JP3918569B2 - 導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、グラビア印刷に適した導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを内部導体膜の形成のために用いて構成された積層セラミック電子部品に関するもので、特に、導電性ペーストに含まれる溶剤成分についての改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品に備える複数のセラミック層の積層構造を有する積層体は、セラミックグリーンシートにスクリーン印刷などにより内部導体となるべき導電性ペーストを印刷し、積層した後、これらを同時焼成することにより得られる。
【0003】
セラミックグリーンシートは、セラミック原料粉末、ブチラール樹脂等のバインダ成分および溶剤成分を含む混合物を混練かつ分散処理してスラリーとし、このスラリーをシート状に成形することによって得られる。
【0004】
他方、導電性ペーストとしては、金属粉末等の導電性材料、エチルセルロース樹脂やアルキッド樹脂などのバインダ成分およびターピネオール等の溶剤成分を混合かつ分散処理して得られたものが用いられる。
【0005】
内部導体膜のための一般的な導電性ペーストには、上述したように、バインダ成分すなわち樹脂成分としてエチルセルロースが用いられ、溶剤成分としてターピネオールが用いられている。
【0006】
しかしながら、このような導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷すると、ターピネオールによって、セラミックグリーンシートに含まれるバインダ成分としてのブチラール樹脂が溶解される。このブチラール樹脂の溶解は、セラミックグリーンシートの均質性の劣化を招く。このように、セラミックグリーンシートがダメージを受ける現象は、シートアタックと呼ばれている。
【0007】
シートアタックは、ブチラール樹脂をセラミックグリーンシートのバインダ成分として用いた場合に限らず、導電性ペーストの溶剤成分がセラミックグリーンシートのバインダ成分を溶解し得る場合に発生する。
【0008】
近年の携帯電話機を代表とする各種電子機器の小型化に伴い、積層セラミック電子部品に対しては、より一層の薄層化が望まれており、たとえば、積層セラミックコンデンサにおいては、誘電体セラミック層の厚み、言い換えるとセラミックグリーンシートの厚みが5μm程度にまで薄層化されている。シートアタックに関して、セラミックグリーンシートの厚みが比較的厚い場合には実用上問題とはならないが、5μm以下にまで薄層化が進んできた場合、シートアタックによる悪影響が顕在化してくる。
【0009】
シートアタックは、セラミックグリーンシートをキャリアフィルムのような支持体上で成形するとき、セラミックグリーンシートの支持体からの剥離不良をもたらしたり、セラミックグリーンシート内に穴や皺を生じさせたりする。その結果、生の積層体を得るための積層作業が困難になったり、また、このようなセラミックグリーンシートを用いて積層セラミック電子部品を製造すると、ショート不良発生率が高くなり、目的とする電気的特性が得られなかったりするといった問題を引き起こす。
【0010】
そこで、シートアタックの問題を解消するため、たとえば、セラミックグリーンシート中のブチラール樹脂を溶解することのないような溶剤を主溶剤として導電性ペーストのための溶剤成分として用いたり、あるいは、主溶剤(ターピネオール)に対し、ブチラール樹脂を溶解することのないような別の溶剤をある一定量添加して混合溶剤系とした溶剤成分を導電性ペーストにおいて用いたりすることが、たとえば、特開平6−236827号公報、特開平7−21833号公報、特開平7−240340号公報、特開平8−162358号公報、特開平8−111346号公報、特開平11−53939号公報、特開平11−31634号公報、特開平11−273987号公報、特開平11−306860号公報等において提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、ブチラール樹脂を溶解しない点にだけ着目して溶剤成分を選定すると、溶剤の沸点と導電性ペーストの印刷塗膜の乾燥温度とのバランスが悪くなり、印刷塗膜の乾燥が非常に遅くなる場合がある。
【0012】
グラビア印刷のような高速に印刷塗膜が形成されるような印刷方式に対応するためには、導電性ペーストとして、溶剤の乾燥速度がスクリーン印刷時に要求される乾燥速度に比べて大幅に速いものでなければならない。
【0013】
