JP3954338B2 - 耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れる高強度鋼線およびその製造方法 - Google Patents

耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れる高強度鋼線およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3954338B2
JP3954338B2 JP2001272905A JP2001272905A JP3954338B2 JP 3954338 B2 JP3954338 B2 JP 3954338B2 JP 2001272905 A JP2001272905 A JP 2001272905A JP 2001272905 A JP2001272905 A JP 2001272905A JP 3954338 B2 JP3954338 B2 JP 3954338B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
steel wire
less
strength
wire drawing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001272905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003082437A (ja
Inventor
護 長尾
浩 家口
憲二 落合
信彦 茨木
高明 南田
範明 平賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2001272905A priority Critical patent/JP3954338B2/ja
Priority to EP02292034A priority patent/EP1293582B1/en
Priority to US10/226,137 priority patent/US6800147B2/en
Priority to KR10-2002-0054286A priority patent/KR100503545B1/ko
Priority to CNB02141680XA priority patent/CN1143903C/zh
Publication of JP2003082437A publication Critical patent/JP2003082437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3954338B2 publication Critical patent/JP3954338B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/04Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing manganese
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21CMANUFACTURE OF METAL SHEETS, WIRE, RODS, TUBES OR PROFILES, OTHERWISE THAN BY ROLLING; AUXILIARY OPERATIONS USED IN CONNECTION WITH METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL
    • B21C1/00Manufacture of metal sheets, metal wire, metal rods, metal tubes by drawing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21CMANUFACTURE OF METAL SHEETS, WIRE, RODS, TUBES OR PROFILES, OTHERWISE THAN BY ROLLING; AUXILIARY OPERATIONS USED IN CONNECTION WITH METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL
    • B21C37/00Manufacture of metal sheets, bars, wire, tubes or like semi-manufactured products, not otherwise provided for; Manufacture of tubes of special shape
    • B21C37/04Manufacture of metal sheets, bars, wire, tubes or like semi-manufactured products, not otherwise provided for; Manufacture of tubes of special shape of bars or wire
    • B21C37/045Manufacture of wire or bars with particular section or properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/06Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of rods or wires
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/02Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing silicon
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/066Reinforcing cords for rubber or plastic articles the wires being made from special alloy or special steel composition
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2205/00Rope or cable materials
    • D07B2205/30Inorganic materials
    • D07B2205/3021Metals
    • D07B2205/3025Steel
    • D07B2205/3046Steel characterised by the carbon content
