JP3930616B2 - 2−アミノ−6置換プリンの精製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−アミノ−6置換プリンの精製方法に関する。さらに詳しくは、核酸系抗ウイルス薬の中間体として有用な2−アミノ−6置換プリンの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マウス白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス等に対する抗ウイルス薬として、グアニル置換基を有する核酸系抗ウイルス薬が知られており、該核酸系抗ウイルス薬を合成する際に有用な中間体として2−アミノ−6置換プリンが使用されている(特開平6−206879号公報)。
【0003】
前記2−アミノ−6置換プリンは、例えば、2−アミノ−6置換プリンを水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液に溶解し、得られた水溶液に塩酸、酢酸等の酸類を添加して該水溶液のpHを7.5付近に調整し、晶析する方法によって精製されている(国際公開第94/07892号パンフレット)。
【0004】
しかしながら、前記方法によって精製された2−アミノ−6置換プリンの結晶粒子は、非常に細かいため、該結晶を濾取する際には、濾過性が悪く、濾取に長時間を要するという欠点がある。
【0005】
また、前記方法には、濾取した結晶を乾燥させる際には、2−アミノ−6置換プリンの結晶が二次凝集し、このようにして生成した二次凝集物は、非常に固い塊状物であり、各種溶媒に対する溶解速度が遅いため、使用の際には、あらかじめ該二次凝集物には粉砕等の煩雑な操作を施さなければならないという欠点がある。
【0006】
さらに、前記方法には、着色成分、2−アミノ−6置換プリンの類縁物質等を含有しない高純度の2−アミノ−6置換プリンを得ることができないという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、二次凝集を生じさせずに、操作性よく各種溶媒に対して速い溶解速度を呈する2−アミノ−6置換プリンを高純度で精製することができる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 一般式(I):
【0009】
【化2】
Figure 0003930616
【0010】
(式中、Xは水酸基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す)
で表わされる2−アミノ−6置換プリンをアルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解させ、得られた2−アミノ−6置換プリン溶液と、アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合することを特徴とする2−アミノ−6置換プリンの精製方法、ならびに
〔2〕 2−アミノ−6置換プリン溶液と、アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合する際のアンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液の温度が40〜70℃である前記〔1〕記載の2−アミノ−6置換プリン溶液の精製方法
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の精製方法によれば、前記したように、
一般式(I):
【0012】
【化3】
Figure 0003930616
【0013】
(式中、Xは水酸基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す)
で表わされる2−アミノ−6置換プリンをアルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解させ、得られた2−アミノ−6置換プリン溶液と、アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合することにより、2−アミノ−6置換プリンを精製することができる。
【0014】
本発明においては、このようにアンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液が用いられている点に1つの大きな特徴がある。かかる水溶液を用いた場合には、驚くべきことに、精製された2−アミノ−6置換プリンを結晶として二次凝集させずに、操作性よく高純度で得ることができる。
【0015】
前記2−アミノ−6置換プリンは、公知の方法、例えば、国際公開第94/07892号パンフレット、J. Pharm. Sci., 1968, 57(2), p.2051-61等に記載の方法(以下、従来法という)等によって得ることができる。
【0016】
前記2−アミノ−6置換プリンは、まず、アルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解させる。
【0017】
前記2−アミノ−6置換プリンをアルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解させる際の温度は、特に限定がなく、通常、3〜30℃程度であればよい。
