JP3903950B2 - 省エネ保温方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は省エネ保温方法に関するものであり、例えば家庭用の電気ポットなどに利用される。
【0002】
【従来の技術】
電気ポットは家庭や職場、飲食店などで広く使用されているが、家庭での依存度は特に高く、内容液の入れ替えなどを除いて電源が投入されっ放しで、使用時の再沸騰操作による途中立ち上げ時や内容液の補給による初期沸騰時を除いて保温を継続していることが多くなっている。しかし、容量の大きなものの消費電力は大型冷蔵庫に匹敵するほどのもので、省エネ上問題になっている。
【0003】
そこで、就寝時やお出かけ時の不使用時間帯に対し、タイマの時間設定により通電停止を含む保温温度の低減といった節電や省エネを図ることが行えるようになった。また、消費電力が気になるユーザは電源をまめに落したり、省エネ保温モードを設定するなどしてきめ細かく対応することも行われている。しかし、それにはユーザの頻繁な操作が必須となるので面倒である。
【0004】
これを解消するのに、制御系への通電とは別の、本体側への通電時の電力情報を検出してメモリに蓄積し、蓄積した電力情報から使用実績を分析して、この分析の結果、通電の必要のない時間帯は通電遮断器をオフにすることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のものは、省エネを図る時間帯を自動的に判断して対応するのに、本体への通電時の電力情報、つまり、単位時間当りの平均電力、タイマの設定による所定タイミングでの瞬時電力、電圧と電流の位相差、ダイナミックインピーダンスなどの情報を蓄積し、蓄積したデータから通電をしなくてもよい時間帯かどうかを判定するようにしている。また、判定した通電をしなくてもよい時間帯は全て省エネ保温を行っている。
【特許文献1】
特開2001−231682号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載のものが検出し蓄積する本体への通電時の電力情報は、初期湯沸しや通常保温のための通電情報なども含み、蓄積情報が多い上に、それらを総合して使用の実態を把握するには複雑な操作が必要であるし、正確な判定が困難である。特に、不揮発メモリなどによる長期の蓄積データからユーザの使用パターンをより正しく把握しようとすると、蓄積データが勢い増大し使用の実態把握もさらに困難になる。
【0006】
これを解消するのに、本発明者が種々に実験をし、検討を重ねたところ、電気ポット類の省エネ制御には、内容液の吐出をもって実使用と判定するのが、判定の容易性、判定の確実性から合理的であることを知見した。
【0007】
一方、飲食をしている食事時では繰り返し使用されることが多いのに対し、深夜などでは繰り返し使用されることがほとんどない。このため、特許文献1に記載のもののように、使用頻度のほとんどない時間帯での使用にも通常保温を行ってしまうと、省エネ効果が低減してしまう。また、食事時の頻繁な繰り返し使用における短い不使用時間にも省エネ保温を行うと無駄というよりは、次の使用までの間に湯温が低下しお茶やコーヒなど温度に敏感な使用意図からはユーザに不満を与えやすいし、不満度によっては、湯温を回復させるための再沸騰や設定保温温度までの立ち上げのための特別な操作と、待ち時間が必要となってユーザに不便を与える。
【0008】
本発明の目的は、上記の新たな知見を踏まえ、簡単な判定操作にて無駄が少なく的確でユーザに不満を与えにくい省エネ保温方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の省エネ保温方法は、電気貯湯容器にて内容液を通常保温や通常保温よりも低い温度での省エネ保温をしながら使用状態を継続して吐出操作による実使用に供するのに、1日単位の時間長さを分割した複数の各時間ブロックに対応する時刻間ごとに実使用の実績を判定し、所定の実使用の実績がある時間ブロックの時刻間については以降の通常保温時間帯とし、所定の実使用の実績がない時間ブロックの時刻間については以降の省エネ時間帯とし、通常保温時間帯の時刻になると通常保温を行い、省エネ時間帯の時刻になると省エネ保温を行うのに、所定の実使用の実績を判定する実使用基準値は、どの時間ブロックかで異なり、食事時の実使用の回数基準値は、深夜などその他の時間ブロックでの基準値よりも低く設定し、食事時の時間ブロックでは通常保温時間帯に設定されやすく、深夜などその他の時間ブロックでは省エネ時間帯に設定しやすくすることを特徴としている。
【0010】
このような構成において、使用状態継続中の内容液の吐出を伴う実使用の信号は、電気的な吐出操作信号や手動吐出操作を電気的に検出した吐出操作信号などの吐出操作に関した電気信号として得られ、得られた実使用の信号とそれを得た時点の時刻情報とから、1日単位の時間長さを分割した各時間ブロックに対応するどの時刻間に属した実使用であるかが特定する。これによって、各時間ブロックに対応する時刻間ごとの実使用の実績を単純に抜けなく容易かつ低コストにて判定することができる。そこで、所定の実使用の実績がある時間ブロックでの時刻間については以降の通常保温時間帯とし、所定の実使用の実績がない時間ブロックの時刻間については以降の省エネ時間帯とし、以降各時間ブロックを時刻によって特定できる特徴、1日の生活、実使用のパターンに合わせた的確な省エネ保温を図りやすく、ユーザに不満や不便を与えないものとすることができる。特に、実使用基準値はどの時間ブロックかで異なることによって、時刻の認識から予想される通常生活パターンでの就寝時間帯となる時間ブロックでは稀な吐出操作をイレギュラーとして取り扱って通常保温時間帯には設定しにくく、省エネ時間帯には設定しやすくし、就寝時間帯を除く実生活時間帯となる時間ブロックでは吐出操作が繰り返されやすいのを利用して通常保温時間帯には設定しやすく、省エネ時間帯には設定されにくくして、ユーザの1日の生活パターンに好適に対応することができ、ユーザに不満や不便を掛けることなく省エネが図れる。
【0013】
