JP3900895B2 - 温度センサの異常検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエンジンから排出される排気ガス等の温度を検出する温度センサについて、断線等の異常を検出する温度センサの異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両に搭載されたエンジンには、その構成部品の温度を検出する種々の温度センサが組込まれている。この温度センサとしては、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ、燃料の温度を検出する燃温センサ等のほか、エンジンから排出される排気ガスの温度を検出する排気温センサ等がある。これらの温度センサの基本構造は種類にかかわらず略同じであり、電気抵抗値が温度に応じて変化するサーミスタを備えている。そして、いずれの種類の温度センサも、被測定物の温度が高くなるに従い出力電圧が低くなるという出力特性を有する。また、各温度センサの検出温度域は、被測定物が採り得る温度範囲に応じた値に設定されている。例えば、エンジンの冷却水を被測定物とする水温センサの検出温度域は、約−60℃から約150℃の範囲に設定されている。また、最高温度が1000℃近くにもなる排気ガスを被測定物とする排気温センサでは、検出温度域が常温から約1000℃の範囲に設定されている。
【0003】
ところで、前記各種温度センサには、断線やショートによる異常が生じる場合があり、こういった状況に陥ると被測定物の温度を適正に検出することができなくなる。そこで、温度センサの異常を検出する技術が種々提案されている。その1つとして、温度センサの出力値と所定値とを比較し、その比較結果に基づき、温度センサに異常が発生しているかどうかを判定するものがある。ここで、温度検出のために所定の電圧(例えば5ボルト)が印加され、断線時には、その印加された電圧と略同じ電圧(例えば4.9ボルト)を出力する仕様の温度センサでは、所定値は、断線時に温度センサから出力される電圧に基づき設定されている。この出力電圧は、温度センサが検出温度域において採り得る最も大きな値(水温センサの場合、−60℃)と同じである。しかし、エンジンが通常の環境下で使用される限り、冷却水温が−60℃まで低くなることは考えにくい。そのため、上記異常検出技術では、温度センサの出力電圧が所定値と同じになった場合、断線による異常が発生していると判定している。そのほかにも、例えば温度センサを積極的に自己発熱させ、その発熱に基づく温度変化を温度センサの異常検出に利用する技術も提案されている(特開平10−159639号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように排気温センサの検出温度域は常温から約1000℃と広く、他の温度センサの検出温度域と比べてもかなり広い。このような検出温度域の広い排気温センサでは、低温時(常温時)の出力電圧が断線時の出力電圧と同じ値になる場合がある。
【0005】
そのため、排気温センサの出力値と所定値とを比較する従来の異常検出技術では、排気温センサの出力電圧が断線時の出力電圧と同じ値になると、その値が断線によるものか、排気温が低いことによるものかを区別することが困難である。従って、断線が生じているのに誤って正常であると判定したり、断線が生じていないのに誤って異常であると判定したりするおそれがある。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、被測定物が特定の温度になった場合に、断線等による異常が誤検出されるのを未然に防止できる温度センサの異常検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、被測定物が通常採り得る温度範囲を含む検出温度域で前記被測定物の温度を検出し、前記被測定物の温度が前記温度範囲内の所定温度になったときに、異常発生時と同じ値を出力する温度センサに用いられる異常検出装置であって、前記温度センサは、エンジンから排出される排気ガスの排気通路に設けられ、かつ前記排気ガスを前記被測定物として、その排気ガスの温度を検出する排気温センサからなり、記被測定物の温度が前記所定温度とは異なる温度状態を、前記被測定物の温度に関連するパラメータに基づき推定する推定手段と、前記推定手段により前記温度状態が推定されたとき、前記温度センサの検出値に基づき同温度センサの異常判定を行う異常判定手段と、前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段と、前記エンジン温度検出手段による前記エンジンの温度に基づき、前記エンジンの暖機状態の終了を判定する暖機終了判定手段と、前記暖機終了判定手段により暖機状態の終了が判定されるまで前記異常判定手段による異常判定を禁止する判定禁止手段とを備えるものとする。
【0008】
上記の構成によれば、温度センサの検出対象である被測定物が所定温度とは異なる温度状態になると、その温度状態が推定手段により、被測定物の温度に関連するパラメータに基づき検出される。そして、異常判定手段により、温度センサの検出値に基づき、その温度センサに断線等の異常が発生しているかどうかが判定される。
【0009】
このように、被測定物の温度が所定温度とは異なる温度になったことが、温度センサの検出値を用いることなく推定される。そして、この温度状態が推定された場合に限って、温度センサの検出値が異常判定に用いられる。この状況下では、温度センサが正常であれば、異常時と同じ検出値を出力することはない。従って、温度センサの検出値が、異常時に出力する検出値と同程度であれば、温度センサに断線等の異常が発生していると判定し、同程度でなければ正常と判定することが可能である。このようにして判定を行うことにより、被測定物の温度が所定温度になった場合に、断線等による異常が誤検出されるのを未然に防止することができる。
さらに、エンジンの運転状態に応じて温度が変化する要素としてエンジンから排出される排気ガスが被測定物とされ、その被測定物の温度が温度センサによって検出される。この場合、排気ガスの温度である排気温が温度センサによって検出される。
また、この場合の被測定物の温度は、エンジンの燃焼室で発生する熱の量、すなわち、1回の燃焼行程において燃焼される混合気の量に応じて変化する。従って、この混合気の量は、エンジン回転速度、エンジン負荷(例えば燃料噴射量)等によって左右される。また、エンジン暖機状態の途中と完了後とでは、被測定物の温度が異なる。従って、例えば、これらのエンジン回転速度、エンジン負荷、暖機状態等を、被測定物の温度に関連するパラメータとして用いれば、推定手段において、被測定物の温度が所定温度よりも高い温度状態を精度よく推定することが可能となる。
ここで、エンジンの温度が低くエンジンの暖機が行われている途中では、排気通路内での排気ガスの温度分布が一様ではないと考えられる。すなわち、排気通路において管壁に近い箇所を流れる排気ガスの方が、同排気通路の中央部分を流れる排気ガスよりも温度が高いと考えられる。これは、暖機途中では、暖機終了後に比べ排気通路の管壁の温度が低いためである。従って、このように温度分布の一様でないと考えられる状況下での温度センサ(排気温センサ)の検出値を、異常判定に用いると、誤った判定結果を出すおそれがある。
これに対し、上記構成によれば、エンジンの温度がエンジン温度検出手段によって検出される。暖機終了判定手段では、エンジン温度検出手段によるエンジンの温度に基づき、エンジンの暖機状態の終了が判定される。そして、暖機終了判定手段によって暖機状態の終了が判定されるまでは、異常判定手段による異常判定が判定禁止手段によって禁止される。この禁止により、前述した誤判定が行われるのを防止することが可能となる。
