JP3898476B2 - 画像情報処理装置およびソフトウェア再構築方法 - Google Patents

画像情報処理装置およびソフトウェア再構築方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、メモリ、セントロインタフェース、ネットワークインタフェースなどのハードウェア資源の障害を検知した場合に、プリンタ、コピーまたはファクシミリなどのサービスを提供する際に動作するソフトウェアの構成の再構築を行うことができる画像情報処理装置およびこのような画像情報処理装置で実行されるソフトウェア再構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した画像形成装置(以下、「複合機」という。)が一般的に知られている。この複合機は、1つの筐体内に表示部、印刷部および撮像部などを設けるとともに、プリンタ、コピーおよびファクシミリ装置にそれぞれ対応する3種類のソフトウェアを設け、ソフトウェアの切り替えによって、当該装置をプリンタ、コピー、スキャナまたはファクシミリ装置として動作させるものである。
【0003】
このような複合機では、電源投入の際にOS(Operating System)が起動する前に、いわゆるBIOS(Basic Input/Output System)内で診断プログラムが動作し、メモリ、セントロインタフェース、ネットワークインタフェースなどのハードウェア資源のエラーチェックを行っている。このような診断プログラムでは、複合機の起動、すなわちOSの起動およびOS上で動作するアプリケーションプログラムの起動に大きな影響を与える重度の障害を検知した場合には、重度のハードウェアエラーが生じた旨をオペレーションパネルのディスプレイなどに表示した後、複合機を停止させることが一般的となっている。一方、このような診断プログラムが複合機の起動に影響を与えない中度または軽度の障害を検知した場合には、複合機を起動させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中度または軽度の障害が生じた状態で複合機を起動させた場合、ハードウェアの障害に影響のあるアプリケーションプログラムの全機能を停止しなければならないという問題がある。たとえば、プリンタ動作を行うアプリケーションプログラムが処理効率の向上のため主メモリの他に増設メモリを必要とする場合において、増設メモリのみに障害が生じた場合であっても、プリンタのアプリケーションプログラムはすべて停止してしまい、プリンタサービスの全機能を提供することができない。
【0005】
すなわち、プリンタサービスの中でメモリを大量に使用しない機能であれば、増設メモリを使用せずに主メモリだけで実行可能であるにも関わらず、従来の複合機では、プリンタアプリケーションプログラムの全機能を停止しなければならなかった。
【0006】
ところで、従来の複合機では、内部にプリンタ、コピー、スキャナおよびファクシミリ装置に対応するソフトウェア(汎用OSを含む)をそれぞれ別個に設ける構成となっており、各ソフトウェアの開発に多大の時間を要する。このため、出願人は、表示部、印刷部および撮像部などの画像形成処理で使用されるハードウェア資源を有し、プリンタ、コピーまたはファクシミリなどの各ユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うアプリケーションを複数搭載し、これらのアプリケーションとハードウェア資源との間に介在して、ユーザサービスを提供する際に、アプリケーションの少なくとも2つが共通的に必要とするハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理を行う各種コントロールサービスからなるプラットホームを備えた画像形成装置を発明した。この画像形成装置によれば、アプリケーションの少なくとも2つが共通的に必要とするハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理を行うプラットホームを備えた構成とすることによって、ソフトウェア開発の効率化を図るとともに、装置全体としての生産性を向上させることが可能となる。
【0007】
このような複合機では、複数のアプリケーションと、アプリケーションの少なくとも2つが共通的に必要とするサービスを提供する複数のコントロールサービスを有するという各モジュールが独立した構成となっているため、かかる特徴的な構成を利用することで、サービスのコピー、プリンタ、スキャナまたはファクシミリなどの各機能ごとに一部の機能制限だけで実行できることが好ましい。
【0008】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、ハードウェア資源に障害がある場合にソフトウェア構成の再構築を行うことにより、ハードウェア資源の障害に影響のない範囲でサービスを提供することができる画像情報処理装置およびソフトウェア再構築方法を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置であって、前記画像情報処理装置の起動時に、前記ハードウェア資源の障害を検知する診断手段と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルを記憶する記憶手段と、前記診断手段により検知された前記ハードウェアの障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この請求項1の発明によれば、画像情報処理装置の起動時に、前記ハードウェア資源の障害を検知する診断手段と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルを記憶する記憶手段と、前記診断手段により検知された前記ハードウェアの障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築手段とを備えたことで、ハードウェア資源の障害に影響ない範囲でサービスを提供することができ、ハードウェア障害がある場合に影響のあるアプリケーションすべてが停止してしまう従来の画像情報処理装置に比べて、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0011】
本発明における診断手段は、画像情報処理装置の起動時にハードウェア資源の障害を検知するものであればよく、いわゆるBIOS内に診断プログラムとして設ける他、汎用OSに組み込んだり、プログラム(コントロールサービス)やアプリケーションに診断用プロセスとして設けても良い。また、診断手段を既存のコントロールサービスに組み込んだり、BIOS、アプリケーションやプログラム(コントロールサービス)とは全く独立に設けることもできる。
【0012】
また、本発明における再構築手段は、診断手段により検知された障害に影響のないプログラム(コントロールサービス)およびアプリケーションを選択して起動するものであればよく、プログラム(コントロールサービス)またはアプリケーションの各層に独立のプロセスとして設ける他、既存のプログラム(コントロールサービス)に組み込んでも良い。
【0013】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像情報処理装置において、前記再構築テーブルは、前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作として、起動の有無と起動後の処理内容とを含むことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の画像情報処理装置において、前記プログラムのプロセスおよび前記アプリケーションのプロセスは、前記起動後の処理内容を実行するスレッドを含み、前記再構築テーブルは、前記プログラムおよび前記アプリケーションごとに、起動の有無と、前記起動後の処理内容として、起動する場合における前記スレッドの識別情報とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項にかかる発明は、請求項に記載の画像情報処理装置において、前記プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築手段は、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドを起動することを特徴とする。
【0016】
この請求項の発明によれば、プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築手段は、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドを起動することで、ハードウェア障害時には同一プロセス内で起動するスレッドを切り替えるだけで障害に影響ない機能を提供できるので、通常の機能を提供するプロセスと機能制限されたプロセスとを別々に設けてプロセスを起動する場合に比べて、起動時間の短縮化が図られる。
【0017】
ここで、「ハードウェア資源の障害に影響のあるプログラムおよびアプリケーション」とは、ハードウェアの障害により本来の機能が全く実行不可能となるプログラム(コントロールサービス)およびアプリケーションの他、一部の機能の実行ができなくなるプログラム(コントロールサービス)およびアプリケーションも含まれる。
【0018】
また、請求項にかかる発明は、請求項に記載の画像情報処理装置において、前記再構築手段は、前記緊急モードスレッドを起動する前に、前記障害に影響のある機能が制限される旨を通知し、ユーザから了承を受信した場合にのみ前記緊急モードスレッドを起動することを特徴とする。
【0019】
この請求項の発明によれば、再構築手段が緊急モードスレッドを起動する前に、ハードウェア障害に影響のある機能が制限される旨を通知し、ユーザから了承を受信した場合にのみ緊急モードスレッドを起動することで、機能制限によりユーザが希望する機能が得られない場合に、機能制限された状態で画像情報処理装置が起動してしまうことが回避され、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0020】
また、請求項にかかる発明は、請求項1〜のいずれか一つに記載の画像情報処理装置において、前記プログラムは、システムの制御およびリソースの管理を行うシステムコントロールサービスのプロセスを備え、前記システムコントロールサービスのプロセスは、サービスを提供する際に実行される通常モードスレッドと、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて前記プログラムおよび前記アプリケーションを選択して起動する前記再構築手段としての再構築モードスレッドとを含んでいることを特徴とする。
【0021】
この請求項の発明によれば、システムコントロールサービスのプロセスがサービスを提供する際に実行される通常モードスレッドと、検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて前記プログラムおよび前記アプリケーションを選択して起動する再構築モードスレッドとを含むことで、システムコントロールサービスの再構築モードスレッドを再構築手段として用いることができ、別途再構築手段を設ける場合に比べて、装置構成を簡略化することができる。
【0022】
また、請求項にかかる発明は、印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置であって、前記画像情報処理の実行中に、前記ハードウェア資源の障害を検知する前記診断手段と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルを記憶する記憶手段と、前記診断手段により検知された前記ハードウェアの障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築手段と、を備え、前記プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築手段は、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、動作中の前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とすることを特徴とする。
【0023】
この請求項の発明によれば、画像情報処理の実行中に診断手段によってハードウェア資源の障害を検知し、再構築手段によって動作中のプログラムおよびアプリケーションの通常モードスレッドを緊急モードスレッドに切り替えるので、画像情報処理装置を再起動させることなく、通常モードスレッドと緊急モードスレッドの並列実行を利用して動的にソフトウェア構成の再構築が可能となり、サービスの全機能を停止せずに再構築が行えるとともに、再構築完了までの時間を短縮することができる。
【0024】
また、請求項にかかる発明は、請求項に記載の画像情報処理装置において、前記プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを備え、前記メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、メモリの障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築手段は、前記診断手段によりメモリに関する障害が検知されたときに、前記メモリコントロールサービスの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする。
【0025】
