JP3904814B2 - 静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真等に用いられる静電潜像現像用トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂は、低温定着性に優れ、適当な摩擦帯電性を有し、感光体を用いての転写方式の場合におけるフィルミング防止をも図れる利点がある。ところが、加熱定着に際し、トナーが定着用ロールに付着する、いわゆるオフセット現象が発生するという欠点があった。
そこで、一般に低分子量ポリオレフィン樹脂、テフロン樹脂、パラフィン等のオフセット防止剤をポリエステル樹脂に添加している。しかしながら、従来のオフセット防止剤は、いずれもポリエステル樹脂との相溶性が低く、オフセット現象を十分防止できず、その上、オフセット防止剤が微粒子のままでトナー中に存在し、その一部が感光体に融着したり、また、キャリアに被覆して帯電が不均一となる等、ポリエステル樹脂が備えていたフィルミング防止の利点を逆に損なう欠点があった。
【0003】
このため、ポリエステル樹脂が備えているフィルミング防止効果を低下させずに定着オフセット防止効果を十分高めることができるトナーとして、特開昭59−129863号公報では、ポリエステル樹脂に酸化型ポリオレフィンを添加してなり、酸化型ポリオレフィンの酸価が1以上であるトナーが提案されている。即ち、このトナーでは、オフセット防止剤として、従来の非極性のものに代えて極性を持つ酸化型ポリオレフィンを用い、その酸化型ポリオレフィンを、本来的に極性を有するポリエステル樹脂に添加してあるから、両者の相溶性が良好になり、添加した酸化型ポリオレフィンが感光体に融着したり、キャリアに被覆したりすることを確実に回避でき、ポリエステル樹脂によるフィルミング防止効果を良好に発揮させることができ、更に、オフセット現象の発生を良好に防止できるようになるという効果を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、酸変性ポリオレフィンと一般的なポリエステル樹脂との組み合わせでは、相溶性が良すぎてポリオレフィンが微粒子分散しすぎ、逆にポリオレフィン本来の潤滑性、いわゆる定着ローラとペーパーの離型性が十分でなくなり、特に画像先端に黒ベタ画像がある場合には、著しくペーパージャムが発生するという問題がある。
また、オフセット現象についてはある程度効果は認められ、トナーとペーパーとの結着性は良好であるものの、定着後の黒ベタ画像表面のスベリ性、いわゆるコスリ定着性が劣り、多数枚のコピーを重ね合せたビジネス資料等では、資料を手めくりで閲覧するときにペーパー同志がこすれ合い、トナーの裏移りや裏汚れといった問題が生じてしまう。
更に、本発明者らによる実験では、酸化型ポリオレフィンである酸化型ポリエチレンの酸価が1.0mgKOH/g以上、15mgKOH/g未満では、ポリエステル樹脂との相溶性はある程度向上できるものの、定着性やオフセット性以外にコピー品質上、特にクレスト(黒ベタや大面積文字部の先端にトナーの前引き現象)が発生するといった問題が発生した。この原因は未だ定かではないが、非酸化型ポリプロピレンでは発生せず、非酸化型ポリエチレン及び酸化型ポリエチレンの酸価が15mgKOH/g未満で顕著に発生することから、トナーからのある特定粒子径の遊離ポリエチレン若しくはポリエチレン過多の微少帯電トナーに起因していると考えられる。
【0005】
従って、本発明では、感光体へのフィルミング、定着性、オフセット性を損なわず、定着後の黒ベタ画像コスリ定着性が良好で、更にクレストのない良好なコピー画像を形成できるトナーの製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、多塩基酸のジカルボン酸類と多価アルコールのジオール類を反応させて生成するポリエステル樹脂を主成分とする静電潜像現像用トナーにおいて、非酸化型ポリプロピレンと、酸価が15mgKOH/g以上である酸化型ポリエチレンとを含有せしめることにより、良好なトナーが得られることを見出し本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、(1)〜(6)に存する。
(1)多塩基酸のジカルボン酸類と多価アルコールのジオール類とを反応させて生成するポリエステル樹脂を主成分し、非酸化型ポリプロピレンと、酸価が15mgKOH/g以上である酸化型ポリエチレンとを含有してなる静電潜像現像用トナーの製造方法であって、前記非酸化型ポリプロピレンを緩み見掛け比重ADが0.6g/cc以下となるように粉砕してポリエステル樹脂と混合して溶融混練することを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法。
(2)前記混合するポリエステル樹脂の平均粒径(D50)が、200〜600μmの範囲である上記(1)記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
(3)前記ポリエステル樹脂の酸価が、15〜35mgKOH/gである上記(1)記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
(4)前記ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)が、110〜140℃(フローテスター等速昇温法)であることを特徴とする上記(1)記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
(5)前記トナー表面に、流動化剤粒子を添加混合せしめる上記(1)ないし(4)のいずれかの項に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