【0018】
前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好適例としてあげられる。
【0019】
前記アルカリ金属水酸化物の使用量は、経済性の観点から、前記2−アミノ−6置換プリン1モルに対して、0.5モル以上、なかんづく1モル以上であることが好ましく、10モル以下、なかんづく4モル以下であることが好ましい。
【0020】
前記アルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属水酸化物の水溶液として用いられる。
【0021】
前記アルカリ金属水酸化物の水溶液の濃度は、容積効率を考えた経済性の観点から、0.5重量%以上、なかんづく1重量%以上であることが好ましく、40重量%以下、なかんづく20重量%以下であることが好ましい。
【0022】
2−アミノ−6置換プリンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液と、アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合する。
【0023】
前記アンモニアは、通常、水溶液またはガスとして用いることができる。
【0024】
前記アンモニアの濃度は、特に限定がなく、容積効率を考えた経済性の観点から、5重量%以上、なかんづく10重量%以上であることが好ましく、また入手の容易性の観点から、100重量%以下、なかんづく30重量%以下であることが好ましい。
【0025】
前記アンモニアの使用量は、経済性の観点から、前記2−アミノ−6置換プリン1モルに対して、1モル以上、なかんづく3モル以上であることが好ましく、15モル以下、なかんづく10モル以下となるように調整することが好ましい。
【0026】
前記塩化アンモニウムには、特に限定がなく、一般に市販されているものを用いることができる。
【0027】
前記塩化アンモニウムの使用量は、経済性の観点から、前記2−アミノ−6置換プリン1モルに対して、1モル以上、なかんづく1.5モル以上であることが好ましく、10モル以下、なかんづく5モル以下であることが好ましい。なお、前記塩化アンモニウムの使用量は、2−アミノ−6置換プリンを溶解させるために用いたアルカリ金属水酸化物の使用量よりも少ない場合には、2−アミノ−6置換プリンの精製収率が低下することがあるので、アルカリ金属水酸化物の使用量よりも過剰量であることが好ましい。
【0028】
本発明においては、2−アミノ−6置換プリンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液とアンモニアとを混合したのち、塩化アンモニウム水溶液と混合したり、2−アミノ−6置換プリン溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合したのち、アンモニアと混合するのではなく、前記2−アミノ−6置換プリン溶液と、前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合するという方法が採られているので、2−アミノ−6置換プリンの結晶を成長させながら晶析させることができ、従来法で得られる結晶よりも濾過性に優れた結晶が得られ、かくして得られた結晶は、乾燥の際には二次凝集を生じがたく、しかも2−アミノ−6置換プリンの類縁物質および着色成分が、濾液に除去され、精製効率が高いという優れた性質が発現される。
【0029】
前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液には、2−アミノ−6置換プリンに適度な溶解性を付与し、結晶を成長させながら晶析することができる観点から、アンモニア1〜50重量%および塩化アンモニウム1〜50重量%が含まれ、アンモニアと塩化アンモニウムとの合計含有量が80重量%以下であることが好ましい。
【0030】
前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合し、アルカリ金属水酸化物の水溶液から2−アミノ−6置換プリンの結晶を析出させることにより、該2−アミノ−6置換プリンを精製することができる。
【0031】
前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合する際には、例えば、前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液に、前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を滴下することが濾過性に優れた結晶が得られる点から好ましい。
【0032】
前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合する際には、前記2−アミノ−6置換プリン溶液の温度は、通常、3〜30℃程度であればよく、また前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液の温度は、晶析する2−アミノ−6置換プリンの結晶の粒子径を大きくする点から、40℃以上、なかんづく50℃以上であることが好ましく、アンモニアが気化し、散逸させないようにする点から、70℃以下、なかんづく65℃以下であることが好ましい。