この請求項の発明によれば、プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを備え、メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、メモリの障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、再構築手段が診断手段によりメモリに関する障害が検知されたときにメモリコントロールサービスの通常モードスレッドを緊急モードスレッドに切り替えることで、メモリに関する障害に影響しない範囲で機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0026】
また、請求項にかかる発明は、請求項に記載の画像情報処理装置において、前記プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを備え、前記メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、ハードディスクの代わりにメモリのみを使用して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築手段は、前記診断手段によりハードディスクに関する障害が検知されたときに、前記メモリコントロールサービスの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする。
【0027】
この請求項の発明によれば、メモリコントロールサービスがメモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドとハードディスクの代わりにメモリのみを使用して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、再構築手段が診断手段によりハードディスクに関する障害が検知されたときにメモリコントロールサービスの通常モードスレッドを緊急モードスレッドに切り替えることで、ハードディスクに障害があった場合でも、ハードディスクを必要とする機能をメモリの利用で代替えして、機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0028】
また、請求項10にかかる発明は、請求項8または9に記載の画像情報処理装置において、前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドは、前記メモリコントロールサービスの緊急モードスレッドに対してのみプロセス間通信を行うことを特徴とする。
【0029】
この請求項10の発明によれば、アプリケーションの緊急モードスレッドがメモリコントロールサービスの緊急モードスレッドに対してのみプロセス間通信を行うことで、メモリコントロールサービスの機能を制限したにも拘わらず、アプリケーションがメモリコントロールサービスの通常モードスレッドとプロセス間通信を行ってハードウェア資源の障害に影響のある機能が実行されてしまう不具合を確実に阻止し、機能制限されたサービスを確実に提供することができる。
【0030】
また、請求項11にかかる発明は、請求項7〜10のいずれか一つに記載の画像情報処理装置において、前記プログラムは、ネットワークを制御するネットワークコントロールサービスを備え、前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドは、前記ネットワークコントロールサービス以外の前記プログラムに対してプロセス間通信を行い、前記再構築手段は、前記診断手段によりネットワークインタフェースに関する障害が検知されたときに、前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする。
【0031】
この請求項11の発明によれば、アプリケーションの緊急モードスレッドがネットワークコントロールサービス以外のプログラムに対してプロセス間通信を行い、再構築手段が診断手段によりネットワークインタフェースに関する障害が検知されたときにアプリケーションの通常モードスレッドを緊急モードスレッドに切り替えることで、ネットワークインタフェースに関する障害に影響しない範囲で機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0032】
また、請求項12にかかる発明は、印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置であって、ハードウェア資源の障害を検知する診断手段と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作として起動の有無と起動後の処理内容と、前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作として、起動の有無と起動後の処理内容とを、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルを記憶する記憶手段と、前記診断手段により検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記検知された障害に対応する前記プログラムまたは前記アプリケーションの動作が、起動しない旨か、または起動後の処理内容が前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される処理である場合には、前記プログラムおよび前記アプリケーションの代わりに、ネットワークに接続された他の前記画像情報処理装置で動作する前記プログラムまたは前記アプリケーションを選択する再構築手段と、を備えたことを特徴とする。
【0033】
この請求項12の発明によれば、診断手段がハードウェア資源の障害を検知したときに、再構築手段が診断手段により検知された障害と再構築テーブルとに基づいて、検知された障害に影響するプログラムおよびアプリケーションの代わりにネットワークに接続された他の画像情報処理装置で動作するプログラムまたはアプリケーションを選択することで、自己の画像情報処理装置内のみでは機能制限されたサービスしか提供できない場合でも、ネットワーク上の他の画像情報処理装置プログラムまたはアプリケーションで代替えして、機能制限のない完全なサービスを提供することができ、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0034】
また、請求項13にかかる発明は、請求項12に記載の画像情報処理装置において、前記診断手段は、ネットワーク経由で診断要求を受信したときに、前記ハードウェア資源の障害を検知することを特徴とする。
【0035】
この請求項13の発明によれば、診断手段がネットワーク経由で診断要求を受信したときに、ハードウェア資源の障害を検知することで、ユーザからの診断要求だけでなく、ネットワーク上の装置開発元やサービスセンタなどのホストコンピュータからの診断要求に応じて、ハードウェア資源の診断およびソフトウェア構成の再構築を行うことができ、動的な診断および再構築を実現することができる。
【0036】
また、請求項14にかかる発明は、印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置で実行され、前記アプリケーションおよび前記プログラムの構成を再構築するソフトウェア再構築方法であって、前記画像情報処理装置の起動時に、前記ハードウェア資源の障害を検知する診断ステップと、前記診断ステップにより検知された前記ハードウェアの障害と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築ステップと、を含んでいることを特徴とする。
【0037】
この請求項14の発明によれば、画像情報処理装置の起動時に、前記ハードウェア資源の障害を検知する診断ステップと、前記診断ステップにより検知された前記ハードウェアの障害と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築ステップとを含んでいることで、ハードウェア資源の障害に影響ない範囲でサービスを提供することができ、ハードウェア障害がある場合に影響のあるアプリケーションすべてが停止してしまう従来の画像情報処理装置に比べて、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0038】
また、請求項15にかかる発明は、請求項14に記載のソフトウェア再構築方法において、前記再構築テーブルは、前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作として、起動の有無と起動後の処理内容とを含むことを特徴とする。
【0039】
また、請求項16にかかる発明は、請求項15に記載のソフトウェア再構築方法において、前記プログラムのプロセスおよび前記アプリケーションのプロセスは、前記起動後の処理内容を実行するスレッドを含み、前記再構築テーブルは、前記プログラムおよび前記アプリケーションごとに、起動の有無と、前記起動後の処理内容として、起動する場合における前記スレッドの識別情報とを含むことを特徴とする。
【0040】
また、請求項17にかかる発明は、請求項16に記載のソフトウェア再構築方法において、前記プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築ステップは、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドを起動することを特徴とする。
【0041】
この請求項17の発明によれば、再構築ステップが検知された障害と再構築テーブルとに基づいて、プログラムおよびアプリケーションの緊急モードスレッドを起動することで、ハードウェア障害時には同一プロセス内で起動するスレッドを切り替えるだけで障害に影響ない機能を提供できるので、通常の機能を提供するプロセスと機能制限されたプロセスとを別々に設けてプロセスを起動する場合に比べて、起動時間の短縮化が図られる。
【0042】
また、請求項18にかかる発明は、請求項17に記載のソフトウェア再構築方法において、前記再構築ステップは、前記緊急モードスレッドを起動する前に、前記障害に影響のある機能が制限される旨を通知し、ユーザから了承を受信した場合にのみ前記緊急モードスレッドを起動することを特徴とする。
【0043】
この請求項18の発明によれば、再構築ステップが緊急モードスレッドを起動する前に、障害に影響のある機能が制限される旨を通知し、ユーザから了承を受信した場合にのみ緊急モードスレッドを起動することで、機能制限によりユーザが希望する機能が得られない場合に、機能制限された状態で画像情報処理装置が起動してしまうことが回避され、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0044】
また、請求項19にかかる発明は、請求項16〜18のいずれか一つに記載のソフトウェア再構築方法において、前記プログラムは、サービスを提供する際にシステムの制御およびリソースの管理を行う通常モードスレッドと、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて前記コントロールサービスおよび前記アプリケーションを選択して起動する再構築モードスレッドを含むシステムコントロールサービスのプロセスを含み、前記再構築ステップは、前記システムコントロールサービスの前記再構築モードスレッドにより実行されることを特徴とする。
【0045】
この請求項19の発明によれば、再構築ステップがシステムコントロールサービスの前記再構築モードスレッドにより実行されることで、システムコントロールサービスの再構築モードスレッドを再構築手段として用いることができ、別途再構築手段を設ける場合に比べて、装置構成を簡略化することができる。
【0046】
また、請求項20にかかる発明は、印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置で実行され、前記アプリケーションおよび前記プログラムの構成を再構築するソフトウェア再構築方法であって、前記画像情報処理の実行中に、前記ハードウェア資源の障害を検知する前記診断ステップと、前記診断ステップにより検知された障害と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築ステップと、を含み、プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築ステップは、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、動作中の前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする。
【0047】
この請求項20の発明によれば、診断ステップによってサービス処理の実行中にハードウェア資源の障害を検知し、再構築ステップによって動作中のプログラムおよびアプリケーションの通常モードスレッドを、ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される緊急モードスレッドに切り替えるので、画像情報処理装置を再起動させることなく、通常モードスレッドと緊急モードスレッドの並列実行を利用して動的にソフトウェア構成の再構築が可能となり、サービスの全機能を停止せずに再構築が行えるとともに、再構築完了までの時間を短縮することができる。
【0048】