(6)前記流動化剤粒子が、90〜240m2/gの比表面積を有するシリカである上記(5)記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の静電潜像現像用トナーは、主成分としてポリエステル樹脂を含有してなる。本発明で使用されるポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとが重縮合したエステル結合で連結されているポリマーであり、飽和または不飽和のいずれも含まれる。ポリエステル樹脂の種類は特に限定されるものではなく、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート等の種々のものが挙げられるが、特に不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
【0009】
ポリエステル樹脂を構成する多塩基酸としては、特に限定されるものではないが、カルボン酸類としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例;マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸など)、芳香族ジカルボン酸(例;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など)、アルキル若しくはアルケニルコハク酸(例;ドデセニルコハク酸、ペンタドデセニルコハク酸など)、および、これらジカルボン酸の無水物や、低級アルキルエステルなどが好ましくが用いられる。マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ドデセニルコハク酸等が更に好ましい。
多価アルコールとしては特に限定されるものではないが、例えばジオール類として、アルキレングリコール(例;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ペンタンジオールなど)、アルキレンエーテルグリコール類(例;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、脂環式ジオール(例;水素化ビスフェノールAなど)、ビスフェノール類(例;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)等の種々のものが挙げられる。これらの多塩基酸及び多価アルコールは、それぞれ1種でもよいし2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0010】
本発明に使用するポリエステル樹脂は、15〜35mgKOH/gの酸価(JIS K0070−1966準拠)を有することが好ましい。ここで、酸価とは、ポリエステル樹脂の末端のカルボキシル残基数の指標である。ポリエステル樹脂の酸価が15mgKOH/g未満では、ポリエステル本来の負帯電性の優位性が十分発揮出来ず、定着性や耐オフセット性に劣ることがあるためであり、35mgKOH/g超では、高温高湿環境下で耐水性に劣り、地肌カブリやトナー飛散といった実写コピー時に問題が生じることがあるからである。
【0011】
ポリエステル樹脂の酸価は、ポリエステル樹脂における二塩基酸よりも多塩基酸(例えば、無水トリメリット酸、テレフタル酸、フマル酸、アルケニアコハク酸等)の使用割合を増大させること等により大きくすることができる。例えば、フマル酸を1〜5%程度、無水トリメリット酸を1〜5%添加することにより、酸価を大きくすることができる。
【0012】
また、本発明では、芳香族環を有する多塩基酸及び多価アルコールを用いたポリエステル樹脂は、耐ブロッキング性が良好であるため好ましい。特に、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体を含むカルボン酸とジオール類とを反応させたポリエステル樹脂が好ましい。
【0013】
本発明のポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は、110〜140℃であることが好ましい(フローテスター等速昇温法 6℃/min、荷重20kg、ダイ1mm×0.5mmφ CFT500島津製作所製)。Tm値をこの範囲にすることにより、定着性及び/又は耐オフセット性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明のポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が45〜70℃(ASTM D 3418−82準拠)であることが好ましい。Tg値をこの範囲にすることにより、耐ブロッキング性及び/又は耐オフセット性を向上させることができる。
【0015】
本発明のポリエステル樹脂の平均粒径(D50)は、200〜600μmとするのが好ましい。D50値をこの範囲にすることにより、酸化型ポリエチレンワックスの分散性が適度に向上し、延いては、コスリ定着性や、クレストの発生を抑制することが出来る。
すなわち、トナーの分散に関して、トナー製造工程の前混合工程には、バインダーレジンをコアとして、その周りに各種原材料を付着(静電的な付着、ファンデルワールス力、ヌレ性の付着力等によるもの)させ、分散性を制御する重要な意義がある。従って、バインダーレジンの粒径は、トナー分散性に大きな影響を与えるが、D50値が200μm未満では、酸化型ポリエチレンワックスが微粒子分散しすぎて本来のワックス性能が発揮できず、コスリ定着性に問題が発生することがある。また、D50値が600μm超では、大粒子ポリエチレンワックスが発生し、遊離ポリエチレン、若しくはポリエチレン過多のトナーが発生し、微少帯電トナーの発生、延いてはクレストの発生を来すことがある。
