JP3898262B2 - 衛生洗浄器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、衛生洗浄器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、肛門などの局部を洗浄する衛生洗浄器として、貯水タンクとポンプと洗浄ノズルとを便座に一体的に組み込んだものが一般によく知られているが、かかる構成では便器上でしか使用できないために使用形態が制限されていた。
【0003】
また、トイレ以外の場所でも使用できるように携行可能としたものとして、例えば、実公昭56-5486 号や、実公平5-7014号公報に示されているものがある。
【0004】
前記のものは、ポンプを内蔵する本体ケースの中央部に貯水槽を着脱自在に配設する凹部を設け、同凹部の両側に空洞部を設けて、各空洞部にそれぞれ電池収納部とノズル部収納部とを設けている。
【0005】
他方、後記のものは、筒状のタンクの内部の底部にポンプを設けるとともに、上部にヒータを設け、タンクの上端部にタンク壁面を介して電気回路室を形成し、その内部にポンプに給電する蓄電池を配設している。そして、外部電源から前記蓄電池及びヒータとに同時に通電可能とし、ヒータを加熱するのは外部電源から行い、蓄電池はポンプのみの駆動に対応するだけとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらの衛生洗浄器は、たとえ上述したように携行可能としたものであっても洗浄対象は使用者自身を想定しており、例えば、介護の必要な老齢者や乳幼児等の局部洗浄を行うことを目的としたものではなかった。
【0007】
これを前記した者に適用することも可能ではあるが、実公昭56-5486 号のものでは十分な小型化が図れず、ベッド脇やベッド上に載置することが難しく、しかもヒータを具備していないので冬季の使用には不向きである。
【0008】
一方、実公平5-7014号のものは、小型で、かつヒータが備えられて改善されているが、片手で使用できるほどのきわめて小型のものなので、どうしてもタンク貯水量が少なく十分な洗浄が行えなかった。
【0009】
そこで、ある程度水量を確保するためにタンク容量を大きくすることも考えられるが、上記したようにタンクの上下に蓄電池、ポンプをそれぞれ配設したレイアウトではバランスが悪くなり、転倒したりするおそれがある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決することのできる衛生洗浄器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明では、筒状の本体部内に洗浄水を貯水する貯水部を収納配設するとともに、同貯水部に連通連結するポンプを介して洗浄水を噴出するノズル部を設けた衛生洗浄器において、前記本体部に前記ノズル部を装着するノズル装着部を備え、このノズル装着部は、前記ノズル部の先端に形成した噴出口と前記貯水部とを連通させた状態と、洗浄水の噴出角度を所望の角度に合わせて前記ノズル部の噴出口を洗浄対象に向けた状態とで前記ノズル部を保持可能とした。
【0012】
また、請求項2記載の本発明では、前記貯水部の底部に加熱手段を配設するとともに、前記貯水部の下方に形成した機能部収納空間内に、前記ポンプと、同ポンプへ給電する蓄電池とを配設した。
【0013】
したがって、貯水部の下方に機能部が集中して配設されることになり、重量バランスが良好となって転倒のおそれがなく、しかも、衛生洗浄器自体を著しくコンパクト化できるので、載置スペースに制限されることなく使用可能となる。
【0014】
また、請求項3記載の本発明では、前記本体部の周側面下部に、外部交流電源と接続する給電口を設け、同給電口と前記加熱手段及び蓄電池とを、前記機能部収納空間内に配設した充電部を介して接続した。
【0015】
