JP2707764B2 - ポリシラン化合物、その製造方法および用途 - Google Patents

ポリシラン化合物、その製造方法および用途

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JP2707764B2 JP28662089A JP28662089A JP2707764B2 JP 2707764 B2 JP2707764 B2 JP 2707764B2 JP 28662089 A JP28662089 A JP 28662089A JP 28662089 A JP28662089 A JP 28662089A JP 2707764 B2 JP2707764 B2 JP 2707764B2
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規かつ有用なポリシラン化合物、その製造
方法、および導電性材料に関する。
〔従来の技術〕
従来、導電性を必要とする材料には専ら金属が用いら
れており、有機高分子化合物は一般には絶縁材料として
取扱われている。ところが近年、絶縁材料として認識さ
れていた有機高分子化合物のうち、ケイ素原子を含む高
分子化合物が導電性を有していることが見い出され、こ
のようなケイ素含有高分子化合物を導電性材料として用
いる試みがなされている。
例えば1981年には、ポリシランの1種であるメチルフ
ェニルポリシランに光照射して架橋構造を有する化合物
を得、これにドーパント(ドーピングエージェント)を
添加することにより、高い電導度を有する化合物が得ら
れることが見い出されている。上記ドーパントとしては
AsF5のような化合物が用いられており、このようなドー
パントを用いることにより、上記ケイ素含有化合物は、
0.5S/cm程度の導電率を示すことが開示されている(J.A
mer.Chem.Soc.,103,7352−7354(1981))。
しかし、上記のようなケイ素含有化合物を導電性材料
として用いるには、ドーパントとして毒性の高いAsF5
用いなければならない。また上記のようなケイ素含有化
合物を製造する際、光照射の制御が難しく、良好な特性
を有する化合物を再現性よく製造することが難しいとい
う問題点もある。
また、特開昭62−59632号公報には、AsF5を用いるこ
となく、優れた導電性を示すマトリックス状のポリアル
キルシランが開示されている。ここではポリアルキルシ
ラン中にドーパントとして硫酸イオンを含有させること
により、ポリアルキルシランは10-5〜10S/cm程度の導電
率を有することが示されている。
しかし、上記のようなポリアルキルシランからなる導
電性材料においても、導電率等の特性や製造方法など
に、なお改善の余地が残されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、新規かつ有用なポリシラン化合物を
提供することである。
本発明の他の目的は、容易かつ効率よく上記ポリシラ
ン化合物を製造するための製造方法を提案することであ
る。
本発明の別の目的は、優れた導電性を示し、しかも再
現性もよく、製造も容易な上記ポリシラン化合物からな
る導電性材料を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、下記一般式〔I〕 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
ール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基を
示し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、またはア
ルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキシ
基からなる群から選ばれる基を示し、nは2以上の整数
を示す。) で表わされるポリシラン化合物、ならびにその製造方法
およびこのポリシラン化合物からなる導電性材料であ
る。
前記一般式〔I〕のR1およびR2はアルキル基、アリー
ル基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基であ
り、R1とR2は同一でも異なっていてもよい。
R1およびR2で示されるアルキル基としては、炭素数が
1〜6、好ましくは1〜3のものをあげることができ
る。アルキル基は直鎖状のものでも分岐状のものでもよ
い。このようなアルキル基として具体的には、例えばメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の
直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、s
ec−アミル基等の2級アルキル基;tert−ブチル基、ter
t−アミル基等の3級アルキル基などをあげることがで
きる。
R1およびR2で示されるアリール基としては、少なくと
も1つの芳香族環を有する一価のアリール基をあげるこ
とができる。この芳香族環は置換基を有していてもよ
い。このようなアリール基の具体的なものとしては、例
えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基な
どをあげることができる。
またR1およびR2で示されるアラルキル基としては、脂