また、導電性ペーストの印刷後において、セラミックグリーンシートは、通常、ロール状に巻き取られるが、導電性ペーストに含まれる溶剤成分の乾燥が遅いと、セラミックグリーンシート上の印刷塗膜の乾燥が不十分な状態のまま、セラミックグリーンシートが巻き取られることになる。そのため、印刷塗膜を形成する導電性ペーストが、これに重なる位置にあるセラミックグリーンシート部分に付着し、印刷図形に欠損部が生じたり、印刷塗膜の膜厚にばらつきが生じたり、印刷塗膜の表面に凹凸が激しく生じたりするなどの問題を引き起こす。
【0014】
また、導電性ペーストの乾燥が不十分なため、印刷塗膜内に溶剤成分が残存した状態となる。この状態で、セラミックグリーンシートの積層を行なうと、脱バインダ過程で残存していた溶剤成分が揮発する。このとき、生の積層体の内部から溶剤成分が揮発することになるため、揮発によって生じたガスは、積層体に備えるセラミックグリーンシート間に沿って外部へ抜けようとし、それに伴う応力が生の積層体に及ぼされ、その結果、層間剥離やクラック等の構造欠陥が発生しやすいという問題ももたらされる。
【0015】
上述の不具合をできるだけ低減するため、溶剤乾燥工程で十分に時間をかけると、生産性が低下する。
【0016】
他方、乾燥が速すぎる溶剤を用いた場合には、印刷の途中において溶剤成分が蒸発していくため、導電性ペーストの粘度が上昇し、それに伴い、グラビア印刷の版が導電性ペーストによって目詰まりしてしまう。その結果、印刷塗膜に欠損部を生じたり、印刷塗膜の膜厚にばらつきが生じたり、印刷塗膜の表面に凹凸が激しく生じたりするなど、良好な印刷適性が得られない。
【0017】
そのため、このような不具合を有する印刷塗膜が形成されたセラミックグリーンシートを積層して得られた生の積層体を焼成したとき、内部導体膜において電極切れと呼ばれる断線が生じ、適正な導通が得られず、積層セラミック電子部品の電気的特性の不良といった不具合が生じる。
【0018】
このようなことから、導電性ペーストの溶剤成分の選定にあたっては、前述したようなシートアタックと乾燥性との双方の観点から考慮しなければならない。
【0019】
そこで、この発明の目的は、シートアタックの問題を解決するとともに、高速での安定したグラビア印刷を実施できるように、乾燥時間の適正化を図ることができ、それによって生産性を向上させることができ、また、層間剥離やクラックなどといった不具合を発生しない、グラビア印刷用導電性ペーストを提供しようとすることである。
【0020】
この発明の他の目的は、上述した導電性ペーストを内部導体膜の形成のために用いて構成された積層セラミック電子部品を提供しようとすることである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数のセラミック層およびセラミック層間の特定の界面に沿って延びる内部導体膜を備える積層セラミック電子部品における内部導体膜をグラビア印刷によって形成するために用いられる導電性ペーストに、まず、向けられる。
【0022】
この発明に係る導電性ペーストは、金属粉末を含む固形成分と、樹脂成分と、分散剤と、溶剤成分とを含む。前述した技術的課題を解決するため、この発明では、溶剤成分として、次のような特定的な溶剤を用いることが特徴である。
【0023】
すなわち、溶剤成分として用いられる溶剤を列挙すると、1−P−メンテン、P−メンタン、ミルセン、α−ピネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、3−オクチルアセテート、P−サイメン、1−メンチルアセテート、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピニルメチルエーテル、1,1−ジイソプロピルヘキサン、3,7−ジメチルオクチルアセテート、およびエチルベンゼンである。
【0024】
上に列挙した溶剤は、単独で用いられても、2種以上が混合されて用いられても、さらには、上に列挙した溶剤と他の溶剤(たとえば、上に列挙した溶剤とは沸点の異なる他の溶剤)との組み合わせで用いられてもよい。
【0025】
この発明に係る導電性ペーストは、セラミック層となるべきセラミックグリーンシートにブチラール樹脂が含まれている積層セラミック電子部品の製造において特に有利に適用される。
【0026】
この発明に係る導電性ペーストに含まれる上述した溶剤成分以外の固形成分、樹脂成分および分散剤の含有比率については、固形成分が30〜70重量%、樹脂成分が1〜10重量%、および分散剤が0.05〜5重量%であることが好ましい。
【0027】
導電性ペーストに含まれる金属粉末は、ニッケルを含む粉末であることが好ましい。
【0028】
この発明は、また、複数のセラミック層およびセラミック層間の特定の界面に沿って延びる内部導体膜を備える、積層セラミック電子部品にも向けられる。この発明に係る積層セラミック電子部品は、上述の内部導体膜が、前述したような、この発明に係る導電性ペーストを焼成して得られた焼結体からなることを特徴としている。
【0029】