したがって、外部交流電源と給電口とを電源コード等で接続するだけで加熱手段により洗浄水を加熱しながら蓄電池に充電することが可能となり、蓄電池が常に充電された状態で本衛生洗浄器を使用することができる。しかも、ポンプと蓄電池に加えて充電部も機能部収納空間内に配設しているので、本体部の下部に重量物が集中配設されることになり、機能部収納空間をより有効利用して、貯水部の必要容量を確保しながら全体を可及的に小型化し、かつ重量バランスを向上させて安定性をより向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る衛生洗浄器は、筒状の本体部内に洗浄水を貯水する貯水部を収納配設するとともに、同貯水部に連通連結するポンプを介して洗浄水を噴出するノズル部を設けた衛生洗浄器において、前記本体部に前記ノズル部を装着するノズル装着部を備え、このノズル装着部は、前記ノズル部の先端に形成した噴出口と前記貯水部とを連通させた状態と、洗浄水の噴出角度を所望の角度に合わせて前記ノズル部の噴出口を洗浄対象に向けた状態とで前記ノズル部を保持可能としたものである。そして、前記貯水部の下方に前記ポンプや蓄電池等の機能部を集中して配設している。
【0017】
すなわち、前記貯水部の底部に加熱手段を配設し、前記貯水部の下方に形成した機能部収納空間内に、前記貯水部に連通連結して前記ノズル部に洗浄水を圧送するポンプと、同ポンプへ給電する蓄電池とを配設して重量バランスを良好に保ち、転倒のおそれをなくしている。しかも、衛生洗浄器自体をコンパクト化できるので載置スペースに制限されることなく使用可能となっている。
【0018】
また、前記本体部の周側面下部に、家庭用コンセント等の外部交流電源と接続する給電口を設け、同給電口と前記加熱手段及び蓄電池とを充電部を介して接続している。したがって、加熱手段により洗浄水を加熱しながら蓄電池の充電が可能となり、使用時には蓄電池は常に充電された状態となっているので、交流電源の無い場所でも電池切れなどを心配することなく安心して本衛生洗浄器を使用することができる。
【0019】
前記加熱手段は、電気ヒータが好適に用いられ、通常の洗浄水温度としては40℃が適温であるが、35〜50℃の範囲で温度調節可能としておくとよい。
【0020】
なお、前記ヒータ及び蓄電池への通電に用いるために、家庭用交流電源に接続する電源コードは前記給電口に着脱自在に接続可能としたものが好ましい。
【0021】
また、充電部は、ポンプや蓄電池同様に機能部収納空間内に配設して、同機能部収納空間内を有効利用したレイアウトとすることができる。
【0022】
かかる構成により、貯水部の必要容量を確保しながら全体を可及的に小型化することができる。しかも、重量バランスをより向上させることがきるので安定性がさらに増し、衛生洗浄器を載置スペースに制限されることなく使用することができ、例えば、介護を要する老齢者や、乳幼児の局部洗浄などに使用する場合、本衛生洗浄器をベッド脇やベッド上に載置して使用することができる。
【0023】
【実施例】
本発明の実施例を、図面を参照しながら以下に具体的に説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施例に係る衛生洗浄器Aは、一定量の洗浄水を収容する本体部1と、洗浄水を噴出して局部等の洗浄を行う洗浄部2とからなり、本体部1にアーチ状の把手3を設けて携行可能としたコンパクトな構成としている。
【0025】
30は把手3を本体部1に回動自在に取付けた連結部である。
【0026】
4は洗浄部2のノズル部であり、本体部1とホース5を介して連通連結している。また、6は本体部1の上部に開閉自在に取付けた蓋体、7は同蓋体6の上面に設けた操作部、1aは本体部1の側面に設けた水位計である。
【0027】
以下、上記本体部1及び洗浄部2の構成について詳述する。
【0028】
本体部1は、図2に示すように、上部開口の筒状に形成されており、その内部に洗浄水を略1リットル貯溜可能な貯水部としての貯水タンク10を収納配設しており、洗浄水の残量は前記水位計1aにより本体部1の外から視認できるようにしている。
【0029】
同貯水タンク10の底面には加熱手段としてヒータHを取付けて貯水タンク10内の洗浄水を加熱可能とするとともに、ヒータHの回路に、バイメタルで構成した上限温度を検出する温度センサS1と下限温度とを検出する温度センサS2とを接続して、35〜50℃の範囲で水温調節可能としている。
【0030】
また、貯水タンク10の周側面に蓄熱材Kを貼設しており、加熱された洗浄水を冷めにくくしている。
【0031】
すなわち、ヒータHにより加熱する際の熱量を蓄熱材Kに蓄え、ヒータHの通電が終了した後は、蓄えた熱により保温可能としたものである。かかる蓄熱材Kとしては、例えば、酢酸ナトリム、リン酸ナトリウム等の無機系のものや有機系のもの等があるが、これらのうちから、融点が30〜60℃程度のものを好適に用いることができる。
【0032】