    • D07B2205/3057Steel characterised by the carbon content having a high carbon content, e.g. greater than 0,8 percent respectively SHT or UHT wires
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/12All metal or with adjacent metals
    • Y10T428/12431Foil or filament smaller than 6 mils

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Metal Extraction Processes (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、冷間加工を受けたまま、ブルーイング等の熱処理が施されることなく製品とされる高強度鋼線であって、スチールコードワイヤー、ワイヤロープ等の素線として使用される高強度鋼線、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用スチールタイヤ等の補強材として使用されるスチールコードワイヤやビードワイヤ等は、通常、310kgf /mm2 以上の高強度を有する直径0.15〜0.4mm程度の極細鋼線を撚ったストランドで構成されている。
前記鋼線は、共析鋼あるいは過共析鋼からなる高炭素鋼の熱延線材を伸線して小径化し、パテンティング処理を施し、酸洗後、ブラスめっき皮膜等の金属潤滑皮膜を形成し、最終伸線として冷間の湿式伸線によって0.2mm程度の極細線に加工されたものである。前記パテンティング処理は、500〜550℃付近でオーステナイトを均一で微細なパーライト組織に変態させることによって、鋼を強靱化する処理である。
【0003】
近年、自動車用タイヤに耐久性の向上が求められており、前記鋼線にもより一層の高強度化が要求されている。高強度化のためにはC量の増加が有効であるが、十分な延性を確保する必要がある。延性を確保することなく、高強度化を進めると捻回時に縦割れと呼ばれる長手方向に沿った破壊が生じる。
【0004】
縦割れを防止する方策として、例えば、次の技術が提案されている。特公平6−99746号公報には鋼成分としてCr、Coを添加し、パーライトラメラ組織を微細化することが、また特開平9−99312号公報には連続的にダイスにて伸線する際に、伸線加工歪量に応じて減面率を制御する伸線方法が記載されている。また、近年、提案された技術として、特開平10−121199号公報には微細パーライトを主体とし、そのラメラセメンタイトをアモルファスとすることが、特開平11−199980号公報にはパーライト組織におけるフェライト中の固溶Cを1.5原子%以下にすることが、特開平11−269607号公報には鋼線組織中のセメンタイト量をC量に応じて制御するとともに、その平均粒径を2〜10nmとすることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの技術によって、ある程度の高強度化が図られるようになったが、近年ますます高強度の鋼線が要求される傾向にある。また、たとえ高強度化が実現されたとしても、『材料とプロセス』CAMP-ISIJ Vol.12(1999)p461に記載されているように、伸線加工された高炭素鋼線は室温で放置してもひずみ時効が進行し、強度が上昇することが知られている。このように、高炭素鋼線ではひずみ時効による高強度化が生じるため、耐縦割れ性がますます不足する傾向があり、ひずみ時効による強度の上昇が生じても耐縦割れ性が劣化しないように、十分な延性を確保することができる高強度高炭素鋼線が必要とされている。
【0006】
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、高強度にして十分な延性を有し、もって耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れた高強度鋼線およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、高炭素鋼線において、適切な伸線を実施して、適切な組織に調整し、強度を線径と炭素量で規定されるある範囲に制御することによって耐ひずみ時効脆化特性に優れる高強度高炭素鋼線が得られることを見出した。
また、耐縦割れ性を確保するためには、セメンタイトをアモルフアス化することが重要であるが、さらに耐ひずみ時効性を確保するためには、冷間湿式伸線中に進行するひずみ時効を極力低減することが重要であることを見出した。
さらに詳しく説明すると、鋼線の強度を従来レベル超の高強度にするには、最終伸線前のパテンティング処理後の鋼線の強度をできるだけ高くすることが望ましいが、パテンティング処理条件を最適に制御しても限度がある。したがって、鋼線の高強度化を進めるには、伸線加工量を高める必要があり、真ひずみεで3.0を超える加工は避けられない。伸線によって線径が細くなっていくと、ダイスの通線速度が大きくなり主に摩擦による加工発熱量が増大する。このため、この段階の伸線は冷却しながら伸線を行う湿式伸線が適用される。従来の湿式伸線条件では、伸線中のひずみ時効は生じないと思われてきたが、εが3.0を超える強加工を与えると、εが3.0を超えるあたりからひずみ時効による脆化が顕著になることが見出された。その結果、最終的に得られた鋼線の線径と強度によっては縦割れが発生したり、伸線直後には縦割れが発生しなくても、室温で放置しておくと延性が劣化し、縦割れが発生し始めることが分かった。
【0008】
本発明は以上の知見をもとになされたものであり、本発明の高強度炭素鋼線は、化学成分がmass%で
C:0.75〜1.20%、
Si:0.1〜1.5%、
Mn:0.3〜1.2%、
P:0.02%以下、
S:0.02%以下、
Al:0.005%以下、
N:0.008%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、加工されたパーライト組織を有し、線径D(mm)が0.15〜0.4mmの鋼線であって、
組織中のラメラセメンタイトが分解が抑制されたアモルファスセメンタイトであり、表層にCu,Ni,Znの1種あるいはこれらの金属の合金を主相とする金属潤滑皮膜を有し、C%を[C]で表したとき、引張強さが 3500×D-0.145MPa以上、(3500×D-0.145+87×[C]-5)MPa以下とされたものである。化学成分としては、さらに、(1) Ni:0.10〜1.0%、Cr:0.10〜1.0%、Mo:0.10〜0.5%のいずれか1種以上、(2) Cu:0.05%以上、0.20%未満、(3) Co:2.0%以下、(4) B:0.0003〜0.0050%を単独で、あるいは複合して含有することができる。
【0009】
また、本発明の高強度鋼線の製造方法は、熱間圧延した鋼線材を伸線し、パテンティング処理し、酸洗し、Cu,Ni,Znの1種あるいはこれらの金属の合金を主相とする金属潤滑皮膜を形成した後、最終伸線によって線径D(mm)を0.15〜0.4mmに伸線するものであって、
