JP3908306B2 - イソカルバサイクリン誘導体 - Google Patents

イソカルバサイクリン誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、イソカルバサイクリン誘導体に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、脳内におけるプロスタサイクリン受容体の機能探索や、中枢神経系におけるプロスタサイクリン誘導体の適応領域の特定等において有用な、新規なイソカルバサイクリン誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プロスタグランジン類は、強い血小板凝集抑制作用、血管拡張性血圧降下作用、胃酸分泌抑制作用、平滑筋収縮作用、細胞保護作用、利尿作用等多彩な生理活性を有しており、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化、高血圧症、十二指腸潰瘍、分娩誘発、中絶等の治療または予防に有用な化合物であることが知られている。
【0003】
ところで天然プロスタサイクリンは、生体において、主として血管内皮で産生される局所ホルモンであり、その強力な生理活性、例えば血小板凝集抑制作用、血管拡張作用等を利用して、このものを直接医薬品として供する試みが行われてきた(P.J.Lewis, J.O.Grady, Clinical Pharmacology of Prostaglangin) 。しかしながら、天然プロスタサイクリンは分子内に加水分解されやすいエノールエーテル結合を有するために、中性または酸性条件下で容易に失活してしまうという問題がある。従って、医薬品としてはその化学的不安定性のために好ましい化合物とはいえない。このため天然プロスタサイクリンと同様の活性を示し、化学的に安定な合成プロスタサイクリン誘導体の合成研究が鋭意行われてきた(Synthesis, 1984,449)。その過程において、プロスタサイクリンの6,9位の酸素原子をメチン基(−CH=)に置き換えることにより、化学的安定性を充分に満足するプロスタサイクリンである9(O)−メタノ−
【0004】
【化2】
Figure 0003908306
【0005】
−プロスタグランジンI1 類(イソカルバサイクリン類)が合成された(特開昭59−210044号参照)。この化合物は、天然プロスタサイクリンに匹敵する強力な血小板凝集抑制作用、血管拡張性血圧降下作用等の生物活性を示した(特開昭59−210044号、同61−197518号各公報参照)。
このようにプロスタサイクリン誘導体の合成研究が進むなかで、プロスタサイクリンの受容体に関する研究も精力的に行われてきた。プロスタサイクリンの受容体はその生理活性から主に血管や血小板などに存在し、循環器作用の調節に重要な役割を担っているものとされてきた。一方脳に関しては、PGD2 ,PGE2
【0006】
【化3】
Figure 0003908306
【0007】
以外にもPGI2 やTXA2 の存在や産生がその代謝物の定量結果より知られていた。しかしながらこの両者は、脳神経系における作用とともに、脳実質細胞で産生されるか否かもあまり明らかでなく、脳内の血管や血小板に由来するものと考えられてきた。一方、1985年、Kellerら(Neurochem Int 7:655−665,1985)により、一次培養細胞アストログリア細胞が上記3者のPG以外にPGI2 やTXA2 の代謝物を多く産生することが明らかとなった。また、渡辺ら(Neurosci. Res.16,(Suppl.)S21,1991)は、ラベル化されたプロスタサイクリン誘導体 (〔 3H〕iloprost-Schering)を用いたニホンザル脳半球の大冠状切片でのin vitroオートラジオグラフィー評価を行った結果、プロスタサイクリン結合部位を線条体、扁桃核、海馬、大脳皮質の一部に見いだした。またここで見いだした〔 3H〕iloprostの結合部位は、〔 3H〕PGE2 の結合部位とは局在が異なり、またPGE2 とPGE1 が同一の受容体を認識することが明らかになっている。血小板では、iloprostの結合部位はPGE1 とも反応し、PGE2 受容体とは全く異なることが知られている。以上の研究経緯から、中枢神経系での新たなPGI2 受容体の存在がクローズアップされている。一方、iloprostの神経系の作用としてドーパミンD2 受容体結合阻害、鎮静、抗けいれん、抗低酸素(低酸素下での延命効果)やアンフェタミンで拮抗される脳波の同期化誘導作用などが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
たとえば以上のように、従来は、プロスタサイクリン誘導体についての検討の目的は、その強力な生理活性、例えば血小板凝集抑制作用、血管拡張作用等を利用した循環器領域に対する医薬品の開発が主たるものであった。しかしながらこのような作用はこれら化合物を中枢神経系に適用しようとした場合には副作用になってしまうという問題があった。そこでこの発明の発明者は上述した諸点に着目し、脳内のプロスタサイクリン受容体研究に対するプローブあるいは中枢神経系医薬品として有用な新規な9(O)−メタノ−
【0009】
【化4】
Figure 0003908306
【0010】
−プロスタグランジンI1 類(イソカルバサイクリン類)を見いだすことを検討の課題としてきた。
