JP3910408B2 - 水性コロイド分散液 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高カロリー輸液用の微量元素製剤として有用な、鉄を含有する水性コロイド分散液及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高カロリー輸液療法に用いられている微量元素製剤は、我国において高カロリー輸液療法が開始され、それによる亜鉛欠乏症が発見された結果、まず亜鉛の補給を目的として開発された。以来、種々の医療機関におけるその他の微量元素を含めた院内処方の検討およびその使用を経て、1992年に塩化第二鉄9.46mg、塩化マンガン3.958mg、硫酸亜鉛17.25mg、硫酸銅1.248mgおよびヨウ化カリウム0.166mgを含有する2mL容量の製剤が上市された。その後塩化マンガン量が0.1979mgとされ、更に、2001年にマンガンを含有しない製剤が上市されている。
【0003】
これらの製剤は、経口・経腸管栄養補給が不能又は不十分で高カロリー静脈栄養に頼らざるを得ない場合の微量元素、例えば亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素等の補給を目的とするもので、高カロリー静脈栄養輸液に添加して点滴静注して使用されている。
【0004】
当該製剤は微量元素として鉄を含有するところから、水酸化第二鉄の沈澱を防止するために鉄をコロイドとして、安定的に分散させる操作が必要であり、従来から院内処方により取得された経験から、ウシ由来のコンドロイチン硫酸ナトリウムによる処方が行われてきた。
【0005】
コンドロイチン硫酸ナトリウムの起源としては、ウシの他サメが知られているが、この物質は種々の分子量域を有すると共に、いくつかの異性体を含む混合物であり、その80%をコンドロイチン−4−硫酸ナトリウムとコンドロイチン−6−硫酸ナトリウムが占める少なくとも5種類の異性体のあることが確認されている。
【0006】
また当該微量元素製剤の調製方法としては、「まず塩化第二鉄を注射用蒸留水で溶解(約pH1で鉄は溶解する)させ、他の元素試薬を加え、コンドロイチン硫酸ナトリウム水溶液中に攪拌冷却下0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液と交互に添加してpH6.0に調整する。0.45μmメンブランフィルターでろ過後、121℃・20分高圧蒸気滅菌して製剤化する(医薬ジャーナル Vol.28,No.5,1992/p.978)。」方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法に従って微量元素製剤を製造すると、塩化第二鉄、塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅及びヨウ化カリウム等の微量元素を混合した場合、この混合液のpHが非常に低い状態に置かれることになる(約pH2前後)ため、例えば配合したヨウ素が遊離することにより薬液中からヨウ素が放出され、ヨウ素の定量値が低下するなど、製剤の品質が非常に不安定になり、更に調製した微量元素製剤の水性コロイド分散液自体の安定性が、期待される水準に至らず保存中にコロイド(ゾル)から沈澱状物質(ゲル)を生じる傾向があった。
従って本発明の目的は、調製時の微量元素の定量値の低下がなく、かつ長期保存安定性の良好な無機質含有水性コロイド分散液及びその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、コロイド形成剤であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの起源、性状、分子量、硫酸基の含有率などの異なる原料を用いて種々検討した結果、サメ由来で、イオウ含有率が、3〜6.5質量%のコンドロイチン硫酸ナトリウムを用いると生成する鉄のコロイドが安定化し、他の元素を配合しても沈澱を生じず、長期安定性の良好な水性コロイド分散液が得られることを見出した。また、当該コンドロイチン硫酸ナトリウム水溶液への微量元素の添加条件を特定のpHで行うことにより、安定な水性コロイド分散液が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、サメ由来でかつイオウの含有率が5.5〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、少なくとも3回に分割して pH 3.6から12.6の条件で添加した後、硫酸亜鉛および硫酸銅の水溶液を加え、次いでヨウ化カリウム水溶液を加えることを特徴とし、コンドロイチン硫酸ナトリウムの添加量が塩化第二鉄0.946重量部あたり0.9774重量部から1.9548重量部である水性コロイド分散液製剤の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、サメ由来でかつイオウの含有率が5.5〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、少なくとも3回に分解して pH 3.6から12.6の条件で添加した後、塩化マンガン、硫酸亜鉛および硫酸銅の水溶液を加え、次いでヨウ化カリウム水溶液を加えることを特徴とし、コンドロイチン硫酸ナトリウムの添加量が塩化第二鉄0.946重量部あたり0.9774重量部から1.9548重量部である水性コロイド分散液製剤の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるコンドロイチン硫酸ナトリウムは、サメ由来でかつイオウの含有率が3〜6.5質量%のものである。またイオウ含有率が6.5質量%を超えるコンドロイチン硫酸ナトリウムを用いるとコロイドの安定性が悪く、ゲル化する。本発明の水性コロイド分散液を医療用とするにはコンドロイチン硫酸ナトリウムは、イオウ含有率が5.5〜6.5質量%のものを用いるのが好ましい。
【0011】
鉄としては塩化第二鉄を用いるのが好ましい。
【0012】
本発明の水性コロイド分散液には、さらに亜鉛、銅、マンガン及びヨウ素から選ばれる一種又は二種以上を配合できる。これらの元素のうち、亜鉛、銅及びヨウ素の組み合せを配合するか、マンガン、亜鉛、銅及びヨウ素の組み合せを配合するのが好ましい。ここで、マンガンは塩化マンガンとして、亜鉛は硫酸亜鉛として、銅は硫酸銅として、ヨウ素はヨウ化カリウムとして配合するのが好ましい。
【0013】
本発明の水性コロイド分散液は、サメ由来でかつイオウの含有率が3〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、pH3.6〜12.6の条件で添加することにより製造される。pH3.6未満の条件では、後に添加するヨウ素の定量値が低下する傾向にあり、また、pH12.6を超えると、付可逆的な沈澱が生じ分散が困難となる。pHを3.6〜12.6に維持するには、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液の添加を、少なくとも3回、特に3〜5回に分割して行うのが好ましい。この分割添加は、時間的にも、また液のpHを変化させずに安定な水性コロイド分散液を得るうえでも重要である。
