JP3763458B2 - エンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置 - Google Patents

エンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの冷却水温を所定の境界温度と比較して冷却水循環通路を開閉するためのサーモスタットの作動異常を検出するエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置に関し、特に誤検出を防止して信頼性を向上させたエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンには、エンジン温度を適正に維持するために、冷却水が配設されるとともに、エンジン温度(冷却水温)に応じて冷却水をラジエータに循環させるためのサーモスタットが設けられている。
【0003】
すなわち、サーモスタットは、冷却水温が境界温度よりも低い場合には、冷却水循環通路を閉成してラジエータへの冷却水の循環を禁止し、冷却水温が境界温度以上に上昇した場合には、冷却水循環通路を開放して冷却水をラジエータに循環させるようになっている。
【0004】
従来、この種のエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置は、たとえば、特開平11−141337号公報などに参照することができる。
図12および図13は、上記公報記載の従来装置を示す基本的な構成図および要部のブロック図であり、サーモスタット異常検出装置を自動車のエンジン冷却システムに適用した場合を示している。
【0005】
図12において、4気筒のエンジン1は、各シリンダ3毎に設けられたピストン4およびクランクシャフト5と、ピストン4とクランクシャフト5とを連結するコンロッド6とにより構成されている。
【0006】
また、エンジン1には、シリンダ3を取り巻くウォータジャケット7と、ウォータジャケット7に内部空間が連絡しているラジエータ8と、冷却ファン9およびウォータポンプ10などが設けられている。
【0007】
図12のように構成されたエンジン1において、各シリンダ3の燃焼室11内の混合気が爆発燃焼することにより、ピストン4が上下運動し、この上下運動がコンロッド6を介してクランクシャフト5の回転駆動力に変換される。
【0008】
また、各シリンダ3に対する混合気の供給や燃焼ガスの排出は、吸排気ポート(図示せず)を介して行われる。
冷却水の循環空間となるウォータジャケット7は、混合気の爆発燃焼により熱せられたシリンダヘッド12やシリンダブロック13を冷却(また、定温維持)するために、シリンダ3の外周を取り巻くように構成されている。
【0009】
ラジエータ8は、ウォータジャケット7の冷却水循環路に対して、上下の連絡通路14、15により連通している。また、上部の連絡通路14の途中には、サーモスタット16が設けられている。
【0010】
サーモスタット16は、エンジン1の冷却水温TWに応じて機械的に開閉するバルブを構成しており、たとえば、冷却水温TWが82℃以下の場合には閉弁状態となって連絡通路14を閉成し、冷却水温TWが82℃を上回る場合には開弁状態となって連絡通路14を開放する。
【0011】
ウォータジャケット7の内壁に設けられた水温センサ41は、冷却水温TWを検出し、その検出信号を電子制御装置(ECU)51に入力する。
次に、図13を参照しながら、エンジン1の運転状態に基づいて、サーモスタット16の制御および異常診断を行う電子制御装置(ECU)51について説明する。
【0012】
図13において、ECU51は、CPU52、ROM53、RAM54、バックアップRAM55およびタイマカウンタ56などを備えている。
ECU51は、上記各要素52〜56と、外部入力回路57および外部出力回路58と、これらを接続するバス59とにより論理演算回路を構成している。
【0013】
ROM53は、各種の運転制御や故障診断などに係るプログラムをあらかじめ記憶しており、RAM54は、CPU52の演算結果などを一時記憶する。
バックアップRAM55は、バッテリバックアップされた不揮発性のRAMであり、書き込まれたデータをECU51の非能動時(電源オフ時)においても保存する。
【0014】
タイマカウンタ56は、同時に複数の計数動作を行う。
外部入力回路57は、バッファ、フィルタ、A/D変換器および駆動回路などを含む。
【0015】
スロットルセンサ42は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じたスロットル弁開度を検出する。回転数センサ43は、クランクシャフト5の回転速度すなわちエンジン回転数を検出する。
【0016】
酸素センサ44は排気中の酸素濃度を検出し、吸気圧センサ45は吸気圧を検出し、車速センサ46は車速を検出する。吸気温センサ47は、エアクリーナ内に導入される吸気の温度(吸気温)を検出する。
【0017】
これら各種センサ41〜47は、ECU51内の外部入力回路57に接続されており、CPU52は、外部入力回路57を介して入力される各種センサ41〜47の検出信号を入力値として読み込む。
【0018】
CPU52は、入力値に基づいて、たとえばインジェクタ48による燃料噴射量や燃料噴射タイミングの制御などの各種運転制御や、サーモスタット16の故障診断などを実行する。
