JP3911787B2 - 試料処理装置及び試料処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静電チャックとそれを用いた試料処理方法及び装置に係り、特に、半導体基板や液晶基板等の薄板状試料の処理や搬送時の試料保持に用いられ、静電気力を利用した試料保持に好適な静電チャックとそれを用いた試料処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、極性の異なる一対の電極を用いたバイポーラタイプの静電チャックとしては、例えば、特開昭57−64950号公報に記載のように、半円状や同心円状の一対の平面電極を有した静電吸着装置が知られている。該公報には、静電吸着装置の面積に対する一対の平面電極の電極面積の割合を大きくし、一対の平面電極上に厚さ50〜200μmの絶縁物を介して物体を設置し、平面電極間に電圧を印加して物体を静電吸着することによって、導電性の物体およびその表面が薄い絶縁膜で覆われている導電性の物体の両方に適用でき、より強い吸着を持ち、また、より簡単な構造にできること、および正負の電極面積を等しくしたとき吸着力が最大となることが記載されている。その他、バイポーラタイプの静電チャックに関するものとしては、特開平6−120329号公報が挙げられる。
【0003】
このような、静電チャックを用いた試料、例えば、ウエハの保持方法は、次のような利点がある。(1)ウエハの処理面との機械的な接触がないので、摩耗粉等によるウエハの汚染がない。(2)ウエハ裏面全面で吸着固定するので、ウエハの反りを矯正でき、エッチング等の微細加工の際に吸着面との接触がより確実なものとなり、熱伝導性が改善されてウエハの温度制御が容易になる。このような理由から、現在ではドライエッチング装置やCVD装置等のプラズマ処理装置の試料台(または「電極」と呼ばれる)に広く適用されている。
【0004】
プラズマ処理装置に用いられたバイポーラタイプの静電チャックとしては、例えば、特公昭57−44747号公報に記載のような静電吸着装置が知られている。該公報には、正の電圧を印加する電極面積を負の電極より大きくすることにより、プラズマ放電中に、より大きい吸着力を得ることができること、およびプラズマのない場合の吸着力は両電極面積の比が1のとき最大であることが記載されている。
【0005】
また、通常、処理終了後のウエハを電極から取り除くために、電極内部から棒状の支持体(一般には「プッシャ」または「リフトピン」と呼ばれる)を上昇させウエハを押し上げて取り除くようにしている。これに関するものとしては、例えば、USP4,565,601号明細書および特開平6−252253号公報等が挙げられる。しかしながら、ウエハに残留吸着力がある場合、残留吸着力に逆らって無理にウエハを引き剥がそうとすると、ウエハが割れたり、異常放電が生じて素子が破壊されるという問題を生ずる。
【0006】
この様な残留吸着力による弊害に対処するために、種々の除電方法が提案されている。静電チャックから試料を離脱させるときの静電チャックの除電方法としては、例えば、USP5,117,121号明細書に記載のように、吸着電圧とは逆極性で吸着電圧より高電流の残留吸着力消滅電圧を印加する方法が知られている。また、特開昭58−185773号公報に記載のように静電チャック用の直流電圧をオフして、次ぎにプラズマ生成用の高周波電力をオフする方法が知られている。この他に静電チャックにおける試料の離脱方法に関するものとしては、特開平1−112745号公報,特開平4−247639号公報等が挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記、特開昭57−64950号公報および特公昭57−44747号公報に記載の従来の静電チャックは、残留吸着力に関して配慮されていない。
【0008】
すなわち、プラズマ処理装置のように試料の処理中にウエハ温度を所定の温度に制御する必要のあるものにおいては、ウエハ裏面と静電チャックとの間への伝熱ガス供給を行っている。このため、静電チャックのウエハ配置面には伝熱ガスの均一供給のために分散溝(または「ガス溝」と呼ばれる)を設ける構造を採用している。また、プラズマ処理されるウエハにおいては、静電チャックのウエハ配置面に窪みを形成し、静電チャックのウエハ配置面とウエハとの接触面積を減少させ、ウエハへの異物の付着を少なくするようにしたものがある(例えば、特開平7−86382号公報)。このような技術観点から分散溝や窪み部の種々のパターンが開発されている。このように静電チャックのウエハ配置面に溝や窪みを有する場合には、分散溝や窪み部の大きさ,形状によって正極および負極側の吸着面積が変わり、これにより、残留吸着力が生じてしまう。
また、静電チャックがプラズマ中で使用される場合にも、プラズマによる自己バイアス電圧の発生、または高周波バイアスの印加により、正極および負極側の吸着面に蓄えられる電荷量が異なり、これにより、残留吸着力が生じてしまう。
【0009】
このため、バイポーラタイプの静電チャックにおいても、残留吸着力除去のための除電ステップを要してしまい、ウエハ搬送におけるスループットを低下させてしまうという問題があった。また、吸着面である静電チャックの誘電体膜には電荷が残るので、異物を吸着し易くなり、新たに吸着保持される試料の裏面に異物を付着させてしまうという問題がある。特に、CVD装置のように電荷を有した堆積物が発生するような場合には問題となる可能性が高い。
【0010】
また、USP5,117,121号明細書に記載のような残留吸着力除去を行うものについては、新たに逆電圧を印可する等の除電ステップが必要となる。このため、試料搬送におけるスループットを低下させるという問題がある。また、逆電圧を印加し過ぎると再び静電吸着力が発生し、残留吸着力が生じるという問題がある。一方、特開昭58−185773号公報に記載のような残留吸着力除去を行うものについては、静電吸着用の直流電圧の供給停止後にプラズマ生成用の高周波電力の供給を停止することになるので、さらなる除電時間が必要となる。このため、試料搬送におけるスループットを低下させるという問題がある。また、静電吸着とともに試料裏面への伝熱ガスの供給を併用する場合には、静電吸着用の直流電圧の供給停止に際し、通常は伝熱ガスの供給停止も行うので、プラズマがその後も生成されていることになり、試料の温度が上昇するとともに試料の処理が進行し、処理の終了した試料に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0011】
さらに、通常、プラズマ処理装置では、試料台に高周波電圧を印加し試料台に生じたバイアス電圧によって、プラズマ中のイオンの試料への入射エネルギを制御するようにしているが、バイポーラタイプの静電チャックを使用した場合、静電チャックの電極構造に起因し、モノポールタイプの静電チャックに比べ、試料に対して均等にバイアス電圧を印加することが難しく、試料の均一処理に影響を与える可能性があるという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、料離脱の待ち時間を少なくし、スループットの向上を図ることのできる試料処理装置及び試料処理方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、真空容器内に配置される試料をこの真空容器内の前記試料の上方に発生させたプラズマを用いて処理する試料処理装置であって、前記真空容器内に配置され、極性の異なる複数の電極及びこれらの電極上に配置された誘電体膜を有してこの誘電体膜上に前記試料が載置される試料台と、前記電極に前記異なる極性を与えるための直流電圧を供給する直流電源と、前記試料台にバイアス電圧を生じさせるための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料の処理中に前記誘電体膜及び試料の間に伝熱ガスを供給する手段とを備え、前記試料の処理の終了の際に前記高周波電力の供給を停止して所定の時間後に前記試料上方のプラズマを消滅させることにより達成される。
【0014】
