JP3891920B2 - 溶接材料、これを用いた溶接方法及びタービンロータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶接材料、これを用いた溶接方法及びタービンロータに関し、特に地熱発電所で用いるタービンロータに適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
地熱発電に用いる蒸気タービン、すなわち腐食性ガス等を大量に含む環境下で使用する蒸気タービンのタービンロータの材料としては、鉄に僅かに合金元素を添加した、いわゆる低合金鋼が汎用されている。かかる低合金鋼で形成した蒸気タービンを、地熱蒸気中等の腐食環境下で用いた場合、応力腐食割れ及び腐食疲労等で当該タービンロータに亀裂が発生して運転を継続することが不可能になる場合がある。
【0003】
タービンロータに応力腐食割れ及び腐食疲労等を生起して運転の継続が不可能になった場合の最も簡易な対策としてタービンロータの取り替えが挙げられる。しかし、タービンロータの一部が損傷しただけで全体を取り替えることは、経済的な不利益をもたらすことになる。
【0004】
このため、亀裂等の発生部分について溶接補修を行うことにより、その後の使用に供している。かかる溶接補修を行う場合、従来においては、当該タービンロータの母材(低合金鋼)と同一材料の溶接材料を用いる肉盛溶接等で対処している。
【0005】
地熱蒸気環境下における十分な耐食性の確保と、必要な強度と靱性を有するタービンロータ用合金鋼を開示する公知文献として特許文献1がある。この特許文献1は、耐食性を確保するため所定量のCrを基礎にして靱性及び耐食性向上のため低C化を図り、それにより低下した焼入れ性をNiの多量添加で確保するとともに靱性を大きく向上させ、さらにCuを添加して強度と耐食性を向上させたロータ材を開示するものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−3695号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く従来技術に係る溶接補修においては、タービンロータ材と同種の低合金鋼を補修材として用いているので、溶接補修後の使用の際、再度亀裂が発生してしまうことになる。
【0008】
一方、低合金鋼よりも耐食性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼(12Cr鋼)を用いて溶接により欠陥部を補修することで、タービンロータの製造時よりも耐食性が優れたタービンロータとすることができる可能性はある。しかし、この場合、溶接材料や施工方法が適切でないと、耐食性は逆に低合金鋼よりも劣ることとなる。また、初めから耐食性の優れた12Cr鋼でロータ全体を作る場合、製造方法に制限があり、さらに合金元素も多く必要とすることから低合金鋼のロータ材に比べて工期が長くなり、コストも高騰するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑み、地熱発電等、腐食性ガスに晒される苛酷な環境で使用しても十分な耐食性を有するとともに、コストも低廉な溶接材料、これを用いた溶接方法及びタービンロータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の構成は次の点を特徴とする。
【0011】
<溶接材料>
1) 重量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.1〜1.0%、Ni:4.0〜6.0%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.1〜1.2%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなること。
【0012】
2) 重量%で、C:0.03〜0.06%、Si:0.15〜0.25%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなること。
【0013】
3) 重量%で、C:0.04〜0.05%、Si:0.18〜0.22%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなること。
【0014】
4) 重量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.1〜1.0%、Ni:4.0〜6.0%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.1〜1.2%、V:0.01〜0.10%、N:0.001%〜0.070%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなること。
【0015】
5) 重量%で、C:0.03〜0.06%、Si:0.15〜0.25%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%、N:0.035〜0.070%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなること。
