JP3892461B2 - 光ファイバーコネクタおよびその製造方法、並びに光接続装置 - Google Patents

光ファイバーコネクタおよびその製造方法、並びに光接続装置 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバーコネクタおよびその製造方法、並びに光接続装置に関し、特に、ファイバーをコネクタの中心に保持することのできる光ファイバーコネクタおよびその製造方法、並びに該光ファイバーコネクタを用いた光接続装置に関するものである。
近年、Single−Mode型(SM型)のガラス光ファイバーが長距離幹線系に広く利用され、この種の光ファイバーを用いた情報ネットワークの構築が目標とされている。ところで、前記SM型光ファイバーは、そのコア径が5〜10ミクロンと非常に細いものであるため、光ファイバーの敷設に際しては、光ファイバーを高精度に接続又は分岐する手段が必要となる。
そこで、本願発明者等も、特開2002−23015号公報(公開日2002年1月23日)にレンズ面を簡便に形成することによって高精度に光ファイバーを接続又は分岐し得る光ファイバーコネクタの製造方法を開示している。この製造方法によって得られる光ファイバーコネクタ29は、図3に示されるように、筒状のコネクタ本体30の一方の端部にSM型光ファイバー線33の端部を配置し、光ファイバ線33の端部から導出したファイバー34をコネクタ本体30に挿入して、コネクタ本体30のファイバー部位にエポキシ系樹脂などの樹脂剤31を充填してファイバー34を埋設している。そして、ファイバー34の先端の樹脂注入部に紫外線硬化樹脂32を注入することにより、光ファイバーコネクタ29が形成されている。
前述のように、上記公報によれば、ファイバー34のコアをコネクタ本体30に挿入し、エポキシ樹脂などの樹脂剤31を充填することによってファイバーを埋設している。しかしながら、コネクタ本体にファイバーを保持する具体的方法、すなわち、コネクタ本体の中心にファイバーの光軸を保持する方法については何ら記載されていない。また、この製造方法ではファイバーの光軸を高精度に保持することができないため、光軸のズレを補正する工程が設けられている。
また、上記公報の方法以外にファイバーを保持する方法としては、例えば、射出成形によりファイバーを埋設する形状を作り出す方法、ジルコニアフェルールをパイプに通す方法、などが考えられる。しかしながら、これらの方法の場合、コネクタ本体にファイバーを埋設できるような鋳型が必要となること、ジルコニアフェルールは高価であることなどが問題となる。
このように、前述したいずれの方法によりファイバーをコネクタ本体に挿入した場合であっても、簡便にかつ高精度に光軸を保持したままコネクタの中心にファイバーを保持することは極めて困難である。したがって、前述のように光軸を補正するために製造工程が増加するばかりではなく、その操作も煩雑なものとなり、相当な時間が必要となる。また、ファイバーの光軸がずれてしまえば、接続損失の1つの要因となる。それゆえ、接続損失を低減または無くすためには、ファイバーをコネクタ本体の中心に高精度に保持することが極めて重要となる。
ところで、光ファイバーコネクター同士の接続は、割スリーブなどでファイバーの先端を高精度に合わせて行われる。例えば、従来のFCコネクターの接続は、中心に光ファイバーを保持固定したフェルールをスリーブ内で対向させ、一直線上に整列させることによって行われている。
また、電気−光・光−電気変換器(ONU)では、ファイバーとONUデバイスとの接続を、高精度な部品と位置合わせにより行っている。例えば、電気−光変換では、半導体レーザ(LD)とファイバーとの間に、ボールレンズ等の集光部材を設け、半導体レーザからの光を集光部材によって集光し、半導体レーザとファイバー端面とを高精度に位置合わせして接続する方法が行われる。また、半導体レーザの端面近傍までファイバーを接近させて、半導体レーザとファイバーとを高精度に接続する方法も行われる。
しかしながら、このような接続方法は、高精度な部品が必要となり、その上、高精度に位置合わせを行う作業は熟練を要するため、実用的であるとは言いがたい。このため、従来の光ファイバーコネクタはコスト高を招く。
そこで、本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、簡便かつ高精度にファイバーの光軸をコネクタ本体の中心に保持し得る、光ファイバーコネクタおよびその製造方法、並びにその利用法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、簡便にしかも高精度に光軸の位置合わせを行うことのできる光ファイバーコネクタおよびその製造方法、並びにその利用法を提供することにある。
本発明者等は、ファイバーの光軸がずれないようにコネクタ本体の中心にファイバーを保持する方法について鋭意検討した。その結果、従来のように樹脂をコネクタ本体に充填してファイバーを埋設するのではなく、複数の金属パイプを組み合わせてコネクタ本体を形成すれば、当該コネクタ本体の中心に光軸がずれることなく高精度にファイバーを保持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の光ファイバーコネクタは、上記の課題を解決するために、コネクタ本体に挿入された光ファイバーの先端に位置する樹脂注入部にレンズが形成されている光ファイバーコネクタにおいて、上記コネクタ本体は、光ファイバーを挿入するための第1パイプと、当該第1パイプを挿入するための第2パイプとからなり、上記レンズが、第1樹脂および第2樹脂から形成されているとともに、上記レンズの表面が、第2樹脂から形成されており、第1樹脂の使用量は、第2樹脂の使用量よりも多く、上記レンズの表面は、第2樹脂の自重および表面張力によって形成されたものであり、上記レンズの表面の形状が、上記コネクタ外径に対する光ファイバーの取り付け誤差を含めて、制御されたものであることを特徴としている。