【0019】
ECU51は、エンジン1の発熱量に関連する所定の運転状態を発熱量パラメータとして検出する発熱量パラメータ検出手段と、発熱量パラメータに基づいてサーモスタット16の異常の有無を判定する異常判定手段とを備えている。
【0020】
ECU51内の異常判定手段は、エンジン1の始動後、発熱量パラメータが基準発熱量に到達したときに、冷却水温TWが所定の許容下限値に達していなければ、サーモスタット16に異常(ラジエータへの冷却水の開放し過ぎ)があると判定する。
【0021】
このように、冷却水温TWの上昇要因であるエンジン1の発熱量(すなわち、冷却水に対する加熱量)に基づき、所定時期における冷却作用(冷却水の循環)の有無を判定してサーモスタット16の異常を判定することができる。
【0022】
特に、エンジン1の冷間始動時においては、サーモスタット16の異常(ラジエータへの冷却水の開放)によってエンジン1の暖機が遅れると、燃焼状態が悪化して排気ガスの成分悪化を招くことになるので、サーモスタット16の異常を速やかに検出して故障改修に対処する必要がある。
【0023】
次に、ECU51によるサーモスタット16の異常検出動作について、さらに具体的に説明する。
まず、ECU51は、エンジン1の始動時での冷却水温TWsや許容下限値(異常判定値)T1などを初期設定するために、スタータスイッチ(図示せず)からの電気信号に基づいて、エンジン1が始動時(初期状態)であるか否かを判定する。
【0024】
もしエンジン1が始動時であれば、水温センサ41からの検出値に基づいて現在の冷却水温TWを読み込み、冷却水温TWを冷却水温の初期値(エンジン始動時の冷却水温)TWsとして設定する。
【0025】
その後、サーモスタット16の異常検出を実行するか否かの判定用基準値(基準発熱量)EQoを、エンジン1の始動時での冷却水温TWsからマップ(図示せず)に基づいて算出する。
【0026】
このとき、基準発熱量EQoは、エンジン1の始動時冷却水温TWsが高いほど低い値となるようにマップ化される。なぜなら、始動時冷却水温TWsが高ければ、冷却水温TWは、少ない熱量供給で容易に所定温度まで上昇するからである。
【0027】
続いて、始動時(初期)冷却水温TWsに基づくマップを参照して、推定温度上昇量ΔTを算出する。
【0028】
なお、推定温度上昇量ΔTとは、エンジン1から所定量の発熱があった場合に生じる冷却水温TWの温度上昇の推定量を意味している。
また、始動時冷却水温TWsに対する推定温度上昇量ΔTの関係は、始動時冷却水温TWsに対する基準発熱量EQoの関係と同様である。
【0029】
ECU51は、推定温度上昇量ΔTを始動時冷却水温TWsに加算して許容下限値T1として一時記憶した後、始動時冷却水温TWsから、サーモスタット16の異常検出に適した許容下限値T1を決定する。
【0030】
一方、エンジン1が始動時でなければ、燃料噴射毎に更新される推定発熱量(推定温度上昇量ΔTに対応する)の最新値を読み込み、この最新値が基準発熱量EQo以上の条件を満たせば、現在の冷却水温TWが許容下限値T1以上であるか否かを判定する。
【0031】
そして、TW≧T1であれば、サーモスタット16が正常状態であると判定し、TW<T1であれば、サーモスタット16が異常状態であると判定する。
【0032】
このように、図12および図13に示した従来装置においては、エンジン1の発熱量に関係するパラメータ(推定温度上昇量ΔTに相当する推定発熱量)が基準発熱量EQoに到達したときに、冷却水温TWをあらかじめ設定された許容下限値T1と比較し、冷却水温TWが許容下限値T1に達していない場合に、サーモスタット16に異常があるものと判定している。
【0033】
ここで、発熱量パラメータは、エンジン1の燃焼に関連する吸気量などから推定されたエンジン発熱量(すなわち、冷却水に対する加熱量)の積算値である。
【0034】
したがって、単位時間当たりのエンジン発熱量が少ない状態(たとえば、アイドル運転中)においては、発熱量パラメータが基準発熱量に到達するまでの時間が極端に長くなる。
【0035】
すなわち、アイドル運転中などの少発熱量状態では、発熱量パラメータが基準発熱量に到達するまでの時間が長くなるので、サーモスタット16の異常判定にも長い時間を要し、異常判定頻度が低下することになる。
【0036】
また、エンジン発熱量を高精度に求めるために、空燃比A/F、車速、吸気温などで補正した値の積算値を発熱量パラメータとしても、異常判定時間が長くなるアイドル運転時には、車両周辺の路面状況(凍結路など)による放射冷却や、雨天時走行時のエンジン1への被水による冷却の影響を顕著に受けてしまう。
【0037】
したがって、冷却水に対する加熱量(エンジン発熱量)を正確に推定することが困難となり、実際にはサーモスタット16が正常であるにもかかわらず、サーモスタット16の異常状態を誤判定してしまうおそれがある。
【0038】
一方、発熱量パラメータが吸気量などから推定演算されたエンジン発熱量の積算値であることから、単位時間当たりのエンジン発熱量が多い場合(たとえば、登坂や雪道走行など)には、発熱量パラメータが基準発熱量に到達するまでの時間が極端に短くなる。
【0039】