なお、暖機終了後には排気通路の管壁が十分に高くなっていて、この管壁に奪われる排気ガスの熱量が少ないため、排気ガスの温度分布は略一様であり、前述したような問題は起りにくい。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記温度センサは、前記被測定物の温度が前記温度範囲の低温域における所定温度になったときに異常発生時と同じ値を出力し、前記推定手段は、前記被測定物の温度が前記所定温度よりも高い状態を前記温度状態として推定するものとする。
【0011】
上記の構成によれば、被測定物の温度が所定温度よりも高くなると、その温度状態が推定手段により、被測定物の温度に関連するパラメータに基づき推定される。このように、被測定物の温度が所定温度よりも高くなったことが、温度センサの検出値を用いることなく推定される。そして、異常判定手段により、温度センサの検出値に基づき、その温度センサに断線等の異常が発生しているか否かが判定される。このため、被測定物の温度が低い場合に断線等による異常が誤検出されるのを未然に防止することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記温度センサは、前記被測定物の温度が上昇するに従い検出値が小さくなる出力特性を有しており、前記異常判定手段は、前記温度センサの検出値が、前記所定温度に対応する所定値よりも大きいときに、同温度センサが異常であると判定するものとする。
【0013】
上記の構成によれば、温度センサの検出値は、被測定物の温度が低いとき大きな値となり、被測定物の温度上昇にともない減少する。そして、被測定物の温度が低く、低温域の前記所定温度となったとき、温度センサからは、異常時と同様の検出値、すなわち大きな値が出力される。
【0014】
一方、推定手段によって被測定物の温度の高い状態が推定された場合、異常判定手段では、温度センサの検出値が、前記所定温度に対応する所定値と比較される。ここで、検出値が所定値よりも大きい場合、温度センサが正常であれば出力することのない値を出力していることになる。そのため、異常判定手段では、検出値が所定値よりも大きくなっている原因が、断線異常によるものであると判定することができる。
【0018】
請求項に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記異常判定手段による異常判定に先立ち、前記エンジン始動時における前記温度センサの検出値と、前記エンジン始動後における前記温度センサの検出値との偏差を求め、その偏差が所定値よりも小さいとき、異常発生の可能性があると判定する予備判定手段をさらに備え、前記異常判定手段は、前記予備判定手段により異常発生の可能性があると判定された場合に限り、前記温度センサの異常判定を行うものであるとする。
【0019】
上記の構成によれば、予備判定手段では、エンジン始動時における温度センサの検出値と、エンジン始動後における温度センサの検出値との偏差が求められる。この偏差が所定値よりも小さいかどうかが判定される。
【0020】
ここで、温度センサに例えば断線による異常が発生していれば、温度センサはある決まった値を出力する。このため、前述した偏差は零又は零に近い値となるはずである。反対に、偏差が所定値よりも大きければ、少なくとも断線は発生しておらず、被測定物の温度変化に応じて温度センサの検出値が変化しているものと考えられる。
【0021】
断線が発生している場合には、前述したように偏差が小さくなる(零を含む)。しかし、暖機が完了して温度の高くなった状態でエンジンの運転が停止され、エンジンの温度が高いままエンジンが再始動された場合にも、偏差は小さくなる。従って、偏差が小さい場合、その原因が断線によるものか、高温再始動によるものかは不明である。
【0022】
これらのことを考慮し、予備判定手段では、偏差が所定値よりも小さい場合、異常発生の可能性があると判定される。そして、異常判定手段では、予備判定手段によって異常発生の可能性があると判定された場合に限り、温度センサの検出値に基づく異常判定が行われる。
【0023】
従って、温度センサが正常であることが明らかである場合にまで異常判定が行われるのを防止し、不要な異常判定処理の回数を減らすことができる。また、温度センサが正常であることが明らかな場合には、その旨を早期に判定することが可能となる。
【0024】
請求項に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記推定手段は、前記エンジンが所定の運転状態で所定時間以上運転されているときに、前記被測定物が温度の高い状態であると推定するものとする。ここで、所定の運転状態とは、被測定物の温度に影響を及ぼすが、時間の経過とは無関係に変動する運転状態である。この所定の運転状態としては、例えば、被測定物の温度に関連するパラメータとして挙げたもののうち、エンジン回転速度、エンジン負荷等が該当する。暖機状態は、エンジンの運転時間の経過とともに変化するため、ここでの所定の運転状態には該当しない。
【0025】
上記の構成によれば、被測定物の温度に影響を及ぼす所定の運転状態がある期間にわたって継続すれば、被測定物の温度が高くなっているものと考えられる。このことから、エンジンが所定の運転状態で所定時間以上運転されている場合、被測定物が温度の高い状態であることが推定手段によって推定される。
【0026】
従って、エンジンが所定の運転状態になったものの、その状態が短時間で終わった場合には、実際には被測定物の温度がさほど高くなっていない可能性があるが、このような場合にまで、被測定物の温度が高くなっていると誤って推定されるのを防止できる。
【0027】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記推定手段は、前記エンジンの出力軸の回転速度であるエンジン回転速度が所定値よりも高い状態を前記所定の運転状態とするとともに、前記所定時間として、前記エンジン回転速度が高いほど短い値を用いるものとする。
【0028】
上記の構成によれば、推定手段では、エンジン回転速度が所定値よりも高い状態が、被測定物の温度に影響を及ぼす所定の運転状態として用いられる。そして、エンジン回転速度が所定値よりも高い状態で、エンジンが所定時間以上運転されたとき、被測定物が温度の高い状態であると推定される。
【0029】
上記推定処理は、エンジン回転速度が所定値よりも高い状況が継続することにより、エンジンの出力軸が所定回数以上回転したかどうかを検出しているともいえる。従って、所定回数を一定の値とすれば、上記の推定に用いる所定時間をエンジン回転速度に応じて異ならせることが可能である。この観点から、請求項に記載の発明では、エンジン回転速度が高いほど所定時間が短くされる。
【0030】
ここで、所定時間を一定の値とした場合には、その所定時間内における出力軸の総回転数は、エンジン回転速度が高くなるに従い多くなる。これに対し、上記のようにエンジン回転速度が高いほど所定時間を短くすると、その所定時間内における出力軸の総回転数は、エンジン回転速度にかかわらず一定となる。このため、推定精度は同じとなる。従って、エンジン回転速度が高い場合には、推定手段における温度状態の推定に要する時間を短くすることができる。その結果、推定の精度を維持しつつより短い時間で、被測定物が温度の高い状態であることを推定することが可能となる。
【0031】