上記の発明によれば、コネクタ本体が、光ファイバーが挿入される第1パイプと当該第1パイプを挿入するための第2パイプとから構成されている。したがって、簡便かつ確実にコネクタ本体の中心に光ファイバーを保持することができる。すなわち、光軸を高精度にあわせることができる。その結果、光ファイバーの光軸のズレを解消することができる。それゆえ、コネクタの接続損失を防止することができる。
また、上記の発明によれば、レンズが、第1樹脂および第2樹脂から形成されているため、レンズ形成の際の樹脂の硬化後に見られる体積収縮を抑制することができる。したがって、第2樹脂の硬化によるレンズ表面の形状の変化を小さくすることができる。すなわち、レンズ形状の曲率の変化を小さくすることができる。換言すれば、容易にレンズ形状を制御することができる。
本発明の光ファイバーコネクタにおいて、上記コネクタ本体は、ステンレスからなることが好ましい。
コネクタ本体がステンレスのような比較的硬い金属から形成されていれば、従来のように樹脂から形成されている場合よりも、機械的強度が強くなる。したがって、第1パイプに加えて、第2パイプがステンレス製のものであれば、一層機械的強度が強くなる。例えば、ステンレスのような硬い金属でコネクタ本体が形成されていれば、本発明の光ファイバーコネクタを組み合わせて光ファイバーカプラーを形成した場合、当該光ファイバーコネクタの着脱時に生じるコネクタ間の磨耗が生じない。
また、コネクタ本体が金属パイプから構成されていると、コネクタ本体が樹脂の場合よりも、レンズ形成時の気泡の発生を抑制することができる。その結果、気泡の発生による樹脂の体積収縮を低減することができる。したがって、容易かつ高精度にレンズ形状を制御することができる。それゆえ、集光特性が向上した光ファイバーコネクタを製造することができる。
本発明の光フィアバーコネクタにおいて、上記レンズは、屈折率の異なる複数の樹脂からなるが好ましい。つまり、上記第1樹脂および第2樹脂とは、互いに屈折率が異なるものであることが好ましい。さらに、上記レンズの表面は、上記複数の樹脂のうち、最も屈折率の大きい樹脂からなるがより好ましい。つまり、上記第2樹脂の屈折率が、上記第1樹脂の屈折率よりも大きいことがより好ましい。
本発明にかかる光ファイバーコネクタは、例えば、以下のようにして製造することができる。
すなわち、本発明にかかる光ファイバーコネクタの製造方法は、上記の課題を解決するために、コネクタ本体に挿入された光ファイバーの先端に位置する樹脂注入部にレンズが形成されている光ファイバーコネクタの製造方法において、光ファイバーを挿入するための第1パイプを、当該第1パイプを挿入するための第2パイプに挿入してコネクタ本体を形成するコネクタ形成工程と、上記コネクタ形成工程により形成された上記コネクタ本体の上記第1パイプに光ファイバーを挿入するファイバー挿入工程と、上記樹脂注入部に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を注入してレンズを形成するレンズ形成工程とを含み、上記レンズ形成工程は、上記レンズを、第1樹脂および第2樹脂から形成するとともに、第1樹脂の使用量を、第2樹脂の使用量よりも多くし、第2樹脂の自重および表面張力によって、上記レンズの表面を形成することにより、上記コネクタ外径に対する光ファイバーの取り付け誤差を含めて、上記レンズの表面の形状を制御することを特徴としている。
上記の工程によれば、第1パイプに光ファイバーを挿入した後、または、挿入する前に、上記第1パイプを第2パイプに挿入してコネクタ本体としている。それゆえ、光ファイバーを確実にコネクタ本体の中心に保持することができる。すなわち、光軸を高精度にあわせることができる。その結果、光ファイバーの光軸のズレを解消し、コネクタの接続損失を防止することができる。それゆえ、レンズの光軸を補正する工程を別途設ける必要がないので、従来よりも工程数を減らすことができ、簡便に光ファイバコネクタを製造することができる。
また、上記の発明によれば、レンズを、第1樹脂および第2樹脂から形成するため、レンズ形成の際の樹脂の硬化後に見られる体積収縮を抑制することができる。したがって、第2樹脂の硬化によるレンズ表面の形状の変化を小さくすることができる。すなわち、レンズ形状の曲率の変化を小さくすることができる。換言すれば、容易にレンズ形状を制御することができる。
本発明にかかる光ファイバーコネクタの製造方法において、上記レンズ形成工程は、上記樹脂注入部に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる第1樹脂を注入し当該第1樹脂を硬化させる第1樹脂注入硬化工程と、上記硬化させた第1樹脂上に、さらに、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる第2樹脂を注入して素レンズを形成する第2樹脂注入工程と、上記第2樹脂を硬化させてレンズを形成する第2樹脂硬化工程とを含むことが好ましい。
上記の工程によれば、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる第1樹脂を、樹脂注入部に注入して硬化させた後、さらに当該硬化した第1樹脂上に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる第2樹脂を注入している。すなわち、2種類の樹脂を段階的に注入して2度の注入・硬化の工程を経て、第1樹脂および第2樹脂からなるレンズを形成している。これにより、樹脂の硬化による体積収縮の影響を低減することができる。したがって、容易かつ高精度にレンズ形状を制御することができる。それゆえ、レンズの集光特性が向上した光ファイバーコネクタを製造できる。
