JP3949392B2 - 船外機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水冷式の排気マニフォールドを有するエンジンを搭載した船外機にに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水冷式の排気マニフォールドを有するエンジンを搭載した船外機として、従来実用新案登録第2568292号公報の技術が開示されている。
この技術は、排気通路4a(同公報中における符号を用いる)がエキゾーストガイド4内を通過し、且つ排気通路4aの下部は内側に偏寄するように配設されている構成の開示である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来技術は、エキゾーストガイド4内に形成された排気通路4aは、冷却水通路4bによって冷却されるものある。
冷却水通路4bは、オイルパン3の側方の延長部を利用して閉塞されているが、オイルパン3自体は、エンジン下部に位置決めされているので、開口を閉塞する1つの部品として全体が大きいばかりか、冷却水通路4bを閉塞する際の組立性が悪い。
【0004】
本発明は、以上の課題を解決すべくなされたもので、その目的とする処は、水冷エンジンを搭載した船外機で、排気マニフォールドを水冷する冷却ジャケット部の構造において、マウントケースの冷却ジャケット用開口部をエンジン小ブロックの搭載面とは別に独立したカバー体によって閉塞した構造とし、開口閉塞用の部品として小型化し、且つ閉塞部材の製造性の向上、組立性の向上を図った船外機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1は、燃焼室(19)の一部を構成するシリンダヘッド(13)と及びシリンダブロック(11)を含むエンジン小組体と、前記エンジン小組体を結合、固定する結合面を有し、上面上方に開口する凹部(51)を設けたマウントケース(50)と、前記マウントケース(50)の下面に結合され、その内部に排気膨張室(67)を形成するとともに、駆動軸を収容する本体ケース(60)と、前記燃焼室から前記排気膨張室(67)へ排気を導くための排気通路(41a)であって、前記シリンダヘッド(13)の排気ポート出口に連通する排気マニフォールド(40)と、前記排気マニフォールド(40)とその上部で連通するとともに、前記排気膨張室(67)とその下部で連通する内部通路(54)であって、前記マウントケース(50)内部の凹部(51)に、前記排気マニフォールド(40)との連通部(A)の位置より、前記排気膨張室(67)との連通部(62)の位置が船外機の幅方向の内側に位置するようにして配置され、取り付けられた内部通路(54)であり、前記凹部(51)の開口を被冠して、これに結合され、前記内部通路の周囲に冷却水室(58)を形成するカバー(56)と、
前記冷却水室(58)に冷却水を導入する手段とからなることを特徴とする。
【0006】
請求項1では、マウントケースに設けた上方に開口する凹部によって冷却水室が形成されているので、マウントケースの凹部上をカバーで覆うことで、排気マニフォールドの排気通路の周囲に冷却水室を形成することができ、又マウントケースの凹部上をカバーで覆うので、前記した冷却水室をマウントケースのエンジン結合面とは別個に小さな結合面で形成でき、組立性が良く、又エンジン結合面とは別個に冷却室を設けつつ、マウントケースの構造が簡素なものとすることができる。
【0007】
請求項2は、請求項1において、排気マニフォールド(40)は冷却水ジャケット(42)を有し、前記マウントケース(50)の凹部(51)と該冷却水ジャケット(42)を連通させたことを特徴とする。
請求項2では、マウントケースの凹部に排出される排気マニフォールドの冷却水ジャケットの排水で、排気の冷却を行うことができる。
【0008】
請求項3は、請求項1において、カバー(56)は、前記マウントケース(50)の最外側部を避けた位置で固定ボルトで固定したことを特徴とする。
