JP3801487B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録法等に使用される静電潜像現像用トナーに関し、特に非磁性1成分接触現像法におけるトナーとして好適な静電潜像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
トナーの結着樹脂として使用されるポリエステル樹脂は、低温定着性に優れ、適当な摩擦帯電性を有し、感光体を用いての静電潜像の現像と転写方式におけるフィルミング防止をも図れる利点がある。ところが、用紙等の被定着シートへトナー粉像を加熱定着させるに際し、トナーが定着用ロールに付着し次の被定着シートに再転移して被定着シートを汚す、いわゆるオフセット現象が発生する欠点があった。そこで、一般に低分子量ポリオレフィン樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、パラフィン等のオフセット防止剤をポリエステル樹脂に添加している。
しかしながら、従来のオフセット防止剤は、いづれもポリエステル樹脂との相溶性が低くオフセット現象を十分防止できず、その上、オフセット防止剤が微粒子のままでトナー中に存在し、その一部が感光体に融着したり、又キャリアに被覆して帯電が不均一となる等ポリエステル樹脂が備えていたフィルミング防止の利点を逆に損なう欠点があった。
【0003】
そこで特開平8−166686号公報では、エーテル化ジフェノールとジカルボン酸を主成分とするポリエステル樹脂に軟化点の異なる2種類の酸化型オフセット防止剤を含有させたトナーとすることによって、遊離したオフセット防止剤による現像スリーブ、及び感光体へのフィルミングを防止し、且つ定着非オフセット領域が低温から高温まで広い領域で使用されるトナーが提案されている。即ち、酸価15〜50(mgKOH/g)のポリエステル樹脂に、オフセット防止剤1として軟化点60〜110℃、酸価3〜45(mgKOH/g)と、オフセット防止剤2として軟化点110〜150℃、酸価1〜30(mgKOH/g)を含有させている。この提案では、本来的に極性のポリエステル樹脂とオフセット防止剤の相溶性を高め、延いてはポリエステル樹脂中よりオフセット防止剤の遊離を防止し、現像スリーブ及び感光体へのオフセット防止剤のフィルミングを防止しようとするものである。更には、軟化点の異なる2種類のオフセット防止剤で定着非オフセット領域が広いトナーが供される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、酸化型オフセット防止剤と一般的なポリエステル樹脂との組み合わせでは、相溶性が良すぎてオフセット防止剤が微粒子に分散しすぎて、逆にオフセット防止剤本来の潤滑性、いわゆる定着ローラーとペーパーの離型性が十分でなく、特に画像先端に黒ベタ画像がある場合には、著しくペーパージャムが発生するという問題がある。また、オフセット現象についてはある程度効果は認められ、トナーとペーパーとの結着性は良好であるものの、定着後の黒ベタ画像表面のスベリ性、いわゆるコスリ定着性が劣り、多数枚のコピーを重ね合せたビジネス資料等では、資料を手めくりで閲覧時にペーパー同志がこすれ合い、トナーの裏移りや裏汚れといった問題が生じてしまう。
【0005】
更に、酸化型オフセット防止剤である酸化型ポリエチレンの酸価が1.0(mgKOH/g)以上、15(mgKOH/g)未満の範囲では、ポリエステル樹脂との相溶性がある程度向上できるものの、定着性やオフセット性以外にコピー品質上、特にクレスト(黒ベタや大面積文字部の先端にトナーの前引き現象)が発生するという問題が発生する。この原因は未だ定かではないが、本発明者らの研究によると非酸化型ポリプロピレンでは発生せず、非酸化型ポリエチレン及び酸化型ポリエチレンの酸価が15(mgKOH/g)未満で顕著に発生することより、トナーからのある特定粒子径の遊離ポリエチレン若しくはポリエチレン過多の微少帯電トナーが起因していると考えられる。
【0006】
本発明者らは、トナー平均粒径D50とトナー中に含有されるオフセット防止剤であるポリオレフイン類、特に酸化型ポリエチレンの分散径とがクレスト発生に特定の相関があることも見出した。即ち、トナー平均粒径D50(μm)に対し、酸化型ポリエチレンの長径が25%未満ではクレストが発生せず、25〜70%ではクレストが僅かに発生し70%以上では顕著に発生するという相関関係を見出している。但し6%未満になると、ポリエチレン本来の定着後の黒ベタ画像表面のスベリ性、いわゆるコスリ定着性に問題が発生してしまうことより、6%以上25%未満が好ましい。従って本発明では、感光体へのフイルミング、定着性、オフセット性を損なわず、定着後の黒ベタ画像コスリ定着性に良好で、更にクレストのない良好なコピー画像を提供することを課題とする。
【0007】
更に本発明者らが鋭意実験を重ねた結果、特に非磁性1成分接触現像法における非磁性1成分トナーとして用いる場合、トナー層規制部材により現像ローラー上にトナーの薄層を形成するが、トナー層規制の際にトナーが受けるストレスが原因となって、現像ローラー上に遊離オフセット防止材のみならず、トナー自身がフイルミングするといった不具合が発生し、また感光体と現像ローラーを押圧させる非磁性1成分接触現像法では、感光体へのトナー自身のフイルミングが発生するといった問題が生じ、充分なフイルミング防止効果が得られなかった。
【0008】