【0016】
6) 重量%で、C:0.04〜0.05%、Si:0.18〜0.22%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%、N:0.05〜0.07%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなること。
【0017】
上記1)乃至6)に記載する溶接材料の成分限定理由は、次のa)乃至h)に示す通りである。
【0018】
a) C(炭素):Cは本発明に係る溶接材料の中で最も重要な元素の一つであり、材料強度や耐食性に大きな影響を与える。0.01%よりも少ないと十分な材料強度は得られない。また、0.08%を超える量を添加すると、Cr炭化物の量が多くなり、耐食性を低下させる。
【0019】
このために、0.01〜0.08%とする(上記1)、4)参照。)。なお、好ましい範囲は0.03〜0.06%(上記2)、5)参照。)、特に好ましい範囲は0.04〜0.05%(上記3)、6)参照。)である。
【0020】
b) Si(珪素):Siは脱酸剤として有用な元素であるが、その量が多くなると靱性や延性を低下させる。0.03%未満であると、十分な脱酸が行えない。また、0.8%を超える量を添加すると靱性(衝撃特性)が劣化する。
【0021】
このために、0.03〜0.3%(上記1)、4)参照。)とする。なお、好ましい範囲は0.15〜0.25%(上記2)、5)参照。)、特に好ましい範囲は0.18〜0.22%(上記3)、6)参照。)である。
【0022】
c) Mn(マンガン):Mnも脱酸剤として有用な元素である。また、不純物のSと結びついて脆化を防止する。0.1%未満であるとその効果は十分ではなく、また1%よりも多く添加すると、それ自身の存在で靱性が低下する。
【0023】
このため、0.1〜1%(上記1)、4)参照。)とする。なお、好ましい範囲は0.3〜0.7%(上記2)、3)、5)、6)参照。)である。
【0024】
d) Ni(ニッケル):NiはCr,Feとともにマトリックス金属を構成する重要な元素である。Niはマトリックスに溶け込むことにより、溶接金属の組織を緻密なマルテンサイトにする。4%未満であると他の元素との兼ね合いから安定したマルテンサイト組織は得られず、一部にδ−フェライトが現れるようになり、延性や靱性を低下させる。また、6%を超える量を添加してもマルテンサイト組織は不安定になり、十分な材料強度が得られない。これは、オーステナイト相が部分的に現れることによる。
【0025】
このために、4〜6%(上記1)、4)参照。)とする。なお、好ましい範囲は5〜5.5%(上記2)、3)、5)、6)参照。)である。
【0026】
e) Cr(クロム):CrもNiやFeとともにマトリックスを構成する元素である。Crは耐食性にとって重要な元素であり、11.5%よりも少ないと十分な耐食性が得られない。また、12.5%を超える量を添加すると、δ−フェライトが生成して延性及び靱性を低下させる。
【0027】
このために11.5〜12.5%(上記1)〜6)参照。)とする。
【0028】
f) Mo(モリブデン):Moは機械的強度を向上させ、また耐食性の向上にも有用である。0.1%未満ではその効果は十分ではなく、1.2%を超えると延性や靱性を低下させる。
【0029】
このために、0.1〜1.2%(上記1)、4)参照。)とする。なお、好ましい範囲は0.3〜1%(上記2)、3)、5)、6)参照。)である。
【0030】
g) V(バナジウム):Vは、微細な炭化物を構成して機械的強度の向上に寄与する。0.01%未満であるとその効果は十分ではなく、0.1%を超えると靱性低下をもたらす。
【0031】
このために、0.01〜0.1%(上記1)〜6)参照。)とする。
【0032】
h) N(窒素):NはCとともに材料強度の向上に寄与する。材料強度を高めていくことが必要なときには必要に応じてNを添加する。Nを添加する代わりにCを添加することで強度確保を行うことも可能であるが、Cを多く添加すると耐食性を低下させるので、Cで高強度材を得ることは実際には不可能である。このために、高強度の材料が求められる場合にはNを添加することになる。
ただし、Nを0.07%以上添加すると靱性を低下させる。
【0033】
このために、0.001〜0.0070(上記4)参照。)とする。なお、好ましい範囲は0.035〜0.07%(上記5)参照。)、特に好ましい範囲は0.05〜0.07%(上記6)参照。)である。
【0034】
<溶接方法>
7) 低合金鋼で形成したタービンロータの損傷部分を肉盛溶接により補修する場合の溶接方法において、
上記1)乃至6)に記載する何れか一つの溶接材料を使用して損傷部分を肉盛溶接で補修する溶接工程と、
その後当該補修部分を所定温度まで加熱する焼き戻し工程とを有すること。
【0035】
8) 上記7)に記載する溶接方法において、
焼き戻し工程における加熱温度を、580°C乃至600°Cとしたこと。
【0036】
