JP3951595B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の大きさにカットされた用紙等、シート状の記録媒体に、画像形成部にて画像を記録する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置は、電子写真方式のもの、インクジェット方式のもの、熱転写方式のもの等、様々なタイプのものが用いられているが、多くは所定の大きさにカットされた用紙等のシート状の記録媒体上に、画像形成部にて文字、図画等の画像が形成される。
【0003】
例えはインクジェット方式や熱転写方式では、デジタル信号に基づいて用紙等の上に画像が形成される。
【0004】
また、電子写真方式や、静電記録方式では、像担持体上の静電潜像にトナーを付与することによって画像が形成され、このトナー像が用紙等の上に転写・定着される。
【0005】
このように画像が付与される用紙等は、一般に画像形成装置内に設けられた給紙装置に積層して貯蔵され、ここから一枚ずつ順次供給されるものとなっている。
【0006】
上記給紙装置内に貯蔵される用紙等は適宜に補給が必要となり、この補強を容易に行うことができるように、装置本体と着脱が可能なカセットとなった用紙トレイが用いられ、この用紙トレイに用紙等が補給され、貯蔵される。
【0007】
このような用紙トレイは、一つの画像形成装置に一つだけが設けられるものもあるが、サイズの異なる用紙を選択して画像の付与を行うために、二つ以上のカセットが併設されるものも多い。
【0008】
また、様々なサイズ及び種々の用紙を任意に使用するのに便利な手差しトレイが併設されている画像形成装置もある。
【0009】
用紙トレイ又は手差しトレイから用紙等を一枚ずつ取り出し、画像が付与される位置に順次送り出す機構を備えた画像形成装置の一般的なものとして、図8に示す構造の画像形成装置がある。
【0010】
図8に示す画像形成装置200では、手差しトレイ202の下側にカセット式の用紙トレイ204、206が配置されている。
【0011】
手差しトレイ202の奥側には、半月ロール210及び捌き部材212が設けられている。半月ロール210は、手差しトレイ202に収容された最上部の用紙Pの上面に当接され、回転することによって最上部の用紙Pをレジストロール214に向けて送り出す。
【0012】
また、手差しトレイ202の下方には、カセット式の用紙トレイ204、206が配置されている。用紙トレイ204の用紙は、給紙ロール216によりレジストロール214に向けて送り出され、用紙トレイ206の用紙は、給紙ロール218によりレジストロール214に向けて送り出される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような画像形成装置200において、以下のような問題がある。
【0014】
この画像形成装置200では、レジストロール214の斜め下方に、半月ロール210で搬送されてきた用紙及び、給紙ロール216で搬送されてきた用紙Pをレジストロール214へ向けてガイドするガイド部材220が固定的に配置されているため、レジストロール214付近で用紙Pの搬送不良(ジャミングとも呼ばれる。)が生じた場合、本体内部からの用紙除去が出来ない問題があった。
【0015】
用紙挿入口から装置内部を覗くことも可能であるが、用紙Pはガイド部材220等により殆ど隠れてしまうため、どの部位で用紙Pが詰まっているかが判断しづらかった。
【0016】
用紙Pの搬送経路を図8の画像形成装置のようないわゆるCパスレイアウトとした場合、レジストロール214の上方には現像装置18が配置されることになり、現像装置18のトナーの有無を検出するトナーセンサー222が、現像装置18の下方、即ち、レジストロール214の下方に位置する用紙搬送経路の装置前面側に配置されることになり、このトナーセンサー222の配置も用紙除去を困難にしている原因となっていた。
【0017】
【0018】
例えば、用紙トレイ204を引き抜き、用紙トレイ204を引き抜いた後の開口部分より用紙Pの後端が見えれば、用紙Pの除去も可能であるが、搬送方向の長さが短い用紙Pや、用紙Pが蛇腹状に圧縮された状態となっている場合には、用紙Pの除去は困難である。
【0019】
【0020】