この積層セラミック電子部品は、好ましくは、積層セラミックコンデンサに適用される。この場合、内部導体膜は、セラミック層を介して静電容量が得られるように配置され、さらに、積層セラミック電子部品は、複数のセラミック層をもって構成される積層体の外表面上に形成され、かつ静電容量を取り出すため内部導体膜の特定のものに電気的に接続される外部電極を備えている。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係るグラビア印刷用導電性ペーストを用いて構成される積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
【0031】
積層セラミックコンデンサ1は、積層体2を備えている。積層体2は、積層される複数の誘電体セラミック層3と、複数の誘電体セラミック層3の間の特定の複数の界面に沿ってそれぞれ形成される複数の内部導体膜4および5とを備えている。
【0032】
内部導体膜4および5は、積層体2の外表面にまで到達するように形成されるが、積層体2の一方の端面6にまで引き出される内部導体膜4と他方の端面7にまで引き出される内部導体膜5とが、積層体2の内部において、誘電体セラミック層3を介して静電容量が得られるように交互に配置されている。
【0033】
上述の静電容量を取り出すため、積層体2の外表面上であって、端面6および7上には、内部導体膜4および5の特定のものに電気的に接続されるように、外部電極8および9がそれぞれ形成されている。また、外部電極8および9上には、ニッケル、銅などからなる第1のめっき層10および11がそれそれ形成され、さらにその上には、半田、錫などからなる第2のめっき層12および13がそれぞれ形成されている。
【0034】
このような積層セラミックコンデンサ1において、内部導体膜4および5は、以下に詳細に説明するような導電性ペーストを、誘電体セラミック層3となるべきセラミックグリーンシート上にグラビア印刷によって付与し、これを焼成して得られた焼結体から構成される。
【0035】
導電性ペーストは、金属を含む固形成分と、樹脂成分と、分散剤と、溶剤成分とを含むものであるが、溶剤成分として、1−P−メンテン、P−メンタン、ミルセン、α−ピネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、3−オクチルアセテート、P−サイメン、1−メンチルアセテート、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピニルメチルエーテル、1,1−ジイソプロピルヘキサン、3,7−ジメチルオクチルアセテート、およびエチルベンゼンから選ばれる少なくとも1種からなるもの、あるいは、上に列挙したものから選ばれる少なくとも1種を含むものが用いられる。このような溶剤は、次のような知見に基づき選び出されたものである。
【0036】
シートアタックは、セラミックグリーンシートに含有されるバインダ樹脂が導電性ペースト中の溶剤成分により溶解されるために発生する。セラミックグリーンシートに含有されるバインダ樹脂としては、一般に、ブチラール樹脂が用いられている。
【0037】
そこで、溶剤に対するブチラール樹脂の溶解度と、溶剤をセラミックグリーンシートに滴下した際に穴や皺が発生する発生度との関係を調査した結果、溶解度が1.0以下であると、溶剤をセラミックグリーンシートに滴下した際に穴や皺が発生しないことを見出した。
【0038】
他方、導電性ペースト中の溶剤成分の相対蒸発速度(酢酸−n−ブチルを1とする。)と、印刷時のかすれや版へのペースト詰まりの発生度との関係を調査した結果、相対蒸発速度が、0.80以下である溶剤を用いると、印刷時のかすれやグラビア印刷用の版へのペースト詰まりが発生しないことを見出した。
【0039】
さらに、導電性ペースト中の溶剤成分の相対蒸発速度と、従来から適用されている一般的な乾燥条件の下での印刷塗膜の乾燥状態との関係、および積層セラミック電子部品における層間剥離やクラックの発生度との関係をそれぞれ調査した結果、相対蒸発速度が0.02以上である溶剤を用いると、印刷塗膜の十分な乾燥が確認され、また、積層セラミック電子部品における層間剥離やクラックが発生しないことを見出した。
【0040】
このようなことから、導電性ペーストに含有される溶剤成分について、セラミックグリーンシートに含有されるバインダ樹脂に対する溶解度が1.0以下であるとともに、酢酸−n−ブチルを1としたときの相対蒸発速度が0.02以上かつ0.80以下であれば、このような溶剤成分を導電性ペーストにおいて用いたとき、シートアタックが生じず、乾燥時間の適正化を図れ、また、層間剥離やクラック等の構造欠陥が生じないことがわかる。
【0041】
このような知見に基づいて見出されたのが、前に列挙したような種々の溶剤である。
【0042】