かかる蓄熱材Kを設けたことにより、洗浄水の適温が長時間保たれるので、本衛生洗浄器Aを外出先に携行し、例えば、連れている乳幼児のオムツ替えなどに有効に用いることができる。特に、自動車や電車などで長距離移動する場合には有用である。
【0033】
また、貯水タンク10の下方に機能部収納空間Qを形成し、同機能部収納空間Qには、前記貯水タンク10に連通連結して前記ノズル部4にホース5を介して洗浄水を圧送するポンプPを配設している。なお、11は貯水タンク10の下部に設けた洗浄水流出口、P1はポンプ入口、P2はポンプ出口、MはポンプPの駆動モータである。
【0034】
さらに、前記ポンプPの両側には、図3に示すように、前記ポンプPへ給電する蓄電池Bと、同蓄電池Bを充電するための充電部Cをそれぞれ配設するとともに、本体部1の周面下部には、前記ヒータH及び蓄電池Bへの給電口Dを配設している(図2参照)。
【0035】
8は電源コードであり、一端に前記給電口Dに着脱自在としたマグネットプラグ80を備え、他端には外部交流電源となる家庭用コンセント(図示せず)に対応するプラグ81を備えている。
【0036】
このように、本衛生洗浄器Aは貯水部10の下方にポンプPや蓄電池Bや充電部C等の比較的重量物である機能部を集中して配設しているので、重量バランスが良好となって転倒のおそれがなく、しかも、衛生洗浄器A自体を著しくコンパクト化できるので、載置スペースに制限されることなく使用可能となる。
【0037】
しかも、家庭用コンセントと給電口Dとを電源コード8で接続するだけでヒータHにより洗浄水を加熱しながら蓄電池Bに充電することが可能となり、蓄電池Bが常に充電された状態で本衛生洗浄器Aを使用することができる。
【0038】
また、前記した本体部1の上部に開閉自在に取付けた蓋体6は、図2及び図4に示すように、本体部1に設けた枢支部12に軸支して開閉自在となし、閉蓋時には、図示しないロック機構によりロック可能としている。
【0039】
また、本衛生洗浄器Aの操作部7は、図4に示すように、本体部1の前記枢支部12と対向する側に、外方へ膨出する膨出部13を形成し、同膨出部13の上面に設けている。
【0040】
すなわち、膨出部13の中央位置に形成した凹部13a を挟んで左側にポンプPの駆動・停止を行う作動スイッチ71とポンプ駆動時に点灯する表示ランプ72を設けるとともに、凹部13a の右側に洗浄水温度を低・中・高の3段階で設定可能とした温度設定スイッチ73と、ヒータHのオン・オフ表示ランプ74と、洗浄水の温度表示ランプ75とを設けている。76は蓋体6のロック解除ボタンである。
【0041】
なお、本実施例では、温度設定スイッチ73をプッシュ式として、プッシュ回数で低温、中温、高温と設定するようにしているが、そのスイッチ構造は特に限定するものではない。
【0042】
ここで、本衛生洗浄器Aの電気回路を図5を参照しながら説明すると、給電口Dに蓄電池BとヒータHに接続した入力端子D1を設けており、ポンプPの駆動モータMと蓄電池Bと作動スイッチ71とを直列に接続し、同作動スイッチ71の操作でポンプPの駆動・停止を行わせている。
【0043】
そして、充電部Cに設けたトランスTの一次側を前記入力端子D1に接続し、同一次側とヒータHとを接続し、さらに、トランスTの二次側を蓄電池Bの所定充電電圧に落とすようにして、ダイオード整流器77により半波整流している。
【0044】
かかる構成により、電源コード8のマグネットプラグ80を給電口Dに、プラグ81をコンセントに差し込むと、ヒータHと蓄電池Bに通電され、洗浄水は適温まで加熱されるとともに、蓄電池Bには充電電流が流れることになり、ヒータHを加熱すると同時に充電することができる。
【0045】
したがって、本衛生洗浄器Aは、使用する場所にコンセントが無くても蓄電池Bの電力により使用することができる。
【0046】
また、本洗浄装置Aは、洗浄水の温度が一定値以上に上昇するとポンプPの作動を禁止する制御手段としてポンプ制御装置Eを備えており、同ポンプ制御装置Eと貯水タンク10に取付けた異常温度検出センサS3及びポンプPの駆動モータMの回路に設けた開閉スイッチ78とを電気的に接続している。
【0047】
すなわち、異常温度検出センサS3が前述した温度センサS1,S2 による温度制御範囲を越えた洗浄水温度を検出すると、その検出値に基づき、ポンプ制御装置Eは前記開閉スイッチ78を切ってポンプPの駆動を禁止するもので、ノズル部4から熱湯等を誤って噴出させたりすることを防止している。したがって、外部で湯を沸かしたものを直接貯水部10に入れた場合などに、その湯が一定値を越えた温度の熱湯であればポンプPは作動スイッチ71をオンしても駆動せず、熱湯が噴出して火傷したりするおそれがない。