肪族炭化水素に少なくとも1つの芳香族環が置換した一
価のアラルキル基をあげることができる。この芳香族環
は置換基を有していてもよい。このようなアラルキル基
の具体的なものとしては、例えばベンジル基、フェネチ
ル基、α−メチルベンジル基、トリルメチル基などをあ
げることができる。
本発明のポリシラン化合物を導電性材料として用いる
場合は、R1およびR2がメチル基、エチル基、フェニル基
およびベンジル基からなる群から選ばれる基の組合せが
好ましく、特にメチル基どうしの組合せ、メチル基およ
びフェニル基の組合せが好ましい。
前記一般式〔I〕のR3およびR4は水素原子、またはア
ルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキシ
基からなる群から選ばれる基であり、R3とR4は同一でも
異なっていてもよい。
R3およびR4で示されるアルキル基としては、炭素数が
1〜8、好ましくは1〜6のものをあげることができ
る。アルキル基は直鎖状のものでも分岐状のものでもよ
い。このようなアルキル基として具体的には、例えばメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の
直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、s
ec−アミル基等の2級アルキル基;tert−ブチル基、ter
t−アミル基等の3級アルキル基などをあげることがで
きる。
R3およびR4で示されるアリール基としては、少なくと
も1つの芳香族環を有する一価のアリール基をあげるこ
とができる。この芳香族環は置換基を有していてもよ
い。このようなアリール基の具体的なものとしては、例
えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基な
どをあげることができる。
またR3およびR4で示されるアラルキル基としては、脂
肪族炭化水素に少なくとも1つの芳香族環が置換した一
価のアラルキル基をあげることができる。この芳香族環
は置換基を有していてもよい。このようなアラルキル基
の具体的なものとしては、例えばベンジル基、フェネチ
ル基、α−メチルベンジル基、トリルメチル基などをあ
げることができる。
R3およびR4で示されるアルコキシ基としては、炭素数
が1〜8、好ましくは1〜6のものをあげることができ
る。アルコキシ基は直鎖状のものでも分岐状のものでも
よい。このようなアルコキシ基としては、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基
等の直鎖状アルコキシ基;イソプロポキシ基、sec−ブ
トキシ基、sec−アミロキシ基等の2級アルコキシ基;te
rt−ブトキシ基、tert−アミロキシ基等の3級アルキル
基などをあげることができる。
本発明のポリシラン化合物を導電性材料として用いる
場合は、R3およびR4が水素、メチル基、エチル基、フェ
ニル基、ベンジル基およびメトキシ基からなる群から選
ばれる組合せが好ましい。
前記一般式〔I〕のnは2以上の整数である。本発明
のポリシラン化合物を導電性材料として用いる場合は、
nが10以上で、平均分子量が2000〜3000以上のものが好
ましい。
本発明のポリシラン化合物は、下記一般式〔II〕 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
ール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基を
示し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、またはア
ルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキシ
基からなる群から選ばれる基を示す。) で表わされる2,5−ビス(クロロシリル)チオフェン誘
導体と、アルカリ金属とを反応させることにより製造す
ることができる。
前記一般式〔II〕で表わされる2,5−ビス(クロロシ
リル)チオフェン誘導体の具体的なものとしては、例え
ば2,5−ビス(クロロジメチルシリル)チオフェン、2,5
−ビス(クロロメチルエチルシリル)チオフェン、2,5
−ビス(クロロメチルフェニルシリル)チオフェン、2,
5−ビス(クロロメチルトリルシリル)チオフェン、2,5
−ビス(クロロメチルフェニルシリル)−3−メチルチ
オフェンなどをあげることができる。
本発明のポリシラン化合物を導電性材料として用いる
場合は、上記2,5−ビス(クロロシリル)チオフェン誘
導体の中では特に2,5−ビス(クロロジメチルシリル)
チオフェンまたは2,5−ビス(クロロメチルフェニルシ
リル)チオフェンを用いるのが好ましい。
2,5−ビス(クロロシリル)チオフェン誘導体は通常
単独で用いられるが、例えば得られるポリシラン化合物
の導電性を調整することなどを目的として、2種類以上
のものを組合わせて用いることもできる。
前記一般式〔II〕で表わされる2,5−ビス(クロロシ
リル)チオフェン誘導体は、例えば所定の置換基(R3,R
4)を有する2,5−ジブロモチオフェンとマグネシウムと
から合成した2,5−チエニレンジマグネシウムブロミド
に、所定の置換基(R1,R2)を有するモノクロロ置換ヒ
