JP3938254B2 - 基板の貼り合わせ方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円盤形やその他の形状の基板を貼り合わせて1つの板部材を得るための基板の貼り合わせ方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光を利用する情報記録媒体として近時、DVD(Digital VideoDisk)が開発されている。通常のCDやCD−ROM、LDなどに比べて、はるかに高密度に大量の情報を記録することができ、映画などの映像の高品質長時間記録やコンピュータデータの大量記憶に適しているとされている。
【0003】
DVDディスクの構造として、2層貼り合わせ片面読取りディスクがある。具体的には、図14に示す構造を有している。金属薄膜などからなる信号記録層1を透明樹脂からなるディスク本体2と保護膜3間に挟んで一体化された単体の基板A、Bが、間に接着剤層Cを介して貼り合わされている。片面側からレーザ光Lを照射し、そのときの焦点位置を変えることで、2層の信号記録層1、1のうちの焦点を合わせた側から選択的に信号を読み取ることができる。
【0004】
この構造では、信号記録層1が単層の場合に比べて2倍の記録容量があり、しかも、2つの信号記録層1、1からの信号の読み出しにはレーザ光Lを片面側からのみ照射すればよくディスクを裏返したり、ディスクの両面側に読取り機構を設けたりする必要がない。レーザ照射機構やディスクの取り扱い機構が簡単になる。
【0005】
このようなDVDディスクを製造するには、予め別個に製造された基板A、Bを接着剤層Cを介して貼り合わせる工程および装置が必要である。
【0006】
通常は、一方の基板の表面全体に比較的大量の接着剤を塗布しておき、その上に他方の基板を載せ、基板どうしを押しつけることで、接着剤による基板どうしの貼り合わせを果たしている。いわゆるオーバーコート方式である。接着剤を塗布した基板を高速で回転させることによって、接着剤を基板の表面全体に迅速かつ均一に拡げる方法も提案されている。
【0007】
このような作業を行う基板の貼り合わせ装置は、一方の基板を把持して取り扱う機構、接着剤を基板に塗布する機構、基板どうしを押しつける機構を組合せて、あるいは、さらに基板を回転させる機構を組み合わせて構成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記片面読取り方式のDVDディスクでは、片面側から照射されたレーザ光Lで、接着剤層Cを通して反対側の信号記録層1を読み取れるようにする必要がある。そのため、接着剤層Cの厚みが不均一であったり、気泡が混入していたり、信号記録層1を含むディスク全体の平面性が良くなかったりすると、信号の読取りが正確に行えなくなる。
【0009】
ところが、基板A、Bは厚さ数mm程度の薄いプラスチック材料であるので、比較的変形しやすい。基板A、Bを取り扱う際に、接着面に触れないように外周縁だけを把持すると、薄い基板A、Bが反ったり変形を起こしやすくなる。塗布した接着剤を拡げるために基板A、Bを回転させると、この回転力によって基板A、Bが変形を起こす可能性が増える。接着剤を挟んで基板A、Bどうしを押しつけると、その際の加圧力で基板A、Bが変形する可能性もある。このような反りや変形があると、基板A、Bの間に接着剤を塗布したり、塗布した接着剤を拡げたりする際に、基板A、Bの間に気泡が混入する可能性が高くなる。
【0010】
このような問題は、DVDディスクに限らず、各種の基板どうしを接着剤を介して貼り合わせる場合にも起こり得る。
【0011】
そこで、本出願人はこれらを解消すべく種々に実験を重ね研究しているが、その1つの結果を、図15〜図20に示すような基板の貼り合わせ方法として先に提案している。この方法は、図15、図16に示すように所定の間隙を保って支持した両基板10、10間に接着剤注入ノズル32を挿入して、両基板10、10間のある位置に接着剤40を初期吐出して両基板に接触させた後、図17に示すように接着剤40の吐出を続けながら両基板10、10を中心軸線Xまわりに回転させることにより、接着剤40を両基板10、10の間にそれらとの接触を保って環状に配置する。これにより、接着剤40は初期吐出されて両基板10、10に接触して以降、この接触状態を保ちながら両基板10、10間に環状に延びていき、接着剤40と両基板10、10との間で接着剤40に気泡を巻き込むのを防止できる。続いて、図18に示すように接着剤注入ノズル32を基板10、10間から退出させた後、両基板10、10の間隙を狭めるとともに図19、図20に示すように両基板10、10を高速回転させて接着剤40を両基板10、10の対向し合う板面の全体に拡げる。これにより、両基板10、10間の接着剤40は遠心力による拡がりはあるが、両基板10、10の間隙の狭まりによって両基板10、10との接触状態を保ちながら押し拡げられるので、この過程でも接着剤40と両基板10、10との間で接着剤40に気泡を巻き込むのを防止できる。
【0012】
しかし、このような基板の貼り合わせ方法によっても、両基板10、10を貼り合わせた接着剤40に少しの気泡が混入することがときとしてある。本発明者らの実験で、図15〜図17に示すように接着剤40を両基板10、10間に初期吐出した位置で僅かな気泡BBが混入しやすいことが判明した。これは、接着剤40が両基板10、10に着座する際の微妙な衝撃や振動などによって気泡BBが混入するものと思われる。
【0013】