請求項3では、固定ボルトはマウントケースの最外側部を避けた位置に配置されるので、マウントケースの左右方向への張り出しが回避され、船外機の大型化抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。又図において推進方向の前方をFrで表し、同後方をRrで表した。
図1は、船外機を船体の船尾に取り付けた状態の船外機全体の外観図である。船外機1は、最上部のエンジンを覆うエンジンカバー2、この下方のアンダーカバー3、この下方のエクステンションケース4、この下方の後部にスクリュー6を配置したギヤケース5で外観を構成し、船体100の船尾101にスターンブラケット7を介してチルト動(上下動)及び左右揺動(転舵動)可能に取付、支持されている。エクステンションケース4、ギヤケース5は、本発明の本体ケースを構成するものである。
尚、チルトアップ状態を鎖線で示した。
【0010】
図2は、船外機の上部のエンジンカバーを縦断した側面図、図3は図2の3−3線の図で、図2のうち後述する吸気消音箱35と吸気マニフォールド37を取り外した平面図、図4は図2の要部の拡大縦断側面図である。これ等の図面に従って船外機のエンジンを含む上部構造を説明する。
エンジン10は、シリンダブロック11、前方のクランクケース12、後方のシリンダヘッド13、これの後端部に配設されたシリンダヘッドカバー14等からなる。
【0011】
シリンダブロック11内には、軸線を横向きとした複数シリンダ15…(…は複数を表す。以下同じ)を上下に並行に配置し、内装したピストン16…をコンロッド17…で縦向きのクランクシャフト18に連結したバーチカルエンジンである。
実施の形態では、上下に3個のシリンダを備える3気筒エンジンで、図3に示すように左右に拡開した3個のシリンダからなるシリンダ列を備えたV型6気筒エンジンを搭載する船外機を示す。
以上によりエンジン小組体を構成する。
【0012】
図4に示すように、シリンダヘッド13には、シリンダ15…の天井部を構成する燃焼室19…を備える。燃料室19…には吸気弁20…、排気弁21…、点火プラグ22…を配設し、燃焼室19…の外側には縦向きのカムシャフト23を、これで駆動されるバルブロッカーアームを支持する縦向きのロッカーアームシャフト24を備える。
シリンダブロック11のシリンダ15…周囲には、これを囲むようにシリンダ冷却水ジャケット25が相互に連通するように設けられ、又シリンダヘッド13の燃焼室19周囲にも、シリンダヘッド冷却水ジャケット26が、前記冷却水ジャケット25と連通するように設けられている。
【0013】
クランクケース12の上方に突出したクランクシャフト18の上端部には上下に駆動プーリ27,28を同軸に設け、上部プーリ28をクランクケース12の上部後側に設置した発電機29の被動プーリ30にベルト31を介して連結し、発電機29を駆動する。
下部プーリ27は、ガイドプーリ32…を介して左右のシリンダヘッド13のカムシャフト23,23の上端部に設けたカムシャフトプーリ33,33にベルト34により連結し、カムシャフト23,23を駆動する。
【0014】
以上のベルト・プーリ機構の上方に吸気消音箱35を配設し、吸気消音箱35は吸気口を後方に向けて開口し、吸気口を左右のシリンダ間のVバンク間の上方部に配置したスロットル弁装置36に接続する。
スロットル弁装置36は、左右のシリンダ間のVバンク間の後方に、縦向きに配置した吸気マニフォールド37に接続し、吸気マニホールド37はシリンダヘッド13に形成した吸気通路に接続し、燃料供給系を構成する。吸気はエンジンカバー2の外気取入れ口2aから行なわれる。
【0015】
左右のシリンダブロック11,11の各シリンダヘッド13,13の各外側には、図2に示すように燃焼室19…の各排気通路と接続する排気マニフォールド40を配設する。
排気マニホールド40は、シリンダヘッド13,13の各外側部に一体的に組付けられる本体部41を備え、各本体部41の排気通路41aの周りには冷却水ジャケット42を備えており、燃焼室19…から排出される排気を最上流部分で冷却する。