ドロシラン類を反応させて、2,5−ビス(置換ヒドロシ
リル)チオフェン類とした後、これを四塩化炭素中で塩
化パラジウム(PdCl2)存在下に、室温ないし加熱下に
撹拌する方法などにより製造できる。
前記アルカリ金属としては、例えば金属ナトリウム、
金属リチウム、金属カリウムなどをあげることができ
る。これらの中では金属ナトリウムを用いるのが好まし
い。これらのアルカリ金属は1種単独で使用することも
できるし、2種以上を混合して使用することもできる。
2,5−ビス(クロロシリル)チオフェン誘導体とアル
カリ金属との反応の例を次に示す。
(式中、R1〜R4およびnは前記と同じである。) 上記式〔III〕に示すように、2,5−ビス(クロロシリ
ル)チオフェン誘導体とアルカリ金属との反応において
は、アルカリ金属は少なくとも2,5−ビス(クロロシリ
ル)チオフェン誘導体中の塩素原子と反応するような量
で用いることが望ましく、通常2,5−ビス(クロロシリ
ル)チオフェン誘導体1モルに対して1.2〜5モル、好
ましくは2〜4モルの範囲で使用するのが望ましい。
上記式〔III〕の反応機構からすると、前記一般式
〔I〕で表わされる繰返し単位は下記一般式〔IV〕のよ
うに表わすことができるが、重合体として見ると実質的
に同じである。
(式中、R1〜R4およびnは前記と同じである。) アルカリ金属は、通常アルカリ金属に対して不活性な
溶剤中に分散させて、ディスパージョン(分散液)の形
態で使用するのが望ましい。
従って、2,5−ビス(クロロシリル)チオフェン誘導
体とアルカリ金属との反応は、通常溶剤を用いた液相反
応として行われる。溶剤としては前述したように、アル
カリ金属に対して反応性を持たず、不活性であるととも
に、原料である2,5−ビス(クロロシリル)チオフェン
誘導体に対しても不活性な溶剤を使用するのが望まし
い。このような溶剤の具体的なものとしては、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
剤;n−デカン等の飽和炭化水素系溶剤;不飽和炭化水素
系溶剤;エーテル系溶剤などをあげることができる。特
にトルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素
系溶剤またはn−デカン等の飽和炭化水素系溶剤が好ま
しく用いられる。これらの溶剤は1種単独で、または2
種類以上を混合して用いることもできる。
反応は、反応温度が通常−20℃〜−180℃、好ましく
は0〜150℃の範囲で行うのが望ましい。また重合反応
は、減圧下でも、加圧下でも行うことができ、反応圧力
は限定されないが、通常減圧ないし60kg/cm2・G、好ま
しくは0〜30kg/cm2・G、特に好ましくは0〜5kg/cm2
・Gの範囲が好ましい。反応時間は反応温度および反応
圧力などを考慮して適宜に設定されるが、通常5分〜10
0時間、好ましくは1〜10時間が望ましい。
反応は超温波を照射しながら行うこともできる。この
場合、反応温度は通常−20〜100℃、好ましくは0〜50
℃、反応時間は通常5分〜50時間、好ましくは1〜20時
間、反応圧力は通常0〜30kg/cm2・G、好ましくは0〜
5kg/cm2・Gが望ましい。
また反応は、通常不活性雰囲気下で行うのが望まし
い。不活性雰囲気としては、例えばアルゴンや窒素雰囲
気が用いられる。
このようにして製造されたポリシラン化合物は、繰返
し単位としては前記一般式〔I〕で表わされるものを、
末端基としては使用した原料および前記式〔III〕の反
応に由来するものを有する。
反応終了後は、アルカリ金属を加水分解した後、クロ
ロホルム、ベンゼン等の溶媒で抽出し、これにエタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類を加えて再沈澱
させるなどの方法によりポリシラン化合物が得られる。
このようにして、本発明によって得られる前記一般式
〔I〕で表わされるポリシラン化合物は、導電率σが通
常10-8S/cm以下であるが、ドーパントを添加することに
より、導電率σは通常0.01〜10S/cm程度になる。従って
本発明のポリシラン化合物は導電性材料として用いるこ
とができる。
本発明のポリシラン化合物が導電性を示す理由は明ら
かではないが、ケイ素−ケイ素結合およびチオフェン環
の両者を有しているためと推定される。
本発明のポリシラン化合物はドーパントを添加するこ
とにより、より良好な導電性を示すようになる。このた
め本発明のポリシラン化合物を導電性材料として使用す
る場合は適当なドーパントを添加して使用するのが一般
的である。ドーパントとしては特に制限はなく、従来知
られているハロゲン;ルイス酸;遷移金属ハロゲン化合
物等の電子吸引性化合物;アルカリ金属等の電子供与性
化合物などを用いることができる。ドーパントの具体的
なものとして、例えばI2、SO3、AsF5、SbF5、SbCl5など
をあげることができる。これらの中ではSbF5が好まし
い。これらのドーパントは単独で、また2種類以上を組
合わせて用いることができる。
ポリシラン化合物にドーパントを添加する方法は特に
制限されず、例えばポリシラン化合物を任意の形状、例
えば膜状に成形した後、この成形体にドーパントを塗布
する方法、ポリシラン化合物にドーパントを添加した後
任意の形状に成形する方法など、種々の方法を採用する