また、このような多発熱量状態での走行時においては、エンジン発熱量の大部分が冷却水温TWの上昇に寄与するので、サーモスタット16の異常の有無にかかわらず冷却水温TWが同等に上昇し、実際にはサーモスタット16が異常であるにもかかわらず、サーモスタット16の正常状態を誤判定してしまうおそれがある。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置は以上のように、エンジン発熱量の積算値を発熱量パラメータとして求めているので、アイドル運転時などの単位時間当たりの発熱量が少ない場合には、発熱量パラメータが基準発熱量に到達するまでの時間が長くかかり、冷却状況の影響を受け易くなることから、エンジン発熱量を正確に推定することが困難となり、実際にはサーモスタット16が異常であるにもかかわらず、サーモスタット16が異常であると誤判定してしまうという問題点があった。
【0041】
また、逆に、単位時間当たりのエンジン発熱量が多い場合には、発熱量パラメータが基準発熱量に到達するまでの時間が極端に短くなり、エンジン発熱量の大部分が冷却水温の上昇に寄与することから、サーモスタット16の異常または正常にかかわらず冷却水温が同等に上昇してしまい、実際にはサーモスタット16が異常であるにもかかわらず、サーモスタット16が正常であると誤判定してしまうという問題点があった。
【0042】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、発熱量パラメータに関する判定を統計処理に基づいて行うことにより、エンジン発熱量の状態を正確に把握して誤検出を防止し、信頼性を向上させたエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置を得ることを目的とする。
【0043】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置は、エンジンの冷却水温を所定の境界温度と比較してエンジンの冷却水循環通路を開閉するためのサーモスタットの作動異常を検出する装置であって、少なくともエンジンの吸気量、冷却水温および吸気温度を検出するセンサ手段と、エンジンの吸気量に関する情報をエンジンの発熱量に対応した運転状態として検出するとともに、エンジンの始動後からの運転状態の積算値を発熱量パラメータとして検出する発熱量パラメータ検出手段と、発熱量パラメータが基準発熱量に到達したときに冷却水温を所定の許容下限値と比較してサーモスタットの異常を判定する異常判定手段と、エンジンの発熱量が少量状態であることを判定する少発熱量判定手段と、エンジンの発熱量が多量状態であることを判定する多発熱量判定手段と、発熱量の少量状態および多量状態の少なくとも一方が判定されたときに、異常判定手段を無効化するための異常判定禁止手段とを備え、少発熱量判定手段は、エンジンの始動時冷却水温および吸気温度の少なくとも一方に関連した第1の基準吸気量と、エンジンの吸気量とを比較し、第1の基準吸気量以下の吸気量が第1の所定時間内に第1の所定回数以上検出された場合に、発熱量の少量状態を判定し、多発熱量判定手段は、エンジンの始動時冷却水温および吸気温度の少なくとも一方に関連した第2の基準吸気量と、エンジンの吸気量とを比較し、第2の基準吸気量以上の吸気量が第2の所定時間内に第2の所定回数以上検出された場合に、発熱量の多量状態を判定するものである。
【0047】
また、この発明に係るエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置による異常判定禁止手段は、発熱量の少量状態が判定された場合には、異常判定手段による異常判定のみを禁止し、異常判定手段による正常判定を継続させるものである。
【0048】
また、この発明に係るエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置による異常判定禁止手段は、発熱量の多量状態が判定された場合には、異常判定手段による正常判定のみを禁止し、異常判定手段による異常判定を継続させるものである。
【0049】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1によるエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出動作を示すフローチャートである。
【0050】
なお、この発明の実施の形態1によるエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置の基本的な構成については、前述(図12および図13参照)と同様であり、ECU51(図13参照)内の処理プログラムの一部が前述と異なるのみである。
【0051】
この場合、ECU51は、前述と同様の機能構成として、エンジン1(図12参照)の発熱量に関連する運転状態を発熱量パラメータEQとして検出する発熱量パラメータ検出手段と、発熱量パラメータEQが基準発熱量EQoに到達したときに冷却水温TWを所定の許容下限値T1と比較してサーモスタット16の異常を判定する異常判定手段とを備えている。
【0052】
また、ECU51は、エンジン発熱量が少量状態であることを判定する少発熱量判定手段と、エンジン発熱量が多量状態であることを判定する多発熱量判定手段と、発熱量の少量状態および多量状態の少なくとも一方が判定されたときに、異常判定手段を無効化するための異常判定禁止手段とを備えている。
【0053】