【0016】
各排気マニフォールド40の本体部41の下部41bは、内部の排気通路が内側に傾斜する。排気マニフォールド40は、左右のシリンダブロック13,13の各外側に設置されているので、左右の本体部41,41の下部41b,41bは、対称的に内側に傾斜している。
これ等排気マニフォールド40,40及び後述する内部通路並びに排気管、排気膨張室等で排気通路構成体を構成する。
【0017】
図5は、左右に配設された排気マニフォールド40の一方の下部及びこれの下部41bと接続する内部通路、並びに排気管、排気膨張室の関係を示す要部拡大縦断面図で船外機の後方から見た図、図6は左右に配設されたシリンダブロックの冷却水排出口及び排気マニフォールド並びに排気膨張室への冷却水の排出系路を示す要部拡大縦断面図で船外機の後方から見た図である。
これ等の図面と前記した図2を参照しつつ説明する。
【0018】
図5に従って説明する。
エンジン10は、クランクケース12、シリンダブロック11、シリンダヘッド13の結合体及びピストン15、クランクシャフト18等かな等るエンジン小組体からなり、これの下方に配置したマウントケース50上に載置され、該マウントケース50の結合面50pに取付、支持されている。オイルパンやマウントケースの一部もエンジン機能を有しているので、上半部を小組体とする。
マウントケース50の左右方向(幅方向)の両側には上方に開口した凹部51を設ける。図は右側を示しているが、左側も対称形状、対称構造である。凹部51は上面開口52が全面的に開口し、内壁51aは略々垂直で、外壁51bは幅方向内方に潜るように弯曲し、底部に環状堤部51cを有する円孔53を備える。
【0019】
前記した排気マニフォールド40の本体部41の下部41bは凹部51の開口52の外側寄り部分に位置し、下部41bの下端部に上下に内外に環状堤部41c,41dを備える。
凹部51内には略横Z字形の中間排気管54を配設し、該排気管54の上部に設けた環状溝部54aに、上方の排気マニフォールド40の本体部41の下部41bの内側環状堤部41cを嵌合する。中間排気管54の下端部には環状溝部54bを備え、且つ内側部分の一部にはボス部54c備える。
中間排気管54の上端開口部54gと上の排気マニホールド40の排気通路41aの下端開口部41eは連通し、連通部Aを形成する。
そして左右に配設された排気マニフォールド40の一方の下部及びこれの下部41bと接続する内部通路、並びに排気管、排気膨張室の関係を示す要部拡大縦断面図で船外機の後方から見た図5で明示されているように、内部通路54は、排気マニフォールド40とその上部で船外機の幅方向の外側寄り部で連通するように配置され、また内部通路54は、排気膨張室67とその下部で連通し、下部の連通部は、マウントケース(50)内部の凹部(51)に、排気マニフォールド(40)との連通部(A)の位置より、排気膨張室(67)との連通部(62)の位置が船外機の幅方向の内側に位置するようにして配置されている。
【0020】
中間排気管54の下端部の環状溝部54bを凹部51の底部の環状堤部51cに嵌合し、これにより中間排気管54で、排気マニフォールド40の本体部41の下部41bと凹部51の底部に設けた円孔53とを連通、接続する。
尚、中間排気管54の前記したボス部54cは、凹部51の底部に設けた段部51d上に係合し、ボルト55で結合し、凹部51内に取付、支持した。
【0021】
凹部51の上面開口52の上にはカバー56を被冠して全面的に閉塞する。カバー56は、一部に前記排気マニフォールド40の本体部41の下部41bの外側環状堤部41d及び中間排気管54の上端部周と嵌合する円孔56aを備え、該円孔56aにこれ等を嵌合し、中間排気管54と排気マニフォールド40との連通を保障する。
カバー56の周辺部にはボス部56bを設け、該ボス部56bの内側部分の一部と凹部51の内壁51aの一部との間にボルト57を縦通し、マウントケース50にカバー56を固定する。
【0022】
