JP3927251B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置に関し、詳しくは半導体装置の組立後に内部回路の状態を複数設定することのできる半導体装置の回路構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置内に設けられたトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ素子等からなる回路では、製造条件のばらつき等のために素子の電気的特性がばらつくことにより発振周波数、電圧値、電流値等の特性値が、所望の精度範囲以上にばらつくことが多い。
【0003】
従って、これらの特性に製造ばらつきによる精度(以下「作り込み精度」と称す)以上の精度が要求される場合には、半導体装置に特性を調整するための外部接続用端子(特性調整用端子)を複数個予め形成しておいて、半導体装置組立後の特性測定結果に応じて必要な特性調整用端子を選択的に設定することにより要求の精度が得られるようにしていた。また別の方法として、半導体装置形成時に特性選択用の回路を予め複数形成しておいて、ウェハ状態での電気的特性測定の結果に応じて必要な回路を残し他の回路をレーザ光線等で切断することにより、要求される精度が得られる回路構成の半導体チップを得て、これを樹脂封止して半導体装置を完成するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法の場合には、最終的に不要となる特性調整用端子及びそれに接続される半導体チップ内の端子(パッド)が多数必要となるので、半導体チップのチップサイズ及び半導体装置のパッケージサイズが大きくなるとともに、半導体装置の単価が高くなるという問題がある。また、後者の場合には、ウェハ状態で一度調整された電気的特性が、調整後に行われる半導体チップの樹脂封止時の温度や応力等の影響により再び変化してしまい、所望の精度が得られないで歩留りが大幅に低下することがある。
【0005】
そこで本発明はこれらの問題を解決し、半導体装置の端子数を大幅に増やすことなく、半導体チップの樹脂封止後に電気的特性を調整することのできる半導体装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、請求項1の記載に係わる半導体装置は、1チップの集積回路として形成されるとともに電気的特性値の調整が必要な内部回路を有する半導体装置において、一端が基準電位に接続されたヒューズ素子と、ヒューズ素子の他端と特性調整用端子との間に接続された電圧設定部と、からなる状態設定回路を複数個有し、電圧設定部は各々異なる数の電圧設定素子が接続された回路もしくは電圧設定素子のない配線のみの回路から構成され、電圧設定部とヒューズ素子とのそれぞれの接続点を内部回路に接続するとともに、前記特性調整用端子に所定の電圧を印加することにより前記状態設定回路の所定のヒューズ素子を切断するようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の記載に係わる半導体装置は、1チップの集積回路として形成されるとともに電気的特性値の調整が必要な内部回路を有する半導体装置において、半導体装置の基準電位と特性調整用端子との間に、ヒューズ素子としての機能を有する電圧設定素子が各々異なる数接続された状態設定回路を複数個有し、
一端を基準電位に接続された電圧設定素子の他端側を内部回路にそれぞれ接続するとともに、前記特性調整用端子に所定の電圧を印加することにより前記状態設定回路の所定のヒューズ素子を切断するようにしたことを特徴とする。
【0008】
従って、本発明の半導体装置の回路構成によれば、半導体装置の端子数を大幅に増やす必要がないとともに、簡単な回路構成で半導体装置が完成した後に特性値の調整ができるようになる。