上記方法と同様な省エネ保温を行うのに省エネ保温中に吐出ロックのロック解除操作があると省エネ保温を解除し、通常保温に戻る構成によれば、特に、吐出ロックは一定時間吐出がないことによって自動設定され、ロック解除は吐出操作に先立って行われるので、吐出に対する温度の立ち上げを早期に開始することができる。
【0020】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明で明らかになる。本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは可能な限り種々な組合せで複合して採用することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。以下の説明は、本発明の具体例であって、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0022】
本実施例は、家庭用の電気ポットの場合の一例であり断熱容器を内容器に用いている。図1に示す例の断熱容器はステンレス鋼製の真空二重容器3を外装ケース2に内容器として収容した器体1を持ち、ヒータ11によって内容液を加熱して貯湯し、内容液を電動ポンプ26および手動ベローズポンプなどの手動ポンプ10のいずれかによって、管路タイプの吐出系25を通じ外部に吐出して給湯し使用に供する構成を有している。しかし、本発明はこれに限定されることはなく、内容液をヒータ11により加熱して湯沸しや通常保温、省エネ保温をしながら貯湯し、使用に供するものであれば足り、吐出は必ずしも電動や手動のポンプによらなくても器体1を傾けて行うことも含め本発明は有効であるし、湯沸しを行わないものでも対象として有効である。もっとも、ステンレス鋼は金属の中で熱伝導性が低く、かつ曲げ剛性、強度が十分であり、しかも防錆効果を持ち、Cuを含有するなどで抗菌性をも発揮させやすいので、飲食用の電気貯湯容器には好適であり、真空二重容器3を提供するのに適している。また、真空二重容器3は必ずしも外装ケース2に収容する必要はなく外装体に共用することができる。また、電源回路基板27と操作部Dや初期設定にて設定された動作モードに従った動作制御を行うのにマイクロコンピュータ33aを搭載した制御基板33を用いているが、これもハード回路を含めた種々な機器を採用した制御手段とすることができる。操作部Dは器体1の上端部前方へ例えば嘴状に突出した突出部31の上面に設けた操作パネル32で構成してあり、その内側に設けられる制御基板33上の各種スイッチ類48を、操作パネル32に一体形成した樹脂ばねや別体に設けられたキー部材による操作手段によって個々に押動してオン操作できるようにしているが、これも、本発明の本質的なものではなく具体的な構成は特に問うものではない。マイクロコンピュータ33aは湯沸しや通常保温、省エネ保温のために内容液の温度を検知する内容液温度検知手段29からの温度情報を用いるようにしている。内容液温度検知手段29は内容器としての真空二重容器3におけるヒータ11を当てがっている一重底部の中央に、個別に当てがった内容器センサ29としてある。
【0023】
なお、操作パネル32は図3に示すように、中央部に設定保温温度や現在温度、現在動作モード、あるいは危険報知や必要操作の促しなどを画面表示する液晶表示部81、そのまわりに貯湯内容液71を吐出して給湯を行う吐出キー82、吐出キー82による吐出操作をロックまたはロック解除するロック・解除キー83、省エネモードを手動設定する省エネキー84、通常保温、省エネ保温中に再沸騰を行う再沸騰キー85、98度保温や90度保温の別、タイマ設定時間の別などを選択する選択キー86、吐出操作があったときの吐出量を設定する計量カップキー87、および設定数値をアップダウンするアップキー88、ダウンキー89を有している。また、ランプ表示としてはロック解除ランプ91、給湯報知ランプ92、省エネランプ93などがLEDなどを利用して設けてある。
【0024】
本実施例の電気貯湯容器としての電気ポットは、特に、省エネ保温方法として、まず、貯湯内容液71を通常保温や通常保温よりも低い温度での省エネ保温をしながら使用状態を継続して吐出操作による実使用に供するのに、1日単位の時間長さ24時間を分割した複数の各時間ブロックB1〜Bmに対応する時刻間、図7(a)に示す摸式例では4つの時間ブロックB1〜B4に対応する時刻間t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4、t4〜t1ごとに吐出操作のあった実使用Pの実績を判定する。判定は図7に示す(a)〜(c)に示す3日分の実績を各時間ブロックB1〜B4ごとの累積結果として判定している。判定は1日分の実績経過にて成立するが、累積回数が多くなるほど判定精度は向上する。次いで、判定した各時間ブロックB1〜B4において、所定の実使用の実績Sがある時間ブロックB、図7(d)の例ではB1、B2、B3の時刻間については以降の通常保温時間帯R1、R2、R3とし、所定の実使用の実績がない時間ブロックB、図7(d)例ではB4の時刻間については以降の省エネ時間帯Z1とし、通常保温時間帯R1、R2、R3の時刻になると通常保温を行い、省エネ時間帯Z1の時刻になると省エネ保温を行う。
【0025】
前記のような操作パネル32によると、貯湯内容液71を吐出するには必ず吐出キー82が操作されるし、ロック・解除キー83の操作もこれがあると次に吐出操作を行う意思表示となるので、ほぼ100%の確率で吐出操作が行われる筈であり、いずれによっても吐出操作に関係する電気信号が得られる。また、手動ポンプ10による吐出であってもこれをスイッチやセンサにて検出すれば吐出操作の電気信号が得られる。
【0026】