前記鋼線材は前記化学成分を有し、
前記パテンティング処理はC%を[C]で表したとき、処理後の鋼線の引張強さが(540×[C]+1055)MPa以上、(540×[C]+1065)MPa以下になるように処理条件を調整し、
前記最終伸線は真ひずみが2.0以上となるパスに対して冷間の湿式伸線を行い、さらに真ひずみεが3.0超となるパスに対してダイヤモンドダイスを使用するとともに下記の▲1▼〜▲4▼に列挙した内、少なくとも2条件を満足させ、
▲1▼ダイヤモンドダイスのアプローチ角を6〜12度とすること
▲2▼ダイヤモンドダイスのベアリング部の長さがその内径をdとしたとき0.3d〜0.5dとすること
▲3▼湿式伸線に用いる潤滑液の液温を35±10℃に制御すること
▲4▼ダイヤモンドダイスによる伸線の減面率を20%以下にすること
前記最終伸線における伸線速度は生産速度をV(m/分)としたとき、線径D(mm)とVとの積DVを200mm・m/分以下とする製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の高強度鋼線は、化学成分(mass%)が
C :0.75〜1.20%、
Si:0.1〜1.5%、
Mn:0.3〜1.2%、
P:0.02%以下、
S:0.02%以下、
Al:0.005%以下、
N:0.008%以下
および残部Feおよび不可避的不純物からなるものであり、以下、成分限定理由について説明する。
【0011】
C:0.75〜1.20%
Cは強度の上昇に有効で、かつ経済的な元素であり、C量の増加に伴って伸線時の加工硬化量、伸線後の強度が増大する。更に、C量が少ないとフェライト量を低減させることが困難となる。従って、本発明ではその下限を0.75%、好ましくは0.80%とする。一方、C量が過多になるとオーステナイト粒界にネット状の初析セメンタイトが生成して伸線加工時に断線が発生しやすくなるだけでなく、最終伸線後における極細鋼線の靱性・延性を著しく劣化させるため、C量の上限を1.20%、好ましくは1.10%とする。
【0012】
Si:0.1〜1.5%
Siは脱酸剤として有用な元素であり、特に本発明の場合、基本的にAlを含有しない鋼線材を対象とするため、その役割は重要である。0.1%未満では脱酸作用が過少であるため、Si量の下限を0.1%とする。−方、Si量が多すぎるとメカニカルデスケーリング(以下、MDと略記する。)による伸線工程が困難になるので、Si量の上限を1.5%、好ましくは1.0%、より好ましくは0.5%とする。
【0013】
Mn:0.3〜1.2%
MnもSiと同様、脱酸剤として有用な元素であり、本発明のようにAlを積極的に含有しない鋼線材の場合には、SiだけでなくMnも添加して、上記脱酸作用を有効に発揮させることが必要である。また、Mnは鋼中のSをMnSとして固定し、鋼の靱性・延性を高める作用も有するほか、鋼の焼入性を高めて圧延材の初析フェライトを低減させる効果がある。これらの効果を有効に発揮させるため、Mn量の下限を0.3%、好ましくは0.4%とする。一方、Mnは偏析しやすい元素でもあるため、過剰に添加するとMnの偏析部にマルテンサイト、ベイナイトなどの過冷組織が生成して伸線加工性を劣化させるおそれがある。このため、Mn量の上限を1.2%、好ましくは1.0%とする。
【0014】
P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.008%以下
これらの不純物元素は延性を低下させるため、少ない程よい。P,Sが各々0.02%超、Nが0.008%超になると、延性の劣化が大きくなるので、本発明ではP,S,N量を上記の範囲に止める。なお、Nは後述するBと結合してBNを生成し、固溶Bを減少させるため、Bを添加する場合には好ましくは0.0050%以下、より好ましくは0.0035%以下にするのがよい。
【0015】
Al:0.005%以下
Alは脱酸元素として有効であるが、Al23を生成する。この非金属介在物は極細鋼線の延性を阻害し、伸線加工性を著しく妨げるため、本発明では0.005%以下に止める。
【0016】
本発明の鋼線の化学成分は以上のほか、残部Feおよび不可避的不純物によって形成されるが、上記各元素の作用、効果を損なわず、材質を向上させる元素として下記の範囲で(1) Ni,Cr,Moから1種以上、(2) Cu、(3) Co、(4) Bのうち、1種以上を単独あるいは複合して添加することができる。
【0017】
Ni:0.10〜1.0%、Cr:0.10〜1.0%、Mo:0.10〜0.5%の内から1種以上
これらの元素はパテンティング処理によって生成するパーライトのセメンタイト間隔を微細化し、引張強さを高めるとともに伸線加工性を向上させる作用を有する。Ni,Cr,Moの各々が0.10%未満ではかかる作用が過少であるため、各元素の下限を0.10%とする。しかし、Ni1.0%超、Cr1.0%超、Mo0.5%超と添加しても作用効果が飽和し、さらにCrの場合では未溶解セメンタイトが生成しやすくなったり、変態終了時間が長くなり、熱間圧延線材中にマルテンサイトやベイナイトなどの過冷組織が生じるおそれが生じる。このため、Ni、Cr、Moの添加範囲を上記の範囲とする。
【0018】
Cu:0.05%以上、0.20%未満
Cuは極細鋼線の耐食性を高めると共にスケール剥離性を向上させ、ダイスの焼き付きなどのトラブルを防止するのに有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させるには、0.05%以上の添加が必要である。一方、過剰に添加すると、熱間圧延後の線材載置温度を900℃程度の高温にした場合でさえ、線材表面にブリスターが生成し、このブリスター下の鋼母材にマグネタイトが生成するため、メカニカルデスケーリング性が劣化する。更に、CuはSと反応して粒界中にCuSを偏析するため、線材製造過程で鋼塊や線材などに庇を発生させる。この様な悪影響を防止するために、Cu量を0.20%未満、好ましくは0.10%未満とする。
【0019】
Co:2.0%以下
Coは初析セメンタイトの生成を抑制し、延性、伸線加工性の向上に有効である。このため、2.0%以上の添加が好ましい。一方、2.0%を超えて過度に添加すると、パテンティング処理の際にパーライト変態するのに長くかかり、生産性が低下するようになる。このため、本発明ではCo量の上限を2.0%に止める。
【0020】
B:0.0003〜0.0050%
フリーB(固溶状態のB)はフェライトの生成を抑制する作用がある。かかるフリーBを確保するには、添加B量(全B量)として最低0.0003%は必要である。一方添加B量が0.0050%を超えると、BはFe23(CB)6 を生成し、かえって伸線性を阻害するようになる。このため、上限を0.0050%、好ましくは0.0040%とする。フェライトを抑制することが可能なBは添加Bではなく、鋼中で化合物を生成しないフリーBである。フリーBを確保するためにはBNを生成しないことが必要である。本発明ではN量が0.008%以下、好ましくは0.0050%以下、より好ましくは0.0035%以下に規制されるので、固溶Bを確保することができる。フェライト生成抑制効果を発揮させるにはフリーBとして0.0003%は必要であり、多いほど望ましいが、添加B量の制限からその上限は自ずから定まる。