また、前記試料台の温度を調節する手段を備え、前記試料の処理の終了の際に前記高周波電力の供給を停止して後、少なくとも前記所定時間の間、前記直流電圧の供給及び前記試料と前記誘電体膜との間への前記伝熱ガスの供給を行うことにより達成される。さらにまた、前記誘電体膜下方に位置した前記電極の前記試料の吸着面の前記極性毎の面積が等しいことにより達成される。さらにまた、前記誘電体膜上に配置され前記試料が載置された状態でこの試料との間に前記伝熱ガスが供給される窪みを備え、前記誘電体膜下方に位置した前記電極の前記試料の吸着面の前記極性毎の面積であって前記窪みの部分を除いた面積が等しいことにより達成される。さらにまた、前記試料台内部に配置され前記試料を試料台上方に押し上げるリフトピンを備え、前記所定時間の間の前記直流電圧の供給を停止して後前記リフトピンにより前記試料を前記誘電体膜から離脱させることにより達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、図22ないし図25により残留吸着力の発生原因と本発明の効果について説明する。図22に、二個の電極(仮に電極A、電極Bとする)上における実際の吸着部分の面積比が、一例として電極A:電極B=2.8(152.5cm2):1(54cm2)の場合の静電チャックの単純化した等価回路を示す。ここに示すように、ウエハ吸着中の静電チャックの等価回路を簡略して記述すると、電極Aの静電容量Caと電極A上の誘電体膜の抵抗Raの並列回路と、電極B上の静電容量Cbと電極B上の誘電体膜の抵抗Rbの並列回路とを、ウエハの抵抗Rw(Ra、Rbに比べて十分小さい)を介して直列に接続されたものに置き換えて考えることができる。
【0016】
この状態で電極A、B間に例えば電圧400Vを印加した場合、最終的に各電極とウエハ間に発生する電位差をVa、Vbとすると以下の式が成り立つ状態で、安定状態となる。
Va+Vb=400・・・(1)
Ra:Rb=Va:Vb・・・(2)
ただし、誘電体膜としてセラミックスを使用している場合には体積抵抗率が印加電圧によって図23の様に変化する。このことから、本説明に使用する静電チャックの誘電体膜の体積抵抗率は、印加電圧をVとしたとき次式であらわせる。
体積抵抗率=1×10(11.953-0.000764V)・・・(3)
体積抵抗率が与えられると、各電極上の実際の吸着部分の抵抗が計算できるので、式(1)〜(3)を解けば、各電極とウエハ間の電位差が分かる。本説明例の場合では、ウエハとの電位圧Vaは126V、Vbは274Vとなる。次に、誘電体の静電容量は誘電率と面積の積を厚みで除した値であるから、セラミックスの比誘電率を仮に5と仮定して計算したときの静電容量を求める。該静電容量と前述の式(1)〜(3)から求めた誘電体膜上の電位差とから、誘電体膜上に蓄えられた電荷量を算出することができる。ただし、実際の吸着ではウエハと誘電体膜との間には表面粗さで代表される空間が存在する。該空間は真空容器内では伝熱ガスが介在したとしてもほぼ真空空間と同一として考えられる。この空間距離は本説明例では約3μmと考え、誘電体膜の厚みを300μmとすると、その大きさを比べると空間は誘電体膜の100分の一である。このため、誘電率が誘電体膜の5分の1であっても結果的には約20倍の容量を有することになる。したがって、ここでは空間における静電容量で算出した。。以上の結果をまとめると、電極Aは面積:152.5cm2、容量:46nF、ウエハとの電位圧:126V、電荷量:5.8×10-6クーロン〔C〕となり、電極Bは面積:54cm2、容量:16nF、ウエハとの電位圧:274V、電荷量:4.4×10-6クーロン〔C〕となる。この結果から、電極A上と電極B上の実際の吸着部分に蓄えられた電荷量には差があることが分かる。
【0017】
図24(a)〜(c)は、吸着状態から直流電源をオフした時の各容量成分に蓄えられた電荷量の変化の模式図を示す。吸着中は図24(a)に示すように電極上の誘電体膜の方が蓄えている電荷量は多く、アンバランスな状態となっている。その後、直流電圧の印加を停止すると、電極B上の電荷量に相当する電荷については、ウエハの抵抗は誘電体膜の抵抗値に比べて十分小さいので回路1,2を介してすばやく除電される(図24(b))。しかし、電極A上の誘電体膜に残った電荷は回路3または4を介して除電(図24(c))されるが、抵抗Ra、Rbの値は大きいために放電時定数が大きく、すなわち除電時間が長くなる。この残留した電荷が残留吸着力の発生原因となる。
【0018】
一方、本発明の実施例のように二個の電極上の実際の吸着部分の面積比が1:1の場合には、各電極上の抵抗値は同一でウエハとの電位差も同じになるため、蓄えられる電荷量も同じとなる。したがって、直流電圧の印加を停止した場合、除電は図24(a)に示す回路1,2のみで行われるために除電時間は短く、残留吸着力が残らない。
図25には実際に電極上の実際の吸着部分の面積比を変化させた時の残留吸着力の発生状態を示す。横軸には直流電源を切ってからの時間をとり、縦軸には残留吸着力を示す。この結果から、各電極上の吸着部分の面積比が1:1の場合では残留吸着力が発生していないが、面積比が大きくなればなるほど発生する残留吸着力も大きいことが分かる。
したがって、本説明例のように二個の電極上の誘電体膜においてウエハを吸着する部分の面積比を1:1となるように構成した静電チャックでは、残留吸着力の発生がほとんどなく、除電時間も短い静電チャックを提供することができる。また、本発明の静電チャックを備えた試料処理装置では、装置のスループットが向上する。また、処理終了後にウエハをリフトピン等で押し上げる際にウエハを破損するといったようなことが無くなる。
【0019】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図8を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である静電チャックを用いた試料処理装置の一例を示したものである。試料処理装置としては、例えば、エッチング装置,成膜装置等のプラズマを用いた処理装置や、プラズマを用いないイオン注入装置等の真空処理装置等がある。この場合は、プラズマ処理装置を例に説明する。
【0020】
真空容器1には、ガス供給装置2および真空排気装置3が接続されている。真空容器1には、内部にプラズマ5を発生させるためのプラズマ発生装置4が設けられている。真空容器1内には、プラズマ5により処理される試料、例えば、半導体素子基板であるウエハや液晶基板等の基板9が配置される試料台が設けられている。試料台は、静電チャック10を用いて構成されている。
【0021】
静電チャック10は、この場合、電極(内電極)11,電極(リング電極)12,絶縁膜13および静電吸着用の絶縁膜(誘電体膜)14から成る。電極11は、内部に冷媒流路21が形成されるとともに上面に電極12を形成するためのリング状の凹部が形成されている。電極12はリング状に形成されている。電極11はアルミニウム合金などの導電材料で製作される。電極11の上面の凹部には、溶射膜(この場合、アルミナ)により形成した絶縁膜13を介して電極12が設けられている。電極12はタングステンの溶射膜で形成されている。絶縁膜13は電極11と電極12の間にあり、両者を直流的に絶縁する。電極11と電極12の表面には、溶射膜(この場合、アルミナ)で成る静電吸着用の絶縁膜14が形成される。なお、絶縁膜13は静電吸着用の絶縁膜14に比べ、抵抗値の高い材料が用いられる。これは絶縁膜14を介して静電吸着のための電気回路を形成するためである。
【0022】
また、内電極11には電圧印加のためのリード線18が接続されている。リング電極12には電圧印加用のリード線16が接続される。リード線16は内電極11に設けられた絶縁管15により形成される貫通孔を通して、リング電極12に接続される。リード線16と内電極11とは絶縁管15によって電気的に絶縁される。リード線16および18は、それぞれローパスフィルタ19a,19bを介して、静電吸着用の電源8a,8bに接続される。リング電極12には負電圧の直流電源8aを印加し、内電極11にはリング電極12に印加した電圧と絶対値が同一の正電圧の直流電源8bを印加している。また、スイッチ84a,84bの切り替え操作により端子82a,82b側から端子83a,83b側に接続を切り替えることにより、各電極を接地することもできる。内電極11およびリング電極12は静電吸着用の絶縁膜14によって基板9と電気的に絶縁されるので、静電吸着用電源8a,8bによって内電極11とリング電極12とに正負の電圧を印加することによって、基板9を介して直流回路が形成されて電荷がチャージされ、電極11,12の上面に基板9を静電吸着することが可能となる。
【0023】
また、リング電極12へのリード線16の接続は、図3に示すように、絶縁管15の上部に鍔を設け、該鍔の上部空間に電極芯161を設け、鍔の下部空間に電極芯161とネジ止めにより鍔に固定されるソケット162を設ける。このソケット162にリード線16を挿入して接続するようになっている。リング電極12は、電極芯161を固定した状態で溶射によって形成する。これにより、電極芯161はリング電極12に容易に接続できる。この場合、電極芯161の材質をタングステンとし、リング電極12と同一材料にしてよりリング電極12との接続を確実なものとした。なお、内電極11とリード線18との接続は、詳細図示を省略しているが内電極11に雌ネジを形成し、リード線18の先端に雄ネジを形成して、内電極11とリード線18とをボルト締結することで容易に実施できる。