これら溶剤は、単独ではなく、混合溶剤系であっても、さらには、これら溶剤の少なくとも1種と他の溶剤との混合溶剤系であっても、溶解度および相対蒸発速度が上記のような数値範囲を満たせば、導電性ペーストに含まれる溶剤成分として用いたとき、同様の効果が発揮される。すなわち、混合溶剤系に含まれる溶剤のうち、少なくとも1種が上記のような溶解度および相対蒸発速度の数値範囲を満足していなくても、混合溶剤として、これら溶解度および相対蒸発速度の数値範囲を満足していれば、この発明に係る導電性ペーストのための溶剤成分として用いることができる。
【0043】
この発明に係る導電性ペーストに含まれる溶剤成分以外の固形成分、バインダとしての樹脂成分および分散剤については、公知のものを使用することができる。
【0044】
固形成分に含まれる金属粉末としては、導電性ペーストと同時に焼成されるセラミックグリーンシートの焼成温度および焼成雰囲気に耐える金属からなるものであればよい。
【0045】
たとえば、積層セラミックコンデンサのための導電性ペーストに含まれる金属粉末としては、パラジウム、銀、金、白金、ニッケル、銅等からなる粉末もしくは、これら粉末の混合物、または上述した金属を含む合金からなる粉末を用いることができる。特に、ニッケルを含む粉末を用いると、積層セラミックコンデンサのコストの低減に有効である。
【0046】
また、多層セラミック基板のための導電性ペーストに含まれる金属粉末としては、銀、パラジウム、銅等からなる粉末もしくはこれら粉末の混合物、または上述した金属を含む合金からなる粉末を用いることができる。
【0047】
固形成分は、金属粉末の他、セラミック粉末を含んでいてもよい。図1に示した積層セラミックコンデンサ1について言えば、導電性ペーストをもって形成された内部導体膜4および5と誘電体セラミック層3となるべきセラミックグリーンシートとを積層した構造を有する生の状態の積層体2を高温で焼成した場合、内部導体膜4および5となる導電性ペーストに含まれる金属粉末とセラミックグリーンシートに含まれるセラミックとの間で焼結温度に差があると、積層体2の内部に焼結収縮のずれによる応力が発生するため、積層体2において、剥がれやクラック等が発生する。固形成分にセラミック粉末を含ませることにより、これらの弊害を生じにくくすることができる。
【0048】
この発明に係る導電性ペーストにおいて、金属粉末を含む固形成分の含有比率は、30〜70重量%とされることが好ましい。この範囲で固形成分の比率を調整することにより、目的とする印刷塗膜厚みを安定して得ることができる。
【0049】
固形成分の含有比率が30重量%未満の場合、印刷塗膜中の固形成分の密度、より特定的には、金属粉末の密度が低くなり過ぎる。その結果、図1に示した積層セラミックコンデンサ1について言えば、焼結時において内部導体膜4および5の断線などの不具合が生じ、内部導体膜4および5の有効面積にばらつきが生じ、安定した電気的特性を有する積層セラミックコンデンサ1を得ることができないことがある。
【0050】
他方、固形成分の含有比率が70重量%を超えると、グラビア印刷時に版詰まりによる印刷塗膜厚みのばらつき等の不具合が発生することがある。
【0051】
樹脂成分としては、たとえば、エチルセルロース、アルキッド樹脂などを用いることができる。
【0052】
この発明に係る導電性ペーストにおいて、樹脂成分の含有比率は、1〜10重量%とされることが好ましい。
【0053】
この樹脂成分の比率が1重量%未満であると、導電性ペーストの粘度が低くなり過ぎ、印刷時ににじみやダレなどが発生し、逆に10重量%より多いと、導電性ペーストの粘度が高くなり過ぎ、印刷時にかすれが発生することがある。これらにじみやかすれは、内部導体膜の形状不良をもたらし、積層セラミック電子部品の電気的特性のばらつきの原因となる。
【0054】
他方、樹脂成分が10重量%より多いと、積層セラミック電子部品を得るための生の積層体中の有機物量が多くなるため、脱脂性の低下による構造欠陥等が発生して、積層セラミック電子部品の特性低下および歩留まりの低下を引き起こすことがある。
【0055】
分散剤としては、アニオン性または脂肪酸系の分散剤を適宜用いることができる。
【0056】
この発明に係る導電性ペーストにおいて、分散剤の含有比率は、0.05〜5重量%とされることが好ましい。分散剤の添加量は、直接、導電性ペーストの分散性に影響するため、固形成分の含有比率に応じて、上記の範囲内で使い分けられる。
【0057】
分散剤の含有比率が0.05重量%未満の場合、金属粉末のような固形成分粉末の表面への分散剤の吸着量が十分でないため、分散性が低下して、固形成分粉末の凝集により、印刷塗膜上の塊状物が増加して、積層セラミック電子部品の特性が低下することがある。
【0058】
他方、分散剤の含有比率が5重量%より多いと、積層セラミック電子部品を得るための生の積層体中の有機物量が増加するため、脱脂性の低下による構造欠陥等が発生し、得られた積層セラミック電子部品の特性低下および歩留まり低下を引き起こすことがある。
