JP3929717B2 - 角膜顕微鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者眼の角膜を観察、撮影する装置に関し、更に詳しくは角膜の内皮、実質、上皮等の角膜の各細胞層を観察、撮影する角膜顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、角膜の細胞層を観察又は撮影等を行うための角膜顕微鏡装置が知られている。この角膜顕微鏡装置には、患者の角膜に装置の先端部(顕微鏡の対物レンズ部)を接触させて角膜を観察する接触式の装置や、先端部を接触させずに被検眼に対して斜め方向から照明光を当て、その反射光を受光して角膜を観察する非接触の角膜顕微鏡装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
接触式の角膜撮影装置は、角膜に顕微鏡の対物レンズ部を接触させるため、角膜上の反射光の影響を受け難く、角膜の各細胞層(上皮、実質、内皮等)の細胞層を観察するのに適しているが、装置本体の一部を角膜に接触させながら使用することは患者にとって非常に負担となる。また、接触式の装置は感染症等に気をつけなければならない。また、アライメントが難しいという問題がある。
【0004】
一方、非接触式の角膜顕微鏡装置は、対物レンズを角膜に接触させずに使用するため、患者への負担が少なく、感染症等の心配も少ない。しかしながら、この装置は角膜上の反射光の影響を受け易いため、角膜上皮等の角膜の表面に近い細胞層を良好に観察することは難しく、観察領域も狭くなってしまう。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、顕微鏡部を角膜に接触させることなく、広い観察領域を確保しつつ良好な観察・撮影ができる角膜顕微鏡装置を提供することを技術課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0007】
(1) 被検眼の角膜の一部を拡大して撮影する角膜顕微鏡装置において、被検眼の前眼部を正面から観察する前眼部観察光学系と、被検眼角膜に向けて斜め方向より照明光束を投光する照明光軸を持つとともに,該照明光軸上に置かれた第1スリットを所定の光学部材を介して前記被検眼角膜に前記第1スリット像として結像させる照明光学系と、前記前眼部観察光学系の観察光軸を挟んで角膜からの反射光を斜め方向から受光して撮像素子に導く撮像光軸を持つとともに,所定の光学部材を介して前記撮像光軸上であり前記第1スリット像と共役な位置に置かれる第2スリットを持つ撮像光学系と、前記照明光学系のスリット照明光を所期する撮像範囲に渡って走査すると共に角膜反射光が前記第2スリットを通過するように走査する走査手段と、を備え、前記走査手段は前記第2スリットと共用する第1スリットが円周上に所定間隔で設けられた回転部材を備え、該回転部材を回転することによりスリット照明光及び前記撮像素子に導く角膜反射光を走査することを特徴とする。
(2) (1)の角膜顕微鏡装置において、さらに前記照明光学系の光軸と撮像光学系の光軸とを交差させる光学部材を備え、前記第1スリットが前記交差位置を通るように前記回転部材を配置したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
<実施例1>
図1は実施例1にて使用する角膜顕微鏡装置の光学系を示した概略構成図である。
本実施の形態で使用する角膜顕微鏡装置の照明光学系及び撮像光学系は、スリット光を使用した共焦点光学系にて構成される。
【0014】
1は照明光を発する光源であり、ハロゲンランプが使用される。光源1はハロゲンランプに限らず所望する光量が得られるものであればよく、例えばLEDや水銀ランプ等を使用することができる。2は回転部材10が持つスリット10aの走査範囲全体を均一に照明するためのレンズである。3は反射ミラー、4は投光レンズである。
【0015】
