお、絶縁材料層の膜厚は例えば500Åである。
【0186】
各層の形成は例えばスパッタ成膜である。スパッタ成膜では、例えばDCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、コリメーションスパッタ法のいずれか、またはそれらを組み合せたスパッタ法などを使用できる。なお、以下に示す工程においてスパッタ成膜を行うときにも、これらのスパッタ法を使うことができる。
【0187】
なお、下部電極層21が磁性材料によって形成され、下部シールド層20が別部材として形成されなくてもよい。この場合、下部電極層21が下部シールド層としても働く。
【0188】
次に、絶縁材料層29上に、レジスト層R1,R1を形成する。レジスト層R1,R1のトラック幅方向(図示X方向)における間隔をW1とする。
【0189】
次に、レジスト層R1,R1に覆われていない絶縁材料層29の領域を、反応性イオンミリングを用いて削って除去して貫通孔Hを形成し、この貫通孔H内に下部電極層21の表面を露出させる。反応性イオンミリングを用いることにより、貫通孔Hの側面Ha,Haの絶縁材料層29の上面29aに対する傾斜角度を、80°〜90°にすることができる。特に、貫通孔Hの側面Ha,Haを絶縁材料層29の上面29aに対する垂直面にすることもできる。
【0190】
なお、前記反応性イオンミリングによって、絶縁材料層29のみを削り、下部電極層21を削らないことが好ましいが、下部電極層21が多少削られてもかまわない。
【0191】
次に、図9に示すように、貫通孔H内であって下部電極層21上及び絶縁材料層29上に、下地層22、シード層23、反強磁性層24、第1固定磁性層25a、非磁性中間層25b、第2固定磁性層25cからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層25、非磁性材料層26、第2フリー磁性層27a、非磁性中間層27b、第1フリー磁性層27cからなるシンセティックフェリフリー型のフリー磁性層27、保護層28からなる多層膜T1をスパッタ成膜する。
【0192】
各層の材料は、図1に示された磁気検出素子と同じなので説明を省略する。
さらに、図10に示すように、貫通孔Hと絶縁材料層29の貫通孔Hの開口部付近に重なる保護層28の上にリフトオフ用のレジスト層R2を形成する。レジスト層R2のトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法をW2としている。また、図10では、貫通孔Hのトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法をW3としている。なお、貫通孔Hの幅寸法W3は、0.3μm以下にすることが好ましい。本実施の形態では、W2>W3である。
【0193】
次に、図11に示すように、レジスト層R2の形成後、多層膜T1の表面に対する法線方向(前記基板の表面に対する法線方向)から角度θ1だけ傾いた入射角度のイオンミリングによって、レジスト層R2に覆われていない部分の、保護層28から下地層22までの各層で構成される多層膜T1の両側領域を除去し、さらに、レジスト層R2に覆われていない部分の絶縁材料層29を、上面29a2がフリー磁性層27の中央部Cの上面27dよりも下方に位置するように削って除去する。角度θ1は、例えば5°〜30°である。
【0194】
次に、図12に示すように、多層膜T1の表面に対する法線方向(前記基板の表面に対する法線方向)から角度θ2だけ傾いた入射角度のイオンミリングを行う。角度θ2は前述の角度θ1より大きく、例えば30°〜70°である。
【0195】
図11に示される入射角度がθ1のイオンミリング時に、多層膜T1の側端面T1s,T1sに、多層膜T1の材料が再付着してフリー磁性層27と固定磁性層25が電気的に短絡することがある。角度θ2のイオンミリングを行うと、多層膜T1の側端面T1s,T1sをサイドミリングして、前記再付着物を除去することができ、フリー磁性層27と固定磁性層25の電気的短絡を解消させることができる。
【0196】
図12では、多層膜T1の側端部S,Sが、絶縁材料層29の上面29a1に残されているが、多層膜T1は貫通孔Hの上部開口部の縁部、すなわち、絶縁材料層29の角部29b上で屈曲する。多層膜T1の磁気抵抗変化率は屈曲した部分(屈曲部)で低下する。
【0197】
従って、多層膜T1の貫通孔H内部に位置する中心部Cに電流を流すと、主に貫通孔H内部の磁気抵抗変化のみが検出され、多層膜T1の側端部S,Sの磁気抵抗変化はほとんど検出されない。
【0198】
また、多層膜T1の側端面T1s,T1sに入射角度θ2のミリング粒子を打ち込むことにより、多層膜T1の側端部S,Sの磁気抵抗効果を、多層膜T1の中心部Cよりも故意に低下させることができる。