また、所定時間を一定の値とした場合には、実際には、被測定物の温度が高い状態になっているにもかかわらず、エンジン回転速度の高い状態が所定時間続かなかったために、温度の高い状態になっていることを推定できない場合があり得る。しかし、エンジン回転速度の上昇に従い所定時間が短くされるため、上記の不具合を解消し、エンジン回転速度の高い状態が比較的短い時間で終わっても、被測定物が温度の高い状態であることを確実に推定することができる。
【0032】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記推定手段は、前記エンジンに供給される燃料の量が所定値よりも多い状態を前記所定の運転状態とするとともに、前記所定時間として、前記燃料供給量が多いほど短い値を用いるものであるとする。
【0033】
上記の構成によれば、推定手段では、エンジンへの燃料の供給量が所定値よりも多い状態が、被測定物の温度に影響を及ぼす所定の運転状態として用いられる。そして、燃料の供給量が所定値よりも多い状態で、エンジンが所定時間以上運転されたとき、被測定物が温度の高い状態であることが推定される。
【0034】
上記推定処理は、燃料の供給量が所定値よりも多い状況が継続することにより、所定量以上の燃料が供給されたかどうかを検出しているともいえる。従って、前記所定量を一定の値とすれば、上記の推定に用いる所定時間を燃料の供給量に応じて異ならせることが可能である。この観点から、請求項に記載の発明では、燃料の供給量が多いほど所定時間が短くされる。
【0035】
ここで、所定時間を一定の値とした場合には、その所定時間内における燃料供給量の総量は、1回の燃料供給量が多くなるに従い多くなる。これに対し、上記のように燃料供給量が多いほど所定時間を短くすると、その所定時間内における燃料供給量の総量は、1回の燃料供給量にかかわらず一定となる。このため、推定精度は同じとなる。従って、1回の燃料供給量が多い場合には、推定手段における温度状態の推定に要する時間を短くすることができる。その結果、推定の精度を維持しつつより短い時間で、被測定物が温度の高い状態になっていることを推定することが可能となる。
【0036】
また、所定時間を一定の値とした場合には、実際には、被測定物の温度が高い状態になっているにもかかわらず、燃料供給量の多い状態が所定時間続かなかったために、温度の高い状態になっていることを推定できない場合があり得る。しかし、燃料供給量が多いほど所定時間が短くされるため、上記のような不具合を解消し、燃料供給量の多い状態が比較的短い時間で終わっても、被測定物が温度の高い状態であることを確実に推定することができる。
【0037】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記エンジンに供給される燃料の量は、アクセル操作部材の操作量に応じて変化するものであり、前記推定手段は、前記所定時間として、前記燃料供給量に代えて、前記アクセル操作部材の操作量が多いほど短い値を用いるものとする。
【0038】
上記の構成によれば、アクセル操作部材の操作量とエンジンに供給される燃料の量との間には一定の相関関係が見られる。通常は、アクセル操作部材の操作量が多くなるに従い、燃料の供給量が増加する。従って、前述した燃料の供給量に代えて、アクセル操作部材の操作量が多くなるほど所定時間を短い値に変更することで、請求項8に記載の発明と同様の作用及び効果を奏する。
【0043】
請求項に記載の発明では、請求項1〜8のいずれか1つに記載の発明において、前記エンジン温度検出手段は、前記エンジンの冷却水の温度、エンジンオイルの温度及び燃料の温度の少なくとも1つを前記エンジンの温度として検出するものとする。
【0044】
ここで、エンジンの冷却水の温度、エンジンオイルの温度及び燃料の温度の各々とエンジンの温度との間には相関関係が見られる。いずれの温度も、エンジンの温度が低いときには低く、エンジンの温度が高くなるに従い上昇する。従って、これらの温度の少なくとも1つを検出し、エンジンの温度として用いることが可能である。
【0045】
このことから、請求項に記載の発明では、エンジンの冷却水の温度、エンジンオイルの温度、燃料の温度の少なくとも1つが、エンジンの温度としてエンジン温度検出手段によって検出される。このようにして検出された温度は、エンジンの温度として精度の高いものである。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。車両には、図1に示すように、内燃機関の一形態である筒内噴射式ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。エンジン11はシリンダヘッド12と、複数の気筒(シリンダ)13を有するシリンダブロック14とを備えている。各シリンダ13内には、ピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド16を介し、エンジン11の出力軸であるクランク軸17に連結されている。各ピストン15の往復運動は、コネクティングロッド16によって回転運動に変換された後、クランク軸17に伝達される。クランク軸17は、自動変速機等の変速機(図示略)等を介して車両の車輪(図示略)に連結されている。
【0047】
燃焼室18は、ピストン15の頂面、シリンダ13の内壁面及びシリンダヘッド12の下面によって区画形成されている。シリンダヘッド12には、各燃焼室18に連通する吸気ポート19及び排気ポート20がそれぞれ設けられている。
【0048】
これらの吸・排気ポート19,20を開閉するために、シリンダヘッド12には、吸気弁21及び排気弁22がそれぞれ往復動可能に支持されている。また、シリンダヘッド12において、吸・排気弁21,22の各上方には、それぞれカムを有するカム軸23,24が回転可能に設けられている。これらのカム軸23,24は、図示しないタイミングプーリ、タイミングベルト等によりクランク軸17に駆動連結されている。そして、クランク軸17が回転されると、その回転がタイミングベルト、タイミングプーリ等を介してカム軸23,24に伝達される。各カム軸23,24の回転により吸・排気弁21,22が往復動し、吸・排気ポート19,20が開放又は閉鎖される。
【0049】
吸気ポート19には、スロットル弁25、サージタンク26、吸気マニホルド27等を有する吸気通路28が接続されている。エンジン11の外部の空気は、吸気通路28の各部25〜27を順に通過して燃焼室18に取り込まれる。
【0050】
スロットル弁25は吸気通路28内に回動可能に支持されており、同スロットル弁25に対し、ステップモータ等からなるスロットル用モータ29が駆動連結されている。スロットル用モータ29は、運転者によるアクセルペダル30の踏込み操作等に応じて作動され、スロットル弁25を回動させる。アクセルペダル30は、アクセル操作部材として車両の室内に設けられている。吸気通路28を流れる空気の量である吸入空気量は、スロットル弁25の回動角度であるスロットル開度に応じて変化する。
【0051】
吸気マニホルド27はシリンダ13と同数の部分に分岐されている。各分岐部分の内部には2つの通路がそれぞれ仕切り形成されている。これらの通路は、前述した吸気ポート19に接続されている。各分岐部分の一方の通路内には、気流制御弁(スワール制御弁)31が回動可能に支持されている。スワール制御弁31は、一方の通路の開度を小さくすることにより燃焼室18内にスワール(旋回)流を発生させ、燃焼を促進させるためのものである。スワール制御弁31には、ステップモータ等のスワール用モータ32が駆動連結されている。各燃焼室18内でのスワール流の強さは、スワール制御弁31の回動角度(開度)に応じて変化する。すなわち、スワール制御弁31の開度が小さくなるほどスワール流が強くなる。