【0024】
また、内電極11の中央には、絶縁管が設置された貫通孔20が設けられている。貫通孔20は、静電吸着した基板裏面へ伝熱ガスを導入する際に使用される。静電吸着用の絶縁膜14は、この場合、溶射により形成され、最後に研磨仕上げを行って平坦且つ所定の膜厚状態に加工される。溶射による絶縁膜14を用いれば、予め電極表面に機械加工を施し窪み(図示省略)を形成しておくことで、絶縁膜14の形成後の内電極11あるいはリング電極12の表面に容易に溝を形成することができる。これにより、電極表面にガス分散溝を設ける電極設計が容易になる。
【0025】
電極表面へのガス分散溝(またはガス溝)は、処理される基板の温度制御のための基板裏面への伝熱ガス(例えば、ヘリウムガス)の供給や、基板温度分布の均一化のための伝熱特性を調整するために設けられる。この場合、ガス分散溝は図2に示すように円周状に設けられるとともに、部分的に周方向に接続されている。この場合のガス分散溝の深さは、0.3mmである。
【0026】
また、ガス分散溝の形成されていない、基板9と直接に接触する絶縁膜14の吸着面は、内電極11に対応した吸着面A1〜A4,吸着面B1〜B4,吸着面Dおよびリング電極12に対応した吸着面C1〜C4を有しており、これらの間には吸着面C1〜C4の合計面積と吸着面A1〜A4,吸着面B1〜B4,吸着面Dの合計面積とが等しくなるように設定されている。
【0027】
この場合、絶縁膜13の厚さは0.3mmで、リング電極12の厚さは0.1mmで、絶縁膜14の厚さは0.4mmで溶射される。また、絶縁膜14の基板9との接触面は研磨によって0.3mmに加工される。このように形成された内電極11上の溶射膜においては、膜の一番厚いところでも0.8mmである。すなわち、内電極11上に形成された膜は、リング電極12の部分でそれ以外の部分と比べて膜の厚さは厚くなるが、その厚さは0.8mmと大変に薄い。したがって、内電極11に高周波電圧を印加した場合、内電極11全体に印加された高周波電圧の電圧の掛かり方は、絶縁膜があっても充分に無視できる程度のものであり、基板9の処理に影響を与えることはない。
【0028】
真空容器1の低面への静電チャック10の取付は、アース板24により行われる。アース板24には絶縁板23を介して内電極11が取り付けられている。中央に設けられたガス供給用の貫通孔20への伝熱ガスの供給において、貫通孔20部での伝熱ガスの漏れがないように各部品の当接部はシールされる。電極11,絶縁板23およびアース板24はボルト(図示省略)で締め付けて固定される。
【0029】
内電極11の外側周囲にはカバー22が設置されている。カバー22は、外周部に向かって滑らかに傾斜している。したがって、上方からプラズマ中のイオン照射を受けた場合に陰になる部分がない。そのため、プラズマエッチング等の処理を行った際に発生する反応生成物がカバー22に堆積しても、クリーニング用のプラズマ中に曝すことにより容易に除去できる。したがって、異物低減も容易に行うことができる。
【0030】
さらに、内電極11には、静電吸着用電源8bと共にバイアス電圧印加用の高周波電源7が接続されている。高周波電源7は、高周波バイアス電圧を内電極11に発生させる。しかし、内電極11とアース板24との間で異常放電を生じないように、内電極11,絶縁板23およびアース板24の直径を順次大きく変えて、内電極11とアース板24の両者が直接に対向しないようにしてある。これによって、内電極11の外周部に別の絶縁部材を設ける必要がなく、カバー22で兼用させることができる。
【0031】
なお、図1に示した基板9の温度制御は、内電極11に設けられた冷媒流路21に流す冷媒の温度に基づきコントロールされる。すなわち、冷媒の温度によって内電極11が温度制御され、絶縁膜14および伝熱ガスを介して基板9の温度がコントロールされる。この場合、冷媒流路21は内電極11にのみ設けてあるが、膜厚の薄い絶縁膜13を介しての熱伝導によってリング電極12も温度制御される。したがって、冷媒はリング電極12へ供給する必要はない。これにより、冷媒流路21は内電極11へ設けるだけで十分であり、機構的にも簡略化できる。
【0032】
このように構成されたプラズマ処理装置によれば、この場合、2個の電極への直流電圧の印加方法として、リング電極12に負電圧を印加し、内電極11にリング電極12への印加とは逆極性で絶対値が同一の正電圧を印加するよう構成してある。これによれば、図4に示したような電極電位となる。
【0033】
図4は、静電吸着中の基板をプラズマにさらした場合の基板と各電極の電位を示す。この場合のプラズマは、静電チャックの電極への印加電圧とは別の電源手段によって発生させたものである。一例として、リング電極12に−250V、内電極11に+250Vの電圧を印加した場合の吸着中の基板9,リング電極12及び内電極11の電位の状態を図4に示す。このように直流電源を接続した静電チャックでは、吸着中のウエハの電位は0Vである。したがって、プラズマを発生させることによりウエハの電位が仮に−20V程度に変化した場合でも、ウエハと各電極間の電位差の変化は小さい。よって、ウエハと各電極間に蓄えられたそれぞれの電荷量の変化も小さい。
【0034】
本実施例のように吸着面積を等しくし、かつ、それぞれの電極に極性の異なる絶対値の等しい直流電圧を印加するように静電吸着電源を接続した静電チャックでは、プラズマを発生させただけの状態の残留吸着力は極めて小さいものである。このため、静電チャックからのウエハの離脱に際しては、残留吸着力の影響はほとんどない。また、プラズマを消滅させた後も静電吸着用電源による直流電圧の印加を継続すると、プラズマを発生させていない最初の状態に戻る。これにより、ウエハと各電極間の電位差はなくなる。その結果、前述の図22ないし25の説明で述べたと同様の原理、すなわち、吸着面積を等しくすることにより、電荷量が等しくなって、直流電源を切った際にどちらの電極にも残留する電荷はなくなる。言い換えると、残留吸着力の発生をなくすことができるという効果がある。
【0035】
また、基板の処理を促進させる目的で試料台に高周波電圧を印加し、基板にバイアス電位を発生させる(通常−300V以下程度)場合がある。この場合には、図4に示すように、基板とそれぞれの電極との間の電位差が変化し、蓄えられた電荷量に大きな差が発生する。しかしながら、その場合にも、プラズマを消失させた後、一定時間、電極に直流電圧を印加することにより、残留吸着力を減少させなくすことができる。さらに、プラズマ生成中に高周波電圧の印加を停止させて、一定時間、プラズマの生成を維持させることにより、上述のプラズマを発生させたときと同じ状態、すなわち、−20V程度の問題にならない範囲の電位差まで減少させることができる。すなわち、−20V程度の電位差にときの吸着力は極小さい値であり、そのままリフトピンで押し上げても基板割れを生じることはない。よって、高周波電圧印加を用いたときの残留吸着力の除去において、これら高周波電圧の供給停止からプラズマ生成停止までの時間とプラズマ停止から静電吸着用直流電圧の供給停止までの時間とを調整することにより、さらに効率的な残留吸着力除去を行うことができる。
【0036】
また、図4に示されているように高周波電圧を印可した場合には、正の電圧の電極側ではウエハと内電極との電位がおおきくなる。逆に、負の電圧の電極側ではウエハとリング電極との電位が小さくなる。本実施例の電極構成の場合、外周部分と中央部分とに吸着部を有する内電極が正の電圧側となるので、この現象を利用することにより、ウエハの中央部分と外周部分とをより強固に保持できる。これによって、プラズマ処理中におけるウエハ外周部からの伝熱ガスのリークをさらに抑制できる。また、ウエハ中央部分をより冷却したい場合には、ウエハ中央部分の吸着力が大きので効果的である。逆に、ウエハ中央部分の冷却をあまり行いたくない場合には、ウエハ中央部分のガス溝の面積を大きくするとともに、ガス溝の深さを深くしてガス溝部分での熱の伝達効率を下げるようにすれば良い。この場合、リング電極12に対応する部分では、内電極11に対応する部分に合わせて吸着面積を少なくするとともに、ガス溝の深さは浅くしておく。
【0037】