ことができる。この時の成形方法および成形体の形状は
特に限定されず、目的とする導電性材料の形状に応じ
て、公知の方法により膜状、線状など任意の形状に成形
することができる。
本発明のポリシラン化合物は、上記のように導電性材
料として使用できるほか、例えばケイ素−ケイ素結合の
有する光機能性を利用して感光材料などとしても使用す
ることができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、前記一般式〔I〕で表わされる繰返
し単位を有する新規かつ有用なポリシラン化合物が得ら
れる。このようなポシリラン化合物は前記一般式〔II〕
で表わされる2,5−ビス(クロロシリル)チオフェン誘
導体とアルカリ金属とを反応させることにより、容易か
つ効率よく製造することができる。
さらに本発明によれば、優れた導電性を示す導電性材
料が再現性よく容易に得られる。
〔実施例〕
次に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこ
れらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 (I) 2,5−ビス(クロロジメチルシリル)チオフェ
ンの合成 テトラヒドロフラン(THF)およびベンゼンの1:1混合
溶媒40ml中で、2,5−ジブロモチオフェン4.2ml(0.0281
モル)とマグネシウム1.6g(0.0694モル)とから合成し
た2,5−チエニレンジマグネシウムブロミドに10gのジメ
チルクロロシラン(0.106モル)を加え、室温で10時間
撹拌した後、加水分解した。さらに油層を分離して乾燥
後減圧蒸留し、2,5−ビス(ジメチルシリル)チオフェ
ン4.0(収率71%)を得た。この化合物の沸点は100℃/1
6mmHgであり、機器分析の結果を以下に示す。1 H核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒中で測定、δppm) 0,39(d,12H,J−4Hz,CH3Si); 5.55(sept,2H,J=4Hz,HSi); 8.31(s,2H,ring protons) 赤外吸収スペクトル νSi−H;2130cm-1 マススペクトル m/e200(M+) 元素分析(C8H16SSi2として) 実測値 C,47.64;H,8.00 計算値 C,47.94;H,8.05 上記で得られた2,5−ビス(ジメチルシリル)チオフ
ェンを触媒量の塩化パラジウム存在下に四塩化炭素中で
20時間室温で撹拌した。次いで四塩化炭素を留去した
後、残液を減圧蒸留して2,5−ビス(クロロジメチルシ
リル)チオフェン4.7g(収率66%)を得た。この化合物
の沸点は125℃/15mmHgであり、機器分析の結果を以下に
示す。1 H核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒中で測定、δppm) 0.70(s,12H,CH3Si); 7.23(s,2H,ring protons)13 C核磁気妙齢スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δpp
m) 3.3,136.7,143.5 マススペクトル m/e268(M+) 元素分析(C8H14Cl2SSi2として) 実測値 C,35.45;H,5.20 計算値 C,35.68;H,5.24 (II) 2,5−ビス(クロロジメチルシリル)チオフェ
ンの重合 n−デカン70ml中にナトリウム1.1g(0.0478モル)を
加え、撹拌して分散させ、4.7gの2,5−ビス(クロロジ
メチルシリル)チオフェン(0.0175モル)を加えた。13
0℃で10時間撹拌した後、加水分解してクロロホルムで
抽出、乾燥を行い溶媒を留去した後、ベンゼン/エタノ
ール中で再沈澱して2.2gのポリマーを得た。GPCを用い
て分子量を測定した結果、重量平均分子量(Mw)は1700
0で、融点は155〜161℃であった。機器分析の結果を以
下に示す。1 H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δppm) 0.34(s,12H,CH3Si); 7.14(s,2P,ring protons)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δpp
m) −2.5,135.6,143.9 実施例2 (I) 2,5−ビス(クロロメチルフェニルシリル)チ
オフェンの合成 THF30ml中で2,5−ジブロモチオフェン4.2ml(0.0281
モル)とマグネシウム1.6g(0.0694モル)とから合成し
た2,5−チエニレンジマグネシウムブロミドにクロロメ
チルフェニルシラン15g(0.0958モル)を加え、50℃で
3時間加熱撹拌した。加水分解し、ヘキサンで抽出した
後無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を留去、減圧
蒸留することにより7.9gの2,5−ビス(メチルフェニル
シリル)チオフェンを得た(収率84%)。この化合物の
沸点は125〜128℃/0.2mmHgであり、機器分析の結果を以