本願に係る発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像形成装置内、特にはレジストロール付近で搬送不良を生じた用紙を簡単に除去可能とすることである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、用紙を積載する用紙トレイと、前記用紙トレイよりも上方に配置され、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、装置内部に設けられ、前記用紙トレイに収容された用紙に当接して前記用紙を送り出す給紙ロールと、前記給紙ロールよりも用紙搬送方向下流側に配置され、前記給紙ロールで搬送された前記用紙を前記画像形成部へ搬送するレジストロールと、前記レジストロールよりも用紙搬送方向上流側に設けられ、前記積載された用紙の上面側をガイドする上面側ガイド部材と、前記用紙トレイ、前記給紙ロール、前記レジストロール及び前記上面側ガイド部材を収容し、少なくとも一部を開放可能な本体カバーと、を備え、前記画像形成部の少なくとも一部は、前記本体カバーの少なくとも一部が開放された開口部分を介して装置内部より取り外し可能に設けられており、前記上面側ガイド部材は、前記画像形成部の少なくとも一部が取り外された空間から目視可能な状態に配置され、前記用紙をガイド可能な第1の位置と、前記空間から操作されて前記レジストロールよりも用紙搬送方向上流側の用紙搬送経路を開放可能とする第2の位置と、の間を相互に移動可能に設けられていることを特徴としている。
【0022】
次に、請求項1に記載の画像形成装置の作用を説明する。
【0023】
給紙ロールは、用紙トレイ内に積層して収容された最上部の用紙に当接し、レジストロール側へ搬送する。このとき、用紙は第1の位置に配置された上面側ガイド部材によりレジストロール側にガイドされる。
【0024】
用紙がレジストロールへ搬送されると、用紙はレジストロールにより画像形成部へ搬送される。
【0025】
その後、画像形成部で用紙に画像が形成される。
【0026】
ここで、用紙が何らかの原因によりレジストロールの手前で詰まる等の搬送不良を生じた場合には、本体カバーの内部を開放可能な部分から画像形成部の少なくとも一部を取り外す。
【0027】
これにより、レジストロールの上方には、画像形成部の少なくとも一部を取り外した空間があくので、上面側ガイド部材が目視可能になると共に手で操作可能となる。
【0028】
上面側ガイド部材を第2の位置に変更すると、給紙ロールとレジストロールとの間の用紙搬送経路が空間に向けて開放されるので、レジストロールの手前で搬送不良を生じた用紙を容易に取り除くことができる。
【0029】
なお、画像形成部は装置の上部に設けられることになるので、画像形成部近傍の本体カバーの上方が開放可能となり、装置を壁際に配置したような場合においても、装置を移動することなく搬送不良を生じた用紙を取り除くことができる。
【0030】
なお、少なくとも一部から内部を開放可能な本体カバーとは、例えば、本体カバーに予め設けておいた開口部分に開閉可能な扉を設けた構造、本体カバーの一部分を着脱可能とした構造等のことである。なお、本体カバー全体を着脱可能としても良いのは勿論である。
【0031】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像形成部は、像担持体と、像担持体上に形成された潜像をトナーで現像することでトナー画像を形成する現像手段とを少なくとも備え、前記上面側ガイド部材は、前記現像手段のトナーの有無を検出可能なトナーセンサーを有していることを特徴としている。
【0032】
次に、請求項2に記載の画像形成装置の作用を説明する。
【0033】
請求項2に記載の画像形成装置では、上面側ガイド部材を第2の位置に移動する際に、トナーセンサーも用紙搬送経路から離れ、用紙の除去作業を邪魔することが無い。
【0034】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記上面側ガイド部材の近傍に、前記上面側ガイド部材の下方から進入する用紙を前記上面側ガイド部材側へガイドする第2のガイド部材を設けたことを特徴としている。
【0035】
次に、請求項3に記載の画像形成装置の作用を説明する。
【0036】
請求項3に記載の画像形成装置では、上面側ガイド部材の近傍に、上面側ガイド部材の下方から進入する用紙を上面側ガイド部材側へガイドする第2のガイド部材を設けたので、例えば、用紙トレイの下方に第2、第3の用紙トレイを設けて、第2、第3の用紙トレイの用紙を上面側ガイド部材側へガイドしたり、或は、画像形成装置に用紙の反転を行う用紙反転装置を連結した際に、用紙反転装置と上面側ガイド部材との間で用紙を行き来させることが可能となる。
【0037】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記第2のガイド部材は、前記用紙をガイド可能な第1の位置と、前記画像形成部の少なくとも一部が取り外された空間から操作されて前記第2のガイド部材に面する用紙搬送経路を開放可能とする第2の位置との間を相互に移動可能に設けられている、ことを特徴としている。