【0021】
本発明の鋼線は、加工されたパーライト組織を有し、組織中のラメラセメンタイトが分解が抑制されたアモルファスセメンタイトで形成されている。前記パーライト組織は鉄鋼材料の金属組織中で伸線加工性に優れており、本発明の対象とする直径0.15〜0.4mmの極細鋼線を得るのに最適な組織である。さらに、パーライト組織のラメラセメンタイトをアモルファスで形成することによって、高強度下において、高靭性・延性を示して耐縦割れ性を向上させることができる。
【0022】
前記アモルファスとは、アモルファス的な場合を含み、下記の▲1▼〜▲3▼のいずれかの方法、基準により判断される場合を意味する。
▲1▼ 透過型電子顕微鏡(TEM)観察による方法であり、1nm以下のビーム径でディフラクションパターン(回析パターン)を撮ってもハローパターンを示し、かつ格子像を見ても結晶性が確認できない場合
▲2▼ メスバウワー分光分析による方法であり、前記ラメラセメンタイトのメスバウワースペクトルにおいて、強磁性成分を示すピークの最大値をPf、超常磁性成分を示すピークの最大値をPspとしたとき、Pf<Pspを満足する場合
▲3▼ X線回折分析による方法であり、前記ラメラセメンタイトのX線回折パターンにおいて、最大ピークの半値幅(2θ)が3rad以上である場合
組織中のラメラセメンタイトをアモルフアス化するには、鋼線の最終伸線にあたって、真ひずみεが2.0以上のパスを冷却を施しながら実施することが必要であり、本発明の製造方法では、εが2.0以上の最終伸線を冷間の湿式伸線で行い、しかも少なくともεが3.0を超えるパスでは熱伝導性の良好なダイヤモンドダイスを用いている。
【0023】
本発明の鋼線には、金属潤滑皮膜が形成されている。これは、本発明の鋼線は強加工の伸線によって得られるので、ダイスの摩耗劣化を防止するため、最終伸線前にパテンティング処理後の鋼線に形成された金属潤滑皮膜が残存したものものである。金属潤滑皮膜としては、Cu、Zn、Niめっき皮膜が経済的には望ましいが、これらの金属を主成分とする合金、例えば黄銅(ブラス)のめっき皮膜でもよい。なお、ブラスめっき皮膜、Cuめっき皮膜は、スチールコードワイヤ用の鋼線の場合、ゴムとの密着性を確保する役目をも果たす。
【0024】
さらに、本発明の鋼線は、C量(mass%)を[C]で表すとき、鋼線の引張強さTS(MPa)が 3500×D-0.145MPa以上、(3500×D-0.145+87×[C]-5)MPa以下の範囲に限定される。この適切なTSの範囲は、後述の実施例から明らかなとおり、TS下限値未満では最終伸線直後の縦割れは抑制されるが、ひずみ時効脆化が進行しやすく、時間の経過により縦割れが発生し易くなる。一方、TS上限値はC量によって左右され、TS上限値超では伸線直後の縦割れ発生確率が著しく上昇し、たとえ縦割れが発生しない場合でも、その後時効により脆化が進行し、やがては縦割れが発生するに至る。このため、本発明では鋼線のTSを前記範囲に規定する。TSの下限値がC量に影響されないのは、耐縦割れ性がC量の影響よりも線径の影響を強く受けるためである。一方、TSの上限値がC量の影響を受けるのは、耐ひずみ時効性が母材のC量の影響を強く受けるためである。
【0025】
次ぎに、上記鋼線の好適な製造方法について説明する。
本発明の鋼線は、前記化学成分の鋼片を分塊圧延してビレットを製造し、これを熱間圧延し、得られた鋼線材を必要に応じて中間パテンティング処理(軟化熱処理)を施して中間伸線し、最終伸線に適した線径の鋼線を得た後、最終パテンティング処理を施し、酸洗後、金属潤滑皮膜を形成し、最終伸線として冷間の湿式伸線によって線径0.15〜4.0mmに加工される。なお、前記最終伸線とは、金属潤滑皮膜が形成された、最終パテンティング処理後の鋼線(以下、パテンティング鋼線という場合がある。)を一連のダイスを通して最終線径(本発明では0.15〜0.4mm)の鋼線に連続的に伸線する工程である。
【0026】
前記熱延線材の線径は3.5〜10mm程度にすることが好ましい。3.5mm以下では生産性に劣り、10mmを超えると伸線性を得ることが困難になる。一方、中間伸線後の鋼線(パテンティング鋼線)の線径は1.0〜2.5mm程度とすることが好ましい。1.0mm未満では最終伸線における伸線加工度を確保することができないようになり、一方2.5mmを超えるとパテンティング処理において鋼線の中心部まで組織制御することが困難になり、伸線性が劣化するようになる。
【0027】
前記パテンティング処理は、オーステナイト化温度に加熱保持後、変態温度に冷却保持することによって、組織を微細パーライトにする熱処理である。この処理におけるオーステナイト化温度は850〜1050℃程度とすることが好ましい。850℃未満ではオーステナイト化が困難であるが、1050℃超になると表面スケールの生成や結晶粒の粗大化により伸線性が劣化する。オーステナイト化温度での保持時間については、10〜75秒程度でよい。10秒未満では加熱不足であり、75秒超では表面スケールの生成や結晶粒の粗大化が生じ、やはり伸線性が劣化するようになる。一方、変態温度は550〜565℃程度とすることが好ましい。550℃未満ではベイナイト組織が主体となり、伸線性が劣化する。565℃超ではパーライトの微細化が困難になり、パテンティング処理後の鋼線の強度が低下し、最終伸線後の強度が不足するようになる。550〜565℃の温度にて10〜80秒程度保持することによって、C量に応じて、(540×[C]+1055)℃以上、(540×[C]+1065)℃以下と、鋼線の強度を10MPaの狭幅に安定させることができ、最終伸線における極細線化に対して安定的な操業を可能にすることができる。
【0028】
最終伸線を冷間の湿式伸線によって行うのは、微細パーライトのラメラセメンタイトをアモルファス化するためである。ラメラセメンタイトをアモルファス化するには、真ひずみεが2.0以上の最終伸線を冷却しながら行うことが必要であり、最終伸線として冷間の湿式伸線を適用する。さらに、本発明では、少なくともεが3.0を超えるパスでの加工発熱を極力低減し、アモルファス化を促進するため、それらのパスのダイスを熱伝導性の良好なダイヤモンドダイスとする。
【0029】
また、本発明では、前記少なくともεが3.0を超えるパスでの最終伸線において、ダイヤモンドダイスを用いるほか、下記▲1▼〜▲4▼の4種の伸線条件の内、少なくとも2種を採用する。これは、高速伸線によりダイスと鋼線との摩擦が顕著となる伸線領域での加工発熱によって、アモルファス化したラメラセメンタイトが非アモルファスに変質しないように、また伸線中のひずみ時効を抑制するため、伸線時の冷却を促進するためである。