【0048】
あるいは、前述した温度センサS1,S2 が何らかの理由で故障した場合に水温が著しく上昇しても、異常温度検出センサS3がこれを検出してポンプ制御装置Eに検出信号を出力してポンプPの駆動を禁止するので安全である。
【0049】
また、かかるポンプ制御装置Eを、本実施例ではヒータHの回路中に配設しており、ヒータHに通電中はポンプPの作動を禁止するようにしている。
【0050】
したがって、交流電源から給電中、すなわち、洗浄水を加熱しながら蓄電池Bに充電している際にはポンプPは駆動することがないので感電事故などを未然に防止することができる。
【0051】
次に、洗浄部2について説明する。
【0052】
洗浄部2は、本体部1のポンプPとノズル部4とをホース5を介して連通連結して構成しており、ノズル部4は、図6に示すように、グリップ部40を有するピストル状に形成するとともに、内部に洗浄水通路Rを形成し、同洗浄水通路R中に弁孔42を形成し、さらに、同弁孔42に離接自在とした弁体43を配設し、スプリング41により同弁体43を閉弁方向に付勢して開閉弁Jを構成している。
【0053】
そして、ノズル部4に弁体43を開弁方向に作動させる引き金式レバー44を連設している。44a はレバー44の取付軸である。
【0054】
ノズル部4の上部前端から、前記洗浄水通路Rに基端を連通連結し、先端に噴出口4aを形成したノズル体45を伸延し、同ノズル体45の外周面に内周面を螺合させた噴出形態変更機構46を取付けて、洗浄水を霧状、シャワー状、直線状に切替可能としている。なお、47はレバーストッパーであり、レバー44を指で押さなくても、同ストッパー47をレバー44に係合すれば、レバー44を開弁状態に保持可能としている。
【0055】
ここで、上記構成のノズル部4を本体部1に装着するノズル装着部9について説明する。
【0056】
本実施例に係るノズル装着部9は、前述した蓋部6と操作部7とにかけて構成している。
【0057】
すなわち、図2及び図4に示すように、ノズル装着部9は、蓋体6を一定の厚みをもって形成するとともに、中央部に円状凹部60を形成し、同円状凹部60の中心に形成したノズル挿入孔61に前記ノズル部4の先端に形成した噴出口4aを前記貯水タンク10内に向けて挿入した際に、同噴出口4aと貯水タンク10とを連通させた状態でノズル部4を保持可能とし、しかも、かかる保持姿勢においては、円状凹部60の凹面60a がノズル部4のレバー44を押圧して開弁作動位置で保持するレバー保持部として機能するようにしている。
【0058】
また、ノズル挿入孔61の深さと前記ノズル体45の長さとを合わせるとともに、ノズル挿入孔61の先端部内径を漸次縮径してノズル体45の先端形状と対応させており、ノズル体45を付け根まで挿入すると噴出口4aがノズル挿入孔61の下端開口に臨む状態でノズル部4自体が保持される構造としている。62はノズル挿入孔61の内壁に形成したノズル支持片である。
【0059】
このときに、本実施例では、ノズル部4から伸延するホース5を本体部1に形成した膨出部13の凹部13a 内を通すようにしており、しかも、ホース5をコイル状に形成しているので、使用時には必要長さまで伸長させながら、ノズル部4の装着時には、ホース5を本体部1の高さ範囲内で収めることができる。
【0060】
また、本実施例に係るノズル装着部9は、図7に示すように、ノズル部4の噴出口4aを洗浄対象に向けた状態でも保持可能としており、ノズル部4を本体部1に保持させながら洗浄水を噴出して、両手で洗浄作業を行う所謂ハンズフリーでの使用を可能としている。
【0061】
すなわち、図8に示すように、本体部1の膨出部13に形成した凹部13a の幅をノズル部4のグリップ部40を挿通可能な幅に形成するとともに、グリップ部40の左右側面に、それぞれ枢支用短軸48と位置決め用凸部49を設ける一方、これらに対応するように、前記凹部13a の左右壁面に枢支用縦長凹部91と複数の位置決め用凹部92をそれぞれ設け、枢支用短軸48を枢支用縦長凹部91に合わせてグリップ部40を凹部13a 内に挿入し、位置決め用凸部49と位置決め用凹部92との係合によりノズル部4を保持可能としている。そして、位置決め用凸部49を複数の位置決め用凹部92に選択的に係合させることにより、洗浄水の噴出角度を所望の角度に合わせることができるようにしている。