【0038】
次に、請求項4に記載の画像形成装置の作用を説明する。
【0039】
第2のガイド部材が第1の位置にある場合には、用紙をガイド可能な状態となる。
【0040】
次に、第2のガイド部材が第2の位置にある場合には、第2のガイド部材に面する用紙搬送経路が画像形成部側へ向けて開放するので、画像形成部の少なくとも一部を取り外すことにより、第2のガイド部材付近で搬送不良を生じた用紙を容易に除去することができる。
【0041】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記上面側ガイド部材は、前記レジストロールを回転中心として、回動自在に設けられていることを特徴としている。
【0042】
次に、請求項5に記載の画像形成装置の作用を説明する。
【0043】
請求項5に記載の画像形成装置では、上面側ガイド部材がレジストロールを回転中心として回動することで第1の位置から第2の位置へと位置を変えることができる。
【0044】
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記本体カバーの内部を開放可能な前記一部、前記画像形成部、前記上面側ガイド部材及び前記第2のガイド部材が、略一直線上に配置されていることを特徴としている。
【0045】
次に、請求項6に記載の画像形成装置の作用を説明する。
【0046】
請求項6に記載の画像形成装置によれば、本体カバーの内部を開放可能な一部、前記画像形成部、上面側ガイド部材及び第2のガイド部材が、略一直線上に配置されているので、画像形成部を取り外し、上面側ガイド部材及び第2のガイド部材を各々第2の位置に移動することにより、一番奥側に位置する第2ガイド部材の搬送経路までを一度に見渡すことが可能となり、第2ガイド部材の搬送経路で搬送不良を生じた用紙を容易に除去することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置の一実施形態を図1乃至図7にしたがって説明する。
【0048】
図2に示すように、この画像形成装置10は、一様に帯電した後、像光を照射することにより表面に静電潜像が形成される像担持体(いわゆる感光ドラム)12と、像担持体12の表面を一様に帯電する帯電装置14と、画像データに基づいて像担持体12に優光を照射し静電電位の差による潜像を形成する像書き込み装置16と、前記潜像にトナーを選択的に転移して可視化する現像装置18と、用紙搬送路20に沿って供給される記録用紙に像担持体表面のトナー像を転写する転写装置22と、記録用紙上のトナー像を加熱・加圧して印膚させる定着装置24と、トナー像が転写された後の像担持体に残留するトナーを清掃するクリーニング26とを有している。
【0049】
また、画像形成装置10は、本体側面カバー10B及び天板10Aで覆われている。
【0050】
ここで、像担持体12、帯電装置14、現像装置18及びクリーニング26は一つの現像ユニット27として、画像形成装置10の天板10Aを開放することで、装置内部の本体フレーム(図示せず)に対して簡単に着脱可能となっている。
【0051】
なお、天板10Aは、本体側面カバー10Bの矢印B方向側上端角部分に設けた軸10Cを支点として図2の矢印CCW方向に回転させることにより内部を開放する。
【0052】
また、この画像形成装置10の下部には、記録用紙を貯蔵し、これを1枚ずつ送り出す給紙装置28と、給紙装置28から送り出された記録用紙を所定のタイミングでトナー像の転写位置へ搬送するレジストロール30が備えられている。
【0053】
上記像担持体12は、裏面に感光体層を有し、一様に帯電した後の露光により、露光部の電位が減衰するものである。
【0054】
上記帯電装置14は、像担持体12に当接されるロール状の部材であり、これらの間に電圧が印加されることによって、当接部付近の微少間隙内で放電が生し、像担持体12の表面をほぼー様に帯電するものである。
【0055】
帯電装置としては、上記のものの他、電極ワイヤに高電圧を印加し、コロナ放電によって像担持体を帯電するものを用いることもできる。
【0056】
上記像書き込み装置16は、点滅するレーザーを像担持体12の周面に走査させ、画像データに基づいた静電潜像を像担持体12の周面上に形成するものである。
【0057】
なお、後書き込み装置としては、LED等の発光素子を配列し、これらを画像データに基づいて点滅させるものでもよい。
【0058】
上記現像装置18は、像担持体12と近接して対向するように配置された円筒状の現像ロール18Aを有し、この現像ロール18Aと像担持体12との間に現像バイアス電圧が印加される。
【0059】
