JP3945064B2 - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃焼状態検出装置に係り、特に、内燃機関の回転数の変動から燃料性状を検出する内燃機関の燃焼状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の通常運転時には、エミッション低減を図るべく、空燃比がリーン側に制御される。しかし、低温運転時には、燃料が気化し難いため、空燃比がリーン側に制御されると、燃焼状態が不安定化してドライバビリティの悪化を招く。そこで、従来より、低温運転時には、吸気弁の開弁期間内に燃料噴射を行う吸気同期噴射制御、燃料噴射量を通常時よりも増加させる噴射量増加制御、あるいは、点火時期を通常時よりも進角させる点火時期進角制御により燃焼状態の安定化を図ることが行われている。以下、低温運転時に燃焼状態の安定化を図るべく実行される上記の制御を、「燃焼安定化制御」と総称する。
【0003】
ところで、内燃機関の燃料として、通常の燃料(軽質燃料)に比べて揮発し難い性質を有する重質燃料が用いられる場合がある。このような重質燃料が用いられた場合にも低温運転時における燃焼安定性を確保できるように重質燃料に適合した条件で燃焼安定化制御が実行されると、軽質燃料が用いられる場合には、排気ガス中のエミッションが増加してしまう。そこで、内燃機関の燃焼状態に基づいて燃料性状を検出し、その結果に応じて燃焼安定化制御を実行する内燃機関の制御装置が開発されている。
【0004】
例えば、特開平4−213057号公報に開示される内燃機関の燃焼状態検出装置では、イグニッションスイッチをオンとして始動することにより機関回転数が上昇し、その後、機関回転数が所定値以下に低下する時点で、その機関回転数を基準値と比較することにより燃料性状を検出しており、外部負荷の作動時には検出を禁止して誤検出を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平4−213057号公報に開示される内燃機関の燃焼状態検出装置では、始動時に機関回転数が上昇し、その後、機関回転数が所定値以下に低下する時点で、その機関回転数が基準値未満のとき重質燃料と判定し、外部負荷がかかったときにはこの検出を禁止しているために、外部負荷がかかったときには重質燃料の検出ができず、燃焼安定化制御を実行できない。この場合、燃焼状態が不安定となるために、アイドル不調が発生したり、ドライバビリティが悪化するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、外部負荷がかかったときに基準値を低い値に切り替えることにより、外部負荷がかかったときに燃料性状の検出ができる内燃機関の燃焼状態検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、
前記機関回転数検出手段で検出された機関回転数を基準値と比較して燃料性状を検出する燃料性状検出手段とを有する内燃機関の燃焼状態検出装置であって、
機関に外部負荷がかかったときに前記基準値を前記外部負荷の種類に応じた低い値に切り替える基準値切替手段を有し、
前記基準値切替手段は、シフトレバーのシフト位置から前記外部負荷を判別し、前記シフトレバーのシフト位置がドライブレンジからニュートラルレンジに切り替わったとき所定時間遅延して前記基準値を切り替える。
【0009】
このように、シフトレバーのシフト位置から前記外部負荷を判別し、前記シフトレバーのシフト位置がドライブレンジからニュートラルレンジに切り替わったとき所定時間遅延して基準値を切り替えるため、さらに精度の良い燃料性状の検出が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の内燃機関の燃焼状態検出装置が適用されるシステムの一実施例の構成図を示す。本システムは内燃機関10を備えている。内燃機関10はECU12により制御される。内燃機関は、シリンダブロック14を備えている。シリンダブロック14の内部には、シリンダ16およびウォータジャケット18が形成されている。ウォータジャケット18には、水温センサ19が配設されている。水温センサ19はウォータジャケット18の内部を流れる冷却水の温度(以下、水温THWと称す)に応じた信号をECU12に向けて出力する。ECU12は水温センサ19の出力信号に基づいて水温THWを検出する。