このような気泡BBは接着剤40を図19、図20に示すように両基板10、10の板面の全体に拡げていくときどのように挙動するか不確かである。初期吐出された接着剤40は自身の表面張力により丸みを持ち、図15に示すようにその中央位置で両基板10、10に着座してその部分に気泡BBを巻き込むことが多いことから、接着剤40が図19に示すように拡げられていっても気泡BBはその幅方向の中央位置にあってほとんど移動しないことも考えられる。本発明者らが行った接着剤40の初期吐出部分に気泡BBがある場合の実験で、接着剤40を図19のように拡げて行き、図20に示すように過剰な接着剤40を両基板10、10外に排出させる操作を行っても、気泡BBは排出できず残ったままになることがある。
【0014】
本発明者はさらなる実験と研究によって、接着剤40を環状配置するのに、接着剤40の初期吐出位置の設定によっては、初期吐出した接着剤40と両基板10、10との間で接着剤40に混入することがある気泡BBは、環状配置した接着剤40を拡げる工程で意図した方向に移動させることができ、これによって気泡BBを確実に排除できることを知見した。
【0015】
本発明の目的は、このような知見に基づき、基板どうしを貼り合わせた接着剤に気泡が混入してもこれが残らない基板の貼り合わせ方法およびその装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため、本発明の基板の貼り合わせ方法は、基板どうしを接着剤を介して貼り合わせるのに、所定の間隙を保って支持した両基板間に接着剤を初期吐出して両基板に接触させる初期吐出工程と、接着剤の吐出を続けながら、接着剤の吐出位置を両基板の間の外周側から内周側に所定量だけ初期相対移動させるとともに、これに伴いまたはこれに続いて両基板と吐出位置との基板の面上でその中央部まわりに相対移動させることによって、接着剤を両基板の間にそれらとの接触を保って環状に配置する環状配置工程と、基板どうしの間隙を狭めて前記環状に配置した接着剤を両基板の間の間隙に拡げるとともに、少なくとも接着剤の最外周側に位置する初期吐出部分を両基板外に排出する拡張排出工程と、を含んで、基板を貼り合わせることを1つの特徴としている。
【0017】
これにより、初期吐出工程で初期吐出された接着剤の初期吐出部分は、その後の環状配置工程で環状配置された接着剤の環状部の最外周側に位置する。この状態で拡張排出工程が行われて両基板間に環状配置された接着剤が両基板の間隙が狭められるのに伴い接着剤は幅方向に拡げられる。このとき、気泡が混入することのある初期吐出部は前記環状部に対し最外周側の位置にあることによって接着剤の幅方向の拡がりに伴い両基板の外周側に押しやられる。従って、接着剤の初期吐出部は少なくとも、それよりも内周側で環状配置された接着剤の環状部がその拡がりによって両基板の外周位置に達した時点では、両基板の外周外に排出され、気泡が混入していてもこれを両基板外に持ち運んで両基板間から確実に排除するので、両基板を気泡の混入がない接着剤によって貼り合わせることができ、品質および歩留りが向上する。しかも、両基板外に排出されるのは初期吐出部などの限られた一部でよいので、接着剤の無駄な消費は抑えられる。
【0018】
環状配置工程の両基板と接着剤の吐出位置との基板の面上での中央部まわりの相対移動は、両基板を回転させることで簡単に達成されるが、場合によっては吐出位置の側を旋回させることができるし、それらを複合して行うこともできる。
【0019】
両基板はその面上の中心を通る軸線まわりに回転させるのが円形でないものも含め振れや振動を抑えて貼り合わせを気泡などの欠陥なしに首尾よく達成するのに有利である。
【0020】
拡張排出工程で、少なくとも接着剤の初期吐出部分を両基板外に排出させる操作に併せ両基板を板面上でその中央部まわりに高速回転させることで、接着剤に回転による遠心力を与えて接着剤の環状部の外周側への拡がりと初期吐出部分の両基板外への排出を促進することができるし、両基板の回転速度や接着剤の粘度の選択などによっては、排出した接着剤を振り切って貼り合わせた板部材から自動的に排除することができる。両基板の間隙を狭めて環状配置された接着剤を拡げる操作の初期から両基板を回転させることにより接着剤の環状部の外周側への拡がりを遠心力によって迅速かつスムーズにするので、拡張排出工程の時間短縮を図るとともに、接着剤を拡がらせる段階での気泡などの欠陥が生じるのを防止しやすくなる。
【0021】
このような貼り合わせに用いる接着剤は一般にペースト状のものであり、両基板の貼り合わせはその間隙に拡がらせた接着剤が硬化することで完了する。この硬化を適時に、また早期に行うために、人為的な硬化操作を行う工程を含むのが好適である。硬化操作は接着剤による上記貼り合わせ後に加熱や光照射などによって行える。場合によっては接着剤による貼り合わせ終了時点で接着剤が硬化するように前もって硬化操作しておくこともできる。接着剤の両基板の外周外への排出などによって、両基板の外周部にはみ出して付着することのある接着剤については、接着剤の硬化前に除去してもよいし、硬化後に機械加工などによって除去してもよい。接着剤の吐出は基板どうしの間に外周部から挿入した接着剤注入ノズルによって達成でき、両基板との中央部まわりの相対移動およびこれに併せた、あるいは独立した吐出位置の外周側から内周側への移動も自由に行える。基板どうしは、対向し合う板面をほぼ平行にして取り扱うと、両基板の平行性を保って貼り合わせることができ、貼り合わせる各基板の双方に情報記録層がありこれを片側から光によって読むのに距離や屈折など読取り条件の変動がなく正確に読みだせると言った利点がある。
【0022】