従って、かかる現状に鑑みて本発明の課題は、静電潜像現像用トナーとして感光体へのフィルミング、定着性、オフセット性を損なわず、定着後の黒ベタ画像コスリ定着性に良好で、更にクレストのない良好なコピー画像が得られる、特に非磁性1成分接触現像法に好適な静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、離型剤(前記したオフセット防止材と同意味であり以下単に離型剤と称する)の結着樹脂(ポリエステル樹脂)への分散性を高める補助樹脂組成物を含有させることで、上記欠点を克服出来ることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、(1)少なくともポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂、及び着色剤を含有するトナーにおいて、非酸化型ポリプロピレン、及び酸価が15(mgKOH/g)以上である酸化型ポリエチレンからなる離型剤と、該離型剤の結着樹脂への分散性を高める補助樹脂組成物を含有することを特徴とする静電潜像現像用トナーを提供する。
【0010】
(2)前記のポリエステル樹脂は、酸価が15〜35(mgKOH/g)、軟化点Tmが150〜180(℃)およびガラス転移温度(Tg)が45〜70(℃)である上記(1)記載の静電潜像現像用トナーを提供する
【0011】
)前記の補助樹脂組成物が、少なくとも離型剤にスチレン系ポリマー鎖、若しくはスチレン(メタ)アクリレート系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体、又はスチレン(メタ)アクリレート系共重合体と離型剤の混合物より構成される上記(1)又(2)に記載の静電潜像現像用トナーを提供する。
)トナー表面には、流動化剤として90〜240m2/gの比表面積を有するシリカ粒子をトナー全重量に対し、0.1〜3.0重量%添加混合せしめた上記(1)〜()のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを提供する。
【0012】
)トナー表面には、マグネタイト粒子をトナー全重量に対し、0.1〜5.0重量%添加混合せしめた上記(1)〜()のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを提供する。
)現像ローラ表面にトナー層厚規制部材を押圧してトナーの薄層を形成する非磁性1成分接触現像法におけるトナーとして使用される上記(1)〜()のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを提供する。
【0013】
かかる本発明によれば、結着樹脂としてのポリエステル樹脂が、高い軟化点と高いガラス転移点Tgを有することで、それ自体耐オフセット性や耐ブロッキング性、対現像ローラーや対感光体への耐フィルミング性を有し、酸価15〜35(mgKOH/g)と高い負帯電安定性とを有する。且つ、離型剤の結着樹脂(ポリエステル樹脂)への分散性を適度に高める補助樹脂組成物を含有することで、適度な分散性を発揮でき、定着性、耐オフセット性、ペーパーJAMを回避でき、黒ベタ画像のコスリ定着性が良好なトナーを得ることができる。
【0014】
更にはトナー表面に特定の流動化剤粒子を含有させることで、トナーの流動性が良く、トナー規制部材によるトナーが受けるストレスを適度に緩和させることができ、フィルミングを防止できる。更にはトナー表面に特定のマグネタイト粒子を含有させることで、トナーの現像ローラー及び感光体ドラムへの研磨性が良く、フィルミングを防止出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の静電潜像現像用トナーは、少なくともポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂、離型剤、着色剤及び離型剤の結着樹脂への分散性を高める補助樹脂組成物を含有するトナーである。
先ず本発明に使用されるポリエステル樹脂は、カルボン酸類である多塩基酸と多価アルコールの重縮合によってエステル結合で連結されているポリマーであり、飽和及び不飽和のいずれも含まれる。ポリエステル樹脂の種類は、酸価が15〜35(mgKOH/g)、軟化点Tmが150〜180(℃)およびガラス転移温度(Tg)が45〜70(℃)であれば特に限定されるものではなく、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート等の種々のものが挙げられるが、不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
【0016】
ここでポリエステル樹脂を構成する多塩基酸としては、特に限定されるものではないが、カルボン酸類として脂肪族カルボン酸類(例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸)、芳香族ジカルボン酸類(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸)、アルキル若しくはアルケニルコハク酸類(例えばドデセニルコハク酸、ペンタドデセニルコハク酸)などの多価カルボン酸類やこれらの無水物が好ましく用いられる。これらジカルボン酸類の無水物や、低級アルキルエステル等の、マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸等が更に好ましい。
【0017】