本発明にかかる光ファイバーコネクタの製造方法において、上記第2樹脂の屈折率が、上記第1樹脂の屈折率よりも大きいことが好ましい。
上記の発明によれば、光は屈折率の小さい第1樹脂から、屈折率の大きい第2樹脂の方に抜けて屈折される。したがって、レンズ面に相当する第2樹脂の屈折率が大きければ、波面収差を小さくすることができる。その結果、高い集光特性が得られる。また、「第2樹脂の屈折率が第1樹脂の屈折率よりも大きい」というのは、換言すれば、「第1樹脂と第2樹脂とが異なる樹脂である」ということもできる。このように、屈折率の異なる2種類の樹脂を用いてレンズが形成されていれば、一層体積収縮を低減することができ、集光特性を向上させることができる。
また、上記第1樹脂および第2樹脂が紫外線硬化樹脂からなり、紫外線を照射することにより硬化させることが好ましい。
第1樹脂および第2樹脂として、紫外線硬化樹脂のような光硬化性樹脂を用いれば、樹脂注入部に注入した紫外線硬化樹脂に紫外線(UV)を照射するだけで樹脂を硬化させることできる。すなわち、紫外線硬化樹脂を用いた場合、紫外線照射した後、熱を加えて硬化させなくてもよい。したがって、熱硬化性樹脂を用いる場合よりも製造工程がより簡略化できる。
また、上記第2樹脂硬化工程は、上記素レンズを透過する光の波面収差を測定し、上記コネクタ外径に対するファイバーの取り付け位置誤差を含めて、当該波面収差がゼロに近づくような形状とするともに、上記第2樹脂の自重および表面張力によって、レンズ面を形成することが好ましい。
上記の発明によれば、第2樹脂硬化工程では、素レンズを透過する光の波面収差がゼロに近づくような形状となるように、第2樹脂を硬化させている。したがって、前述のように、体積収縮による影響が低減されているので、従来のように、予め体積収縮を認知することなく第2樹脂を硬化させることができる。
また、本発明の光接続装置は、光源または光情報を出力する光情報出力手段と、前記光源または光学情報出力手段からの出力光を光学的に接続する上記光ファイバーコネクタと、上記光源または光学情報出力手段と上記光ファイバーコネクタとを設置するための溝が形成された設置手段とを備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、本発明の光ファイバーコネクタを利用しているので、設置手段の溝に、光ファイバーコネクタと光源または光情報出力手段とを配置するだけで、光軸が一致する。それゆえ、簡便でしかも高精度の光接続が可能となる。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
本発明の実施の一形態について、図1、図2(a)〜図2(e)、図4および図5に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
1.本発明にかかる光ファイバーコネクタ
本発明にかかる光ファイバーコネクタは、光ファイバーが挿入するための第1パイプと、当該第1パイプを挿入するための第2パイプとからコネクタ本体が形成されており、光ファイバーの先端に位置する樹脂注入部に樹脂が注入され硬化されてコリメートレンズが形成されている。このコリメートレンズにより、光ファイバーからの出力光を平行光としている。
具体的には、図1に示されるように、光ファイバコネクタ19は、第1パイプ20と当該第1パイプ20を挿入するための第2パイプ21a〜21cから形成されるコネクタ本体の一方の端部に光ファイバー線23の端部を配置し、光ファイバー線23の端部から導出されたファイバー24が第1パイプ20に挿入されている。図1の光ファイバーコネクタ19においては、第1パイプ20と3本の第2パイプ21a〜21cとを組み合わせることにより、第1パイプ20がコネクタ本体の中心となるようにコネクタ本体を形成している。なお、各パイプおよび光ファイバー線23は、紫外線硬化樹脂などの樹脂剤22によって接着して固定されている。樹脂剤22によって固定する他にも、各パイプをかしめることによっても固定することができる。
コネクタ本体のもう一方の端部には、光ファイバー線23のファイバー24の先端面と接合するするように充填された第1樹脂25および第2樹脂26からなるコリメートレンズが形成され、その表面(第2樹脂の表面)がレンズ面となる。光ファイバー線23のファイバー24の先端からの出力光は、図中の破線矢印で示されるようにレンズ面により平行光(ファイバーコリメート光)となる。
このような本発明にかかる光ファイバーコネクタによれば、確実にコネクタ本体の中心にファイバー24を挿入することができる。それゆえ、光軸がずれることなく高精度に光ファイバーを接続することができる。
なお、図1に示される光ファイバーコネクタは、前述のように、計4本のパイプからコネクタ本体を形成したが、これに限定されるものではなく、組み合わせる金属パイプの数、長さなどは適宜変更が可能である。
また、上記コネクタ本体を形成する金属パイプの金属としては、特に限定されるものではないが、例えば、銅、アルミニウム、亜鉛など、および、SUS(ステンレス)、真鍮などの合金を挙げることができる。上記金属が、例えばSUSなどのように硬いものであれば、本発明にかかる光ファイバーコネクタを組み合わせて光ファイバーカプラーを形成した場合、当該光ファイバーカプラーの着脱時に生じる磨耗を低減することができる。一方、上記金属が、例えば銅や真鍮などのように比較的軟らかいものであれば、加工しやすい光ファイバーコネクタとすることができる。なお、後述の実施例では、コネクタ本体として、SUS製の金属パイプを使用している。
