JP3931409B2 - シラシクロペンタジエン誘導体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シラシクロペンタジエン誘導体に関する。さらに詳しくは、シラシクロペンタジエン誘導体とその中間体およびそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
π電子系有機化合物を光機能材料もしくは電子機能材料に応用しようとする試みは、多種多彩で多くの研究機関で行われている。これらの中で代表的な化合物群の1つとして、基本構造にヘテロ5員環構造を持つ1群のπ電子系有機化合物、例えば、チオフェンあるいはピロ−ルなどが知られている。しかしながら、これらの大部分のヘテロ5員環は電子供与性であるため、その特徴から材料への応用に制限があった。このため、電子受容性の化合物が求められていた。
【0003】
最近、ヘテロ原子がケイ素で構成されたシラシクロペンタジエン環が電子受容性を示すことが報告され、種々の機能性材料への応用が予測されている。例えば、特開平6−100669号公報あるいは特開平6−166746号公報に導電性ポリマ−への応用を意図した報告が見られる。また、日本化学会第70春季年会講演予稿集II、700ペ−ジ、2D102、日本化学会第70春季年会講演予稿集II、701ペ−ジ、2D103、日本化学会第71秋季年会講演予稿集、32ペ−ジ、2P1α21および日本化学会第71秋季年会講演予稿集、32ペ−ジ、2P1α22には、シラシクロペンタジエン誘導体を有機EL素子に応用した例が報告されている。
【0004】
このような種々の機能性材料にシラシクロペンタジエン誘導体を応用する場合、目的に応じて様々な置換基をシラシクロペンタジエン環の任意の位置に導入することは、化合物の性質をコントロ−ルすることに繋がり、機能性材料の性能が向上するためにの非常に重要な技術の一つと考えられる。
【0005】
従来のシラシクロペンタジエン環の合成法は、ケミカルレビュウ、90巻、215〜263ペ−ジ、1990年(Chem.Rev.,90,215−263(1990).)に記載されているように特定のものに限定されており、種々の誘導体を自由に合成することはできなかった。また、特開平7−179477号公報および特開平7−300489号公報には、シラシクロペンタジエン環の2,5位に反応性の置換基を導入した例が示されているが、2,5位のみに限定されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機能性材料への応用に適した新規なシラシクロペンタジエン誘導体とその中間体およびそれらの製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、シラペンタジイン化合物すなわちジ置換エチニルシランのケイ素原子に特異な官能基を導入した新規な化合物を見出し、この化合物にアルカリ金属錯体を反応させることにより新規なシラシクロペンタジエン誘導体およびその中間体を得ることを見出し、更に検討を加えて本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、下記1)、2)、3)、4)、5)、6)、7)ないし8)の各構成を有する。
【0009】
1) 下記式(1)で表されるシラシクロペンタジエン誘導体、
【0010】
【化10】
Figure 0003931409
【0011】
[式中、XおよびYは、それぞれ独立にハロゲン原子、アミノ基、水酸基置換基を有するアミノ基、または−OX 、−OY で表される基を示し、ここでX およびY はそれぞれアルキル基もしくは置換アルキル基、シクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、アリール基もしくは置換アリール基、またはヘテロ環基もしくは置換ヘテロ環基を示し、
およびR はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアナト基、イソチオシアナト基もしくはシアノ基、または置換基を有するアミノ基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基を示し、
およびR はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アゾ基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、もしくはシアノ基、または置換基を有するアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基もしくはアルキニル基を示し、
およびR 相互に結合して環を形成してもよく、また
およびRがフェニル基の場合はおよびYフッ素原子、塩素原子水酸基、およびアルコキシ基であることはなく、
およびRアルキル基の場合XおよびY塩素原子および臭素原子であることはない。]
【0013】
さらに、好ましいシラシクロペンタジエン誘導体として、下記式(5)が示される。
【0014】
【化11】
Figure 0003931409
【0015】
[式中、R21〜R24は、それぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基を示し、R5およびR8がそれぞれ独立に水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリ−ルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファニル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアナト基、イソチオシアナト基もしくはシアノ基、または置換基を有するアミノ基もしくはシリル基を示し、またR9およびR10はそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリ−ル基もしくはヘテロ環基(ただし、R9およびR10は末端で結合して環を形成していてもよい)]。
好ましくは、式(5)において、R9およびR10がそれぞれフェニル基もしくは置換フェニル基である。
【0016】
2) 下記式(2)で表される1,1−ビス(ジアミノ)−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体、
【0017】
【化12】
Figure 0003931409
【0018】
[式中、R21〜R24は、それぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基を示し、Mはアルカリ金属を示し、R9およびR10はそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリ−ル基もしくはヘテロ環基(ただし、R9およびR10は末端で結合して環を形成していてもよい)]。
好ましくは、前記式(2)において、R9およびR10はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基またはアリ−ル基もしくは置換アリ−ル基である。
【0019】
3) 下記式(3)で表される3,3−ジアミノ−3−シラ−1、4−ペンタジイン誘導体[すなわち、ビス(ジアミノ)−ジエチニルシラン誘導体]
【0020】
【化13】
Figure 0003931409
【0021】