本発明の、上記のような基板の貼り合わせ方法を実現する基板の貼り合わせ装置は、基板どうしを互いの板面を対向させて保持するとともに、各基板の間の間隙を変更できる基板保持手段と、基板の間の間隙に挿入できる接着剤注入ノズルと、この接着剤注入ノズルを基板の外周側から前記間隙に進退させるノズル進退機構と、接着剤注入ノズルから接着剤を吐出させる接着剤吐出機構とを備えた接着剤注入手段と、基板保持手段に保持された基板どうしを板面上でその中央部まわりに回転させる基板回転手段と、基板保持手段が保持した各基板の間を所定の間隙に設定する制御、この設定した間隙の基板間に接着剤注入ノズルを所定位置まで挿入させるとともに、その挿入位置で接着剤を吐出させて両基板に接触させた後、その接着剤注入ノズルによる吐出位置を両基板の間の外周側から内周側に所定量だけ初期相対移動させるとともに、これに伴いまたはこれに続いて両基板を面上でその中央部まわりに回転させることによって、接着剤を両基板の間にそれらとの接触を保って環状に配置し、その後両基板の間隙を狭めて環状配置された接着剤を拡げるとともにその外周側に位置する接着剤の初期吐出部を両基板外に排出するように、基板保持手段、接着剤注入手段のノズル進退機構、接着剤吐出機構、および基板回転手段を関連制御する、制御手段と、を備えたことを1つの特徴としている。
【0023】
これにより、貼り合わせる基板どうしを基板保持手段で保持して、制御手段の制御により各基板を所定の間隙に設定しておき、続く制御手段の制御によって、接着剤注入手段のノズル進退機構、接着剤吐出機構、基板保持手段、および基板回転手段を関連動作させて、前記設定した間隙の基板間に接着剤注入ノズルを所定位置まで挿入させるとともに、その挿入位置で接着剤を吐出させて両基板に接触させた後、その接着剤注入ノズルによる吐出位置を両基板の間の外周側から内周側に所定量だけ初期相対移動させるとともに、これに伴いまたはこれに続いて両基板を面上でその中央部まわりに回転させることによって、接着剤を両基板の間にそれらとの接触を保って環状に配置し、その後両基板の間隙を狭めて環状配置された接着剤の環状部を拡げるとともにその外周側に位置する接着剤の初期吐出部を両基板外に排出させるので、基板どうしの接着剤を介した上記特徴のある貼り合わせ方法を、予め設定したプログラムに従って、自動的に確実に達成することができる。
【0024】
基板回転手段は基板保持手段が保持した各基板を同期回転させると、基板どうしがずれたりしないので基板どうしでは回転していないのと同じ状態となって、初期吐出工程および環状配置工程では、吐出される接着剤に特別な動きを与えず受け入れるし、拡張排出工程では、環状配置された接着剤を両基板での押しつけと回転による遠心力だけで拡張していけるので、初期吐出時に混入することがある以外気泡が混入したりする欠陥を防止しやすい。
【0025】
接着剤吐出機構が、接着剤注入ノズルに通じた接着剤収容部と、接着剤収容部内の接着剤を接着剤注入ノズルに送りだす送出し手段と、この送出し手段を動作させるアクチュエータとを備え、制御手段が基板の回転と接着剤注入ノズルの接着剤吐出後の進出とに対して、送出し手段の送出し動作を同期させるように制御することで、接着剤の吐出開始および終了と、吐出中の吐出量とを、基板の貼り合わせ動作の進行に合わせて適正に設定し、達成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基板の貼り合わせ方法およびその装置に係る代表的な実施の形態について、図1〜図13を参照しながら説明する。
【0027】
本実施の形態の基板の貼り合わせ方法およびその装置は、前記した図14に示すようなDVDを製造する場合の一例である。本実施の形態の基板の貼り合わせ方法は、図13に示すように基板10どうしを接着剤40を介して貼り合わせるのに、基本的に以下のような工程で行う。図1〜図13に示す本実施の形態の基板の貼り合わせ装置を参照しながら説明すると、図5に示すように所定の間隙を保って支持した両基板10、10間に、接着剤40を図5および図6に示すように初期吐出して両基板10、10に接触させる初期吐出工程と、接着剤40の吐出を続けながら、接着剤40の吐出位置を図7の実線で示す初期吐出位置から仮想線で示す接着剤40の環状配置位置まで両基板の間の外周側から内周側に所定量Sだけ初期相対移動させるとともに、これに伴って両基板10、10と吐出位置との基板10の面上でその中央部まわりに相対移動させることによって、接着剤40を両基板10、10の間にそれらとの接触を保って図7、図8に示すように環状に配置する環状配置工程と、基板10どうしの前記間隙Hを狭めて前記環状に配置した接着剤40を図9、図10に示すように両基板10、10の間の間隙S内に拡げるとともに、少なくとも接着剤40の環状部40bの最外周側に位置する初期吐出部分40aを両基板10、10外に排出する拡張排出工程と、を含んで、基板10どうしを貼り合わせる。
【0028】
環状配置工程の両基板10、10と接着剤40の吐出位置との基板10の面上での中央部まわりの相対移動は、両基板10、10を回転させることで簡単に達成されるが、場合によっては吐出位置の側を旋回させることができるし、それらを複合して行うこともできる。吐出位置は接着剤40を吐出させる接着剤注入ノズル32などの吐出口34の位置と等価であり、この位置を制御すればよい。
【0029】
基板10どうしの貼り合わせに用いる接着剤40は一般にペースト状のものであり、両基板10、10の貼り合わせはその間隙に拡がらせた接着剤40が硬化することで完了する。そこで、この硬化を適時に、また早期に行うために、人為的な硬化操作を行う工程を含むのが好適である。硬化操作は接着剤40による上記貼り合わせ後に加熱や光照射などによって行える。場合によっては接着剤40による貼り合わせ終了時点で接着剤40が硬化するように前もって硬化操作しておくこともできる。
【0030】