また、ECU51内の少発熱量判定手段および多発熱量判定手段は、後述するように、統計的処理に基づいてエンジン発熱量の少量状態または多量状態を判定するようになっている。
【0054】
さらに、ECU51内の発熱量パラメータ検出手段は、エンジン1の吸気量Qa、吸気温度TA、始動時冷却水温TWsおよび車速SPDの少なくとも1つの情報を運転状態として検出し、エンジン1の始動後からの運転状態の積算値を発熱量パラメータEQに関連させるようになっている。
【0055】
図1において、まず、車両の電源オン(イグニッションキーがオン)の状態で、エンジン1が始動前(スタータオフ)か否かを判定し(ステップS1)、エンジン1が始動前(すなわち、NO)と判定されれば、直ちにステップS4(後述する)に進む。
【0056】
また、ステップS1において、電源オンでエンジン1が始動前(すなわち、YES)と判定されれば、始動時冷却水温TWsを読み込む(ステップS1)。
次に、スタータオンによりエンジン1が始動されると(ステップS3)、エンジン1の運転状態を示す各種情報の検出が完了したか否かを判定する(ステップS4)。
【0057】
ステップS4において、エンジン状態の検出が完了していない(すなわち、NO)と判定されれば、そのまま図1の処理ルーチンを終了する。
また、検出完了(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、始動時冷却水温TWsが所定の暖機温度TWoよりも低いか否かにより、エンジン1が冷間始動状態か否かを判定する(ステップS5)。
【0058】
ステップS5において、TWs≧TWo(すなわち、NO)と判定されれば、直ちにステップS13(後述する)に進み、TWs<TWo(すなわち、YES)と判定されれば、エンジン1の発熱量パラメータを検出または算出して、エンジン発熱量の状態を判定する(ステップS6、S7)。
【0059】
まず、発熱量が少量状態か否かを判定し(ステップS6)、少量状態(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS13に進み、少量状態でない(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、発熱量が多量状態か否かを判定する(ステップS7)。
【0060】
ステップS7において、多量状態(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS13に進み、多量状態でない(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、エンジン1の発熱量パラメータEQが所定の基準発熱量EQo以上か否かを判定する(ステップS8)。
【0061】
ステップS8において、EQ≧EQo(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、その時点での冷却水温TWが許容下限値T1以上か否かを判定する(ステップS9)。
【0062】
ステップS9において、TW<T1(すなわち、NO)と判定されれば、冷間始動時に所定のエンジン発熱量があるにもかかわらず、エンジン温度(冷却水温TW)が低い異常状態なので、サーモスタット16が異常であると判定し(ステップS10)、異常状態の検出を終了する(ステップS13)。
【0063】
一方、ステップS8において、EQ<EQo(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、その時点での冷却水温TWが所定温度T2(<T1)以上か否かを判定する(ステップS11)。
【0064】
ステップS11において、TW<T2(すなわち、NO)と判定されれば、直ちに図1の処理ルーチンを終了し、TW≧T2(すなわち、YES)と判定されれば、サーモスタット16が正常であると判定して(ステップS12)、正常状態の検出を終了し(ステップS13)、図1の処理ルーチンを終了する。
【0065】
また、ステップS9において、TW≧T1(すなわち、YES)と判定された場合も、ステップS12に進み、サーモスタット16が正常であると判定する。
【0066】
図2は図1内のステップS8に関連した発熱量パラメータEQの時間変化を示す説明図であり、エンジン1の吸気量Qaに対する発熱量パラメータEQの関係を示している。
【0067】
図2において、実線は吸気量Qaの時間変化、二点鎖線は発熱量パラメータEQの時間変化、一点鎖線は基準発熱量EQoをそれぞれ示している。
ここでは、時刻t1において発熱量パラメータEQが基準発熱量EQoに達した場合を示している。
【0068】
また、図3はこの発明の実施の形態1による正常時および異常時での冷却水温TWの時間変化を示す説明図であり、図1内のステップS9に関連している。
図3において、実線はサーモスタット16が正常時での冷却水温TWの時間変化、点線はサーモスタット16が異常時での冷却水温TWの時間変化、破線は許容下限値T1をそれぞれ示している。
【0069】
この場合、発熱量パラメータEQが基準発熱量EQoに達した時刻t1において、冷却水温TWが正常値A(≧T1)であれば正常と判定され、冷却水温TWが異常値B(<T1)であれば異常と判定される。
【0070】
次に、図4のフローチャートとともに、図5および図6の説明図を参照しながら、この発明の実施の形態1による発熱量パラメータEQの算出処理について説明する。