【0033】
前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合したあとには、通常、0.5〜3時間程度、均一な組成となるように前記混合液を攪拌することが好ましい。
【0034】
前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合したのち、高い精製収率で2−アミノ−6置換プリンを得るために、かかる溶液を70℃以下、例えば、室温程度にまで冷却することが好ましい。
【0035】
冷却後には、得られた2−アミノ−6置換プリンの結晶を、濾紙等のフィルターを用いて濾過することにより、回収することができる。
【0036】
濾取した2−アミノ−6置換プリンの結晶は、水、メタノール等の溶媒で適宜洗浄したのちに、減圧下で乾燥することにより、2−アミノ−6置換プリンの白色結晶として回収することができる。
【0037】
かくして得られた2−アミノ−6置換プリンの結晶の平均粒子径は、レーザー光回折散布法に従って測定した場合、10〜70μmであり、従来法で得られる2−アミノ−6置換プリンの結晶の平均粒子径3〜5μmと比べて、非常に大きい。従って、本発明の製造方法によって得られた2−アミノ−6置換プリンの結晶は、従来法で得られた2−アミノ−6置換プリンよりも濾過性に優れたものである。
【0038】
さらに前記2−アミノ−6置換プリンの結晶は、前記したように、平均粒子径が大きいので、かかる2−アミノ−6置換プリンを乾燥させる段階で2−アミノ−6置換プリンの結晶の二次凝集物が生じがたいので、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の各種溶媒に対して溶解速度が非常に速いものである。
【0039】
また、従来法によって得られた2−アミノ−6置換プリンの結晶には、着色成分、類縁物質等の不純物が含有されているが、このような不純物が含有された2−アミノ−6置換プリンを本発明の精製方法で精製した場合には、これらの不純物が除去され、高純度を有する2−アミノ−6置換プリンを得ることができる。
【0040】
以上説明したように、本発明の2−アミノ−6置換プリンの精製方法によれば、比較的大きな粒子径を有する2−アミノ−6置換プリンが得られるので、濾過する際の濾過性に優れ、乾燥時に二次凝集物を生じがたく、しかも各種溶媒に対して速い溶解速度を呈する2−アミノ−6置換プリンの結晶を高純度で得ることができる。
【0041】
かくして得られた2−アミノ−6置換プリンの結晶は、例えば、核酸系抗ウイルス薬の中間体として好適に使用しうる化合物である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0043】
製造例1〔2−アミノ−6−ヨードプリンの製造〕
J. Pharm. Sci., 1968, 57(2), p.2056-61に記載の方法にしたがって、粗製2−アミノ−6−ヨードプリンを調製した。
得られた粗製2−アミノ−6−ヨードプリンの純度は、95.0%であった。
【0044】
なお、前記結晶の純度は、液体クロマトグラフィー分析(LC分析)で得られた各ピークの面積比(百分率)から測定した。
【0045】
製造例2〔2−アミノ−6−クロロプリンの製造〕
J. Pharm. Sci., 1968, 57(2), p.2056-61に記載の方法にしたがって、粗製2−アミノ−6−クロロプリンを調製した。
得られた粗製2−アミノ−6−クロロプリンの純度は、92.0%であった。
【0046】
製造例3〔グアニンの製造〕
特開昭59−16891号公報に記載の方法にしたがって粗製グアニン(一般式(I)においてXが水酸基である化合物)を調製した。
得られた粗製グアニンの純度は、99.0%であった。
【0047】
実施例1
製造例1で得られた2−アミノ−6−ヨードプリン78.3g(0.30モル)を2%水酸化ナトリウム水溶液900.0g(0.45モル)に室温下で溶解させ、2−アミノ−6−ヨードプリン溶液を調製した。
【0048】
次に、水300mL、塩化アンモニウム48.4g(0.90モル)および28%アンモニア水91.2g(1.50モル)を混合し、40〜70℃に加温し、混合液を調製し、該混合液に前記2−アミノ−6−ヨードプリン溶液を40〜70℃で、1〜2時間かけて滴下し、2−アミノ−6−ヨードプリンを晶析させた。
【0049】
滴下終了後、晶析させた混合物を40〜70℃で0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物中に晶析している2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶を直径9cmのヌッツェ漏斗を使用して濾取した。2−アミノ−6−ヨードプリンの晶析スラリー500mLを濾取する際には、63秒間を要した。
【0050】
次に、濾取した結晶を、水150mLで2回、メタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶を減圧下で乾燥し、2−アミノ−6−ヨードプリンの白色の結晶70.5g(0.27モル)を得た。2−アミノ−6−ヨードプリンの収率は、90%であり純度は、99.5%であった。