▲1▼アプローチ角が6〜12度のダイスを使用すること
▲2▼ベアリング部の長さlがベアリング部の内径をdとしたときl=0.3d〜0.5dのダイスを使用すること
▲3▼潤滑液の液温を35±10℃に制御すること
▲4▼減面率を20%以下にすること
なお、前記アプローチ角θとは、図1に示すように、伸線後の線径を決定するダイスのベアリング部(最小孔部)1に鋼線が導入されるテーパ面によって形成されたアプローチ部(リダクション部ともいう。)2の開き角θを意味し、前記ベアリング部の長さとは前記ベアリング部2の伸線方向の長さlを意味する。なお、前記ベアリング部2の内径dは伸線方向に沿って略同寸法に形成されている。
【0030】
本発明では、伸線速度V(m/分)は、このVと最終鋼線の直径D(mm)との積VD(mm・m/分)が200以下、好ましくは150以下、さらに好ましくは100以下に制限する必要がある。VDが200超では、真ひずみが3.0超での伸線において、上記の冷却促進手段を講じても、加工発熱によるアモルファスセメンタイトの分解と、伸線中のひずみ時効を抑制することが困難になる。
【0031】
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
【0032】
【実施例】
下記表1に記載した化学成分の鋼を、転炉出鋼後、二次精錬処理を行って溶製し、連続鋳造法により鋳造した鋳片を分塊圧延してビレットを製造し、線径3.5〜10.0mmに熱間圧延した後、調整冷却を行うことによって熱延線材を製造した。調整冷却はステルモア冷却にて行った。
【0033】
この熱延線材を中間伸線と中間パテンティング処理によって線径1.0〜2.5mmの鋼線を得て、表2に示した条件にて最終パテンティング処理を施し、パテンティング鋼線を得た。パテンティング鋼線の引張強さTSを本発明において規定する上限、下限とともに同表に併せて示す。
【0034】
パテンティング鋼線を酸洗した後、金属潤滑皮膜として表3、表4に示す材質のめっき皮膜を形成し、最終伸線として冷間の湿式伸線を実施して同表に示す最終線径D(mm)の極細鋼線(フィラメント)を得た。同表には最終伸線における伸線速度V(m/分)とDとの積も併記した。湿式伸線においては、真ひずみεが3以下のパスにおいては超硬ダイスを用い、εが3超のパスにおいてはダイヤモンドダイスを用いた。また、εが3超のパスにおける伸線条件を下記▲1▼〜▲4▼、▲1▼’〜▲4▼’のように種々設定した。▲1▼〜▲4▼は本発明を満足する伸線条件であり、▲1▼’〜▲4▼’は比較条件である。表3、表4中、○を付した条件は▲1▼〜▲4▼の条件を採用したことを意味し、○を付していない条件は▲1▼’〜▲4▼’の条件を採用したことを意味する。
・発明伸線条件
▲1▼ダイヤモンドダイスのアプローチ角を8度とすること
▲2▼ダイヤモンドダイスのベアリング長さをその内径dの0.4dとすること
▲3▼湿式伸線に用いる潤滑液の液温を35±5℃に制御すること
▲4▼ダイヤモンドダイスによる伸線の減面率を18%とすること
・比較伸線条件
▲1▼’ダイヤモンドダイスのアプローチ角を14度とすること
▲2▼’ダイヤモンドダイスのベアリング長さをその内径dの0.6dとすること
▲3▼’湿式伸線に用いる潤滑液の液温を15±5℃に制御すること
▲4▼’ダイヤモンドダイスによる伸線の減面率を22%とすること
【0035】
上記の条件にて最終伸線した製品鋼線の組織をTEMにて観察し、半径1.0nmのビーム径で回折パターンを撮ってパーライト組織のラメラセメンタイトの結晶状態を判断した。パターンがハローであればアモルファス化しているものと判断される。また、製品鋼線の引張強さTSを測定するとともに捻回試験を行い、縦割れの発生状態を調べた。捻回試験は、最終伸線直後(最終伸線後5時間)の当初製品鋼線から採取された直径D(mm)×200長さの試験片を用いて、捻回数が30回程度となるまで捻回し、その途中で縦割れが発生したものはそこで試験を中止し、その捻回数で縦割れ発生有りとした。また、縦割れが発生しなかったものについては、その捻回数で縦割れ発生無しとした。さらに30日経過後、引張試験と捻回試験を行い縦割れ発生状況を再度調べた。これらの調査結果を表3、表4に併せて示す。なお、表3、表4には、最終伸線直後の当初製品鋼線が備えるべき本発明の引張強さTSの上限、下限をともに記載した。また、発明例について鋼線の線径Dmmと鋼線強度(引張強さ)MPaとの関係を整理したグラフを図2に、発明例および比較例についてC量mass%と(鋼線強度TS−本発明による鋼線強度の下限値(3500×D-0.145))MPaとの関係を整理したグラフを図3に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003954338
【0037】
【表2】
Figure 0003954338
【0038】
【表3】
Figure 0003954338
【0039】
【表4】
Figure 0003954338
【0040】
表3、表4より、本発明の製造条件を満足して製造され、製品鋼線の引張強さが発明条件範囲内にある試料No. 1〜11(発明例)の鋼線は、捻回数が28回以上でも縦割れが発生せず、また30日経過後においても18回以上の捻回数においても縦割れが発生せず、耐ひずみ時効脆化性に優れることがわかる。
【0041】
一方、比較例の試料No. 21〜28は成分、パテンティング鋼線強度、あるいは真ひずみが3.0超での最終伸線条件が不適であるため、当初の製品鋼線に縦割れが発生するものが多く、縦割れが発生しなかったもの(No. 21,28)でも30日経過後ではわずかの捻回数で縦割れが発生した。また、試料No. 29〜35は、 No. 32の他は成分が発明範囲外であり、また最終伸線の伸線速度が大きいため、製品鋼線のラメラセメンタイトがアモルファスになっておらず、当初には縦割れが多発し、30日経過後ではわずかの捻回数ですべて縦割れが発生した。また、試料No. 37〜39は、成分は発明条件を満足しているものの、No. 37はパテンティング鋼線の強度が低く、かつ伸線速度が大きいため、ラメラセメンタイトがアモルファス化されておらず、製品の強度が所定の範囲内にあるが、製造当初に縦割れが発生しなかったものの、30日経過後には捻回数が10回で縦割れが発生した。また、No. 38および39はパテンティング鋼線の強度が低過ぎるため、製品鋼線の強度が発明範囲未満となり、製造当初には縦割れが発生しなかったが、30日経過後では捻回数11回、16回で縦割れが発生した。
【0042】
【発明の効果】
本発明の高強度鋼線によれば、所定成分、線径の下、パーライト組織中のラメラセメンタイトが分解が抑制されたアモルファスセメンタイトであり、引張強さが線径とC濃度とによって決定される所定の範囲内に設定されているので、最終伸線直後の耐縦割れ性のみならず、放置後の耐縦割れ性にも優れ、高強度でありながら優れた耐ひずみ時効脆化特性を有する。また、本発明の製造方法によれば、前記高強度鋼線を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】伸線ダイスの各部の名称説明図である。