【0016】
本発明のポリエステル樹脂は、通常、触媒の存在下、有機溶媒中で上記原料成分を用いて脱水縮合反応又はエステル変換反応を行うことにより得られる。この際の反応温度は、例えば、150〜300℃である。
上記反応を行う際、反応促進を目的で、エステル化触媒やエステル変換触媒、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸鉛、三酸化アンチモン等を使用することができる。
より具体的には、例えば、主骨格のジオール類とジカルボン酸類及びアルコール架橋剤と酸架橋剤とを触媒存在下で脱水エステル化反応させ、微架橋ポリエステルを合成する。次いで、ジカルボン酸類のOH基末端封鎖剤(例;ジメチルテレフタレート)を添加し、脱メタノールエステル交換反応により水酸基価を調整する。更に酸架橋剤を添加し、酸価付与反応を生ぜしめ、増粘(架橋)させて、ポリエステル樹脂を得ることができる。本発明においては、例えば、フマル酸及び無水トリメリット酸を増量して、酸価の比較的大きなポリエステル樹脂を用いることにより、耐オフセット性を向上させ得るとともに、負帯電性を向上させることができる。
【0017】
本発明の静電潜像現像用トナーにおいては、ポリエステル樹脂は、トナー全重量に対して80〜95重量%程度配合することが好ましく、85〜90重量%程度であればより好ましい。
【0018】
一般的なポリエステル樹脂に対して、酸化型ポリプロピレンは、たしかに相溶性が良く、微粒子分散が可能であって、オフセット現象や感光体融着には効果がある。しかし、相溶性が良すぎて画像先端に黒ベタ画像がある場合、著しいペーパーJAMが発生する。しかし、本発明では、非酸化型ポリプロピレンを使用するため上記の問題は生じない。
【0019】
また、本発明では、非酸化型ポリプロピレンの緩み見掛け比重AD(JIS K 5101に準拠)が、0.6g/cc以下であることが好ましい。
すなわち、本発明では、ポリプロピレンを適度にトナー中へ微粒子分散させるべく、非酸化型ポリプロピレンを粉砕し、トナー中へ溶融混練することで、ポリプロピレンの持つ潤滑性、いわゆる黒ベタ画像表面のスベリ性を改善し、オフセット現象や感光体融着を起こすことなく定着ローラーとペーパーとの離型性を高めることができる。
非酸化型ポリプロピレンの緩み見掛け比重ADが、0.6g/cc超ではトナー中への微粒子分散が困難であり、予め0.6g/cc以下になるように粉砕することで、適度にポリエステル樹脂中へ分散することが可能となる。
また、非酸化ポリプロピレンの粉砕に際しては、市販のエアージェットミルやヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Q型ミキサー等、粉砕機能を備えた機械であれば特に制限なく使用できる。
非酸化型ポリプロピレンは、トナー全重量に対し、0.5〜5.0重量%程度含有せしめることができる。
【0020】
また、本発明に用いる酸化型ポリエチレンは、酸価が15mgKOH/g以上であることが好ましい。酸化型ポリエチレンの酸価が15mgKOH/g未満であると、コスリ定着性が劣り、黒ベタ画像のペーパー裏移りや、裏汚れが発生し、又、黒ベタや大面積文字部の先端にクレストが発生する。
【0021】
酸化ポリエチレンのトナー全量に対する配合量は、0.5〜5.0重量%とすることができ、1.0〜3.0重量%であればより好ましい。配合量が0.5重量%未満では、コスリ定着性が劣り、黒ベタ画像のペーパー裏移りや、裏汚れが発生することがある。逆に配合量が、5.0重量%超では、量的に多すぎて、大粒子のポリエチレンワックスが発生し、黒ベタや大面積文字部の先端にクレストが発生することがある。
本発明の静電潜像現像用トナーにおいては、トナー表面に流動化剤粒子を担持せしめることが好ましい。流動化剤粒子としては例えばシリカ等を挙げることができる。
【0022】
流動化剤粒子は、トナー全重量に対して、0.1〜3.0重量%程度配合することが好ましく、0.3〜1.0重量%であればより好ましい。
また、流動化剤粒子の比表面積は、90〜240m2/g(BET法)が好ましい。
トナーへの流動性付与はスペーサー効果によるものであり、トナー粒子間にエアーを介在させることが好ましい。それ故、上記比表面積とすることで、よりいっそうのスペーサー効果が得られる。上記範囲は、複写時に流動性を損なわない範囲であり、この範囲を下回ると、エアーの介在が少なく、十分なスペーサー効果が得られない場合があり、この範囲を超えると、シリカ同士の凝集が発生し易く、遊離シリカが発生して複写画像に白斑となって悪影響を及ぼすことがある。
【0023】
本発明トナー配合可能な帯電制御剤としては、特に限定されるものではないが、好ましいものとして、例えば、下記式で表されるクロム錯体化合物が挙げられる。
【0024】
【化1】
Figure 0003904814
(式中、Xは塩素原子、臭素原子、基SO2NH2、基SO2CH3、基SO225を示し、A+は炭素数8〜16の直鎖又は1個のヘテロ原子によって中断されていてもよい分岐のアルキルアンモニウムである。)
【0025】
ここで、「ヘテロ原子」としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、特に酸素原子が好ましい。
また、「炭素数8〜16の直鎖のアルキルアンモニウム」としては、例えば、NH31225 +、NH31429 +等が挙げられる。
さらに、「炭素数8〜16の1個のヘテロ原子によって中断されていてもよい分岐のアルキルアンモニウム」としては、例えば、NH336OC(C25)HC49 +、NH33OCH2C(C25)HC49 +等が挙げられる。
【0026】