光源1からの照明光はレンズ2によりスリット10aの走査範囲全体を均一に照明する。スリット10aを出射したスリット照明光は、反射ミラー3にて反射され、投光レンズ4を通過することにより角膜Eにてスリット像が結像される(撮影点E0の位置)。以上の光学部材を用いて照明光学系が構成される。
【0016】
撮像光学系は、対物レンズ5、反射ミラー6、照明光学系と共用するスリット10aを持つ回転部材10、リレーレンズ7、2次元CCD8を備える。ここでE1は撮像光軸L2上における撮影点E0と略共役となる位置である。また、照明光学系の光軸L1と撮像光学系の光軸L2とは反射ミラー3、6によって共役位置E1にて交差するようにその光学配置がされている。
【0017】
10は円盤状の回転部材であり、その円周上には一定の間隔で照明光を通過させるスリット10aが複数個設けられている。回転部材10はスリット10aが共役位置E1(照明光学系の投光レンズ4及び撮像光学系の対物レンズ5に関して共に角膜と略共役となる位置)に来るように配置されており、撮影したい位置をスリット結像位置と共役な位置に持ってくれば共役な撮影像が得られる。
【0018】
図2は回転部材10を図1のA方向から見たときの図である。図のように回転部材10の円周上に位置するスリット10aに共役位置E1が来るように回転部材10が設置されており、モータ11の駆動により回転部材10が矢印方向に回転するようになっている。ここでスリット10aは十分に細い孔であり、これによって実施例の角膜顕微鏡装置は共焦点型顕微鏡の効果を出すようにしている。また、回転部材10に当たる照明光束の反射光がCCD8に入射するのを防ぐために、光軸に対する回転部材10の設置角度を調節しておくことが好ましい。例えば、回転部材10の照明光が当たる面を若干CCD8側に向けて設置しておくようにする(図1の点線で示す設置角度)。
【0019】
回転部材10をこのように配置しておくことにより、回転部材10にて反射した光束がCCD8に入射するのを防ぐとともに、回転部材10が回転しても共役位置E1とCCD8の受光面とが略共役な位置を保つことができる。さらにこのときCCD8の設置角度も調節しておくことにより、共役位置E1とCCD8の受光面との共役関係をより好ましい状態にすることができる。
【0020】
照明光軸L1と撮像光軸L2とが撮影点E0の位置にてなす角度は、照明光量、細胞層の見え具合や角膜表面での反射光量等によって調節される。角度が大きくなれば角膜表面での反射光を除去し易くなるとともに、CCD8に入射する光量が多くなるため明るい映像が得られるが、照明光の走査によって撮影点E0と共役位置E1との共役関係が得られ難くなる。また、角度を狭くすると撮影点E0と共役位置E1との共役関係が得られ易い反面、角膜表面での反射光がCCD8に入射し易くなるとともに、得られる光量も少なくなる。また、前眼部観察光学系を設置することが難しくなる。このため、照明光軸L1と撮像光軸L2とが撮影点E0にてなす角度は好ましくは30°〜60°、より好ましくは40°〜50°である。
【0021】
20は被検眼前眼部を正面から観察するための前眼部観察光学系であり、前眼部観察用のカメラレンズ21、撮像用のCCDカメラ22を持つ。対物レンズ21の光軸は照明光軸L1と撮像光軸L2との間に配置される。また、前眼部観察光学系20にはアライメント指標を正面から投影するアライメント光学系を組み込むことにより、CCDカメラ22で撮像された前眼部の映像を図示しないモニタで見ながらアライメントを行うことができる。
【0022】
以上のような構成を備える角膜顕微鏡装置において、その動作について説明する。
前眼部観察光学系20を用いて角膜Eに対して装置の光学系(照明光学系、撮像光学系)を所定の位置に合わせる(又は被検眼と角膜顕微鏡装置との位置関係を目視にて合わせてもよい)。光源1からの照明光束はレンズ2を経た後、回転部材10のスリット10aを通過しスリット光とされ、反射ミラー3、投光レンズ4を通過して角膜Eの撮影点E0にて集光する。照明光束の撮影点E0の位置における反射光(像光線)は、撮像光軸L2上の対物レンズ5、反射ミラー6を経てスリット10aを通過する。スリット10aを通過した反射光束はリレーレンズ7を経てCCD8に受光される。一方、回転部材10はモータ11によりCCD8の同期信号よりも充分早い回転速度にて回転される。回転部材10の回転により、スリット10aが一定の方向に移動するため、照明光束は角膜の一定の領域を幅の狭い照明光束として繰り返し走査することとなる。角膜からの反射光(像光線)は再びスリット10aを通過してCCD8の受光面全域に幅の狭い反射光束が繰り返し走査されることとなる。その結果、図示なきモニタには角膜の細胞像が広い範囲で映し出されることとなる。