【0009】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。尚、本明細書では、全図面を通して、同一または同様の部位には同一の符号を付して説明することにより重複する説明を省略している。図1は本発明の第1の実施の形態としての半導体装置の要部を示す回路図で、半導体装置の半導体チップ10は、チップ内に設けられた状態設定回路SL1c乃至SL4cと、各状態設定回路の設定状態を検出するための定電流源回路13a乃至13dからなる電流源回路13と、製造ばらつきによる電気的特性の精度(以下「作り込み精度」と称す)以上の精度が要求される回路の定数を変更するための調整回路15と、各状態設定回路、電流源回路13及び調整回路15との間をそれぞれ対応して接続する配線L1乃至L4と、各状態設定回路の一端を半導体装置の外部接続用端子(以下「特性調整用端子」と称す)に金属細線等で接続するための端子(パッド)T1とから構成されている。
【0010】
各状態設定回路は、端子T1と基準電位(GND)との間に並列して設けられるとともに、基準電位と各配線との間に設けられて過電流が流されることにより溶断するヒューズ素子11a乃至11dと、各配線と端子T1との間に電圧設定素子としてダイオード素子12a乃至12fが各々異なる数接続された電圧設定部とから構成され、電流源回路13の各定電流源回路には、定電流源回路の動作を一括して制御するための制御線L5が接続されている。
【0011】
図1の各状態設定回路の設定手順及び本発明の半導体装置の使用方法について説明する。まづ、トランジスタ、ダイオード、抵抗及びコンデンサ素子等からなる回路(図示なし)を有する半導体チップを樹脂封止した後の半導体装置において、作り込み精度以上の精度または半導体装置の高歩留りを実現するために特性値の調整が必要な電気的特性、例えば、発振周波数、電圧値、電流値等を半導体テスタ等の測定装置により測定し、測定結果に応じて1つもしくは複数の状態設定回路の切断すべきヒューズ素子を決定する。
【0012】
次に、端子T1に図示しない外部電源から、状態設定回路の電圧設定部に応じた電圧を印加して、選択されたヒューズ素子のみに許容電流以上の電流を流して溶断させることにより、所望の電気的特性の調整情報が記録された半導体装置が得られる。このようにして得られた半導体装置を応用基板に搭載して使用する場合には、応用基板の動作開始前に半導体装置の事前動作として、電流源回路13の各定電流源回路を制御線L5により動作させれば、溶断されていないヒューズ素子のみに電流が流れるので、各ヒューズ素子の接続状態(調整情報)を調整回路15で検出して結果をRAM等の記憶回路に記憶し、所望の精度が要求される回路の回路定数を記憶データに応じて設定するように動作させる。これにより、半導体装置の電気的特性のばらつきが抑えられ、作り込み精度以上に特性精度を向上することができるようになる。尚、応用基板に搭載した半導体装置の特性調整用端子は非接続にしておけば良い。
【0013】
次に、各ヒューズ素子の選択的な溶断方法について更に詳しく説明する。例えば、テスタでの特性測定の結果ヒューズ素子11a乃至11cを溶断する場合には、外部電源から端子T1にダイオード素子2個分の順方向電圧(2VF )を越え且つダイオード素子3個分の順方向電圧(3VF )未満の電圧を印加すれば、状態設定回路SL4cの設定電圧(3VF )よりは低い電圧なのでヒューズ素子11dには電流が流れないとともに、ヒューズ素子11a乃至11cにはヒューズ素子の許容電流以上の電流値、例えば、数10mAから数100mAの範囲の中の一定電流が流れることになり、ヒューズ素子11a乃至11cのみが溶断される。
【0014】
同様に、端子T1に1VF 未満の電圧を印加すればヒューズ素子11aのみが溶断され、1VF を越え且つ2VF 未満の電圧を印加すればヒューズ素子11a及び11bが溶断され、3VF を越える電圧を印加すればヒューズ素子11a乃至11dの全てが溶断されるので、図1の回路により5つの状態設定が可能となる。
【0015】
図2は、本発明に使用するヒューズ素子の形状例を示し、半導体装置の内部に設けられたアルミニウムやポリシリコン等による配線、又は拡散層やポリシリコン等による抵抗素子等の一部を他の部分の層厚と同じ層厚のまま細くし、その部分の許容電流容量を小さくしたものをヒューズ素子として用いている。ヒューズ素子の溶断される部分の幅(W2)は、半導体素子のデザインルールの最小線幅(W1)の半分程度であれば、部分的なデザインルール違反とはなるが、製造ばらつきによりヒューズ素子が断線した状態で形成されてしまって歩留りが低下するという問題が殆どないとともに、溶断のための電流値が比較的少なくて済む。W2の具体的な幅値としては0.1μm乃至1μm程度が良い。