また、請求項21にかかる発明は、請求項20に記載のソフトウェア再構築方法において、前記プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを含み、前記メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、メモリの障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築ステップは、前記診断ステップによりメモリに関する障害が検知されたときに、前記メモリコントロールサービスの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする。
【0049】
この請求項21の発明によれば、再構築ステップが診断ステップによりメモリに関する障害が検知されたときに、メモリコントロールサービスの通常モードスレッドを、メモリの障害に影響のある機能を制限して実行される緊急モードスレッドに切り替えることで、メモリに関する障害に影響しない範囲で機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0050】
また、請求項22にかかる発明は、請求項20に記載のソフトウェア再構築方法において、前記プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを含み、前記メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、ハードディスクの代わりにメモリのみを使用して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、前記再構築ステップは、前記診断ステップによりハードディスクに関する障害が検知されたときに、前記メモリコントロールサービスの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする。
【0051】
この請求項22の発明によれば、再構築ステップが診断ステップによりハードディスクに関する障害が検知されたときに、メモリコントロールサービスの通常モードスレッドを、ハードディスクの代わりにメモリのみを使用して実行される緊急モードスレッドに切り替えることで、ハードディスクに障害があった場合でも、ハードディスクを必要とする機能をメモリの利用で代替えして、機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0052】
また、請求項23にかかる発明は、請求項21または22に記載のソフトウェア再構築方法において、前記再構築ステップは、前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記メモリコントロールサービスの緊急モードスレッドに対してのみプロセス間通信を行う緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする。
【0053】
この請求項23の発明によれば、再構築ステップがアプリケーションの通常モードスレッドをメモリコントロールサービスの緊急モードスレッドに対してのみプロセス間通信を行う緊急モードスレッドに切り替えることで、メモリコントロールサービスの機能を制限したにも拘わらず、アプリケーションがメモリコントロールサービスの通常モードスレッドとプロセス間通信を行ってハードウェア資源の障害に影響のある機能が実行されてしまう不具合を確実に阻止し、機能制限されたサービスを確実に提供することができる。
【0054】
また、請求項24にかかる発明は、請求項20〜23のいずれか一つに記載のソフトウェア再構築方法において、前記プログラムは、ネットワークを制御するネットワークコントロールサービスを含み、前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドは、前記ネットワークコントロールサービス以外のプログラムに対してプロセス間通信を行い、前記再構築ステップは、前記診断ステップによりネットワークインタフェースに関する障害が検知されたときに、前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする。
【0055】
この請求項24の発明によれば、再構築ステップが診断ステップによりネットワークインタフェースに関する障害が検知されたときに、アプリケーションの通常モードスレッドを、ネットワークコントロールサービス以外のコントロールサービスに対してプロセス間通信を行う緊急モードスレッドに切り替えることで、ネットワークインタフェースに関する障害に影響しない範囲で機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0056】
また、請求項25にかかる発明は、印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置で実行され、前記アプリケーションおよび前記プログラムの構成を再構築するソフトウェア再構築方法であって、ハードウェア資源の障害を検知する診断ステップと、前記診断ステップにより検知された障害と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作として起動の有無と起動後の処理内容と、前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作として、起動の有無と起動後の処理内容とを、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルとに基づいて、前記検知された障害に対応する前記プログラムまたは前記アプリケーションの動作が、起動しない旨か、または起動後の処理内容が前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される処理である場合には、前記プログラムおよび前記アプリケーションの代わりに、ネットワークに接続された他の前記画像情報処理装置で動作する前記プログラムまたは前記アプリケーションを選択する再構築ステップと、を含んでいることを特徴とする。
【0057】
この請求項25の発明によれば、ハードウェア資源の障害を検知する診断ステップと、前記診断ステップにより検知された障害と、ハードウェア資源の障害とハードウェア資源の障害に影響するコントロールサービスおよびアプリケーションとをあらかじめ対応付けた再構築テーブルとに基づいて、検知された障害に影響するコントロールサービスおよびアプリケーションの代わりに、ネットワークに接続された他の画像情報処理装置で動作するプログラムまたはアプリケーションを選択する再構築ステップとを含んでいることで、自己の画像情報処理装置内のみでは機能制限されたサービスしか提供できない場合でも、ネットワーク上の他の画像情報処理装置のコントロールサービスまたはアプリケーションで代替えして、機能制限のない完全なサービスを提供することができ、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0058】
また、請求項26にかかる発明は、請求項25に記載のソフトウェア再構築方法において、前記診断ステップは、ネットワーク経由で診断要求を受信したときに前記ハードウェア資源の障害を検知することを特徴とする。
【0059】
この請求項26の発明によれば、診断ステップがネットワーク経由で診断要求を受信したときにハードウェア資源の障害を検知することで、ユーザからの診断要求だけでなく、ネットワーク上の装置開発元やサービスセンタなどのホストコンピュータからの診断要求に応じて、ハードウェア資源の診断およびソフトウェア構成の再構築を行うことができ、動的な診断および再構築を実現することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像情報処理装置およびソフトウェア再構築方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0061】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1である画像形成装置(以下、「複合機」という)の構成を示すブロック図である。図1に示すように、複合機100は、白黒ラインプリンタ(B&W LP)101と、カラーラインプリンタ(Color LP)102と、スキャナ、ファクシミリなどのハードウェアリソース103などを有するとともに、プラットホーム120とアプリケーション130とから構成されるソフトウェア群110と、電源投入時に実行される複合機起動部140とを備えている。
【0062】
複合機起動部140は、複合機100の電源投入時にまずはじめに実行され、ハードウェア資源の初期化や診断、および上記各モジュールを起動するものである。
【0063】
プラットホーム120は、アプリケーションからの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)123と、汎用OS121とを有する。
【0064】
コントロールサービスは、複数のサービスモジュールから形成され、SCS(システムコントロールサービス)122と、ECS(エンジンコントロールサービス)124と、MCS(メモリコントロールサービス)125と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)126と、FCS(ファックスコントロールサービス)127と、NCS(ネットワークコントロールサービス)128とから構成される。なお、このプラットホーム120は、あらかじめ定義された関数により前記アプリケーション130から処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)を有する。
【0065】
汎用OS121は、UNIXなどの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム120並びにアプリケーション130の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
【0066】
実施の形態1の複合機100では、各コントロールサービスおよび各アプリは、いずれもプロセスとして動作し、各プロセスの中に複数のスレッドを起動した状態となっている。
【0067】
SRM123のプロセスは、SCS122とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM123のプロセスは、スキャナ部やプリンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停を行い、実行制御する。
【0068】
具体的には、このSRM123は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM123は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
【0069】
SRM123のプロセスは、ハードウェア資源がすべて正常な場合に上記の機能を制限なく実行する通常モードスレッドと、ハードウェア資源に障害があった場合に一定の機能を制限して実行する複数のSRM緊急モードとを有している。SRM緊急モードスレッド1は、増設メモリに障害があった場合に起動され、増設メモリに対する資源獲得要求を行わないように機能が制限されている。SRM緊急モードスレッド2は、ハードディスクに障害があった場合に起動されハードディスクに対する資源獲得要求を行わず、SRM緊急モードスレッド3は、スキャナエンジンに障害があった場合に起動されスキャナエンジンに対する資源獲得要求を行わない。また、プリンタエンジンなど他のハードウェア資源に障害があった場合に、そのハードウェア資源の獲得要求を除外して実行するSRM緊急モードスレッドを各ハードウェア資源ごとに有している。
【0070】
SCS122のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御というサービスを行う際に実行される通常モードスレッドと、ハードウェア資源の診断結果に応じて複合機100上で動作させるアプリケーションおよびコントロールサービスの再構築を行う再構築モードスレッドを有している。
【0071】
ECS124のプロセスは、白黒ラインプリンタ(B&W LP)101、カラーラインプリンタ(Color LP)102、スキャナ、ファクシミリなどからなるハードウェアリソース103のエンジンの制御を行う。
【0072】
MCS125のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸張などを行う。MCS125のプロセスは、メモリおよびハードディスクがいずれも正常なときにすべての機能を実行可能な通常モードスレッドと、メモリまたはハードディスクに障害が発見された場合に一定の機能を制限して実行する複数の緊急モードスレッドを有している。MCS緊急モードスレッド1は、増設メモリに障害があった場合に起動されるものであり、主メモリのみから必要なサイズの領域を確保する。MCS緊急モードスレッド2は、ハードディスクに障害があったときに起動されるものであり、画像データをハードディスクに格納せずにメモリに展開するため、メモリから画像データ格納用の領域を確保する。
【0073】
OCS126のプロセスは、オペレータと本体制御間の情報伝達手段となる操作パネル(オペレーションパネル1610)の制御を行う。
【0074】
FCS127のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読みとり、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPIを提供する。FCS127のプロセスは、ネットワークボードが正常な場合に起動され、上記機能をすべてを実行可能な通常モードスレッドと、ハードウェア資源に障害があった場合に一定の機能を制限して実行する複数のFCS緊急モードスレッドを有している。
【0075】