【0062】
なお、以上説明してきたノズル装着部9、及び、少なくとも前述したノズル部4の噴出形態変更機構46については、衛生上、抗菌樹脂により成形することが好ましい。
【0063】
本実施例に係る衛生洗浄器Aは上記してきた構成であり、これを実際に使用する場合について以下に説明する。
【0064】
使用に際し、予め、本体部1と家庭用コンセントとを電源コード8を接続しておき、蓄電池Bを充電しておくとともに、貯水タンク10内の洗浄水をヒータHにより適温に加熱しておく。
【0065】
そして、例えば洗浄対象が介護を要する老齢者や乳幼児であって、使用場所が異なる場合は前記電源コード8を外し、本衛生洗浄器Aを必要場所に移動し、使用に際して、先ず、作動スイッチ71をオンしてポンプPを作動させる。このとき、図1、図2に示すように、ノズル部4はレバー44が開弁作動位置の状態でノズル装着部9に保持されているので、ホース5及びノズル部4内の冷たい滞留水がノズル部4の噴出口4aより貯水タンク10内に捨水される。
【0066】
使用者がノズル部4を持ち上げると、レバー44が閉弁位置に復帰するので捨水は停まり、その後、洗浄対象に向けて使用者がレバー44を引くと、ヒータHにより適温に温められた温水が噴出する。
【0067】
通常はシャワー状又は霧状に噴出するようにしているので、局部の洗浄であれば、洗浄対象の下に敷くオムツ等が十分吸水できるだけの少ない吐水量で広い範囲の洗浄が可能となる。
【0068】
しかも、肌に優しい温水を使用することができるので、洗浄者に不快感を与えるとがなく、また、乳幼児であればオムツかぶれなどを防止することができる。
【0069】
また、この洗浄作業にあっては、図7で示したように、ハンズフリーの状態として使用することができるので、丹念な洗浄を行え、汚れを確実に落とすことができる。
【0070】
以上説明してきたように、本衛生洗浄器Aはコンパクトな構成で携行自在であり、ポンプPの動力源を蓄電池Bにより行うようにしているので、洗浄を行う場所の制限がなく、ベッド上であってもあるいは移動する自動車の中等であっても使用可能である。
【0071】
また、本衛生洗浄器Aの洗浄対象は局部のみに限るものではないので、例えば手足やその他身体の一部の洗浄を行う簡易シャワーとして、汎用的な利用が可能である。
【0072】
さらに、洗浄対象は人体でなくともよく、例えばペット等に適用することもできる。
【0073】
ところで、洗浄に際して前記電源コード8は必ずしも外した状態でなければならないということはなく、コンセントに接続した状態であってもよい。
【0074】
また他の実施例として、例えば交流電源に通電中、すなわち、充電・加熱中においては感電防止のためにポンプPが駆動しないように構成することもでき、使用の際には必ず電源コード8を外して使用するようにしてもよい。
【0075】
さらに、必ずしも前記ヒータHで洗浄水を加熱する必要もなく、外部で沸かした温湯を貯水タンク10内に追加したり、移し替えて使用しても構わない。
【0076】
また、捨水は、必ずしもノズル部4をノズル装着部9に装着した状態で行う必要はなく、ノズル部4をノズル装着部9から外した後にポンプPを作動させ、噴出口4aを蓋体6に設けた円状凹部60に向けてレバー44を操作して洗浄水を噴出して捨水してもよい。この場合、吐水形態は直線状としてノズル挿入孔61に向けて噴出することが好ましいが、本実施例では、噴出された捨水用の洗浄水が本体部1の外にはみ出したりしないように円状凹部60を広めに形成している。
【0077】
次に、衛生面を考慮した他の実施例として、図9〜図12に示した衛生洗浄器A'について説明する。なお、以下の説明外の構成は先の実施例と同様とし、同一構成要素については同一符号を用いている。
【0078】
本衛生洗浄器A'は、図9に示すように、噴出形態変更機構46を装着したアダプタ50をノズル部4のノズル体45に着脱自在に取付けたもので、ノズル部4をノズル装着部9に装着する場合は、図10に示すように、アダプタ50を取り外した状態でノズル体45をノズル挿入孔61内に挿入して装着保持するようにしている。
【0079】