【0016】
図3は、第1の実施の形態の他の実施の形態の要部を示す回路図で、半導体チップ10aは、図1の各ダイオード素子の変わりに、ツェナダイオード素子14a乃至14fを電圧設定素子として使用した状態設定回路SL1b乃至SL4bが設けられた回路になっている。従って、各ヒューズ素子を溶断するときに、端子T1に印加する電圧がツェナダイオード素子のツェナ電圧(Vz)の倍数が基準になること以外は図1の回路と同様にして使用すれば良く、詳細な説明は省略する。
【0017】
図4は、本発明の第2の実施の形態の要部を示す回路図で、半導体装置の半導体チップ10bは、端子T1と基準電位との間に電圧設定素子とヒューズ素子との機能を兼ねたツェナダイオード素子14a乃至14jが並列して設けられた状態設定回路SL1c乃至SL4cと、各状態設定回路の設定状態を検出するためのスイッチ回路16a乃至16dを介して電源に各々接続される抵抗17a乃至17dとからなる電圧源回路16と、作り込み精度以上の精度が要求される回路の定数を変更するための調整回路15bと、各状態設定回路、電圧源回路16及び調整回路15bとの間をそれぞれ対応して接続する配線L1′乃至L4′とから構成されている。
【0018】
配線L1′乃至L4′は電圧源回路16の各抵抗の一端にそれぞれ接続されるとともに、各配線の接続状態を検出するための調整回路15bと、基準電位に接続されたツェナダイオードの他端側とに接続され、電圧源回路16のスイッチ回路にはスイッチ回路の数に応じた数(n本)の制御線L6が接続されている。
この回路で各状態設定回路を設定するには、第1の実施の形態と同様に、組立後の特性測定結果に応じた一定電圧を外部電源から端子T1に印加し、状態設定回路の設定電圧が外部電源電圧未満のツェナダイオード素子のみに許容以上の電流を流すようにする。これにより、許容電流以上の電流が流れた状態設定回路のツェナダイオード素子は全て破壊され、破壊された状態設定回路に接続された各配線L1′乃至L4′が開放状態の半導体装置が得られる。
【0019】
このようにして得られた半導体装置を応用基板に搭載して使用する場合には、応用基板の動作開始前に半導体装置の事前動作として、電圧源回路16の各スイッチ回路を制御線L6により各々動作させながら各配線の電圧を調整回路15bで検出することにより、各ツェナダイオード素子が接続されているか否かを検出でき、各制御線に対する各状態設定回路の設定状態の対応データを図示しないRAM等の記憶回路に記憶させ、記憶された対応データを基に所望の特性精度が要求される回路の回路定数を調整回路15bで制御するように動作させる。
【0020】
尚、本発明の半導体装置は上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、状態設定回路の数は2つ以上であれば良いとともに、電圧設定素子は一定の電圧設定が可能な回路、例えば、トランジスタのベース−エミッタ間電圧やMOSトランジスタのスレッショルド電圧等の特性を使用した回路で構成しても良い。また、調整回路はヒューズ素子に流れる電流または電圧設定素子による電圧を確認できる回路、例えば、コンパレータ回路等を使用した回路で構わない。ツェナ電圧が電源電圧よりも高い場合や、消費電流を気にしない場合には電圧源回路のスイッチ回路を省略しても良い。ヒューズ素子は、配線に比べて比抵抗値が高く融点温度の低い材料を使用して、配線以上の幅または層厚にヒューズ素子を形成しても良い。
【0021】
更に、本実施の形態では、電圧設定素子として同一の電圧素子の数が異る場合についてのみ説明したが、ダイオードとツェナダイオード等を組み合わせることにより、同じ数の電圧設定素子で設定電圧を変えられるように状態設定回路を構成しても良い。また、図1乃至図3の状態設定回路の電圧設定部は、電圧設定素子の数を少なくするために状態設定回路SL1cには電圧設定素子が一つもない場合を示し、他の電圧設定部は電圧設定素子を一個づつ増やす場合のみを示しているが、各状態設定回路に1つ以上の電圧設定素子を設けるようにしたり、電圧設定素子を複数個づつ増やすようにしても良い。