次に、図5に基板の吸着、プラズマ処理開始、プラズマ処理の終了、基板内の除電の順で処理を行うときのタイムチャートを示し、手順を説明する。まず、基板を搬送装置(図示省略)によって真空容器内に搬入する。基板が静電チャック10上に配置された後、まず最初に、基板の吸着を行なうために正負の電極11,12間に直流電圧を印加する。次に、絶縁膜14(誘電体膜)表面に設けられたガス溝内に伝熱ガスを導入する。このとき既に、真空容器1内には、基板を処理するための処理ガスがガス供給装置2によって導入され、所望の圧力に維持されている。その後、真空容器1内にプラズマ発生装置4によってプラズマ発生用のエネルギ(例えば、マイクロ波電界,高周波電界等)を導入する。これにより、真空容器1内にはプラズマが発生する。次に、基板にバイアス電位を発生させるための高周波電圧が印加される(なお、高周波電圧の印加の要否はプロセスによって決まる。ただし、高周波電圧を印加する場合は、インピーダンスの整合を取るためにプラズマが安定して生成されている間で、印加,停止が行われる)。プラズマによるウエハの処理の終了と同時にプラズマ発生用のエネルギの導入を停止しプラズマを消失させる。なお、高周波電圧はプラズマの消失前に停止される。この場合、高周波電圧の停止後、4secでプラズマを消失させる。これにより、前記説明したようにプラズマ処理中に発生した各電極上の絶縁膜(誘電体膜)に蓄えられた電荷量のアンバランスがほぼ解消される。基板の処理終了後、伝熱ガスは不要となるので停止し、図には省略しているが分散溝およびガス供給路に溜まった伝熱ガスの排気を行う。続いて静電チャック上からの基板除去のためのウエハの搬送を行なうが、その前に通常プラズマ処理に使用される処理ガスには有害なものが多いため、十分に排気する。本実施例では、約10sec行う。そして、本実施例ではこの処理ガスの排気時間内に静電チャックの除電(残留吸着力除去)を完了させる。さらに詳述すると、プラズマ消失後1secで伝熱ガスおよび処理ガスの導入を停止し、分散溝内に残った伝熱ガスを排気する(0.5sec)。その後、プラズマ消失後3secで静電吸着用の直流電圧の印加を終了する。このプラズマ消失後の3sec内で、前述の高周波電圧停止後のプラズマ生成維持によって解消した電荷量のアンバランスを除く残りの各電極上の絶縁膜(誘電体膜)に蓄えられた電荷量のアンバランスが、前記説明したようにして解消される。したがって、両電極上の電荷量はバランスするので、直流電圧を停止させた後は、両電極に分極された電荷はすばやく消滅する(約2〜3sec)。そして、処理ガスの排気終了後すぐに基板の搬送が可能となる。基板が真空容器内から搬出された後、引き続き新たな基板の処理があれば同様に搬入され処理が繰り返される。新たな基板の処理がない場合は、以上で処理を終了する。
【0038】
このように、静電チャックの最終除電は処理ガスの排気時間内に終了させることができるので、静電チャックの除電用時間を別に設ける必要がない。これにより、装置の稼働率が良くなる。
【0039】
ここで、図5に示したタイムチャートによれば、高周波電圧の停止からプラズマ生成の停止までの時間を4secとしたが、この時間はプラズマ停止後の残留吸着力除去(電荷量のアンバランス解消)時間との兼ね合いで、適宜設定される。図6に高周波電圧供給停止からプラズマ生成停止までの時間と残留吸着力との関係を示す。図6によれば、この場合、高周波電圧供給停止から約3sec位まではあまり残留吸着力は低減されていない。高周波電圧供給停止から約4sec後にプラズマを消滅させた場合には、残留吸着力は約半分に低減されている。また、高周波電圧供給停止から約5sec以上後にプラズマを消滅させた場合には、残留吸着力は低いほぼ一定の値まで低減されている。この低い値の残留吸着力は高周波電圧を印加せずに、プラズマのみ発生させたときに生じる電位差によるものである。よって、前述したように、この低い値の残留吸着力が残った状態で基板の離脱を行なわせても、特に問題になることはない。
【0040】
次に、静電チャックからの基板の離脱方法について、図7および図8により説明する。内電極11には、複数箇所に絶縁管34が設けてある。絶縁管34の孔内には、静電チャックの載置面から基板9を離脱させるためのリフトピン30が貫通して設けられている。リフトピン30の下部には、ロードセル31を介してステッピングモータ32が取り付けられている。ロードセル31からの信号は、制御装置33に入力される。制御装置33はステッピングモータ32を制御するように信号を出力する。静電チャックの絶縁膜14上に基板9が配置された状態で、電極11の外周部および基板外周部を囲んでカバー22が設けてある。基板9の外周端面とカバー22との隙間は、この場合、約1mm以内に設定されている。これは、リフトピン30により基板9を静電チャックから離脱させる際に、基板9がリフトピン30上でずれたとしても、図示を省略した搬送装置に基板を受け渡すときに問題を生じない範囲の許容移動量範囲内に設定してある。
【0041】
したがって、このような試料台の構成にしておけば、多少残留吸着力が残っていた場合でも、リフトピン30により強制的に基板を離脱させることが可能となる。すなわち、リフトピン30を上昇させて、残留吸着力以上の力が基板に作用し、基板がジャンプした場合でも、基板はカバー22によって、その位置を維持される。これにより、完全に残留吸着力が消滅しない場合でも、安全に基板の離脱をさせることができる。
【0042】
基板の離脱に際しては、図8に示すようにリフトピン30を上昇させると、ベローズ等の構成要素によって、バネ荷重が掛かっているときのように一定の大きさでロードセル31の荷重が増えていく。ここで、リフトピン30が基板9の裏面に当接し、基板に残留吸着力があるときには、ロードセル31は残留吸着力による荷重をさらに加えて検出するようになり、図8に示されたように局部的に突出した荷重が現れる。ここで、残留吸着力が残っていて、リフトピンにより強制的に押し上げを行ったときに基板が割れたり、異常な飛び跳ねを生じたりしない許容押し上げ力を設定しておく。この許容押し上げ力を制御装置に記憶させておき、ステッピングモータ32によってリフトピン30を上昇させていく。リフトピン30が基板に当接し、さらにリフトピン30が上昇して、ロードセル31の検出する荷重が許容押し上げ力を越えたとき、制御装置33はステッピングモータ32によるリフトピンの上昇速度を遅くするかまたは上昇を停止させる。これにより、基板の損傷および基板の搬送ミスを防止することができる。
【0043】
したがって、このような基板の離脱制御を行えば、プラズマ停止後に基板の離脱操作を開始し、静電吸着用の直流電圧の印加停止直後に基板の離脱を行うことが可能となり、さらにスループットの向上を図ることができる。
【0044】
以上、本一実施例によれば、試料配置面にガス溝を有するバイポーラタイプの静電チャックにおいて、静電吸着用の直流電圧の供給停止直前の正負両電極に対応したそれぞれの吸着部の電荷量を等しくしているので、直流電圧の供給を停止した際に、両電極の電荷が等量消滅し、両電極には残留する電荷が生じることがない。したがって、直流電圧の供給を停止後の除電作業を不要にすることができるという効果がある。これにより、試料搬送におけるスループットを向上させることができる。
【0045】
また、本一実施例によれば、内電極とリング電極との上面に同一の静電吸着用の絶縁膜を設け、ガス溝部を除く、正負両電極に対応したそれぞれの吸着面の面積を等しくしているので、静電吸着用の直流電圧の供給停止直前の正負両電極に対応したそれぞれの吸着面に帯電した電荷量が等しくなるので、直流電圧の供給を停止した際に、両電極には残留する電荷が生じることがない。したがって、直流電圧の供給を停止後の除電作業が不要であり、試料搬送におけるスループットを向上させることができる。
【0046】
このように、本実施例によれば、二個の電極を有し、ウエハを吸着する誘電体膜の部分の面積比を1:1となるように静電チャックを構成することにより、残留吸着力の発生がほとんどなく、除電時間も短い静電チャックを提供することができる。したがって、本静電チャックを備えた試料処理装置では、除電時間が短いので、装置のスループットが向上するほか、残留吸着力の発生がほとんどないので、処理終了後にウエハをプッシャ等で押し上げる際に、ウエハを破損するといったようなことがなくなる。
【0047】
また、内電極とリング電極とによって同心円状の一対の電極を構成しているので、基板の中心を点対称に基板全体が条件的に均等になるので、基板処理が均一にできる。
さらに、直流電源の供給停止後に残留吸着力が消滅するので、基板を離脱させ静電チャック上から基板がなくなったときでも、残留吸着力があるときに比べ基板配置面には電荷を有した異物が付着し難くなるので、新たな基板の裏面に異物を付着させることがない。
【0048】
なお、本第1の実施例では、内電極11とリング電極12とに正負逆の同電位の電圧を印加しているが、プラズマ処理中はバイアス電圧に対応して両電極の吸着電圧が等しくなるように、それぞれ直流電源81a,81bによってそれぞれの電圧を可変させても良い。このようにすれば、静電吸着面積が等しいので、プラズマ処理中も静電吸着力が等しくなり、極端な面内温度分布の不均一を防止できる。