FCS緊急モードスレッド1は、増設メモリに障害があった場合に起動され、MCS125に対してMCS緊急モードスレッド1とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行うものである。FCS緊急モードスレッド2は、ハードディスクに障害があった場合に起動され、MCS125に対してはMCS緊急モードスレッド2とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信によるプロセス間通信を行う。FCS緊急モードスレッド3は、ネットワークボードに障害があった場合に起動され、ネットワーク上のPCからのPC FAXの機能を制限したものである。
【0076】
NCS128は、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。
【0077】
このように、MCS125、FCS127、SRM123の各緊急モードスレッドはいずれもハードウェア資源の障害に応じて実行可能な機能を制限したものとなっている。
【0078】
アプリケーション130は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ111と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ112と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ113と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ114と、ネットワークファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ115と、工程検査用アプリケーションである工程検査アプリ116とを有している。
【0079】
プリンタアプリ111、コピーアプリ112、ファックスアプリ113のそれぞれも、ハードウェア資源が正常な場合にすべての機能の実行が可能な通常モードスレッドと、ハードウェア資源に障害があった場合に一定の機能を制限して実行する緊急モードスレッドを有している。
【0080】
プリンタアプリ緊急モードスレッド1は、増設メモリに障害があった場合に起動され、印刷ページのソート、回転、変倍、集約(1ページに複数ページ分を集約して印刷する機能)、試し印刷、機密印刷などの機能を実行せず、両面印刷を一定ページ数分だけ可能とするなどメモリを大量に必要とする機能に制限を設けている。また、プリンタアプリ緊急モードスレッド1は、MCS125に対しては、増設メモリからの領域確保が制限されたMCS緊急モードスレッド1とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行う。
【0081】
プリンタアプリ緊急モードスレッド2は、ハードディスクに障害があった場合に起動され、印刷時の印刷ページのソート、回転、変倍、集約、試し印刷、機密印刷、両面印刷など、画像データのハードディスクへの一時的格納を必要とする機能を実行せず、かつMCS125に対しては、ハードディスクからの領域確保が制限されたMCS緊急モードスレッド2とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行う。
【0082】
プリンタアプリ緊急モードスレッド3は、ネットワークボードに障害があった場合に起動され、PC FAXの実行ができないように、FCS127に対するプロセス間通信を制限したものである。
【0083】
プリンタアプリ緊急モードスレッド3は、ファックスエンジンに障害があった場合に起動され、PC FAXの実行ができないように、FCS127に対するプロセス間通信を制限したものである。
【0084】
コピーアプリ緊急モードスレッド1は、増設メモリに障害があった場合に起動され、コピーページのソート、回転、変倍、集約などの機能を実行せず、両面コピーおよび試しコピーを一定ページ数分だけ可能とするなどのメモリを大量に必要とする機能に制限を設けている。また、コピーアプリ緊急モードスレッド1は、MCS125に対しては、増設メモリからの領域確保が制限されたMCS緊急モードスレッド1とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行う。
【0085】
コピーアプリ緊急モードスレッド2は、ハードディスクに障害があった場合に起動され、コピーページのソート、回転、変倍、集約、両面コピーおよび試しコピーなど、画像データのハードディスクへの一時的格納を必要とする機能を実行せず、かつMCS125に対しては、ハードディスクからの領域確保が制限されたMCS緊急モードスレッド2とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行う。
【0086】
ファックスアプリ緊急モードスレッド1は、増設メモリに障害があった場合に起動され、メモリ受信やメモリ送信を実行不可能とし、ファクシミリ登録件数の最大値を少なく設定し、かつFCS緊急モードスレッド1に対してはFCS緊急モードスレッド1とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行う。
【0087】
ファックスアプリ緊急モードスレッド2は、ハードディスクに障害があった場合に起動され、メモリ受信やメモリ送信を実行不可能とし、ファクシミリ登録件数の最大値を少なく設定し、かつFCS127に対してはFCS緊急モードスレッド2とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行うものである。
【0088】
図16は、図1に示した実施の形態1の複合機100のハードウェア構成図である。図16に示すように、この複合機は、CPU1602、SDRAM1603、フラッシュメモリ1604、SRAM1608およびハードディスク(HD)1605などをASIC1601に接続したコントローラボード1600と、オペレーションパネル1610と、ファックスコントロールユニット(FCU)1620と、USB1630と、IEEE1394 1640と、プリンタ1650から構成されている。オペレーションパネル1610はASIC1601に直接接続され、FCU1620、USB1630、IEEE1394 1640およびプリンタ1650はPCIバスを介してASIC1601に接続されている。
【0089】
SRAM1608は、後述する診断部による診断結果を格納する不揮発性メモリである。SDRAM1603は、プリント、コピー、スキャナおよびファクシミリなどのサービスを行う際に、画像データを一時的に格納するものであり、主メモリと増設メモリとから構成されている。
【0090】
フラッシュメモリ1604には、上述の各アプリ、プラットホーム120を構成する各コントロールサービスやSRM123の各プログラムとともに、SCS122の再構築モードスレッドによるソフトウェア再構築処理の際に参照される再構築テーブルがファイル形式で格納されている。なお、この再構築テーブルについては後述する。
【0091】
図2は、実施の形態1の複合機100における複合機起動部140の構成を示すブロック図である。複合機起動部140は、図2に示すとおり、ハードウェア初期化部210と、プログラム起動部220と、SCS122の再構築モードスレッドから構成される。
【0092】
ハードウェア初期化部210は、いわゆるBIOS(Basic Input/Output System)であり、ハードウェア資源の各デバイスの初期化や各種設定、ソフトウェアの初期化、汎用OS121の起動などを行う。また、ハードウェア初期化部210は、その内部に本発明の診断手段を構成する診断部211を備えている。診断部211は、ハードウェア資源の各デバイスに障害があるか否かを検知し、その診断結果をSRAM1608に格納するものである。
【0093】
ここで、診断部211によって障害を検知する対象となるデバイスは、SDRAM1603などのメモリと、ハードディスク1605と、セントロインタフェース、USB1630、IEEE1394 1640などの各種インタフェースと、プリンタエンジン、コピーエンジン、スキャナエンジン、ファクシミリエンジンなどの各種エンジンである。
【0094】
プログラム起動部220は、汎用OS121から呼び出されるものであり、汎用OS121上で、SCS122を起動するものである。
【0095】
SCS122の再構築モードスレッドは、SRAM1608に格納されたハードウェア資源の診断結果に基づいて起動すべき各アプリ、各コントロールサービスおよびSRM123を判断した上で、起動する。また、SCS122の再構築モードスレッドは、ハードウェア資源の診断結果に基づいて、起動した各アプリ、各コントロールサービスおよびSRM123に対して通常モードスレッド、緊急モードスレッドのいずれを実行すべきかを指示する指令メッセージを送信する。
【0096】
次にこのように構成された複合機100におけるソフトウェア再構築処理について説明する。図3は、実施の形態1の複合機100におけるソフトウェア再構築の全体の処理手順を示すフローチャートである。実施の形態1にかかる複合機100では、電源投入時にハードウェア資源の診断が行われ、その結果に基づいて起動すべきアプリケーション130やコントロールサービスなどを選定し、かつ実行すべきスレッドを特定することによりソフトウェアの再構築を行う。
【0097】
複合機100の電源が投入されると、まずハードウェア初期化部210によってハードウェア資源の各デバイスの初期化が行われる(ステップS301)。ついで、診断部211によって各デバイスの診断が行われ(ステップS302)、その後ソフトウェアの初期化が行われて(ステップS303)、汎用OS121が起動される(ステップS304)。
【0098】
汎用OS121が起動されたら、プログラム起動部220は、SRAM1608に格納された診断結果を読み込んで障害の有無を判断する(ステップS305)。
【0099】
そして、すべてのハードウェア資源が正常である場合には、プログラム起動部220は、すべてのコントロールサービスおよびすべてのアプリケーション130を起動する(ステップS306)。一方、ハードウェア資源に障害が一つでもある場合には、プログラム起動部220は、SCS122のみを起動する(ステップS307)。このとき、SCS122のプロセスでは通常モードスレッドの他、再構築モードスレッドが起動される。
【0100】
図4は、ハードウェア初期化部210の診断部211によって実行されるハードウェア資源の各デバイスの診断処理手順を示すフローチャートである。診断部211では、未診断のデバイスに対して順にハードウェアエラーの有無をチェックすることによりデバイスの診断を行う(ステップS401)。
【0101】
ここで、たとえば、メモリに対する診断は、アドレス線およびデータ線のそれぞれについて行われ、書き込んだ値に拘わらず固定値となってしまうか否か、および書き込んだ値が他のデータ線に現れてしまうか否かをチェックする。なお、具体的なチェック方法および他のデバイスのエラーチェックについては公知の診断方法と同様なので説明を省略する。
【0102】
そして、デバイスの診断結果が正常かエラーかを確認し(ステップS402)、エラーの場合には、検知されたエラーが致命的エラーであるか否かを判断する(ステップS403)。ここで、致命的エラーとは、複合機100の起動に影響があるか、起動した場合でもサービスが全く提供できないようなエラーをいい、例えば主メモリのエラーなどが該当する。逆に、増設メモリのエラーやネットワークインタフェースのエラーなど、それ自体は致命的なものであっても、他のデバイスによる代替えによって機能を制限した状態でサービスの提供が可能となったり、例えばプリントの機能のみ実行できず、スキャナ、コピーの機能は実行できるような、一部のサービスが提供可能な場合には、本実施形態では致命的なエラーではないと判断する。
【0103】
そして、致命的エラーである場合には、重度の障害のために複合機100を起動できない旨のメッセージをオペレーションパネル1610のディスプレイに表示して(ステップS406)、複合機100を停止する(ステップS407)。一方、上述の致命的エラーでない場合には、障害があるデバイス名、エラー番号などを診断結果としてSRAM1608に格納する(ステップS404)。
【0104】
以上、ステップS401からステップS404までの診断処理を、すべてのデバイスに対して行う(ステップS405)。
【0105】
図5は、実施の形態1にかかる複合機100のSCS122の再構築モードスレッドによって実行されるソフトウェア再構築処理の手順を示すフローチャートである。図6は、このソフトウェア再構築処理で参照される再構築テーブルの一例を示す説明図である。
【0106】
プログラム起動部220によってSCS122のプロセスが汎用OS121上で起動されると、SCS122の再構築モードスレッドでは、まず、SRAM1608に格納されている診断結果を取得し(ステップS501)、フラッシュメモリ1604から再構築テーブルを読み出す(ステップS502)。
【0107】
つぎに、取得した診断結果と再構築テーブルとを参照して、ハードウェア資源の障害に対応して起動すべきコントロールサービス、アプリケーション130およびSRM123を選択し、さらに選択されたコントロールサービス、アプリケーションおよびSRM123の中で起動するスレッドを選択する(ステップS503)。
【0108】
そして、選択されたコントロールサービス、アプリケーションおよびSRM123を起動し(ステップS504)、起動したコントロールサービス、アプリケーションおよびSRM123に対し、どのスレッドを起動すべきかの指示メッセージを送信する(ステップS505)。かかる指示メッセージを受信したコントロールサービス、アプリケーションおよびSRM123のそれぞれは、指示メッセージで指示されたスレッドを自プロセス内で起動する。これにより、ハードウェア資源の障害に応じたソフトウェアの再構築が完了する。