【0059】
以上、この発明に係るグラビア印刷用導電性ペーストが内部導体膜の形成に用いられる積層セラミック電子部品として、図1に示すような積層セラミックコンデンサ1あるいは多層セラミック基板を例示したが、その他、積層セラミックインダクタ、積層セラミックLC部品などの積層セラミック電子部品に備える内部導体膜のグラビア印刷による形成にも適用することができる。
【0060】
次に、この発明に従って実施した実験例について説明する。
【0061】
【実験例1】
実験例1では、導電性ペーストに含まれる溶剤を各々単独で用いた。
【0062】
1.溶剤成分の準備
この実験例1において、表1に示すように、溶剤として、1−P−メンテン、P−メンタン、ミルセン、α−ピネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、3−オクチルアセテート、P−サイメン、1−メンチルアセテート、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピニルメチルエーテル、1,1−ジイソプロピルヘキサン、3,7−ジメチルオクチルアセテート、エチルベンゼン、シトロネリールフォーメート、n−プロパノール、ターピネオール、オシメン、およびL−メントンをそれぞれ用意した。
【0063】
【表1】
【0064】
2.溶解度の調査
表1に示した各溶剤A〜Sに関して、後でセラミックグリーンシートにおいて用いようとするバインダであるブチラール樹脂20gを、各溶剤200g中に添加し、攪拌機により均一に混合した。その後、その上澄み部分のみを遠心分離機にかけ、遠心分離後の溶液の上澄みを100g採取した。採取した上澄み液を、50℃の温度で1330Paの真空度に設定された真空オーブン中で24時間乾燥した。乾燥後に残った粉末の重量を測定することによって、溶解度を求めた。その結果が表1の「溶解度」の欄に示されている。
【0065】
3.相対蒸発速度の調査
表1に示した各溶剤A〜Sに関して、各溶剤10gを、同一形状の容器において秤量し、60℃の温度に設定されたオーブン中で30分間乾燥した。そのときの乾燥減量を測定し、この測定結果から、単位時間かつ単位面積あたりの乾燥減量を算出した。
【0066】
上記と同様の方法で、酢酸−n−ブチルに関しても、単位時間かつ単位面積あたりの乾燥減量を算出した。
【0067】
次に、酢酸−n−ブチルについての乾燥減量を1とした場合の各溶剤の相対乾燥減量を求め、これを相対蒸発速度とした。その結果が、表1の「相対蒸発速度」の欄に示されている。
【0068】
4.導電性ペーストの製造
次に、固形成分(ニッケル粉末)、分散剤、および表1に示した溶剤A〜Sの各々を混合することによって、第1ミルベースを得て、これを玉石(5mm径)とともに容積1リットルの樹脂ポット中で調合した。この調合済みポットを一定回転速度で12時間回転させることによって、ポットミル分散処理を行ない、第1スラリーを得た。
【0069】
次に、上記ポット中に、樹脂成分と溶剤とを予め混合しておいた有機ビヒクルを添加することによって、第2ミルベースを得て、さらに一定回転速度で12時間回転させることによって、ポットミル分散処理を行ない、第2スラリーを得た。
【0070】
次に、第2スラリーを加温した状態でスラリー粘度が0.5Pa・s以下になるように調整した後、目開きが20μm、10μm、5μm、3μmおよび最終段に固形成分に含まれる金属粉末の平均一次粒径の2倍の目開きのメンブレン式フィルタを用いて、圧力1.5kg/cm2 未満の加圧濾過を行ない、塊状物を除去する濾過処理を行い、表2に示した試料1〜19の各々に係る導電性ペーストを得た。
【0071】
5.セラミックグリーンシートの製造
微細化した90重量%のチタン酸バリウム系粉末と、5重量%のブチラール樹脂と、5重量%のエタノールとを混練することによって、セラミックスラリーを得て、これにドクターブレードを適用して、厚さ5μmのセラミックグリーンシートを成形した。
【0072】
6.評価
(1)耐シートアタック性
前述した導電性ペースト1〜19の各々を、上記セラミックグリーンシートに、20m/分の速度でグラビア印刷した。印刷後のセラミックグリーンシートを、100℃の温度に設定された熱風方式乾燥機に入れ、2秒間乾燥した。乾燥後のセラミックグリーンシートの表面および裏面に、穴または皺が生じていないかを、金属顕微鏡(倍率100倍)にて確認した。
【0073】
セラミックグリーンシートに穴または皺が生じているのは、用いられた導電性ペースト中の溶剤成分がセラミックグリーンシート中のバインダを溶解および膨潤させた結果であり、このように穴または皺が確認されたものは、シートアタックが生じているものとみなすことができる。
【0074】
