JP3939903B2 - 眼鏡レンズの位置合わせ方法及びレイアウト・ブロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡レンズの位置合わせ技術に係り、特に近用の小玉が形成された二重焦点レンズ等の眼鏡レンズの加工中心位置を求め、この加工中心位置に加工治具を取り付ける眼鏡レンズの位置合わせ方法及びレイアウト・ブロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
未加工の眼鏡レンズを装用者の所望する眼鏡フレームに装着する場合、その眼鏡フレームの形状に合わせて眼鏡レンズの縁摺り加工を行う。その際、装用者の瞳孔中心と眼鏡レンズのアイポイントとが一致するように、眼鏡レンズのアイポイントを加工中心として加工する。眼鏡レンズのアイポイントをレンズ表面に直接表示することはできないため、眼鏡レンズ、特に二重焦点レンズの設計においては、近用の小玉の形状からレンズの幾何学中心やアイポイントの位置等を導き出せるようにしている。
【0003】
図7(a)に未加工の二重焦点レンズの平面図を示し、図7(b)に側面図を示す。100はプラスティック製の二重焦点レンズ、101は幾何学中心、102は幾何学中心101を通る水平基準線、103は台玉、104は小玉、105は遠用度数測定部の中心、106は近用度数測定部の中心、107はアイポイントである。
【0004】
プラスティック製レンズの場合、小玉104は側面から見た形状がくさび形となるよう台玉103の表面に形成されており、その上縁108が水平基準線102の下方に所定距離d1(例えば5mm)だけ離れるように形成されている。左眼用レンズの場合、小玉104は、近用度数測定部の中心106が幾何学中心101から左方に距離d2(例えば5mm)だけずれるように形成されている。したがって、小玉104が左右のいずれに偏って形成されているかを知ることにより、左眼用レンズであるか右眼用レンズであるかを識別することができる。
【0005】
アイポイント107の位置は、水平基準線102上で幾何学中心101から距離d3(例えば2.5mm)だけ小玉104側にずれた位置に決められている。したがって、小玉104の上縁108の中央を見つけ出すことにより、幾何学中心101やアイポイント107の位置を求めることができる。小玉104の輪郭形状からアイポイント107の位置を探す場合、二重焦点レンズ100をリマークチャートと呼ばれる二重焦点レンズ用のシートの上に載置する。リマークチャートは、小玉、幾何学中心、遠用度数測定部の中心、近用度数測定部の中心及びアイポイントの各位置が記載された実物大の二重焦点レンズをレンズの種類毎に表示したものである。
【0006】
二重焦点レンズ100をリマークチャート上に載置する際には、このレンズ100の小玉104の位置とリマークチャート上に記載された同種のレンズの小玉の位置とを一致させた上で、リマークチャートに記載されたアイポイントの位置をアイポイント107の位置として、二重焦点レンズ100の同位置にマーカーによって印を付ける。そして、この二重焦点レンズ100のアイポイント107の位置に加工治具(レンズホルダ)を装着し、装用者の瞳孔中心と二重焦点レンズ100のアイポイント107とが一致するようにアイポイント107を加工中心として二重焦点レンズ100を縁摺り加工し、レンズ100の外形形状を眼鏡フレームの枠形状と一致させる。
【0007】
また、小玉104の輪郭形状からアイポイント107の位置を探す別の方法として、特開平6−79600号公報で開示された眼鏡レンズの位置合わせ装置が知られている。この位置合わせ装置は、加工対象の二重焦点レンズ100をビデオカメラで撮影して、撮影した二重焦点レンズ100の小玉104の輪郭画像をテレビモニタの画面に表示させると共に、予め記憶している二重焦点レンズ100の加工情報から小玉104の輪郭画像データを算出して、算出した輪郭画像を基準画像としてテレビモニタの画面上の基準位置に表示させるようにしたものである。
【0008】
作業者は、テレビモニタの画面に映し出された小玉104の輪郭線の実画像と基準画像とが重なり合うように、二重焦点レンズ100を載置しているスライドテーブルを移動させて二重焦点レンズ100を本来あるべき位置に位置決めする。位置決め後、マーキング装置のパッド印刷機が加工基準線に相当する十字マークを二重焦点レンズ100の所定の位置に転写する。このように、特開平6−79600号公報で開示された位置合わせ装置は、リマークチャートの代わりに、テレビモニタの画面を見ながら二重焦点レンズ100の位置合わせを行うものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のリマークチャートを用いる方法では、作業者が手作業で行うために、非能率的で作業者の負担が大きく、また二重焦点レンズ100とレンズホルダの位置合わせの誤差が大きいという問題点があった。