これにより、現像ロール18Aと像担持体12との間には現像バイアス電界が形成され、電荷を有するトナーが像担持体12上の露光部に転移し、可視像を形成するものである。
【0060】
上記転写装置22は、像担持体12と対向するように設けられたロール状の部材であり、像担持体12との間に転写電界を形成することによって、通過する記録用紙上にトナー像を転移させるものである。
(給紙装置)
上記給紙装置28は、第1の用紙トレイ34と、第1の用紙トレイ34の下側に配置される第2の用紙トレイ36と、上側の用紙トレイ34から用紙を送り出す第1の給紙ロール38及び、下側の用紙トレイ36から用紙を送り出す第2の給紙ロール40と、第1の給紙ロール38に圧接される第1の捌き部材42と、第2の給紙ロール40に圧接される第2の捌き部材44と、用紙トレイ34に回動可能に取り付けられ第1の捌き部材42を支持するホルダー46と、用紙トレイ36に回動可能に取り付けられ第2の捌き部材44を支持するホルダー48とを有している。
【0061】
下側に配置された用紙トレイ36は、カセットとして画像形成装置10の本体フレームに対して着脱可能となっており、用紙が送り出される方向と逆方向(矢印F方向)に引き抜くことができる。
【0062】
また、上側の用紙トレイ34は手差しトレイとなっており、画像形成装置10の矢印F方向側の側部に設けられた開口49から任意の大きさの用紙を簡単に差し入れて用いることが可能となっている。
【0063】
第1の給紙ロール38は、周面の一部か切り欠かれた半月ロールであり、回転駆動されることによって周面が用紙トレイ34に積載した一番上の用紙上面と当接し、一番上の用紙Pを順次送り出すものである。
【0064】
第1の捌き部材42は、用紙トレイ34に回動可能に取り付けられたホルダー46に支持されており、バネ等の弾性部材によって第1の給紙ロール38に向けて付勢されている。
【0065】
また、この第1の給紙ロール38の軸50には、コアロール52が自由に回転可能となるように支持されている。
【0066】
第1の捌き部材42は、常にコアロール52に当接されており、第1の給紙ロール38によって送り出される用紙Pがレジストロール30にて搬送されるときに、積層されている下側の用紙Pが上側の用紙Pに追走するのを防止する。
【0067】
第2の捌き部材44は、用紙トレイ36に回動可能に取り付けられたホルダー48に支持されており、バネ等の弾性部材によって第2の給紙ロール40に向けて付勢されている。
【0068】
なお、第2の給紙ロール40の軸54にも、第1の給紙ロール38の軸50と同様のコアロール56が設けられている。
【0069】
第2の捌き部材44は、常にコアロール56に当接されており、第2の給紙ロール40によって送り出される用紙Pがレジストロール30にて搬送されるときに、積層されている下側の用紙Pが上側の用紙Pに追走するのを防止する。
【0070】
第1の給紙ロール38は、用紙トレイ34の装置奥側(矢印B方向側)の端部の上方に設けられており、用紙トレイ34に収容された用紙Pが当接可能な位置に設けられている。第1の給紙ロール38は、後述する制御装置89で制御される図示しないモータで回転される。
【0071】
また、第2の給紙ロール40は、用紙トレイ36の装置奥側(矢印B方向側)の端部の上方に設けられており、用紙トレイ36に収容された用紙Pが当接可能な位置に設けられている。第2の給紙ロール40は、後述する制御装置89で制御される図示しないモータで回転される。
【0072】
図3に示すように、第1の給紙ロール38の矢印B方向側には、矢印B方向側に配置されるロール30Aと、矢印F方向側に配置されロール30Aに圧着するロール30Bとから構成されたレジストロール30が配設されている。
【0073】
これらのロール30A及びロール30Bは、後述する制御装置89で制御される図示しないモータで回転される。
【0074】
なお、第2の給紙ロール40は、第1の給紙ロール38とレジストロール30との間に配置されている。
【0075】
ここで、第1の給紙ロール38と第1の捌き部材42との捌き部(接触部)を通る第1の接線L1と、第2の給紙ロール40と第2の捌き部材44との捌き部(接触部)を通る第2の接線L2との間に、レジストロール30のロール30Aとロール30Bのニップ点を配置することが好ましいが、第1の接線L1よりも若干上方へ突出しても良い。
【0076】
本実施形態では、レジストロール30は、第1の給紙ロール38の上端を通る水平線L3よりも下側に配置されている。
【0077】
また、第2の給紙ロール40は、第1の給紙ロール38とレジストロール30の水平方向の間に配設されている。
【0078】