【0049】
また、一対の電極配置において、本一実施例は、図9(a)に示す電極11の外周部からやや内側に電極12を配置した場合を例に説明したが、図9(b)に示すように電極11の外周部に電極12を設けても良い。また図9(c)に示すように電極11の中央部に電極12を設けるようにしても良い。
図9(b)の構成によれば、リング電極12aを設けるための窪みの加工が容易になり、コスト低減に寄与できる。また、リング電極12aの一端が応力的に開放されているので熱サイクルを受けたときに、割れ等の損傷を生じることがない。図9(c)の構成によればガス溝を形成するときに、電極12bの外側の加工が容易になる。また、通常プラズマ処理装置では外周部の温度制御が難しい。しかしながら、電極12bの外周部でのガス溝の設計の自由度が高いので、外周部の温度制御が行い易くなる。
【0050】
また、一対の電極への直流電源の接続方法において、本実施例では、内電極11に正電位を印加し、リング電極12に負電位を印加するように直流電源を接続したが、図10に示すように接続しても良い。図10は、2個の電極への直流電圧の印加法として、内電極11を接地電位、リング電極12に負電位が印加されるように静電吸着用電源8aを接続する構成となっている。図10に示す静電チャックにより吸着・保持中のウエハを、プラズマ発生装置によって発生させたプラズマにさらした場合のウエハと各電極間の電位を図11に示す。一例として、リング電極12に−500V印加した場合を考えると、吸着中のウエハの電位は−250Vであり、内電極は0Vである。したがって、各電極とウエハ間の電位差は等しく250Vであり、吸着力も等しい状態にある。その後、プラズマにウエハがさらされると、ウエハには約−20Vのバイアス電位が発生するため、各電極とウエハ間の電位差が変化する。この場合、内電極11とウエハとの間の電位差は250Vから20Vに変化する。リング電極12とウエハとの間の電位差は250Vから480Vに変化する。その結果、内電極部では吸着力は低下してしまう。しかし、リング電極部ではより吸着力が増した状態となる。したがって、ウエハの裏面に流した冷却ガスはウエハの外周近傍で十分にシールされることになり、伝熱ガスの漏れがなく都合が良くなる。また、プラズマ処理の場合、ウエハ外側の温度が上がり易く、より冷却を必要とする。本実施例の場合、リング電極12部での吸着力が増すので、プラズマ処理中の温度分布の均一化にも効果がある。
【0051】
図12は、接地電位に対してリング電極12および内電極11をフローティング状態にして静電吸着用電源8aを接続し、リング電極12に内電極11よりも電位の低い電圧を印加してある。また、スイッチ84aの切り替え操作により各電極を同電位とすることもできる。一例として、リング電極12と内電極11との間に500Vの電位差を発生させ、静電チャックによって吸着・保持中のウエハとリング電極及び内電極の電位の状態を図13に示す。このように構成された静電チャックでは、吸着中のウエハの電位はリング電極12と内電極11の中間電位となり、リング電極12と内電極11との電位差は同一となる。この状態でウエハがプラズマにさらされて、更にウエハに高周波電圧を印加してバイアス電位を発生させた場合であっても、リング電極12と内電極11に印加した電圧は接地電位に対してフローティングとなっているために、ウエハ電位と同様にバイアス電位分が共に変化し、結果的にウエハと各電極間の電位差は変化しない。したがって、各電極状の実際の吸着部分の誘電体膜に蓄えられた電荷量に変化はないので、吸着力の分布の変化もない。すなわち、吸着力が変わないので、残留吸着力の発生もほとんど生じないという効果が期待できる。本実施例では、リング電極12に内電極11よりも電位の低い電圧を印加した例を示したが必ずしもそうである必要はなく、逆に接続しても得られる効果は同様である。
【0052】
また、これら図10,図12のように接続した場合にも、ウエハの処理を促進させる目的でウエハに高周波電圧を印加し、ウエハにバイアス電位を発生させる場合(通常−300V以下程度)があるが、この場合にはウエハと電極間の電位差が変化し、蓄えられた電荷量に差が発生する。その場合には、前述のように高周波電圧の供給停止後、一定時間プラズマを維持させる。また、プラズマを消失させた後、一定時間直流電圧を印加することにより、残留吸着力(電極間の電荷量のアンバランス)を減少させることができる。
【0053】
図10及び図12のように直流電源を接続した静電チャックにおいても、正負異極の電極上の被吸着物を実際に吸着する部分の誘電体膜に蓄えられた電荷量をほぼ同一にすることにより、除電(残留電荷除去)がスムーズに行われ残留吸着力の発生がほとんど生じない。しかし、非常に大きな吸着力が要求されるような場合には、正負異極の電極間に大きな直流電圧を印加する必要があるが、この場合には誘電体膜に蓄えられた電荷量も当然大きくなり、除電に要する時間が数秒から数十秒かかることもあり得る。このような場合には、正負異極の電極間に吸着中とは逆の極性の電圧を印加することにより、除電時間を短縮することができる。このようにすれば、より除電時間の短い静電チャック及び試料処理装置を提供できる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施例を図14および図17により説明する。
図14に本静電チャックの基本構造を示す。アルミブロック34上に接着剤36を介して誘電体膜35を固定してある。誘電体膜35はアルミナ焼結体で成る。誘電体膜35内部には2個の電極、すなわち、リング電極31と内電極32が同心円状に埋め込んである。この2個の電極31,32は厚みが約50ミクロンから100ミクロン程度で、材質はタングステンである。これら2個の電極への直流電圧の印加は、絶縁性の樹脂43により完全に封止された導線38を介して行われる。この導線38と各電極はろう付け37されている。本実施例では、内電極32には接地電圧が印加され、リング電極31にはスイッチ39を介して直流電源40が接続されている。スイッチ39の切り替え操作により、直流電源40のマイナス電位と接地41に切り替え・接続される。そして、誘電体膜35の表面44にウエハを積載した状態で、スイッチ39によってリング電極31に負電圧を印加すれば、ウエハと各電極間に電位差が発生する。これによって、ウエハを接触面44に静電気的に吸着固定することができる。また、スイッチ39を逆に切り替えてリング電極31を接地にすれば、ウエハと各電極の間に蓄えられた電荷を除電することができる。
【0055】
この場合、誘電体膜35の厚みは全体で1mmであるが、電極31,32上の誘電体膜の厚みは300ミクロン、表面粗さは3μmに加工している。そして、この誘電体膜の表面44には、ガス溝46が、この場合、深さ20ミクロン程度で図に示すように設けられている。ガス溝46は、処理中のウエハの冷却を促進するための伝熱ガスがウエハ裏面全面に効率良く行き渡るように形成してある。ガス溝46には、外部の配管(図示しない)を介して伝熱ガス導入口45から伝熱ガスが導入される。このガス溝のパターンは、処理中のウエハの温度分布が所望の値となるべく設定される。そして、本実施例ではリング電極上で実際にウエハを吸着している部分の面積と、内電極上で実際にウエハを吸着している部分の面積が1:1になるように構成されている。また、リング電極上でのガス溝部分の面積と、内電極上でのガス溝部分の面積が1:1になるように構成されている。また、本静電チャックでは同心円状に4本のリフトピン47が設けられている。リフトピン47は、絶縁管48によってその内部に電極31,32やアルミブロック34から絶縁されて設けられている。このリフトピン47は外部のモータ等の上下機構(図示しない)により上下に駆動可能であり、処理終了後のウエハの搬送に用いられる。
【0056】
上記のように構成された静電チャックによれば、ガス溝の深さは電極上の誘電体膜の厚さに比べ1/10以下程度であり、実際にウエハを吸着している部分の静電吸着力とは異なるが、同様に静電吸着力が生じている。図16にウエハと誘電体膜との距離による静電吸着力の関係を示す。この場合、図16(a)に示すように、静電チャック上にスペーサを設けてウエハの吸着力を調べた。ウエハとして、ミラーウエハを用いた場合を(b)に示し、SiO2膜付ウエハを用いた場合を(c)に示す。これによれば、いずれも30μm以上ではほとんど吸着力が生じていないことが分かる。したがって、30μmより浅いガス溝の場合には、ガス溝における静電吸着力も考慮に入れる必要がある。特に、20μm以下では確実に静電吸着力が生じているので考慮が必要である。
【0057】