ところで、カバー56の凹部51周辺部へのボルト結合部は複数箇所とし、図の右側に想像線(鎖線)で凹部51周辺部の他の一部51eとの結合部を符号56bのボス部、57のボルトで示したが、この結合部は凹部51の外側方ではなく、図の手前、奥並びに左右方向の中間部に設けられており、凹部51の最外側部を回避した部分で結合する。
以上により、中間排気管54で排気マニフォールド40の内部通路を構成し、カバー56で塞がれたマウントケース50の一部に設けた凹部内の空所で中間排気管54を囲む冷却水室58を形成する。
【0023】
マウントケース50の下面にはエクステンションケース4を配置して双方を接合し、マウントケース50の凹部51の外底部59には上方へ潜る凹所59aを設け、この部分を含んでエクステンションケース4の上面と接合する。
60はオイルパンの取付フランジの一部を延長させた排気管64の取付部であって、取付部ケース60の一部には、連通部を構成する通路部62を設けたボス部61を備え、連通部62の上端部は前記した中間排気管54の下流部54fと連通、接続し、連通部62の下端部には排気管64の上端部をスティ65及びボルト66で取り付け、中間排気管54と排気管64とを接続する。
排気管64は、オイルパンの取付フランジの一部を延長した取付部60内の下方に排気を排出し、排気管64周囲の本体ケース60内に空間で、排気膨張室67を構成する。
【0024】
取付部ケース60のボス部61と凹部51の底部59の一部には、一方が下方に潜り、他方が上方に潜った対称的な凹所61aを設け、この部分に後述する水ポンプで汲み上げられる冷却水の通路63を設け、該通路63は連通路68を介して冷却水室58と冷却水通路63とを接続する。
取付部60内は、前記したクランクシャフト18と連結し、前記したスクリュー6を駆動する駆動軸18aが縦通し、該駆動軸18aは、本体ケースを構成するエクステンションケース4、ギヤケース5を通ってギヤケース5内のギヤ機構に導かれる。
【0025】
図6に従って説明すると、エンジン10のシリンダブロック11の最上部のシリンダボア15の冷却水ジャケット25と連通する室25aをサーモスタット71を介して接続金具69及び配管70により前記した排気マニホールド40の冷却水ジャケット42の排水通路72に連通接続する。
これにより、エンジンの冷却水が所定温度を超えたならば、サーモスタット71を開き、冷却水ジャケット25の冷却水を排気マニフォールド40の排水通路72に排出する。
【0026】
排気マニフォールド40の下部には、冷却水ジャケット42と連通する排出通路42aを備え、該排出通路42aは、本体41の下部に設けた排出口42b(パイプ)に連通し、L型ジョイント73を介して前記したマウントケース50の本体ケースに開口する排出通路74に接続する。
図において、82はシリンダブロック11の冷却水ジャケット25の残水を合流して排出する排出パイプで、チューブ81でシリンダブロック11の冷却水ジャケット25に接続されている。
【0027】
図7は、エンジン及び排気系の冷却水回路の模式的説明図である。
冷却水ジャケット25を備えるシリンダブロック11,11の各外側に冷却水ジャケットを備える排気マニフォールド40,40を備える。
下端部の取り水口であるストレーナ75を介してポンプ76により海水等を供給管77により汲み上げ、シリンダブロック11,11の冷却水ジャケット25に通孔25a,25aを介して冷却水を導入し、又連通路68,68を介して冷却水室58,58に冷却水を導入し、排気マニフォールドの内部通路54,54を冷却する。
【0028】
又冷却水室58,58内の冷却水を排気マニフォールド40の冷却水ジャケット42,42に導入し、排気マニフォールド40を冷却する。矢印は冷却水の流れを示し、排気マニフォールド40の冷却水ジャケット42,42は、排気通路を冷却しながら、シリンダヘッド13に流入する。
サーモスタット71後の排水は、排気マニフォールド40の排水通路を通って排気通路の一部を冷却しながら凹部59aから排水される。
【0029】