上記のような位置関係を保ちつつ、第1の給紙ロール38、第2の給紙ロール40及びレジストロール30をできるだけ接近させて配置することにより、給紙装置28の高さ寸法(矢印U方向及び矢印D方向の寸法)及び奥行き寸法(矢印F方向及び矢印B方向の寸法)を最小限に抑えた合理的な配置が可能となる。
【0079】
また、本実施形態では、レジストロール30のロール30Aとロール30Bのニップ点から第2の給紙ロール40と第2の捌き部材44とのニップ点までの距離を、レジストロール30のロール30Aとロール30Bのニップ点から第1の給紙ロール38と第1の捌き部材42とのニップ点までの距離よりも小さく設定されている。
【0080】
図1,4に示すように、レジストロール30のロール30Bの軸30Baには、リング57を介して回動可能かつ着脱可能に上側ガイドアッシー58が取り付けられている。
【0081】
上側ガイドアッシー58の用紙幅方向両側(図1では、紙面表裏方向)には、略C字形状の軸受59が形成されており、この軸受59を弾性変形させることにより軸30Baに対して上側ガイドアッシー58を着脱可能としている。
【0082】
上側ガイドアッシー58は、第1の給紙ロール38から送り出された用紙Pの(積載時の)下面側をガイドするガイド面60と、第1の給紙ロール38から送り出された用紙Pの(積載時の)上面側をガイドするガイド面62と、第2の給紙ロール40から送り出された用紙Pの(積載時の)上面側をガイドするガイド面64を備えている。
【0083】
図1,4には、画像形成装置10の通常状態における上側ガイドアッシー58が示されている。
【0084】
図1に示すように、ガイド面60は、第1の給紙ロール38側に形成され用紙搬送方向に沿った断面形状が略直線状とされた直線部60Aと、この直線部60Aのレジストロール30側に形成され用紙搬送方向に沿った断面形状が凸円弧状に形成された第1円弧部60Bと、第1円弧部60Bのレジストロール30側に形成され用紙搬送方向に沿った断面形状が凹円弧状に形成された第2円弧部60Cとを備えている。
【0085】
一方、ガイド面62は、ガイド面60に対向して設けられており、ガイド面60の直線部60Aの一部分及び第1円弧部60Bとに略対向する位置に用紙搬送方向に沿った断面形状が略直線状の上側平面部62Aを備えており、この上側平面部62Aのレジストロール30側には第2円弧部60Cと対向する位置に用紙搬送方向に沿った断面形状が凸円弧状に形成された円弧部62Bを備えている。
【0086】
なお、ガイド面60とガイド面62との間は、レジストロール30に向けて間隔が徐々に狭くなり、第1の給紙ロール38で搬送された用紙Pをレジストロール30に向けてガイドする搬送経路65となっている。
【0087】
また、上側ガイドアッシー58には、ガイド面64の下端に小径のコロ66が回転自在に設けられている。このコロ66は、搬送される用紙Pに接触することにより回転する。
【0088】
また、上側ガイドアッシー58の上部には、現像ユニット27に設けられた現像装置18内のトナーの有無を検出可能な、トナーセンサー(磁気センサー)90が取り付けられている。
【0089】
次に、図3に示すように、画像形成装置10の本体フレーム側には、上側ガイドアッシー58の矢印B方向側に、固定ガイド面68が設けられている。
【0090】
固定ガイド面68は、ガイド面64と対向する位置に設けられる略鉛直な鉛直面部68Aと、鉛直面部68Aの上端に滑らかに繋がる矢印B方向側の斜め上方に向かって延びる傾斜部68Bと、鉛直面部68Aの下端に滑らかに繋がる紙搬送方向に沿った断面形状が下方に凸形状とされた円弧部68Cを備えている。
【0091】
固定ガイド面68とガイド面64との間は、下側から搬送されてきた用紙Pをレジストロール30に向けてガイドする搬送経路69となっている。
【0092】
固定ガイド面68には、鉛直面部68Aと傾斜部68Bとの接続部分に、小径のコロ70が回転自在に設けられている。
【0093】
このコロ70は、固定ガイド面68から一部が突出しており、搬送される用紙Pに接触することにより回転する。
【0094】
通常時、この上側ガイドアッシー58は、ガイド面64と鉛直面部68Aとが対向するように(図1,3,4等に示す位置)、図示しないロック爪でロックされている。
【0095】
そして、この上側ガイドアッシー58は、ロック爪のロック解除により、図5に示すように、矢印CCW方向(図5の反時計回り方向)に回転させることができ、これにより、固定ガイド面68の鉛直面部68Aが上方へ向けて大きく露出するようになっている。
【0096】
さらに、画像形成装置10の本体フレーム側には、第2の給紙ロール40の矢印B方向側の斜め下方に、下側ガイドアッシー72が設けられている。
【0097】
図5に示すように、下側ガイドアッシー72は、固定ガイド面68と対向する固定ガイド面72Aと、第2の給紙ロール40より搬送された用紙Pをレジストロール30側へ向けてガイドする用紙搬送方向に沿った断面形状が略凹円弧状に形成された固定ガイド面72Bを備えている。