また、電気ポットでの吐出系25内の吐出系内容液71aは通常、図1に示すように湯沸し後や保温中の貯湯内容液71と同じ液量を保っている。しかし、吐出系内容液71aはヒータ11によって加熱されないので貯湯内容液71よりも温度が低い。このため、貯湯内容液71の吐出によってそれが吐出系25に吐出されてくる都度、吐出系25およびそのまわりの温度が上昇する。図5に98度保温の場合の吐出系25各部における温度変化、図6に90度保温の場合の吐出系25各部における温度変化の実験例を示している。図5、図6のいずれも▲1▼は制御基板33の裏面、▲2▼は突出部31の制御基板33を収容したボックス101の内側、▲3▼は吐出口部25cの表面、▲4▼は電源・駆動系基板27の裏面、▲5▼は電動ポンプ26の表面である。98度保温では保温温度が高い分だけ吐出の影響が大きく、▲1▼〜▲5▼のどの個所でも貯湯内容液71の吐出によってはっきりした1つの温度ピークが得られ、90°保温では▲4▼を除いてはっきりした1つの温度ピークが得られ、▲4▼の場合でもその数やタイミングは不定であるが、保温時にはなかった温度ピークが得られている。
【0027】
したがって、吐出系25またはその近傍の温度を吐出系センサ72などによって貯湯内容液71が吐出された実使用の有無を、吐出が電動ポンプ26によって行なわれるか、手動ポンプ10によって行われるか、あるいは器体1を傾けて行われるかといった別なく、吐出に関した1つの電気信号によって実使用Pの信号が確実に得られる。
【0028】
このように得られた実使用Pの信号とそれを得た時点の時刻情報とから、1日単位の時間長さを分割した各時間ブロックB1〜B4に対応するどの時刻間に属した実使用であるかが特定する。これによって、各時間ブロックB1〜B4に対応する時刻間t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4、t4〜t1ごとの実使用の実績を単純に抜けなく容易かつ低コストにて判定することができる。この場合、前記のように数日分の実使用Pのデータを不揮発メモリによって蓄積して判定するにも取り扱いデータ数が少ないので容量が小さくてよいし、判定手順も簡単になるのでコスト上昇の原因にはならない。
【0029】
そこで、各時間ブロックB1〜B4における所定の実使用の実績Sがある時間ブロック各B1〜B3での時刻間t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4については以降の通常保温時間帯R1〜R3とし、所定の実使用の実績がない時間ブロックB4の時刻間t4〜t1については以降の省エネ時間帯Z1とし、以降各時間ブロックB1〜B4を時刻によって特定できる特徴、1日の生活、実使用のパターンに合わせた的確な省エネ保温を図りやすく、ユーザに不満や不便を与えないものとすることができる。また、飲食時などの短い間隔で実使用が繰り返される間の短い時間帯にも省エネ保温を行って、ユーザに不満や不便を与えるようなことを回避することができるし、深夜などで実使用があってもほとんど繰り返されることのない時間帯につき実使用に基づいた通常保温を行ってしまって無駄が生じるのを回避することができる。
【0030】
省エネ時間帯Zでの省エネ保温は、例えば、次の通常保温時間帯Rでの実使用への影響を考えて通常保温での設定温度よりは十分低いが、やや高めの省エネ保温温度とし、あるいはヒータ11をオフして加熱を停止した魔法瓶保温として省エネを図りながら、通常保温への復帰間近では次の使用のための湯沸しモードなどによる所定温度、例えば設定保温温度などへの立ち上げを図って使用の不便を無くすなど、所定の実使用の実績Sの有無を利用して使用に不便がなく、省エネに有利な保温状態を設定することができる。
【0031】
上記のような方法を達成するのに、貯湯内容液71をヒータ11により加熱して通常保温や通常保温よりも低い温度での省エネ保温をしながら使用状態を継続して吐出操作による使用に供するようにした本実施例の電気ポットは、時計手段77と、この時計手段77が計時している時間における1日単位ごとの時間長さ24時間を分割し、設定した複数の各時間ブロックB1〜Bmに対応する時刻間t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4、t4〜t1ごとに実使用Pの実績を判定する実績判定手段73と、所定の実使用の実績Sがある時間ブロックB(模式例ではB1〜B3)の時刻間については以降の通常保温時間帯R(模式例ではR1〜R3)に設定し、所定の実使用の実績Sがない時間ブロックB(模式例ではB4)の時刻間については以降の省エネ時間帯Z(模式例ではZ1)に設定し、通常保温時間帯Rの時刻になると通常保温を行い、省エネ時間帯Zの時刻になると省エネ保温を行う省エネ保温制御手段74とを備えたもので足り、実使用Pのデータ、つまり実使用Pがあった時刻の情報を蓄積する記憶手段75を備え、省エネ保温制御手段74の制御に供するのが好ましい。また、数日のデータを蓄積するには、途中内容液の入れ替えや洗浄といったことで電源が落とされることが考えられるので、これに対応するめにバックアップ電源76を持つなどした不揮発メモリを記憶手段75として採用するのが好適である。特に、数日間サイクル以外にも、1週間サイクル、数週間サイクル、1ケ月間サイクル、数ケ月間サイクル、四季サイクルを通じた長期の記憶データからユーザの実使用の実績経過、ないしは使用パターン、生活パターンを容易かつ的確に判定し対応することができる。曜日ごと以上のパターンサイクルに対応するには時計手段77としてカレンダ機能を採用するのが好適である。
【0032】
なお、吐出系センサ72はサーミスタなどを用いたもので、吐出系25またはその近傍の温度を検出できる、例えば図1に示すような位置に設けた吐出系センサ72としてあり、実績判定手段73、省エネ保温制御手段74、時計手段77はそれぞれ単独の回路ないしは機器によって、あるいは複数の回路ないしは機器の組合せによって構成することはできる。しかし、本実施例では図2に示すように前記動作制御用のマイクロコンピュータ33aの内部機能として設けてある。
【0033】
ここで、所定の実使用の実績Sは実使用Pの回数基準値Nが所定値以上かどうかで判定すれば有効であり、図7の模式例ではN=2としてある。時間ブロックB1ではN=4、B2ではN=4、B3ではN=10であり、いずれもN≧2であるので、通常保温時間帯R1〜R3と設定し、時間ブロックB4ではN=1であり、N<2であるので、省エネ時間帯Z1と設定してある。
【0034】