また、光ファイバーを挿入する第1パイプの外径は、ファイバーが挿入できれば特に限定されるものではないが、挿入するファイバーにより近いほうが好ましい。第1パイプの内径とファイバーの径とが近ければ、一層精度よくコネクタ本体の中心にファイバーを保持することができる。例えば、後述の実施例では、内径130μmの注射針を使用している。このような注射針は、光ファイバーの径とほぼ同様の大きさであるので好適に用いることができ、また、入手も容易である。
また、第1パイプを挿入するための第2パイプの内径は、第1パイプが挿入できれば特に限定されるものではないが、挿入する第1パイプの内径とほぼ同一であることが好ましい。これにより、確実にコネクタ本体の中心にファイバーを保持することできる。
また、第1パイプと第2パイプとから構成されるコネクタ本体の外径は、特に限定されるものではないが、一般的に使用されるコネクタ径は、2.5mmであるため、これに近いほうが好ましい。例えば、外径2.4mmのステンレス製パイプは、容易に入手できるため好ましい。
なお、図1では、コネクタ本体がすべて金属パイプから形成されている光ファイバコネクタについて説明した。しかし、コネクタ本体は、少なくとも光ファイバーが挿入される第1パイプが金属パイプであればよい。この場合、その他のコネクタ本体を構成する部材は、第1パイプに挿入された光ファイバーがコネクタ本体の中心に保持することができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、第1パイプ以外はパイプ状となっていない金属、樹脂、などであってもよい。しかし、上記のように、すべて金属パイプからコネクタ本体が形成されていると、(1)金属パイプであれば入手も容易であり、かつ低コストである;(2)適当な長さに切断したりする加工が容易である;(3)レンズ形成時に気泡の発生が低減できる;(4)カプラーを形成したときに磨耗しない;といった利点がある。
このように、コネクタ本体が金属であれば、樹脂の場合よりもレンズ形成時の気泡の発生を抑制することができる。また、コネクタ本体が金属であれば、機械的強度の強い光ファイバーコネクタとすることができる。さらに、コネクタ本体が樹脂の場合にはコネクタ本体を形成するための金型が必要となるが、金属の場合は不要である。
なお、コネクタ本体が金属の場合、樹脂の場合よりも気泡の発生が少なくなる原因としては、表面張力(ぬれやすさ)の違いが考えられる。金属と樹脂との表面張力を比較すると、金属の方が樹脂よりも表面張力が小さい。したがって、従来のようにコネクタ本体が樹脂である場合、樹脂を注入してレンズを形成するときに、ぬれにくいために気泡が発生しやすいと考えられる。これに対して、コネクタ本体が金属である場合、樹脂を注入してレンズを形成するときに、ぬれやすいために気泡が発生しにくいと考えられる。
なお、得られる平行光(ファイバーコリメート光)の特性は、後述するレンズの曲率、レンズ長、樹脂の屈折率、コリメート光のビーム径により変化する。
2.本発明にかかる光ファイバーコネクタの製造方法
本発明にかかる光ファイバーコネクタの製造方法は、
(a)光ファイバーを挿入するための第1パイプを、当該第1パイプを挿入するための第2パイプに挿入してコネクタ本体を形成する工程(コネクタ形成工程)と、
(b)上記コネクタ形成工程により形成された上記コネクタ本体の上記第1パイプに光ファイバーを挿入する工程(ファイバー挿入工程)と、
(c)上記樹脂注入部に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を注入してレンズを形成する工程(レンズ形成工程)と、
を含んでいる。
以下、上記(a)〜(c)の工程について説明する。
(a)コネクタ形成工程
まず、図2(a)に示されるようなコネクタ本体の形成について説明する。本実施形態では、光ファイバー線23のファイバー24を挿入するための第1パイプ20と、当該第1パイプを挿入するための3本の第2パイプ21a〜21cとからコネクタ本体を形成している。第1パイプと第2パイプとを固定するには、紫外線硬化樹脂などの樹脂剤22を用いて固定することもできるし、外部からかしめることによっても固定することができる。
このように、第1パイプと、当該第1パイプと対称となるように複数の第2パイプとを組み合わせて、コネクタ本体が形成される。
なお、コネクタ本体を形成したときに、第1パイプがコネクタ本体の中心となっていれば、第2パイプの組み合わせは特に限定されない。
(b)ファイバー挿入工程
次に、上記(a)のコネクタ形成工程により形成されたコネクタ本体の第1パイプ20にファイバー24を挿入する。前述のように、第1パイプ20が、コネクタ本体の中心になるように第2パイプ21a〜21cを組み合わせている。したがって、ファイバー24は、容易かつ確実にコネクタ本体の中心に保持されるので、光軸はずれない。それゆえ、従来のように後続の工程で光軸のズレを補正する工程を行わなくてもよい。
なお、上記工程(a)および工程(b)の説明では、第1パイプおよび第2パイプを組み合わせてコネクタ本体を形成した後、ファイバー24を挿入しているが、最初に第1パイプ20にファイバー24を挿入した後、当該ファイバー24が挿入された第1パイプ20に対して対称となるように第2パイプ21a〜21cを組み合わせてコネクタ本体としてもよい。すなわち、まずファイバーを第1パイプに挿入した後、コネクタ本体を形成してもよい。
(c)レンズ形成工程