また、特開平6−79600号公報で開示された位置合わせ装置では、作業者が二重焦点レンズ100にマーキングする手間を省くことができるが、二重焦点レンズ100の位置決めは作業者がテレビモニタの画面を見ながら手作業で行う必要があるので、リマークチャートの場合と同様に作業者の負担が大きいという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、二重焦点レンズとレンズホルダの高精度の位置合わせを、従来よりも能率良く短時間に行うことができる眼鏡レンズの位置合わせ方法及びレイアウト・ブロック装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の眼鏡レンズの位置合わせ方法は、加工対象の眼鏡レンズ(100)の画像を撮影して2値化する手順と、2値化画像に含まれる個々の図形の幾何学的な特徴パラメータを抽出して、この特徴パラメータが所定の条件に合う図形を前記加工対象の眼鏡レンズに予め形成された小玉(104)の上縁の画像(ST)として抽出する手順と、抽出した小玉の上縁の中央の位置を前記加工対象の眼鏡レンズの基準位置として2値画像上で求める手順と、前記小玉の上縁を含む最小の長方形を前記2値画像上で求め、この長方形の位置に基づいて、水平基準線に対する前記加工対象の眼鏡レンズの角度ずれを求める手順と、予め眼鏡レンズ毎に用意された、基準位置と加工中心位置との位置関係を表すレイアウトデータのうち、前記加工対象の眼鏡レンズに対応するレイアウトデータを前記角度ずれに応じて角度補正して、角度補正後のレイアウトデータと前記加工対象の眼鏡レンズの基準位置に基づいて前記加工対象の眼鏡レンズの加工中心位置を求める手順とを有するものである。眼鏡レンズの小玉の上縁と基準位置との間には全ての眼鏡レンズに共通の位置的規定があるので、眼鏡レンズの小玉の上縁を画像処理で検出すれば、眼鏡レンズの基準位置を求めることができる。基準位置と加工中心位置との関係は眼鏡レンズ毎に異なり、レンズ毎のレイアウトデータを用いて加工中心位置を計算する。また、小玉の上縁を含む最小の長方形を求めることにより、この長方形と眼鏡レンズの正規の位置を示す水平基準線(102)とのなす角を求めることができ、角度補正を行った上で眼鏡レンズの加工中心位置を求めることができる。
また、本発明の眼鏡レンズの位置合わせ方法の1構成例は、台玉(103)と小玉(104)の境界に段差が存在する眼鏡レンズに対して一方の面側から照明光を照射して、他方の面側から眼鏡レンズの画像を撮影することにより、小玉の輪郭のうち上縁のみの画像を得るようにしたものである。小玉の全体の輪郭に基づいて眼鏡レンズの基準位置や角度ずれを画像処理で検出しようとすると、処理が複雑となり、検出精度も不確かとなる。小玉の上縁のみの画像を得ることにより、眼鏡レンズの基準位置や角度ずれを画像処理で検出することが容易となる。
【0012】
また、本発明の眼鏡レンズの位置合わせ方法の1構成例は、2値画像を小玉の上縁が水平となるよう角度ずれに応じて回転させ、回転処理後の2値画像における小玉の上縁の位置に基づいて、眼鏡レンズが右眼用、左眼用のいずれのレンズであるかを判定するようにしたものである。眼鏡レンズに角度ずれが存在すると、左右判定に誤りが生じるが、2値化画像を回転させることにより、左右判定を正しく行うことができる。
また、本発明の眼鏡レンズの位置合わせ方法の1構成例は、小玉の上縁を含む最小の長方形を2値画像上で求め、この長方形の中心位置と小玉の上縁の重心位置とに基づいて眼鏡レンズの上下を判定するようにしたものである。眼鏡レンズの上下が逆の状態でレイアウト・ブロック装置に供給された場合、重心(D)は中心(C)より下側にある。これにより、眼鏡レンズの上下を判定することができる。
また、本発明の眼鏡レンズの位置合わせ方法の1構成例は、さらに、前記加工対象の眼鏡レンズに係る画像処理の経過時間が所定時間を超えている場合に、前記加工対象の眼鏡レンズをレイアウト・ブロック装置から排出する手順を有するものである。
【0013】
また、本発明は、加工対象の眼鏡レンズの画像を撮影する撮影手段(5)と、前記画像を処理する画像処理手段(6)と、前記眼鏡レンズの加工中心位置を求める演算手段(9)と、この加工中心位置に加工治具を取り付ける機構とを有する眼鏡レンズのレイアウト・ブロック装置であって、前記画像処理手段は、前記撮影手段によって撮影された画像を2値化して、2値化画像に含まれる個々の図形の幾何学的な特徴パラメータを抽出して、この特徴パラメータが所定の条件に合う図形を前記眼鏡レンズに予め形成された小玉の上縁の画像として抽出し、抽出した小玉の上縁の中央の位置を前記加工対象の眼鏡レンズの基準位置として前記2値画像上で求め、前記小玉の上縁を含む最小の長方形を前記2値画像上で求め、この長方形の位置に基づいて、水平基準線に対する前記加工対象の眼鏡レンズの角度ずれを求め、前記演算手段は、基準位置と加工中心位置との位置関係を表すレイアウトデータを眼鏡レンズ毎に予め記憶し、前記加工対象の眼鏡レンズに対応するレイアウトデータを前記角度ずれに応じて角度補正して、角度補正後のレイアウトデータと前記加工対象の眼鏡レンズの基準位置に基づいて前記加工対象の眼鏡レンズの加工中心位置を求めるものである。