ポリエステル樹脂を構成する多価アルコールとしては、特に限定されるものではないが、ジオール類として、アルキレングリコール類(例えばエチレングリコール、1,2一プロピレングリコール、1,3プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ペンタンジオール)、アルキレンエーテルグリコール類(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、脂環式ジオール類(例えば水素化ビスフェノールA)、ビスフェノール類(例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS)などの種々のものが挙げられる。これら多塩基酸及び多価アルコールの種類は、それぞれ1種でもよいし、2種以上でもよい。特に芳香族環を有する多塩基酸及び多価アルコールを用いたポリエステル樹脂は、耐ブロッキング性が良好であり好ましい。
【0018】
本発明のポリエステル樹脂は、通常、有機溶媒中、触媒の存在下、上記原料成分を用いて、脱水縮合反応又はエステル変換反応を行うことにより得られる。この際の反応温度は、例えば、150〜300℃である。上記反応を行う際、反応促進を目的に、エステル化触媒、エステル変換触媒、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸鉛、三酸化アンチモン等を使用することができる。
本発明においては、例えば、フマル酸及び無水トリメリット酸を増量して、酸価の比較的大きなポリエステル樹脂を用いることにより、耐オフセット性を向上させることができるとともに、負帯電性を向上させることができる。
【0019】
本発明のポリエステル樹脂の好ましい製造工程として、主骨格のジオール類とジカルボン酸類及びアルコール架橋剤と酸架橋剤を触媒存在下で脱水エステル化反応させ微架橋ポリエステルを合成する。次いでジカルボン酸類のOH基末端封鎖剤を添加し脱メタノールエステル交換反応により水酸基価を調整する。更に酸架橋剤を添加し酸価付与反応を生ぜしめ増粘(架橋)させ、本発明のポリエステル樹脂を得る。
【0020】
本発明に使用されるポリエステル樹脂は、15〜35mgKOH/gの酸価(JIS K0070−1966準拠)を有するものが好ましい。
ここで酸価は、ポリエステル樹脂の末端のカルボキシル基残基数を意味する。
酸価は、ポリエステル樹脂における二塩基酸よりも多塩基酸(例えば、無水トリメリット酸、テレフタル酸、フマル酸、アルケニアコハク酸、等)の使用割合を増大させる等により大きくすることができる。例えば、フマル酸を1〜5%程度、無水トリメリット酸を1〜5%添加することにより、酸価を大きくすることができる。本発明のポリエステル樹脂の酸価を15〜35(mgKOH/g)とするのは、15(mgKOH/g)未満では、ポリエステル本来の負帯電性の優位性が十分発揮出来ず、定着性や耐オフセット性に劣る。35(mgKOH/g)超では、高温高湿環境下で耐水性に劣り、地肌カブリやトナー飛散といった実写コピー時に問題が生じる。
【0021】
また本発明のポリエステル樹脂の軟化点Tmは、150〜180(℃)(フローテスター等速昇温法)であることが好ましい。ここでフローテスター等速昇温法は島津製作所製:CFT500により、6℃/min、荷重20kg、ダイ1mm×0.5mmφの条件で求めたものである。これらの値をこの範囲にすることにより、定着性及び/又は耐オフセット性を向上させることができる。
さらに本発明のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が45〜70℃(ASTM D3418−82準拠)とするのが好ましい。これらの値をこの範囲にすることにより、耐ブロツキング性及び/又は耐オフセット性を向上させることができる。
【0022】
本発明のポリエステル樹脂の平均粒径(D50)は、200〜600(μm)とするのが好ましい。これらの値をこの範囲にすることにより、離型剤としての酸化型ポリエチレンワックス等の分散性が適度に向上し、延いては、コスリ定着性や、クレストの発生を抑制することが出来る。200(μm)未満では、酸化型ポリエチレンワックス等が微粒子分散しすぎて、コスリ定着性に問題が発生し、600(μm)超では、大粒子ポリエチレンワックスが発生し、クレスト発生を来す。
【0023】
トナーの分散に関して、トナー製造工程の前混合工程は、バインダーレジンをコアとして、その周りに各種原材料を付着(静電的な付着、及びファンデルワールス力、ヌレ性の付着力etc)させ、分散性を制御する重要な工程がある。
従って、バインダーレジンの粒径は、トナーの分散性に大きな影響を与え、本発明においては、200(μm)未満では、酸化型ポリエチレンワックスが微粒子分散しすぎて、本来のワックス性能が発揮できず、コスリ定着性に問題が発生する。また、600(μm)超では、大粒子ポリエチレンワックスが発生し、遊離ポリエチレン、若しくはポリエチレン過多のトナーが発生し、微少帯電トナーの発生、延いてはクレストの発生を来す。
【0024】
次に、本発明のトナーには、熱ロール定着時の離型性を良くする目的で離型剤が使用される。上記の結着樹脂成分と着色剤の溶融混練時に本発明の補助樹脂と離型剤を混練分散させる。離型剤としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、パラフィン、マイクロワックス、カルナウバワックス、ライスワックス等の合成ワックス類、石油系ワックス類、天然ワックス類およびそれらの誘導体などが用いられる。該離型剤は必要に応じて2種以上用いてもよい。特に望ましくは離型剤の融点が120℃以上のワックスが、より離型効果が高く高温オフセット性能を向上でき、かつ高温保存安定性にも優れる。融点が120℃以下の場合には、高温保存安定性の劣化やブリード現象等による画像劣化をまねく可能性がある。