このような模式例では、実使用Pの実績を判定してユーザの実使用経過ないしはパターンを導き出せるようにしながら、N値の設定によって、時刻の認識から予想される通常生活パターンでの就寝時間帯となる時間ブロックBでは稀な吐出操作をイレギュラーとして取り扱って通常保温時間帯Rには設定しにくく、省エネ時間帯Zには設定しやすくし、就寝時間帯を除く実生活時間帯となる時間ブロックBでは吐出操作が繰り返されやすいのを利用して通常保温時間帯Rには設定しやすく、省エネ時間帯Zには設定されにくくして、ユーザの1日の生活パターンに好適に対応することができ、ユーザに不満や不便を掛けることなく省エネが図れる。
【0035】
特に、食事時の実使用の回数基準値Nは、深夜などその他の時間ブロックでの回数基準値Nよりも低く設定することもできる。例えば、食事時を含む時間ブロックB1〜B3でのN値を2、食事時を含まない時間ブロックB4のN値を3とすると、食事時を含む時間ブロックB1〜B3であるのに実使用の回数が2回と少ないために、通常は省エネ時間帯Zに設定されてしまうのを、N≧2であることにより、実使用の回数が少なくても食事時を含む時間帯に実使用されたもので、食事時に係る実使用パターン、生活パターンが一般と異なるものではないとする、通常保温側に高い優先度で通常保温時間帯Rに設定して、省エネ時間帯Zに設定してしまうことによりユーザに不満や不便を与えるようなことを回避することができる。また、食事時を外れた時間ブロックB4であるのに複数回繰り返し実使用されたからといって省エネ時間帯に設定され勝ちなところを、N≦3であることにより、実使用が3回であっても食事時でない時間帯にかかる実使用パターン、生活パターンが異なるものではないとする、省エネ保温側に高い優先度で省エネ時間帯Zを設定して、いたずらに通常保温時間帯Rを設定して省エネ効果が低下するようなことを防止することができる。
【0036】
しかし、これに代えて、例えば、食事時を含む時間ブロックB1〜B3のN値を3以上、それ以外の時間ブロック時間ブロックB4でのN値を2以上と、大小逆な関係に設定すると、上記の場合同様、食事時を含む時間ブロックB1〜B3 につき通常保温時間帯R1〜R3を設定し、食事時を含まない時間ブロック時間ブロックB4につき省エネ時間帯Z1を設定することになり同じ効果が得られる。しかし、食事時を含む時間ブロックB1〜B3であっても、通常保温するほどには実使用されない場合をN値が3を下回るかどうかによって判定し、そのような場合に省エネ時間帯に設定しておいて、イレギュラーな使用時には沸騰や設定保温温度への立ち上げ操作を伴い使用されるようにして省エネを優先する制御をすることができる。また、食事時を含まない時間ブロックB4であっても通常保温するのがユーザに便利となる場合をN値が2を上回るかどうかによって判定し、そのような場合に通常保温時間帯に設定しておいて、そのユーザの固有の実使用パターン、生活パターンに合わせられるので、好適である。
【0037】
これを達成するのに、上記省エネ保温制御手段74は、時間ブロックB1〜B4によって異なって設定された実使用の回数基準値Nを基に所定の実使用の実績Sの有無を判定することになり、実使用の回数基準値Nは、自動またはおよび手動で設定されるようにできる。
【0038】
しかし、図8に示す例では3日分の実使用Pのデータを累積して一律にN=Sとして、1回の実使用Pがあれば所定の実使用の実績Sがあったと判定するようにしている。従って、設定した各時間ブロックB1〜Bmの時間ブロックBごとに実使用Pが1回でもあれば所定の実使用の実績Sありとして通常保温時間帯Rに設定し、なければ省エネ時間帯Zに設定することになり、判定および設定操作を最も単純化し最も低コストにて実現することができる。また、1日分の時間を6つの時間ブロックB1〜B6と、前記摸式例よりも多く設定し、時間ブロック数が多い分だけユーザの実使用パターン、生活パターンに合わせやすくなる。本例では、1つの時間ブロックBに1回の実使用Pがあればよく、複数回あっても1回として扱える。従って、1回の実使用Pがあればその時間ブロックBでは以降の実使用Pの取り込み操作を省略することができる。
【0039】
なお、吐出系温度検知手段としての吐出系センサ72は、図1に示すように吐出系25の近傍にある既設の回路基板としての制御基板33に搭載してある。このように、吐出系センサ72を用いるのに、既設の制御基板33に搭載することによって、特別な取付け部材や配線部材なしに設けられるので、特にコスト上昇の原因にはならない。
【0040】
さらに、前記制御基板33は、前記器体1の肩部6前部へ突出し吐出系25の吐出口部25cを内蔵した突出部31の上面の内側に位置している。これにより制御基板33は、前記器体1の突出部31に内蔵した吐出系25の吐出口部25cの直ぐ上にあって、それに搭載している吐出系センサ72を前記吐出口部25cの近傍に位置させられるので、吐出系25の近傍の温度を検出しやすい。
【0041】
しかも、吐出系センサ72は、図に示すように制御基板33の裏面に設けられるなどして、吐出系25の上方、より具体的には吐出口部25cの上方に位置しているので、吐出系25からの熱を受けやく、吐出系25の温度をより検出しやすい。
【0042】
ここで、制御基板33の上に向いた表面は前記スイッチ類48や図示しない表示ランプなどのハード部品を搭載しているのに対し、制御基板33の裏面はチップ型のマイクロコンピュータ33aなどのチップ部品を面実装してあり、吐出系センサ72をチップ型のサーミスタなどによるものとすることで、部品コストおよび搭載コスト共に低減することができる。
【0043】
図4に示す例では、制御基板33を収容している操作部ボックス101と吐出口部25cとの間に熱伝導部材102を挟みこんである。これによって、吐出系25の吐出口部25cの貯湯内容液71の吐出による温度上昇に対する吐出系センサ72の応答性能を高めることができる。熱伝導部材102は例えば熱伝導用のシリコンシートを利用するのが好適で、少し厚めのものを弾性を利用して挟み込むと特別な成形を必要とすることなく操作部ボックス101と吐出口部25cとの双方に密着させられる。
【0044】