【0199】
本発明では、多層膜T1が絶縁材料層29に設けられた貫通孔H内部に形成されているので、多層膜T1が絶縁材料層29によって保護される。
【0200】
従って、図11におけるイオンミリング及び図12におけるイオンミリング時に、磁界検出能を有する多層膜T1の中央部Cが損傷することを防ぐことができる。
【0201】
また、図12に示される入射角度が角度θ2のイオンミリングによって、絶縁材料層29の外側面29c,29cも同時に削られる。
【0202】
入射角度が角度θ2のイオンミリングによって、貫通孔Hのトラック幅方向中央位置Hcから多層膜T1の両側の側端面T1s,T1sまでの距離、及び貫通孔Hの中央位置Hcから絶縁材料層29の両側の外側面29c,29cまでの距離が等しくなるように削ることにより、多層膜T1を左右対称構造にできる。
【0203】
特に、貫通孔Hの中央位置Hcから絶縁材料層29の両側の外側面29c,29cまでの距離WRとWLを等しくすることにより(図1参照)、後の工程で形成される一対のハードバイアス層31,31からのバイアス磁界を、フリー磁性層27のトラック幅方向の左右両側端面で等しくできる。
【0204】
また、貫通孔Hの側面Haから絶縁材料層29の外側面までの厚さt1が、フリー磁性層27にハードバイアス層31,31から十分なバイアス磁界がかかるような厚さ、例えば10nmとなるように、絶縁材料層29を削ることが好ましい。貫通孔Hの側面Haから絶縁材料層29の外側面までの厚さt1は、フリー磁性層27のトラック幅方向の両側で等しいことが好ましい。
【0205】
なお、図10に示される工程においてレジスト層R2のトラック幅方向の中央位置R2cと、貫通孔Hのトラック幅方向の中央位置Hcが重なっていることが好ましい。
【0206】
中央位置R2cと中央位置Hcが重なっていると、貫通孔Hのトラック幅方向中央位置Hcから多層膜T1の両方の側端面T1s,T1sまでの距離、及び貫通孔Hの中央位置Hcから絶縁材料層29の両方の外側面29c,29cまでの距離が等しくなる。
【0207】
中央位置R2cと中央位置Hcを重ねるためには、図7に示されるレジスト層R1,R1で挟まれる領域の中央位置Gcと中央位置R2cが重なりあうようにすればよい。
【0208】
なお、図12の工程で、絶縁材料層29の外側面29cの削り量を調節することにより、フリー磁性層27とハードバイアス層31の距離を調節でき、フリー磁性層27がハードバイアス層31から受け取る縦バイアス磁界の大きさを調節することができる。
【0209】
なお、絶縁材料層29を、多層膜T1内を流れる伝導電子のスピン状態(エネルギー、量子状態など)を保持したまま鏡面反射するスペキュラー膜(鏡面反射膜)とすることが好ましい。
【0210】
次に絶縁材料層29上にバイアス下地層30,30及びハードバイアス層31,31をスパッタ成膜する。ハードバイアス層31,31は少なくともフリー磁性層27のトラック幅方向における側端面に対向するように形成される。
【0211】
バイアス下地層30,30は、結晶構造が体心立方構造(bcc構造)の金属膜で形成されることが好ましい。なおこのときバイアス下地層30,30の結晶配向は(100)面が優先配向するのが好ましい。
【0212】
バイアス下地層30,30、ハードバイアス層31,31のスパッタ時におけるスパッタ粒子の入射角度は、例えば、多層膜T1上面に対する法線方向から5°〜60°である。
【0213】
ハードバイアス層31,31からフリー磁性層27に縦バイアス磁界が供給されて、フリー磁性層27の磁化は適切にトラック幅方向(図示X方向)に単磁区化される。
【0214】
次にハードバイアス層上に絶縁層32,32をスパッタ成膜する。絶縁層32,32の膜厚は50〜200Å程度であることが好ましい。これにより上部電極層33から流れるセンス電流がハードバイアス層31,31に分流するのを抑制することが可能である。
【0215】
また絶縁層32,32のスパッタ時におけるスパッタ粒子の入射角度は、例えば、多層膜T1上面に対する法線方向から0°〜30°である。
【0216】
バイアス下地層30,30、ハードバイアス層31,31、及び絶縁層32,32の材料は、図1に示された磁気検出素子と同じなので説明を省略する。
【0217】
なお、バイアス下地層30、ハードバイアス層31、及び絶縁層32の材料の層が、レジスト層R2の上面や側端面に付着する。
【0218】
そしてレジスト層R2を除去する。
レジスト層R2の除去後、多層膜T1の上面と電気的に接続される上部電極層33及び上部磁極層34を積層すると図1に示される磁気検出素子を形成できる。
【0219】