【0025】
本発明の離型剤に使用するポリプロピレンとしては、特に非酸化型が、一方ポリエチレンとしては酸化型が望ましく、これらを併用する。ここで非酸化型ポリプロピレンとは酸価が0(mgKOH/g)のものであり、酸化型ポリエチレンとは酸価が15(mgKOH/g)以上のものである。
【0026】
ここで一般的なポリエステル樹脂に対しては、酸化型ポリプロピレンは確かに相溶性が良く、微粒子分散が可能であって、オフセット現象や感光体融着には効果があるものの、相溶性が良すぎて画像先端に黒ベタ画像がある場合、著しくペーパーJAMが発生することは前述した。そこで本発明者らは、非酸価型ポリプロピレンをトナー中へ適度に微粒子分散させるべく、離型剤の一部とグフフト重合した補助樹脂組成物をトナー中へ溶融混練することで、ポリプロピレンの持つ潤滑性、いわゆる黒ベタ画像表面のスベり性を改善し、定着ローラーとペーパーとの離型性を、オフセット現象や感光体融着を起こさず高めるに至った。
【0027】
また一般的なポリエステル樹脂に対しては酸化型ポリエチレンは、確かに相溶性が良く、微粒子分散が可能であって、オフセット現象や感光体融着には効果があるものの、相溶性が良すぎてコスリ定着性が劣り、黒ベタ画像のペーパー裏移りや、裏汚れが発生し、又、黒ベタや大面積文字部の先端にクレスト(トナーの飛び散りや前引きともいう)が発生する。
本発明者らは、酸化型ポリエチレンを適度にトナー中へ微粒子分散させるべく、離型剤の一部とグフフトした補助樹脂組成物を、トナー中へ溶融混練することで、ポリエチレンの持つ潤滑性、いわゆる黒ベタ画像表面のスベリ性を改善し、定着ローラーとペーパーとの離型性を、オフセット現象や感光体融着を起こさず、更にはクレスト発生を抑制出来るに至った。
【0028】
本発明では、非酸化型ポリプロピレン及び/又は酸化型ポリエチレンのトナー全量に対する含有量は、各単独使用の場合0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%である。単独使用で0.5〜5重量%とするのは、0.5重量%未満では、コスリ定着性が劣り、黒ベタ画像のペーパー裏移りや、裏汚れが発生する。
5重量%超では、量的に多すぎて、大粒子の非酸化型ポリプロピレン及び/又は酸化型ポリエチレンが発生し、黒ベタや大面積文字部の先端にクレストが発生する。従って、1〜3重量%が好ましい。併用する場合には、合計で1〜8重量%が好ましい。
【0029】
本発明に使用される補助樹脂組成物は、結着樹脂(ポリエステル樹脂)に対する離型剤の分散性を高めるために、両者と相互溶融性のある樹脂組成物が好ましく、特にポリスチレン等のスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂、スチレン−アクリロニトリル系共重合樹脂等が好ましい。特に極性基の多いポリエステル樹脂中へ非極性の非酸化型ポリプロピレン及び/又は酸化型ポリエチレンを均一に適度な分散をせしめる為、予め離型剤の少なくとも一部を混合するか、又は一部の離型剤の存在下に該補助樹脂の単量体を重合することによってグラフト構造を有するグラフト共重合体とする。
補助樹脂組成物中の離型剤は、トナーに配合される上記の非酸化型ポリプロピレン及び/又は酸化型ポリエチレンと同一のものが良い。
【0030】
補助樹脂組成物の効果は定かではないが、極性基の多いポリエステル樹脂中へ非極性の非酸化型ポリプロピレン及び/又は酸化型ポリエチレンを均一に適度な分散をせしめる為、予め適量のこれら非酸化型ポリプロピレンワックス等を補助樹脂のスチレン系ポリマー鎖、若しくはスチレン−アクリル系共重合樹脂のポリマ一鎖とグラフト重合させ、又は混合させた状態とすることで、ポリエステル樹脂と非酸化型ポリプロピレン等の間に前記補助樹脂組成物が介在することで、ポリエステル樹脂と非酸化型ポリプロピレン及び/又は酸化型ポリエチレンとの相溶性が高まり、離型剤の分散性を適度に制御できるものと考えている。
【0031】
補助樹脂組成物の合成方法としては、例えば離型剤の少なくとも一部に相当する非酸化型ポリプロピレン及び/又は酸化型ポリエチレンをトルエンやキシレン等の溶剤中に加熱下で分散した状態で、下記に示す単量体を重合開始剤としての適宜の過酸化物触媒(ジブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)の存在下に懸濁・乳化・溶液・塊状重合法等によって重合することで得られる。上記単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、o−メチルスチレン,p−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類等を例示できる。
【0032】
ここで補助樹脂組成物の具体的な合成例を以下に挙げる。
(合成例1)
ステンレス製加圧反応器にキシレン40重量部と軟化点152℃の非酸化型ポリプロピレン樹脂(三洋化成工業社製ビスコール550P)20重量部を投入し、容器内を充分窒素置換した後、密閉下で170℃まで昇温する。この温度でスチレン80重量部とn−ブチルアクルート12重量部、メチルメタクリレート8重量部、ジブチルパーオキサイド1重量部の混合液を4時間かけて滴下し、更に170℃で1時間保持し、非酸化型ポリプロピレンとのグラフト重合体、スチレン−メタクリレート系樹脂混合物のキシレン溶液を得、キシレンを留去して本発明の補助樹脂組成物1を得た。