すなわち、洗浄を行う場合、どうしてもノズル部4の前側には洗浄水の跳ね返りが付着しやすいものなので、使用後にノズル部4を本体部1に装着する場合はノズル部4の前側に位置するアダプタ50を取り外すようにしたものである。取り外したアダプタ50は適宜の方法で表面を清浄して次回の使用に供すればよい。
【0080】
なお、アダプタ50とノズル体45との着脱は、本実施例ではノズル体45の前側外周面に雄ねじ部45a を形成するとともに、アダプタ50の内周面に雌ねじ部50a を形成することにより可能としているが、かかる螺合式に限らず、例えば嵌合式であってもよい。
【0081】
また、取り外したアダプタ50は、図11に示すように、本体部1の外周面にポケット15を設け、同ポケット15内に収納しておくようにすれば紛失したりするおそれがない。さらに、前記ポケット15内に殺菌液や殺菌剤などを収容しておいてもよい。
【0082】
さらに他の実施例として、図12に示した衛生洗浄器A'' を説明する。なお、以下の説明外の構成は先の実施例と同様とし、同一構成要素については同一符号を用いている。
【0083】
本衛生洗浄器A'' は、ポンプPの下流側にホース内圧力検出部Fを設けるとともに、同ホース内圧力検出部FとポンプPの駆動モータMの回路に設けた開閉スイッチ79とを電気的に接続し、さらに、ポンプPの上流側に逆止弁Vを設けたもので、前記ホース内圧力検出部Fがノズル部4からの噴出圧以上となれば開閉スイッチ79を開いてポンプPを自動停止させるようにしたものである。ホース内圧力検出部Fとしては、例えば、アキュムレータを具備するものとして、洗浄水の圧力の変化を空気圧で検出するような構成が考えられる。
【0084】
かかる構成とすることにより、ノズル部4から洗浄液を吐出しているとき以外はポンプPを自動的に停止させておくことができ、駆動モータMの焼き付きや無駄な電力消費を防止することができる。
【0085】
また、本実施例では、トランスTの一側のショートや異常電圧からヒータHを保護するために、ヒータHをトランスTの二次側に接続している。
【0086】
以上、各実施例を通して本発明を説明してきたが、本発明に係る衛生洗浄器の形状等は上記各実施例に限定されるものではなく、例えば本体部1は略角型としてもよく、また、ノズル装着部9を本体部1の上面に設けることなく、本体部1の周側面に設けてもよい。さらに、ホース5はコイル状でなくストレートな形状であってもよい。
【0087】
また、使用する洗浄水としては水や湯に限らず、薬液などであってもよい。
【0088】
さらに、例えば、ハンズフリーで洗浄可能な構成の一実施例として、本体部1にポンプPと連通する接続口16を設け、同接続口16に前記してきたノズル部4を接続金具17を介して着脱自在に取付けるとともに、図13に示すように、必要に応じてホース部分をフレキシブル管5aとしたノズル部4'と差し替え自在とすることもできる。この場合でも、ノズル部4'の噴出口4'a をノズル挿入孔61に挿入して捨水することは可能である。なお、接続口16の位置は図示したように蓋体6上ではなく、周側面であってもよい。
【0089】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明では、筒状の本体部内に洗浄水を貯水する貯水部を収納配設するとともに、同貯水部に連通連結するポンプを介して洗浄水を噴出するノズル部を設けた衛生洗浄器において、前記本体部に前記ノズル部を装着するノズル装着部を備え、このノズル装着部は、前記ノズル部の先端に形成した噴出口と前記貯水部とを連通させた状態と、洗浄水の噴出角度を所望の角度に合わせて前記ノズル部の噴出口を洗浄対象に向けた状態とで前記ノズル部を保持可能としたために、ノズル部を本体部に保持させながら洗浄水を噴出して、所謂ハンズフリーで使用可能となり、しかも、衛生洗浄器自体を著しくコンパクト化できるので、載置スペースに制限されることなく使用可能となる。
【0090】
(2)請求項2に係る本発明では、前記貯水部の底部に加熱手段を配設するとともに、前記貯水部の下方に形成した機能部収納空間内に、前記ポンプと、同ポンプへ給電する蓄電池とを配設したことにより、貯水部の下方に機能部が集中して配設されることになり、重量バランスが良好となって転倒のおそれがなく、しかも、衛生洗浄器自体を著しくコンパクト化できるので、載置スペースに制限されることなく使用可能となる。
【0091】