【0109】
ここで、上記ステップS503におけるコントロールサービス、アプリケーション130およびSRM123の選択処理ならびに起動すべきスレッドの選択処理について、詳細に説明する。
【0110】
図6に示すように、再構築テーブルには、増設メモリエラーなどのハードウェア資源のエラーに対応して、各コントロールサービス、SRM123および各アプリケーション130の起動の可否、起動するスレッド(通常モードスレッド/緊急モードスレッド)および制限機能があらかじめ定められて記録されている。
【0111】
まず、診断部211で増設メモリエラーが検知された場合について説明する。この場合、SCS122の再構築モードスレッドは、図6の再構築テーブルを参照して、すべてのコントロールサービス、SRM123およびアプリケーション130を起動する。そして、再構築テーブルの内容に従って、MCS125、FCS127、SRM123、プリンタアプリ111、コピーアプリ112、ファックスアプリ113の各プロセスに対して、それぞれの緊急モードスレッド1を起動すべき旨の指令メッセージを送信し、その他のコントロールサービスおよびアプリケーションのプロセスに対しては通常モードスレッドを起動すべき旨の指令メッセージを送信する。
【0112】
図7は、増設メモリの障害が検知された場合におけるソフトウェア再構築後の複合機100の構成を示すブロック図である。図7に示すように、増設メモリエラーがある場合には、MCS125、FCS127、SRM123、プリンタアプリ111、コピーアプリ112、ファックスアプリ113のプロセスでは緊急モードスレッド1が起動し、その他のコントロールサービスおよびアプリケーション130のプロセスでは通常モードスレッドが起動される。
【0113】
ここで、増設メモリに障害があった場合には主メモリのみを使用する。また、上述の説明の通り、MCS緊急モードスレッド1は、画像データ格納のための領域を増設メモリではなく主メモリから確保し、SRM緊急モードスレッド1は、メモリ資源として主メモリを獲得する。また、プリンタアプリ緊急モードスレッド1は、印刷ページのソート、回転、変倍、集約、試し印刷、機密印刷などの機能を実行せず、両面印刷を一定ページ数分だけ可能とし、かつMCS125に対してはMCS緊急モードスレッド1とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行う。また、コピーアプリ緊急モードスレッド1はコピーページのソート、回転、変倍、集約などの機能を実行せず、両面コピーおよび試しコピーを一定ページ数分だけ可能とし、かつMCS125に対してはMCS緊急モードスレッド1とのみ関数呼び出しまたはメッセージ送受信などによるプロセス間通信を行う。
【0114】
従って、増設メモリに障害がある場合におけるプリント機能としては、メモリを大量に使用する機能が制限されたプリンタアプリ緊急モードスレッド1と、MCS緊急モードスレッド1との間でプロセス間通信が行われる結果、印刷ページのソート、回転、変倍、集約、試し印刷、機密印刷などの機能の提供は不可能となり、また一定ページ数分の両面印刷が可能という制限がある状態となる。また、コピー機能としては、コピーページのソート、回転、変倍、集約などの機能の提供は不可能となり、一定ページ数分の両面コピーおよび試しコピーが可能という制限がある状態となる。
【0115】
また、FCS緊急モードスレッド1はMCS125に対してはMCS緊急モードスレッド1とのみプロセス間通信を行う。ファックスアプリ緊急モードスレッド1は、メモリ受信やメモリ送信を実行不可能とし、ファクシミリ登録件数の最大値を少なく設定し、かつFCS127に対してはFCS緊急モードスレッド1とのみプロセス間通信を行う。
【0116】
従って、増設メモリに障害がある場合には、ファクシミリ通信機能としては、メモリを大量に使用するメモリ受信やメモリ送信が不可能となり、かつファクシミリ登録件数も少なくなるという機能制限がなされた状態で動作することになる。
【0117】
つぎに、診断部211によりハードディスクの障害が検知された場合について説明する。この場合、SCS122の再構築モードスレッドは、図6の再構築テーブルを参照して、すべてのコントロールサービス、SRM123およびアプリケーション130を起動する。そして、再構築テーブルの内容に従って、MCS125、FCS127、SRM123、プリンタアプリ111、コピーアプリ112、ファックスアプリ113の各プロセスに対して、それぞれの緊急モードスレッド2を起動すべき旨の指令メッセージを送信し、その他のコントロールサービスおよびアプリケーション130のプロセスに対しては通常モードスレッドを起動すべき旨の指令メッセージを送信する。
【0118】
ハードディスクの障害が検知された場合のソフトウェア再構築後の複合機100は、図7と同様に、すべてのアプリケーション130、コントロールサービスおよびSRM123が起動した状態となるが、図7においてMCS125、FCS127、SRM123、プリンタアプリ111、コピーアプリ112、ファックスアプリ113のプロセスでは、緊急モードスレッド1の代わりに緊急モードスレッド2が起動する。
【0119】
ここで、ハードディスクに障害があった場合には、画像データをハードディスクに格納せずに直接メモリへ格納する。上述の説明の通り、MCS緊急モードスレッド2は、画像データのための一時的な格納領域をハードディスクではなくメモリから確保し、SRM緊急モードスレッド2は、ハードディスクの代わりにメモリを獲得する。また、プリンタアプリ緊急モードスレッド2は、印刷ページのソート、回転、変倍、集約、両面印刷、試し印刷および機密印刷などの機能を実行せず、かつMCS125に対してはMCS緊急モードスレッド1とのみプロセス間通信を行う。また、コピーアプリ緊急モードスレッド1はコピーページのソート、回転、変倍、集約、両面コピーおよび試しコピーなどの機能を実行せず、かつMCS125に対してはMCS緊急モードスレッド1とのみプロセス間通信を行う。
【0120】
従って、ハードディスクに障害がある場合におけるプリント機能としては、プリンタアプリ緊急モードスレッド2と、MCS緊急モードスレッド2との間でプロセス間通信が行われる結果、ハードディスクへの画像データの一時的格納を必要とする印刷ページのソート、回転、変倍、集約、試し印刷、機密印刷および両面印刷などの機能の提供が不可能となる。また、コピー機能としても、コピーアプリ緊急モードスレッド2とMCS緊急モードスレッド2との間でプロセス間通信が行われる結果、ハードディスクへの画像データの一時的格納を必要とするコピーページのソート、回転、変倍、集約、試しコピーおよび両面コピーなどの機能が不可能になる。
【0121】
また、ハードディスクに障害がある場合には、ファクスアプリ緊急モードスレッド2とFCS緊急モードスレッド2との間でプロセス間通信が行われ、増設メモリに障害がある場合と同様に、メモリ受信やメモリ送信が不可能となり、かつファクシミリ登録件数も少なくなるという制限がある状態となる。
【0122】
診断部211によりネットワークインタフェースの障害が検知された場合には、SCS122の再構築モードスレッドは、図6の再構築テーブルを参照して、NCS128とネットファイルアプリ115は起動せず、これら以外のアプリケーション130、コントロールサービスおよびSRM123を起動する。そして、再構築テーブルの内容に従って、FCS127、SRM123、プリンタアプリ111の各プロセスに対して、それぞれの緊急モードスレッド3を起動すべき旨の指令メッセージを送信し、その他の起動したコントロールサービスおよびアプリケーション130のプロセスに対しては通常モードスレッドを起動すべき旨の指令メッセージを送信する。
【0123】
図8は、ネットワークインタフェースの障害が検知された場合におけるソフトウェア再構築後の複合機100の構成を示すブロック図である。図8に示すように、ネットワークインタフェースに障害がある場合には、NCS128とネットファイルアプリ115以外のアプリケーション130、コントロールサービスおよびSRM123が起動され、FCS127、SRM123、プリンタアプリ111の各プロセスでは緊急モードスレッド3が起動し、その他のコントロールサービスおよびアプリケーションのプロセスでは通常モードスレッドが起動する。
【0124】
ネットワークインタフェースに障害があった場合には、ネットワーク機能を利用したすべての機能が制限される。上述の説明の通り、SRM緊急モードスレッド3はネットワークインタフェースの獲得を制限したスレッドであり、NCS128およびネットファイルアプリ115は起動しないため、ネットワーク上のPCからのプリント機能は制限される。また、FCS緊急モードスレッド3およびプリンタアプリ緊急モードスレッド3は、PC FAXの機能を実行せず、かつ両スレッド間のプロセス間通信も行われないため、ネットワークインタフェースに障害がある場合にはPC FAXの機能が制限されて動作することになる。
【0125】
診断部211によりセントロインタフェースの障害が検知された場合には、SCS122の再構築モードスレッドは、図6の再構築テーブルを参照して、プリンタアプリ111を起動せず、プリンタアプリ111以外のアプリケーション130、すべてのコントロールサービスおよびSRM123を起動する。そして、再構築テーブルの内容に従って、SRM123のプロセスに対しセントロインタフェースの資源獲得を実行しないSRM緊急モードスレッド4を起動すべき旨の指令メッセージを送信する。また、その他の起動したアプリケーションおよびコントロールサービスの各プロセスに対しては、通常モードスレッドを起動すべき旨の指令メッセージを送信する。
【0126】
図9は、セントロインタフェースの障害が検知された場合におけるソフトウェア再構築後の複合機100の構成を示すブロック図である。図9に示すように、セントロインタフェースに障害がある場合には、プリンタアプリ111以外のアプリケーション130、コントロールサービスおよびSRM123が起動し、SRM123のプロセスでは緊急モードスレッド4が起動し、その他のコントロールサービスおよびアプリケーションのプロセスでは通常モードスレッドが起動する。
【0127】
このように、セントロインタフェースに障害がある場合には、プリンタアプリ111が起動しないため、複合機100はコピー、スキャナ、ファクシミリの機能のみに制限されて動作することになる。
【0128】
診断部211によりスキャナエンジンの障害が検知された場合には、SCS122の再構築モードスレッドは、図6の再構築テーブルを参照して、スキャナエンジンを使用するコピーアプリ112、ファックスアプリ113、スキャナアプリ114を起動せず、これら以外のアプリケーション130、すべてのコントロールサービスおよびSRM123を起動する。そして、再構築テーブルの内容に従って、SRM123のプロセスに対しスキャナエンジンの資源獲得を実行しないSRM緊急モードスレッド5を起動すべき旨の指令メッセージを送信する。また、その他の起動したアプリケーション130およびコントロールサービスの各プロセスに対しては、通常モードスレッドを起動すべき旨の指令メッセージを送信する。
【0129】
図10は、スキャナエンジンの障害が検知された場合におけるソフトウェア再構築後の複合機100の構成を示すブロック図である。図10に示すように、スキャナエンジンに障害がある場合には、コピーアプリ112、ファックスアプリ113、スキャナアプリ114以外のアプリケーション130、コントロールサービスおよびSRM123が起動し、SRM123のプロセスでは緊急モードスレッド5が起動し、その他のコントロールサービスおよびアプリケーション130のプロセスでは通常モードスレッドが起動する。
【0130】
このように、スキャナエンジンに障害がある場合には、コピーアプリ112、ファックスアプリ113、スキャナアプリ114が起動しないため、複合機100はプリントの機能のみに制限されて動作することになる。
【0131】
この他、ファクシミリエンジンあるいはプリンタエンジンなどに障害が検知された場合もあるが、この場合には各エンジンに対応するファックスアプリ113およびFCS127、あるいはプリンタアプリ111を起動せずに、ファクシミリ通信機能あるいはプリント機能が制限されて動作することになる。
【0132】
このように、実施の形態1にかかる複合機100では、診断部211によって複合機100の起動時にハードウェア資源の障害を検知し、SCS122の再構築モードスレッドによって、再構築テーブルを参照して、検知された障害に影響のないコントロールサービスおよびアプリケーションを選択して起動しているので、ハードウェア資源の障害に影響ない範囲で機能を制限してサービスを提供することができる。
【0133】
(実施の形態2)
実施の形態1にかかる複合機100は、ハードウェア資源に障害が検知された場合、ただちにソフトウェアの再構築を行っていたが、この発明の実施の形態2にかかる複合機100は、再構築を行う際に制限される機能などをユーザに報知して、ユーザの承認を得た場合にのみ再構築を行うものである。
【0134】
実施の形態2にかかる複合機100の構成、ハードウェア構成、複合機起動部140の構成、ソフトウェア再構築の全体処理および診断部211によるハードウェアの診断処理については、実施の形態1の複合機100と同様であるため説明を省略する。
【0135】
実施の形態2の複合機100では、SCS122の再構築モードスレッドによる再構築処理が実施の形態1と異なっている。図11は、実施の形態2にかかる複合機100のSCS122の再構築モードスレッドによって実行されるソフトウェア再構築処理の手順を示すフローチャートである。なお、再構築処理で参照する再構築テーブルは、実施の形態1において説明した図6のテーブルと同様である。