上記の図5、図6に示す初期吐出工程で初期吐出された接着剤40の初期吐出部分40aは、その後の図7、図8に示す環状配置工程で環状配置された接着剤40の環状部40bの最外周側に位置する。この状態で図9、図10に示す拡張排出工程が行われて両基板10、10間に環状配置された接着剤40の環状部40bが、両基板10、10の間隙が狭められるのに伴い図9、図10に示すように幅方向に拡げられる。このとき、気泡BBが混入することのある初期吐出部40aは前記したように最外周位置にあることによって接着剤40の幅方向の拡がりに伴い図9に示すように両基板10、10の外周側に押しやられる。このため接着剤40の初期吐出部40aは、少なくとも、それよりも内周側で環状配置された接着剤40の環状部40bがその拡がりによって図10に示すように両基板10、10の外周位置に達した時点では、両基板10、10の外周外に、図10に示すように排出され、気泡BBが混入していてもこれを両基板10、10外に持ち運んで両基板10、10間から確実に排除する。従って、両基板10、10を気泡BBの混入がない接着剤40によって貼り合わせることができ、品質および歩留りが向上する。
【0031】
両基板10、10はその板面上の中心を通る軸線Xまわりに回転させるのが円形以外のものを含め、振れや振動を抑えて貼り合わせに際して接着剤40の初期吐出時以外で気泡などの欠陥を生じさせないで首尾よく達成するのに有利である。
【0032】
本実施の形態ではまた、拡張排出工程で、少なくとも接着剤40の初期吐出部40aを両基板10、10外に排出させる操作に併せ両基板10、10を板面上でその中央部まわりに高速回転させる。これにより、接着剤40に回転による遠心力を与えて接着剤40の環状部40bの外周側への拡がり、および初期吐出部40aの両基板10、10外への排出を促進することができるし、両基板10、10の回転速度や接着剤40の粘度の選択などによっては、排出した接着剤40を図10に示すような液滴やミストとして振り切り、両基板10、10を貼り合わせたDVDである板部材120などから自動的に切り離して排除することができる。このように、液滴やミストとして排出した接着剤40の初期吐出部40aなどは、例えば図10に示したようなフード111を通じて吸引経路112へ吸引排除することにより、接着剤40がまわりに飛散するようなことに対応することができる。
【0033】
フード111に接着剤注入ノズル32の進退を案内するガイド112を設ければ、接着剤注入ノズル32を振れなどなく安定して進退させることができ、両基板10、10間の間隙Hをより狭くしてもそれらと接触しないで接着剤注入ノズル32を進退させられる利点がある。
【0034】
両基板10、10の間隙を狭めて環状配置された接着剤40の環状部40bを拡げる操作の初期から両基板10、10を回転させることにより接着剤40の環状部40bの外周側への拡がりを遠心力によって迅速かつスムーズにするので、拡張排出工程の時間短縮を図るとともに、接着剤40を拡がらせる段階で気泡などの欠陥が生じるのをさらに防止しやすくなる。
【0035】
接着剤40の両基板10、10の外周外への排出などによって、両基板10、10の外周部にはみ出して付着することのある接着剤40については、接着剤40の硬化前に除去してもよいし、硬化後に機械加工などによって除去してもよい。接着剤40の吐出は図5〜図7に示すように両基板10、10の間に外周部から挿入した接着剤注入ノズル32によって達成でき、両基板10、10との中央部まわりの相対移動およびこれに併せた、あるいは独立した吐出位置の外周側から内周側への移動も自由に行える。
【0036】
もっとも、両基板10、10からはみ出して付着することのある接着剤40をこれの硬化後に機械加工により除去するような場合は特に、両基板10、10の間隙Hの接着剤40を環状に配置した環状部40bよりも内周側の初期吐出部40aができるように、接着剤注入ノズル32の吐出口34を両基板10、10の内周側から接着剤40の環状配置位置まで外周側に相対移動させて後、接着剤40の環状配置工程を実施し、両基板10、10の間隙Hを狭めて環状部40bを幅方向に拡げて行く操作のときに、初期吐出部40aが両基板10、10の内周側に設けた孔などに排出されるようにしても、この排出される初期吐出部40aの量を、基板保持手段113の真空吸着盤20など他に付着して問題とならない程度に抑えながら、接着剤40の硬化後に排出された初期吐出部40aを機械的に除去すればよい。このようにすると、接着剤40の環状配置工程終了時点で接着剤注入ノズル32が初期吐出部40aと接触しやすく接着剤40が付着しやすいという問題が容易に解消できる。
【0037】
基板10、10どうしは、対向し合う板面をほぼ平行にして取り扱うと、両基板10、10の平行性を保って貼り合わせることができ、貼り合わせる各基板10の双方に図14に示すように信号記録層1がありこれを片側から光Lによって読むのに距離や屈折などの光学的な読取り条件の変動がなく正確に読みだせると言った利点がある。両基板10、10は通常、その板面が水平になるように取り扱われて、接着剤40の重力による移動を抑えやすくするが、特にこれに限られることはない。両基板10、10を例えば傾斜した状態に保持して取り扱われても、接着剤40の粘度や両基板10、10間の間隙の大きさによっては、重力の影響を受けないこともある。
【0038】