上記の方法において、所定の実使用の実績Sを判定する実使用Pの回数基準値Nは、どの時間ブロックBかで異なるようにすると、前記のような通常保温時間帯Rには設定しにくく、省エネ時間帯Zには設定しやすくするか、通常保温時間帯Rには設定しやすくし、省エネ時間帯には設定しにくくする操作を、各時間ブロックB1〜B4ごとの、対応する時刻間t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4、t4〜t1から予想される実使用Pのパターンの特徴に合わせて実行することができる。このように実使用Pの回数基準値Nは予想されるユーザの生活パターンから手動により設定して有効であるが、実使用Pの実績パターンの累積結果から吐出操作が稀でイレギュラー扱いする時間ブロックBと、吐出操作が繰り返されることが多い時間ブロックBとを判定してその時間ブロックBに必要なN値を自動的に設定することもできる。
【0045】
また、上記方法において、どの時間ブロックBかで時間長さ、つまり時刻間長さを異ならせることができる。これによって、実使用Pの共通したパターンが続く時間間隔に差があるのに対応したより的確な通常保温時間帯Rと省エネ時間帯Zとを設定し、実行することができる。同じ食事時でも、例えば朝食時では短く、夕食時では長く、昼食時ではそれらの中間程度の長さである、といったことに好適に対応できる。
【0046】
そこで、図9に示すように食事時の時間ブロックB1、B3、B5の時間長さは、深夜の時間ブロックB6よりも短く設定すると、食事時の時間長さは夕食時に最も長いとしても、使用頻度が極端に少ないといえる深夜の時間ブロックB6に対しては比較にならない、といったことに好適対応できる。
【0047】
図9に示す模式例では、特に、1日分の24時間を6つの時間ブロックB1〜B6に分割していて、食事時は一般に朝、昼、夕の3回であるのに対応し、しかも、朝および昼の食事時は夕食時よりも時間帯が短く、朝の食事時は昼食時よりも時間帯が短いといった一般的な傾向に合わせて、朝食時の時間ブロックB1ではその時刻間t1〜t2を6:00〜8:00の2時間とし、昼食時の時間ブロックB3ではその時刻間t3〜t4を11:00〜14:00の3時間とし、夕食時の時間ブロックB5を18:00〜22:00の4時間に設定して、それぞれに長短をつけてある。これに対して深夜時間帯の時間ブロックB6は22:00〜6:00と最も長く設定してある。また、その余の時間ブロックB2、B4は残りの時刻間である。これにより、図8に示す場合と同じ数の時間ブロックB1〜B6の設定でありながら、時刻の認識によって特定し、あるいは予想される同じ実使用パターン、生活パターンが続く度合に合わせた長さの時間ブロックBによって、高い的確度で通常保温時間帯R、省エネ時間帯Zを自動設定することができる。
【0048】
所定の実使用の実績Sを判定する実使用Pの回数基準値Nは、どの週またはおよび時期、季節の時間ブロックかで異なるようにもできる。これにより、ユーザの1日の使用パターンが、週の曜日で異なったり、長期休暇などの特定の時期や春夏秋冬など季節によって異なったりすることにも好適に対応することができる。この場合時計機能にはカレンダ機能を用いるのが好適である。
【0049】
なお、時間ブロックBは4つでも上記のように有効であり、多いほど所定の実使用の実績Sの判定精度は高まる。しかし、毎日繰り返される実使用パターンや生活パターンでのパターンの種類分けはそう多くはならないので一般家庭では図9に示すような6つ、または8つ、ぐらいでも十分に対応でき、家族数が多いとか、実使用パターンや生活パターンがずれたり異なっている家族がいる場合でも15程度であれば十分に対応できる。従って、時間ブロックBの分割数は4〜15程度でよい。
【0050】
時間ブロックBが長いと判定結果が全体に及ぶので実態からずれやすく、時間ブロックBが短いと実態からずれにくいが判定回数が多くなるので、使用実績に応じて補正していくのが好適である。また、複数日の実績Sを判断対象とする場合、食事時については毎日余り変化がないのを利用して1日の実績Sにて通常保温時間帯Rを設定し、深夜時にはイレギュラーな使用が大半であることを利用して複数の日の実績Sが重ならないと通常保温時間帯の設定はしないようにする。また、図7の例では同じ時間ブロックBにおいて複数回実使用Pがあればそれをカウントしているが、深夜時には複数回の実使用があっても複数日繰り返されないとイレギュラーな実使用と判定できることから、同日の複数の実使用があっても1回として取り扱い、これが複数日にわたって判定されたときに実績Sがあったとして通常保温時間帯Rに設定すると、実態に合わせやすい。
【0051】
なお、所定の実使用の実績がなくても通常保温を継続する時間ブロックを設けるようにすることができる。このようにすると、例えば、一般に18:00〜20:00は夕食時となることが大半であるので、特別な判定なしに通常保温として対応することができる。これが万一ユーザの使用パターンや生活パターンに適合していない場合は、自動にて設定し直して、あるいやユーザの操作によって設定変更できるので特に問題とはならない。
【0052】
また、所定の実使用の実績があっても省エネ保温を行う時間ブロックを設けることもできる。このようにすると、例えば、一般に2:00〜4:00は、就寝時となることが大半であるので、特別な判定なしに通常保温として対応することができる。これが万一ユーザの使用パターンや生活パターンに適合していない場合は、自動にて設定し直して、あるいやユーザの操作によって設定変更できるので特に問題とはならない。
【0053】
ここで、本実施例のマイクロコンピュータ33aによる制御例について説明すると、図10に主な制御のメインルーチンを示しているように、電源オンによって初期設定が行われた後、各種センサや操作による入出力の処理が行われる。次いで、入出力およびそれに伴う動作制御に関した表示処理が行われる。続いて、初期沸騰や再沸騰を図る沸騰処理、98度や90度での通常保温や、それよりも低く、加熱停止をも含む手動設定および設定での省エネ保温を行う保温処理が行われる。さらに、吐出操作による吐出処理、および前記自動省エネ設定のための省エネ設定処理、その他の処理が行われる。そこで、何らかの異常による異常信号がなく、電源がオフされない限り、それ以降、入出力処理以下の処理が繰り返される。