前記式(3)において、R9およびR10はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基またはアリ−ル基もしくは置換アリ−ル基である。
【0022】
4) 下記式(3)で表される3,3−ジアミノ−3−シラ−1,4−ペンタジイン誘導体にアルカリ金属錯体を反応させることを特徴とする下記式(2)で表される1,1−ビス(ジアミノ)−3,4−ジ置換−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体の製造法、
【0023】
【化14】
Figure 0003931409
【0024】
[式中、R21〜R24、M、R9およびR10は、前記式(2)と同じ]。
好ましくは、前記式(3)および(2)において、R9およびR10はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基またはアリ−ル基もしくは置換アリ−ル基である。
【0025】
5) 下記式(2)で表される1,1−ビス(ジアミノ)−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体に、求電子試薬、金属ハライド、金属ハライドの錯体、ホウ酸エステルおよび有機スズ化合物からなる群から選ばれた一種を反応させ、該誘導体の2および5位に活性基Raを導入し、さらに加水分解、加アルコール分解、還元、酸化もしくはカップリング反応を行うことにより、式(5)で示されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体を得ることを特徴とするシラシクロペンタジエン誘導体の製造法、
【0026】
【化15】
Figure 0003931409
【0027】
[式中、RaはBr、Cl、I、Si(CH、Si(C、Sn(CH、Sn(C 、ZnX、MgX、B(OR)(ここでXはハロゲン、Rは炭素数1〜4のアルキル基である)を表す。また、R21〜R24は、それぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基を示し、Mはアルカリ金属を示し、RおよびRがそれぞれ独立に水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアナト基、イソチオシアナト基もしくはシアノ基、または置換基を有するアミノ基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基を示し、またRおよびR10はそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基(ただし、RおよびR10は末端で結合して環を形成していてもよい)。]
および、下記式(2)で表される1,1−ビス(ジアミノ)−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体に、硫酸エステル類を反応させることにより式(5)で示されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体を得ることを特徴とする、シラシクロペンタジエン誘導体の製造法。
Figure 0003931409
[式中、R 21 〜R 24 は、それぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基を示し、Mはアルカリ金属を示し、R およびR がそれぞれ独立にアルキル基を示し、またR およびR 10 はそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基(ただし、R およびR 10 は末端で結合して環を形成していてもよい)。]
【0028】
6) 下記式(5)で表されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体に塩化水素を反応させ下記式(6)で表されるジクロロシラシクロペンタジエン誘導体を製造することを特徴とするシラシクロペンタジエン誘導体の製造法、
【0029】
【化16】
Figure 0003931409
[式中、R21〜R24、R5、R8、R9およびR10は、前記式(5)と同じ]。
【0030】
7) 前記式(5)で表されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体に、下記 OHで表される化合物を反応させ、下記式(7)で表されるジアルコキシシラシクロペンタジエン誘導体を製造することを特徴とするシラシクロペンタジエン誘導体の製造法、
【0031】
【化17】
Figure 0003931409
【0032】
[式中、R21〜R24、R5、R8、R9およびR10は、前記式(5)と同じ、R、X6およびY6はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基、アリ−ル基もしくは置換アリ−ル基、またはヘテロ環基もしくは置換ヘテロ環基を示す]。
【0033】
8)前記式(6)で表されるジクロロシラシクロペンタジエン誘導体にジアルキルアミンを反応させることを特徴とする下記式(8)で表される1−クロロ−1−ジアルキルアミノ−シラシクロペンタジエン誘導体を製造することを特徴とするシラシクロペンタジエン誘導体の製造法、
【0034】
【化18】
Figure 0003931409
[式中、R21〜R24、R5、R8、R9およびR10は、前記式(5)と同じ、また、Z1およびZ2はそれぞれ独立に炭素数1〜50のアルキル基を示す]。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明のシラシクロペンタジエン誘導体は、式(1)で示される化合物である。さらに具体的な式は、前述の式(5)、(6)、(7)、(8)である。
これらの式で表されるX1、Y1、およびR1〜R4は、前述のように種々の基が示される。
【0036】
1およびY1は、それぞれ独立にハロゲン原子、アミノ基、水酸基、置換基を有するアミノ基、または式(7)の−OX 、−OY で表される基を示す。ハロゲン原子としては塩素原子、フッ素原子、臭素原子などが示される。
【0037】
−OX 、−OY で表される基のおよびYはそれぞれ、アルキル基もしくは置換アルキル基、シクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、アリール基もしくは置換アリール基、またはヘテロ環基もしくは置換ヘテロ環基を示す。−OX 、−OY で表される基は具体的にはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、セカンダリーブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、デシルオキシ基など炭素数1〜50(好ましくは1〜10)を有するアルコキシ基;フェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフトキシ基、アントラセニルオキシ基、ターフェニルオキシ基、クオータフェニルオキシ基、フェナンスレニルオキシ基、ピレニルオキシ基などのアリールオキシ基;3−メチルフェニルオキシ基、4−ターシャリブチルフェニルオキシ基、フェニルアントラセニルオキシ基などの置換アリールオキシ基;フリールオキシ基、ピリジルオキシ基、チエニルオキシ基、ピリミジルオキシ基、ピリダニルオキシ基、トリアゾリルオキシ基、インドリルオキシ基、カルバゾリルオキシ基、フェノキサジルオキシ基、フェノチアジルオキシ基、アクリジニルオキシ基、チアジアゾリルオキシ基、チアゾリルオキシ基、オキサジアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、キノリルオキシ基、キノキサリルオキシ基、シラシクロペンタジエニルオキシ基、ピロリルオキシ基などのヘテロ環オキシ基;ベンゾチアゾリルオキシ基、ベンゾオキサゾリルオキシ基などの置換ヘテロ環オキシ基などをあげることができる。