ここで、実施例について述べると、製造するDVDのための基板10は中心に孔を有した円板状をなし、例えばポリカーボネート樹脂などからなり、厚みが0.6mm程度、外形は約12mm程度である。接着剤40の初期吐出位置は基板10の外周から5mm〜10mm程度に設定すると、拡張排出工程における初期吐出部40aの両基板10、10間外への排出に好適である。拡張排出工程での接着剤40を環状配置する位置は、前記初期吐出位置から、基板10の内周側にさらに20mm〜35mm程度進入した位置として、接着剤注入ノズル32の機械的条件、つまり振れ止めなどの面から十分に対応でき、拡張排出工程での接着剤40の内周側と外周側との拡がり具合の差に応じて選択設定すればよい。この選択設定する基準は、両基板10、10間の板面全体を接着剤40を介して貼り合わせる場合でいうと、例えば、接着剤40が両基板10、10間の内周側と外周側に同時に到達できるようにする位置である。これを満足することにより、拡張排出工程で接着剤40を拡がらせるのに、接着剤40が両基板10、10間の内周および外周に到達した時点で拡張排出操作を終えると、接着剤40の初期吐出部40aは両基板10、10間外に確実に排出しておいて、他の部分での接着剤40の排出を抑えて、接着剤40を節減できる。もっとも、両基板10、10間全域に接着剤40を確実に行き渡らせるためには両基板10、10の全周である程度の量の接着剤40がはみ出る程度にするのは意味があり、円形以外の形状のものに特に有効である。
【0039】
本実施の形態はDVDを製造する場合のもので、接着剤40は透明であることが好ましく、特に紫外線硬化型のものが適していてアクリル系のものなどがある。しかし、これに限られることはない。紫外線硬化型以外の放射線硬化型、熱硬化型接着剤などのほか、予め行った硬化操作、あるいは予め付与された化学的、物理的性質による自己硬化型接着剤なども利用できる。ペースト状である接着剤40の粘度は150〜800CPS程度のものを用いて好適である。しかし、この範囲外のものでも仕様によっては採用できる。
【0040】
両基板10、10の初期吐出工程および環状配置工程での間隙は、接着剤注入ノズル32から吐出された接着剤40が、両基板10、10に接触できる程度に狭い必要がある。接着剤40は接着剤注入ノズル32から吐出されたときにある程度膨らむし、吐出流量を調整することによってその膨らみを大きくすることもできる。しかし、接着剤40の消費量を極力抑え、また、接着剤40の層厚を所定の薄さに押し拡げる時間を短縮し、また、その間で生じるかもしれない両基板10、10の反りや変形、両基板10、10との間での接着剤40への気泡BBの混入と言ったことを極力防止する意味で、前記間隙は2mm以下程度に小さく設定するのが好適である。接着剤注入ノズル32の進退が可能であればできるだけ狭いほうがよい。DVDを製造する場合の間隙のより好ましい範囲は1.4〜1.8mm程度であり、両基板10、10間に最終的に介在して残す接着剤40の量は0.6〜0.7g程度となる。このような実施例範囲での接着剤40の一回の貼り合わせに用いた量は1.2g程度で、従来例で述べたオーバーコート方式では接着剤の使用量が3.6g程度であるのに比べて1/3に減少する。
【0041】
環状配置のための両基板10、10の回転は、接着剤40の両基板10、10への接触を保っての吐出量を満足できることを条件に高速回転でもよいが、基板10の一回転で環状配置は終わるので、時間短縮上は特に高速にする必要はない。拡張排出工程の接着剤40の拡張および初期吐出部40aの排出に際しての回転は、前記した回転による利点を活かすために高速であるのが好ましい。通常前記粘度の接着剤40に対して1500〜5000rpm程度として有効である。
【0042】
しかし、場合によってはそれよりも低く設定することができるし、8000rpm程度まで高くすることもできる。
【0043】
なお、接着剤40の初期吐出位置から接着剤40を環状配置するまでの接着剤注入ノズル32の、両基板10、10との径方向の相対移動の開始時点から上記のように両基板10、10を回転させているが、これに限られることはなく、このような径方向の相対移動操作の終了時点で両基板10、10の回転を接着剤40の環状部40bを前記径方向に拡げ、また、初期吐出部40aを両基板10、10外に排出することを行うようにもできる。接着剤40の環状配置工程の終了時点で吐出終了位置を図7に示すように、初期吐出位置近傍に戻すようにすると、吐出終了位置で接着剤40の吐出を終えるとともに接着剤注入ノズル32が接着剤40の環状配置位置から初期吐出位置まで後退される動きの継続によって、両基板10、10を特に停止させなくても、接着剤注入ノズル32が接着剤40の初期吐出部40aに接してこれに付着してしまうようなことを回避しやすい。しかし、これに限られることはなく、接着剤40の環状配置工程の終了時点で両基板10、10の回転と、接着剤40の吐出とを停止した後、接着剤注入ノズル32を後退させるようにしても、接着剤注入ノズル32が接着剤40の初期吐出部40aに接してこれが付着するようなことを防止できる。もっとも、接着剤40の環状配置は、接着剤40の吐出終了部40cが初期吐出部40a側に環状配置工程によって、あるいはその後の拡張排出工程で接触するときに、万が一気泡BBが混入しやすいのであれば、本実施の形態の図7に示すように吐出終了部40cが初期吐出部40a近傍とって、拡張排出工程にて初期吐出部40aとともに両基板10、10間外に排出されるようにするのが好適である。
【0044】