【0033】
(合成例2)
ステンレス製加圧反応器にトルエン50重量部と軟化点120℃の酸価が16(mgKOH/g)の酸化型ポリエチレン樹脂(クラリアントジャパン社製PED−191)25重量部を投入し、容器内を常圧下で110℃まで昇温しトルエンを還流させる。この温度でスチレン83重量部と2−エチルヘキシルアクリレート17重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部、ベンゾイルパーオキサイド1重量部の混合液を2時間かけて滴下し、更に110℃で1時間保持し、酸化型ポリエチレンとのグラフト重合体、スチレン−アクリレート系樹脂混合物のトルエン溶液を得、トルエンを留去して本発明の補助樹脂組成物2を得た。
【0034】
(合成例3)
ステンレス製加圧反応器にキシレン40重量部と軟化点120℃の酸価が60(mgKOH/g)の酸化型ポリエチレン樹脂(クラリアントジャパン社製PED−136)12重量部と、軟化点152℃の非酸化型ポリプロビレン樹脂(三洋化成工業社製ビスコール550P)8重量部を投入し、容器内を充分窒素置換した後、密閉下で170℃まで昇温する。この温度でスチレン80重量部とn一ブチルアクルート12重量部、メチルメタアクルート8重量部、ジブチルパーオキサイド1重量部の混合液を4時間かけて滴下し、更に170℃で1時間保持し、酸化型ポリエチレンと非酸化型ポリプロピレンとのグラフト重合体、スチレン−メタクリレート系樹脂混合物のキシレン溶液を得、キシレンを留去して本発明の補助樹脂組成物3を得た。
【0035】
本発明の静電潜像現像用トナーに使用される着色剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、カーポンブラック、磁性粉、ニトロ系、スチルベンアゾ系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、メチン系、チアゾ−ル系、アントラキノン系、イミダミン系、アジン系、オキサアジン系、チアジン系、硫化染料系、インジコイド系、フタロシアニン系、等の有機染料や顔料等が挙げられる。着色剤は、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部程度含有することが好ましい。
【0036】
本発明の静電潜像現像用トナーには、トナー表面にシリカを担持するのが望ましい。シリカは、トナー全重量に対して、0.1〜3.0重量%程度、好ましくは0.3〜1.0重量%程度担持させることが望ましい。また、シリカの比表面積は、90〜240(m2/gBET法)が好ましい。これらの範囲に設定するのは、複写時に流動性を損なわない範囲であり、トナーへの流動性付与はスペーサー効果によるものであり、トナー粒子間にエアーを介在させることが好ましく、それ故本発明の比表面積を有することで、よりいっそうのスペーサー効果が得られる。比表面積90(m2/gBET法)以下では、エアーの介在が少なく、スペーサー効果が得られない。また比表面積240(m2/gBET法)以上では、シリカ同士の凝集が発生し易く、遊離シリカが発生し、複写画像に白斑となって悪影響を及ぼす。
【0037】
また本発明のトナー一においては、研磨効果を高めるためにトナー表面にマグネタイト粒子を担持するのが好ましい。マグネタイト粒子は、トナー全重量に対して、0.1〜5.0重量%程度、好ましくは0.3〜3.0重量%程度担持させるのが望ましい。これらの範囲に設定するのは、複写時に現像ローラー、及び感光体ドラム表面を適度に研磨する範囲であり、フィルミング防止効果を高め、且つスペーサー効果として現像ローラー表面とトナー一粒子間、及び感光体ドラムとトナー一粒子間にエアーを介在させることにより、より一層のフィルミング防止効果が得られる。
【0038】
上記の範囲以下では、適度な研磨効果が待られず、またエアーの介在が少なく、スペーサー効果が得られない。また上記の範囲以上では、マグネタイト粒子同士の凝集が発生し易く、遊離マグネタイトが発生し、複写画像に黒点となって悪影響を及ぼし、且つ現像ローラー及び感光体ドラム表面を研磨しすぎてキズが発生し、白筋となって複写画像に悪影響を及ぼす。
【0039】
さらに本発明のトナーには、必要に応じて帯電制御剤を配合する。帯電制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、クロム錯体化合物からなる、下記式
【化1】
Figure 0003801487
(式中、XはCl、Br、SO2NH2、SO2CH3、SO225であり、A+は炭素数8〜16の直鎖又は1個のヘテロ原子によって中断されていてもよい分岐のアルキルアンモニウムである。)
で表されるクロム錯体化合物などが挙げられる。
【0040】
ここで、「ヘテロ原子」としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。なかでも、酸素原子が好ましい。「炭素数8〜16の直鎖のアルキルアンモニウム」としては、例えば、NH31225 +、NH31429 + 等が挙げられる。
また、「炭素数8〜16の1個のヘテロ原子によって中断されていてもよい分岐のアルキルアンモニウム」としては、例えば、NH336OC(C25)HC49 +、NH33OCH2C(C25)HC49 + 等が挙げられる。
【0041】