【0098】
固定ガイド面72Bは、下側ガイドアッシー72の用紙搬送方向とは直交する用紙幅方向(図5の紙面表裏方向)の中央部分にのみ設けられており、固定ガイド面72Bの用紙幅方向両側には、可動ガイド部材74が設けられている。
【0099】
可動ガイド部材74は、下側ガイドアッシー72の軸73に回転可能に取り付けられており、中央部分の固定ガイド面72Aと同一断面形状に形成されたガイド面74Aと、中央部分の固定ガイド面72Bと同一断面形状に形成されたガイド面74Bとを備えている。
【0100】
通常時、この可動ガイド部材74は、固定ガイド面72Bの用紙幅方向の延長線上にガイド面74Aが位置するように図示しないロック機構で固定されている(図2,3,4等参照)。
【0101】
そして、この可動ガイド部材74は、ロック機構のロック解除により、図5に示すように、軸73を回転中心として矢印CW方向(図5の時計回り方向)に回転さることができ、これにより固定ガイド面68と可動ガイド部材74との間を上方へ向けて大きく開口可能となっている。
【0102】
図3,5に示すように、固定ガイド面72Bと第2の給紙ロール40との間、及びガイド面74Bと第2の給紙ロール40との間は、第2の給紙ロール40で搬送された用紙Pをレジストロール30に向けてガイドする搬送経路75となっている。
【0103】
図2,4に示すように、固定ガイド面68の下側には、ガイド面76が設けられている。固定ガイド面68とガイド面76との間は、用紙Pの搬送経路78となっており、搬送経路78の矢印B方向側の端部は装置側面の開口80に連結している。
【0104】
搬送経路78の途中には、用紙Pを搬送する一対のローラ82が設けられている。ローラ82は、図示しないモータにより回転され、用紙Pを矢印B方向及び矢印F方向に搬送可能となっている。
【0105】
なお、この画像形成装置10の後面側(矢印B方向側)には、用紙Pの反転を行う用紙反転装置(図示せず)を連結することが可能であり、搬送経路78は、レジストロール30の逆転によって搬送経路75を逆送された用紙Pを用紙反転装置へガイドし、また、用紙反転装置で反転されて排出された用紙Pを搬送経路75に向けてガイドする役目を有している。
(用紙検出機構)
図1に示すように、上側ガイドアッシー58には、搬送経路65に進入した用紙Pを検出するために用いられる第1のアクチュエータ84と、搬送経路69に侵入した用紙Pを検出するために用いられる第2のアクチュエータ86とが設けられている。
【0106】
第1のアクチュエータ84には軸84Aが一体的に設けられており、この軸84Aが上側ガイドアッシー58の孔(図示せず)に回転可能に挿入されている。このため、第1のアクチュエータ84は軸84Aを回転中心として揺動可能となっている。
【0107】
ここで、第1のアクチュエータ84は、図示しない捩りバネ(一端が上側ガイドアッシー58に、他端が第1のアクチュエータ84に係止されており、捩り力が強い。)によって図1の時計回り方向に付勢されており、通常は、側面が上側ガイドアッシー58に当接して図1で示す位置にある。
【0108】
一方、第2のアクチュエータ86は、図示しない捩りバネ(一端が第1のアクチュエータ84に、他端が第2のアクチュエータ86に係止されおり、捩り力が第1のアクチュエータ84の捩りバネよりも弱い。)によって図1の反時計回り方向に付勢されている。
【0109】
なお、第2のアクチュエータ86には、突起86Aが一体的に形成されており、通常時は、この突起86Aが、第1のアクチュエータ84に一体的に形成された突起84Bに当接することで、図1に示す位置にある。
【0110】
本体フレーム側の固定ガイド面68には、透過型の光センサー88が設けられている。なお、光センサー88は、装置全体を制御するための制御装置89(図2参照)に接続されている。
【0111】
通常時、第2のアクチュエータ86は、搬送経路69を横断して先端部分が光センサー88の光ビームを遮っている。
【0112】
用紙Pが第2のアクチュエータ86に当接し、第2のアクチュエータ86が図1の時計回り方向に回転して光センサー88の光ビームが透過すると、用紙Pが搬送経路69に進入したことを検出できる。
【0113】
また、用紙Pが第1のアクチュエータ84に当接し、第1のアクチュエータ84が図1の反時計回り方向に回転すると、第1のアクチュエータ84と共に 第2のアクチュエータ86が図1の反時計回り方向に回転し、光センサー88の光ビームが透過することにより用紙Pが搬送経路65に進入したことを検出できるようになっている。
(作用)
次に、本実施形態の画像形成装置10の作用を説明する。