シリンダブロック11の冷却水ジャケット25,25の残水は、チューブ81,82を経て、水の供給側と接続されているので、水ポンプの停止後は、ストレーナで構成される取り水口75から排水される。
又排気マニフォールド40の冷却水ジャケット42,42の冷却水の排出及びシリンダブロック11,11の冷却水の排出は、前記の排出通路74でなされ、排気膨張室67内に排気とともに冷却後の冷却水を排出し、排気を冷却する。
尚、図7において78はベーパーセパレータで、冷却水の一部を分岐管79を介して周囲に供給し、サブ燃料タンクを冷却するものである。
【0030】
以上におけるマウントケース50の排気通路の組立について説明する。
▲1▼マウントケース50の排気通路の組立。
マウントケース50の凹部51に中間排気管54をセットし、カバー56で凹部51の開口52を覆う。この際、ボルト57…は仮止めとする。
▲2▼:エンジン小組体のマウントケースへの載置。
シリンダブロック、シリンダヘッド、クランクケース等からなる前述のエンジン小組体10aのマウントケース50の結合面50a上に載置し、エンジン小組体10aをマウントケース50の結合面50aに結合する。
▲3▼排気マニフォールドの組付。
シリンダヘッド13に排気マニフォールド40を組み付け、中間排気管54と中心合せを行なって排気マニフォールド40をシリンダヘッド13に固定。前述のカバー56のボルト57…を締め付け、カバー56を固定する。
▲4▼:排気管の取付
最後に排気管44を取付固定する。
以上である。
【0031】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、燃焼室(19)の一部を構成するシリンダヘッド(13)と及びシリンダブロック(11)を含むエンジン小組体と、前記エンジン小組体を結合、固定する結合面を有し、上面上方に開口する凹部(51)を設けたマウントケース(50)と、マウントケース(50)の下面に結合され、その内部に排気膨張室(67)を形成するとともに、駆動軸を収容する本体ケース(60)と、燃焼室から前記排気膨張室(67)へ排気を導くための排気通路(41a)であって、シリンダヘッド(13)の排気ポート出口に連通する排気マニフォールド(40)と、排気マニフォールド(40)とその上部で連通するとともに、排気膨張室(67)とその下部で連通する内部通路(54)であって、マウントケース(50)内部の凹部(51)に、前記排気マニフォールド(40)との連通部(A)の位置より、排気膨張室(67)との連通部(62)の位置が船外機の幅方向の内側に位置するようにして配置され、取り付けられた内部通路(54)であり、凹部(51)の開口を被冠して、これに結合され、内部通路の周囲に冷却水室(58)を形成するカバー(56)と、冷却水室(58)に冷却水を導入する手段とで構成した船外機である。
【0032】
請求項1では、マウントケースに設けた上方に開口する凹部によって冷却水室が形成されているので、マウントケースの凹部上をカバーで覆うことで、排気マニフォールドの排気通路の周囲に冷却水室を形成することができ、又マウントケースの凹部上をカバーで覆うので、前記した冷却水室をマウントケースのエンジン結合面とは別個に小さな結合面で形成でき、組立性が良く、又エンジン結合面とは別個に冷却室を設けつつ、マウントケースの構造が簡素なものとすることができる。
【0033】
又マウントケースに上方に開口する凹部を設け、これをカバーで覆って冷却水室が形成されるので、冷却水室を設けつつマウントケースの構造が簡素なので、高圧鋳造等で成形でき、製造上、コスト上有利である。
又前記した冷却水室は、マウントケースのエンジン結合面とは別個にカバーで覆うことで形成できるので、冷却水室はエンジン結合面とは別個の小さな結合面で形成できる。
更に又排気マニフォールドと連通し、排気膨張室と連通する内部通路の周囲を、カバーで覆ったマウントケースの設けた凹部で構成する冷却水室で囲むので、排気マニフォールドに対しては接続部が内外二重となった構造となるのので、成形誤差や熱による膨張、収縮を吸収することもできる。
【0034】