本発明の静電潜像現像用トナーにおいては、結着樹脂としてのポリエステル樹脂がトナー全重量に対して、80〜95重量%、好ましくは85〜90重量%程度含有する。また、上記帯電制御剤としてのクロム錯体化合物は、トナー全重量に対して、0.5〜5.0重量%程度、好ましくは1〜3重量%程度含有することが望ましい。
【0042】
また、本発明の静電潜像現像用トナーには、さらに正荷電制御剤が含有されてもよい。ここで使用することができる正荷電制御剤として、例えば、ニグロシン系染料、ピリジニウム塩、アンモニウム塩、又はこれらのレーキ化合物等が挙げられる。正荷電制御剤は、トナー全重量に対して、0.05〜0.5重量%程度、更には、0.1〜0.3重量%程度含有することが好ましい。
【0043】
本発明の静電潜像現像用トナーには、上記の成分の他に、通常、トナーに使用することができる定着離型剤、分散剤、磁性粉等の添加剤を含有していてもよい。また、ポリエステル樹脂以外の樹脂を併用してもよい。
定着離型剤としては、例えば、モンタン酸エステルワックス、カルナバワックス等の天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ワックス、シリコーン系ワックス、フッ素系ワックス等が挙げられる。
【0044】
分散剤としては、金属石鹸、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
磁性粉としては、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン等の金属又はこれらの合金、二酸化クロム、三二酸化鉄、フェライト等の金属酸化物等が挙げられる。
樹脂としては、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、アクル樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0045】
なお、本発明の静電潜像現像用トナーは、上記の各成分から選択した配合率で、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、メカノミル、Q型ミキサー等の気流混合機の混合可能な装置により乾式混合し、2軸混練機、1軸混練機等の装置により、70〜180℃程度の温度にて溶融混練し、得られた混練物を冷却固化し、固化物をジェットミル等のエアー式粉砕機により粉砕する方法により製造することができる。粉砕は、トナー粒子が5〜25μm程度、更に、7〜10μm程度の粒径になるように行うことが好ましい。
【0046】
【実施例】
以下に、本発明の静電潜像現像用トナーの実施例について説明する。
なお、以下の各実施例で使用した補助樹脂組成物1〜3は、前記した合成例1〜3で示した方法で得られたものを使用した。
また、下記実施例で得られた各静電潜像現像用トナーを使用する評価基準は下記の通りである。
【0047】
(1)定着耐オフセット性の評価
シャープ(株)製デシタルPPC AL−840定着部を温度可変に改造し、下記基準で評価した。
尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
・低温側オフセット発生温度 140℃以下を○とした。
・高温側オフセット発生温度 220℃以上を○とした。
【0048】
(2)現像ローラーと感光体のフイルミングの評価
シャープ(株)製デジタルPPC AL−840を用い、白ベタを通紙し下記基準で評価した。感光体フイルミング評価は、感光体表面電荷は帯電−露光で光減衰せず、黒スジ若しくは黒点となって現れる。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
・フイルミング発生なし ○
・フイルミングが僅かに発生 △
・フイルミングが顕著に発生 ×
【0049】
(3)実写試験結果
(a)クレスト(黒ベタ、大面積文字の先端のトナー前引き現象)
シャープ(株)製デジタルPPC AL−840を用い下記基準で評価した。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
・クレスト発生せず ○
・クレストが僅かに発生 △
・クレストが顕著に発生 ×
【0050】
(b)黒ベタコスリ定着率
手順▲1▼シャープ(株)製デシタルPPC AL-840 を用いて30mm角の黒ベタ画像をサンプリングし、画像濃度を測定する。(画像濃度A)
手順▲2▼ネコサ紙を貼り付けた400gの分銅で前記30mm角の黒ベタ画像を5往復擦った後、画像濃度を測定する。(画像濃度B)
手順▲3▼黒ベタコスリ定着率=画像濃度B÷画像濃度A×100%で算出する。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
下記基準で評価した。
・コスリ定着率:80%以上 ○
・コスリ定着率:60%以上80%未満 △
・コスリ定着率:60%未満 ×
【0051】
(c)黒ベタベーパーJAM性
手順▲1▼シャープ(株)製デシタルPPC AL-840 を用いて前面黒ベタ画像を連続50枚コピーする。
手順▲2▼50枚中、ペーパーJAM発生率を算出する。
尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
下記基準で評価した。
・ベーパーJAM発生率:0%(発生せず) ○
・ベーパーJAM発生率:10%未満 △
・ベーパーJAM発生率:10%以上 ×
【0052】
(d)画像濃度、地肌カブリの評価
シャープ(株)製デジタルPPC AL-840 を用い、常温常湿(20℃65%)環境下にて実写試験を行い下記基準で評価した。