【0114】
先ず最初に、第1の用紙トレイ34に積載された用紙Pの搬送について説明する。
【0115】
図6に示すように、第1の給紙ロール38が矢印CW方向に回転すると、第1の給紙ロール38の外周面に接触した最上部の用紙Pが搬送経路65に向けて搬送される。
【0116】
なお、第1の捌き部材42(第2の捌き部材44も同様)は、従来通り用紙Pとの摩擦が大きい材料で形成されており、用紙Pが重なっているときの用紙間の摩擦力より大きな摩擦力で下側の用紙Pの走行を抑止するので、上側の用紙Pのみが搬送される。
【0117】
更に第1の給紙ロール38が矢印CW方向に回転して、用紙Pが搬送経路65に進入すると、先端が上側のガイド面62(上側平面部62A及び又は円弧部62B)にガイドされて用紙Pの搬送方向が斜め下方に変更され、さらに用紙Pが搬送されると用紙Pの先端が下側のガイド面60(第2円弧部60C)にガイドされて斜め上方に搬送方向が変更され、ロール30Aとロール30Bとの間に向けて搬送される。
【0118】
なお、第1の給紙ロール38は1回転すると停止する。また、搬送経路65内に用紙Pが進入すると、第1のアクチュエータ84及び第2のアクチュエータ86が回転し、光センサー88の光ビームが透過することにより用紙Pが搬送経路65に進入したことが検出され、所定時間経過後(制御装置89にて予め設定されている。)、レジストロール30が回転する。
【0119】
レジストロール30で挟持された用紙Pは更に上方に搬送され、所定時間経過後(制御装置89にて予め設定されている。)、画像の書き込みが開始される。そして、像担持体12上のトナー像が用紙Pに転写され、定着装置24でトナー像の定着が行われる。
【0120】
次に、第2の用紙トレイ36に積載された用紙Pの搬送について説明する。
【0121】
図7に示すように、第2の給紙ロール40が矢印CW方向に回転すると、第2の給紙ロール40の外周面に接触した最上部の用紙Pが搬送経路75に向けて搬送される。
【0122】
更に第2の給紙ロール40が矢印CW方向に回転して、用紙Pが搬送されると、用紙Pの先端は、固定ガイド面72B及びガイド面74B、固定ガイド面68、ガイド面64の順に接触してガイドされ、最終的にロール30Aとロール30Bとの間に向けられる。
【0123】
なお、第2の給紙ロール40は1回転すると停止する。また、搬送経路69内に用紙Pが進入すると、第2のアクチュエータ86が回転し、光センサー88の光ビームが透過することにより用紙Pが搬送経路69に進入したことが検出され、所定時間経過後、レジストロール30が回転する。
【0124】
レジストロール30で挟持された用紙Pは更に上方に搬送され、像担持体12上のトナー像が転写され、定着装置24でトナー像の定着が行われる。
【0125】
ここで、用紙Pが何らかの原因によりレジストロール30の手前で詰まる等の搬送不良を生じた場合には、天板10Aを開放し、内部から現像ユニット27を取り外す。
【0126】
レジストロール30の上方には、現像ユニット27を取り外した後の空間があくので、ここから上側ガイドアッシー58が容易に操作可能となる。
【0127】
上側ガイドアッシー58を図5に示すように矢印CCW方向(図5の反時計回り方向)に回転させることで、搬送経路65、搬送経路69等のレジストロール30近傍にある用紙Pを上方から目視でき、この用紙P容易に取り除くことができる。なお、トナーセンサー90は上側ガイドアッシー58に取り付けられており、上側ガイドアッシー58と共に退避するので、用紙Pを除去する際に、トナーセンサー90が邪魔になることはない。
【0128】
また、可動ガイド部材74を図5に示すように矢印CW方向(図5の時計回り方向)に回転させることで、搬送経路75及び可動ガイド部材74付近の搬送経路78にある用紙Pを上方から目視でき、この用紙Pを容易に取り除くことができる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の画像形成装置は上記の構成としたので、レジストロールの手前で詰まる等の搬送不良を生じた用紙を容易に除去できる、という優れた効果を有する。
【0130】
請求項2に記載の画像形成装置は上記の構成としたので、トナーセンサーが用紙の除去作業を邪魔することがなくなる、という優れた効果を有する。
【0131】
請求項3に記載の画像形成装置は上記の構成としたので、例えば、用紙トレイの下方に第2、第3の用紙トレイを設けて、第2、第3の用紙トレイの用紙を上面側ガイド部材側へガイドしたり、或は、画像形成装置に用紙の反転を行う用紙反転装置を連結した際に、用紙反転装置と上面側ガイド部材との間で用紙を行き来させることが可能となる、という優れた効果を有する。
【0132】