【0023】
このように照明光軸と撮像光軸上に形成される共役位置を互いに交差させておき、そこにスリット10aを位置させることにより、1つのスリットにて共焦点顕微鏡の効果を得ることができるため、簡単な構成により解像度の高い画像を映し出すことができる。
【0024】
以上の実施例では、1つのスリットにて走査型の共焦点顕微鏡の効果を得るものとしているが、これにかぎるものではなく、照明光軸と撮像光軸とを交差させず各々の共役位置にそれぞれスリットを設けて置くこともできる。
【0025】
図3は照明光軸と撮像光軸にそれぞれ共焦点用のスリットを用意した場合の光学系を示す図である。実施例1と同機能のものには同符号を付してある。
【0026】
30は円筒形の回転部材である。回転部材30の円周上(側面)にはスリットが一定間隔で設けられている。図3(a)に示すように回転部材30の内部には反射ミラー31、32が設置されている。光源1は回転部材30の下方に設置されており、光源1からの照明光はレンズ2を経た後、反射ミラー31にて反射され、スリット30aを通過する。スリット30aを通過した照明光は反射ミラー3、投光レンズ4を経て角膜Eの撮影点E0(スリット30aと共役な位置)にて集光する。
【0027】
撮影点E0の位置にて反射する反射光は対物レンズ5、反射ミラー6を経てスリット30bを通過する。スリット30bを通過した反射光束は反射ミラー32にて下方に導かれ、リレーレンズ7を経てCCD8に受光するようになっている。また、E2,E3はともに角膜の撮影点E0と共役となる位置である。
【0028】
回転部材30は図3(b)に示すモータ33により円周の中心を軸に回転し、これによって角膜への照明光の走査、及びCCD8の受光面への反射光の走査が行われるようになっている。
【0029】
このように照明光軸と撮像光軸とで異なるスリットを使用しても一つの回転部材を用いているため、走査時におけるスリット同士の同期を取る必要がない。また、スリット同士の同期を取る必要があるが、照明光軸L1の共役位置(E3)と撮像光軸L2の共役位置(E2)に、スリットを有した回転部材を各々別に設置しておき、この2つの回転部材を回転させて走査を行うこともできる。
【0030】
上記の実施例では照明光の走査をスリットの移動によるものとしているが、これに限るものではなく、照明光束をミラーの角度変更によって角膜Eに対して走査することもできる。以下に実施例2としてミラーの角度変更によって照明光束の走査を行う角膜顕微鏡装置について説明する。
【0031】
<実施例2>
図4は実施例2で用いる角膜顕微鏡装置の光学系を示した図である。ここで実施例1と同機能のものには同符号を付してある。
【0032】
40は照明光を発する光源であり、実施例では指向性の強いレーザダイオードである。光源40から出射される照明光束の断面形状は細いスリット孔の形状に形成されている。41は表面に反射面を有する多面体からなる回転部材であり、実施例では正八面体のポリゴンミラーを使用している。実施例ではポリゴンミラーを使用しているが、これに限るものではなく、反射面を有する多面体であればよい。例えば多数の反射面を持つプリズム等が使用できる。ポリゴンミラー41は図示なきモータによって一方向に回転可能である。
【0033】
3,6は反射ミラー、4は投光レンズ、5は対物レンズ、42はスリット、7はリレーレンズ、43は一次元CCDである。CCD43はスリット42の長手方向と一致する受光面を持つ。光源40から出射されたスリット照明光束は、ポリゴンミラーの反射面41aにて反射された後、反射ミラー3によりその方向を変えられて投光レンズ4を経て角膜E(撮影点E0)に斜め方向から集光するようになっている。角膜からの反射光は撮像光軸上L2上の対物レンズ5を経た後、反射ミラー6によりその方向を変え、ポリゴンミラー41の反射面41bにて反射される。反射面41bにて反射した反射光束は、角膜E(撮影点E0)と略共役位置に位置するスリット42を通過し、リレーレンズ7を経てCCD43にて受光される。