なお、図2に示されるトップスピン型の磁気検出素子を形成するときには、図9における多層膜の積層工程において、下から順に、フリー磁性層27、非磁性材料層26、固定磁性層25、反強磁性層24、保護層28を積層すればよい。
【0220】
また、図3に示される磁気検出素子を形成するときには、下部電極層21の両側に、反強磁性材料からなるエクスチェンジバイアス層35,35を形成し、このエクスチェンジバイアス層35,35に重なる位置に、フリー磁性層27を形成すればよい。
【0221】
なお、図3に示される磁気検出素子では、反強磁性層24と第1固定磁性層25a間に発生する交換異方性磁界の向きと、第1フリー磁性層27cとエクスチェンジバイアス層35,35間に発生する交換異方性磁界の向きを交叉させる必要がある。
【0222】
交換異方性磁界の向きを交叉させる方法として、エクスチェンジバイアス層35,35の積層後、トラック幅方向と直交する方向の第1の磁界を印加しつつ、第1の熱処理温度で熱処理し、反強磁性層24およびエクスチェンジバイアス層35,35に交換結合磁界を発生させて、固定磁性層25およびフリー磁性層27の磁化を前記直交する方向に固定すると共に、反強磁性層24の交換結合磁界をエクスチェンジバイアス層35,35の交換結合磁界よりも大とし、次に、トラック幅方向に前記工程でのエクスチェンジバイアス層35,35の交換結合磁界よりも大きく、且つ反強磁性層24の交換結合磁界よりも小さい第2の磁界を印加しつつ、前記第1の熱処理温度よりも高い第2の熱処理温度で熱処理し、フリー磁性層27に固定磁性層25の磁化方向と交叉する方向の縦バイアス磁界を付与するという方法がある。
【0223】
なお、エクスチェンジバイアス層35,35とフリー磁性層27の間に、強磁性材料からなる強磁性層や非磁性材料からなる層を形成してもよい。または、エクスチェンジバイアス層35,35を強磁性材料によって形成してもよい。
【0224】
また、図4に示される磁気検出素子を形成するときには、図9に示される多層膜の積層工程において、フリー磁性層27の非磁性材料層26が形成された面と反対側の面に、非磁性材料からなる分離層36を介して、強磁性材料からなるインスタックバイアス層37を積層すればよい。
【0225】
また、図5に示される磁気検出素子を形成するときには、図7に示される工程で、レジスト層R1に傾斜面を形成すると、側面H1aが傾斜面となる貫通孔H1をミリングによって形成することができる。なお、図5に磁気検出素子を形成するときには、絶縁材料層48の材料をアルミナ(Al23)やAl−Si−Oなどより広い範囲から選択することができる。
【0226】
図14及び図15は、本発明の磁気検出素子を備えた磁気ヘッドを示した図である。なお図14はスライダを記録媒体との対向面側から見た斜視図、図15は図14に示すD−D線から切断し矢印方向から見た縦断面図である。
【0227】
図14及び図15に示すように、前記磁気検出素子を具備してなるGMRヘッドh1は、インダクティブヘッドh2と共にスライダのトレーリング側端部50aに設けられて磁気ヘッドを構成し、ハードディスク等の磁気記録媒体の記録磁界を検出及び記録することが可能になっている。
【0228】
図14に示すように、スライダ50の記録媒体との対向面(ABS面)52には、レール52a、52a,52aが形成され、各レール同士間は、エアーグルーブ52b、52bを構成している。
【0229】
図15に示すように、GMRヘッドh1は、スライダ50の端面50a上に形成された磁性合金からなる下部シールド層53と、下部シールド層53に積層された下部電極層54と、記録媒体との対向面52から露出する本発明の磁気検出素子55と、上部電極層56と、上部シールド層57とから構成されている。
【0230】
上部シールド層57は、インダクティブヘッドh2の下部コア層と兼用とされている。
【0231】
インダクティブヘッドh2は、下部コア層(上部シールド層)57と、下部コア層57に積層されたギャップ層58と、コイル59と、記録媒体との対向面でギャップ層58上に接合され、かつ基端部60aにて下部コア層57に接合される上部コア層60とから構成されている。
【0232】
また、上部コア層60上には、アルミナなどからなる保護層61が積層されている。
【0233】
なお、図14及び図15において、図示X方向がトラック幅方向、図示Y方向が記録媒体からの洩れ磁界方向(ハイト方向)、図示Z方向が記録媒体の移動方向である。
【0234】
また本発明では、多層膜をトンネル型磁気抵抗効果型素子と呼ばれる磁気検出素子とすることもできる。トンネル型磁気抵抗効果型素子では、非磁性材料層26がAl23やSiO2などの絶縁材料で形成される。
【0235】
なお本発明における磁気検出素子は、ハードディスク装置に搭載される磁気ヘッドにのみ使用可能なものではなく、テープ用磁気ヘッドや磁気センサなどにも使用可能なものである。