【0038】
置換基を有するアミノ基としては、式(5)および(8)のR21〜R24、Z、Zで示される置換基を有するアミノ基が示される。その置換基は炭素数1〜50を有するアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環、置換ヘテロ環である。具体的アミノ基としてはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジノルマルプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなど炭素数1〜20を有するジアルキルアミノ基;ジビニルアミノ、ジアリルアミノ、ジブテニルアミノ、のようなジアルケニルアミノ基;ジエチニルアミノ、ジプロパギルアミノ、ビス(フェニルエチニル)アミノのようなジアルキニルアミノ基;ジトルイルアミノ、ジナフチルアミノ、ジビフェニルアミノ、ジフェナンセレニルアミノ、ジフェニルアミノ、フェニルナフチルアミノ、ジアンスラセニルアミノ、ジスチリルアミノなどのジアリールアミノ基;ジピリジルアミノ、ジヒドロフリルアミノ、ジヒドロピレニルアミノ、ジオキサニルアミノ、ジチエニルアミノ、ジフリルアミノ、ジオキサゾリルアミノ、ジオキサジアゾリルアミノ、ジチアゾリルアミノ、ジチアジアゾリルアミノ、ジキノリルアミノ、ジキノキサロイルアミノ、ジベンゾチエニルアミノ、ジベンゾチアゾリルアミノ、ジインドリルアミノ、ジシラシクロペンタジエニルアミノなどのジ置換アミノ基などがあげられる。
さらに、これらの置換基がお互いに任意の場所で結合して環を形成していてもよい。
【0039】
1〜R4としてはつぎのような基を示すことができる。
水素;フッ素あるいは塩素などのハロゲン原子;メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、タ−シャリ−ブチルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、へキシルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、イソペンチルオキシ、タ−シャリ−ブトキシなどのアルコキシ基;ビニルオキシ、アリルオキシ、ブテニルオキシなどのアルケニルオキシ基;エチニルオキシ、プロペニルオキシなどのアルキニルオキシ基;フェノキシ、ナフトキシ、ビフェニルオキシ、フェニルアセチルオキシ、ピレニルオキシ、フェナンスレニルオキシ、ターフェニルオキシなどのアリ−ルオキシ基;アセチルなどのアルキルカルボニル基;ベンゾイルなどのアリ−ルカルボニル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニルなどのアリ−ルオキシカルボニル基;アセトキシなどのアルキルカルボニルオキシ基;ベンゾイルオキシのようなアリ−ルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシなどのアルコキシカルボニルオキシ基;フェノキシカルボニルオキシなどのアリ−ルオキシカルボニルオキシ基;メチルスルフィニル、フェニルスルフィニルなどのスルフィニル基;メチルスルホニルなどのスルホニル基;メチルスルファニルなどのスルファニル基;シリル基;カルバモイル基;フェニル、ビフェニル、タ−フェニル、ナフチル、アントラセニル、ピレニル、トルイル、フェナンスレニルなどのアリ−ル基;チエニル、フリル、シラシクロペンタジエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、アクリジニル、キノリル、キノキサロイル、フェナンスロリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、カルバゾリル、ピリジル、ピロリル、ベンゾオキサゾリル、ピリミジル、イミダゾリルなどのヘテロ環基;ビニル、アリル、ブテニルなどのアルケニル基;エチニル、プロパギルなどのアルキニル基;ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアナト基、、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基あるいはシアノ基など、
【0040】
また、トリフルオロメチル、フェニルエチルなどの置換基を有するアルキル基;トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシのようなパ−フルオロエトキシ基、ベンジルオキシなどの置換基を有するアルコキシ基;3−メチルフェニルオキシなどの置換アリ−ルオキシ基;ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノなどの置換基を有するアミノ基;フェニルアセチルなどの置換基を有するアルキルカルボニル基;トリフルオロメトキシカルボニルなどの置換基を有するアルコキシカルボニル基;4−フルオロフェニルオキシカルボニルなどの置換基を有するアリ−ルオキシカルボニル基;フェニルアセチルオキシなどの置換基を有するアルキルカルボニルオキシ基;2−メチルフェニルカルボニルオキシなどの置換基を有するアリ−ルカルボニルオキシ基;メトキシエトキシカルボニルオキシなどの置換基を有するアルコキシカルボニルオキシ基;フェニルオキサジアゾリルフェニルオキシカルボニルオキシなどの置換基を有するアリ−ルオキシカルボニルオキシ基;トリメチルシリル、ジメチルタ−シャリ−ブチルシリル、トリメトキシシリル、トリフェニルシリルなどの置換基を有するシリル基;ジメチルカルバモイル、ジフェニルカルバモイルなどの置換基を有するカルバモイル基;スチリル、アニシル、フルオロフェニル、ジフェニルアミノフェニル、ジメチルアミノフェニル、ジエチルアミノフェニル、ピリジルフェニルなどの置換基を有するアリ−ル基;フェニルピリジル、ビチエニル、フェニルオキサジアゾリルなどの置換基を有するヘテロ環基;フェニルエチニルオキシ、トリメチルシリルエチニルオキシなどの置換基を有するアルキニルオキシ基;スチリルなどの置換基を有するアルケニル基;フェニルエチニル、トリメチルシリルエチニルなどの置換基を有するアルキニル基などがあげられる。
【0041】
本発明のシラシクロペンタジエン誘導体の製造における出発物質または中間体として、前述の式(2)で表される1,1−ビス(ジ置換アミノ)−2,5−ジメタルシロ−ル、式(3)で表される3,3−ジアミノ−3−シラ−1,4−ペンタジイン[すなわちビス(ジ置換アミノ)−ビス(置換エチニル)シラン]が示される。
これらの式(2)、(3)におけるM、R9、R10、R21〜R24で示される基は、具体的にはつぎのようなものがあげられる。
