JP3934067B2 - 減衰器スイッチおよびそれを用いた携帯電話端末装置 - Google Patents

減衰器スイッチおよびそれを用いた携帯電話端末装置 Download PDF

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  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Transceivers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デュアルバンド(モード)携帯電話端末装置に関するものであり、特にその無線部内の高周波部の減衰器(アッテネータ)およびスイッチの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル方式(例えばPDC)においては、携帯電話端末装置と基地局の距離の変化にかかわらず、携帯電話端末装置から基地局に届く電波の強度を一定にする必要がある。そのため、携帯電話端末装置の送信部で利得制御が行われる。
【0003】
図9には基地局と携帯電話端末装置との位置関係を模式的に示している。図9において、一つの基地局BSのセル範囲CLは半径数十km程度、例えば半径30km程度の大きさである。この基地局BSのセル範囲CL内には、基地局BSとの距離または地形などの通信条件が同一でない多数台の携帯電話端末装置TH1,TH2が存在する。そして、多数台の携帯電話端末装置TH1,TH2は、基地局BSとの距離または通信条件を刻々と変化させながら、基地局BSとの間で同時に通信を行っている。
【0004】
この場合に、基地局BSのセル範囲CLにおいて、基地局BSから最も近い場所と最も離れた場所とで、携帯電話端末装置から基地局に届く電波の強度を同一にするためには、セル範囲CLの大きさから、携帯電話端末装置の送信部における利得制御幅が50dB程度以上必要である。これは、遠近問題といわれる。
【0005】
もしも、携帯電話端末装置の送信部における利得制御が良好に行われないと、携帯電話端末装置と基地局の距離の減少に伴い、基地局に届く電波の強度が増大することになるため、隣接チャンネルへの漏洩電力が増大し、その結果、符号誤り率が増大して通話品質が低下することになる。図10において、実線A1〜A6は基地局における各チャンネル毎の受信電波の強度を示し、破線B4はチャンネルA4のインターモジュレーション歪特性を示している。この図10は、チャンネルA3,A5の受信電波の強度が破線B4で示すチャンネルA4の歪み成分に埋もれてしまい、チャンネルA4に隣接したチャンネルA3,A5からは正しいデータを復元できなくなることを示している。
【0006】
携帯電話端末装置の送信部における利得制御は、キャリア信号と雑音とのレベルの比(C/N)が大きい状態を維持するためには、できるだけキャリア信号レベルの高い高周波部で行うことが望ましい。その理由は、高周波部はキャリア信号レベルがバックグラウンドの雑音のレベルにくらべて格段に高く、高周波部で利得を下げても、キャリア信号と雑音レベルの差が大きい状態が保たれるからである。逆に、中間周波部は、キャリア信号レベルが低く、中間周波部で利得を下げてしまうと、キャリア信号レベルとグラウンド雑音のレベルとの差がごく小さい状態になってしまい、この中間周波部のキャリア信号レベルとノイズレベルの差がそのまま高周波部に現れるためである。
【0007】
この50dB以上の範囲にわたる利得制御を行うために、携帯電話端末装置の無線部の送信部においては、高周波部で利得をステップ制御し、中間周波部で利得を連続制御する。このように、高周波部における利得制御量と中間周波部とにおける利得制御量とを併用することで、50dB以上の範囲において利得制御を行うことが可能となる。
【0008】
そして、携帯電話端末装置における利得制御は、以下のようにして行われる。すなわち、携帯電話端末装置では、携帯電話端末装置における受信信号の強度から、基地局での受信信号の強度を一定値にするために必要な送信電力の目標値を設定し、この目標値と実際の送信電力とを比較することで、送信電力を目標値に追従させるようなフィードバック制御ループを形成し、送信電力が目標値に一致するように利得制御が実行される。
【0009】
デュアルバンド(モード)携帯電話端末装置では、図11に示すようなバンドA(モードA)を使用する基地局BS(A)のセル範囲CL(A)からバンドB(モードB)を使用する基地局BS(B)のセル範囲CL(B)への移動時において、バンド(モード)切替を行う。ここで、バンドA,Bとは使用周波数帯域が異なること示し、モードA,Bとは使用システムが異なることをいう。
【0010】
この際、セルCL(A)内で携帯電話端末装置から基地局BS(A)に届く電波の強度が同一になるよう利得制御が行われていたが、セルCL(B)内に移動する瞬間に携帯電話端末装置にてバンド(モード)切替が行われ基地局BS(B)に届く電波の強度が同一になるよう利得制御が行われる。図11において、TH0,TH3,TH4はそれぞれ通信条件(携帯電話端末装置TH1からの距離)の異なる携帯電話端末装置を示している。
【0011】
つぎに、図12を用いて、従来の携帯電話端末装置の構成および動作について説明する。この携帯電話端末装置は、図12に示すように、マイコン・ロジック部等で構成され、音声信号を処理するベースバンド部100と、ベースバンド部100で処理された音声信号を入力として基地局との間で通信を行う無線部200とからなる。
【0012】
無線部200は、基地局への送信信号を生成する送信部210と、基地局からの送信信号を受信する受信部220とからなる。
【0013】
送信部210は、ベースバンド部100から与えられる音声信号の変調、中間周波数信号の利得調整および周波数変換のための混合を行う中間周波部230と、中間周波部230から出力される高周波信号を増幅してスイッチ310を介してアンテナ300へ供給するバンドA用の高周波部240およびバンドB用の高周波部250とからなる。
【0014】
中間周波部230は、ベースバンド部100から与えられる音声信号による中間周波信号の変調を行う変調器231と、変調器231の出力信号である中間周波信号を可変利得で増幅する可変利得中間周波増幅器232と、可変利得中間周波増幅器232の出力信号を高周波に変換するためのミキサ233とからなる。上記の可変利得中間周波増幅器232は、バイポーラトランジスタを用いて構成されることが多い。この可変利得中間周波増幅器232は、±1dB Linearityの直線性をもって30dB程度の範囲にわたって利得が可変できる。この場合、利得は、連続的に変化する利得制御電圧によって30dB程度の範囲にわたって連続制御される。
【0015】
高周波部240は、中間周波部230から出力されるバンドAの高周波信号を可変利得で増幅する可変利得高周波増幅器241と、可変利得高周波増幅器241の出力を電力増幅する電力増幅器242とバンドAを選択するためのスイッチ245とからなる。この可変利得高周波増幅器241は±1dB Linearityの直線性をもって20dB程度の範囲にわたって利得が可変である。この場合、利得は、連続的に変化する利得制御電圧によって20dB程度の範囲にわたって連続制御される。
【0016】
可変利得高周波増幅器241は、前置増幅器(中電力増幅器)243と、前置増幅器243と縦続接続されて電力増幅器(高電力増幅器)242へ入力されるバンドAの高周波信号の利得を可変する減衰器244とからなる。減衰器244は、減衰量を±1dB Linearityの直線性をもって20dB程度の範囲にわたって変化させる機能を有する。
【0017】
高周波部250は、中間周波部230から出力されるバンドBの高周波信号を可変利得で増幅する可変利得高周波増幅器251と、可変利得高周波増幅器251の出力を電力増幅する電力増幅器252とバンドBを選択するためのスイッチ255とからなる。この可変利得高周波増幅器251は±1dB Linearityの直線性をもって20dB程度の範囲にわたって利得が可変である。この場合、利得は、連続的に変化する利得制御電圧によって20dB程度の範囲にわたって連続制御される。
【0018】
可変利得高周波増幅器251は、前置増幅器(中電力増幅器)253と、前置増幅器253と縦続接続されて電力増幅器(高電力増幅器)252へ入力されるバンドBの高周波信号の利得を可変する減衰器254とからなる。減衰器254は、減衰量を±1dB Linearityの直線性をもって20dB程度の範囲にわたって変化させる機能を有する。
【0019】
ベースバンド部100は、制御部110を含む。制御部110は、受信部220による受信信号から送信すべき高周波信号のバンドを判断し、スイッチ電圧VSW(A)をスイッチ245に、スイッチ電圧VSW(B)をスイッチ255に加えることにより送信すべき高周波信号のバンド選択を行っている。
【0020】
バンドAの周波数帯域を用いた通信において、制御部110は、受信部220による受信信号の信号強度を検出するとともに、電力増幅器242の出力レベルを検出し、受信信号の信号強度に対応して電力増幅器242の出力レベルの目標値を設定し、電力増幅器242の出力レベルと電力増幅器242の出力レベルの目標値とを比較し、その比較結果に応じた利得制御電圧V(A)を減衰器244に加えるとともに、同じく上記比較結果に応じた利得制御電圧V(C)を可変利得中間周波増幅器232に加えることにより、電力増幅器242の出力レベルが電力増幅器242の出力レベルの目標値に一致するように減衰器244の利得と可変利得中間周波増幅器232の利得とを追従制御する。
【0021】
さらに、バンドBの周波数帯域を用いた通信において、制御部110は、受信部220による受信信号の信号強度を検出するとともに、電力増幅器252の出力レベルを検出し、受信信号の信号強度に対応して電力増幅器252の出力レベルの目標値を設定し、電力増幅器252の出力レベルと電力増幅器252の出力レベルの目標値とを比較し、その比較結果に応じた利得制御電圧V(B)を減衰器254に加えるとともに、同じく上記比較結果に応じた利得制御電圧V(C)を可変利得中間周波増幅器232に加えることにより、電力増幅器252の出力レベルが電力増幅器252の出力レベルの目標値に一致するように減衰器254の利得と可変利得中間周波増幅器232の利得とを追従制御する。
【0022】
以上のような携帯電話端末装置では、可変利得高周波増幅器241あるいは可変利得高周波増幅器251による利得制御と可変利得中間周波増幅器232とによる利得制御の併用によって、50dB以上の範囲にわたる利得制御を実現している。
【0023】
PDCの規格では、ミキサ233の入力段は200MHz帯で動作し、ミキサ233の出力段は940MHz帯あるいは1441MHz帯で動作する。そして、携帯電話端末装置が最大出力を発生する状態での各部の信号レベルは、電力増幅器242あるいは電力増幅器252の出力端で+30dBm(ただし、0dBm=1mW)、可変利得高周波増幅器241あるいは可変利得高周波増幅器251の出力端で+8dBm、スイッチ245あるいはスイッチ255の出力端で−16dBm、ミキサ233の出力端で−15dBm、可変利得中間周波増幅器232の出力端で−20dBmとなっている。
【0024】
ここで、可変利得高周波増幅器241で20dBの範囲の利得制御を行い、可変利得中間周波増幅器232で30dBの範囲の利得制御を行うものとすると、可変利得中間周波増幅器232の出力端における信号レベルは−20dBm〜−50dBmの範囲で変化する。また、ミキサ233の出力端における信号レベルは−15dBm〜−45dBmの範囲で変化する。また、スイッチ245あるいはスイッチ255の出力端における信号レベルは−16dBm〜−46dBmの範囲で変化する。また、可変利得高周波増幅器241あるいは可変利得高周波増幅器251の出力端における信号レベルは+8dBm〜−42dBmの範囲で変化する。電力増幅器242あるいは電力増幅器252の出力端における信号レベルは、+30dBm〜−20dBmの範囲で変化する。
【0025】
つぎに、減衰器244(減衰器254)とスイッチ245(スイッチ255)の具体的な構成およびバンド切替時における動作を図13から図15を参照しながら説明する。
【0026】
図13は減衰器244(減衰器254)の構成を示す回路図である。このような減衰器244(254)により、利得制御が行われる。この減衰器244(減衰器254)は、図13に示すように、抵抗2(抵抗12)と直列(シリーズ)可変抵抗となる電界効果トランジスタ1(電界効果トランジスタ11)とで構成されている。
【0027】
そして、この減衰器244(減衰器254)には、利得制御電圧VCを印加するための利得制御電圧印加端子5(利得制御電圧印加端子15)と、電源電圧VDDを印加するソース電圧印加端子6(ソース電圧印加端子16)と、高周波信号の信号入力部INとしての入力端子3(入力端子13)と、高周波信号の信号出力部OUTとしての出力端子4(出力端子14)とが設けられている。
【0028】
上記の入力端子3は図12のスイッチ245の出力端に接続され、出力端子4は前置増幅器243の入力端に接続される。ここで抵抗2は高周波信号の漏洩を阻止する役割を果たしている。また、入力端子13は図12のスイッチ255の出力端に接続され、出力端子14は前置増幅器253の入力端に接続される。ここで抵抗12は高周波信号の漏洩を阻止する役割を果たしている。
【0029】
図14はスイッチ245(スイッチ255)の構成を示す回路図である。このようなスイッチ245(スイッチ255)により、バンド切替が行われる。このスイッチ245(スイッチ255)は、図14に示すように、抵抗22(抵抗32)と直列(シリーズ)可変抵抗となる電界効果トランジスタ21(電界効果トランジスタ31)とで構成されている。
【0030】
そして、このスイッチ245(スイッチ255)には、切替電圧VSW(A)(切替電圧VSW(B))を印加するため切替電圧印加端子26(切替電圧印加端子36)と、接地電圧(基準電圧)GNDを印加するゲート電圧印加端子25(ゲート電圧印加端子35)と、高周波信号の信号入力部INとしての入力端子23(入力端子33)と、高周波信号の信号出力部OUTとしての出力端子24(出力端子34)とが設けられている。
【0031】
上記の入力端子23は図12のミキサ233の出力端に接続され、出力端子24は減衰器244の入力端に接続される。ここで、抵抗22は高周波信号の漏洩を阻止する役割を果たしている。また、入力端子33は、図12のミキサ233の出力端に接続され、出力端子34は減衰器254の入力端に接続される。ここで、抵抗32は高周波信号の漏洩を阻止する役割を果たしている。
【0032】
図15は減衰器244、減衰器254、スイッチ245およびスイッチ255の移動位置における電圧制御特性図である。
【0033】
以上のような構成の減衰器244,254およびスイッチ245,255について、その動作を説明する。なお、携帯電話端末装置ではリチウム電池等により3.0V程度までの電圧で駆動される。また、電界効果トランジスタのしきい値電圧は可変抵抗が利得制御動作を、スイッチが切替動作をそれぞれ開始するバイアスを示すものである。電界効果トランジスタ21(電界効果トランジスタ31)のゲート電圧印加端子25(ゲート電圧印加端子35)にそれぞれ接地電圧(基準電圧)を印加しておく。
【0034】