【0054】
上記省エネ設定処理を行うサブルーチンは図11に示すように、専用キーの操作ないしは省エネキー84など他のキーの長押し操作などの省エネ設定操作があると省エネ設定フラグを0とし、これが次に判定されることによって時計手段77が計時している時刻の取り込みを開始し省エネ設定操作を自動的に行う。ここで、省エネフラグを初期設定によって0にしておくと、人による省エネ設定操作なしに電気ポットの使用初期に自動的に行うことができる。省エネ設定後は省エネ設定フラグが1とされ、これが省エネ設定操作による手動解除や特別な理由による自動解除があるまで、その省エネ設定状態のままリターンする。
【0055】
省エネ設定処理は計時時刻読み込み開始に併せ、吐出に関する電気信号がある都度、貯湯内容液の吐出を伴う実使用Pがある都度、現在時刻を記憶手段に記憶することを繰り返す。この繰り返しに伴い省エネ判定の日時、周、月、季節など所定の日時が経過したかどうかを判定し、経過した時点でそれまで記憶手段に記憶された実使用Pの実績、つまり実使用の所定の実績Sかどうかが、初期設定され、あるいは手動設定などされた時間ブロックBごとに判定され、実績Sでない時間ブロックBにつきそれ以降に適用する省エネ時間帯Zとして図12に示す省エネ時間帯設定サブルーチンに示すような処理によって設定し、省エネ設定フラグを1にする。
【0056】
図12に示す処理では、まず、現在時間ブロックBが判別され、時間ブロックB1〜Bmのうちの該当する時間ブロックBの制御フローに移行する。時間ブロックB1で代表して説明すると、開始時刻から終了時刻までの実使用Pの回数がカウントされ、終了時刻までに時間ブロックB1に対応する実使用の回数基準値N1に達したかどうかを判定し、達していない場合は当該時間ブロックB1を省エネ時間帯Zに設定する。達していると保温制御にて通常保温時間帯Rの取り扱いとなる。このときのカウントは所定の日時が複数日である場合はそれが終了するまで、該当時刻になると繰り返されるので、日単位を越えた累積結果をもって判断できることになる。しかし、具体的な設定操作はどのようにもできる。
【0057】
上記保温処理サブルーチンは図13に示しているように、1つあるいは複数設定された省エネ時間帯Z1・・Znにおける省エネ開始時刻かどうかを、前記計時を基に判定し、そうでなければ、省エネ保温の手動操作があったかどうかを判定し、これもなければ通常保温時間帯Rとして選択された温度での通常保温を行う。省エネ保温の手動操作があると設定された省エネ保温を行うが、省エネ保温中に吐出があると省エネ保温を解除し、通常保温に戻る。設定された省エネ時間帯Z1・・Znにおける省エネ開始時刻になると、省エネ保温に移行してヒータ11をオフし断熱容器としての真空二重容器3によるいわゆる魔法瓶保温を行って省エネ保温を開始し、時間経過とともに保温温度は通常保温の場合よりも低下していく。しかし、魔法瓶保温であることによって急激な温度低下はなく、貯湯内容液71の量や直前での湯温の違いなどによって異なるが8時間程度では60〜70℃程度の温度を保持することができる。
【0058】
省エネ終了時点になると省エネ保温中に通常保温温度よりも低くなっているので、湯沸しモードなどによる通常保温への立ち上げ処理を行って後通常保温に復帰する。もっとも、この立ち上げ処理は内容液温度を判定した結果行うようにすることができる。
【0059】
省エネ開始時点から省エネ終了時点までの間に吐出があると、省エネ設定処理でのやり直し制御とは別に、前記同様湯沸しモードなどによる立ち上げ処理をして通常保温に復帰させ、とりあえず吐出による実使用に対応する。図14にこのような制御例とその場合の内容液の温度変化を示している。通常保温の加熱モードによる設定温度を保っている通常保温時間帯R1から省エネ時間帯Z1が設定された不使用時間帯R1に移行すると、次の通常保温時間帯R2まで加熱が停止されて魔法瓶保温による完全な省エネ保温状態となる。
【0060】
しかし、内容液温度は図14に破線で示すように、次の通常保温時間帯R2に移行して通常保温の加熱モードによる立ち上げ時点まで低下し続ける。このため、図14に示すように省エネ時間帯Z1の途中でユーザが吐出操作を行うと、通常保温での設定温度よりも低い温度の内容液が吐出され、ユーザに不満を与えたり、不満度によっては温度立ち上げのための再沸騰操作を行うといった措置を行わせるなどユーザに不便を与える。そこで、このような省エネ時間帯Z1中に吐出操作があった場合、湯沸しモードによる設定保温温度への早期立ち上げを行い、かつ、所定の時間tの間通常保温での加熱モードで設定保温温度に保ち、飲料用などで複数回繰り返し使用されるようなことに自動的に対応するようにしている。所定の時間tはそのときの吐出回数や吐出量によって吐出操作が外れないように変更するのが好適である。
【0061】
なお、省エネ保温の場合、手動設定、自動設定にかかわらず、省エネランプ93やまほうびん保温表示110を点灯させておくのがよい。また前記のような立ち上げにおいても、手動設定、自動設定にかかわらず省エネランプ93またはおよび設定温度表示111、あるいは現時点の温度表示112を点滅させておくと特別なモードでの昇温中であることを告知でき好都合である。
【0062】
以上のように省エネ時間帯Z1・・Znの途中に吐出操作があって、立ち上げ処理する場合、液晶表示している現在湯温を数秒間点滅させて告知したり、設定温度表示111の点滅と省エネランプ93とを点滅させて告知したり、また、それらとともに、あるいは単独でブザーにより100msを3回働かせるといった告知をしたりすることでユーザに制御を特別な立ち上げ処理であることを認知させることができる。
【0063】
また、省エネ時間帯Z1・・Znの途中における吐出操作に代えて、吐出のロック解除操作があったときに立ち上げ処理をしてもよい。吐出ロックは一定時間吐出がないことによって自動設定され、ロック解除は吐出操作に先立って行われるので、吐出に対する温度の立ち上げを早期に開始することができる。
【0064】