以上
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体装置の回路構成によれば、半導体装置の端子数を大幅に増やす必要がないとともに、半導体装置の組立後に簡単な回路構成で所望の特性値の調整ができるようになるので、小型で特性精度の良い半導体装置を容易に使用できるようになるという効果がある。更に、特性精度が良いので歩留まりが良くなり、半導体装置の単価が抑えられるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す回路図、
【図2】 本発明に使用するヒューズ素子の形状例を示す形状図、
【図3】 本発明の第1の実施の形態の他の例を示す回路図、
【図4】 本発明の第2の実施の形態を示す回路図、
【符号の説明】
10 :半導体チップ(半導体装置)
T1 :端子(特性調整用端子)
SL1〜SL4:状態設定回路
11a〜11c:ヒューズ素子
12a〜12f:電圧設定素子(ダイオード素子)
13 :電流源回路
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置に関し、詳しくは半導体装置の組立後に内部回路の状態を複数設定することのできる半導体装置の回路構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置内に設けられたトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ素子等からなる回路では、製造条件のばらつき等のために素子の電気的特性がばらつくことにより発振周波数、電圧値、電流値等の特性値が、所望の精度範囲以上にばらつくことが多い。
【0003】
従って、これらの特性に製造ばらつきによる精度(以下「作り込み精度」と称す)以上の精度が要求される場合には、半導体装置に特性を調整するための外部接続用端子(特性調整用端子)を複数個予め形成しておいて、半導体装置組立後の特性測定結果に応じて必要な特性調整用端子を選択的に設定することにより要求の精度が得られるようにしていた。また別の方法として、半導体装置形成時に特性選択用の回路を予め複数形成しておいて、ウェハ状態での電気的特性測定の結果に応じて必要な回路を残し他の回路をレーザ光線等で切断することにより、要求される精度が得られる回路構成の半導体チップを得て、これを樹脂封止して半導体装置を完成するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法の場合には、最終的に不要となる特性調整用端子及びそれに接続される半導体チップ内の端子(パッド)が多数必要となるので、半導体チップのチップサイズ及び半導体装置のパッケージサイズが大きくなるとともに、半導体装置の単価が高くなるという問題がある。また、後者の場合には、ウェハ状態で一度調整された電気的特性が、調整後に行われる半導体チップの樹脂封止時の温度や応力等の影響により再び変化してしまい、所望の精度が得られないで歩留りが大幅に低下することがある。
【0005】
そこで本発明はこれらの問題を解決し、半導体装置の端子数を大幅に増やすことなく、半導体チップの樹脂封止後に電気的特性を調整することのできる半導体装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、請求項1の記載に係わる半導体装置は、1チップの集積回路として形成されるとともに電気的特性値の調整が必要な内部回路を有する半導体装置において、一端が基準電位に接続されたヒューズ素子と、ヒューズ素子の他端と特性調整用端子との間に接続された電圧設定部と、からなる状態設定回路を複数個有し、電圧設定部は各々異なる数の電圧設定素子が接続された回路もしくは電圧設定素子のない配線のみの回路から構成され、電圧設定部とヒューズ素子とのそれぞれの接続点を内部回路に接続するとともに、前記特性調整用端子に所定の電圧を印加することにより前記状態設定回路の所定のヒューズ素子を切断するようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の記載に係わる半導体装置は、1チップの集積回路として形成されるとともに電気的特性値の調整が必要な内部回路を有する半導体装置において、半導体装置の基準電位と特性調整用端子との間に、ヒューズ素子としての機能を有する電圧設定素子が各々異なる数接続された状態設定回路を複数個有し、