【0051】
かくして得られた2−アミノ−6ヨードプリンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は粒度分布測定装置〔(株)島津製作所製、商品名:SALD−1100〕を用いて測定したところ、13μmであった。なお、乾燥時には、二次凝集が認められなかった。
【0052】
なお、得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの白色結晶のIRスペクトルを調べたところ、得られた白色結晶は、J. Pharm. Sci. 1968, 57(12), 2056-61に記載の方法によって得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶のIRスペクトルと一致したことから、2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶であることが確認された。
【0053】
次に、得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶1.09gを23℃のN,N−ジメチルホルムアミド40gに添加し、攪拌して該結晶が完全に溶解するまでの時間を調べたところ、40秒間を要した。
【0054】
比較例1
従来法にしたがって、2−アミノ−6−ヨードプリン78.3gを2%水酸化ナトリウム水溶液900gに溶解させた溶液に36%塩酸45.6gを加え、晶析させた2−アミノ−6−ヨードプリンの晶析スラリー500mLを、実施例1と同様にして、直径9cmのヌッツェ漏斗を使用して濾取したところ、その濾取には252秒間を要した。
【0055】
乾燥後、得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶の純度は97.0%であった。
【0056】
得られた2−アミノ−6ヨードプリンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例1と同様にして調べたところ、5μmであった。また、乾燥時には、二次凝集物が生じていた。
【0057】
次に、得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶1.0gを23℃のN,N−ジメチルホルムアミド40gに添加し、30分間攪拌したが、二次凝集で生じた固い粒が溶け残った。
【0058】
実施例1および比較例1(従来法)の結果から、実施例1の方法によれば、従来法と比べて、2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶の濾過に要する時間が大幅に短縮されたことから、2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶は、濾過性に優れたものであることがわかる。
【0059】
また、実施例1および比較例1の結果から、実施例1の方法によれば、N,N−ジメチルホルムアミドに対する溶解速度が非常に速い2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶を得ることができることがわかる。
【0060】
実施例2
比較例1で得られた2−アミノ−6−ヨードプリン26.1g(0.1モル)を2%水酸化ナトリウム水溶液300.0g(0.15モル)に室温下で溶解させ、2−アミノ−6−ヨードプリン溶液を調製した。
【0061】
次に、水100mL、塩化アンモニウム16.1g(0.3モル)および28%アンモニア水30.4g(0.5モル)を混合し、40〜70℃に加温し、混合液を調製し、該混合液に前記2−アミノ−6−ヨードプリン溶液を40〜70℃で、1〜2時間かけて滴下し、2−アミノ−6−ヨードプリンを晶析させた。
【0062】
滴下終了後、前記2−アミノ−6−ヨードプリン溶液と前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合した混合物を40〜70℃で0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物中に晶析している2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶を直径9cmのヌッツェ漏斗を使用して濾取した。
【0063】
濾取した結晶を、水150mLで2回およびメタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶を減圧下で乾燥し、2−アミノ−6−ヨードプリンの白色の結晶23.5g(0.09モル)を得た。2−アミノ−6−ヨードプリンの精製収率は、90.0%であり、純度は99.5%であった。
【0064】
得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例と同様にして調べたところ、13μmであった。なお、乾燥時には、二次凝集物が認められなかった。
【0065】
次に、得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶1.0gを23℃のN,N−ジメチルホルムアミド40gに添加し、攪拌して該結晶が完全に溶解するまでの時間を調べたところ、40秒間を要した。