また、最初の途中吐出には温度の立ち上げが間にあいにくい場合、最初の吐出があって後に立ち上げ処理して所定時間tの間通常保温するようにもできる。
【0065】
これら、途中吐出や吐出ロックの解除によって立ち上げ処理し、所定時間tだけ通常保温した後は、再度途中吐出がある再度省エネ保温に戻すのが省エネ上望ましい。省エネ保温に戻すには途中吐出などがある時間の間途絶えることで行うと、途中の使用実態に対応したものとすることができる。
【0066】
また、図12の制御において、省エネ時間帯Z1・・Zn中の吐出操作があったときは、省エネ設定カウンタを+1し、カウンとが1回、あるいはそれ以上の所定回数に達したとき、省エネフラグを0にする。これによって、実情に合わなくなった省エネ設定を図10に示す制御にて再度やり直すことになる。この再設定は、設定済の省エネ時間帯の全体について行ってもよいが、そのような省エネ保温中の実使用に関連する特定の省エネ時間帯についてだけ補正するように行い、これが複数、ないしは所定数の省エネ時間帯について行うときは設定済の省エネ時間帯の全体について再設定するようにしてもよい。
【0067】
具体的には、途中吐出が省エネ時間帯Z1・・Znにおけるどのタイミング時点かによって該当する時間帯を補正することが考えられる。例えば、前記タイミング時点が該当する省エネ時間帯における通常保温時間帯と隣接する境目近くであるときは、そのタイミング時点が通常保温時間帯に含まれるように隣接する通常保温時間帯を隣接側に増加し、該当する省エネ時間帯を前記隣接側で短くする。また、省エネ時間帯Z1・・Znにおける吐出タイミングが該当する省エネ時間帯のほぼ中間時点であると、該当する省エネ時間帯の全体または途中所定時間の間、下限温度を設定した省エネ保温を設定して、設定保温温度への立上がりが早まるようにして以降の使用に対応することもできる。
【0068】
以下、本実施例の電気ポットの具体的な構成について、さらに詳述すると、真空二重容器3はステンレス鋼製の内筒4と外筒5により構成され、ヒータ11は既述したように真空二重容器3の一重底部3cに当てがって加熱効率が低下しないようにしている。ヒータ11は容量の違う湯沸しヒータと保温ヒータに分けて併用したり、個別使用したりすることができるが、1つのものを湯沸しモードと保温モードとでデューティー比を変えるなど既に知られた方法で発熱容量を違えて使用するようにもできる。真空二重容器3を収容した外装ケース2は合成樹脂製であって、底部および胴部が一体形成され、胴部の上端に別体の肩部6を嵌め合わせ一体にすることで、真空二重容器3を収容し保持している。真空二重容器3の一重底部には吐出系25が接続され、この吐出系25は真空二重容器3と外装ケース2との間を立ち上がり、器体1の前部に吐出口25dが臨んでいる。吐出系25の途中には遠心ポンプなどである電動ポンプ26が設けられ、吐出系25に流入する内容液を吐出口25dに向け送り出し、吐出するようにしている。しかし、電動ポンプの方式はくみ上げ式、加圧式などを問わず自由に選択することができる。併せ、真空二重容器3の口部に通じる器体1の器体開口12を開閉できるように覆う蓋13に手動ポンプ10が設けられ、押圧板61による押圧操作で真空二重容器3内に加圧空気を吹き込み貯湯内容液71を加圧して吐出系25を通じ押し出し外部に吐出させられるようにしている。手動ポンプ10は電源なしのところで貯湯内容液71を手動吐出して給湯できる利点がある。
【0069】
吐出系25の立上がり部25aは透明管としてそこでの液量が器体1の透明な液量表示窓62から透視できるようにしている。しかし、内容液の液量は立上がり部25aの液量をフォトカプラなどによって段階的に検出して表示し、また各種の制御のための液量データとして用いることもできる。また液量の自動検出は静電容量方式によってもよいし、貯湯内容液71をヒータ11で加熱するときの昇温特性や、ヒータ11の加熱を停止したときの降温特性によっても液量を自動検出することができる。
【0070】
蓋13は真空二重容器3からの蒸気を外部に逃がす蒸気通路17が形成され、蓋13の真空二重容器3内に面する位置の内側開口17aと、外部に露出する外面に形成された外側開口17bとの間で通じている。蒸気通路17の途中には、器体1が横転して貯湯内容液71が進入してきた場合にそれを一時溜め込み、あるいは迂回させて、外側開口17bに至るのを遅らせる安全経路17cを設けてある。これにより、器体1が横転して内容液が蒸気通路17を通じて外部に流出するまでに器体1を起こすなどの処置ができるようになる。また、蒸気通路17には器体1の横転時に、蒸気通路17に進入しようとし、あるいは進入した内容液が先に進むのを阻止するように自重などで働く転倒時止水弁18が適所に設けられている。図示する実施例では内側開口17aの直ぐ内側の一か所に設けてある。
【0071】
蓋13の前部には閉じ位置で肩部6側の係止部19に係合して蓋13を閉じ位置にロックするロック部材21が設けられ、蓋13が閉じられたときに係止部19に自動的に係合するようにばね22の付勢によってロック位置に常時突出するようにしている。これに対応して蓋13にはロック部材21を後退操作して前記ロックを解除するロック解除部材23が設けられている。ロック解除部材23は図1に示すように軸24によって蓋13に枢支されたレバータイプのものとされ、前端23aを親指などで押し下げて反時計回りに回動させることでロック部材21をばね22に抗して後退させてロックを解除し、続いてロック解除操作で起き上がった後端23bを他の指で引き上げることによりロックを解除された蓋13を持ち上げこれを開くことができる。
【0072】
外装ケース2の底と真空二重容器3の底部との間の空間には、前記電動ポンプ26とともに、電源・駆動系基板27を収容する回路ボックス28が設置されている。図示する実施例では回路ボックス28は外装ケース2の底の開口部に一体形成して設けてある。また、回路ボックス28は下向きに開口しこれを閉じる蓋60を設けてある。
【0073】
吐出系25の上部は器体1の突出部31と外装ケース2側のパイプカバー部2dとの間に入った部分で逆U字状のユニットである吐出口部25cを構成し、この吐出口部25cに転倒時止水弁34aおよび前傾時止水弁34bと吐出口25dを設けている。吐出口25dはパイプカバー部2dを通じて下向きに外部に開口している。