【0052】
シリンダヘッド12には、シリンダ13毎に電磁式の燃料噴射弁33が取付けられている。各燃料噴射弁33には、共通のデリバリパイプ34を通じて高圧の燃料が供給される。各燃料噴射弁33は、供給された高圧の燃料を対応する燃焼室18内へ直接噴射する。噴射された燃料は、吸気通路28を通って燃焼室18内に導入される吸入空気と混ざり合って混合気となる。
【0053】
シリンダヘッド12には、点火プラグ35が各シリンダ13に対応して取付けられている。点火プラグ35は、イグナイタ36からの点火信号に基づいて駆動される。点火プラグ35には、点火コイル(図示略)から出力される高電圧が印加される。そして、前記混合気は点火プラグ35の電気火花によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動され、クランク軸17が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。
【0054】
一方、排気ポート20には、排気マニホルド37、触媒コンバータ38等を有する排気通路39が接続されている。燃焼室18で生じた燃焼ガスは、排気通路39の各部37,38等を順に通ってエンジン11の外部へ排出される。触媒コンバータ38には、排気通路39を流れる燃焼ガスを浄化するための触媒が内蔵されている。
【0055】
本実施形態では、混合気の燃焼形態として少なくとも均質燃焼及び成層燃焼があり、これらはエンジン11の運転状態に応じて切替えられる。均質燃焼は、例えばエンジン11の高負荷時等において、吸気行程(ピストン15の下降中)の前半に燃料を噴射することにより均質な混合気を形成する燃焼形態である。成層燃焼は、例えばエンジン11の低負荷時等において、圧縮行程(ピストン15の上昇中)の後半に燃料を噴射することにより、点火プラグ35の周りに燃料の濃い(理論空燃比程度)混合気の層を形成するとともに、その周りに空気の層を形成することにより希薄燃焼を可能とした燃焼形態である。
【0056】
エンジン11の運転状態を検出するために、各種センサが用いられている。例えば、クランク軸17の近傍には、そのクランク軸17が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生するクランク角センサ41が設けられている。カム軸23の近傍には、所定気筒のピストン15が吸気上死点に達したときにパルス状の信号を発生する気筒判別センサ42が設けられている。これらクランク角センサ41及び気筒判別センサ42の信号は、クランク軸17の回転角であるクランク角、クランク軸17の回転速度であるエンジン回転速度NE等の算出と、気筒の判別とに用いられる。
【0057】
スロットル弁25の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ43が配置されている。吸気通路28において、スロットル弁25の下流側、例えばサージタンク26には、吸入空気の圧力である吸気圧PMを検出する吸気圧センサ44が設けられている。また、運転者によるアクセルペダル30の踏込み操作量であるアクセル開度を検出するアクセルセンサ45が設けられている。
【0058】
さらに、エンジン各部の温度を検出する温度センサとして、水温センサ46、燃温センサ47、油温センサ48及び排気温センサ49が用いられている。水温センサ46はシリンダブロック14に取付けられており、エンジン11の冷却水の温度である冷却水温THWを検出する。燃温センサ47はデリバリパイプ34に取付けられており、燃料噴射弁33に供給される燃料の温度である燃温THFを検出する。油温センサ48は、エンジン11の冷却及び潤滑等を目的として用いられるエンジンオイルの流通路の途中、例えばシリンダブロック14下部のオイルパン10に取付けられている。油温センサ48は、オイルパン10に貯留されているエンジンオイルの温度である油温THOを検出する。排気温センサ49は、排気通路39の途中、例えば排気マニホルド37に取付けられており、エンジン11から排出された直後の排気ガスの温度である排気温を検出する。
【0059】
これらの温度センサ46〜49の基本構造は種類にかかわらず略同じであり、いずれも電気抵抗値が温度に応じて変化するサーミスタを内蔵している。そして、いずれの種類の温度センサ46〜49も、図2に示すように、被測定物の温度の低いときに電気抵抗値及び出力電圧が最も大きく、被測定物の温度が高くなるに従い電気抵抗値及び出力電圧が小さくなるという出力特性を有する。
【0060】
温度センサ46〜49の種類に応じて異なるのは検出温度域である。これは、温度センサ46〜49の検出対象である被測定物が通常採り得る温度範囲が、被測定物に応じて異なるからである。このことを考慮して、各温度センサ46〜49では、被測定物の温度を確実に検出できるように、検出温度域が、少なくとも被測定物が通常採り得る温度範囲を含むように設定されている。
【0061】
例えば、エンジン11の冷却水を被測定物とする水温センサ46の検出温度域は、約−60℃から約150℃に設定されている。また、最高温度が1000℃近くにもなる排気ガスを被測定物とする排気温センサ49では、検出温度域が常温から約1000℃に設定されている。この検出温度域は排気ガスの採り得る温度範囲を含んでいるが、その温度範囲がそもそも広いことから、検出温度域を温度範囲よりも広く設定するにも限度がある。実際には、排気温センサ49の検出温度域を排気ガスの採り得る温度範囲よりも若干広く設定するにとどまり、検出温度域の下限と温度範囲の下限とが略同じとなっている。
【0062】
一方、排気温センサ49を含む各温度センサ46〜49では、温度検出のために所定の電圧(例えば5ボルト)が印加され、断線時には、その印加された電圧と略同じ電圧(例えば4.9ボルト)が出力される仕様となっている。このため、排気温センサ49では排気温が低いとき(例えば常温時)の排気温センサ49の出力電圧と断線時の出力電圧とが合致することとなる。
【0063】
さらに、前記各種センサ41〜49の検出値に基づき、エンジン11の各部を制御するために、図3に示す電子制御装置(Electronic Control Unit: ECU)51が用いられている。ECU51はCPU52、読み出し専用メモリ(ROM)53、ランダムアクセスメモリ(RAM)54、バックアップRAM55、外部入力回路56及び外部出力回路57を備えている。これらの各回路はバス58によって互いに接続されている。
【0064】
ROM53は、所定の制御プログラムや初期データを予め記憶している。CPU52は、ROM53に記憶された制御プログラム及び初期データに従って各種の演算処理を実行する。RAM54は、CPU52による演算結果を一時的に記憶する。バックアップRAM55は、ECU51に対する電源供給が停止された後にも、RAM54内の各種データを保持するために、バッテリ(図示略)によってバックアップされている。
【0065】
そして、CPU52は外部入力回路56を介して各種センサ41〜49の検出信号を入力する。また、CPU52はそれらの入力に基づき、エンジン11の運転状態を判定し、その運転状態と、所定の演算式又は所定の制御マップ等とに基づき燃料噴射量Q、燃料噴射時期、スロットル弁25の開度、スワール制御弁31の開度、点火時期等を算出する。そして、CPU52は、算出結果に基づいてスロットル用モータ29、スワール用モータ32、燃料噴射弁33、イグナイタ36等に対し制御信号を出力する。
【0066】