バンドAを用いるセルCL(A)においては、バンドAを選択するためにスイッチ245の切替電圧印加端子26にはL(0V)が印加され、スイッチ255はバンドBの非選択のために切替電圧印加端子36にはH(3.0V)が印加される。携帯電話端末装置がTH1の地点ではセルCL(A)での基地局BS(A)との距離は最も近いため、減衰器244は減衰量を最大にするために利得制御電圧印加端子5に利得制御電圧VC(A)として最小(0.5V)が印加される。
【0035】
この場合、携帯電話端末装置のTH1の地点からTH0の地点への移動につき、減衰器244は減衰量を最大から最小にするために利得制御電圧印加端子5に利得制御電圧VC(A)として最小(0.5V)から最大(2.5V)まで順次印加される。
【0036】
そして、携帯電話端末装置がTH0の地点に到達すると同時に、バンドBを用いるCL(B)においてバンドBを選択するためにスイッチ255の切替電圧印加端子36にはL(0V)が印加され、スイッチ245はバンドBの非選択のために切替電圧印加端子26にはH(3.0V)が印加される。この場合、携帯電話端末装置(TH0)とセルCL(B)での基地局BS(B)との距離は最も遠いため、減衰器254は減衰量を最小にするために利得制御電圧印加端子15に利得制御電圧VC(B)として最大(2.5V)が印加される。
【0037】
さらに、この場合携帯電話端末装置のTH0の地点からTH4の地点への移動につき、減衰器254は減衰量を最小から最大にするために利得制御電圧印加端子15に利得制御電圧VC(B)として最大(2.5V)から最小(0.5V)まで順次印加される。
【0038】
一方、可変利得中間周波増幅器232では、バンドA,Bの選択に関わらず利得制御電圧VC(C)を変化させることにより出力レベルを連続的に変化させるようにしている。
【0039】
【特許文献1】
特開2000−268834号公報
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにバンドAからバンドBへの切替を、スイッチ245,255と減衰器244,254との組合せで行うと、バンド切替時において、例えば、図16に示すように切替電圧が印加されてからスイッチ255が安定にON状態になるまでは数十μsec程度要するため、このスイッチ255の過渡応答時間分だけ遅れた状態で減衰器254の利得制御電圧端子15に利得制御電圧VC(B)を印加することになる。そのため、減衰器254や可変利得中間周波増幅器232の特性のばらつきによって、バンド切替の直後で携帯電話端末装置の所望利得に差異が生じる場合がある。
【0041】
このような場合において、理想的な条件で、携帯電話端末装置が一定速度で基地局から遠ざかりながら通信を行っている状況を考えると、図17に示すように、携帯電話端末装置の出力POUT は、セルCL(B)にて通常は利得制御機能によって直線的に減少していくはずが、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力POUT が直線上から外れることになる。この場合、基地局側での受信信号の強度が規定値から外れ、隣接チャンネルとのレベル差が生じ、この時点で音声が乱れたりし、音声品質の劣化を招くという問題があった。
【0042】
上記の問題は理想的な条件で携帯電話端末装置が移動している場合について説明しているが、現実の移動時の条件は、ビルの陰に入って受信信号の強度が急に低下する場合など、もっと悪いため、基地局側での受信信号の強度が規定値から外れるという問題は頻発すると考えられ、さらに音声品質が劣化するものと考えられる。
【0043】
また、ベースバンド部100における制御部110で可変利得高周波増幅器241および可変利得高周波増幅器251と可変利得中間周波増幅器231とを制御するための3種類の利得制御電圧VC(A),VC(B),VC(C)および、スイッチ245とスイッチ255とを制御するための2種類の切替電圧VSW(A),VSW(B)の設定がそれぞれ必要で、制御部110の制御が複雑となる。
【0044】
また、高周波部240と高周波部250とにスイッチ245とスイッチ255とがそれぞれ必要であるため、回路構成が複雑となり、スペースが大きくなってしまう。その結果、携帯電話端末装置全体も大きいものとなるという問題があった。
【0045】
したがって、本発明の目的は、信号切替制御と信号利得制御を簡単な構成で行うことができる減衰器スイッチを提供することである。
【0046】
また、本発明の他の目的は、高品質の通話が可能な携帯電話端末装置を提供することである。
【0047】
また、本発明の他の目的は、バンド切替制御と利得制御のための構成を簡略化できる携帯電話端末装置を提供することである。
【0048】
また、本発明のさらに他の目的は、省スペースを実現し、小型化を実現することができる携帯電話端末装置を提供することである。
【0049】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の減衰器スイッチは、第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1の可変抵抗よりなる第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第2の可変抵抗よりなる第2の信号ラインとからなり、利得制御電圧により、第1および第2の可変抵抗の各々の利得を制御して、第1および第2の信号ラインの出力の何れかを遮断して第1および第2の信号ラインの残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにしたことを特徴とする。上記の第1および第2の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0050】
この構成によれば、第1の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有し、信号ラインの選択切替を各可変抵抗の利得を制御することにより行い、選択信号ライン側の可変抵抗が信号ライン上の信号利得を実質的に直線的に制御するので、簡単な構成で信号ラインの選択と選択信号ライン上の信号利得の制御とを行うことができる。
【0051】
本発明の第2の減衰器スイッチは、第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1の可変抵抗よりなる第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第2の可変抵抗よりなる第2の信号ラインと、第1および第2の可変抵抗に共通に接続された利得制御ラインと、第1および第2の可変抵抗の各々に接続されてそれぞれ異なった基準電圧が加えられる第1および第2の基準電圧印加部と、第1および第2の可変抵抗の各々に利得制御ラインを介して接続されて利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部とを備え、利得制御電圧により、第1および第2の可変抵抗の各々の利得を制御して、第1および第2の信号ラインの出力の何れかを遮断して第1および第2の信号ラインの残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにしている。上記の第1および第2の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0052】
この構成によれば、第1の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有し、少なくとも2つ以上の並列に設けた直列可変抵抗の動作を、少なくとも利得制御(スイッチ)動作範囲分以上だけシフトし、それぞれの直列可変抵抗の動作範囲が異なる利得制御電圧範囲に対応するように設定し、かつ第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲と第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲とを実質的に連続させ、各信号線の切替および利得制御を1種類の利得制御電圧のみで行うため、信号線選択切替時の利得の差違をなくし信号線切替に対する利得制御動作を極めて高精度に行うことが可能である。
【0053】
並列接続した、少なくとも2つ以上の直列可変抵抗の動作を利得制御動作範囲分以上だけシフトする構成として、例えば一方の直列可変抵抗となる電界効果トランジスタのソースと他方の直列可変抵抗となる電界効果トランジスタのゲートにそれぞれ基準電圧を印加する構成がある。このような構成では、1種類の利得制御電圧で利得制御およびスイッチ制御を行うため、極めて高精度な利得制御が可能である。また、利得制御動作電圧の設定を自由に変えることが可能である。
【0054】
上記の本発明の第2の減衰器スイッチは例えば、第1の可変抵抗が少なくとも第1の電界効果トランジスタのゲートに第1の抵抗が接続された構成で、第2の可変抵抗が少なくとも第2の電界効果トランジスタのゲートに第2の抵抗が接続された構成で、第1の電界効果トランジスタのゲートが第1の抵抗と利得制御ラインとを介して利得制御電圧印加部に接続され、第2の電界効果トランジスタのソースが利得制御ラインを介して利得制御電圧印加部に接続され、第1の電界効果トランジスタのソースが第1の基準電圧印加部に接続され、第2の電界効果トランジスタのゲートに抵抗を介して第2の基準電圧印加部が接続された構成となっている。
【0055】
また、第1の基準電圧印加部に印加される電圧よりも第2の基準電圧印加部に印加される電圧の方が低く設定されることが好ましい。
【0056】
より具体的には、第1の基準電圧印加部に印加される電圧よりも第2の基準電圧印加部に印加される電圧の方が、第1の電界効果トランジスタのしきい値電圧と第2の電界効果トランジスタのしきい値電圧とを加え、第1および第2の電界効果トランジスタの完全オフとなる利得制御電圧差を差し引いた分相当する値だけ低く設定されることが好ましい。
【0057】
また、第1および第2の基準電圧印加部に印加される電圧値は、第1の可変抵抗が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲と第2の可変抵抗が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲とが重ならないように設定されていることが好ましい。
【0058】
また、第1および第2の基準電圧印加部に印加される電圧値は、第1の可変抵抗が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲より第2の可変抵抗が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲の方がより低くなるように設定されていることが好ましい。
【0059】
また、第1および第2の基準電圧印加部に印加される電圧値が、第1の電界効果トランジスタの完全オフとなる利得制御電圧より第2の電界効果トランジスタの完全オフとなる利得制御電圧の方がより低くなるように設定されていることが好ましい。
【0060】
上記本発明の第2の減衰器スイッチの他の構成例としては、第1の可変抵抗が少なくとも第1の電界効果トランジスタのゲートに第1の抵抗が接続された構成で、第2の可変抵抗が少なくとも第2の電界効果トランジスタのゲートに第2の抵抗が接続された構成で、第1の電界効果トランジスタのゲートが抵抗と利得制御ラインとを介して利得制御電圧印加部に接続され、第2の電界効果トランジスタのソースが利得制御ラインを介して利得制御電圧印加部に接続され、第1の電界効果トランジスタのソースと第2の電界効果トランジスタのゲートに抵抗を介して接続される部分との間に抵抗が挿入接続され、第2の電界効果トランジスタのゲートに抵抗を介して接続される部分と基本電位部(GND)との間に抵抗が挿入接続され、第1の電界効果トランジスタのソースに基準電圧印加部が接続された構成でもよい。
【0061】
本発明の第3の減衰器スイッチは、第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1および第2の可変抵抗の直列回路よりなる少なくとも一つの第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第3の可変抵抗よりなる第2の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第3の信号入力部と第3の信号出力部とを接続する第4の可変抵抗よりなる第3の信号ラインとからなり、利得制御電圧により、第1,第2,第3および第4の可変抵抗の各々の利得を制御して、第1,第2および第3の信号ラインの何れか一つの出力利得を連続で直線的に制御し、第1,第2および第3の信号ラインの残りを遮断するようにしたことを特徴とする。上記の第1,第2,第3および第4の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0062】
この構成によれば、ゲイン制御可能な信号ラインが3本以上となった点が第1の減衰器スイッチと異なるが、その他は第1の減衰器スイッチと同じである。
【0063】
本発明の第4の減衰器スイッチは、第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1および第2の可変抵抗の直列回路よりなる少なくとも一つの第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第3の可変抵抗よりなる第2の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第3の信号入力部と第3の信号出力部とを接続する第4の可変抵抗よりなる第3の信号ラインと、第1,第2,第3および第4の可変抵抗に共通に接続された利得制御ラインと、第1,第2,第3および第4の可変抵抗の各々に接続された第1,第2,第3および第4の基準電圧印加部と、第1,第2,第3および第4の可変抵抗の各々に利得制御ラインを介して接続されて利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部とを備えている。上記の第1,第2,第3および第4の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0064】
この構成によれば、ゲイン制御可能な信号ラインが3本以上となった点が第1の減衰器スイッチと異なるが、その他は第2の減衰器スイッチと同じである。
【0065】
本発明の第1の携帯電話端末装置は、第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1の可変抵抗よりなる第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第2の可変抵抗よりなる第2の信号ラインとからなり、利得制御電圧により、第1および第2の可変抵抗の各々の利得を制御して、第1および第2の信号ラインの出力の何れかを遮断して第1および第2の信号ラインの残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにした減衰器スイッチを、2つのバンドのバンド選択切替および選択バンドの利得の制御に用いている。上記の第1および第2の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0066】