【0071】
図5は吸気量Qaに対する発熱量基準値EQbの特性を示す説明図であり、マップデータとしてECU51内にあらかじめ格納されている。
図5において、各特性曲線は、吸気温度TA(0℃、20℃、30℃)の違いに応じてそれぞれ与えられている。
【0072】
図6は発熱量パラメータEQに対する補正係数KQSPDの特性を示す説明図であり、マップデータとしてECU51内にあらかじめ格納されている。
図6において、補正係数KQSPDは、車速SPDに応じて、0〜1の範囲内に設定される。
【0073】
図4において、まず、ECU51(図13参照)は、各種センサからの運転状態情報として、吸気量Qa、吸気温度TA、車速SPDなどを読み込む(ステップS21)。
【0074】
続いて、エンジン1の制御状態が燃料カット中か否かを判定し(ステップS22)、燃料噴射中(すなわち、NO)と判定されれば、図5および図6のように、燃焼による発熱量基準値EQbおよび車速SPDに応じた補正係数KQSPDをマップデータから算出する(ステップS23)。
【0075】
次に、発熱量基準値EQbおよび補正係数KQSPD(マップデータ値)を用いて、今回の発熱量パラメータEQ(i)を以下の(1)式により算出し(ステップS24)、図4の処理ルーチンを抜け出る。
【0076】
EQ(i)=EQ(i−1)+(EQb×KQSPD) ・・・(1)
【0077】
ただし、(1)式において、EQ(i−1)は前回算出された発熱量パラメータである。また、ここでは説明を省略するが、他の運転状態に応じたマップデータ値があれば、必要に応じて(1)式に加算補正されることは言うまでもない。
【0078】
一方、ステップS22において、燃料カット中(すなわち、YES)と判定されれば、燃焼が行われないので、時間経過による熱量低下を考慮して、今回の発熱量パラメータEQ(i)を以下の(2)式により算出し(ステップS25)、図4の処理ルーチンを抜け出る。
【0079】
EQ(i)=EQ(i−1)−10 ・・・(2)
【0080】
(2)式においては、時間経過(演算周期)による発熱量パラメータEQに対する低下量を、代表的に「10」に設定している。
【0081】
次に、図7のフローチャートを参照しながら、図1内のステップS6およびS7に関連したエンジン発熱量の状態判定処理について具体的に説明する。
図7の処理は、ステップS5(図1参照)の判定「YES」から分岐して開始され、ステップS8またはステップS13に進むものとする。
【0082】
また、ここでは図示を省略するが、図7の実行(演算)周期毎にインクリメントされ、所定時間(所定演算回数)が経過する毎にクリアされるタイマカウンタが設けられており、図7内の各カウンタは所定時間内の動作で有効化されるものとする。
【0083】
図7において、まず、現在の発熱量パラメータEQ(i)を読み込み(ステップS31)、前回の発熱量パラメータEQ(i−1)との発熱量偏差ΔEQ(i)(=EQ(i)−EQ(i−1))を求め(ステップS31A)、発熱量偏差ΔEQ(i)が第1の所定値EQo1以下か否かを判定する(ステップS32)。
【0084】
ステップS32において、ΔEQ(i)≦EQo1(すなわち、YES)と判定されれば、少量カウンタCN1をインクリメントして(ステップS33)、少量カウンタCN1の値が第1の所定カウンタ値N1以上か否かを判定する(ステップS34)。
【0085】
ステップS34において、CN1≧N1(すなわち、YES)と判定されれば、第1の所定値EQo1以下の発熱量偏差ΔEQ(i)が所定時間内にN1回以上検出されたことになるので、エンジン発熱量が少量状態であると判定し(ステップS35)、図1内のステップS13に進む。
【0086】
また、ステップS34において、CN1<N1(すなわち、NO)と判定されれば、所定値EQo1以下の発熱量偏差ΔEQ(i)の検出回数がN1未満なので、異常判定条件が成立しているものと見なし(ステップS40)、図1内のステップS8に進む。
【0087】
一方、ステップS32において、ΔEQ(i)>EQo1(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、現在の発熱量偏差ΔEQ(i)が第2の所定値EQo2(>EQo1)以上か否かを判定する(ステップS36)。
【0088】
ステップS36において、ΔEQ(i)≧EQo2(すなわち、YES)と判定されれば、多量カウンタCN2をインクリメントして(ステップS37)、多量カウンタCN2の値が第2の所定カウンタ値N2以上か否かを判定する(ステップS38)。
【0089】
ここで、第1および第2の所定カウンタ値N1、N2は、実際の車両で測定されるサーモスタットの異常判定結果が誤判定とならない範囲内の最小値に設定されている。すなわち、第1の所定カウンタ値N1は、サーモスタット正常時に発熱量偏差ΔEQ(i)が第1の所定値EQo1以下の状態を示すことによって異常と誤判定され得る最小値に設定されている。また、第2の所定カウンタ値N2は、サーモスタット異常時(開固着時)に発熱量偏差ΔEQ(i)が第2の所定値EQo2以下の状態を示すことによって正常と誤判定され得る最小値に設定されている。
たとえば、第2の所定カウンタ値N2は、第1の所定カウンタ値N1よりも大きい値に設定され得る。
【0090】