すなわち、この発明は、以上の通りの事情からなされたものであって、従来の技術知識の限界を超えて、脳内におけるプロスタサイクリン受容体の機能探索研究に有用なばかりでなく、中枢神経系におけるプロスタサイクリン誘導体の適応領域特定に関しても有用な化合物である、新規なイソカルバサイクリン誘導体を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するものとして、
下記式〔I〕
【0012】
【化5】
Figure 0003908306
【0013】
〔式中、R1 は水素原子、アルキル基または1当量のカチオンを示し、R2 はアルキレン基を示す〕
で表されるイソカルバサイクリン誘導体が提供される。
上記式〔I〕において、R1 は水素原子、直鎖状あるいは分岐状のアルキル基または1当量のカチオンを示し、このうちのアルキル基としては炭素数1〜5の低級アルキル基がより具体的に例示され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等のものを挙げることができる。なかでも炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。1当量のカチオンとしては例えば、Na+ 、K+ 、などのアルカリ金属カチオン;1/2Ca2+、1/2Mg2+、1/3Al3+などの2価もしくは3価の金属カチオン;アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウムカチオンなどが挙げられる。そして、このR1 としては特に水素原子、メチル基が好ましいものとして挙げることができる。
【0014】
また、上記式〔I〕において、R2 のアルキレン基としては、直鎖状あるいは分岐状のアルキレン基、たとえば−(CH2 n −(nは1〜7の数を示す)で表わされるものを例示することができ、このうち、好ましくはnが1〜4であり、特に好ましくはnが1である。
上記式〔I〕において、オメガ鎖上のトリル基上のメチル基の置換位置はオルト位、メタ位、パラ位いずれでもかまわないが、好ましくはメタ位である。
【0015】
さらに、上記式〔I〕で表されるイソカルバサイクリン類の8位、9位、11位、12位の立体配置は天然プロスタサイクリンと同一である。また15位はR体、S体いずれの立体配置でもかまわないが特にR体が好ましく、この立体配置を有するものが特に有用な異性体であるが、この発明に関わるイソカルバサイクリン誘導体は、こうした立体配置であるもの、またはその鏡像体、あるいはそれらの不斉炭素に由来するすべての異性体を含むものである。
【0016】
上記式〔I〕で代表されるこの発明のイソカルバサイクリン誘導体はたとえば次のようにして製造される。
すなわち下記式
【0017】
【化6】
Figure 0003908306
【0018】
〔式中、R3 はアルキル基である〕
で表される化合物を還元反応させ、次いで必要に応じて加水分解反応に付すことにより、前記の式〔I〕で表されるイソカルバサイクリン誘導体を製造する。
還元反応は炭素−炭素不飽和結合の水素化と、カルボニル基の還元として行われる。いずれの反応も、それ自体公知の方法で行うことができる。還元反応の試薬としては、金属水素錯化合物が用いられる。かかる金属水素錯化合物は、水素化アルミニウム錯化合物、水素化ホウ素錯化合物が挙げられる。水素化アルミニウム錯化合物としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジエトキシアルミニウムリチウム、水素化トリエトキシアルミニウムリチウム、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウムリチウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウム塩化マグネシウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化トリエトキシアルミニウムナトリウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等が挙げられる。水素化ホウ素錯化合物としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム、硫化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、シアン化水素化ホウ素リチウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。還元反応の試薬としては、これら金属水素錯化合物のうち、水素化ホウ素錯化合物が好ましく、特に水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
【0019】
水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元反応は塩化ランタニド類の存在下で行うのが好ましい。かかる塩化ランタニド類としては三塩化セリウム、三塩化サマリウム、三塩化ユーロピウム等が挙げられ、特に三塩化セリウムが好ましく用いられる。
還元反応は、反応出発物質とされる化合物1当量に対して、金属水素錯化合物が発生しうる水素化物イオンにして1〜100当量、好ましくは1〜50当量の範囲で行われる。水素化ホウ素ナトリウムと共に用いられる塩化ランタニド類は、水素化ホウ素ナトリウム1当量に対し、塩化ランタニド類0.2〜50当量、好ましくは0.5〜10当量が用いられる。