【図2】最終伸線後の本発明にかかる鋼線の線径Dmmと鋼線強度(引張強さ)MPaとの関係を整理したグラフである。
【図3】最終伸線後の鋼線のC量mass%と(鋼線強度TS−本発明による鋼線強度の下限値(3500×D-0.145))MPaとの関係を整理したグラフである。○は最終伸線直後のみならず30日経過後においても鋼線に縦割れが発生しなかったもの、△は最終伸線直後の鋼線には縦割れが発生しなかったが、30日経過には縦割れが発生したもの、×は最終伸線直後の鋼線に縦割れが発生したものを示す。

Claims (6)

  1. 化学成分がmass%で
    C:0.75〜1.20%、
    Si:0.1〜1.5%、
    Mn:0.3〜1.2%、
    P:0.02%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.005%以下、
    N:0.008%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、加工されたパーライト組織を有し、線径D(mm)が0.15〜0.4mmの鋼線であって、
    組織中のラメラセメンタイトが分解が抑制されたアモルファスセメンタイトであり、表層にCu,Ni,Znの1種あるいはこれらの金属の合金を主相とする金属潤滑皮膜を有し、C%を[C]で表したとき、引張強さが 3500×D-0.145MPa以上、(3500×D-0.145+87×[C]-5)MPa以下である、耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れる高強度鋼線。
  2. 化学成分としてさらに
    Ni:0.10〜1.0%、
    Cr:0.10〜1.0%、
    Mo:0.10〜0.5%
    のいずれか1種以上を含有する請求項1に記載した高強度鋼線。
  3. 化学組成としてさらにCu:0.05%以上、0.20%未満を含有する請求項1または2に記載した高強度鋼線。
  4. 化学組成としてさらにCo:2.0%以下を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載した高強度鋼線。
  5. 化学組成としてさらにB:0.0003〜0.0050%を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載した高強度鋼線。
  6. 熱間圧延した鋼線材を伸線し、パテンティング処理し、酸洗し、Cu,Ni,Znの1種あるいはこれらの金属の合金を主相とする金属潤滑皮膜を形成した後、最終伸線によって線径D(mm)を0.15〜0.4mmに伸線する高強度鋼線の製造方法であって、
    前記鋼線材は請求項1〜5のいずれか1項に記載した化学成分を有し、
    前記パテンティング処理はC%を[C]で表したとき、処理後の鋼線の引張強さが(540×[C]+1055)MPa以上、(540×[C]+1065)MPa以下になるように処理条件を調整し、
    前記最終伸線は真ひずみが2.0以上となるパスに対して冷間の湿式伸線を行い、さらに真ひずみεが3.0超となるパスに対してダイヤモンドダイスを使用するとともに下記の▲1▼〜▲4▼に列挙した内、少なくとも2条件を満足させ、
    ▲1▼ダイヤモンドダイスのアプローチ角を6〜12度とすること
    ▲2▼ダイヤモンドダイスのベアリング部の長さがその内径をdとしたとき0.3d〜0.5dとすること
    ▲3▼湿式伸線に用いる潤滑液の液温を35±10℃に制御すること
    ▲4▼ダイヤモンドダイスによる伸線の減面率を20%以下にすること
    前記最終伸線における伸線速度は生産速度をV(m/分)としたとき、線径D(mm)とVとの積DVを200mm・m/分以下とする、高強度鋼線の製造方法。
JP2001272905A 2001-09-10 2001-09-10 耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れる高強度鋼線およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3954338B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001272905A JP3954338B2 (ja) 2001-09-10 2001-09-10 耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れる高強度鋼線およびその製造方法
EP02292034A EP1293582B1 (en) 2001-09-10 2002-08-13 High-strength steel wire excelling in resistance to strain aging embrittlement and longitudinal cracking, and method for production thereof
US10/226,137 US6800147B2 (en) 2001-09-10 2002-08-23 High-strength steel wire excelling in resistance to strain aging embrittlement and longitudinal cracking, and method for production thereof
KR10-2002-0054286A KR100503545B1 (ko) 2001-09-10 2002-09-09 고강도 강선 및 그 제조 방법
CNB02141680XA CN1143903C (zh) 2001-09-10 2002-09-10 抗应变时效脆裂和抗纵向裂纹的高强度钢丝及其制作方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001272905A JP3954338B2 (ja) 2001-09-10 2001-09-10 耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れる高強度鋼線およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003082437A JP2003082437A (ja) 2003-03-19
JP3954338B2 true JP3954338B2 (ja) 2007-08-08

Family