▲1▼3000枚の実写試験(5%文字面積率)を通じて下記基準で画像濃度を評価した。(画像濃度測定機;Macbeth社製 PROCESS MEASUREMENT SRD914型)
画像濃度:1.35以上 ○
画像濃度:1.35未満 ×
▲2▼3000枚の実写試験(5%文字面積率)を通じて下記基準で地肌カブリを評価した。(地肌カブリ測定機;NIPPON DENSHOKU社製 Color Meter ZE2000型)
地肌カブリ:0.50未満 ○
地肌カブリ:0.50〜0.70 △
地肌カブリ:0.70以上 ×
【0053】
実施例1
下記成分からなる配合率で乾式混合し二軸押出機にて加熱溶融混練後、冷却粉砕し平均粒子径8μmのトナーを得た。そのトナーに流動化剤粒子シリカ(日本アエロジル(株)製 R976S)を0.5重量部添加し、静電潜像現像用トナーを得た。但しポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が4,000〜7,000の三洋化成工業(株)製商品名:EP208である。
・ポリエステル樹脂1 100重量部
(酸価:28、ガラス転移点Tg:57℃、軟化点Tm:165℃)
・補助樹脂組成物1(合成例1) 1.5重量部
・非酸化型ポリプロピレン 2重量部
(三洋化成工業(株)製ビスコール550P ,緩み見掛けAD:0.45(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 2重量部
(クラリアントジャパン(株)製Hoe PED153 酸価:25)
・負荷電制御剤(保土谷化学(株)製 Aizen Spilon Black TRH )1.5重量部
・カーボンブラック(三菱化学(株)製 MA-77) 5重量部
【0054】
実施例2
・ポリエステル樹脂2 100重量部
(酸価:15、ガラス転移点Tg:68℃、軟化点Tm:178℃)
・補助樹脂組成物1(合成例1) 2.5重量部
・非酸化型ポリプロピレン 2重量部
(三井化学(株)製ハイワックスNP605,緩み見掛けAD:0.58(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 2重量部
(クラリアントジャパン(株)製Hoe Wax PED136 酸価:60)
・流動化剤粒子(日本アエロジル(株)製 R974) 0.5重量部
を用いる以外は、実施例1と同一成分にて、同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0055】
実施例3
・ポリエステル樹脂3 100重量部
(酸価:33、ガラス転移点Tg:47℃、軟化点Tm:150℃、)
・補助樹脂組成物1(合成例1) 0.5重量部
・非酸化型ポリプロピレン 2重量部
(三洋化成工業(株)製ハイマー TP32,緩み見掛けAD:0.21(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 2重量部
(クラリアントジャパン(株)製Hoe -Wax PED191 酸価:16)
・流動化剤粒子(日本アエロジル(株)製 R812S) 0.3重量部
を用いる以外は、実施例1と同一成分にて、同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0056】
実施例4
・補助樹脂組成物2(合成例2) 1.5重量部
・非酸化型ポリプロピレン 0.5重量部
(三洋化成工業(株)製ビスコール 550P,緩み見掛けAD 0.45(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 0.5重量部
(三井化学(株)製 ハイワックス 4052E 酸価:20)
・流動化剤粒子(WACKER社製 HDK H2000) 1.0重量部
を用いる以外は、実施例1と同一成分にて、同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0057】
実施例5
・補助樹脂組成物3(合成例3) 1.5重量部
・非酸化型ポリプロピレン 4重量部
(三洋化成工業(株)製ビスコール 550P,緩み見掛けAD:0.45(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 4重量部
(三井化学(株)製 ハイワックス 4052E 酸価:20)
・流動化剤粒子(WACKER社製 HDK H3004 ) 0.7重量部
を用いる以外は、実施例1と同一成分にて、同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0058】
比較例1
・ポリエステル樹脂1 100重量部
・酸化型ポリエチレン 2重量部
(三洋化成工業(株)製 LEL-400P 酸価:1)
・流動化剤粒子(日本アエロジル(株)製 RX50) 4.0重量部
を用い、補助樹脂を用いない以外は、実施例1と同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0059】
比較例2
・ポリエステル樹脂4 100重量部
(酸価:38、ガラス転移点Tg:72℃、軟化点Tm:182℃)
・非酸化型ポリプロピレン 2重量部
(三井化学(株)製ハイワックスNP505 ,緩み見掛けAD:0.58(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 2重量部
(クラリアントジャパン(株)製Hoe-Wax PED821 酸価:14)
・流動化剤粒子(日本アエロジル(株)製 300) 0.1重量部