一端を基準電位に接続された電圧設定素子の他端側を内部回路にそれぞれ接続するとともに、前記特性調整用端子に所定の電圧を印加することにより前記状態設定回路の所定のヒューズ素子を切断するようにしたことを特徴とする。
【0008】
従って、本発明の半導体装置の回路構成によれば、半導体装置の端子数を大幅に増やす必要がないとともに、簡単な回路構成で半導体装置が完成した後に特性値の調整ができるようになる。
【0009】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。尚、本明細書では、全図面を通して、同一または同様の部位には同一の符号を付して説明することにより重複する説明を省略している。図1は本発明の第1の実施の形態としての半導体装置の要部を示す回路図で、半導体装置の半導体チップ10は、チップ内に設けられた状態設定回路SL1c乃至SL4cと、各状態設定回路の設定状態を検出するための定電流源回路13a乃至13dからなる電流源回路13と、製造ばらつきによる電気的特性の精度(以下「作り込み精度」と称す)以上の精度が要求される回路の定数を変更するための調整回路15と、各状態設定回路、電流源回路13及び調整回路15との間をそれぞれ対応して接続する配線L1乃至L4と、各状態設定回路の一端を半導体装置の外部接続用端子(以下「特性調整用端子」と称す)に金属細線等で接続するための端子(パッド)T1とから構成されている。
【0010】
各状態設定回路は、端子T1と基準電位(GND)との間に並列して設けられるとともに、基準電位と各配線との間に設けられて過電流が流されることにより溶断するヒューズ素子11a乃至11dと、各配線と端子T1との間に電圧設定素子としてダイオード素子12a乃至12fが各々異なる数接続された電圧設定部とから構成され、電流源回路13の各定電流源回路には、定電流源回路の動作を一括して制御するための制御線L5が接続されている。
【0011】
図1の各状態設定回路の設定手順及び本発明の半導体装置の使用方法について説明する。まづ、トランジスタ、ダイオード、抵抗及びコンデンサ素子等からなる回路(図示なし)を有する半導体チップを樹脂封止した後の半導体装置において、作り込み精度以上の精度または半導体装置の高歩留りを実現するために特性値の調整が必要な電気的特性、例えば、発振周波数、電圧値、電流値等を半導体テスタ等の測定装置により測定し、測定結果に応じて1つもしくは複数の状態設定回路の切断すべきヒューズ素子を決定する。
【0012】
次に、端子T1に図示しない外部電源から、状態設定回路の電圧設定部に応じた電圧を印加して、選択されたヒューズ素子のみに許容電流以上の電流を流して溶断させることにより、所望の電気的特性の調整情報が記録された半導体装置が得られる。このようにして得られた半導体装置を応用基板に搭載して使用する場合には、応用基板の動作開始前に半導体装置の事前動作として、電流源回路13の各定電流源回路を制御線L5により動作させれば、溶断されていないヒューズ素子のみに電流が流れるので、各ヒューズ素子の接続状態(調整情報)を調整回路15で検出して結果をRAM等の記憶回路に記憶し、所望の精度が要求される回路の回路定数を記憶データに応じて設定するように動作させる。これにより、半導体装置の電気的特性のばらつきが抑えられ、作り込み精度以上に特性精度を向上することができるようになる。尚、応用基板に搭載した半導体装置の特性調整用端子は非接続にしておけば良い。
【0013】