この構成によれば、減衰器スイッチとして、第1の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有するものを用い、この減衰器スイッチにおいて、バンド選択切替を各可変抵抗の利得を制御することにより行い、選択バンド側の可変抵抗が送信出力を実質的に直線的に制御するので、バンド切替に伴うスイッチの過渡応答時間による遅延問題が解消し、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力が所望直線上から外れるということがなく、高品質の通話が可能となる。また、バンド選択切替を利得制御のみを用いて行うだけでよく、バンド切替制御を簡略化できる。さらに、高周波部でのバンド切替スイッチを省くことが可能となり、省スペースを実現し、小型化を実現することができる。
【0067】
本発明の第2の携帯電話端末装置は、第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1の可変抵抗よりなる第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第2の可変抵抗よりなる第2の信号ラインと、第1および第2の可変抵抗に共通に接続された利得制御ラインと、第1および第2の可変抵抗の各々に接続されてそれぞれ異なった基準電圧が加えられる第1および第2の基準電圧印加部と、第1および第2の可変抵抗の各々に利得制御ラインを介して接続されて利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部とを備え、利得制御電圧により、第1および第2の可変抵抗の各々の利得を制御して、第1および第2の信号ラインの出力の何れかを遮断して第1および第2の信号ラインの残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにした減衰器スイッチを、2つのバンドのバンド選択切替および選択バンドの利得の制御に用いている。上記の第1および第2の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0068】
この構成によれば、減衰器スイッチとして、第1の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有するものを用い、少なくとも2つ以上の並列に設けた電界効果トランジスタによる直列可変抵抗の動作を、少なくとも利得制御(スイッチ)動作範囲分以上だけシフトし、それぞれの直列可変抵抗の動作範囲が異なる利得制御電圧範囲に対応するように設定し、かつ第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲と第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲とを実質的に連続させ、各バンドの切替および利得制御を1種類の利得制御電圧のみで行うため、バンド選択切替時の利得の差違をなくしバンド切替に対する利得制御動作を極めて高精度に行うことが可能である。
【0069】
その結果、上記のような減衰器スイッチを用いて構成した携帯電話端末装置は、バンド切替に伴うスイッチの過渡応答時間による遅延問題が解消し、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力が所望直線上から外れるということがなく、高品質の通話が可能となる。また、バンド選択切替を利得制御のみを用いて行うだけでよく、バンド切替制御を簡略化できる。さらに、バンド切替スイッチを省くことが可能となり、省スペースを実現し、小型化を実現することができる。
【0070】
並列接続した、少なくとも2つ以上の直列可変抵抗の動作を利得制御動作範囲分以上だけシフトする構成として、例えば、一方の直列可変抵抗となる電界効果トランジスタのソースと他方の直列可変抵抗となる電界効果トランジスタのゲートにそれぞれ基準電圧を印加する構成がある。このような構成では、1種類の利得制御電圧で利得制御およびスイッチ制御を行うため、極めて高精度な利得制御が可能である。また、利得制御動作電圧の設定を自由に変えることが可能である。
【0071】
本発明の第3の携帯電話端末装置は、第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1および第2の可変抵抗の直列回路よりなる少なくとも一つの第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第3の可変抵抗よりなる第2の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第3の信号入力部と第3の信号出力部とを接続する第4の可変抵抗よりなる第3の信号ラインとからなり、利得制御電圧により、第1,第2,第3および第4の可変抵抗の各々の利得を制御して、第1,第2および第3の信号ラインの何れか一つの出力利得を連続で直線的に制御し、第1,第2および第3の信号ラインの残りを遮断するようにした減衰器スイッチを、少なくとも3つ以上のバンドのバンド選択切替および選択バンドの利得の制御に用いたことを特徴とする。上記の第1,第2,第3および第4の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0072】
この構成によれば、ゲイン制御可能な信号ラインが3本以上となった点が第1の携帯電話端末装置と異なるが、その他は第1の携帯電話端末装置と同じである。
【0073】
本発明の第4の携帯電話端末装置は、第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1および第2の可変抵抗の直列回路よりなる少なくとも一つの第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第3の可変抵抗よりなる第2の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて第3の信号入力部と第3の信号出力部とを接続する第4の可変抵抗よりなる第3の信号ラインと、第1,第2,第3および第4の可変抵抗に共通に接続された利得制御ラインと、第1,第2,第3および第4の可変抵抗の各々に接続された第1,第2,第3および第4の基準電圧印加部と、第1,第2,第3および第4の可変抵抗の各々に利得制御ラインを介して接続されて利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部とを備えた減衰器スイッチを、少なくとも3つ以上のバンドのバンド選択切替および選択バンドの利得の制御に用いたことを特徴とする。上記の第1,第2,第3および第4の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0074】
この構成によれば、ゲイン制御可能な信号ラインが3本以上となった点が第1の携帯電話端末装置と異なるが、その他は第2の携帯電話端末装置と同じである。
【0075】
本発明の第5の携帯電話端末装置は、音声信号を処理するベースバンド部と、ベースバンド部で処理された音声信号を入力として基地局との間で通信を行う無線部とからなる。無線部は、基地局への送信信号を生成する送信部と、基地局からの送信信号を受信する受信部とからなる。送信部は、ベースバンド部から与えられる音声信号による中間周波数信号の変調を行う変調器、中間周波数信号の利得の制御を行う可変利得中間周波増幅器および中間周波数信号から高周波信号への周波数変換のための混合を行うミキサからなる中間周波部と、中間周波部から出力される高周波信号を増幅してアンテナへ供給する高周波部とからなる。高周波部は、中間周波部から出力される2つのバンドのバンド選択切替および、選択バンドの高周波信号の利得の制御を行うスイッチ利得制御器と、スイッチ利得制御器の2つの出力をそれぞれ電力増幅する2つの電力増幅器からなる。スイッチ利得制御器は、中間周波部から出力される2つのバンドのバンド選択切替および、選択バンドの高周波信号の利得の制御を行う減衰器スイッチを含む。
【0076】
ベースバンド部は、制御部を含む。制御部は、受信部による受信信号の信号情報を検出するとともに、その情報に応じた利得制御電圧を減衰器スイッチに加えることにより、2つの電力増幅器の何れかからの出力を2つの電力増幅器の残りの何れかからの出力に切り替え、受信信号の信号情報に対応して2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルの目標値を設定し、2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルと2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルの目標値とを比較し、その比較結果に応じた利得制御電圧を減衰器スイッチと可変利得中間周波増幅器とに加えることにより、2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルが2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルの目標値に一致するように減衰器スイッチと可変利得中間周波増幅器の利得を追従制御する。
【0077】
減衰器スイッチは、高周波信号の第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1の可変抵抗よりなる第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて高周波信号の第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第2の可変抵抗よりなる信号ラインとからなる。そして、利得制御電圧により、第1および第2の可変抵抗の各々の利得を制御して、第1および第2の信号ラインの出力の何れかを遮断して第1および第2の信号ラインの残りの出力利得を連続で直線的に制御することにより減衰器スイッチが電力増幅器からの出力を電力増幅器からの出力に切り替え、かつ電力増幅器からの出力利得を連続で直線的に制御するようにしている。上記の第1および第2の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0078】
この構成によれば、減衰器スイッチとして、第1の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有するものを用い、この減衰器スイッチにおいて、バンド選択切替を各可変抵抗の利得を制御することにより行い、選択バンド側の可変抵抗が電力増幅器からの出力を実質的に直線的に制御するので、バンド切替に伴うスイッチの過渡応答時間による遅延問題が解消し、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力が所望直線上から外れるということがなく、高品質の通話が可能となる。また、高周波部におけるバンド選択切替を利得制御のみを用いて行うだけでよく、バンド切替制御を簡略化できる。さらに、高周波部でのバンド切替スイッチを省くことが可能となり、省スペースを実現し、小型化を実現することができる。
【0079】
本発明の第6の携帯電話端末装置は、音声信号を処理するベースバンド部と、ベースバンド部で処理された音声信号を入力として基地局との間で通信を行う無線部とからなる。無線部は、基地局への送信信号を生成する送信部と、基地局からの送信信号を受信する受信部とからなる。送信部は、ベースバンド部から与えられる音声信号による中間周波数信号の変調を行う変調器、中間周波数信号の利得の制御を行う可変利得中間周波増幅器および中間周波数信号から高周波信号への周波数変換のための混合を行うミキサからなる中間周波部と、中間周波部から出力される高周波信号を増幅してアンテナへ供給する高周波部とからなる。高周波部は、中間周波部から出力される2つのバンドのバンド選択切替および、選択バンドの高周波信号の利得の制御を行うスイッチ利得制御器と、スイッチ利得制御器の2つの出力をそれぞれ電力増幅する2つの電力増幅器からなる。スイッチ利得制御器は、中間周波部から出力される2つのバンドのバンド選択切替および、選択バンドの高周波信号の利得の制御を行う減衰器スイッチを含む。
【0080】
ベースバンド部は、制御部を含む。制御部は、受信部による受信信号の信号情報を検出するとともに、その情報に応じた利得制御電圧を減衰器スイッチに加えることにより、2つの電力増幅器の何れかからの出力を2つの電力増幅器の残りの何れかからの出力に切り替え、受信信号の信号情報に対応して2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルの目標値を設定し、2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルと2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルの目標値とを比較し、その比較結果に応じた利得制御電圧を減衰器スイッチと可変利得中間周波増幅器とに加えることにより、2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルが2つの電力増幅器の残りの何れかの出力レベルの目標値に一致するように減衰器スイッチと可変利得中間周波増幅器の利得を追従制御する。
【0081】
減衰器スイッチは、高周波信号の第1の信号入力部と第1の信号出力部とを接続する第1の可変抵抗よりなる第1の信号ラインと、第1の信号ラインと並列に設置されて高周波信号の第2の信号入力部と第2の信号出力部とを接続する第2の可変抵抗よりなる信号ラインと、第1および第2の可変抵抗に共通に接続された利得制御ラインと、第1および第2の可変抵抗の各々に接続されてそれぞれ異なった基準電圧が加えられる第1および第2の基準電圧印加部と、第1および第2の可変抵抗の各々に利得制御ラインを介して接続されて利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部とで構成され、利得制御電圧により、第1および第2の可変抵抗の各々の利得を制御して、第1および第2の信号ラインの出力の何れかを遮断して第1および第2の信号ラインの残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにしている。上記の第1および第2の可変抵抗は、例えば少なくとも1個以上の直列接続した電界効果トランジスタで構成される。
【0082】
この構成によれば、減衰器スイッチとして、第1の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した、例えば少なくとも1つ以上の電界効果トランジスタによる直列可変抵抗を有するものを用い、少なくとも2つ以上の並列に設けた、例えば電界効果トランジスタによる直列可変抵抗の動作を、少なくとも利得制御(スイッチ)動作範囲分以上だけシフトし、それぞれの直列可変抵抗の動作範囲が異なる利得制御電圧範囲に対応するように設定し、かつ第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲と第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲とを実質的に連続させ、各バンドの切替および利得制御を1種類の利得制御電圧のみで行うため、バンド選択切替時の利得の差違をなくしバンド切替に対する利得制御動作を極めて高精度に行うことが可能である。