【0011】
シリンダ16の内部にはピストン20が配設されている。ピストン20は、シリンダ16の内部を、図1における上下方向に摺動することができる。シリンダブロック14の上部には、シリンダヘッド22が固定されている。シリンダヘッド22には、吸気ポート24および排気ポート26が形成されている。
シリンダヘッド22の底面、ピストン20の上面、およびシリンダ16の側壁は、燃焼室28を画成している。上述した吸気ポート24および排気ポート26は、共に燃焼室28に開口している。燃焼室28には、点火プラグ30の先端が露出している。点火プラグ30はECU12から点火信号を供給されることにより、燃焼室28内の燃料に点火する。
【0012】
内燃機関10は、また、吸気弁34及び排気弁36を備えている。吸気弁34排気弁36は、それぞれ、吸気ポート24及び排気ポート26の燃焼室28への開口部に設けられた弁座に離着座することにより、各ポートを開閉させる。
吸気ポート24には、吸気マニホールド38が連通している。吸気マニホールド38には、燃料噴射弁40が配設されている。燃料噴射弁40はECU12から付与される指令信号に応じて燃料を吸気マニホールド38内に噴射する。
【0013】
吸気マニホールド38の上流側には、サージタンク42が連通している。サージタンク42の更に上流側には、吸気管44が連通している。吸気管44には、スロットルバルブ46が配設されている。スロットルバルブ46の近傍には、スロットル開度センサ48が配設されている。スロットル開度センサ48の出力信号はECU12に供給されている。ECU12はスロットル開度センサ48の出力信号に基づいて、スロットル開度を検出する。
【0014】
吸気管44の上流側にはエアフローメータ50が連通している。エアフローメータ50は、その内部を通過する空気の流量に応じた信号をECU12に向けて出力する。ECU12はエアフローメータ50の出力信号に基づいて、内燃機関10の吸入空気量GAを検出する。エアフローメータ50の更に上流側にはエアクリーナ52が連通している。吸気管44にはエアクリーナ52により濾過された外気が流入する。
【0015】
一方、内燃機関の排気ポート26には、排気通路54が連通している。排気通路54には、O 2センサ56が配設されている。O 2センサ56は、排気ガス中に含まれる酸素濃度に応じた信号をECU12に向けて出力する。
排気通路54のO 2センサ56より下流側には、触媒コンバータ58が配設されている。触媒コンバータ58は排気ガスに含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び酸化窒素(NOX)を吸着させることにより排気ガスを浄化する。触媒コンバータ58には、触媒温センサ60が配設されている。触媒温センサ60は触媒コンバータ58の温度(以下、触媒温度Tcと称す)に応じた信号をECU12に向けて出力する。ECU12は、触媒温度センサ58の出力信号に基づいて触媒温度Tcを検出する。
【0016】
内燃機関10は、また、クランク角センサ62を備えている。クランク角センサ62は、内燃機関10が所定のクランク角だけ回転する毎にパルス信号をECU12に向けて出力する。ECU12は、クランク角センサ62の出力信号に基づいて、内燃機関10の回転数(以下、機関回転数NEと称す)を検出する。
ECU12には、また、アイドルスイッチ64が接続されている。アイドルスイッチ64は、アクセル操作が行われているときにオフ状態をとり、アクセル操作が解除されるとオン状態をとるスイッチである。ECU12は、アイドルスイッチ64のオン/オフ状態からアクセル操作の有無を判別する。さらに、ECU12には、車両のエアーコンディッショナーのオン・オフ信号やオートマチック(AT)トランスミッション用シフトレバーのシフト位置(N,D,R等)と、パワーステアリングの油圧ポンプの作動を指示するパワステスイッチの信号と、オルタネータ(交流発電器)の作動を指示する電気負荷スイッチの信号が供給されている。
【0017】
本システムにおいて、内燃機関10の通常運転中は、排気ガス中のエミッション低減を図るべく、空燃比がリーン側に制御される。以下、内燃機関10の通常運転中に実現される上記の制御を「通常制御」と称す。一方、内燃機関10の低温始動時のように、燃焼状態の不安定化が予想される場合には、燃焼安定性を確保すべく、吸気弁の開弁期間内に燃料噴射を行う吸気同期噴射制御、燃料噴射量を通常時よりも増加させる噴射量増加制御、あるいは、点火時期を通常時よりも進角させる点火時期進角制御により燃焼状態の安定化を図ることが行われている。以下、低温運転時に燃焼状態の安定化を図るべく実行される上記の制御を、「燃焼安定化制御」と総称する。