次に、各ヒューズ素子の選択的な溶断方法について更に詳しく説明する。例えば、テスタでの特性測定の結果ヒューズ素子11a乃至11cを溶断する場合には、外部電源から端子T1にダイオード素子2個分の順方向電圧(2VF )を越え且つダイオード素子3個分の順方向電圧(3VF )未満の電圧を印加すれば、状態設定回路SL4cの設定電圧(3VF )よりは低い電圧なのでヒューズ素子11dには電流が流れないとともに、ヒューズ素子11a乃至11cにはヒューズ素子の許容電流以上の電流値、例えば、数10mAから数100mAの範囲の中の一定電流が流れることになり、ヒューズ素子11a乃至11cのみが溶断される。
【0014】
同様に、端子T1に1VF 未満の電圧を印加すればヒューズ素子11aのみが溶断され、1VF を越え且つ2VF 未満の電圧を印加すればヒューズ素子11a及び11bが溶断され、3VF を越える電圧を印加すればヒューズ素子11a乃至11dの全てが溶断されるので、図1の回路により5つの状態設定が可能となる。
【0015】
図2は、本発明に使用するヒューズ素子の形状例を示し、半導体装置の内部に設けられたアルミニウムやポリシリコン等による配線、又は拡散層やポリシリコン等による抵抗素子等の一部を他の部分の層厚と同じ層厚のまま細くし、その部分の許容電流容量を小さくしたものをヒューズ素子として用いている。ヒューズ素子の溶断される部分の幅(W2)は、半導体素子のデザインルールの最小線幅(W1)の半分程度であれば、部分的なデザインルール違反とはなるが、製造ばらつきによりヒューズ素子が断線した状態で形成されてしまって歩留りが低下するという問題が殆どないとともに、溶断のための電流値が比較的少なくて済む。W2の具体的な幅値としては0.1μm乃至1μm程度が良い。
【0016】
図3は、第1の実施の形態の他の実施の形態の要部を示す回路図で、半導体チップ10aは、図1の各ダイオード素子の変わりに、ツェナダイオード素子14a乃至14fを電圧設定素子として使用した状態設定回路SL1b乃至SL4bが設けられた回路になっている。従って、各ヒューズ素子を溶断するときに、端子T1に印加する電圧がツェナダイオード素子のツェナ電圧(Vz)の倍数が基準になること以外は図1の回路と同様にして使用すれば良く、詳細な説明は省略する。
【0017】
図4は、本発明の第2の実施の形態の要部を示す回路図で、半導体装置の半導体チップ10bは、端子T1と基準電位との間に電圧設定素子とヒューズ素子との機能を兼ねたツェナダイオード素子14a乃至14jが並列して設けられた状態設定回路SL1c乃至SL4cと、各状態設定回路の設定状態を検出するためのスイッチ回路16a乃至16dを介して電源に各々接続される抵抗17a乃至17dとからなる電圧源回路16と、作り込み精度以上の精度が要求される回路の定数を変更するための調整回路15bと、各状態設定回路、電圧源回路16及び調整回路15bとの間をそれぞれ対応して接続する配線L1′乃至L4′とから構成されている。
【0018】
配線L1′乃至L4′は電圧源回路16の各抵抗の一端にそれぞれ接続されるとともに、各配線の接続状態を検出するための調整回路15bと、基準電位に接続されたツェナダイオードの他端側とに接続され、電圧源回路16のスイッチ回路にはスイッチ回路の数に応じた数(n本)の制御線L6が接続されている。
この回路で各状態設定回路を設定するには、第1の実施の形態と同様に、組立後の特性測定結果に応じた一定電圧を外部電源から端子T1に印加し、状態設定回路の設定電圧が外部電源電圧未満のツェナダイオード素子のみに許容以上の電流を流すようにする。これにより、許容電流以上の電流が流れた状態設定回路のツェナダイオード素子は全て破壊され、破壊された状態設定回路に接続された各配線L1′乃至L4′が開放状態の半導体装置が得られる。
【0019】
このようにして得られた半導体装置を応用基板に搭載して使用する場合には、応用基板の動作開始前に半導体装置の事前動作として、電圧源回路16の各スイッチ回路を制御線L6により各々動作させながら各配線の電圧を調整回路15bで検出することにより、各ツェナダイオード素子が接続されているか否かを検出でき、各制御線に対する各状態設定回路の設定状態の対応データを図示しないRAM等の記憶回路に記憶させ、記憶された対応データを基に所望の特性精度が要求される回路の回路定数を調整回路15bで制御するように動作させる。
【0020】