また、本発明の眼鏡レンズのレイアウト・ブロック装置は、さらに、エラーの発生時に前記加工対象の眼鏡レンズを排出する制御手段を有し、前記画像処理手段は、前記加工対象の眼鏡レンズに係る画像処理の経過時間が所定時間を超えている場合に、画像処理不可エラーを前記制御手段に通知し、前記制御手段は、前記画像処理不可エラーの通知を受けたときに、前記加工対象の眼鏡レンズをレイアウト・ブロック装置から排出するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態となる二重焦点レンズ用レイアウト・ブロック装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の二重焦点レンズ用レイアウト・ブロック装置は、縁摺り加工装置(不図示)に隣接して設置されるもので、二重焦点レンズ100を撮像して、撮像した画像を基に二重焦点レンズ100の左右を判定すると同時に、二重焦点レンズ100に取り付ける加工治具(以下、レンズホルダと呼ぶ)の取り付け位置及び取り付け角度を算出するレイアウト処理と、レンズホルダを二重焦点レンズ100の加工中心に取り付けるブロック処理とを行い、レンズホルダが取り付けられた後の二重焦点レンズ100を縁摺り加工装置に搬送するものである。
【0015】
このレイアウト・ブロック装置は、レンズホルダを1つずつ供給するホルダ供給装置1と、後述する弾性シールを1つずつ供給するシール供給装置2と、加工対象の二重焦点レンズ100を1つずつ供給するレンズ供給装置3と、ホルダ供給装置1から供給されたレンズホルダを二重焦点レンズ100の加工中心に取り付けるホルダ保持装置4と、レンズ供給装置3から供給された二重焦点レンズ100を撮影する撮影手段となるレンズメータ5と、レンズメータ5によって撮影された画像を基に二重焦点レンズ100の左右を判定してレンズホルダの取り付け位置及び取り付け角度を算出する画像処理装置6と、レンズホルダが取り付けられた後の二重焦点レンズ100を縁摺り加工装置に搬送するレンズ搬送装置7と、レイアウト・ブロック装置全体を制御する制御装置8と、レイアウト・ブロック装置及び縁摺り加工装置を制御する演算手段となるホストコンピュータ9とを備えている。
【0016】
図2は、画像処理装置6による画像処理の結果に基づいて二重焦点レンズ100に弾性シールを介してレンズホルダを取り付けた状態を示す側面図である。ステンレス等の金属からなるレンズホルダ200は、鍔付の筒状体に成形されている。このレンズホルダ200において弾性シール201が貼り付けられる面(ホルダ200の下面)は、二重焦点レンズ100の凸側レンズ面に対応した凹球面状のレンズ保持面となっている。
【0017】
この場合、レンズ毎にその凸面カーブに応じたレンズ保持面を形成すると、レンズホルダ200自体の種類が増加するため、レンズ保持面の曲率半径を段階的に異ならせることにより、レンズホルダ200の種類を少なくし、1種類のレンズホルダ200で凸面カーブの異なる何種類かの二重焦点レンズ100を保持できるようにしている。
【0018】
弾性シール201は、厚さが0.5〜0.6mm程度の薄いゴムによって、外径がレンズホルダ200のレンズ保持面の外径より大きく(22mmφ程度)、内径がレンズホルダ200の穴径より小さい(8mm程度)リング状に成形され、両面に粘着剤が塗布されたものが用いられる。
【0019】
図3はレンズメータ5の構成を示すブロック図である。レンズメータ5は、二重焦点レンズ100を照らす光源31と、光源31からの照明光が照射される回転スクリーン32と、この回転スクリーン32を回転させるモータ33と、結像レンズ34と、二重焦点レンズ100を吸着固定するレンズ保持装置35と、回転スクリーン32によって反射された照明光を集光して二重焦点レンズ100に照射する集光レンズ36,37と、二重焦点レンズ100を通過した光を反射させるミラー38と、ミラー38からの反射光を取り込むCCDカメラ等の撮像装置39と、撮像装置39の焦点を補正するためのピント補正用レンズ40とを有している。
【0020】
二重焦点レンズ100の撮影に用いられる光源31としては、小玉104の撮影を良好に行い得るように発光スペクトル幅の狭い光、例えば赤色光のLEDが用いられる。この光源31は、結像レンズ34の周囲に等間隔をおいて例えば8個配設されている。
【0021】
回転スクリーン32には、反射率を高めるために表面にガラス、アルミニウム等の微細な粉を塗布した反射シートが貼着されている。また、表面の明るさを均一化するため、回転スクリーン32をモータ33によって高速回転(例えば、3400rpm)させる。回転スクリーン32によって反射された照明光は二重焦点レンズ100の凹面側に入射する。
二重焦点レンズ100を保持する筒状のレンズ保持装置35は、小玉104の撮影の妨げにならないように十分に小さい外径(例えば、8mmφ)を有している。