図1〜図13に示す基板の貼り合わせ装置は、上記のような基板の貼り合わせ方法を実現するために、基板10どうしを互いの板面を対向させて保持するとともに、各基板10の間の間隙Hを変更できる基板保持手段113と、保持した各基板10の間の間隙Hに挿入できる接着剤注入ノズル32、この接着剤注入ノズル32を両基板10、10の外周側から前記間隙Hに進退させるノズル進退機構114、接着剤注入ノズル32から接着剤40を吐出させる接着剤吐出機構115を備えた接着剤注入手段116と、基板保持手段113に保持された基板10どうしを板面上でその中央部まわりに回転させる基板回転手段117と、基板保持手段113が保持した各基板10の間を所定の間隙に設定する制御、この設定した間隙の基板10間に接着剤注入ノズル32を所定位置まで挿入させるとともに、その挿入位置で接着剤40を吐出させて両基板10、10に接触させた後、その接着剤注入ノズル32による吐出位置を両基板10、10の間の外周側から内周側に所定量だけ初期相対移動させるとともに、これに伴いまたはこれに続いて両基板10、10を面上でその中央部まわりに回転させることによって、接着剤40を両基板10、10の間にそれらとの接触を保って環状に配置し、その後両基板10、10の間隙Hを狭めて環状配置された接着剤40を拡げるとともにその外周側に位置する接着剤40の初期吐出部40aを両基板10、10外に排出するように、基板保持手段113、接着剤注入手段116のノズル進退機構114、接着剤吐出機構115、および基板回転手段117を関連制御する。マイクロコンピュータや他の制御回路を用いた制御手段118とを備えている。
【0045】
これにより、貼り合わせる基板10どうしを基板保持手段113で保持して、制御手段118の制御により各基板10を所定の間隙Hに設定しておき、続く制御手段118の制御によってノズル進退機構114、接着剤吐出機構115、および基板回転手段117の関連制御して、この設定した間隙Hの基板10間に接着剤注入ノズル32を所定位置まで挿入させるとともに、その挿入位置で接着剤40を吐出させて両基板10、10に接触させた後、その接着剤注入ノズル32による吐出位置を両基板10、10の間の外周側から内周側に所定量だけ初期相対移動させるとともに、これに伴いまたはこれに続いて両基板10、10を板面上でその中央部まわりに回転させることによって、接着剤40を両基板10、10の間にそれらとの接触を保って環状に配置し、その後両基板10、10の間隙Hを狭めて環状配置された接着剤40を拡げるとともにその外周側に位置する接着剤40の初期吐出部40aを両基板10、10外に排出させるので、基板10、10どうしの接着剤40を介した上記特徴のある貼り合わせ方法を、予め設定したプログラムに従って、自動的に確実に達成することができる。
【0046】
プログラムは制御手段118のハード回路の設計上設定されたものでもよいが、内部、あるいは外部の適当な記憶手段に記憶されたものに従って遂行されるものでもよい。制御方式は特に問わない。
【0047】
基板回転手段117が基板保持手段113が保持した各基板10、10を同期回転させると、基板10、10どうしがずれたりしないので基板10、10どうしでは回転していないのと同じ状態となって、初期吐出工程および環状配置工程では、吐出される接着剤40に特別な動きを与えず受け入れるし、拡張排出工程では、環状配置された接着剤40を両基板10、10での押しつけと回転による遠心力だけで拡張していけるので、初期吐出時に混入することがある以外気泡が混入したりする欠陥を防止しやすい。
【0048】
接着剤吐出機構115は、接着剤注入ノズル32に通じた接着剤収容部30と、接着剤収容部30内の接着剤40を接着剤注入ノズル32に送りだす図1に示すようなピストン122あるいは定量吐出ポンプなどと、このピストン122などを動作させるモータ123などの適当な運動方式のアクチュエータとを備え、制御手段118が基板10、10の回転と接着剤注入ノズル32の接着剤吐出後の進出とに対して、ピストン122などの送出し動作を同期させるように制御することで、接着剤40の吐出開始および終了と、吐出中の吐出量とを、基板10、10の貼り合わせ動作の進行に合わせて適正に設定し、達成することができる。
【0049】
この連動制御のために、接着剤吐出機構115のピストン122はモータ123に連結して回転駆動される作動軸122aを有している。この作動軸122aは一体に取り付けたねじ部材122bが固定ラック124に噛み合わされている。モータ123が作動軸122aを正回転させるとねじ部材122bが正回転されて固定ラック124との噛み合いによって前方への推進力が与えられ、作動軸122aを介してピストン122を前進させ、接着剤収容部30内の接着剤40を接着剤注入ノズル32からモータ123の回転量に応じた定量注出させる。従って、モータ123が制御手段118によって基板10、10の回転と接着剤注入ノズル32の接着剤吐出後の進出とに対応してモータ123を駆動することにより、基板10、10の回転と接着剤注入ノズル32の接着剤吐出後の進出とに連動した接着剤40の吐出量の制御が達成される。
【0050】
基板保持手段113は図1に示すように、上下に対向して配置された一対の真空吸着盤20、20を有している。真空吸着盤20は円形の厚板状をなし、互いの対向面に平坦で水平な吸着面23が形成され、ステンレス鋼材など、表面が平滑で剛性のある材料で製作されている。図2に示すように吸着面23には多数の吸着口21が配置されている。図3に示すように吸着口21は真空吸着盤20の内部を通る吸引路22につながる。上下に配置された真空吸着盤20の中間位置には、接着剤注入ノズル32が接着剤収容部30、接着剤吐出機構115とともに、エアシリンダ125などによって水平方向に一体に進退駆動されるように配置されて、上記のような接着剤40の吐出位置の制御が行われるようにしている。
【0051】
図1に示すように、両真空吸着盤20は、同心で上下に延びる回転軸24、25を備えている。上下の回転軸24、25はそれぞれ、支持部材70、90により回転できるように支持されている。回転軸24、25には支持部材70、90の上下方向の外側でプーリ62、62が連結されている。真空吸着盤20の吸引路22は、回転軸24、25の内部を通って回転軸24、25の端部から外部に出る真空パイプ123aにつながり、真空パイプ123aは図示しない真空ポンプなどの真空源に接続されて真空吸着盤20の各吸着口21に吸引力を及ぼす。