【0034】
なお、反射ミラー3,6は、ポリゴンミラー41の反射面41a上での照明光の反射位置と反射面41b上での反射光の反射位置とが同じになるように、その設置角度が決定されている。
【0035】
ポリゴンミラー41を回転させて光源40から出射される照明光束を角膜Eにて走査させると、その反射光はCCD43の受光面にて受光される。また、実施例1と同様に照明光軸と撮像光軸とが撮影点E0にてなす角度は、好ましくは30°〜60°、より好ましくは40°〜50°である。
【0036】
また、ポリゴンミラー41の反射面とリレーレンズ7との間には、撮影点E0と共役となる位置E4が形成されており、ここに十分に幅の狭いスリット42を配置したことによって、走査型の共焦点顕微鏡の効果が得られることとなる。
【0037】
以上のような構成を備える角膜顕微鏡装置において、その動作について説明する。
前眼部観察光学系20を用いて角膜Eに対して各光学系(照明光学系、撮像光学系)を所定の位置に合わせる。光源40からのスリット照明光束はポリゴンミラー41の反射面41aにて反射された後、反射ミラー3にて方向を変え投光レンズ4を通過して角膜Eの撮影点E0の位置にて集光する。
【0038】
照明光束の撮影点E0における反射光(像光線)は撮像光軸L2上の対物レンズ5、反射ミラー6を経た後、ポリゴンミラー41の反射面41bにて反射される。反射面41bにて反射した反射光束は、スリット42の位置にて集光した後、リレーレンズ7を経てCCD43に受光される。
【0039】
一方、ポリゴンミラー41は図示なきモータにより一定方向に回転される。ポリゴンミラーの回転により、反射面41aの角度が変化するため、反射面41aを反射した照明光束は、角膜の一定の領域を幅の狭い照明光束にて走査することとなる。ポリゴンミラー41が更に回転し、反射面41aの隣に位置する反射面に対して照明光が当たると、再び反射面41aの場合と同様の走査範囲を繰り返して照明することとなる。
【0040】
角膜の一定の領域を照明光束にて走査することにより、CCD43の受光面には経時的に変化する照明箇所からの反射光束が受光されることとなる。一回の走査によって得られる異なる照明箇所からの受光像(反射光束)は、画像処理部50によってモニタ51上に順に並べられて一画面にて表示される。これを繰り返すことにより、モニタ51には解像度の高い角膜の細胞像が広い範囲で映し出されることとなる。
【0041】
実施例2では、レーザダイオードを光源に使用しているが、これに限るものではなく、ハロゲンランプや水銀ランプ等の光量の大きいものであれば使用することができる。ハロゲンランプや水銀ランプを使用する場合には、実施例2で示した照明光学系の光軸上に、投光レンズ4により角膜E(E0)と略共役となる位置にスリットを設置すればよい。
【0042】
このように、反射ミラーの反射角度を常時変化させることにより、角膜Eにおける照明光の走査を行うことができるとともに、共焦点顕微鏡の効果を得ることができるため、広い撮影視野を確保しつつ解像度のよい映像を得ることができる。またこれによって、従来では難しかった実質、上皮等の角膜の細胞層の観察、撮影を非接触式の角膜顕微鏡装置で行うことができる。
【0043】
また、実施例2では1次元CCDを使用しているが、2次元CCDを使用した場合の光学系を図5に示し説明する。
【0044】
60はハロゲンランプ等の光源である。61は集光レンズ、62はスリット、63,64は反射ミラー、65は対物レンズである。80はガルバノミラーである。光源60から発せられる照明光は集光レンズにてスリット62の位置にて集光したあと、反射ミラー63にて反射され、ガルバノミラー80の反射面80aにて反射される。ガルバノミラー80の反射面80aにて反射した照明光は反射ミラー64、対物レンズ65を経て被検眼Eの角膜上に集光する(撮影点E0の位置)。また、スリット62の位置は対物レンズ65に対して撮影点E0と共役となっている。これらの光学部材にて照明光学系が構成される。