【0083】
その結果、上記のような減衰器スイッチを用いて構成した携帯電話端末装置は、バンド切替に伴うスイッチの過渡応答時間による遅延問題が解消し、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力が所望直線上から外れるということがなく、高品質の通話が可能となる。また、高周波部におけるバンド選択切替を利得制御のみを用いて行うだけでよく、バンド切替制御を簡略化できる。さらに、高周波部でのバンド切替スイッチを省くことが可能となり、省スペースを実現し、小型化を実現することができる。
【0084】
並列接続した、少なくとも2つ以上の直列可変抵抗の動作を利得制御動作範囲分以上だけシフトする構成として、例えば一方の直列可変抵抗となる電界効果トランジスタのソースと他方の直列可変抵抗となる電界効果トランジスタのゲートにそれぞれ基準電圧を印加する構成がある。このような構成では、1種類の利得制御電圧で利得制御およびスイッチ制御を行うため、極めて高精度な利得制御が可能である。また、利得制御動作電圧の設定を自由に変えることが可能である。
【0085】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1から図6に基づいて説明する。
【0086】
図1に本発明の第1の実施の形態における携帯電話端末装置のブロック図を示す。以下、図1を用いて第1の実施の形態における携帯電話端末装置の構成および動作について説明する。
【0087】
この携帯電話端末装置は、図1に示すように、マイコン・ロジック部などで構成され、音声信号を処理するベースバンド部101と、ベースバンド部101で処理された音声信号を入力として基地局との間で通信を行う無線部201とからなる。
【0088】
無線部201は、基地局への送信信号を生成する送信部260と、基地局からの送信信号を受信する受信部220とからなる。
【0089】
送信部260は、ベースバンド部101から与えられる音声信号の変調、中間周波数信号の利得の制御および周波数変換のための混合を行う中間周波部230と、中間周波部230から出力される高周波信号を増幅してスイッチ310を介してアンテナ300へ供給する高周波部270とからなる。
【0090】
中間周波部230は、ベースバンド部101から与えられる音声信号による中間周波信号の変調を行う変調器231と、変調器231の出力信号である中間周波信号を可変利得で増幅する可変利得中間周波増幅器232と、可変利得中間周波増幅器232の出力信号を高周波に変換するためのミキサ233とからなる。上記の可変利得中間周波増幅器232は、バイポーラトランジスタを用いて構成されることが多い。この可変利得中間周波増幅器232は、±1dB Linearityの直線性をもって30dB程度の範囲にわたって利得が可変できる。この場合、利得は、連続的に変化する利得制御電圧によって30dB程度の範囲にわたって連続制御される。
【0091】
高周波部270は、中間周波部230から出力される高周波信号のバンド選択切替および利得制御を行うスイッチ利得制御器271と、スイッチ利得制御器271のバンドAの出力を電力増幅する電力増幅器242と、スイッチ利得制御器271のバンドBの出力を電力増幅する電力増幅器252とからなる。このスイッチ利得制御器271は、バンドA,Bの選択切替を行いかつ、選択バンドにおいて±1dB Linearityの直線性をもって20dB以上の範囲にわたって利得の可変が可能である。この場合、連続的に変化する利得制御電圧によってバンド切替選択動作が行われ、かつ、20dB以上の範囲にわたって連続に利得が制御される。
【0092】
スイッチ利得制御器271は、バンドA用の前置増幅器(中電力増幅器)243と、バンドB用の前置増幅器(中電力増幅器)253と、前置増幅器243と縦続接続されて電力増幅器(高電力増幅器)242へ入力されるバンドAの高周波信号の選択切替と利得の可変を同時に行い、さらに前置増幅器253と縦続接続されて電力増幅器(高電力増幅器)252へ入力されるバンドBの高周波信号の選択切替と利得の可変を同時に行う減衰器スイッチ272とからなる。
【0093】
減衰器スイッチ272は、バンドA,Bの選択切替を行いかつ、選択バンドにおいて±1dB Linearityの直線性をもって20dB以上の範囲にわたって利得を可変するため、スイッチのアイソレーションとして20dB以上、および減衰器の減衰量として20dB以上の範囲にわたって利得を変化させる機能を有する。なお、この実施の形態では、前置増幅器243と電力増幅器242の2段、および前置増幅器253と電力増幅器252の2段のそれぞれの増幅器で電力増幅を行っているが、それぞれが1段の増幅器で電力増幅を行ってもよい。
【0094】
ベースバンド部101は、マイコン・ロジック等からなる制御部120を含む。制御部120は、受信部220による受信信号の信号強度を検出するとともに、バンドAにおいては電力増幅器242の出力レベルを検出し、受信信号の信号強度に対応して電力増幅器242の出力レベルの目標値を設定し、電力増幅器242の出力レベルと電力増幅器242の出力レベルの目標値とを比較し、その比較結果に応じた利得制御電圧VC(D) を減衰器スイッチ272に、利得制御電圧VC(C)を可変利得中間周波増幅器232にそれぞれ加えることにより、電力増幅器242の出力レベルが電力増幅器242の出力レベルの目標値に一致するように減衰器スイッチ272および可変利得中間周波増幅器232の利得を追従制御する。
【0095】
さらに、バンドBにおいては電力増幅器252の出力レベルを検出し、受信信号の信号強度に対応して電力増幅器252の出力レベルの目標値を設定し、電力増幅器252の出力レベルと電力増幅器252の出力レベルの目標値とを比較し、その比較結果に応じた利得制御電圧VC(D)を減衰器スイッチ272に、利得制御電圧VC(C)を可変利得中間周波増幅器232にそれぞれ加えることにより、電力増幅器252の出力レベルが電力増幅器252の出力レベルの目標値に一致するように減衰器スイッチ272および可変利得中間周波増幅器232の利得を追従制御する。
【0096】
この携帯電話端末装置では、上記のようにスイッチ利得制御器271および可変利得中間周波増幅器232による利得制御によって、±1dB Linearityの直線性での50dB以上の範囲にわたる利得制御を実現している。PDCの規格では、ミキサ233の入力段は200MHz帯で動作し、ミキサ233の出力段は940MHz帯あるいは1441MHz帯で動作する。そして、電力増幅器242あるいは電力増幅器252の出力端で+30dBm(ただし、0dBm=1mW)、前置増幅器243あるいは前置増幅器253の出力端で+8dBm、減衰器スイッチ272の出力端で−16dBm、ミキサ233の出力端で−15dBm、可変利得中間周波増幅器232の出力端で−20dBmとなっている。
【0097】
ここで、スイッチ利得制御器271で20dBの範囲の利得制御を行い、可変利得中間周波増幅器232で30dBの範囲の利得制御を行うものとすると、可変利得中間周波増幅器232の出力端における信号レベルは−20dBm〜−50dBmの範囲で変化する。また、ミキサ233の出力端における信号レベルは−15dBm〜−45dBmの範囲で変化する。また、減衰器スイッチ272の出力端における信号レベルは−16dBm〜−36dBmの範囲で変化する。また、前置増幅器243あるいは前置増幅器253の出力端における信号レベルは+8dBm〜−42dBmの範囲で変化する。電力増幅器242あるいは電力増幅器252の出力端における信号レベルは、+30dBm〜−20dBmの範囲で変化する。
【0098】
つぎに、減衰器スイッチ272の具体的な構成および動作を図2から図6を参照しながら説明する。
【0099】
図2は減衰器スイッチ(半導体集積回路装置)272の構成を示す概略ブロック図であり、図3は減衰器スイッチ272の具体的な構成を示す回路図である。この減衰器スイッチ272は、1つの半導体基板(GaAs)に集積したものである。なお、このような構成はシリコン基板でも集積が可能であり、特にシリコンあるいはシリコン・ゲルマニウム等で構成した場合マイコン・ロジック部も同時に集積が可能である。
【0100】
このような減衰器スイッチ272により、各バンドにおける選択バンドの切替と利得の制御を少なくとも直列の可変抵抗1つで行うことで、スイッチと減衰器をそれぞれ用いた場合に比べて、バンド切替時の利得制御において、より短時間での所望利得への制御を実現することができる。その結果、各バンドにスイッチと減衰器を組み合わせた構成でなくても単独で選択バンド切替と利得制御を同時に実現することが可能となる。並列の可変抵抗の個数を多くすることにより、さらに多数のバンド(モード)選択切替にわたって優れた利得制御を実現することも可能となる。
【0101】
減衰器スイッチ272は、図2および図3に示すように、高周波信号の信号入力部IN(A)である入力端子43と信号出力部OUT(A)である出力端子45とを接続する信号ライン47と、高周波信号の信号入力部IN(B)である入力端子44と信号出力部OUT(B)である出力端子46とを接続する信号ライン48とが並列に設けられている。
【0102】
信号ライン47中には、少なくとも1つ以上の直列(シリーズ)の可変抵抗41が挿入されている。信号ライン48中には、少なくとも1つ以上の直列の可変抵抗42が挿入されている。
【0103】
可変抵抗41と可変抵抗42は利得制御ライン49で接続されている。この減衰器スイッチ272では、基準電圧印加部となる基準電圧印加端子51,52が可変抵抗41,42の各々に接続され、基準電圧印加端子51,52の各々に基準電圧Vref1,Vref2が与えられる。また、利得制御電圧印加部となる利得制御電圧印加端子50が可変抵抗41,42の各々に利得制御ライン49を介して接続されている。
【0104】
上記の可変抵抗41,42はそれぞれ少なくとも電界効果トランジスタ53,55のゲートに抵抗54,56を接続したものからなる。信号ライン47の可変抵抗41を構成する電界効果トランジスタ53のドレインが入力端子43に接続され、ソースが出力端子45に接続されている。また信号ライン48の可変抵抗42を構成する電界効果トランジスタ55のドレインが入力端子44に接続され、ソースが出力端子46に接続されている。
【0105】
さらに、可変抵抗41を構成する電界効果トランジスタ53のゲートが抵抗54および利得制御ライン49を介して利得制御電圧印加端子50に接続され、可変抵抗42を構成する電界効果トランジスタ55のソースが利得制御ライン49を介して利得制御電圧印加端子50に接続されている。
【0106】
また、可変抵抗41を構成する電界効果トランジスタ53のソースには基準電圧印加端子51から基準電圧Vref1が印加され、可変抵抗42を構成する電界効果トランジスタ55のゲートには基準電圧印加端子52から、抵抗56を介して基準電圧Vref2が印加されている。
【0107】
上記の抵抗54,56は高周波信号の侵入を阻止するために、例えば以下のように下限値と上限値が設定される。まず、下限値は1kΩである。その設定理由は、アイソレーションとして20dB以上ないと高周波信号が侵入し、ロスが増大するなど、スイッチ特性・利得制御特性に影響するからであり、上記の値に設定するとアイソレーションとして20dB以上が得られる。
【0108】
また、上限値は100kΩである。その設定理由は、電界効果トランジスタのゲート・リーク電流が例えば1μA流れた場合に、電界効果トランジスタのゲートに挿入される抵抗の抵抗値を100kΩとした場合に、その抵抗の電圧降下VDROP
DROP=1×10-6×100×103=0.1(V)
となり、抵抗値が100kΩを超えると、制御電圧のずれが0.1Vを超え、利得制御特性に無視できない影響を及ぼすことになるからである。
【0109】
以上のような構成の減衰器スイッチ272について、その動作を説明する。携帯電話端末装置ではリチウム電池等により3.0V程度までの電圧で駆動される。また、電界効果トランジスタのしきい値電圧は可変抵抗が利得制御動作を開始するバイアスを示すものであり、言い換えれば電界効果トランジスタが完全にオフ状態(ピンチオフ)になるバイアスである。可変抵抗41,42のための電界効果トランジスタのしきい値電圧Vthは全て等しいものを用いる。この例では、−0.5Vとしている。
【0110】
可変抵抗41,42の基準電圧印加端子51,52にそれぞれ異なった基準電圧Vref1,Vref2を印加しておく。可変抵抗41,42の基準電圧印加端子51,52に印加する基準電圧Vref1,Vref2について以下に説明する。
【0111】
ここで、電界効果トランジスタにより形成される可変抵抗は、ゲート・ソース間電圧VGSが電界効果トランジスタのしきい値電圧Vthよりも小さくなったときに(VGS≦Vth)に完全にオフ状態(ピンチオフ)になり、抵抗値は最大になる。また、各電界効果トランジスタのゲート・ソース間電圧VGSはゲート電圧VGとソース電圧VSの差(VG−VS)で表され、利得制御電圧VC(D)と基準電圧Vref1,Vref2の組合せで抵抗値が変化することになる。そのため、基準電圧Vref1,Vref2の設定値を変えれば、可変抵抗における利得制御できる利得制御電圧VC(D)の範囲を制御することが可能となる。
【0112】
利得制御電圧VC(D)において、可変抵抗41,42が各々分担する利得制御電圧VC(D)の範囲は、可変抵抗41,42による直線利得制御動作範囲が実質的に重ならない状態に設定すればよく、可変抵抗42が低電圧側とし、可変抵抗41が高電圧側としており、任意に設定することが可能である。
【0113】
いま可変抵抗41の電界効果トランジスタ53のしきい値(ピンチオフ)電圧をVth1、可変抵抗42の電界効果トランジスタ55のしきい値(ピンチオフ)電圧をVth2とし、可変抵抗41の電界効果トランジスタ53が完全オフ(ピンチオフ)となる利得制御電圧をVCOFF(A)、可変抵抗42の電界効果トランジスタ55が完全オフ(ピンチオフ)となる利得制御電圧をVCOFF(B)と定義する。各電界効果トランジスタのゲート・ソース間電圧VGSはゲート電圧VGとソース電圧VSの差(VG−VS)で表されるので、
th1=VCOFF(A)−Vref1……(1)
th2=Vref2−VCOFF(B)……(2)
(1)、(2)式からわかるように利得制御電圧は、電界効果トランジスタ53ではゲートに、電界効果トランジスタ55ではソースに印加されるため、利得制御電圧の増大に伴い電界効果トランジスタ53の利得制御動作はOFFからONへ、逆に電界効果トランジスタ55の利得制御動作はONからOFFへと、これら電界効果トランジスタ53,55は相補的に変化する。
【0114】
ここで、このVCOFF(A), COFF(B)の差をΔVとすると
ΔV=VCOFF(A)−VCOFF(B) ……(3)
で表される。このΔVは正の値になるよう設定が必要である。つまり、VCOFF(A)の方がVCOFF(B)に比べ大きい値に設定することが必要である。
【0115】
このような設定にすることで電界効果トランジスタ53が完全オフ状態のときに、電界効果トランジスタ55が利得制御動作を行うことができ、さらに電界効果トランジスタ55が完全オフ状態のときに、電界効果トランジスタ53が利得制御動作を行うことができる。つまり、一方の電界効果トランジスタ53または55が完全オフ状態のときに、他方の電界効果トランジスタ55または53が利得制御動作を行うことができるのである。このような動作はスイッチ動作と利得制御動作を同時に行うことができることを示している。
