JP3908824B2 - 自動車の車体構造 - Google Patents
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- Passenger Equipment (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車における車体構造、特にダッシュボード下部周辺の構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４に例示したように車室前側の車体の、前後方向に延びるサイドフレームの後端部をダッシュボードの前面に結合した自動車の車体構造は、従来より広く知られている（例えば山海堂発行「自動車工学全書第１３巻 乗用車の車体」第２０頁〜第２３頁等を参照）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記自動車において、衝突等により車体に前方からの大きな衝突荷重が作用した場合には、サイドフレームの変形や後退変位等に因り、ダッシュボード下部の足先対応部分が後方へ迫り出すように変形して、前席乗員の足先部を後方へ押し返すことがあり、その場合に、乗員の足首は足先部と脛部とのなす角度θ（以下、単に足首角度という）が減少するように曲げ荷重を受ける。
【０００４】
尚、上記足首角度の減少を抑えるために、ダッシュボード下部に厚いパッド材を設けることが考えられるが、この場合には厚いパッド材の使用によりそれだけ足元空間が狭くなる不都合がある。また上記足首角度の減少を抑えるために、ダッシュボード下部及びその周辺の剛性強度を補強材を用いて特別に高めることも考えられるが、そのような補強材の使用は、車体重量やコストの大幅増、足元空間の大幅減を招く等の不都合がある。
【０００５】
本発明は、これらの事情に鑑み提案されたもので、自動車の衝突等に因りダッシュボードの、足先部が当たる部分が後方に迫り出すように変形した場合でも、厚いパッド材や補強材を使用することなく前席乗員の足首角度の減少を抑えることができて、その足首に加わる曲げ荷重を効果的に軽減できるようにした構造簡単な、自動車の車体構造を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１の発明は、ダッシュボードの鉛直部下端に後下がりに傾斜した傾斜下端部が設けられ、その傾斜下端部の下端にフロアパネルの前端部が一体的に結合され、ダッシュボードの下端寄りの前面には、鉛直部と傾斜下端部とに跨がって、車室前側の車体のサイドフレーム後端部を結合した自動車の車体構造において、ダッシュボードの鉛直部後面に前面が密着する鉛直板部と、この鉛直板部の下端に連なりダッシュボードの傾斜下端部後面に前面が密着すると共に後面を乗員の足裏を臨ませる後下がりの傾斜板部と、この傾斜板部の下端に連なりフロアパネル上面に下面が密着する水平板部とにより、ダッシュボード及びフロアパネルとは別体の足載せ用支持板が形成され、前記鉛直板部はダッシュボードに、また前記水平板部がフロアパネルにそれぞれ結合され、更に前記傾斜板部が、ダッシュボード及びフロアパネルと非結合状態に置かれ、自動車の衝突により前記鉛直板部及びダッシュボード相互の結合部と、前記水平板部及びフロアパネル相互の結合部との前後方向距離が縮まるようにダッシュボードが変形した時には、前記支持板の傾斜板部が車室側に張り出すように変形することを特徴としている。
【０００７】
この特徴によれば、自動車の衝突等に伴いダッシュボードの、足先部が当たる部分が後方に迫り出すように、即ち鉛直板部及びダッシュボード相互の結合部と、水平板部及びフロアパネル相互の結合部との前後方向距離が縮まるように変形しても、その変形に応じて足載せ用支持板の、車体と結合状態にない中間部（即ち通常はダッシュボードの傾斜下端部と密着する傾斜板部）が車室側に膨らむように張り出して、乗員の踵部を後方へ押し出すように（即ち乗員の足に望ましい形状に）変形可能であるから、厚いパッド材や補強材を特別に使用しなくても、ダッシュボードの上記変形に伴う乗員の足首角度の減少が極力抑えられる。
【０００８】
また自動車の通常の使用状態では、上記足載せ用支持板は、それの鉛直板部、傾斜板部及び水平板部がダッシュボードの鉛直部および傾斜下端部並びにフロアパネルにそれぞれ密着状態で重なり合っていて、車室側へ殆ど突出しない状態にあるため、前席乗員の足元空間を、支持板の特設にも係わらず十分に広く確保することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【００１０】
添付図面において、図１は、本発明の一実施例を示す車室助手席側足元の斜視図、図２は、図１の２−２線矢視断面図、図３は、車両衝突時の変形状態を示す、図２と同様の断面図である。