(3)請求項3に係る本発明では、前記本体部の周側面下部に、外部交流電源と接続する給電口を設け、同給電口と前記加熱手段及び蓄電池とを、前記機能部収納空間内に配設した充電部を介して接続したことにより、外部交流電源と給電口とを電源コード等で接続するだけで加熱手段により洗浄水を加熱しながら蓄電池に充電することが可能となり、蓄電池が常に充電された状態で本衛生洗浄器を使用することができる。
【0092】
しかも、ポンプと蓄電池に加えて充電部も機能部収納空間内に配設しているので、本体部の下部に重量物が集中配設されることになり、機能部収納空間をより有効利用して、貯水部の必要容量を確保しながら全体を可及的に小型化し、かつ重量バランスを向上させて安定性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る衛生洗浄器の斜視図である。
【図2】同衛生洗浄器の断面図である。
【図3】同衛生洗浄器の底面図である。
【図4】同衛生洗浄器の平面図である。
【図5】同衛生洗浄器の回路説明図である。
【図6】同衛生洗浄器のノズル部の断面図である。
【図7】同衛生洗浄器の使用状態を示す説明図である。
【図8】同衛生洗浄器のノズル装着部を示す説明図である。
【図9】他の実施例に係る衛生洗浄器のノズル部の断面図である。
【図10】同他の実施例に係る衛生洗浄器のノズル部装着状態を示す説明図である。
【図11】同他の実施例に係る衛生洗浄器の斜視図である。
【図12】他の実施例に係る衛生洗浄器の説明図である。
【図13】ノズル装着部の一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
A,A',A'' 衛生洗浄器
B 蓄電池
C 充電部
D 給電口
H 加熱手段(ヒータ)
P ポンプ
Q 機能部収納空間
1 本体部
4 ノズル部
10 貯水部(貯水タンク)
Claims (3)
- 筒状の本体部(1)内に洗浄水を貯水する貯水部(10)を収納配設するとともに、同貯水部(10)に連通連結するポンプ(P)を介して洗浄水を噴出するノズル部(4)を設けた衛生洗浄器において、
前記本体部(1)に前記ノズル部 (4) を装着するノズル装着部(9)を備え、このノズル装着部(9)は、
前記ノズル部(4)の先端に形成した噴出口(4a)と前記貯水部(10)とを連通させた状態と、洗浄水の噴出角度を所望の角度に合わせて前記ノズル部(4)の噴出口(4a)を洗浄対象に向けた状態とで前記ノズル部(4)を保持可能としたことを特徴とする衛生洗浄器。 - 前記貯水部(10)の底部に加熱手段(H)を配設するとともに、前記貯水部(10)の下方に形成した機能部収納空間(Q)内に、前記ポンプ(P)と、同ポンプ(P)へ給電する蓄電池(B)とを配設したことを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄器。
- 前記本体部(1)の周側面下部に、外部交流電源と接続する給電口(D)を設け、同給電口(D)と前記加熱手段(H)及び蓄電池(B)とを、前記機能部収納空間(Q)内に配設した充電部(C)を介して接続したことを特徴とする請求項2記載の衛生洗浄器。
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JP2653297A JP3898262B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 衛生洗浄器 |
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JP2653297A JP3898262B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 衛生洗浄器 |
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JPH10216044A JPH10216044A (ja) | 1998-08-18 |
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Family Applications (1)
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- 1997-02-10 JP JP2653297A patent/JP3898262B2/ja not_active Expired - Fee Related
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