帯電制御剤は、トナー全重量に対して、0.5〜5重量%程度配合することが好ましく、1〜3重量%程度であればより好ましい。
【0027】
本発明の静電潜像現像用トナーには、さらに正荷電制御剤を配合することもできる。好ましく使用可能な正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、ピリジニウム塩、アンモニウム塩、又はこれらのレーキ化合物等が挙げられる。正荷電制御剤は、トナー全重量に対して、0.05〜0.5重量%程度、特に0.1〜0.3重量%程度配合することが好ましい。
【0028】
本発明の静電潜像現像用トナーは、上記の成分の他に、通常、トナーに使用することができる定着離型剤、着色剤、分散剤、磁性粉等の添加剤を含有していてもよい。また、ポリエステル樹脂以外の樹脂を併用してもよい。
【0029】
定着離型剤としては、例えば、モンタン酸エステルワックス、カルナバワックス等の天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ワックス、シリコーン系ワックス、フッ素系ワックス等が挙げられる。
【0030】
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、磁性粉、ニトロ系、スチルベンアゾ系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、メチン系、チアゾール系、アントラキノン系、イミダミン系、アジン系、オキサアジン系、チアジン系、硫化染料系、インジゴイド系、フタロシアニン系等の有機染料や顔料等が挙げられる。
【0031】
分散剤としては、例えば、金属石鹸、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
磁性粉としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン等の金属又はこれらの合金、二酸化クロム、三二酸化鉄、フェライト等の金属酸化物等が挙げられる。
【0032】
樹脂としては、例えば、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリル樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0033】
本発明の静電潜像現像用トナーは、公知の方法により製造できる。例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、メカノミル、Q型ミキサー等の気流混合機などの混合可能な装置により上記成分を混合し、2軸混練機、1軸混練機等の装置により、70〜180℃程度の温度にて溶融混練する。得られた混練物を冷却固化し、固化物をジェットミル等のエアー式粉砕機により粉砕することにより製造できる。粉砕は、トナー粒子が5〜25μm程度の粒径、更に、7〜10μm程度の粒径になるように行うことが好ましい。
【0034】
【実施例】
次に、実施例等により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって制約されるものではない。
Figure 0003904814
上記成分を乾式混合し、二軸押出機にて加熱溶融混練後、冷却粉砕して8μmのトナーを得た。そのトナーに流動化剤粒子シリカ(アエロジルR976S 日本アエロジル製)を0.5重量部添加してトナーを得た。
【0035】
Figure 0003904814
を用いる以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0036】
Figure 0003904814
を用いる以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0037】
Figure 0003904814
を用いる以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0038】
Figure 0003904814
を用いる以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0039】
Figure 0003904814
を用いる以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0040】
Figure 0003904814
を用いる以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0041】
Figure 0003904814
を用いる以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0042】
Figure 0003904814
を用いる以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0043】
Figure 0003904814
を用いる以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0044】
試験例
上記実施例を得たトナーについて、以下の項目の試験を実施した。
1.定着耐オフセット性の評価:
シャープ製デジタル複写機AR−405定着部を温度可変に改造したものを使用し、実写試験を行い評価した。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
<評価基準>
低温側オフセット発生温度 : 140℃以下を◎とした。
高温側オフセット発生温度 : 220℃以上を◎とした。
【0045】
2.実写試験結果:
▲1▼クレスト(黒ベタ、大面積文字の先端のトナー前引き現象):