本実施例では、静電吸着中の内電極およびリング電極状での実際にウエハを吸着している部分の面積とガス溝部分の面積とが、実際の吸着面及びガス溝部分でそれぞれに同一面積にしてあるので、静電吸着中の電荷量は等しく、前記第一の実施例と同様に直流電圧を供給停止後は、残留吸着力をほとんど発生させることがない。
【0058】
なお、本第2の実施例の静電チャックではアルミナの焼結体を使用している。通常、静電チャックの誘電体膜にはセラミックス系の材料が用いられることが多い。しかし、セラミックス系の材料では、前述したように抵抗率が印加電圧に依存するほか、温度にも依存するという特性を持つ。図17は、本実施例の静電チャックに使用した誘電膜の印加電圧200V時の抵抗率の実測値を示す。この図から、誘電膜の温度が20度の場合とマイナス50度の場合とでは抵抗率が約30倍も変化することが分かる。誘電体膜の抵抗率が低すぎる場合には、誘電膜表面とウエハ裏面との間に電荷が蓄えられず吸着力が発生しなくなってしまう。また、抵抗率が高すぎると誘電膜表面とウエハ裏面との間に蓄えられた電荷の放電時定数が大きくなり除電時間が長くなる。このため、残留吸着力が残ったままになってしまういう問題が起きる。
【0059】
再現性良く微細な処理が要求されるプロセスでは、処理中のウエハの温度を管理するために静電チャックの温度を制御することが行われている。しかしながら、その使用温度がプロセスによって広範囲にわたる場合、ある温度のプロセスには使用できないと可能性が出てくる。例えば、エッチング装置ではマイナス60℃程度の低温から100℃程度の温度にウエハ温度を制御する必要がある。また、CVDやスパッタを用いる成膜装置では100℃から700℃程度の高温にまで達する場合もある。この様な場合には、誘電体膜の基本となる材料に、例えば、金属酸化物等の不純物を添加することにより誘電体膜の抵抗率を制御する。このようにして、使用する温度の範囲内で適切な値となるようにしておけばよい。
【0060】
このように構成された誘電体膜を有する静電チャックを用いることで、使用温度の全範囲にわたり十分な吸着力を確保しつつ、素早く除電を行うことができる。また、この様な静電チャックを備えた試料処理装置では、一台の処理装置で全ての温度範囲の処理を行うことができるため稼働率が高い装置とすることができる。
また、使用温度が異なるプロセスに静電チャックを使用する場合には、使用温度により誘電体膜の抵抗率が異なるために吸着力が変化する。吸着力が変化すると吸着部分の熱伝導性が変化しプロセスが変化する可能性がある。この様な場合には、使用する温度に応じてあらかじめ調べておいた結果をもとに、同じ吸着力を発生する電圧を印加するようにすればよい。
この様に構成された静電チャックを備えた処理装置では、常に再現性の良い処理装置を提供することができる。
【0061】
なお、前述の第一実施例および第二実施例では、静電吸着用の直流電圧の印加を停止する直前の静電吸着膜(絶縁膜14,誘電体膜35)に蓄積された正負の電荷量を同一にするために、正負の電極に対応した実際の吸着面積を等しくするようにしたが、吸着面積を同一にできない場合には、次のようにすれば良い。
【0062】
例えば、図14において、内電極32上の実際の吸着部分の面積を54cm2とし、これに対して、リング電極31上の実際の吸着部分の面積を152.5cm2とすれば、リング電極31側の吸着部面積は内電極32側の吸着部面積に比べ2.8倍の面積となる。したがって、吸着中にウエハと各電極上の誘電体膜との間に蓄えられた電荷量を、使用条件である印加電圧400V時にほぼ同じくするために、図22ないし図25の説明で記述したのと同様の考え方に基づき、表面粗さを内電極32上の誘電膜表面では3μm、リング電極31上の誘電体膜表面では3.9μmとする。このとき、各電極とウエハとの間に発生する電位差を前述の式から求めると、内電極とウエハとの間では274V、リング電極とウエハとの間では126Vである。また、内電極上の誘電体膜の静電容量は16nF、リング電極上の誘電体膜の静電容量は35nFとなる。これらの条件から、各電極上の誘電体膜に蓄えられた電荷量を算出すると、内電極上の誘電体膜では4.4×10-6クーロン〔C〕、リング電極上の誘電体膜では4.4×10-6クーロン〔C〕となる。よって、両電極側とも誘電体膜に蓄えられた電荷量は同じであることがわかる。したがって、この状態から直流電源による電圧の印加を停止すると、前述の図22ないし図25の説明で記述したのと同様の原理により残留吸着力の発生が押さえられ、除電時間も短くなる。
【0063】
つまり、各電極上の実際の吸着部分の誘電体膜の静電容量の比と、各電極上の実際の吸着部の誘電体膜の抵抗の比の積とがほぼ1となるように、すなわち、Ca・Va=Cb・Vbの関係からCa・Ra=Cb・Rbとなるように静電チャックを設計すれば、吸着中に各電極上の実際の吸着部分に蓄えられた電荷量が同一となる。これにより、残留吸着力の発生を押さえることができる。
【0064】
なお、上記の説明では、内電極32側の吸着面積を小さくして説明したが、リング電極31側の吸着面積を小さくすることも処理条件によって考慮すれば良い。ウエハ裏面にガスを供給した場合での静電吸着力とウエハ温度との関係を実験により調べると、静電吸着力を大きくした方が良く冷却された。一方、各電極部での静電容量(Q=C・V)が等しいとき、静電吸着面積を小さくした方が単位面積当たりの吸着力は大きくなる。これらに基づき、試料処理における試料面内の温度分布を考慮し、試料の外側をより冷却または加熱する必要のある場合には、試料裏面に冷却ガスを供給するとともに、試料の外側を強く吸着・保持することにより、温度分布を改善することができる。したがって、吸着面積が異なるような場合、各電極の吸着面積を適宜設定することにより、試料の面内温度分布を調整することができるという効果がある。
【0065】
次に、本発明の静電チャックを用いた第3の実施例を図18により説明する。本実施例では、新品のダミーウエハ50を誘電体膜53に積載させ、直流電源54により実際の処理中に印加する電圧よりも大きな電圧を印加して吸着する。その結果、誘電膜表面に付着している異物、例えば、負の電荷を有する異物は、通常のウエハ吸着中の電荷(この部分では負の電荷)よりさらに大きい電荷によって、通常では反発しきれずに誘電体膜表面に付着していた異物が反発され、ウエハ裏面に転写される。これにより、このダミーウエハを通常ウエハを搬送するのと同様の方法により取り出せば誘電膜上の異物を除去できる。なお、この本図では負に帯電した異物のみしか表示していないが、正に帯電した異物もある。
この作業を、定期的に行う静電チャックでは、処理ウエハの裏面に付着する異物数を低減することができ、常にクリーンな処理を行うことかできる。したがって、本実施例の静電チャックを備えた処理装置では、製品の歩留まりを向上させることができる。また、装置内に蓄積された異物を掃除するために行う装置の分解作業の回数を低減できるため、稼働率の高い装置を提供することができる。
【0066】
なお、第3の実施例では、正負どちらか一方の電荷を有する異物の除去について説明したが、正負どちらの異物も除去できる例を図19により説明する。この場合は、図18の直流電源に代えて、印加電圧の極性をプラスとマイナスを任意に切り替えられる直流電源に変更し、誘電体膜53の表面に新品のダミーウエハ50を積載し、図19に示すように通常処理中のウエハを吸着するのに印加する電圧よりも絶対値の大きな直流の交番電圧を印加する。この様な操作をすることにより、図18の例に示した操作だけでは取りきれないような異物、すなわち、この場合、正に帯電して誘電体膜と静電気力で吸着した異物もダミーウエハに転写して除去することができる。したがって、本実施例によればより効果的に誘電体膜をクリーニングすることができる。
なお、本実施例では誘電膜上の異物を取り除くために新品のダミーウエハを使用したが、必ずしもこれに限るわけではなく、清浄な導電性もしくは半導電性の材料から構成される部材であれば何でも良い。ただし、重金属汚染の原因となるような物質を含む材料は避ける方が好ましい。
また、本実施例では直流の交番電圧を印加したが、これに限らず交流電圧を印加しても同様の効果を期待することができる。
【0067】