下に示す。1 H核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒中で測定、δppm) 0.64(d,6H,J=4Hz,CH3Si); 5.01(sept,2H,J=4Hz,HSi); 7.04−7.64(m,12H,ring protons) 赤外吸収スペクトル νSi−H;2130cm-1 マススペクトル m/e324(M+) 元素分析(C18H20SSi2として) 実測値 C,66.57;H,6.18 計算値 C,66.21;H,6.21 上記で得られた2,5−ビス(メチルフェニルシリル)
チオフェンを実施例1と同様に処理して7.2gの2,5−ビ
ス(クロロメチルフェニルシリル)チオフェンを得た
(収率75%)。この化合物の沸点は190℃/0.8mmHgであ
り、機器分析の結果を以下に示す。 核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒中で測定、δppm) 0.94(s,6H,CH3Si); 7.20−7.87(m,12H,ring protons)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δpp
m) 2.1,128.2,130.9,133.8,137.1,138.0,142.5 元素分析(C18H18Cl2SSi2として) 実測値 C,66.57;H,6.18 計算値 C,66.61;H,6.21 (II) 2,5−ビス(クロロメチルフェニルシリル)チ
オフェンの重合 ベンゼン18ml中にナトリウム0.6G(0.0260モル)を加
え、撹拌して分散させ、ここに2,5−ビス(クロロメチ
ルフェニルシリル)チオフェン3.0g(0.00763モル)を
加えた。超音波を照射しながら室温で10時間撹拌した。
加水分解後、クロロホルム/エタノール、クロロホルム
/イソプロパノールで各1回再沈澱しポリマー1.79gを
得た。このポリマーの融点は68〜74℃で、GPCにより得
られた重量平均分子量(Mw)は58000であった。機器分
析の結果を以下に示す。1 H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δppm) 0.65(s,6H,CH3Si); 7.12−7.34(m,12H,ring protons)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δpp
m) −3.3,127.8,129.1,134.7,135.8,137.5,142.0 元素分析(C18H18SSi2として) 実測値 C,67.28;H,5.68 計算値 C,67.02;H,5.62 実施例3 (I) 2,5−ビス(クロロメチルトリシリル)チオフ
ェンの合成 THF50ml中で2,5−ジブロモチオフェン4.2ml(0.0281
モル)とマグネシウム1.6g(0.0694モル)とから合成し
た2,5−チエニレンジマグネシウムブロミドにクロロメ
チルトリルシラン15g(0.0880モル)を加え、50℃で3
時間撹拌した。加水分解後ヘキサンで抽出し、無水硫酸
マグネシウム上で乾燥した。溶媒を留去し、減圧蒸留に
よって2,5−ビス(メチルトリルシリル)チオフェン7.4
gを得た(収率75%)。この化合物の沸点は185℃/0.9mm
Hgであり、機器分析の結果を以下に示す。1 H核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒中で測定、δppm) 0.63(d,6H,J=4Hz,CH3Si); 2.30(s,6H,P−Me); 4.96(q,2H,J=4Hz,HSi); 7.05(d,4H,J=20Hz,tolyl ring protons); 7.19(d,4H,J=70Hz,tolyl ring protons); 7.19(s,2H,thiophene ring protons) 赤外吸収スペクトル νSi−H;2130cm-1 マススペクトル m/e352(M+) 元素分析(C20H24SSi2として) 実測値 C,68.02;H,6.79 計算値 C,68.12;H,6.86 上記で得られた2,5−ビス(メチルトリルシリル)チ
オフェンを実施例1と同様に処理して2,5−ビス(クロ
ロメチルトリルシリル)チオフェン6.4g(収率72%)を
得た。この化合物の沸点は190℃/0.3mmHgであり、機器
分析の結果を以下に示す。 核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒中で測定、δppm) 0.93(s,6H,CH3Si); 2.35(s,6H,P−Me); 7.17(d,4H,J=18Hz,tolyl ring protons); 7.26(d,4H,J=18Hz,tolyl ring protons); 7.30(s,2H、thiophene ring protons)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δpp
m) 2.2,21.6,129.0,130.5,133.9,137.8,141.1,142.7 マススペクトル m/e420(M+) 元素分析(C20H22Cl2SSi2として) 実測値 C,56.92;H,5.17 計算値 C,57.00;H,5.26 (II) 2,5−ビス(クロロメチルトリルシリル)チオ
フェンの重合 ベンゼン15ml中にナトリウム0.5g(0.0217モル)を加