ステップS38において、CN2≧N2(すなわち、YES)と判定されれば、第2の所定値EQo2以上の発熱量偏差ΔEQ(i)が所定時間内にN2回以上検出されたことになるので、エンジン発熱量が多量状態であると判定し(ステップS39)、図1内のステップS13に進む。
【0091】
また、ステップS38において、CN2<N2(すなわち、NO)と判定されれば、所定値EQo2以上の発熱量偏差ΔEQ(i)の検出回数がN2未満なので、異常判定条件成立と見なし(ステップS40)、図1内のステップS8に進む。
【0092】
このように、発熱量偏差ΔEQ(i)の検出回数を統計的に積算してエンジン発熱量の状態を最終判断することにより、少量状態または多量状態の判定結果の信頼性を向上させることができる。
【0093】
また、エンジン1の冷間始動時において、発熱量偏差ΔEQが少量状態または多量状態のいずれでもない中間状態のみを条件として、サーモスタット16の異常を判定することにより、異常判定の信頼性を向上させることができる。
【0094】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、発熱量パラメータEQの判定ステップS8の前に異常判定禁止(判定条件の成立)ステップS6およびS7を実行したが、最終的な異常判定ステップS10および正常判定ステップS12において誤検出防止(異常判定禁止)処理を実行してもよい。
【0095】
また、この場合、各ステップS10またはS12において、異常判定または正常判定のいずれか一方の処理のみを禁止することができる。
以下、図8〜図11を参照しながら、最終ステップS10およびS12において異常判定禁止処理を実行したこの発明の実施の形態2について説明する。
【0096】
ここでは、吸気量Qaを発熱量パラメータEQに関連させており、吸気量Qaに応じて異常判定処理または正常判定処理のいずれか一方のみを禁止する場合を示している。
【0097】
この場合、ECU51内の発熱量パラメータ検出手段は、エンジン1の吸気量Qaを発熱量パラメータEQに関連する運転状態として検出する。
また、少発熱量判定手段は、エンジン1の始動時冷却水温TWsおよび吸気温度TAの少なくとも一方に関連した低吸気量判定値Qo1とエンジン1の吸気量Qaとを比較し、低吸気量判定値Qo1以下の吸気量Qaが第1の所定時間内に第1の所定回数QN1以上検出された場合に、発熱量の少量状態を判定する。
【0098】
また、多発熱量判定手段は、エンジン1の始動時冷却水温TWsおよび吸気温度TAの少なくとも一方に関連した高吸気量判定値Qo2と、エンジン1の吸気量Qaとを比較し、高吸気量判定値Qo2以上の吸気量Qaが第2の所定時間内に第2の所定回数QN2以上検出された場合に、発熱量の多量状態を判定する。
【0099】
さらに、異常判定禁止手段は、発熱量の少量状態が判定された場合には、異常判定手段による異常判定のみを禁止し、異常判定手段による正常判定を継続させ、多量状態が判定された場合には、異常判定手段による正常判定のみを禁止し、異常判定手段による異常判定を継続させるようになっている。
【0100】
図8はこの発明の実施の形態2による吸気量判定用のカウンタ処理を示すフローチャートであり、吸気量Qaに応じて低吸気量カウンタQN1または高吸気量カウンタQN2がインクリメントされる場合を示している。
【0101】
図9はこの発明の実施の形態2による異常判定処理を示すフローチャートであり、図1内のステップS10に対応している。
図10はこの発明の実施の形態2による正常判定処理を示すフローチャートであり、図1内のステップS12に対応している。
【0102】
図11は図8内の処理で用いられる低吸気量判定値Qo1および高吸気量判定値Qo2を示す説明図である。
図11において、各吸気量判定値Qo1およびQo2は、始動時冷却水温TWsに応じたマップデータ値として設定される。
【0103】
すなわち、低吸気量判定値Qo1および高吸気量判定値Qo2は、始動時冷却水温TWsの上昇にともなって増大設定される。
また、低吸気量判定値Qo1は、高吸気量判定値Qo2よりも、全体的に低い値に設定される。
【0104】
図8において、まず、吸気量Qaを読み込み(ステップS41)、吸気量Qaが低吸気量判定値Qo1以下か否かを判定し(ステップS42)、Qa≦Qo1(すなわち、YES)と判定されれば、低吸気量カウンタQN1をインクリメントし(ステップS43)、図8の処理ルーチンを終了する。
【0105】
一方、ステップS42において、Qa>Qo1(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、吸気量Qaが高吸気量判定値Qo2(>Qo1)以上か否かを判定する(ステップS44)。
【0106】
ステップS44において、Qa≧Qo2(すなわち、YES)と判定されれば、高吸気量カウンタQN2をインクリメントして(ステップS45)、図8の処理ルーチンを終了する。また、Qa<Qo2(すなわち、NO)と判定されれば、直ちに図8の処理ルーチンを終了する。
【0107】
こうして、吸気量Qaの統計的状態(低吸気量)を示す各カウンタQN1およびQN2の値がリアルタイムに設定され、各カウンタ値は、図9および図10の処理で用いられる。
【0108】