【0116】
さらに、このΔVは各電界効果トランジスタのしきい値電圧の作製時におけるバラツキ、温度変化に対する変動等の影響を受けない値に設定することが必要である。電界効果トランジスタのしきい値電圧の作製時バラツキが±0.1V程度、温度変化に対する変動が±0.1V程度であるので、少なくともΔVは0.4V以上の値に設定する必要がある。
【0117】
また、最大値は2.0V程度以下に設定することが必要である。それはベースバンド部の制御部から利得制御電圧として出力され得る値は0〜3.0V程度のため、VCOFF(A),VCOFF(B)をその範囲に設定しかつ、各電界効果トランジスタのしきい値電圧の作製時におけるバラツキ、温度変化に対する変動等の影響を受けないで利得制御動作を行うために必要である。本実施の形態ではVCOFF(A)=1.5V,VCOFF(B)=1.0V,ΔV=0.5Vに設定した。
【0118】
ここで(1)式を(3)式へ代入すると
COFF(B)=Vref1+Vth1−ΔV……(4)
さらに(4)式を(2)式へ代入すると
ref2=Vref1+Vth1+Vth2−ΔV……(5)
いまVth1=Vth2=Vthとすると
ref2=Vref1+2Vth−ΔV……(6)
となる。
【0119】
(5)式より可変抵抗41の電界効果トランジスタ53の基準電圧印加部51に印加される電圧Vref1よりも可変抵抗42の電界効果トランジスタ55の基準電圧印加部52に印加される電圧Vref2の方が、電界効果トランジスタ53のしきい値電圧Vth1と電界効果トランジスタ55のしきい値電圧とVth2を加え、電界効果トランジスタ53,55の完全オフとなる利得制御電圧差ΔVを差し引いた分相当の値だけ低い設定が必要である。
【0120】
さらに、(6)式より可変抵抗41の電界効果トランジスタ53の基準電圧印加部51に印加される電圧Vref1よりも可変抵抗42の電界効果トランジスタ55の基準電圧印加部52に印加される電圧Vref2の方が、電界効果トランジスタ53,55のしきい値電圧Vthの2倍を加え、電界効果トランジスタ53,55の完全オフとなる利得制御電圧差ΔVを差し引いた分相当の値だけ低い設定が必要である。
【0121】
本実施の形態によればVth=−0.5V, ΔV=0.5Vであるので、
ref2=Vref1−1.5……(7)
となり、Vref2の方がVref1よりも1.5V低い値の設定が必要となる。本実施の形態によればVref1=2.0V,Vref2=0.5Vに設定している。
【0122】
以上のように、バンド選択切替と選択バンドの利得制御を同時に行う場合において、可変抵抗41の基準電圧Vref1と、可変抵抗42の基準電圧Vref2とをそれぞれ適切に設定することにより、バンド(A)の可変抵抗41とバンド(B)の可変抵抗42の利得制御動作範囲が相補的に動作するように接続し、一つの利得制御電圧でバンド選択切替と選択バンドの利得制御を同時に行うことが可能である。
【0123】
図4は図3に示した減衰器スイッチ272の利得制御電圧VC(D)に対する利得制御の特性図である。以下、図4を参照して、図3の減衰器スイッチ272の動作を説明する。
【0124】
ここで、電界効果トランジスタのしきい値電圧Vthがすべて−0.5Vであるとすると、基準電圧Vref1は2.0Vに設定され、基準電圧Vref2は0.5Vに設定される。
【0125】
利得制御電圧印加端子50に0〜0.7Vの電圧を印加した場合(図4:利得制御電圧範囲(a))には、可変抵抗41の抵抗値RON(FET53)は最大値、可変抵抗42の抵抗値RON(FET55)は最小値を示すため、入力端子43,44から入力された信号は、出力端子45での出力信号の大きさPOUT(A) が最小、出力端子46での出力信号の大きさPOUT(B)が最大となる。この状態はバンド(B)が選択され、バンド(A)が非選択状態である。
【0126】
利得制御電圧印加端子50に0.7Vを超えて電圧を印加した場合(図4:利得制御電圧範囲(b))には、可変抵抗41の抵抗値RON(FET53)は最大値を示したまま、可変抵抗42の抵抗値RON(FET55)は増加し始めるため、出力端子45での出力信号の大きさPOUT(A) が最小のまま、出力端子46の出力信号の大きさPOUT(B) は減少する。通常、電界効果トランジスタによる可変抵抗が直線利得制御動作を行う利得制御電圧範囲は0.2〜0.3V程度であり、利得制御電圧印加端子50に1.0Vの電圧が印加されるまで、利得は直線的に20dB程度減少する。この状態はバンド(A)が非選択であり、バンド(B)が選択された状態でバンド(B)が利得制御されている状態を示す。
【0127】
利得制御電圧印加端子50に1.0Vの電圧が印加されると(図4:利得制御電圧範囲(c))、増加していた可変抵抗42の抵抗値RON(FET55)は最大値を示し、可変抵抗41の抵抗値RON(FET53)も最大値を示したままのため、出力端子46の出力信号の大きさPOUT(B) と出力端子45の出力信号の大きさPOUT(A) はそれぞれ最小値となる。この状態はバンド(A)が非選択、バンド(B)が選択から非選択への切替の状態を示す。
【0128】
利得制御電圧印加端子50に1.5Vの電圧が印加されると(図4:利得制御電圧範囲(d))、可変抵抗42の抵抗値RON(FET55)は最大値を示したまま、最大値を示していた可変抵抗41の抵抗値RON(FET53)は減少し始めるため、出力端子46の出力信号の大きさPOUT(B) は最小値のまま、出力端子45の出力信号の大きさPOUT(A) は増大し始める。この状態はバンド(A)が非選択から選択へ切り替わり、かつバンド(A)での利得制御が開始され、バンド(B)が非選択の状態を示す。
【0129】
利得制御電圧印加端子50に1.8Vの電圧が印加されるまで、出力端子45の出力信号の大きさPOUT(A) は直線的に20dB程度増大する。ここで、可変抵抗42の抵抗値RON(FET55)は最大値を示したままであり、出力端子46の出力信号の大きさPOUT(B) は最小値のままである。
【0130】
利得制御電圧印加端子50に1.8Vの電圧が印加されると(図4:利得制御電圧範囲(e))、可変抵抗42の抵抗値RON(FET55)は最大値を示したまま、減少していた可変抵抗41の抵抗値RON(FET53)は最小値を示し、出力端子46での出力信号の大きさPOUT(B) が最小のまま、出力端子45の出力信号の大きさPOUT(A) は最大値となる。この状態はバンド(A)が選択され、かつバンド(A)の利得制御が行われ、バンド(B)が非選択の状態を示す。
【0131】
利得制御電圧印加端子50に1.8V以上の電圧を印加しても可変抵抗41の抵抗値RON(FET53)は最小値、可変抵抗42の抵抗値RON(FET55)は最大値を示すので、出力端子46での出力信号の大きさPOUT(B) が最小のまま、出力端子45の出力信号の大きさPOUT(A) は最大のままとなる。
【0132】
以上のように、この実施の形態によれば、減衰器スイッチにおいて、電界効果トランジスタによる可変抵抗41,42を並列に接続する構成を採用し、可変抵抗41と可変抵抗42の利得制御動作範囲を重ならないようシフトすることにより、可変抵抗41,42の利得制御動作を相補的にすることができるため、制御電圧に対するバンド選択切替および選択バンドでの利得制御を同時にすることが可能である。この可変抵抗41,42の利得制御動作範囲のシフトは外部のマイコンから基準電圧を調整することで可能である。
【0133】
したがって、携帯電話端末装置の高周波部において、一つの半導体装置でバンド選択切替と選択バンドの利得制御を行うことが可能となる。その結果、従来例のような、図17に示したような、バンド切替に伴って発生する電力増幅器の出力レベルの目標値からの一時的な外れを回避することができ、図5に示したような携帯電話端末装置のバンド切替時における利得制御の高精度化が容易となる。また、利得制御電圧の設定が1種類でよいので、制御部120の回路構成の簡略化が可能である。また、高周波部におけるスイッチを省くことができ、省スペース化を達成し、携帯電話端末装置の小型化を進めることができる。
【0134】
また、上記実施の形態ではバンド(A)側の可変抵抗41の基準電圧印加端子51とバンド(B)側の可変抵抗42の基準電圧印加端子52をそれぞれ設けたが、図6に示すように、基準電圧印加端子51のみを設け、可変抵抗41へ加える基準電圧Vref1をバイアス抵抗57,58で分圧することにより、可変抵抗42への基準電圧印加を行ってもよい。この場合、基準電圧印加端子は一つしか用いないため、回路の簡略化が可能である。バイアス抵抗57,58は高周波信号の侵入を阻止する役割をそれぞれ果たしている。上記のバイアス抵抗57,58は高周波信号の侵入を阻止するために、5kΩ程度以上100kΩ以下の抵抗値に設定されている。
【0135】
バイアス抵抗57,58が5kΩ程度以上100kΩ以下の抵抗値に設定されていることの理由について、以下に説明する。
【0136】
まず、下限値が5kΩ程度であることについては以下のとおりである。バイアス抵抗57,58が小さい値だと高周波信号がグラウンド(GND)へパスし、スイッチ動作および利得制御動作ができないため、5kΩ以上(アイソレーション40dB以上)必要である。また、基準電圧Vref1が3Vの場合、各バイアス抵抗57,58に流れる電流は、
I=3V/10kΩ=300μA
以上となり、電力消費が大きくなってしまう。
【0137】
一方、上限値が100kΩであることについては以下のとおりである。基準電圧Vref1が3Vの場合、各バイアス抵抗57,58に流れる電流は、
I=3V/200kΩ=15μA
である。今、バイアス抵抗57の両端の電圧は、
V=15μA×100kΩ=1.5V
である。このとき、電界効果トランジスタのリーク電流が1μA流れ込んだとすると、1μA×100kΩ=0.1Vのバイアス変動が生じてしまい、利得制御特性がずれて、精度よく利得制御を行えない。
【0138】
なお、上記実施の形態では、電界効果トランジスタによるバンド(A)側の可変抵抗41とバンド(B)側の可変抵抗42の2個の可変抵抗を並列接続した構成を用いたが、それ以上の複数個の可変抵抗を並列接続してもよく、並列接続する可変抵抗の数を多くすればする程、バンド選択切替および利得制御を多バンドにわたり行うことが可能である。
【0139】
ここで、3バンドのゲイン制御を行うことができる減衰器スイッチの例を図7および図8を参照しながら説明する。
【0140】
この減衰器スイッチは、図7に示すように、高周波信号の信号入力部IN(A)である入力端子65と信号出力部OUT(A)である出力端子68とを接続する信号ライン71と、高周波信号の信号入力部IN(B)である入力端子66と信号出力部OUT(B)である出力端子69とを接続する信号ライン72と、高周波信号の信号入力部IN(C)である入力端子67と信号出力部OUT(C)である出力端子70とを接続する信号ライン73とが並列に設けられている。
【0141】
信号ライン71中には、少なくとも1つ以上の直列(シリーズ)の可変抵抗61,62が挿入されている。信号ライン72中には、少なくとも1つ以上の直列の可変抵抗63が挿入されている。信号ライン73中には、少なくとも1つ以上の直列の可変抵抗64が挿入されている。
【0142】
可変抵抗61と可変抵抗62と可変抵抗63と可変抵抗64とは利得制御ライン74で接続されている。この減衰器スイッチでは、基準電圧印加部となる基準電圧印加端子76,77,78,79が可変抵抗61,62,63,64の各々に接続され、基準電圧印加端子76,77,78,79の各々に基準電圧Vref11,Vref12,Vref13,Vref14が与えられる。また、利得制御電圧印加部となる利得制御電圧印加端子75が可変抵抗61,62,63,64の各々に利得制御ライン74を介して接続されている。
【0143】
上記の可変抵抗61,62,63,64は、図3に示したものと同様に、それぞれ少なくとも電界効果トランジスタのゲートに抵抗を接続したものからなる。
【0144】
信号ライン71の可変抵抗61を構成する電界効果トランジスタ(図示せず)のドレインが入力端子65に接続され、ソースが可変抵抗62を構成する電界効果トランジスタ(図示せず)のドレインに接続され、可変抵抗62を構成する電界効果トランジスタのソースが出力端子68に接続されている。また、信号ライン72の可変抵抗63を構成する電界効果トランジスタ(図示せず)のドレインが入力端子66に接続され、ソースが出力端子69に接続されている。また、信号ライン73の可変抵抗64を構成する電界効果トランジスタ(図示せず)のドレインが入力端子67に接続され、ソースが出力端子70に接続されている。
【0145】
さらに、可変抵抗61を構成する電界効果トランジスタのゲートが抵抗および利得制御ライン74を介して利得制御電圧印加端子75に接続され、可変抵抗62を構成する電界効果トランジスタのソースが利得制御ライン74を介して利得制御電圧印加端子75に接続され、可変抵抗63を構成する電界効果トランジスタのソースが利得制御ライン74を介して利得制御電圧印加端子75に接続され、可変抵抗64を構成する電界効果トランジスタのゲートが抵抗および利得制御ライン74を介して利得制御電圧印加端子75に接続されている。
【0146】
また、可変抵抗61を構成する電界効果トランジスタのソースには基準電圧印加端子76から基準電圧Vref11が印加され、可変抵抗62を構成する電界効果トランジスタのゲートには基準電圧印加端子77から、抵抗を介して基準電圧Vref12が印加され、可変抵抗63を構成する電界効果トランジスタのゲートには基準電圧印加端子78から、抵抗を介して基準電圧Vref13が印加され、可変抵抗64を構成する電界効果トランジスタのソースには基準電圧印加端子79から基準電圧Vref14が印加されている。
【0147】
図8は図7に示した減衰器スイッチの利得制御電圧VC(D)に対する利得制御の特性図である。以下、図8を参照して、図7の減衰器スイッチの動作を説明する。
【0148】
ここで、電界効果トランジスタのしきい値電圧Vthがすべて−0.5Vであるとすると、基準電圧Vref11は1.8Vに設定され、基準電圧Vref12は1.7Vに設定され、基準電圧Vref13は0.5Vに設定され、基準電圧Vref14は3.0Vに設定される。
【0149】
利得制御電圧印加端子75に0〜0.7Vの電圧を印加した場合(図8:利得制御電圧範囲(a))には、可変抵抗61,64の抵抗値RONは最大値、可変抵抗62,63の抵抗値RONは最小値を示すため、入力端子65,66,67から入力された信号は、出力端子68での出力信号の大きさPOUT(A) が最小、出力端子69での出力信号の大きさPOUT(B)が最大、出力端子70での出力信号の大きさPOUT(C) が最小となる。この状態はバンド(B)が選択され、バンド(A),(C)が非選択状態である。
【0150】