【0014】
用いられるコンドロイチン硫酸ナトリウム水溶液の濃度は7〜80mg/mL、特に8〜60mg/mLが好ましい。また水酸化ナトリウム水溶液の濃度は0.1〜1mol/Lが好ましく、塩化第二鉄水溶液の濃度は5〜100mg/mL、特に8〜60mg/mLが好ましい。コンドロイチン硫酸ナトリウムの濃度と水酸化ナトリウムの濃度は一方が高い時に他方を低くするのがコロイド分散液の安定化のうえで好ましい。
【0015】
本発明の水性コロイド含有液に、さらに亜鉛、銅及びヨウ素を配合する場合は、次の方法により製造するのが好ましい。すなわち、サメ由来でかつイオウの含有率が3〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、pH3.6から12.6の条件で添加した後、硫酸亜鉛、硫酸銅およびヨウ化カリウムの水溶液を加える方法;又はサメ由来でかつイオウの含有率が3〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、pH3.6から12.6の条件で添加した後、硫酸亜鉛および硫酸銅の水溶液を加え、次いでヨウ化カリウム水溶液を加える方法である。
【0016】
また、本発明の水性コロイド分散液に、さらにマンガン、亜鉛、銅及びヨウ素を配合する場合は、次の方法により製造するのが好ましい。すなわち、サメ由来でかつイオウの含有率が3〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、pH3.6から12.6の条件で添加した後、塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅およびヨウ化カリウムの水溶液を加える方法;又はサメ由来でかつイオウの含有率が3〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、pH3.6から12.6の条件で添加した後、塩化マンガン、硫酸亜鉛および硫酸銅の水溶液を加え、次いでヨウ化カリウムの水溶液を加える方法である。
【0017】
これらの方法において水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液の添加までは前記の方法と同様である。
【0018】
上記の方法に用いる水溶液中の塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅及びヨウ化カリウムの濃度は目的とする製剤に応じて調整することができる。
【0019】
これらの方法のうち、ヨウ化カリウム水溶液を最後に添加するのが定量性の点で好ましい。なお、ヨウ化カリウム添加後の液のpHは2.5以上、さらに2.5〜6.5に保たれていることが分散液の安定性の点で特に好ましい。
【0020】
また、本発明の水性コロイド分散液には、上記成分の他、緩衝液等を配合することもできる。
【0021】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例3は、特許請求の範囲外の参考例である。
【0022】
実施例で使用したコンドロイチン硫酸ナトリウムは、サメ由来であり、水及び薬品は全て医薬品用の規格のものを用いた。
【0023】
イオウの測定方法は「日本薬局方外医薬品規格1997」におけるコンドロイチン硫酸ナトリウムのイオウの定量法に準じるが、略記すれば以下の通りである。
本品を乾燥し、その約0.05gを精密に量り、過酸化水素試液 20mLを吸収液とし、酸素フラスコ燃焼法(日本薬局方、一般試験法、22)により試験を行う。ただし当該試験法の(2)燃焼法中、時々振り混ぜながら30分間放置した後、吸収液を他のフラスコに移し、メタノール15mLの代わりに水15mLを用い、フラスコの栓(C)、白金の籠(B)及び三角フラスコ(A)の内壁を洗い、洗液は吸収液と合わせ、水を加えて正確に50mLとし、試料溶液とする。別に試料を用いないで同様に操作し、空試験液を調製する。試料溶液10mLを正確に量り、0.01mol/L塩化バリウム液5mLを正確に加え、水浴中で25分間加熱する。冷後、0.1mol/L水酸化ナトリウム液を加えて中和し、0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液で滴定し、その値をamLとする(指示薬:液状ユニバーサルBT0.3mL)。ただし、滴定の終点は、液の赤紫色が青色に変わるときとする。別に試料溶液10mL正確に量り、0.01mol/L塩化バリウムの代わりに水5mLを加え、同様に操作し、その値をbmLとする。空試験につき同様に操作し、それぞれの値をAmL及びBmLとする。
【0024】
【数1】
Figure 0003910408
【0025】
なお、本試験は日本薬局方一般試験法 22.酸素フラスコ燃焼法に準じて実施する。
【0026】
分子量の測定方法は以下の通りである。
本品約0.05gを試験管にとり、水約5mLを加えて溶解し、試料溶液とする。試料溶液及び標準溶液A,Bそれぞれ10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い標準品の保持時間及び分子量より検量線を作成し、試料の保持時間より分子量を求める。
【0027】
標準品A:P−10,P−3の各0.5%水溶液
標準品B:P−5の各0.5% 溶液
(P−3,P−5,P−10は、いずれも市販分子量マーカーのプルラン・昭和電工製)
【0028】
操作条件
カラム:SB−802.5HQ×2+SB−G(Shodex)
カラム温度:50℃
移動相:水
流 量:0.8mL/min
検出器:示差屈折率計(RI)
【0029】
実施例1
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.45質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.9774gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄水溶液20mLを同様に加え、更に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化第二鉄水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に4回繰り返して添加した。この液に先に調製した塩化マンガン、硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加え、更に同様に先に調製したヨウ化カリウム水溶液を1mL添加し混和して暗赤褐色のコロイド分散液を得た。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調整後、水を加えて200mLとし、0.45μm及び0.22μmのメンブランフィルターでろ過ののち、2mLづつガラスアンプルに充填して微量元素製剤とした。