【0022】
図4、図5は、図1のレイアウト・ブロック装置の動作を示すフローチャート図である。以下、図4、図5を用いてレイアウト・ブロック装置の動作を詳細に説明する。最初に、レンズ供給装置3は、制御装置8の制御に従って、縁摺り加工の対象となる1つの二重焦点レンズ100(以下、加工対象レンズ100と呼ぶ)をその凸面を上にしてレンズメータ5のレンズ保持装置35上に載置する。レンズ保持装置35は、レンズ支持筒の内部を真空排気することにより、加工対象レンズ100をレンズ支持筒の上面開口部に吸着固定する(図4ステップS1)。
【0023】
ホルダ供給装置1は、制御装置8の制御に従って、レンズホルダ200を1つずつホルダ保持装置4に供給する。
弾性シール201は、ロール状の形態でシール供給装置2に装填されている。このロールは、表面が保護紙によって覆われたものである。シール供給装置2は、制御装置8の制御に従って、弾性シール201を1つずつ保護紙を剥離した状態でホルダ保持装置4に供給する。
【0024】
ホルダ保持装置4は、レンズホルダ200と弾性シール201を受け取ると、レンズホルダ200を保持して、このレンズホルダ200のレンズ保持面に弾性シール201を貼り付け、加工対象レンズ100へのレンズホルダ200の取り付けに備えて待機状態となる(ステップS2)。
【0025】
次に、制御装置8は、レンズメータ5の光源31を点灯させる(ステップS3)。続いて、画像処理装置6は、制御装置8の指示に従って、画像処理用のタイムアップタイマを0にリセットして起動させ、時間計測を開始する(ステップS4)。このタイムアップタイマは、1つの加工対象レンズ100に係る画像処理の経過時間を計測するためのものである。
【0026】
光源31からの照明光は、回転スクリーン32によって反射され、結像レンズ34、集光レンズ36,37を通って加工対象レンズ100の凹面側に照射される。加工対象レンズ100を通過した像は、ミラー38によって反射され、ピント補正用レンズ40を通って撮像装置39の受光面に投影される。撮像装置39は、受光面に投影された像を光電変換して画像信号を出力する。なお、ピント補正用レンズ40は、撮像装置39の焦点を加工対象レンズ100の凸面と一致させるためのレンズである。
【0027】
本実施の形態で用いる加工対象レンズ100は、例えばプラスティック製のワンピース型と呼ばれる二重焦点レンズである。ワンピース型と呼ばれる二重焦点レンズでは、図7(b)に示すように小玉104がレンズの凸面側にくさび形に突出するように形成されており、台玉103と小玉104の境界には段差が存在する。
【0028】
小玉104の全体の輪郭に基づいて上縁108の中央位置や小玉104の回転角度を画像処理で検出しようとすると、小玉104に鋭角の頂点が存在しないために処理が複雑となり、検出精度も不確かとなる。そこで、本実施の形態では、加工対象レンズ100に対して、一方の面側(本実施の形態では凹面側)から照明光を照射して、他方の面側(凸面側)に撮像装置39を配置し、撮像装置39の受光面に小玉104の上縁108のみの像が投影されるようにする。このようにして、小玉104の全輪郭のうち段差が最も大きい上縁108のみを鮮明に撮影することができ、上縁108の中央位置や小玉104の回転角度を画像処理で検出することが容易となる。
【0029】
画像処理装置6は、画像データを格納するメモリと、プログラムに従って画像データに対する各種演算処理を行う演算処理部とを備えている。画像処理装置6は、レンズメータ5の撮像装置39から出力された画像信号をA/D変換して、このA/D変換後の画像データを内部のメモリにいったん格納する(ステップS5)。
続いて、画像処理装置6は、メモリに格納された入力画像に対する画像処理を開始する。図6は画像処理装置6による画像処理の様子を説明するための説明図である。
【0030】
まず、画像処理装置6は、図6(a)のような入力画像と所定の第1のしきい値とを比較して、輝度値が第1のしきい値以上の画素を入力画像からそのまま抜き出すと共に、輝度値が第1のしきい値未満の画素については輝度値を0にする静的しきい値処理を行うことにより、入力画像から背景の領域を取り除いてレンズの領域を切り出し、このレンズ領域の画像をメモリに格納する(ステップS6)。
【0031】
続いて、画像処理装置6は、メモリに格納した静的しきい値処理後の画像を平滑化処理してぼかした画像と前記静的しきい値処理後の画像との差分を画素毎に算出して、算出した差分が所定の第2のしきい値以上の画素については値を「1」とし、差分が第2のしきい値未満の画素については値を「0」とする動的しきい値処理を行うことにより、静的しきい値処理後の画像を2値化する(ステップS7)。
【0032】