【0018】
以下、本発明の第1実施例においてECU12が実行する処理の内容について図2〜図3を用いて説明する。
図2は、本発明装置において、燃焼安定化制御を開始させるべくECU12が実行するルーチンの第1実施例のフローチャートである。なお、図2に示すルーチン、及び、以下に示す各ルーチンは、何れも、所定時間間隔で起動される定時割り込みルーチンである。図2に示すルーチンが起動されると、先ずステップS10の処理が実行される。
【0019】
ステップS10では、オートマチックトランスミッション用シフトレバーのシフト位置がN(ニュートラル)レンジであるか否かを判別する。その結果、シフト位置がNレンジであればステップS12に進んで、基準回転数enedownに所定値ENEDWNNを設定する。一方、シフト位置がNレンジでなくD(ドライブ)レンジやR(リバース)レンジであればステップS14に進んで、基準回転数enedownに所定値ENEDWNDを設定する。ここで、所定値ENEDWNNは、シフト位置がNレンジの外部負荷がないときに燃料性状検出の基準となる値であり、所定値ENEDWNDは、シフト位置がDレンジやRレンジの外部負荷がかかったときに燃料性状検出の基準となる値であり、図3に一点鎖線で示すように、ENEDWNN>ENEDWNDの関係がある。
【0020】
上記ステップS12,S14の実行後、ステップS16に進んで、クランク角センサ62の出力信号に基づく機関回転数NEが基準回転数enedown以下であるか否かを判別する。この結果、NE≦enedownであれば、燃料性状は重質燃料であるとしてステップS18に進み、ここで、回転低下検出時処理つまり燃焼安定化制御処理を実行して、今回のルーチンを終了する。一方、NE>enedownであれば、燃料性状は軽質燃料であるとしてステップS18をバイパスし、今回のルーチンを終了する。
【0021】
ここで、図3の時刻t0からt1の間は二点差線で示すように、シフト位置がNレンジで機関に外部負荷がかかってない場合は、燃料性状検出の基準回転数enedownが一点鎖線に示すようにENEDWNNであり、実線で示す機関回転数NEがこの値ENEDWNN以下のとき燃焼状態が不安定な重質燃料の検出がなされる。
【0022】
時刻t1を過ぎシフト位置がDレンジとなり機関に外部負荷がかかると、燃料性状検出の基準回転数enedownがENEDWNDとなり、外部負荷がないときのENEDWNNより小さくなる。そして、実線で示す機関回転数NEがこの値ENEDWND以下のとき燃焼状態が不安定な重質燃料の検出がなされる。このため、外部負荷がかかったときにおいても燃料性状検出を正確に行うことができる。そして、この検出結果に基づき外部負荷がかかったときにおいても重質燃料であれば燃焼安定化制御が実行されるため、アイドル不調やドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0023】
なお、ステップS10ではシフト位置がNレンジか否かの他に、エアーコンディッショナーが作動か否かを判別し、Nレンジまたはエアーコンディッショナー非作動であればステップS12に進み、Dレンジまたはエアーコンディッショナー作動であればステップS14に進むように構成し、エアーコンディッショナー作動による定常的な外部負荷の増大に対し、燃料性状検出の基準回転数enedownをENEDWNDとしても良く、さらに、エアーコンディッショナー作動による定常的な外部負荷の増大に対する燃料性状検出の基準回転数enedownをENEDWNDとは異なる値に設定しても良い。このように、外部負荷の種類に応じて燃料性状検出の基準回転数enedown(基準値)を切り替えるため、外部負荷がかかったときにさらに精度の良い燃料性状の検出が可能となる。
【0024】
次に、本発明の第2実施例においてECU12が実行する処理の内容について図4〜図6を用いて説明する。
図4は、本発明装置において、燃焼安定化制御を開始させるべくECU12が実行するルーチンの第2実施例のフローチャートである。図4に示すルーチンが起動されると、先ずステップS20の処理が実行される。
【0025】