続いて、図2(a)に示される、樹脂注入部27に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を注入してレンズを形成する。本実施形態においては、このレンズ形成工程は、さらに、i)樹脂注入部に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる第1樹脂を注入し当該第1樹脂を硬化させる第1樹脂注入硬化工程と、ii)上記硬化させた第1樹脂上に、さらに、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる第2樹脂を注入して素レンズを形成する第2樹脂注入工程と、iii) 上記第2樹脂を硬化させてレンズを形成する第2樹脂硬化工程とを含んでいる。
i)第1樹脂注入硬化工程
図2(b)に示されるように、前述したコネクタ本体の前端からファイバー24の導出端前方に位置する樹脂注入部27に第1樹脂25を注射器などの樹脂注入器28により注入する。
続いて、図2(c)に示されるように、光照射または熱を加えることにより、第1樹脂25を硬化させる(図2(c)では、紫外線照射の例)。なお、注入する第1樹脂25の量は特に限定されるものではなく、適当な量を注入すればよい。また、第1樹脂25を硬化する条件は、用いた樹脂の種類によって異なるので適宜設定すればよい。
第1樹脂25としては、例えば、紫外線硬化樹脂などの光硬化性樹脂、または熱硬化性樹脂を用いることができる。ここで、上記「光硬化性樹脂」とは、光照射によって硬化する性質を有している樹脂を意味する。また、上記「紫外線硬化樹脂」とは、紫外線(UV)の照射により硬化する性質を有している樹脂を意味する。光硬化性樹脂は、例えば、アクリレート系化合物、エポキシ系化合物などのモノマーに、光重合開始剤を添加して製造することができる。光重合開始剤としては、アクリレート系化合物の場合、ベンゾイン、ベンゾフェノンなどのラジカル発生化合物を用いることができ、エポキシ系化合物の場合、アリルジアゾニウム、クロロホウ酸塩などのオニウム塩を用いることができる。
第1樹脂として紫外線硬化樹脂などの光硬化性樹脂を用いた場合、紫外線照射した後、熱を加えて硬化させなくてもよい。したがって、熱硬化性樹脂を用いる場合よりも製造工程がより簡略化できる。
また、第1樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、コネクタ本体が金属パイプなどの金属で形成される場合、樹脂で形成される場合よりも熱伝導性がよくなる。したがって、コネクタ本体が樹脂の場合よりも容易に硬化できる。
第1樹脂25は、さらに、流動性があって狭小な空間へ注入することができる性質を有してもよい。このような性質を有していれば、樹脂注入部27の樹脂注入口を下方に向けて第1樹脂25を上方に向けて注入する場合(図1とは逆向きに第1樹脂25を注入する場合)であっても、当該第1樹脂25が樹脂注入部27から落下することを防ぐことができる。
ii)第2樹脂注入工程
次に、図2(d)に示すように第1樹脂25上に、さらに第2樹脂26を樹脂注入器28により注入して、素レンズを形成する。すなわち、素レンズは、第1樹脂25および第2樹脂26から形成されている。そして、素レンズの表面、すなわち、注入された第2樹脂26の表面がレンズ面に相当する。なお、図2(e)などでは、第1樹脂25と第2樹脂26との境界が明確であるが、各樹脂の組成に大きな違いはないので、境界面はほとんど見られない。
第2樹脂26の注入量は、コネクタ本体の先端(樹脂注入部27の高さ)よりも高くなるまで注入すればよい。これにより、注入した第2樹脂26の自重および表面張力によって、第2樹脂26の表面が凸状となり、素レンズが形成される。
このように、第1樹脂25および第2樹脂26からコリメートレンズが構成されている。そして、第1樹脂25から第2樹脂26の表面(レンズ面)までがレンズ長に相当する。したがって、レンズ長は第1樹脂25および第2樹脂26の注入量に依存する。
なお、第2樹脂26も、第1樹脂25と同様、光硬化樹脂および熱硬化性樹脂を用いることができる。前述のように、第2樹脂として紫外線硬化樹脂を用いた場合、熱硬化性樹脂を用いる場合よりも製造工程がより簡略化できる。また、熱硬化性樹脂を用いた場合、コネクタ本体が金属であれば、熱伝導性がよくなる。それゆえ、コネクタ本体が樹脂の場合よりも容易に硬化できる。
ここで、第1樹脂25と第2樹脂26との屈折率の差が大きいことが好ましく、第2樹脂26の屈折率が第1樹脂25の屈折率よりも大きいことがより好ましい。第2樹脂26の表面がレンズ面に相当するので、ファイバー24からの出力光は屈折率の小さい第1樹脂25から屈折率の大きい第2樹脂26を抜けて屈折される。屈折率の小さい方から大きい方に光が抜けると、光が屈折され集光するには有利に作用する。したがって、第2樹脂26の屈折率が第1樹脂25の屈折率より大きければ、波面収差を小さくでき集光特性が向上する。なお、第1樹脂25および第2樹脂26には、屈折率を上昇させるための試薬(例えば、ハロゲン化合物(好ましくは臭素)を含むモノマーなど)が添加されたものであってもよい。
第2樹脂26として表面張力が大きい樹脂を用いた場合、第2樹脂26の表面は曲率が小さな凸状となる。すなわち、レンズ面の曲率が小さいレンズを形成することができる。逆に、第2樹脂として表面張力が小さい樹脂を用いた場合、第2樹脂の表面は曲率が大きな凸状となる。すなわち、レンズ面の曲率が大きいレンズを形成することができる。
また、第2樹脂26は、前述のように、流動性があって狭小な空間へ注入することができる性質を有していてもよい。このような性質を有していれば、樹脂注入部27の樹脂注入口を下方に向けて第2樹脂26を上方に向けて注入した場合であっても、当該第2樹脂26が樹脂注入部27から落下することを防ぐことができる。
iii) 第2樹脂硬化工程