この動的しきい値処理は、差分処理によって輪郭の鮮鋭化を行い、差分出力が大きいところ、すなわち対象物の輪郭らしいところを「1」とし、それ以外のところを「0」とするので、加工対象レンズ100の撮影時に若干の照明むらやハレーションがあったとしても、小玉104の上縁(以下、セグメントトップと呼ぶ)108の形を抜き出すことが可能である。この動的しきい値処理により、図6(b)のような画像が得られる。画像処理装置6は、動的しきい値処理後の画像をメモリに格納する。
【0033】
2値化後の画像には、加工対象レンズ100の表面のほこりや汚れ等が含まれている場合が多い。したがって、動的しきい値処理によって得られた2値化画像のままではセグメントトップを検出することができないので、以下のようにノイズ成分の除去を行ってセグメントトップを検出する。
【0034】
画像処理装置6は、動的しきい値処理後の2値化画像において連結した画素「1」の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分内の各画素には同一のラベル(番号又は名前)を与えるラベリング処理を行った後、各連結成分の幾何学的な特徴パラメータを抽出してメモリに格納する。ここでは、各連結成分の特徴パラメータとして、図6(c)に示す連結成分の面積(連結成分の画素数)Sと、長径L1と、短径L2とを抽出する。なお、図6のうち図6(c)以降では、画素「1」の領域を斜線で表している。
【0035】
そして、画像処理装置6は、面積Sが予め設定された第1の面積範囲内で、長径L1が予め設定された長径範囲内で、かつ短径L2が予め設定された短径範囲内にある連結成分をセグメントトップに類似する領域(以下、セグメントトップ領域STと呼ぶ)として抽出し、抽出したセグメントトップ領域STの位置をメモリに格納する(ステップS8)。こうして、例えば図6(d)に示すようなセグメントトップ領域STを抽出することができる。
【0036】
抽出したセグメントトップ領域STには突起状のノイズ成分が含まれている。そこで、画像処理装置6は、抽出したセグメントトップ領域STを所定の画素数分だけいったん収縮させた後、同画素数分膨張させて元に戻す。セグメントトップ領域STを収縮させると、突起状のノイズ成分が消えるので、収縮処理後のセグメントトップ領域STを膨張処理して元に戻すようにすれば、セグメントトップ領域STから突起状のノイズ成分を除去して形状補正することができる(ステップS9)。
【0037】
続いて、画像処理装置6は、図6(e)に示すようにセグメントトップ領域STを含む最小の長方形Rを求め(ステップS10)、セグメントトップ領域STの数を数えてメモリに格納する(ステップS11)。
次に、画像処理装置6は、ステップS11で数えたセグメントトップ領域数が1かどうかを判定し(ステップS12)、セグメントトップ領域数が1でない場合、前記タイムアップタイマによって計測中の経過時間が所定秒(例えば4秒)を超えたかどうかを判定する(ステップS13)。
【0038】
経過時間が所定秒を超えていない場合、画像処理装置6は、ステップS5〜S12の処理を再び実行する。こうして、セグメントトップ領域数が1でない場合(すなわち、セグメントトップ以外のものを検出した場合)で、かつ経過時間が所定秒を超えていない場合には、ステップS5〜S12の処理が繰り返し実行される。
【0039】
ステップS13において経過時間が所定秒を超えている場合、画像処理装置6は、画像処理によるセグメントトップの検出が不可であると判断して、画像処理が不可である旨を制御装置8に通知する画像処理不可エラー処理を行う。通知を受けた制御装置8は、画像処理不可エラーが発生した加工対象レンズ100をレイアウト・ブロック装置から排出する等の処理を行う。
【0040】
一方、ステップS12においてセグメントトップ領域数が1の場合、画像処理装置6は、図6(f)に示すように長方形Rの中心Cの座標と、セグメントトップ領域STと長方形Rの長辺との接点P(基準位置)の座標を算出すると共に、長方形Rの長辺方向の軸Aを求め、この軸Aとレイアウト・ブロック装置の水平基準線102とがなす角(水平基準線102に対する加工対象レンズ100の回転角度)θを算出して、中心C及び接点Pの座標と回転角度θとをメモリに格納する(ステップS14)。
【0041】
加工対象レンズ100には、レイアウト・ブロック装置上の本来あるべき位置に対して供給時に角度ずれが発生している。回転角度θの算出は、この角度ずれを求める処理である。
さらに、画像処理装置6は、セグメントトップ領域STの重心Dの座標を算出してメモリに格納する(ステップS15)。
【0042】
次に、画像処理装置6は、中心C、接点P及び重心Dの各座標と回転角度θとをそれぞれ5回分取得したかどうかを判定し(ステップS16)、5回分取得していない場合はステップS4に戻り、タイムアップタイマを0にリセットして前述の処理を再び行う。これにより、各座標と回転角度θとを5回分取得するまでステップS4〜S15の処理が繰り返される。
【0043】