例えば、CPU52は、エンジン回転速度NE、燃料噴射量Q等に基づきエンジン負荷を求め、そのエンジン負荷が属する運転領域を特定する。燃料噴射量Qは、例えば、エンジン回転速度NE、アクセル開度(又は吸気圧PM)等に基づき算出されたものである。燃料噴射量Qは、これらのエンジン回転速度NE、アクセル開度(又は吸気圧PM)等のそれぞれが大きくなるほど、大きな値として算出される。
【0067】
エンジン負荷が低負荷運転領域にあると判定した場合は、スワール用モータ32を制御してスワール制御弁31の開度を小さくする。また、スロットル用モータ29を制御してスロットル弁25を実質的に全開状態とする。さらに、各気筒の圧縮行程時に燃料噴射弁33に通電して燃料を噴射させる。
【0068】
この場合、各気筒の燃焼室18には、吸気行程時に主として片方の通路から新気が導入され、強いスワール流が発生する。続く圧縮行程では、燃料噴射弁33から噴射された燃料がスワール流に乗って燃焼室18内を旋回し、所定の時期に点火プラグ35の近傍へ移動する。このとき、燃焼室18内は、点火プラグ35の近傍が可燃混合気層となり、その他の領域が空気層となる、いわゆる成層状態となる。そして、CPU52は、所定の時期にイグナイタ36を駆動して点火プラグ35を点火する。その結果、燃焼室18内の混合気は、点火プラグ35の近傍の可燃混合気層を着火源として燃焼(成層燃焼)する。
【0069】
一方、CPU52はエンジン負荷が高負荷運転領域にあると判定した場合は、スワール用モータ32を制御してスワール制御弁31を全開状態にする。また、スロットル弁25がアクセルペダル30の踏込み量(アクセル開度)に対応した開度となるようスロットル用モータ29を制御する。さらに、各気筒の吸気行程時に燃料噴射弁33に通電して燃料を噴射させる。この場合、各気筒の燃焼室18内の略全域にわたって、空気と燃料とが均質に混ざり合った理論空燃比近傍の混合気が形成され、均質燃焼が実現される。
【0070】
このように燃焼方式を切替えるのは、高出力が要求される高回転高負荷時には「均質燃焼」とし混合気の空燃比を小さくしてエンジン出力を高め、あまり高出力を必要としない低回転低負荷時には「成層燃焼」とし空燃比を大きくして燃費の向上を図るためである。
【0071】
そのほかにも、CPU52は排気温センサ49に断線による異常が発生しているかどうかを検出(診断)する。次に、この排気温センサ49の異常検出に際し、ECU51によって実行される処理を、図4のフローチャートに従って説明する。このフローチャートにおいて示される異常検出ルーチンは、所定のタイミング、例えば所定時間が経過する毎に繰返し実行される。
【0072】
異常検出ルーチンでは、最終的には、判定結果が異常フラグFの状態によって示される。断線による異常が発生していないと判定された場合には異常フラグFがオフされ、異常が発生していると判定された場合には異常フラグFがオンされる。そして、この異常フラグFは、別の制御ルーチン、例えば、排気温が過剰に上昇した場合に警告灯を点灯させる等の報知を行うための制御ルーチンにおいて用いられる。
【0073】
ECU51はまずステップ110において、排気温センサ49に異常が発生している可能性があるかどうかを判定する処理を行う。具体的には、エンジン始動時における排気温センサ49の出力電圧と、現時点での排気温センサ49の出力電圧との偏差ΔVを、排気温センサ49によって検出された排気温の変化量として算出する。前者の出力電圧としては、エンジン始動時に記憶しておいたものを用いる。そして、偏差ΔVの絶対値(|ΔV|)が所定値V1(>0)以下であるか否かを判定する。別の表現をすると、偏差ΔVが−V1〜+V1の範囲(変動幅)に収まっているか否かを判定する。
【0074】
ここで、排気温センサ49に断線が生じていれば、実際に排気温が変動していたとしても、排気温センサ49の出力電圧は略一定の値(例えば4.9ボルト)を採り続けるはずである。これに対し、出力電圧が変化していれば、少なくとも排気温センサ49に断線が生じていないことは確かである。このことから、前記ステップ110の判定条件が満たされていない場合には、排気温センサ49は断線していないとして、ステップ180において、排気温センサ49が正常であると判定する。ステップ180での具体的な処理としては、異常フラグFをオフに設定する。そして、ステップ180の処理を経た後、この異常検出ルーチンを終了する。
【0075】
前記ステップ110の判定条件が満たされている場合には、排気温センサ49に断線異常が発生している可能性がある。また、このような状況は、例えば、暖機が終了して冷却水温が十分に高くなった状態のエンジン11が停止され、その直後に再始動された場合にも起り得る。エンジン11が再始動された時点で、既に排気温が高くなっていて、その排気温の変動の余地が少ない(変動可能幅が狭い)からである。従って、ステップ110で肯定判定された段階では、排気温の変動量が少ない原因が、断線によるものか、高温状態での再始動によるものかは不明である。
【0076】
そこで、続くステップ120〜140において、排気温に関連するパラメータに基づき、排気温が確実に高くなっているかどうかを推定する処理を行う。これは、排気温の低い状態で断線検出を行うと誤検出のおそれがあるため、このような誤検出のおそれのない状況(排気温の高い状態)を把握し、そのうえで断線検出を行うためである。
【0077】
この推定に際しては、以下に示すエンジン11の運転状態と排気温との関係が考慮されている。混合気の燃焼後に燃焼室18から排出される排気ガスの温度(排気温)は、燃焼室18で発生する熱の量、すなわち、1回の燃焼行程において燃焼される混合気の量、換言すれば、エンジン負荷に応じて変化する。従って、スロットル弁25の開度が相対的に大きくなり吸入空気量が増大したり、エンジン回転速度NEが上昇したりする高負荷運転時には、排気温が上昇するものと考えられる。
【0078】
ステップ120では、例えば、エンジン回転速度NEが所定値を越えた状態が所定時間t2にわたって続いているか否かを判定する。ここで、所定値は、エンジン11のアイドル運転時の回転速度よりも少し低い値に設定されている。エンジン回転速度NEが所定値を越える状態は、エンジンにアイドル運転時相当あるいはアイドル運転時よりも多くの量の燃料が供給された場合に見られる現象である。所定値としては単一の値が用いられてもよいが、本実施形態では、チャタリングを防止する観点からエンジン回転速度NEが上昇する際と下降する際とで異なる値が用いられる。具体的には、エンジン回転速度NEの上昇時に用いられる所定値をNE1とし、下降時に用いられる所定値をNE2とすると、NE1>NE2の関係を満たすように、所定値NE1,NE2がそれぞれ設定されている。従って、エンジン回転速度NEが所定値NE1を越えると、その後に所定時NE2を下回らない限り、エンジン回転速度NEが所定値を越えた状態として扱われることとなる。
【0079】
ステップ120の判定条件が満たされていないと、排気温が高くなっている可能性があまりないと考えられることから、そのまま異常検出ルーチンを終了する。すなわち、この場合には、異常発生の有無を判定しない。前回制御周期までに設定された判定結果が維持されることとなる。また、ステップ120の判定条件が満たされていると、排気温が高くなっている可能性があることから、次のステップ130へ移行する。
【0080】
ステップ130では、エンジン11が高負荷状態で一定時間以上運転されているかどうかを判定する。例えば、燃料噴射量Qが所定値を越えた状態が所定時間t3にわたって継続しているか否かを判定する。所定値としては単一の値が用いられてもよいが、本実施形態では、チャタリングを防止する観点から燃料噴射量Qが増加する際と減少する際とで異なる値が用いられる。すなわち、燃料噴射量Qの増加時に用いられる所定値をQ1とし、減少時に用いられる所定値をQ2とすると、Q1>Q2の関係を満たすように、所定値Q1,Q2がそれぞれ設定されている。従って、燃料噴射量Qが所定値Q1を越えると、その後に所定値Q2を下回らない限り、燃料噴射量Qが所定値を越えた状態として扱われることとなる。