え、撹拌して分散させ、3.2gの2,5−ビス(クロロメチ
ルトリルシリル)チオフェン(0.00759モル)のベンゼ
ン4ml溶液を加えた。室温で撹拌し超音波を10時間照射
した。加水分解してクロロホルムで抽出した後、無水硫
酸マグネシウム上で乾燥、溶媒を留去し、残液をクロロ
ホルム/エタノールで2回再沈澱してポリマー1.2gを得
た(収率46%)。このポリマーの融点は86〜92℃で、GP
Cで測定した重量平均分子量(Mw)は62000であった。機
器分析の結果を以下に示す。 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δppm) 0.69(s,6H,CH3Si); 2.29(s,6H,P−Me); 6.72−7.55(m,10H,ring protons)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δpp
m) −3.1,21.5,128.7,132.3,132.4,134.9,137.4,138.9,14
2.1 実施例4 実施例1で得たポリマー(ポリジシラニレンチエニレ
ン、前記一般式〔I〕中のR1およびR2がメチル基)1mg
を0.1mlのジクロロエタンとトルエン1対1の混合溶媒
に溶解した。この溶液を用いてスピンコート液により絶
縁基板上に、200Åの厚さの膜を形成した。
この膜にSbF5を気相にて供給してドーピングを行った
後、膜の導電性を測定した。導電性は四探針法を採用し
て、膜に電圧を印加して流れる電流および電圧を測定す
ることにより評価した。この結果、この膜の導電率σは
5.47S/cmであった。
実施例5 実施例2で得たポリマー(ポリジシラニレンチエニレ
ン、前記一般式〔I〕中のR1がメチル基、R2がフェニル
基)1mgを0.1mlのジクロロエタンに溶解した。この溶液
を用いてスピンコート液により絶縁基板上に6100Åの厚
さの膜を形成した。
この膜にSbF5を気相にて供給してドーピングを行った
後、膜の導電性を測定した。導電性は四探針法を採用し
て、膜に電圧を印加して流れる電流および電圧を測定す
ることにより評価した。この結果、この膜の導電率σは
2.33S/cmであった。
実施例6 実施例3で得たポリマー(ポリジシラニレンチエニレ
ン、前記一般式〔I〕中のR1がメチル基、R2がトリル
基)1mgを0.1mlのジクロロエタンに溶解した。この溶液
を用いてスピンコート液により絶縁基板上に2700Åの厚
さの膜を形成した。
この膜にSbF5を気相にて供給してドーピングを行った
後、膜の導電性を測定した。導電性は四探針法を採用し
て、膜に電圧を印加して流れる電流および電圧を測定す
ることにより評価した。この結果、この膜の導電率σは
0.01S/cmであった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基を
    示し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、またはア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキシ
    基からなる群から選ばれる基を示し、nは2以上の整数
    を示す。) で表わされるポリシラン化合物。
  2. 【請求項2】下記一般式〔II〕 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基を
    示し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、またはア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキシ
    基からなる群から選ばれる基を示す。) で表わされる2,5−ビス(クロロシリル)チオフェン誘
    導体と、アルカリ金属とを反応させることを特徴とする
    下記一般式〔I〕 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基を
    示し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、またはア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキシ
    基からなる群から選ばれる基を示し、nは2以上の整数
    を示す。) で表わされるポリシラン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】下記一般式 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基を
    示し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、またはア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキシ
    基からなる群から選ばれる基を示し、nは2以上の整数
    を示す。) で表わされるジシラニレンチエニレンを繰返し単位とし
    て有するポリシラン化合物からなることを特徴とする導
    電性材料。
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