【００１１】
図１，図２において自動車Ｖの車体Ｆは、鋼板パネルの溶接組立によるモノコック構造になっており、車室Ｃより前側の車体Ｆは、その左右両側部において前後方向に各々延びる左右一対のサイドフレームＳを一体に有している。この左右のサイドフレームＳは、各々閉断面構造に形成されて前部車体の骨格をなしており、またその両サイドフレームＳ間には、エンジンを支持する方形状のサブフレーム（図示せず）の左右両側部が複数箇所で結合支持されている。
【００１２】
また車体Ｆの一部をなし車室Ｃの前端壁を構成するダッシュボードＤが、車室Ｃとエンジンルームとを区画するように概ね鉛直に配置されている。そのダッシュボードＤの下端部は後下がりに傾斜していて、前席乗員の足に対応する傾斜下端部としてのトーボード部Ｄｔを構成しており、その下端縁は、車体ＦのフロアパネルＦｐの前端部と一体的に結合されている。ダッシュボードＤの下端寄りの前面には、前記左右のサイドフレームＳの各後端部が該ボードＤの略鉛直な鉛直部Ｄｖと傾斜した傾斜下端部Ｄｔとに跨がって、且つ相互に間隔をおいて一体的に結合される。以上は、従来普通の車体構造である。
【００１３】
また助手席側のダッシュボードＤの後側には、該ボードＤとは別体に形成された鋼板製の足載せ用支持板１が隣接配置されている。この支持板１は、ダッシュボードＤの鉛直部Ｄｖ後面に前面が密着する鉛直板部２と、この鉛直板部２の下端に連なり後下がりに傾斜してトーボード部Ｄｔの後面に前面が密着する傾斜板部３と、この傾斜板部３の下端に連なり車体ＦのフロアパネルＦｐ上面に下面が密着する水平板部４とより構成されており、前記傾斜板部３の後面は、乗員の足裏を直接臨ませるトーボード面とされ、また前記水平板部４の上面は、乗員の踵部６を載せるヒール載せ面とされる。
【００１４】
そして前記鉛直板部２はダッシュボードＤの鉛直部Ｄｖ後面に、また前記水平板部４はフロアパネルＦｐの上面にそれぞれ適当な固着手段（図示例では複数のボルト５）を以て一体的に結合され、更に前記傾斜板部３は、車体Ｆと非結合状態に置かれている。
【００１５】
次に前記各実施例の作用を説明する。自動車Ｖの通常の使用状態では、足載せ用支持板１は、その鉛直板部２、傾斜板部３及び水平板部４がダッシュボードＤの鉛直部Ｄｖおよび傾斜下端部（トーボード部Ｄｔ）並びにフロアパネルＦｐにそれぞれ密着状態で重なり合っていて、車室Ｃ側へ殆ど突出しない状態にあるため、前席乗員の足元空間が支持板１の特設にも係わらず広く確保されている。
【００１６】
また自動車Ｖの衝突時には、ダッシュボードＤの鉛直部Ｄｖや傾斜下端部（トーボード部Ｄｔ）は、前述の如くサイドフレームＳの変形や後退変位等に因り、図３に示すように足先対応部分が後方へ迫り出すように変形することがあるが、このような場合には、そのダッシュボードＤの変形に応じて足載せ用支持板１が、乗員の足に望ましい形状に変形する。即ち、ダッシュボードＤの上記変形により、支持板１の前後両端部と車体面（ダッシュボードＤ及びフロアパネルＦｐ）との結合部の前後方向相互距離が縮まるため、逃げ場のなくなった同支持板１の中間部が図３に示す如く車室Ｃ側に膨らむように変形して、乗員の踵部６を後方へ押し出すことができる。この結果、厚いパッド材や補強材を特別に使用しなくても、ダッシュボードＤの上記変形に伴う乗員の足首角度θの減少が抑えられ、その足首に加わる曲げ荷重が効果的に軽減される。
【００１７】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。例えば、前記実施例では、足載せ用支持板１を助手席側に設けたものを示したが、本発明では、その支持板１を運転席側に設けるようにしてもよい。
【００１８】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、自動車の衝突等に因りダッシュボードの、足先部が当たる部分が後方に迫り出すように、即ち鉛直板部及びダッシュボード相互の結合部と、水平板部及びフロアパネル相互の結合部との前後方向距離が縮まるように変形した場合に、その変形に応じて足載せ用支持板の中間部（即ち通常はダッシュボードの傾斜下端部と密着する傾斜板部）が車室側に張り出して、乗員の踵部を後方へ押し出すように（即ち乗員の足に望ましい形状に）変形することができるので、ダッシュボードの上記変形に伴う乗員の足首角度の減少を抑えることができて、その足首に加わる曲げ荷重を効果的に軽減することができる。しかもその足首角度の減少を抑えるために厚いパッド材や補強材を特別に使用する必要はないから、それだけ車体重量やコストの軽減が図られる。また自動車の通常の使用状態では、上記足載せ用支持板は、それの鉛直板部、傾斜板部及び水平板部がダッシュボードの鉛直部および傾斜下端部並びにフロアパネルにそれぞれ密着状態で重なり合っていて、車室側へ殆ど突出しない状態にあるため、前席乗員の足元空間を、支持板の特設にも係わらず十分に広く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例を示す車室助手席側の斜視図