したがって、穴または皺の有無によるシートアタックの有無についての評価結果が、表2の「耐シートアタック性」の欄に示されている。ここで、「○」は、穴または皺が確認されなかったことを示し、「×」は、穴または皺が確認されたことを示している。
【0075】
(2)乾燥性
上記耐シートアタック性の評価のための乾燥条件と同様の乾燥条件を経た印刷塗膜に関し、乾燥が十分であるかの評価を行なった。評価の方法は、この乾燥条件を経た印刷塗膜を指で触れ、指に塗膜が付着しないものを乾燥が十分であるとし、指に塗膜が付着するものを乾燥が不十分であるとした。その結果が、表2の「乾燥性」の欄に示されている。表2において、「○」は、乾燥が十分であったことを示し、「×」は、乾燥が不十分であったことを示している。
【0076】
(3)印刷塗膜の欠損・印刷版の目詰まり
前述した耐シートアタック性の評価において実施したグラビア印刷と同様の条件によってグラビア印刷された印刷塗膜の欠損が生じていないかを光学顕微鏡にて観察した。また、印刷後のグラビア印刷版に目詰まりが生じていないかを、光学顕微鏡にて観察した。これらの結果が、表2の「欠損」および「目詰まり」の各欄に示されている。
【0077】
(4)構造欠陥
前述した耐シートアタック性の評価において実施したグラビア印刷および乾燥の各工程を経た複数のセラミックグリーンシートを積層し、熱圧着することによって、内部導体膜となる印刷塗膜が100層形成された生の積層体を作製した。
【0078】
次に、この生の積層体を、3mm×5mmの平面寸法となるようにカットし、脱脂および焼成を実施して、焼結後の積層体を得た。
【0079】
次に、得られた各焼結後の積層体を研磨し、その研磨断面を光学顕微鏡にて観察することによって、内部導体膜とセラミック層との界面における層間剥離およびクラックなどの構造欠陥の発生の有無を調査した。50個の試料に対する、構造欠陥が発生した試料数が、表2の「構造欠陥発生数」の欄に示されている。
【0080】
【表2】
【0081】
表2において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の試料である。
【0082】
7.考察
表2に示すように、試料1〜14は、耐シートアタック性、乾燥性、欠損、目詰まりおよび構造欠陥発生数のすべてに関して、不具合が生じておらず、良好な結果を示している。これら試料1〜14については、表1に示すように、導電性ペーストに用いられた溶剤A〜Nは、溶解度が1.0以下であり、また、相対蒸発速度が0.02以上かつ0.80以下の条件を満たしている。
【0083】
これらに対して、試料15は、表2に示すように、耐シートアタック性、欠損および目詰まりに関して、不具合が生じておらず、良好な結果を示しているが、乾燥性に不具合が生じ、また、構造欠陥発生数が34/50というように多い。これは、試料15において導電性ペーストに用いた溶剤Oの相対蒸発速度が、表1に示すように、0.013というように非常に遅いためであると考えられる。溶剤成分の乾燥が遅いため、印刷塗膜の乾燥が不十分となり、印刷塗膜内に溶剤成分が残存した状態で、セラミックグリーンシートの積層を行なうことになり、脱バインダ過程で残存していた溶剤成分が揮発し、これによって、層間剥離やクラック等の構造欠陥が多く発生したと考えられる。
【0084】
試料16は、表2に示すように、乾燥性は良好であるが、耐シートアタック性、欠損、目詰まりおよび構造欠陥発生数において不具合が生じている。これは、試料16において用いた導電性ペーストに含まれる溶剤Pの溶解度が、表1に示すように、20.00というように大きく、かつ、相対蒸発速度が0.940というように速いためであると考えられる。すなわち、溶解度が大きいことによって、シートアタックが生じ、相対蒸発速度が速いことにより、グラビア印刷の過程で溶剤が揮発していき、導電性ペーストの粘度が上昇していったためであると考えられる。
【0085】
試料17は、表2に示すように、欠損および目詰まりに関して不具合は生じておらず、良好な結果を示しているが、耐シートアタック性、乾燥性および構造欠陥発生数に関して不具合が生じている。これは、試料17において用いた導電性ペーストに含まれる溶剤Qの溶解度が、表1に示すように、12.20というように大きく、かつ、相対蒸発速度が0.016というように遅いためであると考えられる。すなわち、溶解度が大きいことによって、シートアタックが生じ、相対蒸発速度が遅いことにより、印刷塗膜の乾燥が不十分となり、印刷塗膜内に溶剤成分が残存した状態となることにより、層間剥離やクラック等の構造欠陥が発生したものと考えられる。
【0086】
試料18および19は、表2に示すように、乾燥性、欠損および目詰まりに関しては不具合は生じておらず、良好な結果を示しているが、耐シートアタック性および構造欠陥発生数において不具合が生じている。これは、試料18および19において用いた導電性ペーストにそれぞれ含まれる溶剤RおよびSの溶解度が、表1に示すように、それぞれ、15.36および6.610というように大きいことにより、シートアタックが生じたためと考えられる。