9、R10は前述のR1〜R4で示される基の中のアルキル基、アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、アミノ基、アゾ基、シリル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基もしくはシアノ基、または置換基を有するアルキル基、アルコキシ基、アリ−ルオキシ基、アミノ基、シリル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、アルケニル基もしくはアルキニル基、あるいは水素、ハロゲン原子であり、好ましくはそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリ−ル基もしくはヘテロ環基さらに好ましくはアルキル基もしくは置換アルキル基またはアリ−ル基もしくは置換アリ−ル基である。またMはリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属を示す。
【0042】
本発明のシラシクロペンタジエン誘導体は、つぎのような方法で製造することができる。
(a)アセチレンの誘導体にブチルリチウムなどのアルキル金属を反応させて得られた混合物にジハロゲノジ置換シランを反応させて本発明のシラシクロペンタジエン誘導体の中間体である式(3)で表される3,3−ビスジ置換アミノ−3−シラ−1,4−ペンタジイン誘導体[ジアミノ−ジエチニルシラン誘導体]を製造する。
【0043】
(b)この3,3−ジ置換アミノ−3−シラ−1,4−ペンタジイン誘導体にアルカリ金属錯体を反応させ、いわゆる環化反応(前記式A)により式(2)で示される1,1−ビス(ジ置換アミノ)−3,4−ジ置換−2,5−メタルシロ−ルを製造する。
【0044】
(c)この1,1−ビス(ジ置換アミノ)−3,4−ジ置換−2,5−メタルシロ−ルに求電子試薬(後述)もしくは塩化亜鉛、マグネシウムハライドなどの金属ハライドまたはそれらの錯体、あるいはトリイソプロピルボレ−トなどのホウ酸エステルまたは有機スズ化合物などの試薬を反応(後述)させて、2および5位に活性基を導入し、さらにこの活性基を加水分解、加アルコール分解、還元、カップリングなどの反応により所望の基に変換し、式(5)で示される本発明のシラシクロペンタジエン誘導体[ビス(ジ置換アミノ)シラシクロペンタジエン誘導体]を得ることができる。
【0045】
上記の反応例を模式的につぎに示す。
【化19】
Figure 0003931409
(ここで、
【化20】
Figure 0003931409
また、Raは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロ環基、Rbは水素またはアルキル基、Rcはアルキル基を示す。)
【0046】
(d)更にこれらの反応をさらに詳しく説明する。
(d1)式(2)で示される1,1−ビス(ジ置換アミノ)−2,5−ジメタルシロール(以下、2,5ジメタル体という)にトリメチルシリルクロライド、トリエチルシリルクロライドなどの置換シリルを反応させて、2、5位のメタルを置換シリル基に変換できる。
(d2)この置換シリル基を硝酸アセチルによるニトロ化によりニトロ基に変換できる{丸善株式会社発行第4版実験化学講座(以下、実験化学講座という)第20巻、第397頁参照)}。
(d3)このニトロ基を還元することによりアミノ基に変換することができる。
(d4)アミノ基は酸化によりニトロソ基に変換できる。(実験化学講座第20巻、第406頁参照)。
(d5)2,5ジメタル体に対する求電子試薬として臭素を用いた場合、1,1−ビス(ジ置換アミノ)−2,5−ジブロモシロール(以下、2,5ジブロモ体)が得られる。
【0047】
(d6) その後、この2,5ジブロモ体にアルコキシドまたはアリールオキシドと作用させることにより2,5位の臭素をアルコキシ基およびアリールオキシ基に変換できる(実験化学講座第20巻、第187−197頁参照)。
(d7) 前記2,5ジブロモ体は、無機シアン化物との置換反応によりブロモ基をシアノ基に変換できる(実験化学講座20巻、第441−442頁参照)。
(d8) このシアノ基に加水分解、加アルコール分解、還元などを施すことによりアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホルミル基に変換できる。
(d9) 前記2,5ジブロモ体にリンやヒ素のカチオン種を含む銀(I)シアン錯体を反応させて2,5位の臭素をイソニトリル基に換えることができる(実験化学講座第20巻、第465−466頁参照)。
(d10) 前記2,5ジブロモ体にNH、PhNHを反応させて2,5位の臭素をアミノ基もしくは置換アミノ基に変換したアミノ化合物ができる(実験化学講座20巻第284−288頁参照)。
【0048】
(d11) このアミノ化合物とニトロソ化合物との反応によりアゾ化合物ができる。
(d12) このアミノ化合物にホスゲンまたは二硫化炭素を作用させることによりイソシアネート化合物およびイソチオシアネート化合物に変換できる(実験化学講第20巻、第474−476頁参照)。
(d13) 式(2)で示される2,5ジメタル体を水で処理することによって、2,5位を水素に変換することができる。
(d14) 式(2)で示される2,5ジメタル体に、二酸化硫黄を作用させることにより2,5位のメタルをスルフィニル基に変換できる(実験化学講座第24巻、第390頁参照)。
(d15) 続いて塩化スルフリルを作用させることにより2,5位をスルフスルホニル基に変換できる(同第24巻第400頁参照)。
(d16) また、2,5ジメタル体に、硫黄または置換ジスルフィドを作用させることにより2,5位をチオールもしくはスルフィドにすることができる(同第25巻第42頁参照)。
【0049】
(d17) 2,5ジメタル体に、ジアルキル硫酸を反応させて2、5位をアルキル基に変換する。
(d18) 2,5ジメタル体に、塩化亜鉛あるいは塩化亜鉛の錯体、ボレート、マグネシウムハライドあるいは有機スズ化合物などの試薬を反応(トランスメタレーションなど)させて2、5位を活性基に替え
(d19) 種々のハロゲン化物とのカップリング反応(後述)などにより、2、5位をアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくはヘテロ環基にすることができる。
(d20)アルキルスタナンは塩化ニトロシルと反応してニトロソ化合物となる(実験化学講座第20巻、第408頁参照)。
これら以外にも一般的に知られている官能基変換法により、本発明の化合物に誘導できる。
【0050】
前記(b)すなわち式(A)による製造法の場合、シラシクロペンタジエン環の3、4位の基となるR9、R10にアルキル基、シリル基、アリ−ル基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリ−ル基もしくはヘテロ環基以外の基、たとえばエステル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、カルボニル基、ホルミル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトロソ基とする場合は、式Aによる環化反応を阻害するので、例えば、R9、R10をエーテル、チオエーテル、ジ置換アミノ基、シアノ基などとして式Aに準ずる環化反応後、新実験化学講座(丸善株式会社発行)あるいは第4版実験化学講座(丸善株式会社発行)などに記載の官能基変換法によって所望の基にすることができる。
【0051】