【0081】
ステップ130の判定条件が満たされていないと、排気温が高くなっている可能性があまりないと考えられることから、そのまま異常検出ルーチンを終了する。すなわち、この場合には、異常発生の有無を判定しない。前回制御周期までに設定された判定結果が維持されることとなる。また、ステップ130の判定条件が満たされていると、エンジン11が高負荷状態にあることから、排気温が高くなっている可能性が、ステップ120の処理を経た段階よりも高まっているとして、次のステップ140へ移行する。
【0082】
このように、一般に燃料噴射量Qの少ないエンジン軽負荷時には排気温度が低いと考えられるが、ステップ130の処理を行うことで、このような場合に異常発生の有無が判定されるのを防止し、誤判定が行われる機会を少なくしている。
【0083】
ステップ140では、エンジン11が完全暖機状態にあるかどうかを判定する。完全暖機状態とは、暖機(エンジン11が本格的に作動する前に所定の温度まで暖められること)が完了した状態をいう。例えば、冷却水温が、車両の通常走行後のアイドル状態での温度(80℃)と同じ又は近づいた状態が、完全暖機状態とされる。従って、暖機途中、すなわち冷却水温が上昇している途中は完全暖機状態とはいえない。例えば、気温0℃のときにエンジンを始動すると、冷却水温が約80℃になるまでの期間は暖機途中となる。
【0084】
ここで、燃焼室18内で発生する熱が排気温に大きく影響を及ぼすことについては既に説明したが、この熱はシリンダブロック14、シリンダヘッド12内を流れる冷却水の温度(冷却水温)にも大きな影響を及ぼす。発生する熱量が多くなるに従い、冷却水温も高くなる傾向にある。従って、冷却水温が高い場合にも排気温も高くなっていると推定される。この点を考慮し、ステップ140では、水温センサ46によって検出された冷却水温THWが所定値THW1よりも大きいか否かを判定し、その判定結果に基づき、排気温が高くなっているか否かを推定する。
【0085】
なお、ステップ140では、前述したステップ120,130とは異なり、時間(所定時間t2,t3)の要素を判定に用いていない。これは以下の理由による。
【0086】
エンジン回転速度NEや燃料噴射量Qはアクセルペダル30の踏込み操作に応じて急激に変化する場合がある。このため、これらエンジン回転速度NE等が瞬間的に高くなったり多くなったりした場合に、ステップ120,130の判定条件が満たされているとすると、排気温が高くなっていないにもかかわらず高くなっているものと誤って推定してしまうおそれがある。
【0087】
これに対し、冷却水温THWは時間の経過にともない徐々に変化(上昇)するものであり、急激に変化することはない。冷却水温THWが上昇する現象自体、既に時間の要素(ある程度の時間が経過していること)が含まれている。そのため、ここでは、冷却水温THWが所定値THW1よりも高くなっていれば、その状態が継続しているかどうかを判定することなく、排気温が高くなっていると推定するようにしている。
【0088】
ステップ140の判定条件が満たされていると、エンジン11が完全暖機状態になっていることから、排気温が高くなっている可能性が、前記ステップ120,130の処理を経た段階よりもさらに高まっているとして、次のステップ150へ移行する。
【0089】
これに対し、ステップ140の判定条件が満たされていないと、そのまま異常検出ルーチンを終了する。すなわち、この場合には、異常発生の有無を判定しない。前回制御周期までに設定された判定結果が維持されることとなる。別の表現をすると、冷却水温が低くエンジン11が暖機の途中である場合(ステップ140の判定条件が満たされない場合)には、後述する異常判定が行われるのを禁止する。
【0090】
このような禁止処理を行うのは、1つには、排気温が確実に高くなっていないためであるが、そのほかにも、仮に異常判定を行うと、誤った判定結果を出すおそれがあるためでもある。詳しくは、冷却水温が低くエンジン11の暖機が行われている途中では、排気通路39内の排気ガスの温度分布が一様ではないと考えられる。すなわち、排気通路39において管壁に近い箇所を流れる排気ガスの方が、同排気通路39の中央部分を流れる排気ガスよりも温度が高いと考えられる。これは、暖機途中では、暖機後に比べ排気通路39の管壁の温度が低いためである。従って、このように温度分布の一様でないと考えられる状況下での排気温センサ49の検出値を、後述するステップ150での処理に用いると、誤った判定結果を出すおそれがある。そのため、この場合には、前述しように異常判定を禁止している。
【0091】
なお、暖機後には排気通路39の管壁が十分に高くなっていて、この管壁に奪われる排気ガスの熱量が少ない。このため、排気ガスの温度分布は略一様であり、前述したような問題は起りにくいと考えられる。
【0092】
前記ステップ140から移行したステップ150では、排気温センサ49の検出値(出力電圧)が所定値V2よりも大きいか否かを判定する。所定値V2は、排気温センサ49の断線時に出力される電圧と同じか、それに近い値に設定されている。この判定条件が満たされていると、実際には排気温が高くなっていて低い電圧を出力するはずであるにもかかわらず、排気温センサ49は、低温時にのみ見られる高い電圧を出力していることから、断線時が原因でこのような高い電圧が出力されているものと考えられる。このことから、ステップ150の判定条件が満たされていると、ステップ170において、排気温センサ49が断線による異常であると判定する。具体的な処理としては、異常フラグFをオンに切替える。そして、ステップ170の処理を経た後、異常検出ルーチンを終了する。
【0093】
これに対し、ステップ150の判定条件が満たされていないと、排気温が高くなっている状況下で、排気温センサ49が排気温の高い領域で示す小さな電圧を出力しているものと考えられる。すなわち、排気温センサ49に断線が生じておらず、正常に機能していると考えられる。このことから、ステップ160において、排気温センサ49が正常であると判定する。具体的な処理としては、異常フラグFを、正常時に対応する状態であるオフに設定する。そして、ステップ160の処理を経た後、異常検出ルーチンを終了する。
【0094】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)排気温が所定温度(排気温センサ49の出力電圧が断線時と同じ値となるときの排気温)よりも高くなっている状態を、排気温センサ49の検出値を用いることなく、排気温に関連するパラメータに基づき推定している(ステップ120〜140)。そして、排気温が高い状態であると推定した場合に限って、排気温センサ49の検出値を異常判定に用いるようにしている(ステップ150)。
【0095】
この状況下では、排気温センサ49が正常であれば、異常時と同じ検出値を出力することはない。従って、排気温センサ49の出力電圧が、異常時の出力電圧と同程度であれば、排気温センサ49が断線等の異常であると判定し(ステップ170)、同程度でなければ正常と判定する(ステップ160)ことができる。このようにして判定を行うことにより、排気ガスの温度が低い場合に、断線等による異常が誤検出されるのを未然に防止することができる。
【0096】