本発明の静電チャックを用いた第4の実施例を図20および図21により説明する。図20は静電チャックを用いた試料処理装置の構成を示す。試料処理装置は、この場合、大気ローダ部と真空処理部とから成る。大気ローダ部は、複数のカセット61を配置可能なカセット設置位置を有する。また、大気ローダ部は、カセット61内に収納されたウエハを真空処理部へまたは真空処理部で処理されたウエハをカセット内へ搬送するための大気搬送ロボット62を有している。真空処理部は、真空搬送室65の周りにロードロック室63,アンロードロック室64,処理室A70,処理室B71,処理室C72,処理室D73を接続して構成される。ロードロック室63およびアンロードロック室64は大気ローダ60側に位置する。真空搬送室65内には、真空搬送ロボット66が設けられている。真空搬送ロボット66はアーム67およびアーム67の先端にハンド68を有している。真空搬送ロボット66はハンド69を各室63,64,70,71,72,73に挿入可能に動作する。ハンド68は両端にウエハの載置面を有している。ハンド68の先端のウエハ載置面には、図21に示されるような静電チャックが形成されている。静電チャックは外電極681,絶縁膜682,内電極683,静電吸着用の絶縁膜684から構成されている。ハンド68先端の外電極681には、例えば、3箇所の凸部が形成されており、凸部の一部に内電極683を設けるための凹部が形成されている。外電極681の凹部には電極を貫通して絶縁管685が取り付けてあり、絶縁管685内には電極芯686が取り付けてある。凹部には溶射膜で成る絶縁膜682が形成され、絶縁膜682上に溶射膜で成る内電極683が形成されている。内電極683は内電極683の溶射によって電極芯686と容易に接続される。外電極681および内電極683の上面には溶射膜で成る絶縁膜684が形成されている。電極芯686にはリード線689が接続され、外電極681にはリード線688が接続されている。リード線688およびリード線689は静電吸着用電源(図示省略)に接続されている。外電極681の下面には絶縁カバー687が設けてある。静電吸着面が形成された凸部は、この場合、異物の付着を少なくするためにウエハとの接触面積をできる限り最小にしてある。また、静電吸着面の外電極681と内電極683とに対応したそれぞれの吸着面の面積は同じにしてある。
【0068】
このように構成された試料処理装置によれば、大気搬送ロボット62によってカセット61からウエハを取り出し、ロードロック室63にウエハを搬入する。ロードロック室に移されたウエハは真空搬送ロボット66によって指定された処理室(例えば、処理室71)に搬送される。このとき、まず、処理室71で既に処理の終了したウエハをハンド68の一方で受け取る。次に、ハンド68の向きを変えて、未処理ウエハを処理室71に搬入する。ハンド68の一方に保持されたままの処理済みウエハは、真空搬送ロボット66によって次の処理室(例えば、処理室70)に搬送される。一方、他の処理室(例えば、処理室72)で処理を行う予定のウエハは、前述の大気搬送ロボット62および真空搬送ロボット69の同様な動きにより搬送される。
【0069】
ここで、真空搬送ロボット66がロードロック室63および各処理室でウエハを受け取る際、外電極681および内電極683には、正負の極性が異なり絶対値の等しい直流電圧を印加する。これにより、静電吸着面のそれぞれの電極に対応した面での絶縁膜には、電荷量の等しい電荷が蓄えられる。また、真空搬送ロボット66がアンロードロック室64および各処理室でウエハを受け渡す際、外電極681および内電極683に印加されていた直流電圧を供給停止する。これにより、静電吸着面のそれぞれの電極に対応した面での絶縁膜に蓄えられていた電荷は、バランス良く消滅する。これにより、静電吸着面に残留吸着力が残ることなく、ウエハは容易に静電吸着面から離脱する。ハンド68における静電吸着面からのウエハの離脱は、前述した図7,図8のようなリフトピンを用いることにより行われる。ハンド68からのウエハの離脱に際しては、真空搬送ロボット66によってハンド69上のウエハが所定位置に到着して停止した時点で、静電吸着用の直流電圧の印加を停止する。同時に、ウエハが所定位置に到着して停止した時点で、リフトピンの上昇を開始させる。リフトピンがウエハに当接した時点で静電チャックの電荷が完全に消滅していなくても、前述した図7,図8のようにロードセルによってリフトピンの押付け力を検出しながらステッピングモータの動きを制御する方式を併用することにより、リフトピンの押上げ力が制御されているので、ウエハに損傷を与えることがない。これにより、静電吸着用の直流電圧の印加を停止し、正負の両電極に分極された電荷が消滅するまでの数秒(約2〜3sec)待って、リフトピンを上昇させウエハを離脱させるということをしなくても良くなる。したがって、ウエハ搬送時のスループットを向上させることが可能となる。なお、この電荷が消滅するまでの数秒の時間が、ウエハ処理全体のスループットに影響しないものであるときには、特にロードセルを用いたリフトピンの押上げ力の制御を行う必要はない。
【0070】
また、静電吸着面の絶縁膜に蓄えられた正負の電荷量を、直流電圧の供給停止直前において等しくしてあるので、静電吸着用の直流電圧の印加を停止させるだけで、確実に残留吸着力を消滅させることができる。したがって、本静電チャックを大気搬送ロボット62のウエハ保持部に用いても、ウエハをカセット内に収納する際にも問題なくウエハをカセットの収納段に移すことができる。
【0071】
以上、本実施例によれば、搬送ロボットのウエハ保持部に静電チャックを用いることにより、アーム上でのウエハの保持を確実なものにできるので、ウエハ搬送の信頼性を向上させた試料処理装置とすることができる。
また、アーム上でのウエハの保持を確実なものにできるので、搬送ロボットによる搬送速度を速くすることが可能となり、スーループットの向上を図ることができる。さらに、アーム上に2つのウエハ保持部を有するハンドを設けた搬送ロボットに本静電チャックを採用することにより、1つの処理室で処理済みのウエハと未処理のウエハとを入れ替える際に、該搬送ロボットによりハンドの一方から他方に向きを変える、すなわち、アームを回転(または、ハンドを回転)させるときの回転速度を速くしても、ウエハが遠心力により離脱することがない。よって、処理室でのウエハの入れ替えが速くでき、ウエハ処理におけるロスタイムを少なくできる。
なお、本実施例では大気搬送ロボットにも静電チャックを用いた構成としていたが、大気搬送ロボットは真空チャック等別の保持手段であっても良い。
【0072】
以上、第1の実施例から第4の実施例の静電チャック及び試料処理装置を例に本発明を説明したが、最も重要な点は、処理室に適用した静電チャックおよび試料搬送装置に適用した静電チャックにおいて、正負の電極間に印加した直流電圧を停止する直前に誘電体膜に蓄えた電荷量を同一にするということである。このようにすることにより、除電がスムーズで残留吸着力の発生がほとんどない静電チャックを提供できる。また、プラズマ処理装置,真空処理装置等の試料処理装置に適用した際には、試料処理中および試料搬送中における試料の確実な保持が行われるとともに、次処理のための試料の受渡しに際し、試料に損傷与えることなく速やかに離脱させることができるので、稼働率の良い試料処理装置とすることができる。
【0073】
以上、上記実施例によれば、正負の電極に印加した直流電圧の停止直前に各電極に対応した静電吸着用の絶縁膜に蓄えられた電荷量を等しくしているので、直流電圧の印加停止後に特に別の除電ステップを設けることなく、速やかに静電吸着用の絶縁膜に蓄えられた電荷を消滅させることができる。これにより、残留吸着力の発生がほとんどなく、除電時間の短い静電チャックを提供できる。
【0074】
また、述のように、リフトピン等の動作時間を考えると、特にロスタイムになるということはないが、さらに必要があれば、印加電圧停止後に吸着中とは極性が逆の電圧を印加すれば、より短時間に、誘電体膜に蓄えられた電荷を消滅させることができる。
【0075】
また、上記実施例によれば、高周波電圧の印加停止後、ある所定の時間の間、プラズマ生成を維持させることにより、バイアス電圧を生じさせるための高周波電圧の印加が同時に行われたプラズマ処理の、プラズマ処理中に生じた電荷量のアンバランスを解消させることができる。また、プラズマ生成を停止した後、ある所定の時間の間、静電吸着用の直流電圧の印加を行わせることにより、プラズマ生成中の電荷量のアンバランスを解消することができる。さらに、静電吸着用の直流電圧の印加停止後の静電吸着用の絶縁膜に蓄えられた電荷の消滅は、処理ガスの排気時間内に完了するので、静電チャックに起因する処理能力の低下ということのないプラズマ処理装置を提供できる。
【0076】
また、上記実施例によれば、直流電源の供給停止後に残留吸着力が消滅するので、残留吸着力があるときに比べ基板配置面には電荷を有した異物が付着し難くなり、新たな基板の裏面に異物を付着させることがないという効果がある。
【0077】
また、物が付着している場合、静電吸着用の電極に通常の印加電圧よりさらに高い電圧を印加したり、または通常の印加電圧より絶対値の大きい交番電圧を印加することによって、静電チャックの誘電体膜(静電吸着用の絶縁膜)上に付着した異物を、ダミーウエハに転写させて除去することができるので、これを定期的に行うことにより製品ウエハの裏面異物を低減することができる。