【0136】
実施の形態2の複合機100におけるSCS122の再構築モードスレッドでは、実施の形態1と同様に、SRAM1608から診断結果を、フラッシュメモリ1604から再構築テーブルをそれぞれ取得する(ステップS1101、S1102)。そして、再構築テーブルを参照して、取得した診断結果のハードウェア資源の障害に対応した制限機能を再構築テーブルから読み出して、制限機能と制限付きで起動するか否かの旨のメッセージをオペレーションパネル1610のディスプレイに表示し(ステップS1103)、ユーザからの入力待ち状態となる。
【0137】
ユーザからオペレーションパネル1610の操作部を介して応答があった場合には、その内容を判断し(ステップS1104)、応答が「OK」の場合には、再構築テーブルを参照して起動すべきコントロールサービス、アプリケーション130およびSRM123を選択し、さらに選択されたプロセスで起動すべきスレッドを選択する(ステップS1105)。そして、実施の形態1と同様に、選択されたコントロールサービス、アプリケーション130およびSRM123を起動し(ステップS1106)、起動したコントロールサービス、アプリケーション130およびSRM123に対し、どのスレッドを起動すべきかの指示メッセージを送信する(ステップS1107)。
【0138】
一方、ステップS1104でユーザから「起動しない」旨の応答があった場合には、複合機100を停止する(ステップS1108)。従って、ハードウェア資源の障害でソフトウェアの再構築により、これから複合機100で使用する機能が制限されるような場合には、ユーザは「起動しない」旨の応答を行えば良い。
【0139】
このように、実施の形態2にかかる複合機100では、再構築の際に、オペレーションパネル1610のディスプレイに機能が制限されて複合機100が起動される旨の表示を行い、ユーザから起動することの承認の入力があった場合に緊急モードスレッドを起動しているので、これからユーザが使用を希望している機能が機能制限により実現できない場合に、機能制限された状態で複合機100が起動してしまうことが回避される。このため、ユーザにとって無意味な複合機100の自動起動を防止することができる。
【0140】
なお、実施の形態1および2にかかる複合機100では、ハードウェア資源の診断処理を、プログラム起動部220内の診断部211で行っているが、この他、汎用OS121に診断機能を組み込んだり、診断用のコントロールサービスまたはアプリケーション130を別途設けても良い。
【0141】
(実施の形態3)
実施の形態1および2にかかる複合機100は、複合機100の電源投入時にハードウェア資源の診断を行って、診断結果に応じてソフトウェア再構築を行うものであったが、この発明の実施の形態3にかかる複合機100は、複合機100の起動中、すなわちサービスの実行中にハードウェア資源の診断を行って、動的にソフトウェアの再構築を行うものである。
【0142】
実施の形態3にかかる複合機100の構成、ハードウェア構成、複合機起動部140の構成については実施の形態1の複合機100と同様であるため説明を省略する。
【0143】
実施の形態3にかかる複合機100では、SCS122の再構築モードスレッドによってハードウェア資源の診断処理を行っている。このため、SCS122の再構築モードスレッドは、本発明における診断手段および再構築手段を構成する。
【0144】
図12は、実施の形態3にかかる複合機100におけるソフトウェア再構築処理の手順を示すフローチャートである。
【0145】
複合機100によるサービスの処理を実行中、診断要求があると、この診断要求をSCS122で受け取る(ステップS1201)。ここで、診断要求には、ユーザが明示的に指示した診断要求の他、ネットワーク経由で複合機開発元あるいはサービスセンタのホストコンピュータなどから送信される診断要求や、複合機100内部でタイマー機能などを利用して一定期間ごとに指令する診断要求も含まれる。なお、ネットワーク経由で診断要求を受信する場合には、診断要求はNCS128経由でSCS122が受信することになる。
【0146】
ついで、SCS122は自プロセス内部で再構築モードスレッドを起動する(ステップS1202)。そして、この再構築モードスレッドによって、以下に説明するハードウェア資源の診断処理およびソフトウェアの再構築処理が行われる。
【0147】
SCS122の再構築モードスレッドでは、未診断のデバイスに対して順にハードウェアエラーの有無をチェックすることによりデバイスの診断を行う(ステップS1203)。ここで、具体的な診断処理は、図4で説明した実施の形態1における診断部211の診断処理と同様なので説明を省略する。
【0148】
つぎに、SCS122の再構築モードスレッドは、SRAM1608に格納されている診断結果を取得し(ステップS1204)、フラッシュメモリ1604から再構築テーブルを読み出す(ステップS1205)。
【0149】
つぎに、取得した診断結果と再構築テーブルとを参照して、ハードウェア資源の障害に対応して、起動しないとして登録されているコントロールサービスおよびアプリケーション130と、緊急モードスレッドを起動するとして登録されているコントロールサービス、SRM123およびアプリケーション130を選択する(ステップS1206)。
【0150】
そして、選択されたコントロールサービス、アプリケーション130およびSRM123に対して、スレッドを切り替える旨の指令メッセージを送信する(ステップS1207)。このスレッド切り替えの指令メッセージは、より具体的には、再構築テーブルで起動しないとして登録されているコントロールサービスおよびアプリケーションに対しては、通常モードスレッドの実行を停止すべき旨を指示し、緊急モードスレッドを起動するとして登録されているコントロールサービス、SRM123およびアプリケーションに対しては、通常モードスレッドの実行を停止するとともに緊急モードスレッドを実行する旨を指示するものである。
【0151】
スレッド切り替えの指示メッセージを受信したコントロールサービス、アプリケーションおよびSRM123では、通常モードスレッドの実行を停止すべき旨の指示の場合には通常モードスレッドを停止してプロセスを終了する。また、通常モードスレッドの実行を停止するとともに緊急モードスレッドを実行する旨の指示の場合には、機能制限のある緊急モードスレッドを起動する。これにより、ハードウェア資源の障害に応じたソフトウェアの再構築が完了する。
【0152】
例えば、増設メモリの障害が検知された場合には次のようにソフトウェアが再構築される。図13は、ソフトウェア再構築処理前後の複合機100の構成を示すブロック図である。図13(a)は再構築処理前の構成を示し、図13(b)は再構築処理後の構成を示す。
【0153】
図13(a)および(b)に示すように、増設メモリエラーがある場合には、MCS125、FCS127、SRM123、プリンタアプリ111、コピーアプリ112、ファックスアプリ113のプロセスでは通常モードスレッドから緊急モードスレッド1へ切り替わり、その他のコントロールサービスおよびアプリケーション130のプロセスでは通常モードスレッドが実行される。
【0154】
このため、増設メモリに障害がある場合におけるプリント機能としては、メモリを大量に使用する機能が制限されたプリンタアプリ緊急モードスレッド1と、MCS緊急モードスレッド1との間でプロセス間通信が行われる結果、印刷ページのソート、回転、変倍、集約、試し印刷、機密印刷などの機能の提供は不可能となり、また一定ページ数分の両面印刷が可能という制限がある状態となる。また、コピー機能としては、コピーページのソート、回転、変倍、集約などの機能の提供は不可能となり、一定ページ数分の両面コピーおよび試しコピーが可能という制限がある状態となる。
【0155】
さらに、FCS緊急モードスレッド1はMCS125に対してはMCS緊急モードスレッド1とのみプロセス間通信を行うため、ファクシミリ通信機能としては、メモリを大量に使用するメモリ受信やメモリ送信が不可能となり、かつファクシミリ登録件数も少なくなるという機能制限がなされた状態で動作することになる。
【0156】
なお、ハードディスク、ネットワークインタフェース、セントロインタフェースおよびスキャナエンジンなど他のハードウェア資源に障害が検知された場合において、ソフトウェア再構築後の構成および制限内容は実施の形態1の複合機100と同様であるため説明を省略する。
【0157】
このように実施の形態3にかかる複合機100では、サービス処理の実行中にハードウェア資源の障害を検知し、SCS122の再構築モードスレッドによって動作中のコントロールサービスおよびアプリケーションの通常モードスレッドを緊急モードスレッドに切り替えるので、複合機100を再起動させることなく、動的にソフトウェア構成の再構築を行うことができる。
【0158】
(実施の形態4)
実施の形態1〜3にかかる複合機100は、いずれも複合機100内部のコントロールサービス、アプリケーション130のみを利用してソフトウェアの再構築を行っていたが、この発明の実施の形態4にかかる複合機は、ハードウェア資源に障害があった場合に、ネットワークに接続された他の複合機で動作するコントロールサービス、アプリケーションを利用してソフトウェアの再構築を行うものである。
【0159】
図14は、実施の形態4にかかる複合機の構成を示すブロック図である。図14に示すように、実施の形態4では複数の複合機1400a,1400bがLAN1441などのネットワークによって接続された構成となっている。なお、図14では、2台の複合機がネットワークで接続された構成となっているが、3台以上の複合機をネットワークで接続してもよい。なお、ネットワーク上の各複合機1400a,1400bの構成、ハードウェア構成、複合機起動部1440の構成については実施の形態3の複合機100と同様であるため説明を省略する。
【0160】
図15は、実施の形態4にかかる複合機1400aにおけるソフトウェア再構築処理の手順を示すフローチャートである。複合機1400aによるサービスの処理を実行中に診断要求を受信すると、実施の形態3の複合機100と同様に、SCS1422の再構築モードスレッドの起動、ハードウェア診断処理が行われる(ステップS1501〜S1503)。そして、SCS1422の再構築モードスレッドは、SRAM1608に格納されている診断結果を取得し(ステップS1504)、フラッシュメモリ1604から再構築テーブルを読み出す(ステップS1505)。
【0161】
つぎに、取得した診断結果と再構築テーブルとを参照して、ハードウェア資源の障害に対応して、起動しないとして登録されているコントロールサービスおよびアプリケーション1430と、緊急モードスレッドを起動するとして登録されているコントロールサービス、SRM1423およびアプリケーション1430を選択する(ステップS1506)。
【0162】
そして、選択されたコントロールサービス、アプリケーション1430に対して、通常モードスレッドを停止する旨の指令メッセージを送信する(ステップS1507)。この指令メッセージを受信したコントロールサービスおよびアプリケーション1430では、通常モードスレッドを停止してプロセスを終了する。
【0163】
そして、SCS1422の再構築モードスレッドは、さらに上記ステップS1506で選択されたコントロールサービスおよびアプリケーション1430以外のコントロールサービスおよびアプリケーション1430に対して、ネットワーク上の他の複合機1400bのネットワークアドレスをメッセージとして送信する(ステップS1508)。これにより、ハードウェア資源の障害に応じたソフトウェアの再構築が完了する。
【0164】
ネットワークアドレスのメッセージを受信したコントロールサービスおよびアプリケーション1430では、複合機1400a内のコントロールサービスおよびアプリケーション1430とプロセス間通信を行う代わりに、受信したネットワークアドレスを用いて、ネットワーク上の複合機1400bで動作するコントロールサービスおよびアプリケーション1430とプロセス間通信を行う。
【0165】
例えば、セントロインタフェースの障害が検知された場合には、SCS1422の再構築モードスレッドは、複合機1400aのプリンタアプリ1411のプロセスに対し、通常モードスレッドを停止しプロセスを終了すべき旨のメッセージを送信し、さらにプリンタアプリ1411以外のアプリケーション1430、すべてのコントロールサービスに対し、ネットワーク上の他の複合機1400bのネットワークアドレスをメッセージ送信する。これにより、プリンタアプリ1411以外のアプリケーション1430、コントロールサービスは、自複合機1400a内のプリンタアプリ1411とプロセス間通信を行う代わりに、ネットワーク上の複合機1400bで動作するプリンタアプリ1411とプロセス間通信を行う。このため、ネットワーク上のPCから複合機1400aに対して印刷要求があった場合でも、複合機1400bのプリンタアプリを利用して機能制限なくプリント機能を提供することが可能となる。
【0166】
このように実施の形態4の複合機1400aでは、ハードウェア資源の障害を検知したときに、SCS1422の再構築モードスレッドが検知された障害に影響するコントロールサービスおよびアプリケーション1430の代わりにネットワークに接続された他の複合機1400bで動作するコントロールサービスまたはアプリケーションを選択することで、機能制限のない完全なサービスを提供することができる。
【0167】
なお、実施の形態3および4にかかる複合機100、1400aでは、ハードウェア資源の診断処理を、SCS122、1422の再構築モードスレッドで実行しているが、診断処理のみを行う診断モードスレッドをSCS122、1422のプロセス内で生成し、この診断モードスレッドによってハードウェア資源の診断処理を実行するように構成してもよい。