【0066】
実施例2および比較例1(従来法)の結果から、実施例2の方法によれば、従来法で得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶の純度を大幅に向上させることができることがわかる。
【0067】
実施例3
製造例2で得られた2−アミノ−6−クロロプリン50.9g(0.3モル)を2%水酸化ナトリウム水溶液900.0g(0.45モル)に室温下で溶解させ、2−アミノ−6−クロロプリン溶液を調製した。
【0068】
次に、水300mL、塩化アンモニウム48.4g(0.90モル)および28%アンモニア水91.2g(1.50モル)を混合し、40〜70℃に加温し、混合液を調製し、該混合液に前記2−アミノ−6−クロロプリンを40〜70℃で、1〜2時間かけて滴下し、2−アミノ−6−クロロプリンを晶析させた。
【0069】
滴下終了後、晶析させた混合物を40〜70℃で0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物中に晶析している2−アミノ−6−クロロプリンの結晶を直径9cmのヌッチェ漏斗を使用して濾取した。2−アミノ−6−クロロプリンの晶析スラリー500mLを濾取する際には、28秒間を要した。
【0070】
次に濾取した結晶を、水150mLで2回およびメタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶を減圧下で乾燥し、2−アミノ−6−クロロプリンの白色結晶44.8g(0.264モル)を得た。2−アミノ−6−クロロプリンの精製収率は88%であり、純度は99.0%であった。
【0071】
かくして得られた2−アミノ−6−クロロプリンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例1と同様にして調べたところ、55μmであった。なお、乾燥時には、二次凝集物が認められなかった。
【0072】
なお、得られた2−アミノ−6−クロロプリンの白色結晶のIRスペクトルを調べたところ、該白色結晶のIRスペクトルが、J. Pharm. Sci., 1968, 57(12),2056-61に記載の方法によって得られた2−アミノ−6−クロロプリンの結晶のIRスペクトルと一致したことから、得られた白色結晶は、2−アミノ−6−クロロプリンの結晶であることが確認された。
【0073】
次に、得られた2−アミノ−6−クロロプリンの結晶0.8gを23℃のN,N−ジメチルホルムアミド100gに添加し、攪拌して該結晶が完全に溶解するまでの時間を調べたところ、7分間を要した。
【0074】
比較例2
従来法にしたがって、2−アミノ−6−クロロプリン50.9gを2%水酸化ナトリウム水溶液900gに溶解させた溶液に36%塩酸45.6gを添加し、晶析させた2−アミノ−6−クロロプリンの晶析スラリー500mLを、実施例1と同様にして、直径9cmのヌッチェ漏斗を使用して濾取したところ、その濾取には、208秒間を要した。
【0075】
乾燥後、得られた2−アミノ−6−クロロプリンの結晶の純度は、97.0%であった。
【0076】
得られた2−アミノ−6−クロロプリンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、5μmであった。また、乾燥時には、二次凝集物が生じていた。
【0077】
得られた2−アミノ−6−クロロプリンの結晶1.0gを23℃のN,N−ジメチルホルムアミド100gに添加し、30分間攪拌したが、二次凝集で生じた固い固体が溶け残った。
【0078】
実施例3および比較例2(従来法)の結果から、実施例3の方法によれば、従来法と比べて、2−アミノ−6−クロロプリンの結晶の濾過に要する時間が大幅に短縮されたことから、2−アミノ−6−クロロプリンの結晶は、濾過性に優れたものであることがわかる。
【0079】
また、実施例3および比較例2の結果から、実施例3の方法によれば、N,N−ジメチルホルムアミドに対する溶解速度が非常に速い2−アミノ−6−クロロプリンの結晶を得ることができることがわかる。
【0080】
実施例4
比較例2で得られた2−アミノ−6−クロロプリン17.0g(0.1モル)を2%水酸化ナトリウム水溶液300.0g(0.15モル)に室温下で溶解させ、2−アミノ−6−クロロプリン溶液を調製した。
【0081】
次に、水100mL、塩化アンモニウム16.1g(0.3モル)および28%アンモニア水30.4g(0.5モル)を混合し、40〜70℃に加温し、混合液を調製し、該混合液に前記2−アミノ−6−クロロプリン溶液を40〜70℃で、1〜2時間かけて滴下し、2−アミノ−6−クロロプリンを晶析させた。
【0082】
滴下終了後、前記2−アミノ−6−クロロプリン溶液と前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合した混合物を40〜70℃で、0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物中に晶析している2−アミノ−6−クロロプリンの結晶を直径9cmのヌッチェ漏斗を使用して濾取した。
【0083】