【図２】 図１の２−２線矢視断面図
【図３】 車両衝突時の変形状態を示す、図２と同様の断面図
【図４】 従来例を示すダッシュボード及びその周辺の縦断面図
【符号の説明】
Ｃ・・・車室
Ｄ・・・ダッシュボード
Ｄｔ・・トーボード部（傾斜下端部）
Ｄｖ・・鉛直部
Ｆ・・・車体
Ｆｐ・・フロアパネル
Ｓ・・・サイドフレーム
１・・・支持板
２・・・鉛直板部
３・・・傾斜板部
４・・・水平板部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車における車体構造、特にダッシュボード下部周辺の構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４に例示したように車室前側の車体の、前後方向に延びるサイドフレームの後端部をダッシュボードの前面に結合した自動車の車体構造は、従来より広く知られている（例えば山海堂発行「自動車工学全書第１３巻 乗用車の車体」第２０頁〜第２３頁等を参照）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記自動車において、衝突等により車体に前方からの大きな衝突荷重が作用した場合には、サイドフレームの変形や後退変位等に因り、ダッシュボード下部の足先対応部分が後方へ迫り出すように変形して、前席乗員の足先部を後方へ押し返すことがあり、その場合に、乗員の足首は足先部と脛部とのなす角度θ（以下、単に足首角度という）が減少するように曲げ荷重を受ける。
【０００４】
尚、上記足首角度の減少を抑えるために、ダッシュボード下部に厚いパッド材を設けることが考えられるが、この場合には厚いパッド材の使用によりそれだけ足元空間が狭くなる不都合がある。また上記足首角度の減少を抑えるために、ダッシュボード下部及びその周辺の剛性強度を補強材を用いて特別に高めることも考えられるが、そのような補強材の使用は、車体重量やコストの大幅増、足元空間の大幅減を招く等の不都合がある。
【０００５】
本発明は、これらの事情に鑑み提案されたもので、自動車の衝突等に因りダッシュボードの、足先部が当たる部分が後方に迫り出すように変形した場合でも、厚いパッド材や補強材を使用することなく前席乗員の足首角度の減少を抑えることができて、その足首に加わる曲げ荷重を効果的に軽減できるようにした構造簡単な、自動車の車体構造を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１の発明は、ダッシュボードの鉛直部下端に後下がりに傾斜した傾斜下端部が設けられ、その傾斜下端部の下端にフロアパネルの前端部が一体的に結合され、ダッシュボードの下端寄りの前面には、鉛直部と傾斜下端部とに跨がって、車室前側の車体のサイドフレーム後端部を結合した自動車の車体構造において、ダッシュボードの鉛直部後面に前面が密着する鉛直板部と、この鉛直板部の下端に連なりダッシュボードの傾斜下端部後面に前面が密着すると共に後面を乗員の足裏を臨ませる後下がりの傾斜板部と、この傾斜板部の下端に連なりフロアパネル上面に下面が密着する水平板部とにより、ダッシュボード及びフロアパネルとは別体の足載せ用支持板が形成され、前記鉛直板部はダッシュボードに、また前記水平板部がフロアパネルにそれぞれ結合され、更に前記傾斜板部が、ダッシュボード及びフロアパネルと非結合状態に置かれ、自動車の衝突により前記鉛直板部及びダッシュボード相互の結合部と、前記水平板部及びフロアパネル相互の結合部との前後方向距離が縮まるようにダッシュボードが変形した時には、前記支持板の傾斜板部が車室側に張り出すように変形することを特徴としている。
【０００７】
この特徴によれば、自動車の衝突等に伴いダッシュボードの、足先部が当たる部分が後方に迫り出すように、即ち鉛直板部及びダッシュボード相互の結合部と、水平板部及びフロアパネル相互の結合部との前後方向距離が縮まるように変形しても、その変形に応じて足載せ用支持板の、車体と結合状態にない中間部（即ち通常はダッシュボードの傾斜下端部と密着する傾斜板部）が車室側に膨らむように張り出して、乗員の踵部を後方へ押し出すように（即ち乗員の足に望ましい形状に）変形可能であるから、厚いパッド材や補強材を特別に使用しなくても、ダッシュボードの上記変形に伴う乗員の足首角度の減少が極力抑えられる。
【０００８】