利得制御電圧印加端子75に0.7Vを超えて電圧を印加した場合(図8:利得制御電圧範囲(b))には、可変抵抗61,64の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗62の抵抗値RONは最小値を示したまま、可変抵抗63の抵抗値RONは増加し始めるため、出力端子68での出力信号の大きさPOUT(A) が最小で、出力端子70での出力信号の大きさPOUT(C) が最小のまま、出力端子69の出力信号の大きさPOUT(B) は減少する。通常、電界効果トランジスタによる可変抵抗が直線利得制御動作を行う利得制御電圧範囲は0.2〜0.3V程度であり、利得制御電圧印加端子75に1.0Vの電圧が印加されるまで、利得は直線的に20dB程度減少する。この状態はバンド(A),(C)が非選択であり、バンド(B)が選択された状態でバンド(B)が利得制御されている状態を示す。
【0151】
利得制御電圧印加端子75に1.0Vの電圧が印加されると(図8:利得制御電圧範囲(c))、増加していた可変抵抗63の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗62の抵抗値RONは最小値を示したままで、可変抵抗61,64の抵抗値RONも最大値を示したままのため、出力端子69の出力信号の大きさPOUT(B) と出力端子68の出力信号の大きさPOUT(A) と出力端子70の出力信号の大きさPOUT(C) とはそれぞれ最小値となる。この状態はバンド(A),(C)が非選択、バンド(B)が選択から非選択への切替の状態を示す。
【0152】
利得制御電圧印加端子75に1.3Vの電圧が印加されると(図8:利得制御電圧範囲(d))、可変抵抗63,64の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗62の抵抗値RONは最小値を示したまま、最大値を示していた可変抵抗61の抵抗値RONは減少し始めるため、出力端子69,70の出力信号の大きさPOUT(B),POUT(C) は最小値のまま、出力端子68の出力信号の大きさPOUT(A) は増大し始める。この状態はバンド(A)が非選択から選択へ切り替わり、かつバンド(A)での利得制御が開始され、バンド(B),(C)が非選択の状態を示す。
【0153】
利得制御電圧印加端子75に1.6Vの電圧が印加されるまで、出力端子68の出力信号の大きさPOUT(A) は直線的に20dB程度増大する。ここで、可変抵抗63,64の抵抗値RONは最大値を示したままであり、出力端子69,70の出力信号の大きさPOUT(B),POUT(C) は最小値のままである。
【0154】
利得制御電圧印加端子75に1.6Vの電圧が印加されると(図8:利得制御電圧範囲(e))、可変抵抗63,64の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗62の抵抗値RONは最小値を示したまま、減少していた可変抵抗61の抵抗値RONは最小値を示し、出力端子69,70での出力信号の大きさPOUT(B),POUT(C) が最小のまま、出力端子68の出力信号の大きさPOUT(A) は最大値となる。この状態はバンド(A)が選択され、かつバンド(A)の利得制御が行われ、バンド(B),(C)が非選択の状態を示す。
【0155】
利得制御電圧印加端子75に1.9Vを超えて電圧を印加した場合(図8:利得制御電圧範囲(f))には、可変抵抗63,64の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗61の抵抗値RONは最小値を示したまま、可変抵抗62の抵抗値RONは増加し始めるため、出力端子69,70での出力信号の大きさPOUT(B), POUT(C) が最小のまま、出力端子68の出力信号の大きさPOUT(A) は減少する。利得制御電圧印加端子75に2.2Vの電圧が印加されるまで、利得は直線的に20dB程度減少する。この状態はバンド(B),(C)が非選択であり、バンド(A)が選択された状態でバンド(A)が利得制御されている状態を示す。
【0156】
利得制御電圧印加端子75に2.2Vの電圧が印加されると(図8:利得制御電圧範囲(g))、増加していた可変抵抗62の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗63,64の抵抗値RONも最大値を示し、可変抵抗61の抵抗値RONは最小値を示したままのため、出力端子68の出力信号の大きさPOUT(A) と出力端子69の出力信号の大きさPOUT(B) と出力端子70の出力信号の大きさPOUT(C) とはそれぞれ最小値となる。この状態はバンド(B),(C)が非選択、バンド(A)が選択から非選択への切替の状態を示す。
【0157】
利得制御電圧印加端子75に2.5Vの電圧が印加されると(図8:利得制御電圧範囲(h))、可変抵抗62,63の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗61の抵抗値RONは最小値を示したまま、最大値を示していた可変抵抗64の抵抗値RONは減少し始めるため、出力端子68,69の出力信号の大きさPOUT(A),POUT(B) は最小値のまま、出力端子70の出力信号の大きさPOUT(C) は増大し始める。この状態はバンド(C)が非選択から選択へ切り替わり、かつバンド(C)での利得制御が開始され、バンド(A),(B)が非選択の状態を示す。
【0158】
利得制御電圧印加端子75に2.8Vの電圧が印加されるまで、出力端子70の出力信号の大きさPOUT(C) は直線的に20dB程度増大する。ここで、可変抵抗62,63の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗61の抵抗値RONは最小値を示したままであり、出力端子68,69の出力信号の大きさPOUT(A),POUT(B) は最小値のままである。
【0159】
利得制御電圧印加端子75に2.8Vの電圧が印加されると(図8:利得制御電圧範囲(i))、可変抵抗62,63の抵抗値RONは最大値を示し、可変抵抗61の抵抗値RONは最小値を示したまま、減少していた可変抵抗64の抵抗値RONは最小値を示し、出力端子68,69での出力信号の大きさPOUT(A),POUT(B) が最小のまま、出力端子70の出力信号の大きさPOUT(C) は最大値となる。この状態はバンド(C)が選択され、かつバンド(C)の利得制御が行われ、バンド(A),(B)が非選択の状態を示す。
【0160】
利得制御電圧印加端子75に2.8V以上の電圧を印加しても可変抵抗61,64の抵抗値RONは最小値、可変抵抗62,63の抵抗値RONは最大値を示すので、出力端子68,69での出力信号の大きさPOUT(A),POUT(B) が最小のまま、出力端子70の出力信号の大きさPOUT(C) は最大のままとなる。
【0161】
上記の減衰器スイッチが用いられる携帯電話端末装置は、3バンド切替タイプのものとなる。
【0162】
また、上記実施の形態では、各可変抵抗41,42のための各電界効果トランジスタ53,55のドレイン−ソース電極間には並列に何も接続せずに用いたが、各電界効果トランジスタ53,55の固有の抵抗値のバラツキを抑制するためおよび、可変抵抗範囲を制御するために、電界効果トランジスタ53,55のドレイン−ソース電極間に並列に抵抗等を接続して用いてもよい。このことにより各可変抵抗のもつ利得制御量が安定し、極めて高精度な利得制御が可能となる。
【0163】
また、上記実施の形態では、各可変抵抗41,42のための各電界効果トランジスタ53,55のゲートの本数をそれぞれ一本で構成しているが、それ以上の複数本のゲート(マルチゲートタイプ)を用いてもよく、用いるゲートの本数を多くすればする程、利得制御幅が広くなり、また高い入力信号であっても歪み特性の劣化を抑えたスイッチ・利得制御が可能となる。また、各可変抵抗41,42のための各電界効果トランジスタは各々1つであったが、2個以上の複数個の電界効果トランジスタの直列回路であってもよい。
【0164】
さらに、上記実施の形態では、各可変抵抗41,42のために各電界効果トランジスタ53,55を用いた場合を示したが、本発明はこれに限ることなく、たとえばダイオード等の素子であってもよい。
【0165】
なお、これらの減衰器は、PDC方式だけでなく、様々な移動体通信方式(CDMA(IS−95),GSM,PCS,DCS,Wideband−CDMA,CDMA2000,PHSなど)に用いることができる。
【0166】
【発明の効果】
本発明の第1の減衰器スイッチによれば、第1の信号ラインに接続した、直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有し、信号ラインの選択切替を各可変抵抗の利得を制御することにより行い、選択信号ライン側の可変抵抗が信号ライン上の信号利得を実質的に直線的に制御するので、簡単な構成で信号ラインの選択と選択信号ライン上の信号利得の制御とを行うことができる。
【0167】
本発明の第2の減衰器スイッチによれば、第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有し、少なくとも2つ以上の並列に設けた電界効果トランジスタによる直列可変抵抗の動作を、少なくとも利得制御(スイッチ)動作範囲分以上だけシフトし、それぞれの直列可変抵抗の動作範囲が異なる利得制御電圧範囲に対応するように設定し、かつ第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲と第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲とを実質的に連続させ、各信号線の切替および利得制御を1種類の利得制御電圧のみで行うため、信号線選択切替時の利得の差違をなくし信号線切替に対する利得制御動作を極めて高精度に行うことが可能である。
【0168】
本発明の第3の減衰器スイッチによれば、ゲイン制御可能な信号ラインが3本以上となった点が第1の減衰器スイッチと異なるが、その他の効果は第1の減衰器スイッチと同じである。
【0169】
本発明の第4の減衰器スイッチによれば、ゲイン制御可能な信号ラインが3本以上となった点が第1の減衰器スイッチと異なるが、その他の効果は第2の減衰器スイッチと同じである。
【0170】
本発明の第1の携帯電話端末装置によれば、減衰器スイッチとして、第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有するものを用い、この減衰器スイッチにおいて、バンド選択切替を各可変抵抗の利得を制御することにより行い、選択バンド側の可変抵抗が送信出力を実質的に直線的に制御するので、バンド切替に伴うスイッチの過渡応答時間による遅延問題が解消し、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力が所望直線上から外れるということがなく、高品質の通話が可能となる。また、バンド選択切替を利得制御のみを用いて行うだけでよく、バンド切替制御を簡略化できる。さらに、高周波部でのバンド切替スイッチを省くことが可能となり、省スペースを実現し、小型化を実現することができる。
【0171】
本発明の第2の携帯電話端末装置によれば、減衰器スイッチとして、第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有するものを用い、少なくとも2つ以上の並列に設けた直列可変抵抗の動作を、少なくとも利得制御(スイッチ)動作範囲分以上だけシフトし、それぞれの直列可変抵抗の動作範囲が異なる利得制御電圧範囲に対応するように設定し、かつ第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲と第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲とを実質的に連続させ、各バンドの切替および利得制御を1種類の利得制御電圧のみで行うため、バンド選択切替時の利得の差違をなくしバンド切替に対する利得制御動作を極めて高精度に行うことが可能である。
【0172】
その結果、上記のような減衰器スイッチを用いて構成した携帯電話端末装置は、バンド切替に伴うスイッチの過渡応答時間による遅延問題が解消し、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力が所望直線上から外れるということがなく、高品質の通話が可能となる。また、バンド選択切替を利得制御のみを用いて行うだけでよく、バンド切替制御を簡略化できる。さらに、バンド切替スイッチを省くことが可能となり、省スペースを実現し、小型化を実現することができる。
【0173】
本発明の第3の携帯電話端末装置によれば、ゲイン制御可能な信号ラインが3本以上となった点が第1の携帯電話端末装置と異なるが、その他の効果は第1の携帯電話端末装置と同じである。
【0174】
本発明の第4の携帯電話端末装置によれば、ゲイン制御可能な信号ラインが3本以上となった点が第1の携帯電話端末装置と異なるが、その他の効果は第2の携帯電話端末装置と同じである。
【0175】
本発明の第5の携帯電話端末装置によれば、減衰器スイッチとして、第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有するものを用い、この減衰器スイッチにおいて、バンド選択切替を各可変抵抗の利得を制御することにより行い、選択バンド側の可変抵抗が電力増幅器からの出力を実質的に直線的に制御するので、バンド切替に伴うスイッチの過渡応答時間による遅延問題が解消し、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力が所望直線上から外れるということがなく、高品質の通話が可能となる。また、高周波部におけるバンド選択切替を利得制御のみを用いて行うだけでよく、バンド切替制御を簡略化できる。さらに、高周波部でのバンド切替スイッチを省くことが可能となり、省スペースを実現し、小型化を実現することができる。
【0176】
本発明の第6の携帯電話端末装置によれば、減衰器スイッチとして、第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有し、さらに第1の信号ラインに並列に設けた第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗を有するものを用い、少なくとも2つ以上の並列に設けた直列可変抵抗の動作を、少なくとも利得制御(スイッチ)動作範囲分以上だけシフトし、それぞれの直列可変抵抗の動作範囲が異なる利得制御電圧範囲に対応するように設定し、かつ第1の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲と第2の信号ラインに接続した直列可変抵抗の利得制御動作範囲とを実質的に連続させ、各バンドの切替および利得制御を1種類の利得制御電圧のみで行うため、バンド選択切替時の利得の差違をなくしバンド切替に対する利得制御動作を極めて高精度に行うことが可能である。
【0177】
その結果、上記のような減衰器スイッチを用いて構成した携帯電話端末装置は、バンド切替に伴うスイッチの過渡応答時間による遅延問題が解消し、フィードバック制御の時間遅れなどによる追従動作の遅れと、バンド切替時の出力レベルの不連続性とによって、バンド切替の時点で一時的に携帯電話端末装置の出力が所望直線上から外れるということがなく、高品質の通話が可能となる。また、高周波部におけるバンド選択切替を利得制御のみを用いて行うだけでよく、バンド切替制御を簡略化できる。さらに、高周波部でのバンド切替スイッチを省くことが可能となり、省スペースを実現し、小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における携帯電話端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯電話端末装置における減衰器スイッチの構成を示すブロック図である。
【図3】図2の減衰器スイッチの具体的な構成を示す回路図である。
【図4】図3の減衰器スイッチにおける利得制御電圧に対するスイッチ・利得制御の特性図である。
【図5】図3の減衰器スイッチにおけるセル間移動時の基地局からの距離に対する携帯電話端末装置の出力電力を示す特性図である。
【図6】図3において、各可変抵抗に基準電圧を印加できるように、それぞれにバイアス抵抗57,58を設けた減衰器スイッチの具体的な構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の減衰器スイッチの構成を示すブロック図である。
【図8】図7の減衰器スイッチにおける利得制御電圧に対するスイッチ・利得制御の特性図である。
【図9】基地局と携帯電話端末装置の位置関係を示す模式図である。
【図10】基地局における各チャンネル毎の受信信号の強度を示す説明図である。
【図11】携帯電話端末装置のセル間移動時の基地局との位置関係を示す模式図である。
【図12】従来の携帯電話端末装置の構成を示すブロック図である。
【図13】図12の携帯電話端末装置に用いられる減衰器の構成を示す回路図である。
【図14】図12の携帯電話端末装置に用いられるスイッチの構成を示す回路図である。
【図15】図13の減衰器および図14のスイッチにおける携帯電話端末装置のセル間移動時の利得制御電圧およびスイッチ電圧の設定特性図である。
【図16】セル間移動におけるバンド切替時の図13の減衰器および図14のスイッチに対するタイミングチャートである。
【図17】従来例の問題を説明するための説明図である。
【符号の説明】
41 可変抵抗
42 可変抵抗
43 信号入力端子
44 信号入力端子
45 信号出力端子
46 信号出力端子
47 信号ライン
48 信号ライン
49 利得制御ライン
50 利得制御電圧印加端子
51 基準電圧印加端子
52 基準電圧印加端子
53 電界効果トランジスタ
54 抵抗
55 電界効果トランジスタ
56 抵抗
101 ベースバンド部
120 制御部
201 無線部
220 受信部
231 変調器
232 可変利得中間周波増幅器
233 ミキサ
242 電力増幅器
243 前置増幅器
252 電力増幅器
253 前置増幅器
260 送信部
270 高周波部
271 スイッチ利得制御器
272 減衰器スイッチ
300 アンテナ
310 スイッチ

Claims (26)

  1. 第1の信号入力部(43)と第1の信号出力部(45)とを接続する第1の可変抵抗(41)よりなる第1の信号ライン(47)と、前記第1の信号ライン(47)と並列に設置されて第2の信号入力部(44)と第2の信号出力部(46)とを接続する第2の可変抵抗(42)よりなる第2の信号ライン(48)とからなり、前記利得制御電圧により、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々の利得を制御して、前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の出力の何れかを遮断して前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにしたことを特徴とする減衰器スイッチ。
  2. 第1の信号入力部(43)と第1の信号出力部(45)とを接続する第1の可変抵抗(41)よりなる第1の信号ライン(47)と、前記第1の信号ライン(47)と並列に設置されて第2の信号入力部(44)と第2の信号出力部(46)とを接続する第2の可変抵抗(42)よりなる第2の信号ライン(48)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)に共通に接続された利得制御ライン(49)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々に接続されてそれぞれ異なった基準電圧が加えられる第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々に前記利得制御ライン(49)を介して接続されて前記利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部(50)とを備え
    前記利得制御電圧により、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々の利得を制御して、前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の出力の何れかを遮断して前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにしたことを特徴とする減衰器スイッチ。
  3. 前記第1の可変抵抗(41)が少なくとも第1の電界効果トランジスタ(53)のゲートに第1の抵抗(54)が接続された構成で、前記第2の可変抵抗(42)が少なくとも第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに第2の抵抗(56)が接続された構成で、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のゲートが前記第1の抵抗(54)と前記利得制御ライン(49)とを介して前記利得制御電圧印加部(50)に接続され、前記第2の電界効果トランジスタ(55)のソースが前記利得制御ライン(49)を介して前記利得制御電圧印加部(50)に接続され、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のソースが前記第1の基準電圧印加部(51)に接続され、前記第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに前記抵抗(56)を介して前記第2の基準電圧印加部(52)が接続された請求項2記載の減衰器スイッチ。
  4. 前記第1の基準電圧印加部(51)に印加される電圧よりも前記第2の基準電圧印加部(52)に印加される電圧の方が低い請求項2記載の減衰器スイッチ。
  5. 前記第1の基準電圧印加部(51)に印加される電圧よりも前記第2の基準電圧印加部(52)に印加される電圧の方が、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のしきい値電圧と前記第2の電界効果トランジスタ(55)のしきい値電圧とを加え、前記第1および第2の電界効果トランジスタ(53),(55)の完全オフとなる利得制御電圧差を差し引いた分相当する値だけ低い請求項3記載の減衰器スイッチ。
  6. 前記第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)に印加される電圧値が、前記第1の可変抵抗(41)が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲と前記第2の可変抵抗(42)が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲とが重ならないように設定されている請求項2記載の減衰器スイッチ。
  7. 前記第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)に印加される電圧値が、前記第1の可変抵抗(41)が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲より前記第2の可変抵抗(42)が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲の方がより低くなるように設定されている請求項2記載の減衰器スイッチ。
  8. 前記第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)に印加される電圧値が、前記第1の電界効果トランジスタ(53)の完全オフとなる利得制御電圧より前記第2の電界効果トランジスタ(55)の完全オフとなる利得制御電圧の方がより低くなるように設定されている請求項3記載の減衰器スイッチ。
  9. 前記第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)に印加される電圧値が、前記第1および第2の電界効果トランジスタ(53),(55)の一方が完全オフ状態でのみ、前記第1および第2の電界効果トランジスタ(53),(55)の他方が利得制御動作するように設定されている請求項3記載の減衰器スイッチ。
  10. 前記第1の可変抵抗(41)が少なくとも第1の電界効果トランジスタ(53)のゲートに第1の抵抗(54)が接続された構成で、前記第2の可変抵抗(42)が少なくとも第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに第2の抵抗(56)が接続された構成で、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のゲートが前記抵抗(54)と前記利得制御ライン(49)とを介して前記利得制御電圧印加部(50)に接続され、前記第2の電界効果トランジスタ(55)のソースが前記利得制御ライン(49)を介して前記利得制御電圧印加部(50)に接続され、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のソースと前記第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに前記抵抗(56)を介して接続される部分(60)との間に抵抗(57)が挿入接続され、前記第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに前記抵抗(56)を介して接続される前記部分(60)と基本電位部(GND)(59)との間に抵抗(58)が挿入接続され、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のソースに前記基準電圧印加部(51)が接続された請求項2記載の減衰器スイッチ。
  11. 第1の信号入力部(65)と第1の信号出力部(68)とを接続する第1および第2の可変抵抗(61),(62)の直列回路よりなる少なくとも一つの第1の信号ライン(71)と、前記第1の信号ライン(71)と並列に設置されて第2の信号入力部(66)と第2の信号出力部(69)とを接続する第3の可変抵抗(63)よりなる第2の信号ライン(72)と、前記第1の信号ライン(71)と並列に設置されて第3の信号入力部(67)と第3の信号出力部(70)とを接続する第4の可変抵抗(64)よりなる第3の信号ライン(73)とからなり、前記利得制御電圧により、前記第1,第2,第3および第4の可変抵抗(61),(62),(63),(64)の各々の利得を制御して、前記第1,第2および第3の信号ライン(71),(72),(73)の何れか一つの出力利得を連続で直線的に制御し、前記第1,第2および第3の信号ライン(71),(72),(73)の残りを遮断するようにしたことを特徴とする減衰器スイッチ。
  12. 第1の信号入力部(65)と第1の信号出力部(68)とを接続する第1および第2の可変抵抗(61),(62)の直列回路よりなる少なくとも一つの第1の信号ライン(71)と、前記第1の信号ライン(71)と並列に設置されて第2の信号入力部(66)と第2の信号出力部(69)とを接続する第3の可変抵抗(63)よりなる第2の信号ライン(72)と、前記第1の信号ライン(71)と並列に設置されて第3の信号入力部(67)と第3の信号出力部(70)とを接続する第4の可変抵抗(64)よりなる第3の信号ライン(73)と、前記第1,第2,第3および第4の可変抵抗(61),(62),(63),(64)に共通に接続された利得制御ライン(74)と、前記第1,第2,第3および第4の可変抵抗(61),(62),(63),(64)の各々に接続された第1,第2,第3および第4の基準電圧印加部(76),(77),(78),(79)と、前記第1,第2,第3および第4の可変抵抗(61),(62),(63),(64)の各々に前記利得制御ライン(74)を介して接続されて前記利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部(75)とを備えた減衰器スイッチ。
  13. 第1の信号入力部(43)と第1の信号出力部(45)とを接続する第1の可変抵抗(41)よりなる第1の信号ライン(47)と、前記第1の信号ライン(47)と並列に設置されて第2の信号入力部(44)と第2の信号出力部(46)とを接続する第2の可変抵抗(42)よりなる第2の信号ライン(48)とからなり、前記利得制御電圧により、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々の利得を制御して、前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の出力の何れかを遮断して前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにした減衰器スイッチを、2つのバンドのバンド選択切替および選択バンドの利得の制御に用いたことを特徴とする携帯電話端末装置。
  14. 第1の信号入力部(43)と第1の信号出力部(45)とを接続する第1の可変抵抗(41)よりなる第1の信号ライン(47)と、前記第1の信号ライン(47)と並列に設置されて第2の信号入力部(44)と第2の信号出力部(46)とを接続する第2の可変抵抗(42)よりなる第2の信号ライン(48)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)に共通に接続された利得制御ライン(49)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々に接続されてそれぞれ異なった基準電圧が加えられる第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々に前記利得制御ライン(49)を介して接続されて前記利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部(50)とを備え、前記利得制御電圧により、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々の利得を制御して、前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の出力の何れかを遮断して前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにした減衰器スイッチを、2つのバンドのバンド選択切替および選択バンドの利得の制御に用いたことを特徴とする携帯電話端末装置。