濾取した結晶を、水を150mLで2回およびメタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶を減圧下で乾燥し、2−アミノ−6−クロロプリンの白色の結晶15.1g(0.089モル)を得た。2−アミノ−6−クロロプリンの精製収率は、89%であり、純度は99.7%であった。
【0084】
得られた2−アミノ−6−クロロプリンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例1と同様にして調べたところ、55μmであった。なお、乾燥時には、二次凝集物が認められなかった。
【0085】
次に、得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶1.0gを23℃のN,N−ジメチルホルムアミド100gに添加し、攪拌して該結晶が完全に溶解するまでの時間を調べたところ、7分間を要した。
【0086】
実施例4および比較例2(従来法)の結果から、実施例3の方法によれば、従来法で得られた2−アミノ−6−クロロプリンの結晶の純度を大幅に向上させることができることがわかる。
【0087】
実施例5
製造例3で得られたグアニン45.3g(0.3モル)を2%水酸化ナトリウム水溶液1200.0g(0.6モル)に室温下で溶解させ、グアニン溶液を調製した。
【0088】
次に、水300mL、塩化アンモニウム48.4g(0.9モル)および28%アンモニア水91.2g(1.50モル)を混合し、40〜70℃に加温し、混合液を調製し、該混合液に前記グアニン溶液を40〜70℃で、1〜2時間かけて滴下し、グアニンを晶析させた。
【0089】
滴下終了後、晶析させた混合物を40〜70℃で0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物に晶析しているグアニンの結晶を直径9cmのヌッチェ漏斗を使用して濾取した。グアニンの晶析スラリー500mLを濾取する際には、302秒間を要した。
【0090】
次に濾取した結晶を水150mLで2回およびメタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶を減圧下で乾燥し、グアニンの白色の結晶44.8g(0.296モル)を得た。グアニンの精製収率は98.8%であり、純度は99.5%であった。
【0091】
得られたグアニンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例1と同様にして調べたところ、11μmであった。また、乾燥時には、二次凝集物が認められなかった。
【0092】
なお、得られたグアニンの白色結晶のIRスペクトルを調べたところ、得られた白色結晶のIRスペクトルは、特開昭59−16891号公報に記載の方法によって得られたグアニンの結晶のIRスペクトルと一致したことから、得られた白色結晶はグアニンの結晶であることが確認された。
【0093】
比較例3
従来法にしたがって、グアニン15.1gを2%水酸化ナトリウム水溶液400gに溶解させた溶液に36%塩酸20.3gを添加し、晶析させたグアニンの晶析スラリー500mLを実施例1と同様にして、直径9cmのヌッチェ漏斗を使用して濾取したところ、その濾取には378秒間を要した。乾燥後、得られたグアニンの結晶の純度は、99.0%であった。
【0094】
得られたグラニンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例1と同様にして調べたところ、1μmであった。なお、乾燥時には、二次凝集が生じていた。
【0095】
実施例5および比較例3(従来法)の結果から、実施例5の方法によれば、従来法で得られたグアニンの結晶の純度を高め、結晶の濾過速度を向上させることができることがわかる。
【0096】
【発明の効果】
本発明の2−アミノ−6置換プリンの精製方法によれば、比較的大きな粒子径を有する2−アミノ−6置換プリンが得られるので、2−アミノ−6置換プリンの結晶の二次凝集物を生じがたく、濾過する際の濾過性に優れ、しかも各種溶媒に対して速い溶解速度を呈する2−アミノ−6置換プリンの結晶を高純度で得ることができるという効果が奏される。

Claims (2)

  1. 一般式(I):
    Figure 0003930616
    (式中、Xは水酸基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す)
    で表わされる2−アミノ−6置換プリンをアルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解させ、得られた2−アミノ−6置換プリン溶液と、アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合することを特徴とする2−アミノ−6置換プリンの精製方法。
  2. 2−アミノ−6置換プリン溶液と、アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合する際のアンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液の温度が40〜70℃である請求項1記載の2−アミノ−6置換プリンの精製方法。
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