図9の異常判定処理において、まず、低吸気量カウンタQN1の値を読み込み(ステップS51)、低吸気量カウンタQN1の値が第1の所定カウンタ値QNo1以上か否かを判定する(ステップS52)。
【0109】
ステップS52において、QN1<QNo1(すなわち、NO)と判定されれば、低吸気量判定値Qo1以下の吸気量Qaの検出回数がQNo1未満であって、エンジン発熱量が少量状態ではないので、サーモスタット16の異常判定処理を実行して(ステップS53)、図9の処理ルーチンを終了する。
【0110】
一方、ステップS52において、QN1≧QNo1(すなわち、YES)と判定されれば、低吸気量判定値Qo1以下の吸気量QaがQNo1回以上検出されており、エンジン発熱量が少量状態なので、異常判定処理を禁止して、直ちに図9の処理ルーチンを終了する。
【0111】
また、図10の正常判定処理において、まず、高吸気量カウンタQN2の値を読み込み(ステップS61)、高吸気量カウンタQN2の値が、第2の所定カウンタ値QNo2以上か否かを判定する(ステップS62)。
【0112】
ステップS62において、QN2<QNo2(すなわち、NO)と判定されれば、高吸気量判定値Qo2以上の吸気量Qaの検出回数がQNo2未満であって、エンジン発熱量が多量状態ではないので、サーモスタット16の正常判定処理を実行して(ステップS63)、図10の処理ルーチンを終了する。
【0113】
一方、ステップS62において、QN2≧QNo2(すなわち、YES)と判定されれば、高吸気量判定値Qo2以上の吸気量QaがQNo2回以上検出されており、エンジン発熱量が多量状態なので、正常判定処理を禁止して、直ちに図10の処理ルーチンを終了する。
【0114】
このように、吸気量Qaに基づいて異常判定または正常判定のいずれかを禁止することができる。
【0115】
すなわち、エンジン1の発生する熱量に対して冷却水温TWが明確に上昇する状況下(エンジン発熱量が少量状態でないとき)のみを異常判定条件として、サーモスタット16の異常検出処理を実行するので、異常の誤検出を確実に防止することができる。
【0116】
また、サーモスタット16の異常または正常にかかわらず、冷却水温TWが上昇する状況下(エンジン発熱量が多量状態のとき)では、サーモスタット16の正常検出の実行を禁止するので、正常の誤検出を確実に防止することができる。
【0117】
また、図8のように、吸気量判定用のカウンタ値QN1、QN2に対して、統計的なタイマ処理を行うことにより、正常または異常の誤判定を確実に防止することができる。
【0118】
また、図11のように、吸気量Qaの高低判定値Qo1、Qo2を始動時冷却水温TWsに応じて設定することにより、吸気量状態(発熱量状態)を正確に判定することができる。
【0119】
また、低吸気量判定値Qo1が高吸気量判定値Qo2よりも低い値に設定されているので、低吸気量状態および高吸気量状態をさらに正確に判定することができる。
【0120】
なお、図9および図10内の処理で用いられる各所定カウンタ値QNo1、QNo2は、図8内の処理で用いられる高低吸気量判定値Qo1、Qo2と同様に、始動時冷却水温TWsに応じて可変設定してもよい。
【0121】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、エンジンの冷却水温を所定の境界温度と比較してエンジンの冷却水循環通路を開閉するためのサーモスタットの作動異常を検出する装置であって、少なくともエンジンの吸気量、冷却水温および吸気温度を検出するセンサ手段と、エンジンの吸気量に関する情報をエンジンの発熱量に対応した運転状態として検出するとともに、エンジンの始動後からの運転状態の積算値を発熱量パラメータとして検出する発熱量パラメータ検出手段と、発熱量パラメータが基準発熱量に到達したときに冷却水温を所定の許容下限値と比較してサーモスタットの異常を判定する異常判定手段と、エンジンの発熱量が少量状態であることを判定する少発熱量判定手段と、エンジンの発熱量が多量状態であることを判定する多発熱量判定手段と、発熱量の少量状態および多量状態の少なくとも一方が判定されたときに、異常判定手段を無効化するための異常判定禁止手段とを備え、少発熱量判定手段は、エンジンの始動時冷却水温および吸気温度の少なくとも一方に関連した第1の基準吸気量と、エンジンの吸気量とを比較し、第1の基準吸気量以下の吸気量が第1の所定時間内に第1の所定回数以上検出された場合に、発熱量の少量状態を判定し、多発熱量判定手段は、エンジンの始動時冷却水温および吸気温度の少なくとも一方に関連した第2の基準吸気量と、エンジンの吸気量とを比較し、第2の基準吸気量以上の吸気量が第2の所定時間内に第2の所定回数以上検出された場合に、発熱量の多量状態を判定するようにしたので、エンジン発熱量の状態を正確に把握して誤検出を防止し、信頼性を向上させたエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置が得られる効果がある。
【0125】
また、この発明によれば、異常判定禁止手段は、発熱量の少量状態が判定された場合には、異常判定手段による異常判定のみを禁止し、異常判定手段による正常判定を継続させるようにしたので、エンジン発熱量に対して冷却水温が明確に上昇する場合のみに異常判定し、異常の誤検出を確実に防止したエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置が得られる効果がある。