(e)前記(d)で得られた式(5)で表されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体のジ置換アミノ基は、例えばつぎのような方法で本発明の所望基に代え、本発明のシラシクロペンタジエン誘導体を得ることができる。
(e−1) 下記の式(C)により、式(5)で表されるビス(ジ置換アミノ)シラシクロペンタジエン誘導体に塩化水素を反応させ、下記式(6)で表されるジクロロシラシクロペンタジエン誘導体を製造する。
【0052】
【化21】
Figure 0003931409
【0053】
(e−2) 下記式(D)により、式(5)で表されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体に、R0OHで表される化合物を反応させ、式(7)で表されるジアルコキシシラシクロペンタジエン誘導体を製造する。
【0054】
【化22】
Figure 0003931409
【0055】
(e−3) 下記式(E)により、前記(e−1)で得られた式(6)で表されるジクロロシラシクロペンタジエン誘導体にジアルキルアミンを反応させ式(8)で表される1−クロロ−1−ジアルキルアミノシラシクロペンタジエン誘導体を製造する。
【0056】
【化23】
Figure 0003931409
【0057】
式(3)で表される3,3−ジアミノ−3−シラ−1,4−ペンタジイン誘導体の末端基(R9、R10、21〜R24)はアルカリ金属錯体とアセチレンとの反応を阻害しにくいものがよく、特にアルカリ金属錯体に対して不活性なものが好ましく、R21〜R24はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基、R9およびR10はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基またはアリ−ル基もしくは置換アリ−ル基が好ましい。
【0058】
本発明の製造法における求電子試薬としては、トリメチルシリルクロライド、トリエチルシリルクロライドなどの置換シリルクロライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などの硫酸エステル類、臭素、ヨウ素などのハロゲン類、酸クロライドをあげることができる。
【0059】
また、求電子試薬に代えて、塩化亜鉛、マグネシウムハライドなどの金属ハライドもしくはそれらの錯体、あるいはトリイソプロピルボレ−トなどのホウ酸エステル、または有機スズ化合物などの試薬を用いる。これらの試薬類は、十分に乾燥していることが好ましく、水分が多いと目的物が得られ難くなる。
これらの試薬を式(3)で表されるビス(ジアミノ)−3,4−ジ置換2,5−ジメタルシロ−ルと反応させトランスメタレーションさせ、続いてカップリング反応を行うことによっても本発明のシラシクロペンタジエン誘導体を製造する。カップリング反応は、触媒を用いることによって収率もしくは反応速度が向上する。ここで用いられる触媒としては、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウムあるいはジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウムなどのパラジウム触媒あるいはニッケル触媒などがあげられる。
これらの一連の反応には、特に反応時間に制限はなく、反応が十分に進行している時点で反応を止めればよい。NMRあるいはクロマトグラフィ−などの一般的な分析手段により反応を追跡し、最適の時点で反応の終点を決定することができる。
【0060】
本発明の製造法におけるアルカリ金属錯体としては、例えば、リチウムナフタレニド、ナトリウムナフタレニド、カリウムナフタレニド、リチウム4,4′−ジタ−シャリ−ブチル−2,2′−ビフェニリドあるいはリチウム(N、N−ジメチルアミノ)ナフタレニドなどがあげられる。
【0061】
本発明の製造法における反応に用いる溶媒としては、アルカリ金属あるいはアルカリ金属錯体に不活性なものなら特に制限はなく、通常、エ−テルあるいはテトラヒドロフランのようなエ−テル系の溶媒を用いる。
【0062】
上記(b)における式(A)で示されるシラシクロペンタジエン環の形成反応は、不活性気流中で行うことが好ましく、アルゴンガスが使われる。反応温度は低温が好ましく、0℃あるいは室温では反応が円滑に進みにくい。−40℃以下が好ましく、−78℃以下が特に好ましい。特開平7−179477号公報には、ケイ素上の置換基が異なるシラシクロペンタジエン誘導体の合成反応の反応温度として、−76℃〜室温より好ましくは−40℃〜0℃と記載されているが、本発明の場合は、この温度よりも低い温度でないと副反応が起こる場合がある。
【0063】
【実施例】
以下に実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0064】
(実施例1)
ビス(ジエチルアミノ)−ビス(フェニルエチニル)シランの合成:
窒素気流下、0℃において33mlのエチニルベンゼンと300mlのテトロヒドロフラン(以下THFと略記する)からなる溶液に1.6Nノルマルブチルリチウム205mlを滴下し、1.5時間撹拌した。得られた溶液にジクロロビス(ジエチルアミノ)シラン36.5gおよびシアン化銅672mgを添加し、室温にて20分間撹拌して反応を行った。反応液に析出した固体を濾過により除去し濾液を濃縮した。この濃縮物に水を加え、エ−テルにて生成物を抽出した。このエ−テル抽出層を、さらに水で洗浄後、硫酸マグネシウムにて乾燥した。この液のエ−テル分を溜去して後、蒸留にて精製し、52gのビス(ジエチルアミノ)−ビス(フェニルエチニル)シランを得た。収率は93%であった。
得られた化合物の沸点は230〜260℃(減圧度0.5Torr)であり、NMRによる測定結果を下記に示す。
1HNMR(C66)δ=1.26(t,J=6.9Hz,12H), 3.30(q,J=6.9Hz,8H), 6.88−7.03(m,6H), 7.42−7.55(m,4H).
【0065】
(実施例2)
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの合成:
280mgのリチウム、5.13gのナフタレンおよび80mlのTHFを反応フラスコに加え、アルゴン雰囲気下、室温で3時間撹拌した。これに3.75gのビスジエチルアミノビスフェニルエチニルシランと10mlのTHFからなる溶液を、−78℃で加え、1時間撹拌して、1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジリチオシロ−ルを合成した。
続いて上記で得られた反応液にトリメチルクロロシラン5.6mlを加え10分間撹拌して反応を行った。室温まで戻した後に得られた反応液の溶媒を減圧留去し、さらに、減圧下70℃でナフタレンを除去し生成物を得た。この生成物をヘキサンで再結晶して、1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの4.32gを得た。収率は83%であった。
得られた化合物の融点は92〜94℃であった、NMRによる測定結果、元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(CDCl3)δ=0.18(s,18H), 1.07(t,J=7.0Hz,12H), 2.99(q,J=7.0Hz,8H), 6.72−6.82(m,4H), 6.92−7.06(m,6H).