請求項4に記載の画像形成装置は上記の構成としたので、第2のガイド部材付近で搬送不良を生じた用紙を容易に除去することができる、という優れた効果を有する。
【0133】
請求項5に記載の画像形成装置は上記の構成としたので、上面側ガイド部材を回動させて第1の位置から第2の位置へと容易に位置を変えることができる、という優れた効果を有する。
【0134】
請求項6に記載の画像形成装置は上記の構成としたので、一番奥側に位置する第2ガイド部材の搬送経路で搬送不良を生じた用紙を容易に除去することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の給紙装置の要部を示す拡大断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の給紙装置の上側ガイドアッシー付近を示す側面図である。
【図4】 通常状態の給紙装置を示す概略構成図である。
【図5】 用紙詰まり等のメインテナンス状態の給紙装置を示す概略構成図である。
【図6】 第1の給紙ロールで用紙を搬送し始めた状態を示す給紙装置の要部を示す側面図である。
【図7】 第2の給紙ロールで用紙を搬送し始めた状態を示す給紙装置の要部を示す側面図である。
【図8】 従来の画像形成装置の一例を示す概略図構成である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
10A 天板(本体カバー)
10B 本体側面カバー(本体カバー)
16 像書き込み装置(画像形成部)
18 現像装置(現像手段)
27 現像ユニット(画像形成部)
30 レジストロール
34 用紙トレイ
36 用紙トレイ
38 第1の給紙ロール
40 第2の給紙ロール
58 上側ガイドアッシー(上面側ガイド部材)
74 可動ガイド部材(第2のガイド部材)
90 トナーセンサー
Claims (6)
- 用紙を積載する用紙トレイと、
前記用紙トレイよりも上方に配置され、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
装置内部に設けられ、前記用紙トレイに収容された用紙に当接して前記用紙を送り出す給紙ロールと、
前記給紙ロールよりも用紙搬送方向下流側に配置され、前記給紙ロールで搬送された前記用紙を前記画像形成部へ搬送するレジストロールと、
前記レジストロールよりも用紙搬送方向上流側に設けられ、前記積載された用紙の上面側をガイドする上面側ガイド部材と、
前記用紙トレイ、前記給紙ロール、前記レジストロール及び前記上面側ガイド部材を収容し、少なくとも一部を開放可能な本体カバーと、
を備え、
前記画像形成部の少なくとも一部は、前記本体カバーの少なくとも一部が開放された開口部分を介して装置内部より取り外し可能に設けられており、
前記上面側ガイド部材は、前記画像形成部の少なくとも一部が取り外された空間から目視可能な状態に配置され、前記用紙をガイド可能な第1の位置と、前記空間から操作されて前記レジストロールよりも用紙搬送方向上流側の用紙搬送経路を開放可能とする第2の位置と、の間を相互に移動可能に設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成部は、像担持体と、像担持体上に形成された潜像をトナーで現像することでトナー画像を形成する現像手段とを少なくとも備え、
前記上面側ガイド部材は、前記現像手段のトナーの有無を検出可能なトナーセンサーを有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記上面側ガイド部材の近傍に、前記上面側ガイド部材の下方から進入する用紙を前記上面側ガイド部材側へガイドする第2のガイド部材を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記第2のガイド部材は、前記用紙をガイド可能な第1の位置と、前記画像形成部の少なくとも一部が取り外された空間から操作されて前記第2のガイド部材に面する用紙搬送経路を開放可能とする第2の位置との間を相互に移動可能に設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記上面側ガイド部材は、前記レジストロールを回転中心として、回動自在に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記本体カバーの内部を開放可能な前記一部、前記画像形成部、前記上面側ガイド部材及び前記第2のガイド部材が、略一直線上に配置されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
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