【0078】
さらに、上記実施例のように、試料処理装置のウエハ保持部全箇所に適用した場合には、ウエハ保持部に残留吸着力の発生がないので、ウエハの離脱が容易で確実な受渡しを行うことができる。したがって、非常に信頼性の高い試料処理装置を提供することができる。なお、静電チャックによって保持されたウエハの処理中に、停電が生じた場合、ウエハの吸着力が低下し、ウエハ裏面に残留した伝熱ガスの圧力によってウエハが浮き上がりずれる。この場合は、ウエハの吸着力が保持されている間に伝熱ガスの圧力を下げれば良い。すなわち、静電チャックへの直流電圧の急停止が生じたときには、内電極とリング電極に電圧を供給する直流電源に補助電池を備え付け、補助電池によって吸着力を一定時間保持させ、この時間内に伝熱ガスを排気すれば良い。伝熱ガスを排気する最も簡単な方法の一例としては、供給電圧がオフのとき、ウエハ裏面につながる伝熱ガスの供給ラインをウエハの配置された処理室へ接続するように、伝熱ガスの供給ラインを開状態にするバルブを介して接続しておく方法がある。このようにすると、電圧の供給がオフされたとき、伝熱ガスは処理室へ流れ込み、ウエハ裏面と処理室との圧力がバランスするので、ウエハがずれることがない。
【0079】
【発明の効果】
上記本発明によれば、試料離脱の待ち時間を少なくし、スループットの向上を図ることのできる試料処理装置及び試料処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である静電チャックを用いた試料処理装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】図2は図1をII−IIから見た静電チャックの平面図である。
【図3】図3は図1のIII部の詳細を示す図である。
【図4】図1の静電チャックにおける各電極電位を示す図である。
【図5】図1の装置における静電チャックの吸着・処理・除電までのタイムチャートを示す図である。
【図6】図1の装置における高周波電圧の供給停止からプラズマ生成停止時間までの所要時間における残留吸着力を示す図である。
【図7】図1の静電チャック部を示した縦断面図である。
【図8】図7の静電チャックにおけるウエハ離脱時のウエハに掛かる荷重を示す図である。
【図9】図1の静電チャックの電極配置の他の例を示した縦断面図である。
【図10】図1の静電チャック用直流電源の接続の他の例を示した縦断面図である。
【図11】図10の静電チャックにおける各電極電位を示す図である。
【図12】図1の静電チャック用直流電源の接続のさらに他の例を示した縦断面図である。
【図13】図12の静電チャックにおける各電極電位を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施例である静電チャックを示す斜視図である。
【図15】図14の静電チャックの平面図である。
【図16】静電吸着時の隙間と吸着力との関係を示す図である。
【図17】図14の静電チャックの誘電体膜の抵抗率の温度依存性を示す図である。
【図18】本発明の静電チャックを用いた第3の実施例であり、誘電体膜上の異物をダミーウエハに転写して除去する場合の模式図である。
【図19】図18における異物除去の他の例であり、静電チャックに印加する直流の交番電圧を示す図である。
【図20】本発明の静電チャックを用いた第4の実施例であり、試料処理装置のウエハ保持部を全て静電チャックで構成した例を示す図である。
【図21】図20の装置における搬送ロボットのウエハ保持部の詳細を示す断面図である。
【図22】静電チャックの等価回路を示す図である。
【図23】セラミックスの体積抵抗率と印加電圧との関係を示す図である。
【図24】図22の等価回路における吸着,除電動作を示す図である。
【図25】吸着面積比が変わった場合の残留吸着力と放電時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…真空容器、2…ガス供給装置、3…真空排気装置、4…プラズマ発生装置、5…プラズマ、6…伝熱ガス供給装置、7…高周波電源、8a,8b…静電吸着用電源、9…基板、10…静電チャック、11…内電極、12…リング電極、13…絶縁膜、14…絶縁膜、15…絶縁管、16…リード線、17…絶縁管、18…リード線、19a,19b…ローパスフィルタ、20…貫通孔、21…冷媒流路、22…カバー、23…絶縁板、24…アース板、81a,81b…直流電源、82a,82b,83a,83b…端子、84a,84b…スイッチ。

Claims (10)

  1. 真空容器内に配置される試料をこの真空容器内の前記試料の上方に発生させたプラズマを用いて処理する試料処理装置であって、
    前記真空容器内に配置され、極性の異なる複数の電極及びこれらの電極上に配置された誘電体膜を有してこの誘電体膜上に前記試料が載置される試料台と、前記電極に前記異なる極性を与えるための直流電圧を供給する直流電源と、前記試料台にバイアス電圧を生じさせるための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料の処理中に前記誘電体膜及び試料の間に伝熱ガスを供給する手段とを備え、
    前記試料の処理の終了の際に前記高周波電力の供給を停止して所定の時間後に前記試料上方のプラズマを消滅させる試料処理装置。
  2. 請求項1に記載の試料処理装置であって、
    前記試料台の温度を調節する手段を備え、前記試料の処理の終了の際に前記高周波電力の供給を停止して後、少なくとも前記所定時間の間、前記直流電圧の供給及び前記試料と前記誘電体膜との間への前記伝熱ガスの供給を行う試料処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の試料処理装置であって、
    前記誘電体膜下方に位置した前記電極の前記試料の吸着面の前記極性毎の面積が等しい試料処理装置。
  4. 請求項1に記載の試料処理装置であって、
    前記誘電体膜上に配置され前記試料が載置された状態でこの試料との間に前記伝熱ガスが供給される窪みを備え、前記誘電体膜下方に位置した前記電極の前記試料の吸着面の前記極性毎の面積であって前記窪みの部分を除いた面積が等しい試料処理装置。
  5. 請求項4に記載の試料処理装置であって、
    前記試料台の温度を調節する手段を備え、前記試料の処理の終了の際に前記高周波電力の供給を停止して後、少なくとも前記所定時間の間、前記直流電圧の供給及び前記窪みへの前記伝熱ガスの供給を行う試料処理装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の試料処理装置であって、
    前記試料台内部に配置され前記試料を試料台上方に押し上げるリフトピンを備え、前記所定時間の間の前記直流電圧の供給を停止して後前記リフトピンにより前記試料を前記誘電体膜から離脱させる試料処理装置。
  7. 真空容器内に配置され、極性の異なる複数の電極及びこれらの電極上に配置された誘電体膜を有してこの誘電体膜上に前記試料が載置される試料台上に試料を配置して、前記電極に直流電圧を供給して前記異なる極性を与えて前記試料を前記誘電体膜上に吸着させて、前記試料と前記誘電体膜との間に伝熱ガスを供給し且つ前記試料台に高周波電力を供給してバイアス電圧を生じさせつつ前記真空容器内の前記試料の上方にプラズマを発生させてこの試料を処理する試料処理方法であって、
    前記試料の処理の終了の際に前記高周波電力の供給を停止して所定の時間後に前記試料上方のプラズマを消滅させる試料処理方法。
  8. 請求項7に記載の試料処理方法であって、
    前記試料台の温度を調節しつつ前記試料の処理を行い、前記試料の処理の終了の際に前記高周波電力の供給を停止して後、少なくとも前記所定時間の間、前記直流電圧の供給及び前記試料と前記誘電体膜との間への伝熱ガスの供給を行う試料処理方法。
  9. 請求項8に記載の試料処理方法であって、
    前記試料台が、前記試料が載置された状態でこの試料との間に伝熱ガスが供給される窪みを前記誘電体膜上に備え、
    前記試料台の温度を調節する手段を備え、前記試料の処理の終了の際に前記高周波電力の供給を停止して後、少なくとも前記所定時間の間、前記窪みへの前記伝熱ガスの供給を行う試料処理方法。
  10. 請求項7乃至9のいずれかに記載の試料処理装置であって、
    前記所定時間の間の前記直流電圧の供給を停止して後、前記試料台内部に配置され前記試料を試料台上方に押し上げるリフトピンにより前記試料を前記誘電体膜から離脱させる試料処理装置。
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