続いて、上記工程ii)によって形成された素レンズを透過する光の波面収差を測定しながら、第2樹脂26を硬化させてレンズ面(第2樹脂26の表面)とすると共にレンズを形成する。波面収差の測定方法としては、公知の測定方法を適用することができる。例えば、シャックハルトマン波面計測器を利用することができる。シャックハルトマン波面測定器の原理は、多数のマイクロレンズを配置したレンズアレイと、当該レンズアレイの各マイクロレンズによる測定光のそれぞれの結像位置を記録するカメラなどで構成される。マイクロレンズは、測定光線の形状に合わせて空間分解能の高いものやダイナミックレンジの広いものを選定すればよい。シャックハルトマン波面計測器内のレンズアレイでは、それぞれのマイクロレンズの焦点位置に点像を結び、その出力光(測定光)の結像位置をカメラにより記録する。
ここで、シャックハルトマン波面計測器では、所望のレンズ面の基準データに基づいてマイクロレンズによる結像位置が予め設定されている。したがって、その基準データによる結像位置と出力光(測定光)の結像位置との差、つまり、結像位置のずれ(ずれ量とずれ方向)は、波面の傾きに対応していることから波面を測定することができる。
このようにして、素レンズの波面測定を行った後、第2樹脂26の種類に基づいて光照射または熱を加えることによって第2樹脂26を硬化させる。これにより、レンズ面(第2樹脂26の表面)が形成され、コリメートレンズが完成する。
このように本実施形態においては、第1樹脂25および第2樹脂26から構成されるレンズが、2段階で注入される。その結果、樹脂の硬化後に見られる体積収縮を抑制することができる。したがって、第2樹脂26の硬化によるレンズ表面の形状の変化を小さくすることができる。すなわち、レンズ形状の曲率の変化を小さくすることができる。換言すれば、容易にレンズ形状を制御することができる。また、波面収差がゼロに近づくような形状に第2樹脂26を硬化させているため、集光特性を向上させることができる。
以上のようにして、光ファイバーコネクタを製造することができる。
本製造方法では、第1樹脂および第2樹脂の自重および表面張力によって、コリメートレンズを形成している。また、コリメートレンズを形成するときに、波面収差を測定し、コネクタ本体の外面を基準にして光軸を調整している。このため、コネクタ本体の外面に平行な光軸を有するコリメート光が得られる。したがって、このような光ファイバーコネクタ同士は、光ファイバーコネクタ同士を溝に設置するなどして、光ファイバーコネクタ同士を配置するだけで光軸が一致する。それゆえ、簡便にしかも高精度に軸合わせを行うことができる。
ところで、光ファイバーコネクタ同士の接続、および、光ファイバーコネクタと電気−光または光−電気変換器(ONU)との接続は、高精度に位置合わせを行い、それぞれの光軸を一致させる必要がある。光軸がずれると、高精度に光接続または分岐することができなくなるためである。従来、高精度の部品を用いて光軸の位置合わせを行っていたが、この作業は熟練を要し、実用的であるとは言いがたい。
これに対し、本発明の光ファイバーコネクタのコネクタ本体は、上記第1パイプおよび第2パイプから構成され、確実にコネクタ本体の中心に光ファイバーを保持することができる。これにより、光ファイバーコネクタ同士を、光軸がずれることなく、高精度に接続することができる。より具体的には、図4に示すように、各光ファイバーコネクタ19のコリメートレンズを内側に向けて対向配置するように、2つの光ファイバーコネクタ19を、V字等の溝が形成された設置手段35に配置するだけで、簡便にしかも高精度に、光ファイバーコネクタ19同士を接続することができる。この場合、一方の光ファイバーコネクタ19のファイバー光40は、コリメートレンズによってコリメート光41に変換された後、他方の光ファイバーコネクタ19のコリメートレンズによって、再びファイバー光40となる。
また、本発明の光ファイバーコネクタは、光ファイバーコネクタ同士の接続ばかりではなく、例えば、半導体レーザ(光源)のレーザ光(出力光)も、高精度に光接続することができる。より具体的には、図5に示すように、半導体レーザ37のレーザ光をコリメート光41とするコリメートレンズ36と、光ファイバーコネクタ19とを、コリメートレンズ同士が内側に対向するように、設置手段35に配置する。これにより、半導体レーザ37のレーザ光をコリメートレンズ36によりコリメート光41とし、それを光ファイバーコネクタ19のコリメートレンズによって集光して、光接続することができる。
このように、本発明によれば、光ファイバーコネクタ同士、または、光ファイバーコネクタとその他の光学部材(光源・光学情報出力手段)とを、簡便にしかも高精度にコリメート光を介して光接続することができる。本発明の光ファイバーコネクタを用いれば、従来のように、高精度の部品を用いた位置合わせや、半導体レーザに接近させるといった操作を行うことなく、高精度に光接続することができる。すなわち、従来行う必要のあった高精度の部材による光軸の位置合わせを行うことなく、光接続することができる。
図4および図5に示したような光ファイバーコネクタ19を用いた光学的な接続は、光ファイバーコネクタ19を実用化するための光接続装置と換言できる。すなわち、本発明には、上記光ファイバーコネクタを用いて光源または光情報出力手段からの出力光を光学的に接続する光接続装置も含まれる。例えば、図4および図5に示すように、光ファイバーコネクタ19またはコリメートレンズ36を備えた半導体レーザ(光源)37と、光ファイバーコネクタ19とが、V溝入り設置手段35に設置された光接続装置も含まれる。前述のように、光ファイバーコネクタ19は、コネクタ本体に対して平行な光が得られるので、溝が形成された設置手段に設置するという単純な作業で、光軸が一致し、それぞれを高精度に光学的に接続することが可能である。