中心C、接点P及び重心Dの各座標と回転角度θとをそれぞれ5回分取得した後、画像処理装置6は、メモリに格納した中心Cの5回分の座標値から最小値と最大値とを除外して、残りの3回分の座標値の平均を求め、この平均値を中心Cの最終的な座標値とする。同様に、画像処理装置6は、接点P及び重心Dの各座標と回転角度θの各々について平均値を求める(図5ステップS17)。こうして、各データの最小値と最大値とを除外した上で平均値を求めることにより、データの安定化を図る。
【0044】
平均化処理の後、画像処理装置6は、重心Dが中心Cより上側にあるかどうかを判定する(ステップS18)。加工対象レンズ100の上下が逆の状態でレイアウト・ブロック装置に供給された場合、重心Dは中心Cより下側にある。重心Dが中心Cより下側にある場合、画像処理装置6は、加工対象レンズ100の上下が逆でレイアウト・ブロック装置の許容範囲外である旨を制御装置8に通知する上下逆さエラー処理を行う。通知を受けた制御装置8は、上下逆さエラーが発生した加工対象レンズ100をレイアウト・ブロック装置から排出する等の処理を行う。
【0045】
重心Dが中心Cより上側にある場合、画像処理装置6は、前記回転角度θが予め設定された範囲内(例えば±60°)にあるかどうかを判定する(ステップS19)。回転角度θが予め設定された範囲内にない場合、画像処理装置6は、加工対象レンズ100の回転角度がレイアウト・ブロック装置の許容範囲外である旨を制御装置8に通知する角度オーバーエラー処理を行う。通知を受けた制御装置8は、角度オーバーエラーが発生した加工対象レンズ100をレイアウト・ブロック装置から排出する等の処理を行う。
【0046】
画像処理装置6は、回転角度θが予め設定された範囲内にある場合、前記動的しきい値処理後の2値化画像の中心を回転中心として2値化画像を回転角度θだけ回転させることにより、セグメントトップ領域STが水平基準線102と平行になるようにする(ステップS20)。2値化画像を回転させるのは次の左右判定処理において、加工対象レンズ100の左右判定を正しく行えるようにするためである。
【0047】
次に、画像処理装置6は、加工対象レンズ100が右眼用、左眼用のいずれのレンズであるかを判定する(ステップS21)。二重焦点レンズ100の場合、小玉104は幾何学中心101に対して耳側に偏って配置されている。したがって、前記2値画像の中心に対してセグメントトップ領域STが右側にあれば右眼用のレンズであり、セグメントトップ領域STが左側にあれば左眼用のレンズである。
【0048】
また、2値画像の中心を基準としてセグメントトップ領域STが左右いずれに偏っているかを判定する場合、2値画像の中心が加工対象レンズ100の幾何学中心101の位置と略一致している必要がある。この位置合わせは、レンズ供給装置3の芯出し機構によって行われる。すなわち、レンズ供給装置3は、加工対象レンズ100をレンズメータ5のレンズ保持装置35へ搬送する際に、加工対象レンズ100の芯出しを行い、加工対象レンズ100の幾何学中心101が±1mm程度の誤差でレンズ保持装置35のレンズ支持筒の中心に来るように載置する。
【0049】
次に、画像処理装置6は、加工対象レンズ100の左右判定の結果と算出した中心C、接点P及び重心Dの各座標と回転角度θとを制御装置8に送信し、制御装置8は、加工対象レンズ100の左右判定の結果と回転角度θとをホストコンピュータ9に送信する(ステップS22)。さらに、制御装置8は、レンズメータ5の光源31を消灯させる(ステップS23)。
【0050】
ホストコンピュータ9は、レイアウト・ブロック装置への供給時に加工対象レンズ100のトレイに貼り付けられていたバーコードをバーコードリーダで予め読み取っている。このバーコードには、加工対象レンズ100が右眼用、左眼用のいずれのレンズであるかを示す情報が書き込まれている。したがって、ホストコンピュータ9は、バーコードから予め読み取った結果と制御装置8から送られた左右判定の結果とを照合することで、バーコードが表す内容とトレイに載せられていた実際の加工対象レンズ100とが一致するかどうかをチェックすることができる。
【0051】
そして、ホストコンピュータ9は、予め記憶している加工対象レンズ100のレイアウトデータ(基準位置と幾何学中心101とアイポイント107の相互の位置関係を表すデータ)を回転角度θに応じて角度補正した上で、角度補正後のレイアウトデータに基づいてブロックデータ(基準位置に対するアイポイント107の相対的な位置を表すデータ)を演算して制御装置8に送信する(ステップS46)。
【0052】
加工対象レンズ100において、基準位置は小玉104の上縁108の中央である。したがって、画像処理装置6によって検出された接点Pは加工対象レンズ100の基準位置であるが、このときの接点Pは供給時の水平方向(図6左右方法)及び垂直方向(図6上下方向)の位置ずれのためにレイアウト・ブロック装置上の本来あるべき位置からずれている。つまり、加工対象レンズ100には水平方向及び垂直方向の位置ずれが発生している。一方、前記ブロックデータは、加工対象レンズ100の角度ずれについては前述のように補正されているが、水平方向及び垂直方向の位置ずれについては位置ずれがないことを前提として計算されている。