シャープ製デジタル複写機AR−405を使用し、実写試験を行い評価した。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
<評価基準>
クレスト 評 価
発生せず : ◎
僅かに発生 : ○
発生 : △
【0046】
▲2▼黒ベタコスリ定着率:
(イ)シャープ製デジタル複写機AR−405を使用し、30mm角の黒ベタ画像をサンプリングし、画像濃度を測定する(画像濃度A)。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
(ロ)図1に示すように、底面にネコサ紙を貼り付けた400gの分銅で、前記の30mm角の黒ベタ画像を5往復擦った後、画像濃度を測定する(画像濃度B)。
(ハ)下式に従い、黒ベタコスリ定着率を算出した。
黒ベタコスリ定着率(%)=画像濃度B÷画像濃度A×100
<評価基準>
コスリ定着率(%) 評 価
80%以上 : ◎
60%以上80%未満 : ○
60%未満 : △
【0047】
▲3▼黒ベタペーパーJAM性:
シャープ製デジタル複写機AR−405を使用し、全面黒ベタ画像を連続50枚コピーし、50枚中、ペーパーJAM発生率を算出した。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
<評価基準>
ペーパーJAM発生率(%) 評 価
0%(発生せず) : ◎
10%未満 : ○
10%以上 : △
【0048】
▲4▼画像濃度、地肌カブリの評価:
シャープ製デジタル複写機AR−405を使用し、常温常湿(20℃;65%)環境下にて実写試験を行い評価した。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
イ)画像濃度 8万枚の実写試験(6%原稿使用)を通じて、1.35以上を◎、1.35未満を×とした。測定には、Macbeth社製PROCESS MEASUREMENTS RD914型を使用した。
ロ)地肌カブリ 8万枚の実写試験(6%原稿使用)を通じて、0.50未満を◎、0.50〜0.70を○、0.70超を△とした。測定には、NIPPON DENSHOKU社製COLOR METER ZE2000型を使用した。
【0049】
3.総合評価
以下の基準により総合評価を行なった。
<評価基準>
総合評価 : 全ての評価項目が◎のもの ◎
1項目でも○があるもの ○
1項目でも△があるもの △
【0050】
以上の試験に用いたトナーの特徴を表1に、試験結果を表2に示す。
【表1】
Figure 0003904814
【0051】
【表2】
Figure 0003904814
【0052】
【発明の効果】
本発明のトナーは、感光体へのフィルミング、定着性、オフセット性を損なわず、定着後の黒ベタ画像コスリ定着性が良好で、更にクレストのない良好なコピー画像を形成できるものである。
本発明では、ポリエステル樹脂として、高いガラス転移点Tgを有し、それ自体耐オフセット性や耐ブロッキング性、感光体耐フィルミング性を有すると共に、酸価15〜35(mgKOH/g)と高い負帯電安定性を有するものを使用することにより、より良好な特性が実現される。
更に、緩み見掛け比重ADが、0.6(g/cc)以下の非酸化型ポリプロピレンを含有することで、適度な分散性を有し、定着性、耐オフセット性、ペーパーJAMを回避できる。
また更には、酸価15(mgKOH/g)以上の酸化型ポリエチレンを含有することで、ポリエチレン樹脂との相溶性が極めて良好で、コスリ定着性、及びクレストの発生のない良好なトナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は黒ベタコスリ定着率試験の概要を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ・・・ ・・・ 底面にネコサ紙を貼り付けた400G分銅(φ50mm)
2 ・・・ ・・・ 30mm角の黒ベタ
3 ・・・ ・・・ 8.5インチ×11インチのネコサ紙
4 ・・・ ・・・ 5往復方向

Claims (6)

  1. 多塩基酸のジカルボン酸類と多価アルコールのジオール類とを反応させて生成するポリエステル樹脂を主成分し、非酸化型ポリプロピレンと、酸価が15mgKOH/g以上である酸化型ポリエチレンとを含有してなる静電潜像現像用トナーの製造方法であって、前記非酸化型ポリプロピレンを緩み見掛け比重ADが0.6g/cc以下となるように粉砕してポリエステル樹脂と混合して溶融混練することを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記混合するポリエステル樹脂の平均粒径(D50)が、200〜600μmの範囲である請求項1記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記ポリエステル樹脂の酸価が、15〜35mgKOH/gである請求項1記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)が、110〜140℃(フローテスター等速昇温法)であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記トナー表面に、流動化剤粒子を添加混合せしめる請求項1ないし4のいずれかの項に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  6. 前記流動化剤粒子が、90〜240m2/gの比表面積を有するシリカである請求項5記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
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