なお、図4および図5では、V字状の溝が形成された設置手段35を用いているが、光ファイバーコネクタ19や光源などの光学部材(光情報発生手段)を固定して配置できれば、その形状等は、特に限定されるものではない。また、設置手段35の構造は特に限定されるものではない。また、同じ光ファイバーコネクタ同士を光学的に接続する場合は、設置手段35の溝に配置するだけでそれぞれの光軸が高精度に一致する。また、設置手段35には、溝が形成されている以外にも、光ファイバーコネクタと、光源または光情報出力手段との位置を固定する固定部を有していればよい。この固定部としては、例えば、L字コーナー、U字コーナーなどのストッパーを設けることが挙げられる。設置手段35の空間的な形状を考慮すると、設置手段35に溝が形成されていることが好ましい。
また、本実施形態では、第1樹脂および第2樹脂の2段階(2工程)で樹脂を注入してレンズを形成しているが、注入する樹脂は、2段階に限らずそれ以上の樹脂を用いることもできる。この場合、最後に注入した樹脂を、前述したような波面収差を測定しながら硬化させればよい。また、第1樹脂のみ(1工程)でレンズを形成することもできる。
本発明製造方法により得られる光ファイバコネクタは、ほぼ同様な光ファイバコネクタと組み合わせて、光ファイバーを接続する光ファイバーカプラーとして利用することができる。すなわち、本発明にかかる光ファイバーコネクタの製造方法に、さらに一対の光ファイバーコネクタを固定する工程を加えることにより、光ファイバーカプラーを製造することができる。
前述のように、本発明の光ファイバーコネクタは、コネクタ本体の中心にファイバーを保持できる。したがって、当該光ファイバーコネクタを組み合わせて得られる光ファイバーカプラーは、高精度に光ファイバーを接続または分岐することができる。
なお、上記の説明では、図1に示すように、第1樹脂25および第2樹脂26からなるコリメートレンズを有する光ファイバコネクタ19について説明したが、コリメートレンズを形成する樹脂の種類(数)は特に限定されるものではない。すなわち、本発明の光ファイバーコネクタは、1種以上の樹脂からなるコリメートレンズを有していればよい。複数の樹脂(好ましくは、レンズ表面となる樹脂の屈折率が大きい樹脂)からなるコリメートレンズを有していると、集光特性が向上するため好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例では光ファイバーを挿入する第1パイプとして、内径0.13mm−外径0.40mmのステンレス製のパイプを使用した。また、当該第1パイプを挿入するための第2パイプとして、内径0.40mm−外径2.0mm、内径2.0mm−外径2.4mmの2本のパイプを用いた。最初に、第1パイプと当該第1パイプを挿入するための3本の第2パイプとを組み合わせてコネクタ本体を形成した。これにより、確実に第1パイプはコネクタ本体の中心となった。その後、光ファイバーを第1パイプに挿入した。なお、第1パイプと第2パイプとの組み合わせには、固定するための樹脂剤(接着剤)として紫外線硬化樹脂を使用した。
まず、光ファイバーコネクタの樹脂注入部に、第1樹脂として紫外線硬化樹脂MP−101(硬化樹脂屈折率;1.45、三菱レーヨン社製)を注入した後、紫外線を照射し第1樹脂を硬化した。次に、第1樹脂上にさらに第2樹脂として紫外線硬化樹脂UT1059(硬化樹脂屈折率;1.58、三菱レーヨン社製)を注入して素レンズを形成した。続いて素レンズを透過する波面収差をシャックハルトマン波面計測器によって測定しながら、波面収差がゼロに近づいたところで紫外線を照射して第2樹脂を硬化させて光ファイバーコネクタのコリメートレンズを製造した。得られたコリメートレンズの波面収差は1.3λ以下(λ:1.5μm)であり、レンズ長は2.8mmであった。なお、硬化前と硬化後のコリメートレンズの波面収差にはほとんど差が見られなかった。また、第1樹脂および第2樹脂注入時および樹脂硬化時には、気泡の発生がほとんど見られなかった。
〔実施例2〕
光ファイバーを挿入する第1パイプとして、内径0.13mm、外径0.35mmのステンレス製のパイプを使用した。また、当該第1パイプを挿入するための第2パイプとして、内径0.36mm−外径0.6mm、内径0.6mm−外径0.75mm、内径0.76mm−外径1.0mm、内径1.0mm−外径2.3mmの4本の第2パイプを使用した。これにより、確実に第1パイプはコネクタ本体の中心となった。その後、光ファイバーを第1パイプに挿入した。なお、第1パイプと第2パイプとの組み合わせには、固定するための樹脂剤(接着剤)として紫外線硬化樹脂を使用した。
〔実施例3〕
第1樹脂として紫外線硬化樹脂MP−101(硬化樹脂屈折率;1.45、三菱レーヨン社製)を用い、第1樹脂単独でレンズを形成する以外は、実施例1とほぼ同様の方法により、光ファイバコネクタのコリメートレンズを製造した。得られたコリメートレンズのレンズ長は2.7mmであり、体積収縮により実施例1の場合と比較するとレンズ長が1.5%短いものとなった。また、得られたコリメートレンズの波面収差は約0.5λであった。なお、硬化後のコリメートレンズの波面収差は約2.5λであった。また、第1樹脂の硬化時に発生する気泡は、実施例1の場合よりも少なかった。
尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