【0053】
このため、制御装置8は、レンズ供給装置3によって加工対象レンズ100をレンズメータ5から所定のレンズ保持位置へ搬送させる際に、加工対象レンズ100の水平方向及び垂直方向の位置ずれを前記接点Pの座標に基づいて補正させた上で、ホストコンピュータ9からのブロックデータに基づいて加工対象レンズ100のアイポイント107がホルダ保持装置4によって保持されているレンズホルダ200の真下に来るようにレンズ供給装置3を制御する(ステップS24)。
【0054】
続いて、制御装置8は、加工対象レンズ100の供給時の角度ずれを補正するために、ホルダ保持装置4を制御して、レンズホルダ200を回転角度θだけ回転させて角度補正を行う(ステップS25)。そして、制御装置8は、ホルダ保持装置4を制御して、レンズホルダ200を下降させ、レンズホルダ200に貼り付けられている弾性シール201を加工対象レンズ100に押しつけて密着させる。これにより、図2に示すように、レンズホルダ200は、弾性シール201を介して加工対象レンズ100の加工中心(アイポイント107)に取り付けられる(ステップS26)。
【0055】
制御装置8は、ホルダ保持装置4を制御して、レンズホルダ200を加工対象レンズ100と一緒に所定の取り出し位置へ搬送させ(ステップS27)、続いてレンズ搬送装置7を制御して、取り出し位置の加工対象レンズ100を縁摺り加工装置へ搬送させる(ステップS28)。
以上で、1つの加工対象レンズ100に対するレイアウト・ブロック装置の処理が終了する。
【0056】
縁摺り加工装置に送られた加工対象レンズ100には、レンズ枠形状データ及び装用者の処方データに基づいたヤゲン加工等の縁摺り加工が縁摺り加工装置によって施され、フレーム枠の形状と略一致する輪郭形状の眼鏡レンズが製作される。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、加工対象の眼鏡レンズの画像を撮影して2値化し、2値化画像に含まれる個々の図形の幾何学的な特徴パラメータを抽出して、この特徴パラメータが所定の条件に合う図形を眼鏡レンズに予め形成された小玉の上縁の画像として抽出し、抽出した小玉の上縁の位置に基づいて、加工中心位置と所定の位置関係にある基準位置を2値画像上で求めるので、従来のように作業者がリマークチャートに記載された眼鏡レンズの図形あるいはテレビモニタの画面に表示された眼鏡レンズの基準画像と実際の眼鏡レンズとの位置合わせを手作業で行う場合と比べて、高精度の位置合わせを実現でき、また作業者の負担を著しく軽減することができる。その結果、眼鏡レンズとレンズホルダの高精度の位置合わせを能率良く短時間で行うことができる。
【0058】
また、台玉と小玉の境界に段差が存在する眼鏡レンズに対して一方の面側から照明光を照射して、他方の面側から眼鏡レンズの画像を撮影することにより、小玉の輪郭のうち上縁の画像のみを得ることができ、眼鏡レンズの基準位置や角度ずれを求めることが容易となる。
【0059】
また、小玉の上縁を含む最小の長方形を2値画像上で求め、この長方形の位置に基づいて眼鏡レンズの正規の位置に対する角度ずれを求めることにより、角度補正を行った上で眼鏡レンズの加工中心位置を求めることができ、角度ずれが著しい眼鏡レンズについては加工を中止することもできる。
【0060】
また、2値画像を小玉の上縁が水平となるよう角度ずれに応じて回転させ、回転処理後の2値画像における小玉の上縁の位置に基づいて、眼鏡レンズが右眼用、左眼用のいずれのレンズであるかを判定することにより、眼鏡レンズの左右判定を正しく行うことができ、所望のレンズと異なる眼鏡レンズが誤って送られてきていないかどうかをチェックすることができ、眼鏡レンズが誤って送られてきていると判断した場合には、眼鏡レンズの加工を中止することもできる。
【0061】
また、小玉の上縁を含む最小の長方形を撮影した2値画像上で求め、この長方形の中心位置と小玉の上縁の重心位置とに基づいて眼鏡レンズの上下を判定することにより、上下が逆の状態で供給された眼鏡レンズの加工を中止することが可能となる。
【0062】
また、基準位置と加工中心位置との位置関係を表すレイアウトデータを画像処理手段と別の演算手段に記憶させて、演算手段で眼鏡レンズの加工中心位置を計算させることにより、画像処理手段で大量のデータを保持する必要がなくなり、加工対象の眼鏡レンズに応じたレイアウトデータの登録も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態となる二重焦点レンズ用レイアウト・ブロック装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 二重焦点レンズに弾性シールを介してレンズホルダを取り付けた状態を示す側面図である。
【図3】 図1のレイアウト・ブロック装置のレンズメータの構成を示すブロック図である。
【図4】 図1のレイアウト・ブロック装置の動作を示すフローチャート図である。