【0074】
外装ケース2の底部にある開口には下方から蓋板36を当てがってねじ止めや部分的な係合により取付け、蓋板36の外周部には回転座環37が回転できるように支持して設けられ、器体1がテーブル面などに定置されたときに回転座環37の上で軽く回転して向きを変えられるようにしてある。
【0075】
また、制御基板33に設けた吐出系センサ72は、吐出温度を検出していない間の検出温度を室温としてモニタし、貯湯内容液の湯沸し制御や保温制御、液量判定など各種の制御に用いることができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、使用状態継続中の内容液の吐出を伴う実使用の信号は、電気的な吐出操作信号や手動吐出操作を電気的に検出した吐出操作信号などの吐出操作に関した電気信号として得られ、得られた実使用の信号とそれを得た時点の時刻情報とから、1日単位の時間長さを分割した各時間ブロックに対応するどの時刻間に属した実使用であるかが特定する。これによって、各時間ブロックに対応する時刻間ごとの実使用の実績を単純に抜けなく容易かつ低コストにて判定することができる。そこで、所定の実使用の実績がある時間ブロックでの時刻間については以降の通常保温時間帯とし、所定の実使用の実績がない時間ブロックの時刻間については以降の省エネ時間帯とし、以降各時間ブロックを時刻によって特定できる特徴、1日の生活、実使用のパターンに合わせた的確な省エネ保温を図りやすく、ユーザに不満や不便を与えないものとすることができる。
特に請求項1に係る発明によれば、実使用基準値はどの時間ブロックかで異なることによって、時刻の認識から予想される通常生活パターンでの就寝時間帯となる時間ブロックでは稀な吐出操作をイレギュラーとして取り扱って通常保温時間帯には設定しにくく、省エネ時間帯には設定しやすくし、就寝時間帯を除く実生活時間帯となる時間ブロックでは吐出操作が繰り返されやすいのを利用して通常保温時間帯には設定しやすく、省エネ時間帯には設定されにくくして、ユーザの1日の生活パターンに好適に対応することができ、ユーザに不満や不便を掛けることなく省エネが図れる。
また、請求項2に係る発明によれば、吐出ロックは一定時間吐出がないことによって自動設定され、ロック解除は吐出操作に先立って行われるので、吐出に対する温度の立ち上げを早期に開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気貯湯容器の実施例に係る電気ポットの1つの例を示す断面図である。
【図2】図1の電気ポットの制御回路図である。
【図3】図1の電気ポットの操作部の平面図である。
【図4】図1の電気ポットの別の例を示す一部の断面図である。
【図5】図1の電気ポットの98度保温時の、貯湯内容液の吐出による吐出系各部の温度変化を示すグラフである。
【図6】図1の電気ポットの90度保温時の、貯湯内容液の吐出による吐出系各部の温度変化を示すグラフである。
【図7】24時間単位での、ある分割時間ブロックごとの実使用に関する3日分の実績経過から省エネ時間帯を設定する操作の手順を示す説明図である。
【図8】24時間単位での、ある分割時間ブロックごとの実使用に関する3日分の実績経過から省エネ時間帯を設定する別の操作の手順を示す説明図である。
【図9】24時間単位の時間ブロックの別の分割例を示す説明図である。
【図10】図2の制御回路の主な制御例を示すメインルーチンのフローチャートである。
【図11】図10における省エネ設定処理サブルーチンのフローチャートである。
【図12】図11における省エネ時間帯設定処理サブルーチンのフローチャートである。
【図13】図10における保温処理サブルーチンのフローチャートである。
【図14】省エネ時間帯における途中吐出があったときの制御例と、それによる内容液の温度変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 器体
10 手動ポンプ
11 ヒータ
25 吐出系
26 電動ポンプ
32 操作部
33 制御基板
33a マイクロコンピュータ
71 貯湯内容液
72 吐出系センサ
73 実績判定手段
74 省エネ保温制御手段
75 記憶手段
76 バックアップ電源
77 時計手段
82 吐出キー

Claims (2)

  1. 電気貯湯容器にて内容液を通常保温や通常保温よりも低い温度での省エネ保温をしながら使用状態を継続して吐出操作による実使用に供するのに、1日単位の時間長さを分割した複数の各時間ブロックに対応する時刻間ごとに実使用の実績を判定し、所定の実使用の実績がある時間ブロックの時刻間については以降の通常保温時間帯とし、所定の実使用の実績がない時間ブロックの時刻間については以降の省エネ時間帯とし、通常保温時間帯の時刻になると通常保温を行い、省エネ時間帯の時刻になると省エネ保温を行うのに、
    所定の実使用の実績を判定する実使用基準値は、どの時間ブロックかで異なり、食事時の実使用の回数基準値は、深夜などその他の時間ブロックでの基準値よりも低く設定し、食事時の時間ブロックでは通常保温時間帯に設定されやすく、深夜などその他の時間ブロックでは省エネ時間帯に設定しやすくすることを特徴とする省エネ保温方法。
  2. 電気貯湯容器にて内容液を通常保温や通常保温よりも低い温度での省エネ保温をしながら使用状態を継続して吐出操作による実使用に供するのに、1日単位の時間長さを分割した複数の各時間ブロックに対応する時刻間ごとに実使用の実績を判定し、所定の実使用の実績がある時間ブロックの時刻間については以降の通常保温時間帯とし、所定の実使用の実績がない時間ブロックの時刻間については以降の省エネ時間帯とし、通常保温時間帯の時刻になると通常保温を行い、省エネ時間帯の時刻になると省エネ保温を行うのに、
    省エネ保温中に吐出ロックのロック解除操作があると省エネ保温を解除し、通常保温に戻ることを特徴とする省エネ保温方法。
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