請求項2では、請求項1において、排気マニフォールド(40)は冷却水ジャケット(42)を有し、前記マウントケース(50)の凹部(51)と該冷却水ジャケット(42)を連通させた。
【0035】
請求項2では、請求項1の効果に加えるに、マウントケースの凹部と排気マニフォールドの冷却水ジャケットを連通させたので、マウントケースの凹部に排出される排気マニフォールドの冷却水ジャケットの排水で、排気の冷却を行うことができる。
【0036】
請求項3では、請求項1において、マウントケース(50)の凹部(51)を塞ぐカバー(56)を、マウントケース(50)の最外側部を避けた位置で固定ボルトで固定した。
【0037】
請求項3では、請求項1の効果に加えるに、固定ボルトはマウントケースの最外側部を避けた位置に配置されることとなるので、ボルト結合部はマウントケースの最外側となることがなく、周囲にボルト結合部を配設しつつ、マウントケースの左右方向への張り出しが回避され、船外機の大型化抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】船外機を船体の船尾に取り付けた状態の船外機全体の外観図
【図2】船外機の上部のエンジンカバーを縦断した側面図
【図3】図2の3−3線の図で、図2のうち吸気消音箱と吸気マニフォールドを取り外して示した平面図
【図4】図2の要部の拡大縦断側面図
【図5】排気マニフォールドの下部及びこれの下部と接続する内部通路、並びに排気管、排気膨張室の関係を示す要部拡大縦断面図
【図6】シリンダブロックの冷却水排出口及び排気マニフォールド並びに排気膨張室への冷却水の排出系路を示す要部拡大縦断面図
【図7】エンジン及び排気系の冷却水回路の模式的説明図
【符号の説明】
1…船外機、 10…エンジン、 11…シリンダブロック、 13…シリンダヘッド、 18a…駆動軸、 19…燃焼室、 40…排気マニフォールド、42…冷却水ジャケット、 50…マウントケース、 51…凹部、 52…開口、 54…内部通路、 56…カバー、 57…ボルト、 58…冷却水室、 60…本体ケース、 67…排気膨張室、 76,77…冷却水室に冷却水を導入する手段。
Claims (3)
- 燃焼室(19)の一部を構成するシリンダヘッド(13)と及びシリンダブロック(11)を含むエンジン小組体と、前記エンジン小組体を結合、固定する結合面を有し、上面上方に開口する凹部(51)を設けたマウントケース(50)と、前記マウントケース(50)の下面に結合され、その内部に排気膨張室(67)を形成するとともに、駆動軸を収容する本体ケース(60)と、前記燃焼室から前記排気膨張室(67)へ排気を導くための排気通路(41a)であって、
前記シリンダヘッド(13)の排気ポート出口に連通する排気マニフォールド(40)と、
前記排気マニフォールド(40)とその上部で連通するとともに、前記排気膨張室(67)とその下部で連通する内部通路(54)であって、前記マウントケース(50)内部の凹部(51)に、前記排気マニフォールド(40)との連通部(A)の位置より、前記排気膨張室(67)との連通部(62)の位置が船外機の幅方向の内側に位置するようにして配置され、取り付けられた内部通路(54)であり、
前記凹部(51)の開口を被冠して、これに結合され、前記内部通路の周囲に冷却水室(58)を形成するカバー(56)と、
前記冷却水室(58)に冷却水を導入する手段と、
からなることを特徴とする船外機。 - 前記排気マニフォールド(40)は冷却水ジャケット(42)を有し、前記マウントケース(50)の凹部(51)と該冷却水ジャケット(42)を連通させたことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
- 前記カバー(56)は、前記マウントケース(50)の最外側部を避けた位置で固定ボルトで固定したことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
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