【0236】
以上本発明をその好ましい実施例に関して述べたが、本発明の範囲から逸脱しない範囲で様々な変更を加えることができる。
【0237】
なお、上述した実施例はあくまでも例示であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0238】
【発明の効果】
本発明は、磁気抵抗効果素子、並びに前記磁気抵抗効果素子の上面に電気的に接続された上部電極層及び前記磁気抵抗効果素子の下面に電気的に接続された下部電極層を有し、前記磁気抵抗効果素子の膜面と垂直方向に電流を供給する磁気検出素子において、前記磁気抵抗効果素子が絶縁材料層に設けられた貫通孔内部に形成されるので、前記磁気抵抗効果素子が前記絶縁材料層によって保護される。
【0239】
従って、前記磁気抵抗効果素子をイオンミリングなどで削り出し形成するときに、前記磁気抵抗効果素子の磁界検出能を有する部位が損傷することを防ぐことができる。
【0240】
また、本発明の磁気検出素子では、前記磁気抵抗効果素子の側端部が、前記絶縁材料層の上面に積層されていてもよい。
【0241】
前記磁気抵抗効果素子の側端部が、前記絶縁材料層の上面に積層される場合、前記磁気抵抗効果素子は、前記貫通孔内部から前記絶縁材料層の上面にかけて形成され、前記貫通孔の上部開口部の縁部上で屈曲する。前記磁気抵抗効果素子の磁気抵抗変化率は屈曲した部分(屈曲部)で低下する。
【0242】
従って、前記磁気抵抗効果素子の前記貫通孔内部に位置する中心部に電流を流すと、主に前記貫通孔内部の磁気抵抗変化のみが検出され、前記磁気抵抗効果素子の側端部の磁気抵抗効果は、前記中心部よりも低下する。
【0243】
また、前記磁気抵抗効果素子の側端部にミリング粒子を打ち込んで、故意に磁気抵抗効果を低下させることもできる。
【0244】
なお、前記磁気抵抗効果素子が前記多層膜であるとき、前記多層膜の側端部が、前記絶縁材料層の上面に積層されていると、前記フリー磁性層と前記固定磁性層の側端面に金属材料が再付着することがある。しかし、前記多層膜の上面に対する法線方向(磁気検出素子が形成される基板表面に対する法線方向)に対して大きな入射角度のミリングによって削られることによって、前記フリー磁性層と前記固定磁性層の側端面に再付着した金属材料を除去して、前記フリー磁性層と前記固定磁性層の電気的短絡を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁気検出素子の断面図、
【図2】本発明の第2の実施の形態の磁気検出素子の断面図、
【図3】本発明の第3の実施の形態の磁気検出素子の断面図、
【図4】本発明の第4の実施の形態の磁気検出素子の断面図、
【図5】本発明の第5の実施の形態の磁気検出素子の断面図、
【図6】スペキュラー膜による鏡面反射効果を説明するための様式説明図、
【図7】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図8】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図9】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図10】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図11】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図12】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図13】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図14】本発明の磁気検出素子が取りつけられた磁気ヘッドの斜視図、
【図15】図14に示された磁気ヘッドの断面図、
【図16】従来の磁気検出素子の製造方法を示す一工程図、
【図17】従来の磁気検出素子の製造方法を示す一工程図、
【図18】従来の磁気検出素子を示す断面図、
【符号の説明】
20 下部シールド層
21 下部電極層
22 下地層
23 シード層
24 反強磁性層
25 固定磁性層
25a 第1固定磁性層
25b 非磁性中間層
25c 第2固定磁性層
26 非磁性材料層
27 フリー磁性層
27a 第2フリー磁性層
27b 非磁性中間層
27c 第1フリー磁性層
28 保護層
29 絶縁材料層
30 バイアス下地層
31 ハードバイアス層
32 絶縁層
33 上部電極層
34 上部シールド層
R1、R2 レジスト層
T1、T2、T3、T4 多層膜
T1s、T2s、T3s 側端面
H、H1 貫通孔

Claims (14)