【0087】
【実験例2】
この実験例2では、導電性ペーストに含まれる溶剤成分として、表3に示す混合比率をもって混合された混合溶剤系を用いた。
【0088】
実験例の場合と同様の方法により各混合溶剤の溶解度および相対蒸発速度を調査した。その結果が表3に示されている。
【0089】
【表3】
【0090】
以後、実験例1の場合と同様の方法により、導電性ペーストを製造し、セラミックグリーンシートを製造し、また、耐シートアタック性、乾燥性、欠損の有無、目詰まりの有無および構造欠陥発生数を評価した。
【0091】
これら耐シートアタック性、乾燥性、欠損、目詰まりおよび構造欠陥発生数の各評価結果が表4に示されている。
【0092】
【表4】
【0093】
表4において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の試料である。
【0094】
表4に示すように、試料21、23、24、26、27、29、30、32および33は、耐シートアタック性、乾燥性、欠損、目詰まりおよび構造欠陥発生数に関して不具合が生じておらず、良好な結果を示している。これは、これら試料において用いた導電性ペーストにそれぞれ含まれる混合溶剤a、c、d、f、g、i、j、lおよびmに関して、表3に示すように、溶解度が1.0以下であり、また、相対蒸発速度が0.02以上かつ0.80以下であるという条件を満足しているためである。
【0095】
試料25および31は、表4に示すように、耐シートアタック性、欠損および目詰まりに関して不具合は生じておらず、良好な結果を示しているが、乾燥性に不具合があり、また、構造欠陥発生数が、それぞれ、36/50および38/50というように多い。これは、試料25および31において用いた導電性ペーストにそれぞれ含まれる混合溶剤eおよびkの相対蒸発速度が、表3に示すように、それぞれ、0.018および0.019というように遅いためである。溶剤の乾燥が遅いため、印刷塗膜の乾燥が不十分となり、印刷塗膜内に溶剤成分が残存した状態で生の積層体の脱バインダが行なわれ、この脱バインダ過程で残存していた溶剤成分が揮発することになり、層間剥離やクラック等の構造欠陥が多発したものと考えられる。
【0096】
試料22および28は、表4に示すように、欠損および目詰まりに関しては不具合が生じておらず、良好な結果を示しているが、耐シートアタック性および構造欠陥発生数に関して不具合が生じている。これは、試料22および28において用いた導電性ペーストにそれぞれ含まれる混合溶剤bおよびhの溶解度が、表3に示すように、それぞれ、3.556および2.699というように大きいことにより、シートアタックが生じたためと考えられる。
【0097】
【実験例3】
実験例3は、導電性ペーストに含まれる固形成分、樹脂成分および分散剤の各々についての好ましい含有比率を確認するために実施したものである。
【0098】
この実験例3では、導電性ペーストに含まれる溶剤成分として、実験例1において用いた1−P−メンテンを用い、実験例1の場合と同様の方法によって、導電性ペーストを製造した。このとき、表5に示すように、固形成分(ニッケル粉末)、樹脂成分および分散剤の各々の比率を変え、かつ残部を溶剤成分(1−P−メンテン)として、各試料に係る導電性ペーストを作製した。
【0099】
【表5】
【0100】
次に、実験例1の場合と同様の方法により、セラミックグリーンシートを製造した。
【0101】
次に、セラミックグリーンシート上に、目的とする導体膜厚みが1.5μmとなる所定の印刷条件を適用しながら、各試料に係る導電性ペーストをグラビア印刷し、得られた印刷塗膜について、厚み、塊状物の有無および欠損部の有無を評価するとともに、印刷後のグラビア印刷版への目詰まりの有無を評価した。なお、これらの評価は、印刷面積中の任意の50点について行ない、厚みは蛍光X線により測定し、塊状物の有無、欠損部の有無および目詰まりの有無については、金属顕微鏡により観察した。
【0102】
これら結果が、表6において、「印刷塗膜厚み」、「塊状物の有無」、「欠損部の有無」および「目詰まりの有無」の各欄に示されている。
【0103】
次に、導電性ペーストを印刷したセラミックグリーンシートを乾燥した後、所定の枚数を積層して、所定の条件で加圧した後、所定の寸法にカットし、100nFの静電容量を設計値とする積層セラミックコンデンサのための生の積層体を得た。次に、生の積層体を、所定の温度にて焼成し、さらに外部電極を焼き付けによって形成し、試料となる積層セラミックコンデンサを得た。
【0104】
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの静電容量を求めた。その結果が、表6において、「静電容量」の欄に示されている。