また自動車の通常の使用状態では、上記足載せ用支持板は、それの鉛直板部、傾斜板部及び水平板部がダッシュボードの鉛直部および傾斜下端部並びにフロアパネルにそれぞれ密着状態で重なり合っていて、車室側へ殆ど突出しない状態にあるため、前席乗員の足元空間を、支持板の特設にも係わらず十分に広く確保することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【００１０】
添付図面において、図１は、本発明の一実施例を示す車室助手席側足元の斜視図、図２は、図１の２−２線矢視断面図、図３は、車両衝突時の変形状態を示す、図２と同様の断面図である。
【００１１】
図１，図２において自動車Ｖの車体Ｆは、鋼板パネルの溶接組立によるモノコック構造になっており、車室Ｃより前側の車体Ｆは、その左右両側部において前後方向に各々延びる左右一対のサイドフレームＳを一体に有している。この左右のサイドフレームＳは、各々閉断面構造に形成されて前部車体の骨格をなしており、またその両サイドフレームＳ間には、エンジンを支持する方形状のサブフレーム（図示せず）の左右両側部が複数箇所で結合支持されている。
【００１２】
また車体Ｆの一部をなし車室Ｃの前端壁を構成するダッシュボードＤが、車室Ｃとエンジンルームとを区画するように概ね鉛直に配置されている。そのダッシュボードＤの下端部は後下がりに傾斜していて、前席乗員の足に対応する傾斜下端部としてのトーボード部Ｄｔを構成しており、その下端縁は、車体ＦのフロアパネルＦｐの前端部と一体的に結合されている。ダッシュボードＤの下端寄りの前面には、前記左右のサイドフレームＳの各後端部が該ボードＤの略鉛直な鉛直部Ｄｖと傾斜した傾斜下端部Ｄｔとに跨がって、且つ相互に間隔をおいて一体的に結合される。以上は、従来普通の車体構造である。
【００１３】
また助手席側のダッシュボードＤの後側には、該ボードＤとは別体に形成された鋼板製の足載せ用支持板１が隣接配置されている。この支持板１は、ダッシュボードＤの鉛直部Ｄｖ後面に前面が密着する鉛直板部２と、この鉛直板部２の下端に連なり後下がりに傾斜してトーボード部Ｄｔの後面に前面が密着する傾斜板部３と、この傾斜板部３の下端に連なり車体ＦのフロアパネルＦｐ上面に下面が密着する水平板部４とより構成されており、前記傾斜板部３の後面は、乗員の足裏を直接臨ませるトーボード面とされ、また前記水平板部４の上面は、乗員の踵部６を載せるヒール載せ面とされる。
【００１４】
そして前記鉛直板部２はダッシュボードＤの鉛直部Ｄｖ後面に、また前記水平板部４はフロアパネルＦｐの上面にそれぞれ適当な固着手段（図示例では複数のボルト５）を以て一体的に結合され、更に前記傾斜板部３は、車体Ｆと非結合状態に置かれている。
【００１５】
次に前記各実施例の作用を説明する。自動車Ｖの通常の使用状態では、足載せ用支持板１は、その鉛直板部２、傾斜板部３及び水平板部４がダッシュボードＤの鉛直部Ｄｖおよび傾斜下端部（トーボード部Ｄｔ）並びにフロアパネルＦｐにそれぞれ密着状態で重なり合っていて、車室Ｃ側へ殆ど突出しない状態にあるため、前席乗員の足元空間が支持板１の特設にも係わらず広く確保されている。
【００１６】
また自動車Ｖの衝突時には、ダッシュボードＤの鉛直部Ｄｖや傾斜下端部（トーボード部Ｄｔ）は、前述の如くサイドフレームＳの変形や後退変位等に因り、図３に示すように足先対応部分が後方へ迫り出すように変形することがあるが、このような場合には、そのダッシュボードＤの変形に応じて足載せ用支持板１が、乗員の足に望ましい形状に変形する。即ち、ダッシュボードＤの上記変形により、支持板１の前後両端部と車体面（ダッシュボードＤ及びフロアパネルＦｐ）との結合部の前後方向相互距離が縮まるため、逃げ場のなくなった同支持板１の中間部が図３に示す如く車室Ｃ側に膨らむように変形して、乗員の踵部６を後方へ押し出すことができる。この結果、厚いパッド材や補強材を特別に使用しなくても、ダッシュボードＤの上記変形に伴う乗員の足首角度θの減少が抑えられ、その足首に加わる曲げ荷重が効果的に軽減される。
【００１７】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。例えば、前記実施例では、足載せ用支持板１を助手席側に設けたものを示したが、本発明では、その支持板１を運転席側に設けるようにしてもよい。