ID=19098197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001272905A Expired - Fee Related JP3954338B2 (ja) 2001-09-10 2001-09-10 耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れる高強度鋼線およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6800147B2 (ja)
EP (1) EP1293582B1 (ja)
JP (1) JP3954338B2 (ja)
KR (1) KR100503545B1 (ja)
CN (1) CN1143903C (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4248790B2 (ja) 2002-02-06 2009-04-02 株式会社神戸製鋼所 メカニカルデスケーリング性に優れた鋼線材およびその製造方法
JP4088220B2 (ja) * 2002-09-26 2008-05-21 株式会社神戸製鋼所 伸線前の熱処理が省略可能な伸線加工性に優れた熱間圧延線材
US6949149B2 (en) 2002-12-18 2005-09-27 The Goodyear Tire & Rubber Company High strength, high carbon steel wire
JP3983218B2 (ja) 2003-10-23 2007-09-26 株式会社神戸製鋼所 延性に優れた極細高炭素鋼線およびその製造方法
JP4788861B2 (ja) * 2003-11-28 2011-10-05 ヤマハ株式会社 楽器弦用鋼線およびその製造方法
JP2005206853A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Kobe Steel Ltd 伸線加工性に優れた高炭素鋼線材およびその製造方法
JP4495668B2 (ja) * 2004-11-19 2010-07-07 株式会社神戸製鋼所 高耐食性鋼材
US7717976B2 (en) * 2004-12-14 2010-05-18 L&P Property Management Company Method for making strain aging resistant steel
DE602005019268D1 (de) * 2004-12-22 2010-03-25 Kobe Steel Ltd Hochkohlenstoff Stahldraht mit hervorragenden Zieheigenschaften und Verfahren zu seiner Herstellung
CN101208446B (zh) * 2005-06-29 2012-07-04 新日本制铁株式会社 拉丝性能优异的高强度线材及其制造方法
JP5162875B2 (ja) * 2005-10-12 2013-03-13 新日鐵住金株式会社 伸線特性に優れた高強度線材およびその製造方法
JP5108284B2 (ja) * 2005-12-14 2012-12-26 住友電工スチールワイヤー株式会社 ばね用鋼線
JP2008069409A (ja) 2006-09-14 2008-03-27 Bridgestone Corp 高強度高炭素鋼線およびその製造方法
EP2351621B1 (en) * 2008-10-30 2014-12-10 Bridgestone Corporation Carbon steel wire with high strength and excellent ductility and fatigue resistance, process for producing same, and method of evaluation
KR101470720B1 (ko) 2010-04-01 2014-12-08 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 신선 가공성 및 신선 후의 피로 특성이 우수한 고탄소강 선재
CN102847734B (zh) * 2011-06-28 2014-12-10 宝钢特钢有限公司 一种冷挤压用18CrNi8盘卷冷拔材制造方法及其产品
WO2013189082A1 (en) * 2012-06-21 2013-12-27 Nv Bekaert Sa Sawing wire with bare steel surface and method to make the same
CN102861782B (zh) * 2012-10-31 2015-07-01 东莞市科力钢铁线材有限公司 一种螺丝线材的制造工艺
KR101461724B1 (ko) * 2012-11-27 2014-11-14 주식회사 포스코 고강도 강선
CN104233097B (zh) * 2014-09-03 2017-02-15 马钢(集团)控股有限公司 制造智能坚强电网高强度钢绞线用热轧盘条及其生产方法
JP6347311B2 (ja) * 2016-03-28 2018-06-27 新日鐵住金株式会社 耐遅れ破壊特性に優れた鋼線
CN108489850B (zh) * 2018-02-28 2021-04-13 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 一种测定盘条氧化皮剥离率的方法
CN110918665B (zh) * 2019-12-18 2021-09-07 长沙新材料产业研究院有限公司 一种高稀土含量铝合金丝材拉拔模具
KR102326241B1 (ko) * 2019-12-20 2021-11-16 주식회사 포스코 초고강도 타이어코드용 선재, 강선 및 이들의 제조방법
CN111672918A (zh) * 2020-06-01 2020-09-18 江阴市利盟金属制品有限公司 一种机动车用高强度软轴芯拉丝工艺
CN114657471B (zh) * 2022-03-27 2022-12-23 中天钢铁集团有限公司 一种低碳节能的≥2060MPa级桥梁缆索用盘条的生产方法
CN116657062B (zh) * 2023-07-31 2023-10-10 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 深拉拔用盘条及其制备方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2735647B2 (ja) * 1988-12-28 1998-04-02 新日本製鐵株式会社 高強度高延性鋼線材および高強度高延性極細鋼線の製造方法
DE69124997T2 (de) * 1990-11-19 1997-06-12 Nippon Steel Corp Feinstahldraht höchster Zugfestigkeit mit hervorragender Verarbeitbarkeit beim Verseilen und Verfahren