以上のように、本発明によれば、コネクタ本体は、光ファイバーを挿入する第1パイプと当該第1パイプを挿入するための第2パイプとから構成されているので、簡便かつ確実に光ファイバーをコネクタ本体の中心に保持することができるという効果を奏する。すなわち、光ファイバーの光軸を高精度にあわせることができるという効果を奏する。その結果、光ファイバーの光軸のズレを解消することができるという効果を奏する。それゆえ、コネクタの接続損失を防止することができるという効果を奏する。さらに、例えば、本発明の光ファイバーコネクタを溝(例えばV溝)に配置するだけで、光軸がずれることなく、高精度に光接続することができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態にかかる光ファイバーコネクタの断面図である。 本発明の実施の一形態にかかる光ファイバーコネクタの製造方法を説明するための概略図である。 本発明の実施の一形態にかかる光ファイバーコネクタの製造方法を説明するための概略図である。 本発明の実施の一形態にかかる光ファイバーコネクタの製造方法を説明するための概略図である。 本発明の実施の一形態にかかる光ファイバーコネクタの製造方法を説明するための概略図である。 本発明の実施の一形態にかかる光ファイバーコネクタの製造方法を説明するための概略図である。 本願発明者等が提案した光ファイバーコネクタの断面図である。 図1の光ファイバーコネクタ同士を接続する一例を示す斜視図である。 図1の光ファイバーコネクタと、半導体レーザとを接続する一例を示す斜視図である。

Claims (10)

  1. コネクタ本体に挿入された光ファイバーの先端に位置する樹脂注入部にレンズが形成されている光ファイバーコネクタにおいて、
    上記コネクタ本体は、光ファイバーを挿入するための第1パイプと、当該第1パイプを挿入するための第2パイプとからなり、
    上記レンズが、第1樹脂および第2樹脂から形成されているとともに、上記レンズの表面が、第2樹脂から形成されており、
    第1樹脂の使用量は、第2樹脂の使用量よりも多く、
    上記レンズの表面は、第2樹脂の自重および表面張力によって形成されたものであり、
    上記レンズの表面の形状が、上記コネクタ外径に対する光ファイバーの取り付け誤差を含めて、制御されたものであることを特徴とする光ファイバーコネクタ。
  2. 上記コネクタ本体は、ステンレスからなることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバーコネクタ。
  3. 上記第1樹脂および第2樹脂とは、互いに屈折率が異なるものであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバコネクタ。
  4. 上記第2樹脂の屈折率が、上記第1樹脂の屈折率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバーコネクタ。
  5. コネクタ本体に挿入された光ファイバーの先端に位置する樹脂注入部にレンズが形成されている光ファイバーコネクタの製造方法において、
    光ファイバーを挿入するための第1パイプを、当該第1パイプを挿入するための第2パイプに挿入してコネクタ本体を形成するコネクタ形成と、
    上記コネクタ形成工程により形成された上記コネクタ本体の上記第1パイプに光ファイバーを挿入するファイバー挿入工程と、
    上記樹脂注入部に樹脂を注入してレンズを形成するレンズ形成工程とを含み、
    上記レンズ形成工程は、
    上記レンズを、第1樹脂および第2樹脂から形成するとともに、
    第1樹脂の使用量を、第2樹脂の使用量よりも多くし、
    第2樹脂の自重および表面張力によって、上記レンズの表面を形成することにより、上記コネクタ外径に対する光ファイバーの取り付け誤差を含めて、上記レンズの表面の形状を制御することを特徴とする光ファイバーコネクタの製造方法。
  6. 上記レンズ形成工程は、上記樹脂注入部に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる第1樹脂を注入し当該第1樹脂を硬化させる第1樹脂注入硬化工程と、
    上記硬化させた第1樹脂上に、さらに、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂からなる第2樹脂を注入して素レンズを形成する第2樹脂注入工程と、
    上記第2樹脂を硬化させてレンズを形成する第2樹脂硬化工程とを含むことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバーコネクタの製造方法。
  7. 上記第2樹脂の屈折率が、上記第1樹脂の屈折率よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバーコネクタの製造方法。
  8. 上記第1樹脂および第2樹脂は紫外線硬化性樹脂からなり、紫外線を照射することにより硬化させることを特徴とする請求項5または6に記載の光ファイバーコネクタの製造方法。
  9. 上記第2樹脂硬化工程は、上記素レンズを透過する光の波面収差を測定し、上記コネクタ外径に対するファイバーの取り付け位置誤差を含めて、当該波面収差がゼロに近づくような形状とするとともに、上記第2樹脂の自重および表面張力によって、レンズ面を形成することを特徴とする請求項6に記載の光ファイバーコネクタの製造方法。
  10. 光源または光情報を出力する光情報出力手段と、前記光源または光学情報出力手段からの出力光を光学的に接続する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバーコネクタと、上記光源または光学情報出力手段と上記光ファイバーコネクタとを設置するための溝が形成された設置手段とを備えていることを特徴とする光接続装置。
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