【図5】 図1のレイアウト・ブロック装置の動作を示すフローチャート図である。
【図6】 図1のレイアウト・ブロック装置の画像処理装置による画像処理の様子を示す説明図である。
【図7】 二重焦点レンズの小玉、幾何学中心等の位置関係を示す平面図及び側面図である。
【符号の説明】
1…ホルダ供給装置、2…シール供給装置、3…レンズ供給装置、4…ホルダ保持装置、5…レンズメータ、6…画像処理装置、7…レンズ搬送装置、8…制御装置、9…ホストコンピュータ、31…光源、39…撮像装置、100…二重焦点レンズ、101…幾何学中心、102…水平基準線、103…台玉、104…小玉、107…アイポイント。
Claims (7)
- 加工治具を取り付ける加工中心位置を加工対象の眼鏡レンズ上で求め、この加工中心位置に加工治具を取り付ける手順を有する眼鏡レンズの位置合わせ方法であって、
加工対象の眼鏡レンズの画像を撮影して2値化する手順と、
2値化画像に含まれる個々の図形の幾何学的な特徴パラメータを抽出して、この特徴パラメータが所定の条件に合う図形を前記加工対象の眼鏡レンズに予め形成された小玉の上縁の画像として抽出する手順と、
抽出した小玉の上縁の中央の位置を前記加工対象の眼鏡レンズの基準位置として前記2値画像上で求める手順と、
前記小玉の上縁を含む最小の長方形を前記2値画像上で求め、この長方形の位置に基づいて、水平基準線に対する前記加工対象の眼鏡レンズの角度ずれを求める手順と、
予め眼鏡レンズ毎に用意された、基準位置と加工中心位置との位置関係を表すレイアウトデータのうち、前記加工対象の眼鏡レンズに対応するレイアウトデータを前記角度ずれに応じて角度補正して、角度補正後のレイアウトデータと前記加工対象の眼鏡レンズの基準位置に基づいて前記加工対象の眼鏡レンズの加工中心位置を求める手順とを有することを特徴とする眼鏡レンズの位置合わせ方法。 - 請求項1記載の眼鏡レンズの位置合わせ方法において、
台玉と小玉の境界に段差が存在する前記眼鏡レンズに対して一方の面側から照明光を照射して、他方の面側から前記眼鏡レンズの画像を撮影することにより、前記小玉の輪郭のうち上縁のみの画像を得ることを特徴とする眼鏡レンズの位置合わせ方法。 - 請求項1記載の眼鏡レンズの位置合わせ方法において、
前記2値画像を前記小玉の上縁が水平となるよう前記角度ずれに応じて回転させ、回転処理後の2値画像における前記小玉の上縁の位置に基づいて、前記眼鏡レンズが右眼用、左眼用のいずれのレンズであるかを判定することを特徴とする眼鏡レンズの位置合わせ方法。 - 請求項1記載の眼鏡レンズの位置合わせ方法において、
前記小玉の上縁を含む最小の長方形を前記2値画像上で求め、この長方形の中心位置と前記小玉の上縁の重心位置とに基づいて前記眼鏡レンズの上下を判定することを特徴とする眼鏡レンズの位置合わせ方法。 - 請求項1記載の眼鏡レンズの位置合わせ方法において、
さらに、前記加工対象の眼鏡レンズに係る画像処理の経過時間が所定時間を超えている場合に、前記加工対象の眼鏡レンズをレイアウト・ブロック装置から排出する手順を有することを特徴とする眼鏡レンズの位置合わせ方法。 - 加工対象の眼鏡レンズの画像を撮影する撮影手段と、前記画像を処理する画像処理手段と、前記眼鏡レンズの加工中心位置を求める演算手段と、この加工中心位置に加工治具を取り付ける機構とを有する眼鏡レンズのレイアウト・ブロック装置であって、
前記画像処理手段は、前記撮影手段によって撮影された画像を2値化して、2値化画像に含まれる個々の図形の幾何学的な特徴パラメータを抽出して、この特徴パラメータが所定の条件に合う図形を前記眼鏡レンズに予め形成された小玉の上縁の画像として抽出し、抽出した小玉の上縁の中央の位置を前記加工対象の眼鏡レンズの基準位置として前記2値画像上で求め、前記小玉の上縁を含む最小の長方形を前記2値画像上で求め、この長方形の位置に基づいて、水平基準線に対する前記加工対象の眼鏡レンズの角度ずれを求め、
前記演算手段は、基準位置と加工中心位置との位置関係を表すレイアウトデータを眼鏡レンズ毎に予め記憶し、前記加工対象の眼鏡レンズに対応するレイアウトデータを前記角度ずれに応じて角度補正して、角度補正後のレイアウトデータと前記加工対象の眼鏡レンズの基準位置に基づいて前記加工対象の眼鏡レンズの加工中心位置を求めることを特徴とする眼鏡レンズのレイアウト・ブロック装置。 - 請求項6記載の眼鏡レンズのレイアウト・ブロック装置において 、
さらに、エラーの発生時に前記加工対象の眼鏡レンズを排出する制御手段を有し、
前記画像処理手段は、前記加工対象の眼鏡レンズに係る画像処理の経過時間が所定時間を超えている場合に、画像処理不可エラーを前記制御手段に通知し、
前記制御手段は、前記画像処理不可エラーの通知を受けたときに、前記加工対象の眼鏡レンズをレイアウト・ブロック装置から排出することを特徴とする眼鏡レンズのレイアウト・ブロック装置。
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