【００１８】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、自動車の衝突等に因りダッシュボードの、足先部が当たる部分が後方に迫り出すように、即ち鉛直板部及びダッシュボード相互の結合部と、水平板部及びフロアパネル相互の結合部との前後方向距離が縮まるように変形した場合に、その変形に応じて足載せ用支持板の中間部（即ち通常はダッシュボードの傾斜下端部と密着する傾斜板部）が車室側に張り出して、乗員の踵部を後方へ押し出すように（即ち乗員の足に望ましい形状に）変形することができるので、ダッシュボードの上記変形に伴う乗員の足首角度の減少を抑えることができて、その足首に加わる曲げ荷重を効果的に軽減することができる。しかもその足首角度の減少を抑えるために厚いパッド材や補強材を特別に使用する必要はないから、それだけ車体重量やコストの軽減が図られる。また自動車の通常の使用状態では、上記足載せ用支持板は、それの鉛直板部、傾斜板部及び水平板部がダッシュボードの鉛直部および傾斜下端部並びにフロアパネルにそれぞれ密着状態で重なり合っていて、車室側へ殆ど突出しない状態にあるため、前席乗員の足元空間を、支持板の特設にも係わらず十分に広く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例を示す車室助手席側の斜視図
【図２】 図１の２−２線矢視断面図
【図３】 車両衝突時の変形状態を示す、図２と同様の断面図
【図４】 従来例を示すダッシュボード及びその周辺の縦断面図
【符号の説明】
Ｃ・・・車室
Ｄ・・・ダッシュボード
Ｄｔ・・トーボード部（傾斜下端部）
Ｄｖ・・鉛直部
Ｆ・・・車体
Ｆｐ・・フロアパネル
Ｓ・・・サイドフレーム
１・・・支持板
２・・・鉛直板部
３・・・傾斜板部
４・・・水平板部
Claims (1)
- ダッシュボード（Ｄ）の鉛直部（Ｄｖ）下端に後下がりに傾斜した傾斜下端部（Ｄｔ）が設けられ、その傾斜下端部（Ｄｔ）の下端にフロアパネル（Ｆｐ）の前端部が一体的に結合され、ダッシュボード（Ｄ）の下端寄りの前面には、鉛直部（Ｄｖ）と傾斜下端部（Ｄｔ）とに跨がって、車室（Ｃ）前側の車体（Ｆ）のサイドフレーム（Ｓ）後端部を結合した自動車の車体構造において、
ダッシュボード（Ｄ）の鉛直部（Ｄｖ）後面に前面が密着する鉛直板部（２）と、この鉛直板部（２）の下端に連なりダッシュボード（Ｄ）の傾斜下端部（Ｄｔ）後面に前面が密着すると共に後面を乗員の足裏を臨ませる後下がりの傾斜板部（３）と、この傾斜板部（３）の下端に連なりフロアパネル（Ｆｐ）上面に下面が密着する水平板部（４）とにより、ダッシュボード（Ｄ）及びフロアパネル（Ｆｐ）とは別体の足載せ用支持板（１）が形成され、
前記鉛直板部（２）はダッシュボード（Ｄ）に、また前記水平板部（４）はフロアパネル（Ｆｐ）にそれぞれ結合され、
更に前記傾斜板部（３）は、ダッシュボード（Ｄ）及びフロアパネル（Ｆｐ）と非結合状態に置かれ、
自動車の衝突により前記鉛直板部（２）及びダッシュボード（Ｄ）相互の結合部と、前記水平板部（４）及びフロアパネル（Ｆｐ）相互の結合部との前後方向距離が縮まるようにダッシュボード（Ｄ）が変形した時には、前記支持板（１）の傾斜板部（３）が車室（Ｃ）側に張り出すように変形することを特徴とする、自動車の車体構造。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13891497A JP3908824B2 (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 自動車の車体構造 |
| US09/001,657 US6102466A (en) | 1997-05-28 | 1997-12-31 | Structure of vehicle body of a vehicle |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP13891497A JP3908824B2 (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 自動車の車体構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10329763A JPH10329763A (ja) | 1998-12-15 |
| JP3908824B2 true JP3908824B2 (ja) | 2007-04-25 |
Family
ID=15233103
Family Applications (1)
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| JP13891497A Expired - Fee Related JP3908824B2 (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 自動車の車体構造 |
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|---|---|
| US (1) | US6102466A (ja) |
| JP (1) | JP3908824B2 (ja) |
Families Citing this family (19)
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