【0045】
また、66は対物レンズ、67,68,69は反射ミラー、70はスリット、71,72はリレーレンズ、73は2次元CCDである。撮影点E0での反射光は対物レンズ66、反射ミラー67を経たあとガルバノミラー80の反射面80bにて反射される。反射面80bにて反射された反射光は反射ミラー68,69にて折り曲げられ再びガルバノミラー80へ向かう。ガルバノミラー80へ向かう反射光はスリット70、リレーレンズを経たあと反射面80cにて反射される。反射面80cにて反射された反射光はリレーレンズ72を経てCCD73に受光される。このときスリット70の位置は対物レンズ66に対して撮影点E0と共役な位置となっている。これらの光学部材にて撮像光学系が構成される。
【0046】
ガルバノミラー80を図示する矢印方向に振ることにより照明光が角膜の所定範囲において走査され、その反射光が再びガルバノミラーの反射面にて反射されCCD73に受光される。その結果、図示なきモニタには解像度の高い映像が広い範囲で映し出されることとなる。
【0047】
<実施例3>
次に、照明光軸と撮影光軸とに各々スリットを有する回転部材を設けた場合の実施例について図6、図7を用いて説明する。
【0048】
80は照明光を発する光源であり、ハロゲンランプが使用される。光源80はハロゲンランプに限らず所望する光量が得られるものであればよく、例えばLED、水銀ランプ、レーザダイオード等を使用することができる。81は回転部材82が持つスリット82aの走査範囲全体を均一に照明するためのレンズである。83は投光レンズである。回転部材82は円周上に一定の間隔で照明光を透過させるスリット82aが複数個設けられている。ここでE5は照明光軸L1における撮影点E0(スリット像が結像する位置)と投光レンズ83を介して略共役となる位置である。これらの部材によって照明光学系が構成される。
【0049】
撮像光学系は、対物レンズ84、回転部材85、リレーレンズ86、2次元CCD87を備える。回転部材85は円周上に一定の間隔で照明光を透過させるスリット85aが複数個設けられており、回転部材82と同形状のものである。ここでE6は撮像光軸L2上における撮影点E0と対物レンズ84を介して略共役となる位置である。また、スリット82a,85aの開口部の幅は十分に狭いものであり、これによって共焦点顕微鏡の効果をだすものとしている。
【0050】
また、回転部材82,85はモータ88a,88bによって同方向に回転するようになっている。このように2枚の回転部材を使用して照明光の走査、反射光の受光を行うためには回転部材82,85の同期をとる必要がある。
【0051】
図7は回転部材82,85の回転速度を一致させ、同期をとるための制御を示すブロック図である。
88a,88bは回転部材82,85を各々回転させるためのモータ、89a,89bは回転部材82,85の回転状態を検出するためのフォトインタラプタからなるセンサである。センサ89a(89b)は回転部材82(85)に設けられているスリット82a(85a)を通過する光を検知している。90は回転部材82,85の同期をとるための制御部である。制御部90はモータ90a(90b)の駆動を制御するドライバ91a(91b)、水晶振動子を使用して同期の基準となる信号を発信する基準発信部92、基準発信部92からの信号とセンサ89a(89b)からの検知信号とを比較する信号比較部93a(93b)からなる。
【0052】
モータ88a(88b)が駆動し、回転部材82(85)が回転するとその回転状態はセンサ89a(89b)にて光パルスの信号として検知される。センサ89a(89b)からの信号は信号比較部93a(93b)にて受信され、その位相と周波数が基準発信部92からの信号と比較される。信号比較部93a(93b)は基準発信部92からの信号と同じ位相、周波数となるようにドライバ91a(91b)を使用してモータ88a(88b)を駆動制御する。これにより回転部材82と回転部材85との同期がとれることとなる。