EP0493807B1 (en) * 1990-12-28 1996-01-31 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Steel cord for reinforcement of rubber articles, made from steel wires with high strength and high toughness, and process for manufacturing the same
JPH0699746A (ja) 1992-09-21 1994-04-12 Kurashiki Kako Co Ltd 排気管支持装置
JP2500786B2 (ja) * 1992-11-16 1996-05-29 株式会社神戸製鋼所 熱間圧延鋼線材、極細鋼線および撚鋼線、並びに極細鋼線の製造法
CN1043062C (zh) * 1994-03-28 1999-04-21 新日本制铁株式会社 疲劳性能优良的高强度钢线材及高强度钢丝
JPH0999312A (ja) 1995-10-05 1997-04-15 Nippon Steel Corp 延性に優れた高強度極細鋼線の製造方法
US5776267A (en) * 1995-10-27 1998-07-07 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Spring steel with excellent resistance to hydrogen embrittlement and fatigue
JP3429155B2 (ja) * 1996-09-02 2003-07-22 株式会社神戸製鋼所 高強度高靭性鋼線及びその製造方法
JP3429178B2 (ja) 1998-01-12 2003-07-22 株式会社神戸製鋼所 捻回特性に優れた鋼線と伸線加工用鋼材及びその製造方法
JP3814070B2 (ja) 1998-01-20 2006-08-23 新日本製鐵株式会社 高強度極細鋼線およびその製造方法
JP3277878B2 (ja) 1998-03-26 2002-04-22 住友金属工業株式会社 伸線強化型高強度鋼線材およびその製造方法
JP3409277B2 (ja) * 1998-05-13 2003-05-26 株式会社神戸製鋼所 非調質ばね用圧延線状鋼または棒状鋼
JP2000063987A (ja) 1998-08-12 2000-02-29 Sumitomo Metal Ind Ltd 伸線加工性に優れた高炭素鋼線材
KR100368530B1 (ko) * 1998-12-21 2003-01-24 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 가공성이 우수한 스프링용 강
JP3435112B2 (ja) * 1999-04-06 2003-08-11 株式会社神戸製鋼所 耐縦割れ性に優れた高炭素鋼線、高炭素鋼線用鋼材およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20030066575A1 (en) 2003-04-10
JP2003082437A (ja) 2003-03-19
KR20030022715A (ko) 2003-03-17
EP1293582A3 (en) 2003-07-02
US6800147B2 (en) 2004-10-05
CN1143903C (zh) 2004-03-31
EP1293582A2 (en) 2003-03-19
CN1405350A (zh) 2003-03-26
KR100503545B1 (ko) 2005-07-25
EP1293582B1 (en) 2004-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3954338B2 (ja) 耐ひずみ時効脆化特性および耐縦割れ性に優れる高強度鋼線およびその製造方法
US8168011B2 (en) High-strength steel wire excellent in ductility and method of manufacturing the same
EP2090671B1 (en) High-strength wire rod excelling in wire drawability and process for producing the same
EP2557191B1 (en) Wire material for saw wire and method for producing same
EP1559805A1 (en) High carbon steel wire rod superior in wire-drawability and method for producing the same
JP3997867B2 (ja) 鋼線材とその製造法及び当該鋼線材を用いる鋼線の製造法
JP6065121B2 (ja) 高炭素熱延鋼板およびその製造方法
JP5201009B2 (ja) 高強度極細鋼線用線材、高強度極細鋼線、及び、これらの製造方法
CA2980886A1 (en) High-carbon steel wire material with excellent wire drawability, and steel wire
WO2015146173A1 (ja) 高炭素熱延鋼板およびその製造方法
JP4646850B2 (ja) 耐カッピー断線性に優れた高炭素鋼線材
JP5201000B2 (ja) 高強度鋼線用線材、高強度鋼線及びこれらの製造方法
JP5304323B2 (ja) 高強度鋼線用線材、高強度鋼線及びこれらの製造方法
JPH11199977A (ja) 伸線加工性に優れた線材
JP2001181789A (ja) 伸線加工性に優れた細径高炭素鋼熱間圧延線材
JP3536684B2 (ja) 伸線加工性に優れた鋼線材
JP4267375B2 (ja) 高強度鋼線用線材、高強度鋼線およびこれらの製造方法
JP3277878B2 (ja) 伸線強化型高強度鋼線材およびその製造方法
JP4180839B2 (ja) 中炭素鋼高強度鋼線の製造方法
JP3428502B2 (ja) 鋼線材、極細鋼線及び撚鋼線
JP2002212676A (ja) ワイヤソー用鋼線およびその製造方法
JPH075992B2 (ja) 高強度鋼線の製造方法
JP2000063987A (ja) 伸線加工性に優れた高炭素鋼線材
JP2002256391A (ja) ワイヤソー用鋼線およびその製造方法
JP3341300B2 (ja) 高強度・高延性鋼線用高炭素鋼線材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3954338

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees