JP3932962B2 - バンドパスフィルタ及び通信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バンドパスフィルタ及び通信機に関し、特に、入力側及び出力側における反射波を抑圧する構成が備えられたバンドパスフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波帯〜ミリ波帯の高周波帯の発信回路や信号処理回路においてバンドパスフィルタが用いられている。この種のバンドパスフィルタとしては、例えば弾性表面波フィルタ、誘電体フィルタ、導波管を利用したフィルタ、マイクロストリップ線路を利用したフィルタ、またはリアクタンスを持つ集中定数部品(コンデンサ、チップインダクタ、空芯コイルなど)により構成されたフィルタなどが挙げられる。
【0003】
図12は、従来のバンドパスフィルタの一例としての、共振子型弾性表面波フィルタの模式的平面図である。共振子型弾性表面波フィルタ500では、圧電単結晶基板501上に共振子型弾性表面波フィルタ部502が構成されている。このフィルタ部502は、表面波伝搬方向に沿って配置されたIDT514〜516と、IDT514〜516が設けられている領域の表面波伝搬方向両側に設けられた反射器513,517とを有する。
【0004】
中央のIDT515に、アース電位に接続される電極パッド509及び出力端子を構成する電極パッド512が、それぞれ、接続導電部504,507を介して接続されている。また、両側のIDT514,516の一方の櫛歯電極に、接続導電部503,505を介して、入力端子を構成する電極パッド511が接続されている。IDT514,516の他方の櫛歯電極には、接続導電部506,508を介してアース電位に接続される電極パッド510が接続されている。
【0005】
上記共振子型弾性表面波フィルタ500として、1805〜1885MHzを通過帯域とする、特性インピーダンス50Ωのバンドパスフィルタを構成した場合の特性の一例を図13〜図16に示す。図13は、伝送特性を示し、図14は、伝送特性の要部を拡大して示す図である。また、図15は、上記共振子型弾性表面波フィルタ500の通過帯域内の周波数における入力端子側インピーダンス特性を示すスミスチャートであり、図16は、通過帯域内の周波数における出力端子側インピーダンス特性を示すスミスチャートである。
【0006】
共振子型弾性表面波フィルタ500の動作原理は、例えば「弾性波素子技術ハンドブック」(オーム社刊、日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会編)に述べられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
マイクロ波帯〜ミリ波帯で用いられているバンドパスフィルタでは、入出力端におけるインピーダンス整合が完全に図られていることが望ましい。すなわち、入出力端において、通過帯域内の信号がなるべく反射しないことが望ましい。通過帯域内の信号が反射により損失することが望ましくないだけでなく、発生した反射波がバンドパスフィルタに接続された電気回路に悪影響をもたらす恐れがあるからである。
【0008】
携帯電話機の受信部において、アンテナと、増幅器との間に配置されるバンドパスフィルタを例にとり、上記問題点をより具体的に説明する。
通過帯域内信号に対し、バンドパスフィルタの入力端側におけるインピーダンス整合が図られていない場合、アンテナが受信した帯域内信号の一部がバンドパスフィルタの入力端で反射され、受信信号が損失する。この場合、受信信号の損失分だけ、必要な信号強度を保つため、増幅器の利得を高めねばならないことになる。従って、携帯電話機の消費電力が増加せざるを得ない。
【0009】
また、受信信号の一部が損失すると、信号対雑音比(SN比)が悪化する。後段で増幅により信号レベルを高めたとしても、SN比は回復されない。よって、携帯電話機の受信性能が悪化する。
【0010】
さらに、バンドパスフィルタの入力端で反射した受信信号の一部は、アンテナ端でも反射され、バンドパスフィルタに戻ってくる。従って、多重反射により、バンドパスフィルタにおいて位相遅れを有する受信信号が正常な受信信号に重畳されることになる。よって、この多重反射によっても受信信号が劣化し、携帯電話機の受信性能が損なわれる。
【0011】
上記のように、バンドパスフィルタの入力端側における信号の反射は様々な悪影響をもたらす。従って、バンドパスフィルタの入力端においては、信号の反射をできるだけ小さくするように、通過帯域内においてできる限りインピーダンス整合が図られていることが求められる。
【0012】
他方、バンドパスフィルタの出力端で帯域内インピーダンス整合が図られていない場合には、バンドパスフィルタの出力端と増幅器の入力端との間で帯域内信号の多重反射が生じる。そのため、帯域内信号に対して利得を有するように設計された増幅器の動作が不安定となり、最悪の場合、異常発振が生じる。バンドパスフィルタ出力端のインピーダンスの不整合がそれ程大きくない場合には、異常発振までは至らない。しかしながら、その場合であっても、インピーダンスの不整合により発生したバンドパスフィルタと増幅器との間の多重反射は、増幅器の正常な動作を多かれ少なかれ妨げることになる。従って、バンドパスフィルタの出力端側においても、信号の反射が生じないように、できる限りインピーダンス整合が図られていることが望ましい。
【0013】
携帯電話機の受信部のアンテナと増幅器との間に配置されるバンドパスフィルタを例にとり説明したが、これに限らず、マイクロ波帯〜ミリ波帯を通過帯域とするバンドパスフィルタでは、一般的に、通過帯域内信号の入出力端における反射がなるべく生じないように、入出力端のインピーダンス整合が通過帯域内の全周波数範囲に渡り完全に図られていることが望ましい。
【0014】
しかしながら、現実には、バンドパスフィルタの入出力インピーダンスが周波数特性を有するため、通過帯域内の全ての周波数範囲に渡り、完全に入出力端のインピーダンスを整合させることは事実上不可能であった。従って、通過帯域内の全ての周波数において、なるべく完全なインピーダンス整合に近い状態となるようにすることが重要である。
【0015】
上述した従来の共振子型弾性表面波フィルタ500の入出力端におけるインピーダンス特性では、図15及び図16から明らかなように、インピーダンスはスミスチャートの中心である完全整合点の近くに位置するものの、インピーダンスは完全に整合しているわけではない。すなわち、インピーダンス特性が周波数特性を持ちつつ、完全整合点の周辺を移動していることがわかる。従って、入出力インピーダンスの完全整合点からの距離に応じて、入出力端において信号の反射が生じていることがわかる。
【0016】
本発明の目的は、通過帯域内の全ての周波数範囲に渡り、より一層良好なインピーダンス整合性を有するバンドパスフィルタを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明によれば、第1のフィルタと、少なくとも使用周波数帯域で周波数に対する特性が前記第1のフィルタと同一であり、かつ前記第1のフィルタに並列接続された第2のフィルタと、前記第1,第2のフィルタの入力側の並列接続点よりも後段において前記第1のフィルタの入力側にカスケード接続されており、かつ位相をx度ずらす第1の移相手段と、前記第1,第2のフィルタの出力側の並列接続点よりも前段において第1のフィルタの出力側にカスケード接続されており、かつ位相をy度ずらす第2の移相手段と、前記第1,第2のフィルタの入力側の並列接続点よりも後段において前記第2のフィルタの入力側にカスケード接続されており、かつ位相をz度ずらす第3の移相手段と、前記第1,第2のフィルタの出力側の並列接続点よりも前段において第2のフィルタの出力側にカスケード接続されており、かつ位相をw度ずらす第4の移相手段とを備えており、x、y、z、wには式(1)(3)の関係が成立していることを特徴とするバンドパスフィルタが提供される。
【0018】
▲1▼2x−2z=180+n×360(nは任意の整数)
▲2▼2y−2w=180+m×360(mは任意の整数)
▲3▼x+y=z+w+l×360(lは任意の整数)
【0019】
第2の発明によれば、第1のフィルタと、少なくとも使用周波数帯域で周波数に対する特性が前記第1のフィルタと同一であり、かつ前記第1のフィルタに並列接続されている第2のフィルタと、前記第1,第2のフィルタの出力側の並列接続点よりも前段において前記第1のフィルタの出力側にカスケード接続されており、かつ位相を略(90+n×180)度(ここでnは任意の整数)ずらす移相手段と、前記第1,第2のフィルタの入力側の並列接続点よりも後段において前記第2のフィルタの入力側にカスケード接続されており、かつ位相を略(90+m×180)度(ここでmは、nと奇偶の一致する任意の整数)ずらす移相手段とを備えることを特徴とするバンドパスフィルタが提供される。
【0020】
第3の発明によれば、第1のフィルタと、少なくとも使用周波数帯域で周波数に対する特性が前記第1のフィルタと同一であり、かつ前記第1のフィルタに並列接続された第2のフィルタと、前記第1,第2のフィルタの入力側の並列接続点よりも後段において前記第1のフィルタの入力側にカスケード接続されており、かつ位相を略(90+n×180)度(ここでnは任意の整数)ずらす移相手段と、前記第1,第2のフィルタの出力側の並列接続点よりも前段において前記第1のフィルタの出力側にカスケード接続されており、かつ位相を略(90+m×180)度(ここでmは、nと奇偶の一致する任意の整数)ずらす移相手段とを備えることを特徴とするバンドパスフィルタが提供される。
【0021】
本発明において、上述した移相手段は、位相をずらす構成である限り、特に公知の移相デバイス、例えばバンドパスフィルタを構成する配線などにより構成されてもよい。
【0022】
本発明(第1〜第3の発明)のある特定の局面では、前記移相手段の少なくとも1つが遅延線により構成される。遅延線は、バンドパスフィルタを構成する回路基板や圧電基板上において容易に形成され得る。従って、本発明において、移相手段の少なくとも1つを遅延線により構成した場合、該移相手段を容易に構成することができる。
【0023】
本発明の他の特定の局面では、前記移相手段の少なくとも1つがコンデンサ素子とインダクタンス素子から構成される。この場合には、コンデンサ素子及びインダクタンス素子の特性を選択することにより最適な移相手段を容易に構成することができる。
【0024】
本発明に係るバンドパスフィルタでは、上記第1,第2のフィルタは、様々なバンドパスフィルタにより構成することができ、例えば、弾性表面波フィルタ、誘電体フィルタまたは圧電フィルタなどにより構成され得る。
【0025】
本発明のさらに他の特定の局面では、前記第1のフィルタ及び第2のフィルタが圧電基板を有するを弾性表面波フィルタであって、前記遅延線が前記圧電基板上に形成された導体ストリップ線路からなる。この場合には、弾性表面波フィルタを構成する圧電基板上において、導体ストリップ線路を形成するだけで、容易に遅延線を構成することができ、かつ、遅延線が弾性表面波フィルタと一体に構成されるので、バンドパスフィルタの小型化を図ることができる。
【0026】
本発明のさらに別の特定の局面では、前記第1のフィルタ及び第2のフィルタが圧電基板を有する弾性表面波フィルタであって、前記移相手段の1つ以上が、コンデンサ素子とインダクタンス素子から構成されていて、該コンデンサ素子は前記圧電基板上の対向電極によって形成されている。この場合には、コンデンサ素子が弾性表面波フィルタを構成する圧電基板上に対向電極を形成することにより構成されているので、コンデンサ素子を装置を大型化することなく容易に形成することができる。
【0027】
本発明に係る通信機は、本発明に従って構成されたバンドパスフィルタを帯域フィルタとして備えることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0029】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るバンドパスフィルタの概略構成を示す回路図である。
本実施形態のバンドパスフィルタ100では、通過帯域内においてほぼ同じ特性を有する第1,第2のバンドパスフィルタ1,2が用いられる。すなわち、入力端子対9と出力端子対10との間に、周波数に対する入出力インピーダンス特性及び伝送特性がほぼ同一であるバンドパスフィルタ1,2が並列に接続されている。
【0030】
入力端子対9と第1のバンドパスフィルタ1との間には、信号の位相をx°シフトさせる第1の移相手段としての移相器3がカスケード接続されており、バンドパスフィルタ1と出力端子対10との間には、信号の位相をy°シフトさせる第2の移相手段としての移相器4がカスケード接続されている。同様に、第2のバンドパスフィルタ2と入力端子対9との間には、信号の位相z°シフトさせる第3の移相手段としての移相器5がカスケード接続されており、、バンドパスフィルタ2と出力端子対10との間には、信号の位相をw°シフトさせる第4の移相手段としての移相器6がカスケード接続されている。
【0031】
言い換えれば、移相器3、バンドパスフィルタ1及び移相器4が順にカスケード接続されてなるフィルタ回路7と、移相器5、バンドパスフィルタ2及び移相器6が順にカスケード接続されてなるフィルタ回路8とが並列に接続されている。
【0032】
フィルタ回路7,8を並列接続することにより、バンドパスフィルタ100が構成されている。なお、入力端子対9及び出力端子対10は、上記並列接続の並列接続点に接続されている。
【0033】
本実施形態では、上記移相器3,4,5,6の位相シフト量x,y,z,wの間に、下記の式(1)〜(3)が成立しており、後述するように、入出力端におけるインピーダンス整合を従来例に比べて完全整合に近くすることができる。
【0034】
式(1)
2x−2z=180°+n×360°(但し、nは任意の整数)
式(2)
2y−2w=180°+m×360°(但し、mは任意の整数)
式(3)
x+y=z+w+i×360°(iは任意の整数)
バンドパスフィルタ100の動作と、インピーダンス整合が入出力端において図られることとを説明する。
【0035】
まず、入力端子対9で生じる帯域内信号の反射につき説明する。入力端子対9で発生する反射波は、フィルタ回路7から発生した反射波と、フィルタ回路8から発生した反射波とが合成されてものとなる。仮に、移相器3及び移相器5が接続されていなかったとすると、バンドパスフィルタ1の帯域内特性とバンドパスフィルタ2の帯域内特性がほぼ同じであるため、フィルタ回路7から生じる反射波と、フィルタ回路8から生じる反射波は略同相であり、かつ略同振幅となる。
【0036】
しかしながら、実際には、フィルタ回路7から発生した反射波は、バンドパスフィルタ1に向かって進行していくときと、バンドパスフィルタ1の入力端で反射されて入力端子対9に戻っていくときの2回、移相器3を通過する。従って、移相器3が接続されていなかった場合と比べれば、移相器3が接続されている場合には、反射波の位相は2x°遅れることになる。
【0037】
他方、フィルタ回路8から発生する反射波は、移相器5が接続されていなかった場合に比べて、その位相は2z°だけ遅れることになる。
従って、フィルタ回路7から発生する反射波とフィルタ回路8から発生する反射波は、ほぼ同じ振幅でありながら、両者の間には2(x−z)°の位相差が生じることになる。
【0038】
よって、式(1)は、フィルタ回路7から発生した反射波の位相と、フィルタ回路8から発生した反射波の位相とが逆転していることを意味する。すなわち、フィルタ回路7から発生する反射波と、フィルタ回路8から発生する反射波が、略逆相であり、かつ同振幅となる。よって、フィルタ回路7から発生する反射波と、フィルタ回路8から発生する反射波が打ち消し合い、入力端子対9では、反射波がほとんど発生しないことがわかる。
【0039】
入力信号が通過帯域内の周波数である限り反射波がほとんど発生しないことになるため、本実施形態のバンドパスフィルタ100では、通過帯域内の全周波数範囲に渡り入力端子側における反射がほとんど生じない。すなわち、入力端子側におけるインピーダンス整合特性が非常に良好なバンドパスフィルタを提供し得ることがわかる。
【0040】
出力端子側においても、フィルタ回路7から発生した反射波と、フィルタ回路8で発生した反射波とが打ち消し合うことになる。すなわち、バンドパスフィルタ1とバンドパスフィルタ2の通過帯域内における特性が同じであること、並びに移相器4の位相シフト量yと、位相器6の位相シフト量wとが式(2)の関係を満たすことにより、通過帯域内の全周波数において、フィルタ回路7で発生する反射波とフィルタ回路8で発生する反射波とが打ち消し合い、出力端子対10においても反射波はほとんど発生しない。
【0041】
上記のように、本実施形態のバンドパスフィルタ100では、通過帯域内の全周波数において、入力端子及び出力端子において反射がほとんど生じないので、入出力端のインピーダンス整合特性が良好なバンドパスフィルタが得られる。
【0042】
次に、上記バンドパスフィルタ100の帯域内伝送特性につき説明する。
バンドパスフィルタ100を通過する進行波は、フィルタ回路7を通過する進行波と、フィルタ回路8を通過する進行波とが合成されたものとなる。フィルタ回路7を通過する進行波は、移相器3,4により、(x+y)°の位相シフトを生じており、他方、フィルタ回路8を通過する進行波は移相器5,6により(z+w)°の位相シフトを生じている。両者の位相シフト量の差は、式3から、360°の整数倍であることがわかる。
【0043】
すなわち、フィルタ回路7を通過する進行波の位相と、フィルタ回路8を通過する進行波の位相は、移相器3〜6が設けられていない場合とほとんど変わらない。
【0044】
移相器3〜6が設けられていない場合には、フィルタ回路7を通過する進行波はバンドパスフィルタ1を通過する進行波そのものとなり、フィルタ回路8を通過する進行波はバンドパスフィルタ2を通過する進行波そのものとなり、バンドパスフィルタ1とバンドパスフィルタ2の帯域内特性が同じであるため、両者は同相の進行波となる。
【0045】
移相器3〜6が設けられている場合と設けられていない場合とで、フィルタ回路7を通過する進行波と、フィルタ回路8を通過する進行波の位相関係がほとんど変わらないため、移相器3〜6が設けられている場合においても、フィルタ回路7を通過する進行波とフィルタ回路8を通過する進行波とはほぼ同相となる。
【0046】
従って、フィルタ回路7を通過する進行波と、フィルタ回路8を通過する進行波とが、ほぼ同相で効率よく重ね合わされ、バンドパスフィルタ100からの出力進行波となる。
【0047】
よって、バンドパスフィルタ100全体の帯域内信号の伝送効率は、バンドパスフィルタ1,2のそれぞれの伝送効率と同程度である。
また、実際には、反射による損失が大幅に少なくなるため、バンドパスフィルタ100の伝送効率は、バンドパスフィルタ1,2自体の伝送効率よりもさらに若干高められる。
【0048】
なお、バンドパスフィルタ1,2の帯域内特性が仮に全く等しい場合であっても、実際には、バンドパスフィルタ100の内部において、両者が完全に同じ反射特性を必ずしも示すわけではない。バンドパスフィルタ1とバンドパスフィルタ2の出力端の終端条件が同じであれば、両者の入力端の反射特性は全く等しくなり、バンドパスフィルタ1,2の入力端の終端条件が同じであれば、両者の出力端の反射特性は全く同じとなる。しかしながら、このような条件が満たされない場合には、バンドパスフィルタ1,2の内部で発生する多重反射の状態が両者の間で若干異なってくるため、その影響により、バンドパスフィルタ1,2の反射特性が若干異なることがある。
【0049】
バンドパスフィルタ100の内部においては、バンドパスフィルタ1とバンドパスフィルタ2の出入力端は同じ状態とはなっていないため、両者の反射特性はやはり、バンドパスフィルタ1,2の内部多重反射の影響により若干異なる。従って、フィルタ回路7からの反射波とフィルタ回路8からの反射波は完全に打ち消し合うわけではなく、やはりバンドパスフィルタ100全体として若干の反射波は生じる。
【0050】
しかしながら、バンドパスフィルタ1,2として、ある程度帯域内反射が小さいフィルタを用いる場合、バンドパスフィルタ1,2の通過帯域内におけるフィルタ内多重反射は非常に小さくなるため、上記のように、フィルタ回路7からの反射波とフィルタ回路8からの反射波がほぼ打ち消し合い、バンドパスフィルタ100はバンドパスフィルタ1,2を単独で用いた場合よりもはるかに帯域内反射が小さいバンドパスフィルタとして動作する。この具体的な効果の程度については、後述の具体的な実験例により説明する。
【0052】
なお、式(1)において、yが(90°+n×180°)(nは任意の整数)、zが(90°+m×180°)(mは、nと奇遇の一致する任意の整数)とした場合、x=w=0であっても式(1)及び(2)は成立する。すなわち、図2に示す変形例のように移相器3及び移相器6を省略してもよい。この場合、移相器4の位相シフト量yを略(90°+n×180°)、移相器5の位相シフト量zを略(90°+m×180°)とすれば、上記実施形態と同様に良好な結果を得ることができる。
【0053】
また、式(1)〜(3)において、xを略(90°+n×180°)、yを略(90°+m×180°)(mはnと奇偶の一致する任意の整数)とし、z=w=0としてもよい。この場合は、図3に示す変形例のように、移相器3及び移相器4のみが用いられ、第2のバンドパスフィルタ2側には移相器は接続されない。
【0054】
図2及び図3に示した変形例では、それぞれ、2個の移相器を用いればよいため、図1に示したバンドパスフィルタ100に比べて回路の簡略化を図ることができる。
【0055】
なお、図2に示した変形例では、移相器4の位相シフト量y=略(90°+n×180°)、移相器5の位相シフト量z=略(90°+m×180°)とし、また、図3に示した変形例では、移相器3の位相シフト量x=略(90°+n×180°)、移相器4の位相シフト量y=略(90°+m×180°)としたが、ここで「略」は±30%程度の誤差を許容することを意味する。
【0056】
本発明では、移相手段が必要であるが、この移相手段の具体的構成としては、特に限定されず、従来より公知の様々の移相器を用いることができる。例えば、誘電体基板上に形成された導体ストリップ線路からなる遅延線により移相器を構成してもよい。導体ストリップ線路からなる遅延線は、その構造が単純であり、低コストで作製され得る。
【0057】
また、コンデンサ素子と、コンデンサ素子に直列に接続されたインダクタンス素子とにより移相器を構成してもよい。コンデンサ素子やインダクタンス素子としては、マイクロ波帯〜ミリ波帯で使用され得る小型の素子が市販されている。また、薄膜微細加工技術を用いて表面波基板上にこれらのインダクタンス素子やコンデンサ素子を形成してもよく、それによって小型の移相器を構成することができ、本発明のバンドパスフィルタの小型化を図ることができる。
【0058】
また、本発明における移相手段は、上記のような公知の移相器を用いて構成される必要は必ずしもなく、バンドパスフィルタを構成する配線やボンディングワイヤーを用いて構成してもよい。
【0059】
本発明のバンドパスフィルタでは、第1,第2のバンドパスフィルタを有するため、バンドパスフィルタ全体の寸法が大きくなる恐れがある。しかしながら、小型化が可能な弾性表面波フィルタにより第1,第2のバンドパスフィルタを構成すれば、圧電基板上に超微細加工技術で弾性表面波フィルタ用電極を形成することができるので、全体の寸法をさほど大きくすることなく本発明のバンドパスフィルタを提供することができる。
【0060】
従って、好ましくは、バンドパスフィルタ1,2として、弾性表面波フィルタが用いられる。このような弾性表面波フィルタとしては、共振子型弾性表面波フィルタ、トランスバーサル型弾性表面波フィルタ、あるいは複数の一端子対弾性表面波共振子を梯子型もしくはラティス型回路を構成するように組み合わせてなる弾性表面波フィルタなどが挙げられる。
【0061】
また、近年、共振子型弾性表面波フィルタと一端子対弾性表面波共振子とを組み合わせることにより構成された弾性表面波フィルタが、携帯電話機用のバンドパスフィルタとして用いられているが、このような構成の弾性表面波フィルタを第1,第2のバンドパスフィルタ1,2として用いてもよい。
【0062】
弾性表面波フィルタにより第1,第2のバンドパスフィルタを構成した場合には、第1,第2のバンドパスフィルタを同じ圧電基板上に形成し、さらに導体ストリップ線路を形成することにより移相器を構成すれば、本発明のバンドパスフィルタのより一層の小型化を図ることができる。
【0063】
また、弾性表面波フィルタにより第1,第2のバンドパスフィルタ1,2を構成し、本発明のバンドパスフィルタを構成した場合には、第1,第2のバンドパスフィルタが形成されている同一圧電基板上に、対向電極を形成することによりコンデンサ素子を構成し、該コンデンサ素子を移相器を構成する部品の1つとすることにより、やはり、バンドパスフィルタの小型化が図られる。
【0064】
次に、具体的な実験例につき説明する。
以下の実験例においては、まず比較のために、図12に示した共振子型弾性表面波フィルタ500を比較例として用意した。すなわち、比較例の共振子型弾性表面波フィルタ500を、以下の要領で作製した。圧電基板501として、40±5°回転YカットX伝搬LiTaO3基板を用いた。また、圧電基板501上の電極パターンは210nmの厚みのAl薄膜により形成した。IDT514,516は、12対の対向電極指からなるIDTとし、電極指の線幅を0.68μm、電極指ピッチを1.08μmとした。但し、IDT514,516のIDTの515と隣接する一対ずつの電極指では、線幅が0.58μm、電極指ピッチは0.97μmとした。IDT515は、18.5対の対向電極指からなるIDTとし、電極指の線幅を0.68μm、電極指ピッチを1.08μmとした。但し、IDT515の両端の一対の電極指では、線幅を0.58μm、電極指ピッチを0.97μmとした。
【0065】
反射器513,517は、それぞれ、150本の電極指を両端で短絡してなるグレーティング型反射器であり、電極指の線幅は0.62μm、電極指ピッチは1.09μmとした。
【0066】
また、反射器513とIDT514の距離(電極指中心間距離)を1.09μm、IDT514,515間の距離(電極指中心間距離)は0.97μm、IDT515,516間の距離(電極指中心間距離)は0.97μm、IDT516と反射器517の間の距離(電極指中心間距離)は1.09μmとした。また、IDT514〜516の電極指交叉幅は200μmとした。
【0067】
このようにして構成された比較例の伝送特性及び入力端子側及び出力端子側のインピーダンス特性が、前述した図13〜図16に示されており、かつ後述する図6〜図9において破線で示されている。
【0068】
上記比較例に対し、以下の要領で図4及び図5に示す実施例のバンドパスフィルタを作製した。実施例のバンドパスフィルタ200において、第1,第2のバンドパスフィルタ1,2は、上述した比較例の共振子型弾性表面波フィルタ500と同様に設計した。また、40±5°回転YカットX伝搬LiTaO3により圧電基板50を構成し、比較例と同様に厚み210μmのAl薄膜により各電極を形成した。なお、バンドパスフィルタ1,2においては、IDTの電極指交叉幅は、100μmとした。これは、2個のバンドパスフィルタ1,2が並列接続されており、バンドパスフィルタ200全体としてのインピーダンスを50Ωとするために、各バンドパスフィルタ1,2のインピーダンスを共振子型弾性表面波フィルタ500の2倍のインピーダンスである100Ωとするためである。
【0069】
圧電基板50上には、上記バンドパスフィルタ1,2以外に、コンデンサ素子21〜24、電極パッド27〜35、接続導電部36〜45が形成されている。コンデンサ素子21〜24は、本実施例では、一対の櫛歯電極を互いの電極指が間挿し合うように配置することにより構成されている。すなわち、圧電基板50上に一対の対向電極を形成することにより、各コンデンサ素子21〜24を構成した。コンデンサ素子の各電極指の幅は1.11μm、スペース幅(対向幅)は1.11μm、交叉幅は20μmとし、かつ電極指の対数は、コンデンサ素子21〜24において、それぞれ92対、87対、87対、89.5対とした。
【0070】
図示しない誘電体基板上に、上記圧電基板50と、コイル素子25として作用する10nHのチップインダクタと、コイル素子26として作用する10nHのチップインダクタとを実装した。
【0071】
コイル素子25の片方の端子を接地し、他方の端子を圧電基板50上の電極パッド27と導通させ、コイル素子25をコンデンサ素子21,22に直列に接続した。コイル素子26として動作するチップインダクタの一方の端子は接地し、他方の端子を圧電基板50上の電極パッド28に導通させ、コイル素子26をコンデンサ素子23,24に直列に接続した。圧電基板50上の電極パッド29〜33をアース電位に接続し、電極パッド34を入力端子、電極パッド35を出力端子とした。上記のようにして、図4に示す回路構成を実現し、通過帯域が1805〜1885MHzであるバンドパスフィルタ200を構成した。
【0072】
上記実施例では、コンデンサ素子21〜24が、一対の櫛歯電極を対向させてなる対向電極により構成されているが、これらのコンデンサ素子の1805〜1885MHzにおける静電容量は、それぞれ、0.80pF、0.70pF、0.70pF及び0.78pFである。そして、1805〜1885MHzにおいて、コンデンサ素子21,22とコイル素子25とは、全体として特性インピーダンス100Ωの90°移相器4として機能し、コンデンサ素子23,34及びコイル素子26が、1805〜1885MHzにおいて特性インピーダンス100Ωの90°移相器5として機能する。
【0073】
上記のように、バンドパスフィルタ1,2は、電極指交叉幅が比較例の共振子型弾性表面波フィルタ500の電極指交叉幅200μmの半分である100μmとされている共振子型弾性表面波フィルタである。交叉幅を半分とすることにより、特性インピーダンスは100Ωとされている。バンドパスフィルタ1及びバンドパスフィルタ2は、特性インピーダンスが100Ωである点を除けば、伝送特性の周波数依存性や反射特性(特性インピーダンスで規格化された入出力インピーダンス特性)は、比較例のバンドパスフィルタ500とほぼ同じ特性となる。
【0074】
すなわち、バンドパスフィルタ1,バンドパスフィルタ2は、1805〜1885MHzを通過帯域とする特性インピーダンス100Ωの各バンドパスフィルタである。
【0075】
バンドパスフィルタ1と90°移相器4とがカスケード接続されてフィルタ回路7が構成されており、90°移相器5とバンドパスフィルタ2とがカスケード接続されてフィルタ回路8が構成されている。そしてフィルタ回路7とフィルタ回路8とが並列接続されて、上記バンドパスフィルタ200が構成されている。
【0076】
すなわち、本実施例のバンドパスフィルタ200は、上述した図2に示したバンドパスフィルタと同様の回路構成を有する。
なお、フィルタ回路7,8の特性インピーダンスは100Ωであるため、バンドパスフィルタ200の特性インピーダンスが50Ωとなる。
【0077】
図6及び図7は、上記実施例及び比較例のバンドパスフィルタ200及び共振子型弾性表面波フィルタ500の伝送特性を示す図であり、図7は図6の要部を拡大して示す図である。図6及び図7において、実線が実施例の結果を、破線が比較例の結果を示す。また、図8及び図9は、1805〜1885MHzにおける入力端子側インピーダンス特性及び出力端子側インピーダンス特性を示すスミスチャートであり、実線が実施例を、破線が比較例の結果を示す。
【0078】
図8及び図9から明らかなように、比較例の共振子型弾性表面波フィルタ500の場合に比べて、実施例のバンドパスフィルタ200では、通過帯域内の全周波数に渡り、入出力インピーダンスが整合点であるスミスチャートの中心に近づいており、従ってインピーダンス整合が良好であることがわかる。
【0079】
すなわち、バンドパスフィルタ200で用いられているバンドパスフィルタ1,2は、比較対象とされている共振子型弾性表面波フィルタ500のインピーダンスを倍にしただけであり、他の構成は異ならない。図8及び図9に示されているインピーダンス整合特性の改善は、第1,第2のバンドパスフィルタと移相器とを組み合わせてなる本発明の構成によりもたらされたものである。
【0080】
また、図6及び図7から明らかなように、バンドパスフィルタ200では、共振子型弾性表面波フィルタ500に比べて通過帯域内における信号伝送効率が良好となっていることがわかる。これは、入出力端子における帯域内信号反射が小さくなった分だけ、信号の損失が少なくなったためと考えられる。従って、本発明によれば、入出力端におけるインピーダンス整合を良好にし得るだけでなく、低損失化も果たし得ることがわかる。
【0081】
なお、上記実施形態及び実施例では、バンドパスフィルタ1,バンドパスフィルタ2が全く同じバンドパスフィルタにより構成されていたが、両者は完全に同一である必要は必ずしもない。バンドパスフィルタ1,2は、その帯域内特性がほぼ一致していればよく、その帯域外の特性については全く異なっていてもよい。また、通過帯域内の伝送特性についても、その違いがそれ程大きくなければ、本発明の効果を得られることができる。従って、バンドパスフィルタ1とバンドパスフィルタ2の帯域内伝送特性はほぼ一致しておればよい。
【0082】
なお、本願発明に類似した構成として、従来より、通過帯域の異なる複数のバンドパスフィルタを並列接続した構成が知られている。しかしながら、このような通過帯域が異なる複数のバンドパスフィルタを並列接続してなるバンドパスフィルタは、通過帯域を異ならせることにより広い通過帯域を実現しているのにすぎない。これに対して、本願発明に係るバンドパスフィルタは、広帯域化を図るために通過帯域の異なる複数のバンドパスフィルタを並列接続したものとは異なり、あえて同じ通過帯域のバンドパスフィルタを並列接続し、広帯域化ではなく、入出力端における反射の悪影響を防止するために、少なくとも一方のバンドパスフィルタに移相手段を接続したものである。従って、本願発明に係るバンドパスフィルタは、帯域の異なる2個のバンドパスフィルタを並列接続してなる従来のバンドパスフィルタとは、根本的に異なるものであることを指摘しておく。
【0083】
さらに付言すれば、本発明に係るバンドパスフィルタでは、第1,第2のバンドパスフィルタの上流または下流の回路部分で生じる位相シフト量においても、従来の帯域が異なるバンドパスフィルタを複数並列接続したものと区別され得るものである。
【0084】
また、好ましくは、上記バンドパスフィルタ200において、入力端子対9と第1のバンドパスフィルタ1までの線路の長さと、入力端子対9と第2のバンドパスフィルタ2までの線路の長さが等しくされ、同様に、第1のバンドパスフィルタ1と出力端子対10との間の線路の長さ及び第2のバンドパスフィルタ2と出力端子対10との間の線路の長さが等しくされる。このように、バンドパスフィルタ1,2から入力端子対9または出力端子対10までの線路の長さを等しくすることにより、移相器による反射波の打ち消し合いをより確実なものとすることができる。
【0085】
図10は、第2の実施形態に係るバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。ここでは、バンドパスフィルタ300は、第1のバンドパスフィルタ1と第2のバンドパスフィルタ2と、45°移相器3と、−45°移相器4と、−45°移相器5と、45°移相器6とを有する。バンドパスフィルタ1の特性インピーダンスは100Ω、バンドパスフィルタ2の特性インピーダンスは50Ωである。バンドパスフィルタ1,2は、特性インピーダンスが上記のように異なることを除いては、同様の特性、すなわち同様の信号伝送効率の周波数特性及び反射特性(特性インピーダンスで規格化された入出力インピーダンスの周波数特性)を有する。
【0086】
バンドパスフィルタ1,2を弾性表面波フィルタで構成する場合には、バンドパスフィルタ2のIDTの電極指交叉幅を、バンドパスフィルタ1の電極指交叉幅の2倍とすることにより、上記のような関係のバンドパスフィルタ1,2を容易に形成することができる。
【0087】
移相器3〜6は、図1に示したバンドパスフィルタの場合と同様に接続されている。
45°移相器3及び−45°移相器4の特性インピーダンスは100Ωであり、−45°移相器5のバンドパスフィルタ2と接続されいる特性インピーダンスは50Ωであり、他方の端子の特性インピーダンスは100Ωである。45°移相器6のバンドパスフィルタ2と接続されている側の端子の特性インピーダンスは50Ωであり、他方の端子の特性インピーダンスは100Ωである。
【0088】
バンドパスフィルタ300は、上記のように構成されているため、全体としてのインピーダンスは50Ωであり、本実施形態においても、入出力インピーダンスの帯域内整合特性が良好とされている。
【0089】
すなわち、バンドパスフィルタ300では、バンドパスフィルタ1,2の特性インピーダンスは異なっており、その帯域内特性が大きく異なるようにも見える。しかしながら、帯域内特性を特性インピーダンスで規格化した場合、伝送特性(信号伝送効率の周波数特性)と、反射特性(特性インピーダンスで規格化された入出力インピーダンスの周波数特性)は、通過帯域内でほぼ同じとされているため、−45°移相器5及び45°移相器6にインピーダンス変換特性(トランス特性)持たせて、バンドパスフィルタ300を構成することにより、本実施形態においてもフィルタ回路7及びフィルタ回路8において反射波同士が打ち消し合う。従って、第1の実施形態と同様に入出力インピーダンスの帯域内整合特性が高められたバンドパスフィルタを提供することができる。
【0090】
このように、バンドパスフィルタ1,2の特性インピーダンスを異ならせた場合であっても、特性インピーダンスで規格化された帯域内特性がほぼ同じである場合には、本発明のバンドパスフィルタ1,2に含まれるものである。
【0091】
また、上記実施形態に限定されず、2個のバンドパスフィルタの帯域内特性が一見大きく異なっているように見える場合であっても、移相器に補正機能を持たせることにより、実質的に2つのバンドパスフィルタの帯域内特性が同じであるかのように構成されれば、帯域内のほぼ全周波数において、フィルタ回路7とフィルタ回路8の反射波同士を打ち消し合うことができ、本発明の効果を得ることができる。
【0092】
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係るバンドパスフィルタ600を示す回路図である。バンドパスフィルタ600では、上述した第1の実施形態の2個のバンドパスフィルタが並列接続されている。すなわち、第1の実施形態と同様に構成されたバンドパスフィルタ100と、第1の実施形態とほぼ同様に構成されたバンドパスフィルタ100Aとが並列接続されている。もっとも、バンドパスフィルタ100の通過帯域と、バンドパスフィルタ100Aの通過帯域は異ならされている。すなわち、バンドパスフィルタ100Aに用いられているバンドパスフィルタ1A,2Aの通過帯域は、バンドパスフィルタ1,2の通過帯域と異ならされている。
【0093】
図11に示すバンドパスフィルタ600では、通過帯域が異なる、上記実施形態に従って構成されたバンドパスフィルタ100,100Aが並列接続されているため、バンドパスフィルタ100の通過帯域とバンドパスフィルタ100Aの通過帯域を利用することにより、広帯域化が図られている。しかも、各バンドパスフィルタ100,100Aでは、本発明に従って、入出力端のインピーダンスの通過帯域内整合特性が高められている。
【0094】
このように、本発明のバンドパスフィルタを複数並列接続し、各バンドパスフィルタの通過帯域を異ならせた場合、インピーダンスマッチングを適切に図ることにより、広帯域化も図ることができる。
【0095】
【発明の効果】
第1の発明に係るバンドパスフィルタでは、少なくとも使用通過帯域で周波数に対する特性が同一の第1,第2のフィルタが並列接続されており、第1のフィルタの入力側に第1の移相手段、出力側に第2の移相手段が、第2のフィルタの入力側に第3の移相手段、出力側に第4の移相手段が接続されており、第1〜第4の移相手段の位相をずらす量x、y、z及びwが、上述した式(1)〜(3)を満たすように構成されているので、第2のフィルタで発生する反射波が打ち消し合い、入出力端のいずれにおいても、反射波がほとんど生じない。従って、入力端及び出力端における帯域内信号反射を低減することができ、入力端側におけるインピーダンス整合が良好なバンドパスフィルタを提供することができる。また、帯域内信号反射を低減することができるので、帯域内信号の伝送効率も高めることができる。
【0096】
第2の発明に係るバンドパスフィルタでは、少なくとも使用通過帯域で周波数に対する特性が同一の第1,第2のフィルタが並列接続されており、第1のフィルタの出力側に位相を略(90+n×180)度ずらす移相手段が、第2のフィルタの入力側に位相を略(90+m×180)度ずらす移相手段がそれぞれ直列に接続されているので、第1の発明と同様に、入出力端における帯域内信号反射を低減することができ、入出力端におけるインピーダンス整合が良好なバンドパスフィルタを提供することができる。また、上記のように帯域内信号反射を低減することができるので、帯域内信号の伝送効率も高めることができる。
【0097】
第3の発明によれば、少なくとも使用周波数帯域で周波数に対する特性が同一である第1,第2のフィルタが並列接続されており、第1のフィルタの入力側に位相を略(90+n×180)度ずらす移相手段が、第2のフィルタの出力側に位相を略(90+m×180)度ずらす移相手段がそれぞれ直列に接続されているので、第1の発明と同様に、入力端及び出力端の双方において帯域内信号反射を低減することができ、入出力端におけるインピーダンス整合がより一層良好なバンドパスフィルタを提供することができる。第3の発明においても、帯域内信号反射の低減により、帯域内信号の伝送効率も高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るバンドパスフィルタの回路構成を示す図。
【図2】第1の実施形態のバンドパスフィルタの変形例を説明するための回路図。
【図3】第1の実施形態のさらに他の変形例を示す回路図。
【図4】実施例のバンドパスフィルタの回路構成を示す回路図。
【図5】図4に示した実施例の具体的な構造を説明するための模式的平面図。
【図6】実施例のバンドパスフィルタ及び比較例の共振子型弾性表面波フィルタの伝送効率−周波数特性を示す図。
【図7】図6に示した伝送効率−周波数特性を拡大して示す図。
【図8】実施例のバンドパスフィルタ及び比較例の共振子型弾性表面波フィルタの入力端子側の通過帯域内インピーダンス特性を示すスミスチャート図。
【図9】実施例のバンドパスフィルタ及び比較例の共振子型弾性表面波フィルタの出力端子側の通過帯域内インピーダンス特性を示すスミスチャート図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るバンドパスフィルタの回路図。
【図11】本発明のバンドパスフィルタのさらに別の変形例を説明するための回路図。
【図12】従来の共振子型弾性表面波フィルタの模式的平面図。
【図13】従来の共振子型弾性表面波フィルタの伝送効率−周波数特性を示す図。
【図14】図13に示した伝送効率−周波数特性を拡大して示す図。
【図15】従来の共振子型弾性表面波フィルタの入力端子側の通過帯域内インピーダンス特性を示す図。
【図16】従来の共振子型弾性表面波フィルタの出力端子側の通過帯域内インピーダンス特性を示す図。
【符号の説明】
1…第1のバンドパスフィルタ
1A,2A…第1,第2のバンドパスフィルタ
2…第2のバンドパスフィルタ
3〜6…移相手段としての移相器
3A〜6A…移相器
7,8…第1,第2のフィルタ回路
9…入力端子対
10…出力端子対
21〜24…コンデンサ素子
25,26…インダクタンス素子としてのコイル素子
27〜35…電極パッド
36〜45…接続導電部
50…圧電基板
100…バンドパスフィルタ
100A…バンドパスフィルタ
200…バンドパスフィルタ
300…バンドパスフィルタ
600…バンドパスフィルタ
700…バンドパスフィルタ
800…バンドパスフィルタ

Claims (9)

  1. 第1のフィルタと、
    少なくとも使用周波数帯域で周波数に対する特性が前記第1のフィルタと同一であり、かつ前記第1のフィルタに並列接続された第2のフィルタと、
    前記第1,第2のフィルタの入力側の並列接続点よりも後段において前記第1のフィルタの入力側にカスケード接続されており、かつ位相をx度ずらす第1の移相手段と、
    前記第1,第2のフィルタの出力側の並列接続点よりも前段において第1のフィルタの出力側にカスケード接続されており、かつ位相をy度ずらす第2の移相手段と、
    前記第1,第2のフィルタの入力側の並列接続点よりも後段において前記第2のフィルタの入力側にカスケード接続されており、かつ位相をz度ずらす第3の移相手段と、
    前記第1,第2のフィルタの出力側の並列接続点よりも前段において第2のフィルタの出力側にカスケード接続されており、かつ位相をw度ずらす第4の移相手段とを備えており、x、y、z、wには下記の式(1)〜(3)の関係が成立していることを特徴とするバンドパスフィルタ。
    (1)2x−2z=180+n×360(nは任意の整数)
    (2)2y−2w=180+m×360(mは任意の整数)
    (3)x+y=z+w+l×360(lは任意の整数)
  2. 第1のフィルタと、
    少なくとも使用周波数帯域で周波数に対する特性が前記第1のフィルタと同一であり、かつ前記第1のフィルタに並列接続されている第2のフィルタと、
    前記第1,第2のフィルタの出力側の並列接続点よりも前段において前記第1のフィルタの出力側にカスケード接続されており、かつ位相を略(90+n×180)度(ここでnは任意の整数)ずらす移相手段と、
    前記第1,第2のフィルタの入力側の並列接続点よりも後段において前記第2のフィルタの入力側にカスケード接続されており、かつ位相を略(90+m×180)度(ここでmは、nと奇偶の一致する任意の整数)ずらす移相手段とを備えることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  3. 第1のフィルタと、
    少なくとも使用周波数帯域で周波数に対する特性が前記第1のフィルタと同一であり、かつ前記第1のフィルタに並列接続された第2のフィルタと、
    前記第1,第2のフィルタの入力側の並列接続点よりも後段において前記第1のフィルタの入力側にカスケード接続されており、かつ位相を略(90+n×180)度(ここでnは任意の整数)ずらす移相手段と、
    前記第1,第2のフィルタの出力側の並列接続点よりも前段において前記第1のフィルタの出力側にカスケード接続されており、かつ位相を略(90+m×180)度(ここでmは、nと奇偶の一致する任意の整数)ずらす移相手段とを備えることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  4. 前記移相手段の少なくとも1つが遅延線であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  5. 前記移相手段の少なくとも1つがコンデンサ素子とインダクタンス素子から構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  6. 前記第1のフィルタ及び第2のフィルタが、弾性表面波フィルタ、誘電体フィルタ、圧電フィルタのいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回路装置。
  7. 前記第1のフィルタ及び第2のフィルタが圧電基板を有する弾性表面波フィルタであって、前記遅延線が前記圧電基板上に形成された導体ストリップ線路からなることを特徴とする請求項4に記載のバンドパスフィルタ。
  8. 前記第1のフィルタ及び第2のフィルタが圧電基板を有する弾性表面波フィルタであって、前記移相手段の少なくとも1つが、コンデンサ素子とインダクタンス素子から構成されていて、該コンデンサ素子は前記圧電基板上に形成された対向電極によって構成されていることを特徴とする請求項5に記載のバンドパスフィルタ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のバンドパスフィルタを搭載したことを特徴とする通信機器。
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