【0168】
また、実施の形態1〜4にかかる複合機100、1400aでは、ソフトウェア構成の再構築処理をSCS122、1422の再構築モードスレッドで実行しているが、コントロールサービス層に新たなコントロールサービスを生成し、この新たなコントロールサービスで再構築処理を実行するように構成しても良い。
【0169】
また、実施の形態1〜4にかかる複合機100、1400aで説明した再構築テーブルおよび各緊急モードスレッドは、一例を示すものであり、ハードウェア資源の障害に応じて任意に定めることが可能である。
【0170】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、ハードウェア資源の障害に影響ない範囲でサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0171】
また、請求項にかかる発明によれば、ハードウェア障害時には同一プロセス内で起動するスレッドを切り替えるだけで障害に影響ない機能を提供できるので、起動時間の短縮化が図られるという効果を奏する。
【0172】
また、請求項にかかる発明によれば、機能制限によりユーザが希望する機能が得られない場合に、機能制限された状態で画像情報処理装置が起動してしまうことが回避され、ユーザの利便性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0173】
また、請求項にかかる発明によれば、システムコントロールサービスの再構築モードスレッドを再構築手段として用いることができ、装置構成の簡略化が図られるという効果を奏する。
【0174】
また、請求項にかかる発明によれば、画像情報処理装置を再起動させることなく、通常モードスレッドと緊急モードスレッドの並列実行を利用して動的にソフトウェア構成の再構築ができ、サービスの全機能を停止せずに再構築が行えるとともに、再構築完了までの時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0175】
また、請求項にかかる発明によれば、メモリに関する障害に影響しない範囲で機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0176】
また、請求項にかかる発明によれば、ハードディスクに障害があった場合でも、ハードディスクを必要とする機能をメモリの利用で代替えして、機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0177】
また、請求項10にかかる発明によれば、メモリコントロールサービスの機能を制限したにも拘わらず、アプリケーションがメモリコントロールサービスの通常モードスレッドとプロセス間通信を行ってハードウェア資源の障害に影響のある機能が実行されてしまう不具合を確実に阻止し、機能制限されたサービスを確実に提供することができるという効果を奏する。
【0178】
また、請求項11にかかる発明によれば、ネットワークインタフェースに関する障害に影響しない範囲で機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0179】
また、請求項12にかかる発明によれば、自己の画像情報処理装置内のみでは機能制限されたサービスしか提供できない場合でも、ネットワーク上の他の画像情報処理装置プログラムまたはアプリケーションで代替えして、機能制限のない完全なサービスを提供することができ、ユーザの利便性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0180】
また、請求項13にかかる発明によれば、ユーザからの診断要求だけでなく、ネットワーク上の装置開発元やサービスセンタなどのホストコンピュータからの診断要求に応じて、ハードウェア資源の診断およびソフトウェア構成の再構築を行うことができ、動的な診断および再構築を実現することができるという効果を奏する。
【0181】
また、請求項14にかかる発明によれば、ハードウェア資源の障害に影響ない範囲でサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0182】
また、請求項17にかかる発明によれば、ハードウェア障害時には同一プロセス内で起動するスレッドを切り替えるだけで障害に影響ない機能を提供できるので、通常の機能を提供するプロセスと機能制限されたプロセスとを別々に設けてプロセスの起動する場合に比べて、起動時間の短縮化が図られるという効果を奏する。
【0183】
また、請求項18にかかる発明によれば、機能制限によりユーザが希望する機能が得られない場合に、機能制限された状態で画像情報処理装置が起動してしまうことが回避され、ユーザの利便性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0184】
また、請求項19にかかる発明によれば、システムコントロールサービスの再構築モードスレッドを再構築手段として用いることができ、別途再構築手段を設ける場合に比べて、装置構成の簡略化が図られるという効果を奏する。
【0185】
また、請求項20にかかる発明によれば、画像情報処理装置を再起動させることなく、通常モードスレッドと緊急モードスレッドの並列実行を利用して動的にソフトウェア構成の再構築が可能となり、サービスの全機能を停止せずに再構築が行えるとともに、再構築完了までの時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0186】
また、請求項21にかかる発明によれば、メモリに関する障害に影響しない範囲で機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0187】
また、請求項22にかかる発明によれば、ハードディスクに障害があった場合でも、ハードディスクを必要とする機能をメモリの利用で代替えして、機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0188】
また、請求項23にかかる発明によれば、メモリコントロールサービスの機能を制限したにも拘わらず、アプリケーションがメモリコントロールサービスの通常モードスレッドとプロセス間通信を行ってハードウェア資源の障害に影響のある機能が実行されてしまう不具合を確実に阻止し、機能制限されたサービスを確実に提供することができるという効果を奏する。
【0189】
また、請求項24にかかる発明によれば、ネットワークインタフェースに関する障害に影響しない範囲で機能制限されたサービスを提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0190】
また、請求項25にかかる発明によれば、自己の画像情報処理装置内のみでは機能制限されたサービスしか提供できない場合でも、ネットワーク上の他の画像情報処理装置プログラムまたはアプリケーションで代替えして、機能制限のない完全なサービスを提供することができ、ユーザの利便性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0191】
また、請求項26にかかる発明によれば、ユーザからの診断要求だけでなく、ネットワーク上の装置開発元やサービスセンタなどのホストコンピュータからの診断要求に応じて、ハードウェア資源の診断およびソフトウェア構成の再構築を行うことができ、動的な診断および再構築を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1の複合機における複合機起動部の構成を示すブロック図である。
【図3】 実施の形態1の複合機におけるソフトウェア再構築の全体の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態1の複合機におけるハードウェア資源の各デバイスの診断処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 実施の形態1の複合機におけるソフトウェア再構築処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】 実施の形態1の複合機によるソフトウェア再構築処理で参照される再構築テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】 実施の形態1の複合機において、増設メモリの障害が検知された場合におけるソフトウェア再構築後の複合機の構成を示すブロック図である。
【図8】 実施の形態1の複合機において、ネットワークインタフェースの障害が検知された場合におけるソフトウェア再構築後の複合機の構成を示すブロック図である。
【図9】 実施の形態1の複合機において、セントロインタフェースの障害が検知された場合におけるソフトウェア再構築後の複合機の構成を示すブロック図である。
【図10】 実施の形態1の複合機において、スキャナエンジンの障害が検知された場合におけるソフトウェア再構築後の複合機の構成を示すブロック図である。
【図11】 実施の形態2の複合機によるソフトウェア再構築処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】 実施の形態3の複合機におけるソフトウェア再構築処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】 図13(a)は実施の形態3におけるソフトウェア再構築処理前の複合機100の構成を示すブロック図であり、図13(b)はソフトウェア再構築処理後の構成を示すブロック図である。
【図14】 実施の形態4にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図15】 実施の形態4にかかる複合機によるソフトウェア再構築処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】 実施の形態1の複合機のハードウェア構成図である。
【符号の説明】
100、1400a、1400b 複合機
101、1401 白黒ラインプリンタ
102、1402 カラーラインプリンタ
103、1403 ハードウェアリソース
110、1410 ソフトウェア群
111、1411 プリンタアプリ
112、1412 コピーアプリ
113、1413 ファックスアプリ
114、1414 スキャナアプリ
115、1415 ネットファイルアプリ
116、1416 工程検査アプリ
120、1420 プラットホーム
121、1421 汎用OS
122、1422 SCS
123、1423 SRM
124、1424 ECS
125、1425 MCS
126、1426 OCS
127、1427 FCS
128、1428 NCS
130、1430 アプリケーション
140、1440 複合機起動部
1441 LAN
210 ハードウェア初期化部
211 診断部
220 プログラム起動部
1600 コントローラボード
1601 ASIC
1602 CPU
1603 SDRAM
1604 フラッシュメモリ
1605 HD
1608 SRAM
1610 オペレーションパネル
1620 FCU
1630 USB
1640 IEEE1394
1650 プリンタ

Claims (26)

  1. 印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置であって、
    前記画像情報処理装置の起動時に、前記ハードウェア資源の障害を検知する診断手段と、
    前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルを記憶する記憶手段と、
    前記診断手段により検知された前記ハードウェアの障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築手段と、
    を備えたことを特徴とする画像情報処理装置
  2. 前記再構築テーブルは、前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作として、起動の有無と起動後の処理内容とを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像情報処理装置。
  3. 前記プログラムのプロセスおよび前記アプリケーションのプロセスは、前記起動後の処理内容を実行するスレッドを含み、
    前記再構築テーブルは、前記プログラムおよび前記アプリケーションごとに、起動の有無と、前記起動後の処理内容として、起動する場合における前記スレッドの識別情報とを含むことを特徴とする請求項2に記載の画像情報処理装置。
  4. 前記プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、
    前記再構築手段は、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドを起動することを特徴とする請求項に記載の画像情報処理装置
  5. 前記再構築手段は、前記緊急モードスレッドを起動する前に、前記障害に影響のある機能が制限される旨を通知し、ユーザから了承を受信した場合にのみ前記緊急モードスレッドを起動することを特徴とする請求項に記載の画像情報処理装置
  6. 前記プログラムは、システムの制御およびリソースの管理を行うシステムコントロールサービスのプロセスを備え、