を用い、補助樹脂を用いない以外は、実施例1と同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0060】
比較例3
・ポリエステル樹脂5 100重量部
(酸価:45、ガラス転移点Tg:78℃、軟化点Tm:190℃、)
・非酸化型ポリプロピレン 2重量部
(三洋化成工業(株)製ハイマー TP32,緩み見掛けAD:0.21(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 2重量部
(三井化学(株)製 ハイワックス 4051E 酸価:12)
・流動化剤粒子(日本アエロジル(株)製 R812) 0.3重量部
を用い、補助樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0061】
比較例4
・ポリエステル樹脂6 100重量部
(酸価:12、ガラス転移点Tg:43℃、軟化点Tm:148℃)
・非酸化型ポリプロピレン 0.3重量部
(三洋化成工業(株)製ビスコール 550P,緩み見掛けAD:0.68(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 0.3重量部
(三洋化成工業(株)製サンワックス LEL-400P 酸価:1)
・流動化剤粒子(日本アエロジル(株)製 MOX80) 1.0重量部
を用い、補助樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0062】
比較例5
・ポリエステル樹脂7 100重量部
(酸価:6、ガラス転移点Tg:38℃、軟化点Tm:136℃)
・非酸化型ポリプロピレン 6重量部
(三洋化成工業(株)製ビスコール 550P,緩み見掛けAD:0.89(g/cc)
・酸化型ポリエチレン 6重量部
(三井化学(株)製ハイワックス 4051E 酸価:12)
・流動化剤粒子(日本アエロジル(株)製 R976S) 1.0重量部
を用い、補助樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして静電潜像現像用トナーを得た。
【0063】
以上、各実施例と比較例で得られた各静電潜像現像用トナー(平均粒径約8μm)を使用して、前記の評価基準にてトナー物性値を測定した結果を表1と表2にまとめて示す。
なお、表2には、オフセット防止剤(非酸化型ポリプロピレン及び酸化型ポリエチレン)の平均分散長径(μm)と、そのトナー平均粒径約8.7μmに対する比率(%)を( )内に併せて示す。
【0064】
【表1】
Figure 0003801487
【0065】
【表2】
Figure 0003801487
【0066】
【発明の効果】
以上説明した本発明によると、結着樹脂としてのポリエステル樹脂は、それ自体耐オフセット性や耐ブロツキング性、対現像ローラーや対感光体への耐フィルミング性を有し、更に高い負帯電安定性を有する。且つ、離型剤の分散性を高める補助樹脂組成物を含有することで、離型剤のポリエステル樹脂との相溶性が適度に良好で定着性、耐オフセット性、ペーパーJAMを回避でき、黒ベタ画像のコスリ定着性が良好なトナーを得ることができる。更にはトナー表面に特定の流動化剤粒子を含有させることで、トナー規制部材によるトナーが受けるストレスを適度に緩和させることができ、フィルミングを防止できる。

Claims (6)

  1. 少なくともポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂、及び着色剤を含有するトナーにおいて、非酸化型ポリプロピレン、及び酸価が15(mgKOH/g)以上である酸化型ポリエチレンからなる離型剤と、該離型剤の結着樹脂への分散性を高める補助樹脂組成物を含有することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. ポリエステル樹脂は、酸価が15〜35(mgKOH/g)、軟化点Tmが150〜180(℃)およびガラス転移温度(Tg)が45〜70(℃)である請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 補助樹脂組成物が、少なくとも離型剤にスチレン系ポリマー鎖、若しくはスチレン(メタ)アクリレート系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体、又はスチレン(メタ)アクリレート系共重合体と離型剤の混合物より構成される請求項1又は2項に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. トナー表面には、流動化剤として90〜240m2/gの比表面積を有するシリカ粒子をトナー全重量に対し、0.1〜3.0重量%添加混合せしめてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
  5. トナー表面には、マグネタイト粒子をトナー全重量に対し、0.1〜5.0重量%添加混合せしめてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
  6. 現像ローラ表面にトナー層厚規制部材を押圧してトナーの薄層を形成する非磁性1成分接触現像法におけるトナーとして使用される請求項1〜のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
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