  1. 以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
    (a)基板上に下部電極層を形成し、前記下部電極層上に絶縁材料層を積層する工程と、
    (b)前記絶縁材料層を上下方向に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔内に前記下部電極層の表面を露出させる工程と、
    (c)前記貫通孔内であって、前記下部電極層上に、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層を有する多層膜を形成する工程と、
    (d)前記多層膜上にレジスト層を形成し、前記レジスト層に覆われていない前記多層膜を除去し、さらに、前記絶縁材料層の前記レジスト層に覆われていない部分の上面が前記フリー磁性層の上面より下方に位置するように、前記絶縁材料層を削る工程と、
    (e)硬磁性材料からなり、前記多層膜の少なくとも前記フリー磁性層のトラック幅方向における側端面に対向して前記フリー磁性層にトラック幅方向の磁界を印加する、一対の縦バイアス層を設ける工程と、
    (f)前記レジスト層を除去する工程と、
    (g)前記多層膜の上面と電気的に接続される上部電極層を形成する工程。
  2. 前記(b)の工程において、前記貫通孔の側面を、前記絶縁材料層の上面に対する垂直面にする請求項1記載の磁気検出素子の製造方法。
  3. 前記(b)の工程において、前記貫通孔の側面を、前記絶縁材料層の上面に対する傾斜面にする請求項1記載の磁気検出素子の製造方法。
  4. 前記(b)の工程において、前記貫通孔を反応性イオンミリングを用いて形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  5. 前記(a)の工程において、前記絶縁材料層を、反応性イオンミリングによって削られる材料によって形成する請求項4記載の磁気検出素子の製造方法。
  6. 前記(a)の工程において、前記絶縁材料層を、SiO2 又はTa25で形成する請求項5記載の磁気検出素子の製造方法。
  7. 前記(d)の工程と前記(e)の工程の間に、
    (h)前記(d)の工程で除去されずに残された前記絶縁材料層の外側面を削る工程を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  8. 前記(c)の工程において、前記多層膜を前記貫通孔内から前記絶縁材料層の上面にかけて形成する請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  9. 前記(d)の工程と前記(e)の工程の間に、
    (i)前記(d)の工程で除去されずに、前記絶縁材料層の上面に残された多層膜のトラック幅方向の側端面をミリングによって削る工程を有する請求項8に記載の磁気検出素子の製造方法。
  10. 前記(d)の工程において、前記貫通孔のトラック幅方向中央位置と、前記レジスト層のトラック幅方向中央位置が重なるように前記レジスト層を前記多層膜上に形成する請求項1ないし9のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  11. 前記(c)の工程において、前記多層膜を前記固定磁性層に接する反強磁性層を有するものとして形成し、下から、反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層の順序で積層する請求項1ないし10のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  12. 前記(c)の工程において、前記多層膜を前記固定磁性層に接する反強磁性層を有するものとして形成し、下から、フリー磁性層、非磁性材料層、固定磁性層及び反強磁性層の順序で積層する請求項1ないし10のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  13. 前記(a)の工程において、前記下部電極層の下層に下部シールド層を形成し、前記(g)の工程の後で、前記上部電極層の上層に上部シールド層を形成する請求項1ないし12のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  14. 前記(a)の工程において前記下部電極層を、前記(g)の工程において前記上部電極層を、それぞれ磁性材料によって形成する請求項1ないし12のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
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