(2)エンジン11から排出される排気ガスを、エンジン11の運転状態に応じて温度が変化する要素としての被測定物とし、その排気ガスの温度である排気温を排気温センサ49によって検出するようにしている。
【0097】
ここで、排気温は、エンジン11の燃焼室18で発生する熱の量、すなわち、各燃焼行程において燃焼される混合気の量に応じて変化する。従って、この混合気の量は、エンジン回転速度NE、エンジン負荷(例えば燃料噴射量Q)等によって左右される。また、エンジン暖機状態の途中と完了後とでは、排気温が異なる。
【0098】
このため、これらのエンジン回転速度、エンジン負荷、暖機状態等を、排気ガスの温度に関連するパラメータとして用いることにより(ステップ120〜140)、排気温が所定温度よりも高い状態を精度よく推定することができる。
【0099】
(3)エンジン始動時における排気温センサ49の検出値と、エンジン始動後における排気温センサ49の検出値との偏差ΔVを求め、この偏差ΔVの絶対値が所定値V1以下である場合に断線の可能性があるものと予備的に判定している(ステップ110)。そして、断線の可能性があると判定した場合に限り、排気温センサ49の検出値に基づく異常判定(ステップ150)を行うようにしている。
【0100】
このため、排気温センサ49が正常であることが明らかである場合にまで異常判定が行われるのを防止し、不要な異常判定処理の回数を減らすことができる。また、排気温センサ49が正常であることが明らかな場合には、その旨を早期に判定することが可能となる。
【0101】
(4)排気温の高い状態が推定された場合に、排気温センサ49の検出値Vと、所定温度に対応する所定値V1とを比較している(ステップ150)。ここで、検出値が所定値よりも大きい場合、排気温センサ49が正常であれば出力することのない値を出力していることになる。そのため、この場合には、ステップ170の処理のように、検出値が所定値よりも大きくなっている原因が、断線異常によるものであると判定することができる。
【0102】
(5)排気温に影響を及ぼすと考えられる所定のエンジン運転状態が所定時間t2,t3にわたって継続しているか否かを判定している(ステップ120,130)。このため、排気温が高くなっている状態を確実に検出することができる。エンジン11が所定の運転状態になったものの、その状態が短時間で終わった場合には実際には排気温がさほど高くなっていない可能性があるが、このような場合にまで、排気温が高くなっているものと誤って推定されるのを防止することができる。
【0103】
(6)エンジンの温度として冷却水温THWを水温センサ46によって検出し、その冷却水温THWと所定値THW1との比較によって、エンジンが完全暖機状態であるかどうかを判定している(ステップ140)。そして、完全暖機状態となるまでは、排気温センサ49の検出値に基づく異常判定を禁止するようにしている(ステップ140→リターン)。このため、排気温の分布が一様でないと考えられる暖機途中での排気温センサ49の検出値が異常判定に用いられて、誤った判定結果が出されるのを防止することができる。
【0104】
(7)エンジン11の温度との間に相関関係の見られる冷却水温THWを、エンジン11の温度として検出するようにしている。このため、冷却水温THWによってエンジン11の温度を精度よく検出することができる。また、冷却水温THWを検出する水温センサ46は、もともと他の制御のために設けられたものであるため、エンジン11の温度を検出するために新たにセンサを設けなくてもすむ。
【0105】
(8)異常検出ルーチンにおいて、ステップ120,130,140の各判定条件の全てが満たされた場合に、排気温が確実に高くなっていることを推定するようにしている。このため、これらのステップ120〜130の判定条件の任意の1つ又は2つのみが満たされたときに、排気温が高くなっていると推定する場合に比べて、推定精度が高くなる。
【0106】
(9)従来技術の1つとして挙げた特開平10−159639号公報では、異常検出に先立ち、排気温センサを自己発熱させることから、異常検出を行う条件が整うまでの時間が長くなる不具合がある。これに対し、本実施形態では、このような自己発熱させることなく異常を検出している。このため、前述した異常検出を行う条件が整うまでの時間を短縮することができる。
【0107】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・前記実施形態では、断線時に出力電圧が高くなる仕様の排気温センサ49について説明したが、ショート時に出力電圧が高くなる仕様の排気温センサについても本発明を適用することができる。この場合、断線に代え、ショートによる異常の発生の有無を検出することになる。
【0108】
・前述したステップ120の処理は、エンジン回転速度NEが所定値NE1,NE2よりも高い状況が継続することにより、クランク軸17が所定回数以上回転したかどうかを判定しているともいえる。
【0109】
従って、ステップ120の判定に用いる所定時間t2を、前記実施形態のように一定の値としてもよいが、この所定時間t2をエンジン回転速度NEに応じて異ならせてもよい。具体的には、エンジン回転速度NEが高いほど所定時間t2を短くする。所定時間t2の算出に際しては、エンジン回転速度NEと所定時間t2との関係を予め定めた一次元マップを参照してもよい。また、エンジン回転速度NEと所定時間t2との関係を表した演算式に従って、そのときのエンジン回転速度NEに対応する所定時間t2を求めるようにしてもよい。
【0110】
ここで、ステップ120の判定に用いる所定時間t2を一定の値とした前記実施形態では、その所定時間t2内におけるクランク軸17の実際の総回転数は、エンジン回転速度NEが高くなるに従い多くなる。
【0111】
これに対し、上記のようにエンジン回転速度NEが高いほど所定時間t2を短くすると、その所定時間t2内におけるクランク軸17の総回転数は、エンジン回転速度NEにかかわらず一定となる。このため、推定精度は同じとなる。従って、エンジン回転速度NEが高い場合には、ステップ120の判定処理に要する時間を短くすることができる。その結果、推定の精度を維持しつつより短い時間で、排気温が高くなっていることを推定することが可能となる。
【0112】
また、所定時間t2を一定の値とした場合には、実際には、排気ガスの温度が高い状態になっているにもかかわらず、エンジン回転速度NEの高い状態が所定時間t2続かなかったために、温度の高い状態になっていることを推定できない場合があり得る。しかし、前述したように、エンジン回転速度NEが高いほど所定時間t2が短くされるため、上記の不具合を解消し、エンジン回転速度NEの高い状態が比較的短い時間で終わっても、排気温が高くなっていることを確実に推定することができる。
【0113】
・前述したステップ130の処理は、燃料噴射量Qが所定値Q1よりも多い状況が継続することにより、所定量以上の燃料が噴射されたかどうかを判定しているともいえる。
【0114】
従って、ステップ130の判定に用いる所定時間t3を、前記実施形態のように一定の値としてもよいが、この所定時間t3を燃料噴射量Qに応じて異ならせてもよい。具体的には、燃料噴射量Qが多いほど所定時間t3を短くする。所定時間t3の算出に際しては、燃料噴射量Qと所定時間t3との関係を予め定めた一次元マップを参照してもよい。また、燃料噴射量Qと所定時間t3との関係を表した演算式に従って、そのときの燃料噴射量に対応する所定時間t3を求めるようにしてもよい。
【0115】
ここで、ステップ130の判定に用いる所定時間t3を一定の値とした前記実施形態では、その所定時間t3の期間における総燃料噴射量は、1回の燃料噴射量が多くなるに従い多くなる。