ステップS20では、アイドルスイッチ64がオン状態でアイドリング状態か否かを判別する。アイドリング状態であればステップS22に進み、アイドリング状態でなければ今回のルーチンを終了する。ステップS22では、オートマチックトランスミッション用シフトレバーのシフト位置がNレンジであるか否かを判別する。その結果、シフト位置がNレンジであればステップS24に進む。一方、シフト位置がNレンジでなくD(ドライブ)レンジやR(リバース)レンジであればステップS26に進んで、基準回転数enedownに所定値ENEDWNDを設定する。
【0026】
ステップS24では補機駆動カウンタecaminvの値が所定値e以上か否かを判別する。補機駆動カウンタecaminvは、パワーステアリングの油圧ポンプまたはオルタネータ等のオン時に過渡的に大きな外部負荷(突入負荷)がかかりその後収束する種類の補機について、オンした後の時間をカウントしている。ここで、ecaminv≧eの場合にはステップS28で基準回転数enedownに所定値ENEDAMOFを設定し、ecaminv<eの場合にはステップS30で基準回転数enedownに所定値ENEDAMONを設定する。ここで、所定値ENEDAMOF(=ENEDWNN)は、外部負荷がないときに燃料性状検出の基準となる値であり、所定値ENEDAMONは、補機の外部負荷がかかったときに燃料性状検出の基準となる値であり、図6に一点鎖線で示すように、ENEDAMOF>ENEDAMONの関係がある。
【0027】
上記ステップS26〜S30の実行後、ステップS32に進んで、クランク角センサ62の出力信号に基づく機関回転数NEが基準回転数enedown以下であるか否かを判別する。この結果、NE≦enedownであれば、燃料性状は重質燃料であるとしてステップS34に進み、ここで、回転低下検出時処理つまり燃焼安定化制御処理を実行して、今回のルーチンを終了する。一方、NE>enedownであれば、燃料性状は軽質燃料であるとしてステップS32をバイパスし、今回のルーチンを終了する。
【0028】
図5は、本発明装置において、補機駆動カウンタecaminvを作動させるべくECU12が実行するルーチンの一実施例のフローチャートである。図5に示すルーチンが起動されると、先ずステップS40の処理が実行される。
ステップS40では、パワーステアリングの油圧ポンプの作動を指示するパワステスイッチがオフ(非作動)からオン(作動)に変化したか否かを、今回検出したパワステスイッチexpsswがONで、かつ、前回検出したパワステスイッチexpsswoがOFFであるか否かにより判別する。パワステスイッチがオフからオンに変化していない場合はステップS42に進み、パワステスイッチがオフからオンに変化した場合はステップS46に進む。
【0029】
ステップS42では、オルタネータ(交流発電器)の作動を指示する電気負荷スイッチがオフ(非作動)からオン(作動)に変化したか否かを、今回検出した電気負荷スイッチexelsがONで、かつ、前回検出した電気負荷スイッチexelsoがOFFであるか否かにより判別する。電気負荷スイッチがオフからオンに変化していない場合はステップS44に進み、電気負荷スイッチがオフからオンに変化した場合はステップS46に進む。
【0030】
ステップS44では、パワーステアリングの油圧ポンプ、またはオルタネータが非作動から作動に変化した後の時間をカウントするために、補機駆動カウンタecaminvを1だけインクリメントする。ステップS46ではパワーステアリングの油圧ポンプ、またはオルタネータが非作動から作動に変化したために、補機駆動カウンタecaminvを0にリセットする。この後、今回の処理を終了する。
【0031】
ここで、図6の時刻t0からt1の間は二点差線で示すように、パワーステアリングの油圧ポンプが非作動(expssw=OFF)で、機関に外部負荷がかかってない場合は、燃料性状検出の基準回転数enedownが一点鎖線に示すようにENEDAMOFであり、実線で示す機関回転数NEがこの値ENEDAMOF以下のとき燃焼状態が不安定な重質燃料の検出がなされる。
【0032】
時刻t2でパワーステアリングの油圧ポンプが作動(expssw=ON)となり、機関に過渡的に大きな外部負荷がかかり機関回転数NEが過渡的に低下すると、実線に示すように補機駆動カウンタecaminvは0にリセットされた後、順次インクリメントされる。外部負荷が大きい時刻t1からt2までの期間は補機駆動カウンタecaminvの値が所定値e以下となるために、燃料性状検出の基準回転数enedownは一点鎖線に示すようにENEDAMONとなり、外部負荷がないときのENEDAMOFより小さくなる。