【0052】
上下の支持部材70、90には、回転軸24、25と平行して上下一対の駆動軸66、67が回転できるように支持されている。下方側の支持部材70には駆動軸66、67を回転できるように支持する支持筒72を有している。支持筒72の内部には、駆動軸66、67を繋ぐ継ぎ手機構73が設けられている。継ぎ手機構73は駆動軸66から駆動軸67へと回転力を伝達するが、駆動軸67の軸方向への移動は許容する。このような機能を有する継ぎ手機構73には、通常のスプライン継ぎ手などが用いられる。駆動軸66は駆動モータ60により回転駆動する。
【0053】
駆動軸66、67には、回転軸24、25に設けられたプーリ62、62と対向する位置にそれぞれプーリ62、62が取り付けられている。駆動軸66、67のプーリ62、62と回転軸24、25のプーリ62、62との間にはそれぞれベルト64、64が掛け渡されており、駆動軸66、67の回転が回転軸24、25に伝達され、回転軸24、25に連結された真空吸着盤20、20が同期回転される。
【0054】
支持筒72の上端側方には昇降アクチュエータ74が設けられている。昇降アクチュエータ74はエアシリンダ機構や電磁シリンダ機構などにより、上端に有する作動軸76を上下に昇降させる。作動軸76の上端は、上方側の支持部材90を支持しているコ字形枠82に連結されている。支持部材90はコ字形枠82に対して水平方向に旋回できるように支持されている。昇降アクチュエータ74を昇降作動させると、作動軸76に連結されたコ字形枠82および支持部材90が上下に昇降され、支持部材90に支持された駆動軸67、回転軸25、プーリ62、ベルト64および上方の真空吸着盤20が昇降する。真空吸着盤20の昇降位置に関わらず、駆動モータ60の回転は上方の真空吸着盤20に確実に伝達される。ここに、昇降アクチュエータ74、その作動軸76およびコ字形枠82は、基板保持手段113における両基板10、10の間隙Hを自在に調節するための間隙調節機構をなし、上記初期吐出工程および拡張排出工程で必要な両基板10、10間の間隙Hの設定および間隙Hを狭めていく動作を達成する。しかし、このような機構は別のもので代替することができる。
【0055】
コ字形枠82の上部には旋回モータ80が取付けられている。旋回モータ80の下端に延びる旋回軸84は駆動軸67と同心上に配置されており、旋回軸84の下端がコ字形をなす旋回部材86に接続されている。旋回部材86はプーリ62を避けてプーリ62の下にまわり込むように配置され、旋回部材86の下端部が支持部材90に固定されている。図2にも示したように、旋回モータ80を回転させると、旋回軸84、旋回部材86および支持部材90が水平面上で旋回し、上下に配置された真空吸着盤20どうしが図4に示すように水平方向に位置ずれして対向し合わなくなり、双方に基板10を図4に示すように吸着保持し、また、貼り合わせ後の板部材120を取り外すことができる。
【0056】
なお、制御手段118は上記のような各機構を必要な状態に関連動作制御するのに、図1およびその説明で代表的に示した各駆動源ないしアクチュータ60、80、123、125などと制御ラインを接続している。具体的な結線構造の図示および説明は省略する。
【0057】
使用する接着剤40が紫外線硬化形のものであることに対応して、上方の回転軸25の上に紫外線照射ランプ100が配置され、接着剤40による基板10どうしの貼り合わせ終了時点で速やかに紫外線照射して接着剤40の硬化操作を行う。
【0058】
【発明の効果】
本発明の基板の貼り合わせ方法およびその装置によれば、初期吐出工程で初期吐出された接着剤の気泡が混入することがある初期吐出部分を、接着剤の環状配置工程で環状配置された接着剤の環状部の最外周側に位置させておくことで、その後の拡張排出工程で両基板の間隙が狭められたときの接着剤の環状部の外周側への拡がりによって、前記初期吐出部を両基板の外周外に排出し、接着剤の初期吐出部に気泡が混入していてもこれを両基板外に持ち運んで両基板間から確実に排除するので、両基板を気泡の混入がない接着剤によって貼り合わせることができ、品質および歩留りが向上する。
【0059】
特に、本発明の基板の貼り合わせ装置によれば、基板どうしの接着剤を介した上記特徴のある貼り合わせ方法を、予め設定したプログラムに従って、自動的に確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板の貼り合わせ方法およびそれを実現する基板の貼り合わせ装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の装置の基板保持手段の平面図である。
【図3】図1の装置の真空吸着盤の基板を吸着保持する手順の様子を示す一部を断面して見た側面図である。
【図4】図3の真空吸着盤に基板を吸着保持した状態を示す基板の一部を切除して見た平面図である。
【図5】図1の装置における両基板の間隙内への接着剤の初期吐出状態を示す一部を断面して見た側面図である。
【図6】図5の上方の基板および真空吸着盤の一部を切除して見た平面図である。
【図7】接着剤の環状配置工程の終了時点を示す上方の基板および真空吸着盤の一部を切除して見た平面図である。
【図8】図7の環状配置された接着剤を断面して見た側面図である。
【図9】図8の状態から拡張排出工程を行っている途中の状態を示す上方の基板および真空吸着盤の一部を切除して見た平面図である。
【図10】拡張排出工程の最終状態を示す側面図である。
【図11】拡張排出工程を終了した両基板および接着剤の状態を示す上方の基板および真空吸着盤の一部を切除して見た平面図である。