【0126】
また、この発明によれば、異常判定禁止手段は、発熱量の多量状態が判定された場合には、異常判定手段による正常判定のみを禁止し、異常判定手段による異常判定を継続させるようにしたので、異常または正常状態にかかわらず冷却水温が上昇する場合に正常判定を禁止することができ、正常の誤検出を確実に防止したエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による異常判定処理を示すフローチャートである。
【図2】 この発明の実施の形態1に適用される発熱量パラメータの吸気量に対する特性を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による異常判定に用いられる冷却水温の時間変化を示す説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に適用される発熱量パラメータの演算処理を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1に適用される発熱量基準値の吸気量に対する特性を示す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に適用される補正係数の車速に対する特性を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による発熱量状態判定処理を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態2による吸気量状態判定用のカウンタ処理を示すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態2による異常判定処理を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態2による正常判定処理を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態2に適用される吸気量判定値の始動時冷却水温に対する特性を示す説明図である。
【図12】 従来およびこの発明のエンジン温度調整用サーモスタットを示す構成図である。
【図13】 図12内のECUの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 エンジン、7 ウォータジャケット、8 ラジエータ、16 サーモスタット、41 水温センサ、46 車速センサ、47 吸気温センサ、48 インジェクタ、51 ECU、EQ 発熱量パラメータ、EQo 基準発熱量、EQo1 第1の所定値、EQo2 第2の所定値、T1 許容下限値。

Claims (3)

  1. エンジンの冷却水温を所定の境界温度と比較して前記エンジンの冷却水循環通路を開閉するためのサーモスタットの作動異常を検出する装置であって、
    少なくとも前記エンジンの吸気量、冷却水温および吸気温度を検出するセンサ手段と、
    前記エンジンの吸気量に関する情報を前記エンジンの発熱量に対応した運転状態として検出するとともに、前記エンジンの始動後からの前記運転状態の積算値を発熱量パラメータとして検出する発熱量パラメータ検出手段と、
    前記発熱量パラメータが基準発熱量に到達したときに前記冷却水温を所定の許容下限値と比較して前記サーモスタットの異常を判定する異常判定手段と、
    前記エンジンの発熱量が少量状態であることを判定する少発熱量判定手段と、
    前記エンジンの発熱量が多量状態であることを判定する多発熱量判定手段と、
    前記発熱量の少量状態および多量状態の少なくとも一方が判定されたときに、前記異常判定手段を無効化するための異常判定禁止手段とを備え、
    前記少発熱量判定手段は、前記エンジンの始動時冷却水温および吸気温度の少なくとも一方に関連した第1の基準吸気量と、前記エンジンの吸気量とを比較し、前記第1の基準吸気量以下の吸気量が第1の所定時間内に第1の所定回数以上検出された場合に、前記発熱量の少量状態を判定し、
    前記多発熱量判定手段は、前記エンジンの始動時冷却水温および吸気温度の少なくとも一方に関連した第2の基準吸気量と、前記エンジンの吸気量とを比較し、前記第2の基準吸気量以上の吸気量が第2の所定時間内に第2の所定回数以上検出された場合に、前記発熱量の多量状態を判定することを特徴とするエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置。
  2. 前記異常判定禁止手段は、前記発熱量の少量状態が判定された場合には、前記異常判定手段による異常判定のみを禁止し、前記異常判定手段による正常判定を継続させることを特徴とする請求項1に記載のエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置。
  3. 前記異常判定禁止手段は、前記発熱量の多量状態が判定された場合には、前記異常判定手段による正常判定のみを禁止し、前記異常判定手段による異常判定を継続させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン温度調整用サーモスタットの異常検出装置。
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