尚、本発明の半導体装置は上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、状態設定回路の数は2つ以上であれば良いとともに、電圧設定素子は一定の電圧設定が可能な回路、例えば、トランジスタのベース−エミッタ間電圧やMOSトランジスタのスレッショルド電圧等の特性を使用した回路で構成しても良い。また、調整回路はヒューズ素子に流れる電流または電圧設定素子による電圧を確認できる回路、例えば、コンパレータ回路等を使用した回路で構わない。ツェナ電圧が電源電圧よりも高い場合や、消費電流を気にしない場合には電圧源回路のスイッチ回路を省略しても良い。ヒューズ素子は、配線に比べて比抵抗値が高く融点温度の低い材料を使用して、配線以上の幅または層厚にヒューズ素子を形成しても良い。
【0021】
更に、本実施の形態では、電圧設定素子として同一の電圧素子の数が異る場合についてのみ説明したが、ダイオードとツェナダイオード等を組み合わせることにより、同じ数の電圧設定素子で設定電圧を変えられるように状態設定回路を構成しても良い。また、図1乃至図3の状態設定回路の電圧設定部は、電圧設定素子の数を少なくするために状態設定回路SL1cには電圧設定素子が一つもない場合を示し、他の電圧設定部は電圧設定素子を一個づつ増やす場合のみを示しているが、各状態設定回路に1つ以上の電圧設定素子を設けるようにしたり、電圧設定素子を複数個づつ増やすようにしても良い。
以上
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体装置の回路構成によれば、半導体装置の端子数を大幅に増やす必要がないとともに、半導体装置の組立後に簡単な回路構成で所望の特性値の調整ができるようになるので、小型で特性精度の良い半導体装置を容易に使用できるようになるという効果がある。更に、特性精度が良いので歩留まりが良くなり、半導体装置の単価が抑えられるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す回路図、
【図2】 本発明に使用するヒューズ素子の形状例を示す形状図、
【図3】 本発明の第1の実施の形態の他の例を示す回路図、
【図4】 本発明の第2の実施の形態を示す回路図、
【符号の説明】
10 :半導体チップ(半導体装置)
T1 :端子(特性調整用端子)
SL1〜SL4:状態設定回路
11a〜11c:ヒューズ素子
12a〜12f:電圧設定素子(ダイオード素子)
13 :電流源回路
Claims (2)
- 1チップの集積回路として形成されるとともに電気的特性値の調整が必要な内部回路を有する半導体装置において、一端が基準電位に接続されたヒューズ素子と、前記ヒューズ素子の他端と特性調整用端子との間に接続された電圧設定部と、からなる状態設定回路を複数個有し、前記電圧設定部は各々異なる数の電圧設定素子が接続された回路もしくは前記電圧設定素子のない配線のみの回路から構成され、前記電圧設定部と前記ヒューズ素子とのそれぞれの接続点を前記内部回路に接続するとともに、前記集積回路を樹脂封止した後に前記特性調整用端子に状態設定回路の電圧設定部に応じた電圧を印加して前記状態設定回路の選択されたヒューズ素子に許容電流以上の電流を流して切断するようにしたことを特徴とする半導体装置。
- 1チップの集積回路として形成されるとともに電気的特性値の調整が必要な内部回路を有する半導体装置において、半導体装置の基準電位と特性調整用端子との間に、ヒューズ素子としての機能を有する電圧設定素子が各々異なる数接続された状態設定回路を複数個有し、一端を基準電位に接続された前記ヒューズ素子としての機能を有する電圧設定素子の一定の電圧が設定可能な他端側を前記内部回路にそれぞれ接続するとともに、前記集積回路を樹脂封止した後に前記特性調整用端子に状態設定回路の電圧設定部に応じた電圧を印加して前記状態設定回路の選択された前記ヒューズ素子としての機能を有する電圧設定素子に許容電流以上の電流を流して前記選択された状態設定回路の全ての前記電圧設定素子を切断するようにしたことを特徴とする半導体装置。
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