    前記システムコントロールサービスのプロセスは、サービスを提供する際に実行される通常モードスレッドと、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて前記プログラムおよび前記アプリケーションを選択して起動する前記再構築手段としての再構築モードスレッドとを含んでいることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の画像情報処理装置
  7. 印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置であって、
    前記画像情報処理の実行中に、前記ハードウェア資源の障害を検知する前記診断手段と、
    前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルを記憶する記憶手段と、
    前記診断手段により検知された前記ハードウェアの障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築手段と、を備え、
    前記プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、
    前記再構築手段は、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、動作中の前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする画像情報処理装置
  8. 前記プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを備え、
    前記メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、メモリの障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、
    前記再構築手段は、前記診断手段によりメモリに関する障害が検知されたときに、前記メモリコントロールサービスの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする請求項に記載の画像情報処理装置
  9. 前記プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを備え、
    前記メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、ハードディスクの代わりにメモリのみを使用して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、
    前記再構築手段は、前記診断手段によりハードディスクに関する障害が検知されたときに、前記メモリコントロールサービスの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする請求項に記載の画像情報処理装置
  10. 前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドは、前記メモリコントロールサービスの緊急モードスレッドに対してのみプロセス間通信を行うことを特徴とする請求項8または9に記載の画像情報処理装置
  11. 前記プログラムは、ネットワークを制御するネットワークコントロールサービスを備え、
    前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドは、前記ネットワークコントロールサービス以外の前記プログラムに対してプロセス間通信を行い、
    前記再構築手段は、前記診断手段によりネットワークインタフェースに関する障害が検知されたときに、前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の画像情報処理装置
  12. 印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置であって、
    ハードウェア資源の障害を検知する診断手段と、
    前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作として起動の有無と起動後の処理内容と、前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作として、起動の有無と起動後の処理内容とを、前記プログラムおよ び前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルを記憶する記憶手段と、
    前記診断手段により検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記検知された障害に対応する前記プログラムまたは前記アプリケーションの動作が、起動しない旨か、または起動後の処理内容が前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される処理である場合には、前記プログラムおよび前記アプリケーションの代わりに、ネットワークに接続された他の前記画像情報処理装置で動作する前記プログラムまたは前記アプリケーションを選択する再構築手段と、
    を備えたことを特徴とする画像情報処理装置
  13. 前記診断手段は、ネットワーク経由で診断要求を受信したときに、前記ハードウェア資源の障害を検知することを特徴とする請求項12に記載の画像情報処理装置
  14. 印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置で実行され、前記アプリケーションおよび前記プログラムの構成を再構築するソフトウェア再構築方法であって、
    前記画像情報処理装置の起動時に、前記ハードウェア資源の障害を検知する診断ステップと、
    前記診断ステップにより検知された前記ハードウェアの障害と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築ステップと、
    を含んでいることを特徴とするソフトウェア再構築方法。
  15. 前記再構築テーブルは、前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作として、起動の有無と起動後の処理内容とを含むことを特徴とする請求項14に記載のソフトウェア再構築方法。
  16. 前記プログラムのプロセスおよび前記アプリケーションのプロセスは、前記起動後の処理内容を実行するスレッドを含み、
    前記再構築テーブルは、前記プログラムおよび前記アプリケーションごとに、起動の有無と、前記起動後の処理内容として、起動する場合における前記スレッドの識別情報とを含むことを特徴とする請求項15に記載のソフトウェア再構築方法。
  17. 前記プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、
    前記再構築ステップは、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドを起動することを特徴とする請求項16に記載のソフトウェア再構築方法。
  18. 前記再構築ステップは、前記緊急モードスレッドを起動する前に、前記障害に影響のある機能が制限される旨を通知し、ユーザから了承を受信した場合にのみ前記緊急モードスレッドを起動することを特徴とする請求項17に記載のソフトウェア再構築方法。
  19. 前記記プログラムは、サービスを提供する際にシステムの制御およびリソースの管理を行う通常モードスレッドと、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて前記記プログラムおよび前記アプリケーションを選択して起動する再構築モードスレッドを含むシステムコントロールサービスのプロセスを含み、
    前記再構築ステップは、前記システムコントロールサービスの前記再構築モードスレッドにより実行されることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一つに記載のソフトウェア再構築方法。
  20. 印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置で実行され、前記アプリケーションおよび前記プログラムの構成を再構築するソフトウェア再構築方法であって、
    前記画像情報処理の実行中に、前記ハードウェア資源の障害を検知する前記診断ステップと、
    前記診断ステップにより検知された障害と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作および前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作を、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルとに基づいて、前記ハードウェアの障害に対応する前記プログラムおよび前記アプリケーションの動作を実行させる再構築ステップと、を含み、
    プログラムと前記アプリケーションの各プロセスは、前記ハードウェアの障害がない場合に実行される通常モードスレッドと、前記ハードウェアの障害がある場合に前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、
    前記再構築ステップは、前記検知された障害と前記再構築テーブルとに基づいて、動作中の前記プログラムおよび前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とするソフトウェア再構築方法。
  21. 前記プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを含み、
    前記メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、メモリの障害に影響のある機能を制限して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、
    前記再構築ステップは、前記診断ステップによりメモリに関する障害が検知されたときに、前記メモリコントロールサービスの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする請求項20に記載のソフトウェア再構築方法。
  22. 前記プログラムは、メモリおよびハードディスクを制御するメモリコントロールサービスを含み、
    前記メモリコントロールサービスは、メモリおよびハードディスクが正常であるときに実行される通常モードスレッドと、ハードディスクの代わりにメモリのみを使用して実行される一または複数の緊急モードスレッドとを含み、
    前記再構築ステップは、前記診断ステップによりハードディスクに関する障害が検知されたときに、前記メモリコントロールサービスの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする請求項20に記載のソフトウェア再構築方法。
  23. 前記再構築ステップは、前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記メモリコントロールサービスの緊急モードスレッドに対してのみプロセス間通信を行う緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする請求項21または22に記載のソフトウェア再構築方法。
  24. 前記プログラムは、ネットワークを制御するネットワークコントロールサービスを含み、
    前記アプリケーションの前記緊急モードスレッドは、前記ネットワークコントロールサービス以外の前記プログラムに対してプロセス間通信を行い、
    前記再構築ステップは、前記診断ステップによりネットワークインタフェースに関する障害が検知されたときに、前記アプリケーションの前記通常モードスレッドを前記緊急モードスレッドに切り替えることを特徴とする請求項20〜23のいずれか一つに記載のソフトウェア再構築方法。
  25. 印刷部または撮像部を有するハードウェア資源を利用して画像情報処理にかかるアプリケーションのプロセスと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、複数の前記アプリケーションからアクセスされて前記ハードウェア資源の制御を行う複数のプログラムのプロセスとを備えた画像情報処理装置で実行され、前記アプリケーションおよび前記プログラムの構成を再構築するソフトウェア再構築方法であって、
    ハードウェア資源の障害を検知する診断ステップと、
    前記診断ステップにより検知された障害と、前記ハードウェア資源の障害ごとに、前記ハードウェア資源の障害時の前記プログラムの動作として起動の有無と起動後の処理内容と、前記ハードウェア資源の障害時の前記アプリケーションの動作として、起動の有無と起動後の処理内容とを、前記プログラムおよび前記アプリケーションのそれぞれについて登録した再構築テーブルとに基づいて、前記検知された障害に対応する前記プログラムまたは前記アプリケーションの動作が、起動しない旨か、または起動後の処理内容が前記ハードウェア資源の障害に影響のある機能を制限して実行される処理である場合には、前記プログラムおよび前記アプリケーションの代わりに、ネットワークに接続された他の前記画像情報処理装置で動作する前記プログラムまたは前記アプリケーションを選択する再構築ステップと、
    を含んでいることを特徴とするソフトウェア再構築方法。
  26. 前記診断ステップは、ネットワーク経由で診断要求を受信したときに、前記ハードウェア資源の障害を検知することを特徴とする請求項25に記載のソフトウェア再構築方法。
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