  15. 前記第1の可変抵抗(41)が少なくとも第1の電界効果トランジスタ(53)のゲートに第1の抵抗(54)が接続された構成で、前記第2の可変抵抗(42)が少なくとも第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに第2の抵抗(56)が接続された構成で、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のゲートが前記第1の抵抗(54)と前記利得制御ライン(49)とを介して前記利得制御電圧印加部(50)に接続され、前記第2の電界効果トランジスタ(55)のソースが前記利得制御ライン(49)を介して前記利得制御電圧印加部(50)に接続され、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のソースが前記第1の基準電圧印加部(51)に接続され、前記第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに前記抵抗(56)を介して前記第2の基準電圧印加部(52)が接続された請求項14記載の携帯電話端末装置。
  16. 前記第1の基準電圧印加部(51)に印加される電圧よりも前記第2の基準電圧印加部(52)に印加される電圧の方が低い請求項14記載の携帯電話端末装置。
  17. 前記第1の基準電圧印加部(51)に印加される電圧よりも前記第2の基準電圧印加部(52)に印加される電圧の方が、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のしきい値電圧と前記第2の電界効果トランジスタ(55)のしきい値電圧とを加え、前記第1および第2の電界効果トランジスタ(53),(55)の完全オフとなる利得制御電圧差を差し引いた分相当する値だけ低い請求項15記載の携帯電話端末装置。
  18. 前記第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)に印加される電圧値が、前記第1の可変抵抗(41)が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲と前記第2の可変抵抗(42)が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲とが重ならないように設定されている請求項14記載の携帯電話端末装置。
  19. 前記第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)に印加される電圧値が、前記第1の可変抵抗(41)が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲より前記第2の可変抵抗(42)が利得制御動作を行う利得制御電圧範囲の方がより低くなるように設定されている請求項14記載の携帯電話端末装置。
  20. 前記第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)に印加される電圧値が、前記第1の電界効果トランジスタ(53)の完全オフとなる利得制御電圧より前記第2の電界効果トランジスタ(55)の完全オフとなる利得制御電圧の方がより低くなるように設定されている請求項15記載の携帯電話端末装置。
  21. 前記第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)に印加される電圧値が、前記第1および第2の電界効果トランジスタ(53),(55)の一方が完全オフ状態でのみ、前記第1および第2の電界効果トランジスタ(53),(55)の他方が利得制御動作するように設定されている請求項15記載の携帯電話端末装置。
  22. 前記第1の可変抵抗(41)が少なくとも第1の電界効果トランジスタ(53)のゲートに第1の抵抗(54)が接続された構成で、前記第2の可変抵抗(42)が少なくとも第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに第2の抵抗(56)が接続された構成で、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のゲートが前記抵抗(54)と前記利得制御ライン(49)とを介して前記利得制御電圧印加部(50)に接続され、前記第2の電界効果トランジスタ(55)のソースが前記利得制御ライン(49)を介して前記利得制御電圧印加部(50)に接続され、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のソースと前記第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに前記抵抗(56)を介して接続される部分(60)との間に抵抗(57)が挿入接続され、前記第2の電界効果トランジスタ(55)のゲートに前記抵抗(56)を介して接続される前記部分(60)と基本電位部(GND)(59)との間に抵抗(58)が挿入接続され、前記第1の電界効果トランジスタ(53)のソースに前記基準電圧印加部(51)が接続された請求項14記載の携帯電話端末装置。
  23. 第1の信号入力部(65)と第1の信号出力部(68)とを接続する第1および第2の可変抵抗(61),(62)の直列回路よりなる少なくとも一つの第1の信号ライン(71)と、前記第1の信号ライン(71)と並列に設置されて第2の信号入力部(66)と第2の信号出力部(69)とを接続する第3の可変抵抗(63)よりなる第2の信号ライン(72)と、前記第1の信号ライン(71)と並列に設置されて第3の信号入力部(67)と第3の信号出力部(70)とを接続する第4の可変抵抗(64)よりなる第3の信号ライン(73)とからなり、前記利得制御電圧により、前記第1,第2,第3および第4の可変抵抗(61),(62),(63),(64)の各々の利得を制御して、前記第1,第2および第3の信号ライン(71),(72),(73)の何れか一つの出力利得を連続で直線的に制御し、前記第1,第2および第3の信号ライン(71),(72),(73)の残りを遮断するようにした減衰器スイッチを、少なくとも3つ以上のバンドのバンド選択切替および選択バンドの利得の制御に用いたことを特徴とする携帯電話端末装置。
  24. 第1の信号入力部(65)と第1の信号出力部(68)とを接続する第1および第2の可変抵抗(61),(62)の直列回路よりなる少なくとも一つの第1の信号ライン(71)と、前記第1の信号ライン(71)と並列に設置されて第2の信号入力部(66)と第2の信号出力部(69)とを接続する第3の可変抵抗(63)よりなる第2の信号ライン(72)と、前記第1の信号ライン(71)と並列に設置されて第3の信号入力部(67)と第3の信号出力部(70)とを接続する第4の可変抵抗(64)よりなる第3の信号ライン(73)と、前記第1,第2,第3および第4の可変抵抗(61),(62),(63),(64)に共通に接続された利得制御ライン(74)と、前記第1,第2,第3および第4の可変抵抗(61),(62),(63),(64)の各々に接続された第1,第2,第3および第4の基準電圧印加部(76),(77),(78),(79)と、前記第1,第2,第3および第4の可変抵抗(61),(62),(63),(64)の各々に前記利得制御ライン(74)を介して接続されて前記利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部(75)とを備えた減衰器スイッチを、少なくとも3つ以上のバンドのバンド選択切替および選択バンドの利得の制御に用いたことを特徴とする携帯電話端末装置。
  25. 音声信号を処理するベースバンド部(101)と、前記ベースバンド部(101)で処理された音声信号を入力として基地局との間で通信を行う無線部(201)とからなり、前記無線部(201)が前記基地局への送信信号を生成する送信部(260)と、前記基地局からの送信信号を受信する受信部(220)とからなり、前記送信部(260)が前記ベースバンド部(101)から与えられる音声信号による中間周波数信号の変調を行う変調器(231)、前記中間周波数信号の利得の制御を行う可変利得中間周波増幅器(232)および前記中間周波数信号から高周波信号への周波数変換のための混合を行うミキサ(233)からなる中間周波部(230)と、前記中間周波部(230)から出力される高周波信号を増幅してアンテナ(300)へ供給する高周波部(270)とからなり、前記高周波部(270)が前記中間周波部(230)から出力される2つのバンドのバンド選択切替および、選択バンドの高周波信号の利得の制御を行うスイッチ利得制御器(271)と、前記スイッチ利得制御器(271)の2つの出力をそれぞれ電力増幅する2つの電力増幅器(242),(252)からなり、前記スイッチ利得制御器(271)が前記中間周波部(230)から出力される2つのバンドのバンド選択切替および、選択バンドの高周波信号の利得の制御を行う減衰器スイッチ(272)を含み、
    前記ベースバンド部(101)が制御部(120)を含み、前記制御部(120)が、前記受信部(220)による受信信号の信号情報を検出するとともに、その情報に応じた利得制御電圧を前記減衰器スイッチ(272)に加えることにより、前記2つの電力増幅器の何れか(242)からの出力を前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)からの出力に切り替え、前記受信信号の信号情報に対応して前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルの目標値を設定し、前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルと前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルの目標値とを比較し、その比較結果に応じた利得制御電圧を前記減衰器スイッチ(272)と前記可変利得中間周波増幅器(232)とに加えることにより、前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルが前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルの目標値に一致するように前記減衰器スイッチ(272)と前記可変利得中間周波増幅器(232)の利得を追従制御し、
    前記減衰器スイッチ(272)が前記高周波信号の第1の信号入力部(43)と第1の信号出力部(45)とを接続する第1の可変抵抗(41)よりなる第1の信号ライン(47)と、前記第1の信号ライン(47)と並列に設置されて前記高周波信号の第2の信号入力部(44)と第2の信号出力部(46)とを接続する第2の可変抵抗(42)よりなる信号ライン(48)とからなり、前記利得制御電圧により、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々の利得を制御して、前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の出力の何れかを遮断して前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の残りの出力利得を連続で直線的に制御することにより前記減衰器スイッチ(272)が前記電力増幅器(242)からの出力を前記電力増幅器(252)からの出力に切り替え、かつ前記電力増幅器(252)からの出力利得を連続で直線的に制御するようにしたことを特徴とする携帯電話端末装置。
  26. 音声信号を処理するベースバンド部(101)と、前記ベースバンド部(101)で処理された音声信号を入力として基地局との間で通信を行う無線部(201)とからなり、前記無線部(201)が前記基地局への送信信号を生成する送信部(260)と、前記基地局からの送信信号を受信する受信部(220)とからなり、前記送信部(260)が前記ベースバンド部(101)から与えられる音声信号による中間周波数信号の変調を行う変調器(231)、前記中間周波数信号の利得の制御を行う可変利得中間周波増幅器(232)および前記中間周波数信号から高周波信号への周波数変換のための混合を行うミキサ(233)からなる中間周波部(230)と、前記中間周波部(230)から出力される高周波信号を増幅してアンテナ(300)へ供給する高周波部(270)とからなり、前記高周波部(270)が前記中間周波部(230)から出力される2つのバンドのバンド選択切替および、選択バンドの高周波信号の利得の制御を行うスイッチ利得制御器(271)と、前記スイッチ利得制御器(271)の2つの出力をそれぞれ電力増幅する2つの電力増幅器(242),(252)からなり、前記スイッチ利得制御器(271)が前記中間周波部(230)から出力される2つのバンドのバンド選択切替および、選択バンドの高周波信号の利得の制御を行う減衰器スイッチ(272)を含み、
    前記ベースバンド部(101)が制御部(120)を含み、前記制御部(120)が、前記受信部(220)による受信信号の信号情報を検出するとともに、その情報に応じた利得制御電圧を前記減衰器スイッチ(272)に加えることにより、前記2つの電力増幅器の何れか(242)からの出力を前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)からの出力に切り替え、前記受信信号の信号情報に対応して前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルの目標値を設定し、前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルと前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルの目標値とを比較し、その比較結果に応じた利得制御電圧を前記減衰器スイッチ(272)と前記可変利得中間周波増幅器(232)とに加えることにより、前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルが前記2つの電力増幅器の残りの何れか(252)の出力レベルの目標値に一致するように前記減衰器スイッチ(272)と前記可変利得中間周波増幅器(232)の利得を追従制御し、
    前記減衰器スイッチ(272)が前記高周波信号の第1の信号入力部(43)と第1の信号出力部(45)とを接続する第1の可変抵抗(41)よりなる第1の信号ライン(47)と、前記第1の信号ライン(47)と並列に設置されて前記高周波信号の第2の信号入力部(44)と第2の信号出力部(46)とを接続する第2の可変抵抗(42)よりなる信号ライン(48)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)に共通に接続された利得制御ライン(49)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々に接続されてそれぞれ異なった基準電圧が加えられる第1および第2の基準電圧印加部(51),(52)と、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々に前記利得制御ライン(49)を介して接続されて前記利得制御電圧が加えられる利得制御電圧印加部(50)とで構成され、前記利得制御電圧により、前記第1および第2の可変抵抗(41),(42)の各々の利得を制御して、前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の出力の何れかを遮断して前記第1および第2の信号ライン(47),(48)の残りの出力利得を連続で直線的に制御するようにしたことを特徴とする携帯電話端末装置。
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