【0030】
実施例2
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.0質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを1.9548gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2.0mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄水溶液20mLを同様に加え、更に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化第二鉄水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に4回繰り返して添加した。この液に先に調製した塩化マンガン、硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加え、更に同様に先に調製したヨウ化カリウム水溶液を1mL添加し混和して暗赤褐色のコロイド分散液を得た。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調整後、水を加えて200mLとし、0.45μm及び0.22μmのメンブランフィルターでろ過ののち、2mLづつガラスアンプルに充填して微量元素製剤とした。
【0031】
実施例3
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.0質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.4887gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄水溶液20mLを同様に加え、更に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化第二鉄水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に4回繰り返して添加した。この液に先に調製した塩化マンガン、硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加え、更に同様に先に調製したヨウ化カリウム水溶液を1mL添加し混和して暗赤褐色のコロイド分散液を得た。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調整後、水を加えて200mLとし、0.45μm及び0.22μmのメンブランフィルターでろ過ののち、2mLづつガラスアンプルに充填して微量元素製剤とした。
【0032】
実施例4
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.0質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.9774gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄水溶液20mLを同様に加え、更に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化第二鉄水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に4回繰り返して添加した。この液に先に調製した硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加え、更に同様に先に調製したヨウ化カリウム水溶液を1mL添加し混和して暗赤褐色のコロイド分散液を得た。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調整後、水を加えて200mLとし、0.45μm及び0.22μmのメンブランフィルターでろ過ののち、2mLづつガラスアンプルに充填して微量元素製剤とした。
【0033】
実施例5
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.0質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.9774gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を3.3mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄水溶液33mLを同様に加え、更に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化第二鉄水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に2回繰り返して添加した。この液に先に調製した塩化マンガン、硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加え、更に同様に先に調製したヨウ化カリウム水溶液を1mL添加し混和して暗赤褐色のコロイド分散液を得た。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調整後、水を加えて200mLとし、0.45μm及び0.22μmのメンブランフィルターでろ過ののち、2mLづつガラスアンプルに充填して微量元素製剤とした。
【0034】
実施例6
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.45質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.9774gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を0.4mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄水溶液4mLを同様に加え、更に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化第二鉄水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に24回繰り返して添加した。この液に先に調製した塩化マンガン、硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加え、更に同様に先に調製したヨウ化カリウム水溶液を1mL添加し混和して暗赤褐色のコロイド分散液を得た。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調整後、水を加えて200mLとし、0.45μm及び0.22μmのメンブランフィルターでろ過ののち、2mLづつガラスアンプルに充填して微量元素製剤とした。