分子式 C30H48N2Si3、理論値 C,69.16; H,9.29; N,5.38
実験値 C,69.09; H,9.33; N,5.41
【0066】
(実施例3)
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルの合成:
280mgのリチウム、5.13gのナフタレンと80mlのTHFを反応フラスコに加え、アルゴン雰囲気下、室温で3,時間撹拌した。これに、3.75gのビスジエチルアミノビスフェニルエチニルシランと10mlのTHFからなる溶液を、−78℃で加え、1時間撹拌して、1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジリチオシロ−ルを合成した。
続いて上記で得られた反応液に、ジメチルスルフェイト4.16mlを加え、さらに10分間撹拌し反応した。室温まで戻した後、得られた反応液の溶媒を減圧留去し、さらに、減圧下70℃でナフタレンを除去し生成物を得た。この生成物を蒸留により精製し1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルの2.83gを得た。収率は70%であった。
得られた化合物の融点は42〜43℃であり、NMRによる測定結果、元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(C66)δ=1.15(t,J=7.0Hz,12H), 2.00(s,6H), 3.11(q,J=7.0Hz,8H), 6.90−7.12(m,10H).
分子式 C26H36N2Si、理論値 C,77.17; H,8.97; N,6.92
実験値 C,77.09; H,8.87; N,6.74
【0067】
(実施例4)
1,1−ジクロロ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの合成:
2.22gの1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルと50mlのエ−テルからなる溶液に−78℃で1時間乾燥塩化水素ガスを吹き込んだ。反応液のエ−テルを留去後、乾燥ヘキサンを加え、ろ過により不溶物を除去して後、ヘキサンを溜去して生成物を得た。この生成物を蒸留により精製し、1.55gの1,1−ジクロロ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルを得た。収率は81%であった。
得られた化合物の融点は79〜81℃であり、NMRによる測定結果、元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(C66)δ=0.17(s,18H), 6.72−6.91(m,10H).
分子式 C22H28Si3Cl2、理論値 C,59.03,; H,6.30
実験値 C,59.43,; H,6.43,
【0068】
(実施例5)
1,1−ジクロロ−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルの合成:
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルを実施例3,で得られた化合物である1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルに代えた以外は、実施例4と同様の操作を行い1,1−ジクロロ−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルを得た。収率は80%であった。
得られた化合物の融点は94〜96℃であり、NMRによる測定結果、元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(C66)δ=1.87(s,6H), 6.66−6.78(m,4H), 6.82−6.98(m,6H).
分子式 C18H16SiCl2、理論値 C,65.25; H,4.87
実験値 C,65.45; H,4.85
【0069】
(実施例6)
1,1−ジフルオロ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの合成:
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ル3.12gの60mlエ−テル溶液に−78℃で乾燥塩化水素ガスを1時間吹き込み反応を行った。得られた反応液のエ−テルを留去後、乾燥ヘキサンを加え、ろ過により不溶物を除き濾液のヘキサンを溜去して1,1−ジクロロ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルを合成した。
続いて上記で得られた反応液に20mlのエ−テルを加え、さらに−78℃でピリジニウムポリハイドロジェンフルオライドの1mlを加えた。30分間撹拌して反応を行った。反応液を室温に戻してエ−テルを溜去後、乾燥ヘキサンで生成物を抽出し、抽出液のヘキサンを溜去の後、蒸留精製により、1,1−ジフルオロ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの1.70gを得た。収率は69%であった。
得られた化合物の融点は93〜95℃であり、NMRによる測定結果、および元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(C66)δ=0.09(s,18H), 6.72−6.92(m,10H).
分子式 C22H28F2Si3、理論値 C,63.72; H,6.81
実験値 C,63.53; H,6.96
【0070】
(実施例7)
1,1−ジフルオロ−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチシロ−ルの合成:
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルを実施例3で得られた化合物である1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルに代えた以外は、実施例4と同様の操作を行い、1,1−ジクロロ−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルの粗製物を得た。
この粗製物に25mlのエ−テルを加え、さらに、室温で亜鉛フルオライド3.70gを加えて2時間撹拌して反応を行った。得られた反応液をろ過により不溶物を取り除いて、ろ液のエ−テルを溜去し、乾燥ヘキサンを加え不溶物を再度取り除きヘキサンを溜去して生成物を得た。この生成物を蒸留精製することにより2.49gの1,1−ジフルオロ−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチシロ−ルを得た。収率は70%であった。
得られた化合物のNMRによる測定結果を以下に示す。
1HNMR(CDCl3)δ=1.77(s,6H), 6.75−6.85(m,4H), 7.02−7.18(m,6H)
【0071】
(実施例8)
1,1−ジヒドロキシ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの合成:
1,1−ジクロロ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ル100mgにTHFと水(4:1)の混合溶液2.5mlを加え、1時間室温で撹拌した。得られた液にエ−テルを加えて生成物を抽出した。抽出液を水洗して硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過により硫酸ナトリウムを除いて後、ろ液を濃縮し1,1−ジヒドロキシ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの92mgを得た。収率は100%であった。
得られた化合物の融点は205〜206℃であり、NMRによる測定結果および元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(CDCl3)δ=−0.12(s,18H), 2.52(s,2H), 6.75−6.86(m,4H), 6.98−7.07(m,6H).
分子式 C22H30O2Si3、理論値 C,64.33; H,7.36
実験値 C,64.20; H,7.34
【0072】
(実施例9)
1−フルオロ−1−ヒドロキシ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの合成:
1,1−ジクロロ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルを実施例6で得られた化合物である1,1−ジフルオロ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルに代えた以外は、実施例8と同様の操作を行い1−フルオロ−1−ヒドロキシ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの91mgを得た。収率は91%であった。
得られた化合物の融点は101〜103℃であり、NMRによる測定結果および元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(CDCl3)δ=−0.10(s,18H), 2.92(s,1H), 6.77−6.88(m,4H), 6.98−7.09(m,6H).