【0020】
反応溶媒は、用いる還元反応試薬によって異なるが、通常メタノール、エタノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒:水、アセトニトリル等を単一あるいは任意の割合に混合して用いる。好ましくはメタノール、エタノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類が用いられ、特にメタノールが好ましい。
【0021】
還元反応の反応温度は、用いる試薬、反応溶媒によって異なるが、好ましくは−100℃〜100℃、特に好ましくは−20℃〜50℃の範囲である。還元反応の反応時間は使用する試薬、反応溶媒、反応温度によって異なるが、通常5時間以内の範囲で行われ、好ましくは1分〜1時間の範囲である。
エステルの加水分解反応は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムの水溶液もしくは水−アルコール混合溶液、あるいはナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドを含むメタノール、エタノール溶液中で加水分解せしめることにより実施することができる。
【0022】
目的物の単離精製は通常の方法、すなわち、抽出、クロマトグラフィー等の一般的な手段によって行うことができる。
なお、具体的には説明していないが、上記還元反応の出発物質は、公知の方法によって製造できるものであって、公知方法に沿って適宜に実施すればよい。
以上、詳しく説明したとおり、この発明において提供されるイソカルバサイクリン誘導体は脳内の視床や線条体のプロスタサイクリン受容体(ここで、中枢神経型という)に強く結合する。また、既に神経結紮実験などで脳外の組織(末梢神経組織)と考えられる結節核(Nodus ganglion)で生産されて延髄孤束核へ軸索輸送されているプロスタサイクリン受容体(ここで末梢神経型という)には、この発明のイソカルバサイクリン誘導体はあまり結合しない。一方血小板凝集抑制効果の評価においてはイソカルバサイクリンと比較して、弱い活性を示す。そして、驚くべきことに血小板凝集抑制活性をほとんど示さない化合物であるにもかかわらず、脳内の視床のプロスタサイクリン受容体(中枢神経型)に強く結合する。従ってこの発明によって提供されるイソカルバサイクリン誘導体は、脳内、特に中枢神経組織で産生されるプロスタサイクリン受容体の探索研究に有用であるばかりでなく、中枢神経系の疾患の治療薬として期待できる有用な化合物である。
【0023】
以下、本発明の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、この発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
1)16−(3−メチルフェニル)−13,14−ジヒドロ−15−オキソ−17,18,19,20−テトラノルイソカルバサイクリンメチルエステルの製造
次式に従って反応を行った。
【0025】
【化7】
Figure 0003908306
【0026】
Ar雰囲気下、10mLシュレンク管にCuI(16.0mg,84μmol)をとりTHFを加えた。得られたサスペンションをクライオクールを用いて−50℃に冷却した後、MeLiのTHF溶液(1.0M,80μL,80μmol)を加えた。HMPA(0.8mL)を加えた後、DIBAHのヘキサン溶液(1.0M,80μL,80μmol)を加えた。この混合液を30分攪拌した後上記化合物1のエノン(3.2mg,8.1μmol)のTHF溶液を加えovernight で攪拌した。飽和NH4 Cl水溶液を加えて反応をクエンチした後、酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を無水Na2 SO4 により乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的とする上記化合物2を得た。(2.5mg,78%収率)。Rf値=0.30(ヘキサン:酢酸エチル1:1)
1H−NMR(270MHz,CDCl3
1.3−1.8(m,4,4CH2 and OH)
1.9−2.1(m,5,2CH2 and OH)
2.3−2.5(m,6,CH3 ,CH2 CO and OH)
2.61(t,2,J=7.2Hz CH2 CO)
2.9−3.0(m,allylic CH)
3.55−3.65(m,1,CHO)
3.66(S,2,CH2 CO)
3.67(S,3,OCH3
5.27(S,1,Vinyl )
7.01(α,1,J=7.9Hz,aromatic)
7.04(α,1,J=8.9Hz,aromatic)
7.09(S,1,aromatic)
7.22(t,1,J=7.9Hz,aromatic)
2)16−(3−メチルフェニル)−13,14−ジヒドロ−17,18,18,20−テトラノルイソカルバサイクリンメチルエステルの製造
次式に従って反応を行った。
【0027】
【化8】
Figure 0003908306
【0028】