【0053】
以上のような構成を備える装置において、その動作について簡単に説明する。光源80からの照明光束はレンズ81を経た後、回転部材82のスリット82aを通過しスリット光とされ、投光レンズ83を通過して角膜Eの撮影点E0にて集光する。照明光束の撮影点E0の位置における反射光(像光線)は、撮像光軸L2上の対物レンズ84を経てスリット85aを通過する。スリット85aを通過した反射光束はリレーレンズ86を経てCCD87に受光される。
【0054】
一方、回転部材82はモータ88aによりCCD87の同期信号よりも充分早い回転速度にて回転される。回転部材82の回転により、スリット82aが一定の方向に移動するため、照明光束は角膜の一定の領域を幅の狭い照明光束として繰り返し走査することとなる。角膜からの反射光(像光線)は回転部材82と同期した回転部材85のスリット85aを通過してCCD87の受光面全域に幅の狭い反射光束が繰り返し走査されることとなる。その結果、図示なきモニタには解像度の高い角膜の細胞像が広い範囲で映し出されることとなる。
【0055】
また、共焦点光学系を用いているため角膜表面での反射光を除去することができ、角膜内皮、実質、上皮等の角膜の各細胞層を解像度の高い映像にて観察することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明は照明光束を被検眼に対して斜方から入射させるとともに走査型の共焦点光学系を構成したことにより、角膜内皮、実質、上皮等の角膜の各細胞層について視野が広く解像度が高い映像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いる角膜顕微鏡装置の光学系を示した図である。
【図2】回転部材の詳細を示した図である。
【図3】照明光軸と撮像光軸にそれぞれ共焦点用のスリットを用意した場合の光学系を示した図である。
【図4】実施例2で用いる角膜顕微鏡装置の光学系を示した図である。
【図5】2次元CCDを使用した場合の光学系を示した図である。
【図6】照明光軸と撮影光軸とに各々スリットを有する回転部材を設けた場合の光学系を示した図である。
【図7】2枚の回転部材の同期をとるための制御を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光源
2 レンズ
3 反射ミラー
4 投光レンズ
5 対物レンズ
6 反射ミラー
7 リレーレンズ
8 2次元CCD
10 回転部材
10a スリット
20 前眼部観察光学系
21 カメラレンズ
22 CCDカメラ
Claims (2)
- 被検眼の角膜の一部を拡大して撮影する角膜顕微鏡装置において、被検眼の前眼部を正面から観察する前眼部観察光学系と、被検眼角膜に向けて斜め方向より照明光束を投光する照明光軸を持つとともに,該照明光軸上に置かれた第1スリットを所定の光学部材を介して前記被検眼角膜に前記第1スリット像として結像させる照明光学系と、前記前眼部観察光学系の観察光軸を挟んで角膜からの反射光を斜め方向から受光して撮像素子に導く撮像光軸を持つとともに,所定の光学部材を介して前記撮像光軸上であり前記第1スリット像と共役な位置に置かれる第2スリットを持つ撮像光学系と、前記照明光学系のスリット照明光を所期する撮像範囲に渡って走査すると共に角膜反射光が前記第2スリットを通過するように走査する走査手段と、を備え、前記走査手段は前記第2スリットと共用する第1スリットが円周上に所定間隔で設けられた回転部材を備え、該回転部材を回転することによりスリット照明光及び前記撮像素子に導く角膜反射光を走査することを特徴とする角膜顕微鏡装置。
- 請求項1の角膜顕微鏡装置において、さらに前記照明光学系の光軸と撮像光学系の光軸とを交差させる光学部材を備え、前記第1スリットが前記交差位置を通るように前記回転部材を配置したことを特徴とする角膜顕微鏡装置。
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