【0116】
これに対し、上記のように燃料噴射量Qが多いほど所定時間t3を短くすると、その所定時間t3内における総燃料噴射量は、1回の燃料噴射量Qにかかわらず一定となる。このため、推定精度は同じとなる。従って、1回の燃料噴射量Qが多い場合には、ステップ130の判定処理に要する時間を短くすることができる。その結果、推定の精度を維持しつつより短い時間で、排気温が高くなっていることを推定可能となる。
【0117】
また、所定時間t3を一定の値とした場合には、実際には、排気ガスの温度が高い状態になっているにもかかわらず、燃料噴射量Qの多い状態が所定時間t3続かなかったために、温度の高い状態になっていることを推定できない場合があり得る。しかし、前述したように、燃料噴射量Qが多いほど所定時間t3が短くされるため、上記の不具合を解消し、燃料噴射量Qの多い状態が比較的短い時間で終わっても、排気温が高くなっていることを確実に推定することができる。
【0118】
・前記実施形態では、ステップ130の処理に際し、エンジン負荷として燃料噴射量Qを用いた。この燃料噴射量Qに代えて、アクセルセンサ45によって検出されるアクセル開度、スロットルセンサ43によって検出されるスロットル開度等をエンジン負荷として用いてもよい。
【0119】
例えば、アクセルペダル30の踏込み操作量に対応したアクセル開度と燃料噴射量Qとの間には、アクセル開度が大きくなるに従い燃料噴射量Qが増加するという関係が見られる。従って、燃料噴射量Qに代えて、アクセル開度が多くなるほど所定時間t3を短い値に変更することができる。スロットル開度についても、前記と同様に、スロットル開度が大きくなるほど所定時間t3を短い値に変更することができる。
【0120】
・前記実施形態では、エンジン11が暖機状態が完了しているか否かを判定するために、冷却水温THWをエンジン11の温度として用いたが、これに代えて、又は加えて油温THO、燃温THF等を、エンジン11の温度として用いてもよい。これらの油温THO、燃温THFもまた、冷却水温THWと同様に、エンジン11の温度との間に一定の相関関係が見られるからである。これらの油温THO、燃温THFは、エンジン11の温度が高くなるに従い上昇する。
【0121】
・前記実施形態では、ステップ120,130,140の3つの判定条件の全てが満たされた場合に、排気温が確実に高くなっていると推定したが、これらの3つに関し、少なくとも1つの判定条件が満たされた場合に、排気温が高くなっていると推定するようにしてもよい。
【0122】
・本発明は、前記実施形態とは異なるタイプのエンジン、例えばポート噴射式のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等、に取付けられた排気温センサにも適用可能である。
【0123】
・本発明は、被測定物が通常採り得る温度範囲を含む検出温度域で被測定物の温度を検出し、かつ被測定物の温度が前記温度範囲内の所定温度になったときに、異常発生時と同じ値を出力する温度センサであれば、排気温センサ以外の温度センサにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を、車載エンジンに設けられた排気温センサの異常検出装置に具体化した一実施形態について、その構成を示す略図。
【図2】温度センサ(排気温センサ)の出力特性を示すグラフ。
【図3】エンジンの制御系の電気的構成を示すブロック図。
【図4】排気温センサの断線異常を検出する手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…エンジン、30…アクセルペダル(アクセル操作部材)、39…排気通路、46…水温センサ、47…燃温センサ、48…油温センサ、49…排気温センサ、51…ECU(電子制御装置)、ΔV…偏差、NE…エンジン回転速度、Q…燃料噴射量。

Claims (9)

  1. 被測定物が通常採り得る温度範囲を含む検出温度域で前記被測定物の温度を検出し、前記被測定物の温度が前記温度範囲内の所定温度になったときに、異常発生時と同じ値を出力する温度センサに用いられる異常検出装置であって、
    前記温度センサは、エンジンから排出される排気ガスの排気通路に設けられ、かつ前記排気ガスを前記被測定物として、その排気ガスの温度を検出する排気温センサからなり、
    前記被測定物の温度が前記所定温度とは異なる温度状態を、前記被測定物の温度に関連するパラメータに基づき推定する推定手段と、
    前記推定手段により前記温度状態が推定されたとき、前記温度センサの検出値に基づき同温度センサの異常判定を行う異常判定手段と
    前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段と、
    前記エンジン温度検出手段による前記エンジンの温度に基づき、前記エンジンの暖機状態の終了を判定する暖機終了判定手段と、
    前記暖機終了判定手段により暖機状態の終了が判定されるまで前記異常判定手段による異常判定を禁止する判定禁止手段とを備えることを特徴とする温度センサの異常検出装置。
  2. 前記温度センサは、前記被測定物の温度が前記温度範囲の低温域における所定温度になったときに異常発生時と同じ値を出力し、前記推定手段は、前記被測定物の温度が前記所定温度よりも高い状態を前記温度状態として推定する請求項1に記載の温度センサの異常検出装置。
  3. 前記温度センサは、前記被測定物の温度が上昇するに従い検出値が小さくなる出力特性を有しており、
    前記異常判定手段は、前記温度センサの検出値が、前記所定温度に対応する所定値よりも大きいときに、同温度センサが異常であると判定する請求項2に記載の温度センサの異常検出装置。
  4. 前記異常判定手段による異常判定に先立ち、前記エンジン始動時における前記温度センサの検出値と、前記エンジン始動後における前記温度センサの検出値との偏差を求め、その偏差が所定値よりも小さいとき、異常発生の可能性があると判定する予備判定手段をさらに備え、
    前記異常判定手段は、前記予備判定手段により異常発生の可能性があると判定された場合に限り、前記温度センサの異常判定を行う請求項1〜3のいずれか1つに記載の温度センサの異常検出装置。
  5. 前記推定手段は、前記エンジンが所定の運転状態で所定時間以上運転されているときに、前記被測定物が温度の高い状態であると推定する請求項1〜4のいずれか1つに記載の温度センサの異常検出装置。
  6. 前記推定手段は、前記エンジンの出力軸の回転速度であるエンジン回転速度が所定値よりも高い状態を前記所定の運転状態とするとともに、前記所定時間として、前記エンジン回転速度が高いほど短い値を用いる請求項5に記載の温度センサの異常検出装置。
  7. 前記推定手段は、前記エンジンに供給される燃料の量が所定値よりも多い状態を前記所定の運転状態とするとともに、前記所定時間として、前記燃料供給量が多いほど短い値を用いる請求項5に記載の温度センサの異常検出装置。
  8. 前記エンジンに供給される燃料の量は、アクセル操作部材の操作量に応じて変化するものであり、前記推定手段は、前記所定時間として、前記燃料供給量に代えて、前記アクセル操作部材の操作量が多いほど短い値を用いる請求項7に記載の温度センサの異常検出装置。
  9. 前記エンジン温度検出手段は、前記エンジンの冷却水の温度、エンジンオイルの温度及び燃料の温度の少なくとも1つを前記エンジンの温度として検出する請求項1〜8のいずれか1つに記載の温度センサの異常検出装置。
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