【0033】
そして、実線で示す機関回転数NEが、この値ENEDAMON以下のとき燃焼状態が不安定な重質燃料の検出がなされる。このため、外部負荷がかかったときにおいても燃料性状検出を正確に行うことができる。そして、この検出結果に基づき外部負荷がかかったときにおいても、重質燃料であれば燃焼安定化制御が実行されるため、アイドル不調やドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0034】
ところで、負荷が収束する時刻t2以降は、補機駆動カウンタecaminvの値が所定値eを超えるために、燃料性状検出の基準回転数enedownは一点鎖線に示すようにENEDAMOFとなる。
なお、外部負荷がかかったときの基準回転数enedownを所定の一定値ENEDAMONとしているが、基準回転数enedownを外部負荷の大きさに応じて可変することも可能である。
【0035】
次に、本発明の第3実施例においてECU12が実行する処理の内容について図7〜図9を用いて説明する。
図7は、本発明装置において、燃焼安定化制御を開始させるべくECU12が実行するルーチンの第3実施例のフローチャートである。図7に示すルーチンが起動されると、先ずステップS50の処理が実行される。
【0036】
ステップS50では、Nレンジカウンタecnswdnの値が所定値b以上か否かを判別する。Nレンジカウンタecnswdnは、オートマチックトランスミッション用シフトレバーのシフト位置がDレンジからNレンジに変化した後の時間をカウントしている。ここで、ecnswdn≧bの場合にはステップS52で基準回転数enedownに所定値ENEDWNNを設定し、ecnswdn<bの場合にはステップS54で基準回転数enedownに所定値ENEDWNDを設定する。前述のように、所定値ENEDWNNは、シフト位置がNレンジの外部負荷がないときに燃料性状検出の基準となる値であり、所定値ENEDWNDは、シフト位置がDレンジやRレンジの外部負荷がかかったときに燃料性状検出の基準となる値であり、図9に一点鎖線で示すように、ENEDWNN>ENEDWNDの関係がある。
【0037】
上記ステップS52,S54の実行後、ステップS56に進んで、クランク角センサ62の出力信号に基づく機関回転数NEが基準回転数enedown以下であるか否かを判別する。この結果、NE≦enedownであれば、燃料性状は重質燃料であるとしてステップS58に進み、ここで、回転低下検出時処理つまり燃焼安定化制御処理を実行して、今回のルーチンを終了する。一方、NE>enedownであれば、燃料性状は軽質燃料であるとしてステップS58をバイパスし、今回のルーチンを終了する。
【0038】
図8は、本発明装置において、Nレンジカウンタecnswdnを作動させるべくECU12が実行するルーチンの一実施例のフローチャートである。図5に示すルーチンが起動されると、先ずステップS60の処理が実行される。
ステップS60では、オートマチックトランスミッション用シフトレバーのシフト位置がDレンジか否かを判別する。シフト位置がDレンジであればステップS62に進んでNレンジカウンタecnswdnを0にリセットする。シフト位置がDレンジでなければ、つまりNレンジであればステップS64に進んでNレンジカウンタecnswdnを1だけインクリメントする。この後、今回の処理を終了する。このため、シフト位置がDレンジからNレンジに切り替わると、Nレンジカウンタecnswdnの値は0から順次インクリメントされる。
【0039】
ここで、図9の時刻t0からt1の間は二点差線で示すように、シフト位置がNレンジで機関に外部負荷がかかってない場合は、燃料性状検出の基準回転数enedownが一点鎖線に示すようにENEDWNNであり、実線で示す機関回転数NEがこの値ENEDWNN以下のとき燃焼状態が不安定な重質燃料の検出がなされる。
【0040】
時刻t1を過ぎ、シフト位置がDレンジとなり機関に外部負荷がかかると、燃料性状検出の基準回転数enedownがENEDWNDとなり、外部負荷がないときのENEDWNNより小さくなる。そして、実線で示す機関回転数NEがこの値ENEDWND以下のとき燃焼状態が不安定な重質燃料の検出がなされる。このため、外部負荷がかかったときにおいても燃料性状検出を正確に行うことができる。