化合物2(2.5mg,6.3μmol)を10mL試験管にとりメタノールで溶解した。この溶液NaBH4 (1.0mg)を加え、5分間攪拌した後、酢酸エチル、次いで水を加えた。酢酸エチルを用いて抽出した後、有機層を無水MgSO4 により乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、3(2.2mg,88%収率)を得た。Rf値=0.26(ヘキサン:酢酸エチル 1:1)
1H−NMR(270MHz,CDCl3
1.3−1.9(m,12,5CH2 and 2OH)
2.0−2.4(m,10,CH3 ,CH2 CO,2CH2 and CH),
2.5−2.9(m,3,2CH2 and OH)
2.95−3.05(m,1,allylic CH)
3.66−3.67(S each,3,OCH3
3.65−3.70(m,2,2CHO)
5.31(S,1,vinyl )
7.0−7.1(m,3,aromatic)
7.21(t,1,J=7.7Hz,aromatic)
3)16−(3−メチルフェニル)−13,14−ジヒドロ−17,18,18,20−テトラノルイソカルバサイクリンの製造
次式に従って反応を行った。
【0029】
【化9】
Figure 0003908306
【0030】
化合物3(1.3mg,3.4μmol)を10mL試験管にとり、メタノールで溶解した。5N NaOH水溶液を加えた後、overnight で攪拌した。反応液に水を加えた後、NaHSO4 を加えることにより溶液のpHを3に調節した。酢酸エチルを用いて抽出した後、有機層を無水MgSO4 により乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、この発明の目的化合物である上記化合物4を定量的に得た。Rf値=0.29(塩化メチレン:メタノール 9:1);
1H−NMR(270MHz,CDCl3
1.3−2.3(m,17,7CH2 ,2OH and CH)
2.3−2.4(m,5,CH3 and CH2 CO)
2.4−2.9(m,3,CH2 and CH)
2.9−3.1(m,1,allylic CH)
3.65−3.90(m,2,2CHO)
5.31(S,1,vinyl )
7.00−7.1(m,3,aromatic)
7.21(t,1,J=7.7Hz,aromatic)
実施例2
〔イソカルバサイクリン誘導体のトリチウムラベル15S−(16−メタ−トリル)−イソカルバサイクリン(〔3 H〕15S−TIC)に対するdisplacement実験〕
ラット脳から全身生食灌流により血液成分を除去し、これを凍結して10μm厚の凍結切片を作成した。これを50mM Tris/HCl pH7.4,20mM MgCl液中で10nMの〔 3H〕15S−16−(m−トリル)−イソカルバサイクリン(〔3 H〕15S−TIC)および種々の濃度のイソカルバサイクリン誘導体とともに4℃で2時間Incubationした。Incubation洗浄後、乾燥を行い、切片のオートラジオグラフィーのフィルムを作成した。このオートラジオグラフィー(n=4以上)の定量解析により、各イソカルバサイクリンのdisplacement値を算出した。
【0031】
視床(中枢神経型)での結果を、以下の化合物について示したものが図1である。
【0032】
【化10】
Figure 0003908306
【0033】
【化11】
Figure 0003908306
【0034】
【化12】
Figure 0003908306
【0035】
以上の結果により、視床でのプロスタサイクリン受容体(中枢神経型)に対し、この発明化合物(L2)が、15位が非天然および天然の双方の立体配置を有する混合物であるにもかかわらず、イソカルバサイクリンや15R−16−(m−トリル)−イソカルバサイクリン(15R−TIC)よりも強い活性をしめすことがわかる。
【0036】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この発明により、脳内、特に中枢神経組織で産出されるプロスタサイクリン受容体の探索研究や、中枢神経系の疾患の治療薬として有用なイソカルバサイクリン誘導体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の化合物の中枢神経型IP2 受容体への結合能力を比較して示した図である。

Claims (7)

  1. 下記式[I]
    [式中、R1 は水素原子、アルキル基または1当量のカチオンを示し、R2 はアルキレン基を示す]
    で表されるイソカルバサイクリン誘導体。
    Figure 0003908306
  2. 式〔I〕においてR1 が水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基である請求項1のイソカルバサイクリン誘導体。
  3. 1 がメチル基である請求項2のイソカルバサイクリン誘導体。
  4. 式〔I〕においてR2 が−(CH2 n −(nは1〜7の数を示す)で表わされるアルキレン基である請求項1ないし3のいずれかのイソカルバサイクリン誘導体。
  5. nが1〜4の数を示す請求項4のイソカルバサイクリン誘導体。
  6. nが1である請求項5のイソカルバサイクリン誘導体。
  7. 式〔I〕のベンゼン環上のメチル基はメタ位で結合している請求項1ないし6のいずれかのイソカルバサイクリン誘導体。
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