分子式 C22H29OFSi3、理論値 C,64.02; H,7.08
実験値 C,63.65; H,7.29
【0073】
(実施例10)
1,1−ジエトキシ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの合成:
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ル261mgと塩化アルミニウム17mgの4mlエタノ−ル溶液を室温で20時間撹拌した。エタノ−ルを留去後、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて精製し、1,1−ジエトキシ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの201mgを得た。収率は86%であった。
得られた化合物の融点は39〜40℃であり、NMRによる測定結果および元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(CDCl3)δ=−0.13(s,18H), 1.31(t,J=7.0Hz,6H), 3.88(q,J=7.0Hz,4H), 6.76−6.84(m,4H), 6.96−7.08(m,6H).
分子式 C26H38O2Si3、理論値 C,66.89; H,8.20
実験値 C,66.85; H,8.29
【0074】
(実施例11)
1,1−ジイソプロポキシ−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルの合成:
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルを実施例3で得られた化合物である1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルに代え、エタノ−ルを2−プロパノ−ルに代えた以外は、実施例10と同様の操作を行い、1,1−ジイソプロポキシ−3,4−ジフェニル−2,5−ジメチルシロ−ルを得た。収率は64%であった。
得られた化合物の融点は49〜50℃であり、NMRによる測定結果および元素分析の結果を以下に示す。
1HNMR(CDCl3)δ=1.28(d,J=6.2Hz,12H), 1.76(s,6H), 4.25(sep,J=6.2Hz,2H), 6.75−6.86(m,4H), 6.99−7.16(m,6H).
分子式 C24H30O2Si、 理論値 C,76.14; H,7.99
実験値 C,75.84; H,7.95
【0075】
(実施例12)
1−クロロ−1−ジエチルアミノ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルの合成:
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ル4.17gの100mlエ−テル溶液に−78℃で1時間乾燥塩化水素ガスを吹き込んだ。エ−テルを留去後、ジクロロメタンを加え、続いてトリエチルアミン1.3mlとジエチルアミン1mlを順に加えた。室温で20時間撹拌後、溶媒を留去し、乾燥ヘキサンを加え、ろ過により不溶物を除去し、ろ液のヘキサンを溜去し生成物を得た。この生成物を蒸留により精製し、3.0gの1−クロロ−1−ジエチルアミノ−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(トリメチルシリル)シロ−ルを得た。収率は78%であった。
得られた化合物の融点は107〜108℃であり、NMRによる測定結果および元素分析の結果をを以下に示す。
1HNMR(C66)δ=0.16(s,18H), 1.15(t,J=7.0Hz,6H), 3.12(q,J=7.0Hz,4H), 6.78−6.97(m,10H).
分子式 C26H38NClSi3、理論値 C,64.48; H,7.91
実験値 C,64.42; H,8.08; N,2.76
【0076】
(実施例13)
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジチエニルシロ−ルの合成:
実施例3と同様の方法にて合成した1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ヂリチオシロ−ルに、塩化亜鉛のテトラメチルエチレンジアミン錯体を加える。室温で1時間攪拌し、これに、2−ブロモチオフェンのTHF溶液およびジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウムを加え、10時間加熱還流した。室温に冷却後、水とトルエンを加え、析出した不溶物を除去する。低沸点物を減圧下に溜去し、カラムクロマトグラフィ−にて精製し、1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジチエニルシロ−ルを得た。
【0077】
(実施例14)
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジピリジルシロ−ルの合成:
実施例13で用いた2−ブロモチオフェンを2−ブロモピリジンに代えた以外は、実施例13に準じて行った。
【0078】
(実施例15)
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ビス(3−メチルフェニル)シロ−ルの合成:
実施例13で用いた2−ブロモチオフェンを3−メチルブロモベンゼンに代えた以外は、実施例13に準じて行った。
【0079】
(実施例16)
1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジブロモシロ−ルの合成:
実施例3と同様の方法にて合成した1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ヂリチオシロ−ルに、臭素を滴下した。室温で1時間攪拌後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、トルエンにて目的物を有機層に抽出した。低沸点物を減圧下に溜去し、カラムクロマトグラフィ−および再結晶にて精製し、1,1−ビス(ジエチルアミノ)−3,4−ジフェニル−2,5−ジブロモシロ−ルを得た。
【0080】
【発明の効果】
本発明のシラシクロペンタジエン誘導体は、ヘテロ原子であるケイ素に反応性の置換基を有し、2,5位に種々の置換基が導入されているために導電性材料、有機EL素子あるいは電子写真等の電子材料の原料として有用である。これらを用いることにより、種々の用途に適した化合物が合成できる。また、このケイ素原子が重合性物質と結合することも可能であり高分子化も容易にできる。
さらに、本発明の製造法はシラシクロペンタジエン環の2,5位にも種々の置換基が導入できるために広範な化合物が合成できる。従来の製造法はシラシクロペンタジエン環のケイ素原子あるいは2,5位のいずれかにのみ、置換基が導入できたが、本発明の製造法によるとその両方同時に任意の置換基を導入することができる。

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表されるシラシクロペンタジエン誘導体。
    Figure 0003931409
    [式中、XおよびYは、それぞれ独立にハロゲン原子、アミノ基、水酸基、置換基を有するアミノ基、または−OX 、−OY で表される基を示し、ここでX およびY はそれぞれアルキル基もしくは置換アルキル基、シクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、アリール基もしくは置換アリール基、またはヘテロ環基もしくは置換ヘテロ環基を示し、
    およびR はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアナト基、イソチオシアナト基もしくはシアノ基、または置換基を有するアミノ基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基を示し、
    およびR はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アゾ基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、もしくはシアノ基、または置換基を有するアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基もしくはアルキニル基を示し、