【図12】拡張排出工程後に接着剤を硬化操作する状態を示す側面図である。
【図13】接着剤の硬化操作後に基板どうしを接着剤を介して貼り合わせた板部材を取り出す状態を示す側面図である。
【図14】基板どうしを貼り合わせて製造されたDVDの構造を示す断面図である。
【図15】本出願人が先に提案した基板の貼り合わせ方法の接着剤の初期吐出工程を示す一部を断面して見た側面図である。
【図16】図15の上方の基板および真空吸着盤の一部を切除して見た平面図である。
【図17】図15の状態から接着剤の環状配置工程を終了した状態を示す上方の基板および真空吸着盤の一部を切除して見た平面図である。
【図18】図17の接着剤を断面して見た側面図である。
【図19】図18の後の接着剤の拡張工程を示す上方の基板および真空吸着盤の一部を切除して見た平面図である。
【図20】図19の拡張工程で接着剤の一部排出を図った状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 基板
20 真空吸着盤
21 吸着口
23 吸着面
24、25 回転軸
30 接着剤収容部
32 接着剤注入ノズル
34 吐出口
40 接着剤
40a 初期吐出部
40b 環状部
40c 吐出終了部
60 駆動モータ
62 プーリ
64 ベルト
66、67 駆動軸
70、90 支持部材
72 支持筒
73 継ぎ手機構
74 昇降アクチュエータ
76 作動軸
82 コ字形枠
113 基板保持手段
114 ノズル進退機構
115 接着剤吐出機構
116 接着剤注入手段
117 基板回転手段
118 制御手段
X 中心軸線

Claims (10)

  1. 基板どうしを接着剤を介して貼り合わせる方法であって、
    所定の間隙を保って支持した両基板間に接着剤を初期吐出して両基板に接触させる初期吐出工程と、接着剤の吐出を続けながら、接着剤の吐出位置を両基板の間の外周側から内周側に所定量だけ初期相対移動させるとともに、これに伴いまたはこれに続いて両基板と吐出位置との基板の面上でその中央部まわりに相対移動させることによって、接着剤を両基板の間にそれらとの接触を保って環状に配置する環状配置工程と、基板どうしの間隙を狭めて前記環状に配置した接着剤を両基板の間の間隙に拡げるとともに、少なくとも接着剤の最外周側に位置する初期吐出部分を両基板外に排出する拡張排出工程と、
    を含むことを特徴とする基板の貼り合わせ方法。
  2. 拡張排出工程において接着剤の初期吐出部分を両基板外に排出させる操作に併せ両基板を板面上でその中央部まわりに高速回転させる請求項1に記載の基板の貼り合わせ方法。
  3. 拡張排出工程は両基板を板面上でその中央部まわりに回転させて行う請求項1に記載の基板の貼り合わせ方法。
  4. 拡張排出工程において少なくとも接着剤の初期吐出部分を両基板外に排出する操作に併せ、両基板のまわりの雰囲気を吸引排除する請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板の貼り合わせ方法。
  5. 接着剤はペースト状のものであり、これを拡張排出工程終了とともに、あるいはその後に硬化させる硬化工程を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板の貼り合わせ方法。
  6. 接着剤の吐出は基板どうしの間に外周部から挿入した接着剤注入ノズルによって行う請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板の貼り合わせ方法。
  7. 基板どうしは、対向し合う板面をほぼ平行にして取り扱う請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板の貼り合わせ方法。
  8. 基板どうしを互いの板面を対向させて保持するとともに、各基板の間の間隙を変更できる基板保持手段と、
    基板の間の間隙に挿入できる接着剤注入ノズルと、この接着剤注入ノズルを基板の外周側から前記間隙に進退させるノズル進退機構と、接着剤注入ノズルから接着剤を吐出させる接着剤吐出機構とを備えた接着剤注入手段と、
    基板保持手段に保持された基板どうしを板面上でその中央部まわりに回転させる基板回転手段と、
    基板保持手段が保持した各基板の間を所定の間隙に設定する制御、この設定した間隙の基板間に接着剤注入ノズルを所定位置まで挿入させるとともに、その挿入位置で接着剤を吐出させて両基板に接触させた後、その接着剤注入ノズルによる吐出位置を両基板の間の外周側から内周側に所定量だけ初期相対移動させるとともに、これに伴いまたはこれに続いて両基板を面上でその中央部まわりに回転させることによって、接着剤を両基板の間にそれらとの接触を保って環状に配置し、その後両基板の間隙を狭めて環状配置された接着剤を拡げるとともにその外周側に位置する接着剤の初期吐出部を両基板外に排出するように、基板保持手段、接着剤注入手段、および基板回転手段を関連制御する、制御手段と、を備えたことを特徴とする基板の貼り合わせ装置。
  9. 基板回転手段は基板保持手段が保持した各基板を同期回転させる請求項8に記載の基板の貼り合わせ装置。
  10. 接着剤吐出機構は、接着剤注入ノズルに通じた接着剤収容部と、接着剤収容部内の接着剤を接着剤注入ノズルに送りだす送出し手段と、この送出し手段を動作させるアクチュエータとを備え、制御手段は基板の回転と接着剤注入ノズルの接着剤吐出後の進出とに対して、送出し手段の送出し動作を同期させるように制御する請求項8、9のいずれか一項に記載の基板の貼り合わせ装置。
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