【0041】
この後、時刻t2にシフト位置がNレンジとなると、それ以降Nレンジカウンタecnswdnの値は順次インクリメントされ、時刻t3にNレンジカウンタecnswdnの値は値b以上となる。従って、燃料性状検出の基準回転数enedownは、時刻t2から遅延した時刻t3においてENEDWNNになる。これは、シフト位置がDレンジからNレンジに切り替わっても、外部負荷はすぐに軽減されず遅延をもって軽減されるため、この遅延に合わせて基準回転数enedownの切り替えを時間t2−t3だけ遅延させることによって、時間t2−t3における燃料性状の誤検出を防止している。このため、燃料性状検出を正確に行うことができ、この検出結果に基づき重質燃料であれば燃焼安定化制御が実行されるため、アイドル不調やドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0042】
なお、ECU12とクランク角センサ62が、特許請求の範囲に記載した機関回転数検出手段に対応しており、また、ステップS16,S32,S56が燃料性状検出手段に対応し、ステップS10〜S14,S22〜S30,S50〜S54が基準値切替手段に対応している。
【0043】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1に記載の発明は、機関に外部負荷がかかったときに前記基準値を前記外部負荷の種類に応じた低い値に切り替える基準値切替手段を有し、
前記基準値切替手段は、シフトレバーのシフト位置から前記外部負荷を判別し、前記シフトレバーのシフト位置がドライブレンジからニュートラルレンジに切り替わったとき所定時間遅延して前記基準値を切り替える。
【0044】
このように、シフトレバーのシフト位置から前記外部負荷を判別し、前記シフトレバーのシフト位置がドライブレンジからニュートラルレンジに切り替わったとき所定時間遅延して基準値を切り替えるため、さらに精度の良い燃料性状の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の燃焼状態検出装置が適用されるシステムの一実施例の構成図である。
【図2】燃焼安定化制御を開始させるべくECU12が実行するルーチンの第1実施例のフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施例を説明するための信号タイミングチャートである。
【図4】焼安定化制御を開始させるべくECU12が実行するルーチンの第2実施例のフローチャートである。
【図5】本発明装置において、補機駆動カウンタecaminvを作動させるべくECU12が実行するルーチンの一実施例のフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施例を説明するための信号タイミングチャートである。
【図7】焼安定化制御を開始させるべくECU12が実行するルーチンの第3実施例のフローチャートである。
【図8】本発明装置において、Nレンジカウンタecnswdnを作動させるべくECU12が実行するルーチンの一実施例のフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施例を説明するための信号タイミングチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
12 ECU
Claims (1)
- 機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、
前記機関回転数検出手段で検出された機関回転数を基準値と比較して燃料性状を検出する燃料性状検出手段とを有する内燃機関の燃焼状態検出装置であって、
機関に外部負荷がかかったときに前記基準値を前記外部負荷の種類に応じた低い値に切り替える基準値切替手段を有し、
前記基準値切替手段は、シフトレバーのシフト位置から前記外部負荷を判別し、前記シフトレバーのシフト位置がドライブレンジからニュートラルレンジに切り替わったとき所定時間遅延して前記基準値を切り替えることを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
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