【0105】
【表6】
【0106】
前の表5に示すように、試料41〜46は、すべて、固形成分が30〜70重量%、樹脂成分が1〜10重量%、および分散剤が0.05〜5重量%の範囲内にある。
【0107】
このような固形成分、樹脂成分および分散剤についての含有比率を有する導電性ペーストによれば、表6に示すように、印刷塗膜厚み、塊状物の有無、欠損物の有無、目詰まりの有無および静電容量に関して、いずれも、不具合が認められなかった。
【0108】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係るグラビア印刷用の導電性ペーストによれば、そこに含まれる溶剤成分として、特にブチラール樹脂をバインダ樹脂として用いたセラミックグリーンシートに対してシートアタックを生じさせないものが用いられ、また、この溶剤成分は、ターピネオールに比べて乾燥時間の短縮を図れ、グラビア印刷といった高速の印刷方法にも十分に対応できるようになり、また、溶剤成分の残存による層間剥離やクラック等の構造欠陥が生じないようにすることができる。また、溶剤成分の乾燥が速すぎる場合に生じる印刷過程での導電性ペーストの粘度の上昇といった問題も回避でき、グラビア印刷に関して、良好な印刷適性を得ることができる。
【0109】
したがって、良好な生産効率および歩留まりをもって、たとえば積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るグラビア印刷用の導電性ペーストを用いて構成される積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
3 誘電体セラミック層
4,5 内部導体膜
8,9 外部電極
Claims (7)
- 複数のセラミック層および前記セラミック層間の特定の界面に沿って延びる内部導体膜を備える積層セラミック電子部品における前記内部導体膜をグラビア印刷によって形成するために用いられる導電性ペーストであって、
金属粉末を含む固形成分と、樹脂成分と、分散剤と、溶剤成分とを含み、
前記溶剤成分は、1−P−メンテン、P−メンタン、ミルセン、α−ピネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、3−オクチルアセテート、P−サイメン、1−メンチルアセテート、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピニルメチルエーテル、1,1−ジイソプロピルヘキサン、3,7−ジメチルオクチルアセテート、およびエチルベンゼンから選ばれる少なくとも1種からなる、
導電性ペースト。 - 複数のセラミック層および前記セラミック層間の特定の界面に沿って延びる内部導体膜を備える積層セラミック電子部品における前記内部導体膜をグラビア印刷によって形成するために用いられる導電性ペーストであって、
金属粉末を含む固形成分と、樹脂成分と、分散剤と、溶剤成分とを含み、
前記溶剤成分は、1−P−メンテン、P−メンタン、ミルセン、α−ピネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、3−オクチルアセテート、P−サイメン、1−メンチルアセテート、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピニルメチルエーテル、1,1−ジイソプロピルヘキサン、3,7−ジメチルオクチルアセテート、およびエチルベンゼンから選ばれる少なくとも1種を含む、
導電性ペースト。 - 前記セラミック層となるべきセラミックグリーンシートは、ブチラール樹脂を含む、請求項1または2に記載の導電性ペースト。
- 前記固形成分を30〜70重量%、前記樹脂成分を1〜10重量%、および分散剤を0.05〜5重量%、それぞれ含み、残部が、前記溶剤成分である、請求項1ないし3のいずれかに記載の導電性ペースト。
- 前記金属粉末は、ニッケルを含む粉末である、請求項1ないし4のいずれかに記載の導電性ペースト。
- 複数のセラミック層および前記セラミック層間の特定の界面に沿って延びる内部導体膜を備える、積層セラミック電子部品であって、
前記内部導体膜は、請求項1ないし5のいずれかに記載の導電性ペーストを焼成して得られた焼結体からなる、積層セラミック電子部品。 - 前記内部導体膜は、前記セラミック層を介して静電容量が得られるように配置され、さらに、前記複数のセラミック層をもって構成される積層体の外表面上に形成され、かつ前記静電容量を取り出すため前記内部導体膜の特定のものに電気的に接続される外部電極を備え、それによって、積層セラミックコンデンサを構成する、請求項6に記載の積層セラミック電子部品。
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