【0035】
対照例1
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.0質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.9774gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を10mL攪拌下に加えた。
この処方は以降の操作を行う前に白色の濁りが出現の後、沈澱が生じ良好なコロイド分散液を製造することができなかった。
当該対照例と類似する製造方法で製造したコンドロイチン硫酸ナトリウム水溶液への塩化第二鉄水溶液の添加過程でpHが12.7を越えたもの、及び2.5を下回ったものは、白色の沈澱が生じ良好なコロイド分散液が得られなかった。
【0036】
対照例2
塩化第二鉄を0.946gとり、水を30mLを加えて溶解した。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g、硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加えて50mLとした。先の塩化第二鉄水溶液に塩化マンガン、硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加えた後、ヨウ化カリウム水溶液の1mLを加え、更に水を加えて50mLとした。
イオウの含有率が6.0であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.9774gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄、塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅及びヨウ化カリウムの混合水溶液の10mLを加えて混合し、更に水酸化ナトリウム水溶液及び微量元素水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に4回繰り返して添加し混和して黄褐色のコロイド分散液を得た。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調整後、水を加えて200mLとし、0.45μm及び0.22μmのメンブランフィルターでろ過ののち、2mLづつガラスアンプルに充填して微量元素製剤とした。
この製剤は定量試験において、ヨウ素の検出が充分ではなく製剤として不適当であった。
【0037】
対照例3
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.72質量%であるサメ由来のコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.9774gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄水溶液20mLを同様に加え、更に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化第二鉄水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に4回繰り返して添加した。この液に先に調製した塩化マンガン、硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加え、更に同様に先に調製したヨウ化カリウム水溶液を1mL添加し混和してコロイド分散液を製造した。しかし、この分散液は塩化第二鉄の分散が充分でなく沈澱が生じ、攪拌によっても分散液は生成しなかった。
【0038】
対照例4
塩化第二鉄を0.946gとり、水を加えて溶解し100mLとした。別に塩化マンガン0.09895g、硫酸亜鉛8.625g及び硫酸銅0.624gをとり、同一の容器で水を加え溶解して50mLとした。また別にヨウ化カリウム0.830gをとり、水を加え溶解し50mLとした。
イオウの含有率が6.66質量%であるサメ由来のコンドロイチン硫酸ナトリウムを0.9774gとり、水40mLを加えて溶解した。この液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2mL攪拌下に加えたのち、先に調製した塩化第二鉄水溶液20mLを同様に加え、更に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化第二鉄水溶液をそれぞれ前記と同量を交互に4回繰り返して添加した。この液に先に調製した塩化マンガン、硫酸亜鉛及び硫酸銅の混合水溶液を10mL加え、更に同様に先に調製したヨウ化カリウム水溶液を1mL添加し混和してコロイド分散液を製造した。しかし、この分散液は塩化第二鉄の分散が充分でなく沈澱が生じ、攪拌によっても分散液は生成しなかった。
【0039】
【表1】
Figure 0003910408
【0040】
試験例1
実施例1及び2の微量元素製剤について、100℃で苛酷試験を行い、その安定性をpHの変動及び外観性状について比較した。その結果を表2に示した。
【0041】
pH測定装置
装置:pH METER F−14 堀場製作所
【0042】
【表2】
Figure 0003910408
【0043】
【発明の効果】
本発明により、良質で、かつ保存性の良好な微量元素含有製剤の製造が可能となった。

Claims (2)

  1. サメ由来でかつイオウの含有率が5.5〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、少なくとも3回に分割して pH 3.6から12.6の条件で添加した後、硫酸亜鉛および硫酸銅の水溶液を加え、次いでヨウ化カリウム水溶液を加えることを特徴とし、コンドロイチン硫酸ナトリウムの添加量が塩化第二鉄0.946重量部あたり0.9774重量部から1.9548重量部である水性コロイド分散液製剤の製造方法。
  2. サメ由来でかつイオウの含有率が5.5〜6.5質量%であるコンドロイチン硫酸ナトリウムの水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化第二鉄水溶液を、少なくとも3回に分解して pH 3.6から12.6の条件で添加した後、塩化マンガン、硫酸亜鉛および硫酸銅の水溶液を加え、次いでヨウ化カリウム水溶液を加えることを特徴とし、コンドロイチン硫酸ナトリウムの添加量が塩化第二鉄0.946重量部あたり0.9774重量部から1.9548重量部である水性コロイド分散液製剤の製造方法。
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