    およびR 相互に結合して環を形成してもよく、また
    およびRがフェニル基の場合はおよびYフッ素原子、塩素原子水酸基、およびアルコキシ基であることはなく、
    およびRアルキル基の場合XおよびY塩素原子および臭素原子であることはない。]
  2. およびYがそれぞれ独立に塩素原子、フッ素原子、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基もしくは水酸基を示し、RおよびRがそれぞれフェニル基もしくは置換フェニル基である請求項記載のシラシクロペンタジエン誘導体。
  3. 下記式(5)で表されるシラシクロペンタジエン誘導体。
    Figure 0003931409
    [式中、R21〜R24は、それぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基を示し、RおよびRがそれぞれ独立に水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアナト基、イソチオシアナト基もしくはシアノ基、または置換基を有するアミノ基もしくはシリル基を示し、また
    およびR10はそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基(ただし、RおよびR10は末端で結合して環を形成していてもよい)。]
  4. 式(5)において、RおよびR10がそれぞれフェニル基もしくは置換フェニル基である請求項記載のシラシクロペンタジエン誘導体。
  5. 下記式(2)で表される1,1−ビス(ジアミノ)−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体。
    Figure 0003931409
    [式中、R21〜R24は、それぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基を示し、Mはアルカリ金属を示し、RおよびR10はそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基(ただし、RおよびR10は末端で結合して環を形成していてもよい)。]
  6. 前記式(2)において、RおよびR10はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基またはアリール基もしくは置換アリール基である請求項記載の1,1−ビス(ジアミノ)−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体。
  7. 下記式(3)で表される3,3−ジアミノ−3−シラ−1,4−ペンタジイン誘導体。
    Figure 0003931409
    [式中、R21〜R24、RおよびR10は請求項と同じ。]
  8. 前記式(3)において、RおよびR10はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基またはアリール基もしくは置換アリール基である請求項記載の3,3−ジアミノ−3−シラ−1,4−ペンタジイン誘導体。
  9. 下記式(3)で表される3,3−ジアミノ−3−シラ−1,4−ペンタジイン誘導体にアルカリ金属錯体を反応させることを特徴とする、下記式(2)で表される1,1−ビス(ジアミノ)−3,4−ジ置換−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体の製造法。
    Figure 0003931409
    [式中、R21〜R24、M、RおよびR10は、前記式(2)と同じ。]
  10. 前記式(3)および(2)において、RおよびR10はそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基またはアリール基もしくは置換アリール基である、請求項記載の1,1−ビス(ジアミノ)−3,4−ジ置換−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体の製造法。
  11. 下記式(2)で表される1,1−ビス(ジアミノ)−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体に、置換シリルクロリド、ハロゲン類、酸クロリド、金属ハライド、金属ハライドの錯体、ホウ酸エステルおよび有機スズ化合物からなる群から選ばれた一種を反応させ、該誘導体の2および5位に活性基Raを導入し、さらに加水分解、加アルコール分解、還元、酸化もしくはカップリング反応を行うことにより、式(5)で示されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体を得ることを特徴とする、シラシクロペンタジエン誘導体の製造法。
    Figure 0003931409
    [式中、RaはBr、Cl、I、Si(CH、Si(C、Sn(CH、Sn(C 、ZnX、MgXまたはB(OR)(ここでXはハロゲン、Rは炭素数1〜4のアルキル基である)を表す。また、R21〜R24は、それぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基を示し、Mはアルカリ金属を示し、RおよびRがそれぞれ独立に水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアナト基、イソチオシアナト基もしくはシアノ基、または置換基を有するアミノ基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基を示し、またRおよびR10はそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基(ただし、RおよびR10は末端で結合して環を形成していてもよい)。]
  12. 下記式(2)で表される1,1−ビス(ジアミノ)−2,5−ジメタルシラシクロペンタジエン誘導体に硫酸エステル類を反応させることにより、式(5)で示されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体を得ることを特徴とする、シラシクロペンタジエン誘導体の製造法。
    Figure 0003931409
    [式中、R 21 〜R 24 は、それぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基を示し、Mはアルカリ金属を示し、R およびR がそれぞれ独立にアルキル基を示し、またR およびR 10 はそれぞれ独立にアルキル基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基または置換基を有するアルキル基、シリル基、アリール基もしくはヘテロ環基(ただし、R およびR 10 は末端で結合して環を形成していてもよい)。]
  13. 前記式(5)で表されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体に塩化水素を反応させ、下記式(6)で表されるジクロロシラシクロペンタジエン誘導体を製造することを特徴とする、シラシクロペンタジエン誘導体の製造法。
    Figure 0003931409
    [式中、R21〜R24、R、R、RおよびR10は、前記式(5)と同じ。]
  14. 前記式(5)で表されるビス(ジアミノ)シラシクロペンタジエン誘導体に、下記 OHで表される化合物を反応させ、下記式(7)で表されるジアルコキシシラシクロペンタジエン誘導体を製造することを特徴とする、シラシクロペンタジエン誘導体の製造法。
    Figure 0003931409
    [式中、R21〜R24、R、R、RおよびR10は、前記式(5)と同じ、R、XおよびYはそれぞれ独立にアルキル基もしくは置換アルキル基、アリール基もしくは置換アリール基、またはヘテロ環基もしくは置換ヘテロ環基を示す。]
  15. 前記式(6)で表されるジクロロシラシクロペンタジエン誘導体にジアルキルアミンを反応させ、下記式(8)で表される1−クロロ−1−ジアルキルアミノ−シラシクロペンタジエン誘導体を製造することを特徴とする、シラシクロペンタジエン誘導体の製造法。
    Figure 0003931409
    [式中、R21〜R24、R、R、RおよびR10は、前記式(5)と同じ、また、ZおよびZはそれぞれ独立に炭素数1〜50のアルキル基を示す。]
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