9) 低合金鋼で形成したタービンロータの損傷部分を肉盛溶接により補修する場合の溶接方法において、
上記1)乃至6)に記載する何れか一つの溶接材料を使用して損傷部分を肉盛溶接で補修する第1の溶接工程と、
その後当該補修部分を所定温度まで加熱する第1の焼き戻し工程と、
前記第1の溶接工程で用いたのと同じ溶接材料を使用し、前記第1の溶接工程で形成した溶接層に重畳してさらに肉盛溶接を行うことにより当該部分の補修を行う第2の溶接工程と、
その後前記第1の焼き戻し工程よりも低温の所定温度まで、前記補修部分を加熱する第2の焼き戻し工程とを含むこと。
【0037】
10) 上記9)に記載する溶接方法において、
第1の焼き戻し工程における加熱温度を、補修するタービンロータの製造時の焼き戻し温度よりも低い温度にするとともに、
第2の焼き戻し工程における加熱温度を、前記第1の焼き戻し工程よりも低温の580°C乃至600°Cとしたこと。
【0038】
11) 上記9)に記載する溶接方法において、
第1の焼き戻し工程における加熱温度を、620°C乃至660°Cにするとともに、
第2の焼き戻し工程における加熱温度を、580°C乃至600°Cにすること。
【0039】
<タービンロータ>
12) 低合金鋼で形成した母材の表面に、〔請求項7〕に記載する溶接方法により、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を肉盛溶接して形成するコーティング層を設けたこと。
【0040】
13) 低合金鋼で形成した母材の表面に、上記8)に記載する溶接方法により、上記1)乃至6)に記載する何れか一つの溶接材料を肉盛溶接して形成するコーティング層を設けたこと。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0042】
<第1の実施の形態>
本形態に係る溶接材料及び比較材の成分は表1に示す通りである。なお、表1中に記した成分の残部は、Fe及び付随的不純物である。
【0043】
本形態においては、No,1〜No,5の5種類の溶接材料を形成した。これらの成分構成は、何れも〔請求項1〕で特定した溶接材料の成分範囲に含まれている。また、比較材としてNo,6〜No,14の9種類の溶接材料を用意した。なお、表1に示す数値中、下線を付したものが前記〔請求項1〕で特定した数値範囲に含まれないものである。
【0044】
【表1】
【0045】
本形態においては、図1に示すロータ材Aに開先部を形成し、上記各溶接材を用いて溶接部Cを形成した。前記ロータ材Aの成分は表1の最下欄に示す通りである。これは従来より公知の低合金鋼ロータ材の一種である。
【0046】
また、本形態では、前記溶接部Cを形成した後、溶接部分に対し580℃で10時間の焼き戻し処理を行った。
【0047】
上述の如き溶接工程及び焼き戻し工程を経た、各溶接材料毎に形成した試験材である各ロータ材Aに対して常温引張試験,衝撃試験,応力腐食割れ試験を実施し、表2の結果を得た。なお、同表中の引張り試験のデータは、図1に示す各試験片の両端部に左右方向の引張力をそれぞれ作用させて計測したものであり、また応力腐食割れ試験は、図2に示す装置で前記各試験片であるロータ材Aの中央部に図中下方から上方に向かう荷重を作用させた状態で特定の地熱蒸気雰囲気に晒し、5000時間経過後の割れの発生状況を調査したものである。同表中、○印は割れなし、△印は微細な割れの発生、×印は亀裂発生をそれぞれ示している。
【0048】
【表2】
【0049】
上記表2を参照すれば、本形態に係るNo,1〜No,5の各溶接材料で上述の如き溶接及び焼き戻し処理を行った場合は、機械的強度,衝撃特性及び応力腐食割れ特性など、No,6〜No,14の各比較材に比べて優れた特性を示すことがわかる。
【0050】
<第2の実施の形態>
本形態に係る溶接材料の成分は表3に示す通りである。なお、表3中に記した成分の残部は、Fe及び付随的不純物であり、比較のため前記第1の実施の形態に係る溶接材料の成分も併せて記載している。
【0051】
本形態においては、No,15〜No,19の5種類の溶接材料を形成した。これらの成分構成は、何れも〔請求項4〕で特定した溶接材料の成分範囲に含まれている。すなわち、No,1〜No,5の溶接材料には含まれない、Nを含有するものである。このように、Nを微量含有させることにより材料強度の向上を図ると同時に、良好な耐食性も確保した。この際、靱性を低下させることがないよう、Nの含有量の上限を0.07%とした。
【0052】
【表3】
【0053】
本形態に関しても、図1に示すロータ材Aに開先部を形成し、上記各溶接材を用いて溶接部Cを形成し、同様の条件で常温引張試験,衝撃試験,応力腐食割れ試験を実施した。その結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
上記表4を参照すれば、本形態に係るNo,15〜No,19の各溶接材料で上述の如き溶接及び焼き戻し処理を行った場合は、機械的強度,衝撃特性及び応力腐食割れ特性などが、No,6〜No,14(表2参照。)の各比較材に比べて優れた特性を示すのは勿論、第1の実施の形態に係るNo,1〜No,5の溶接材料を用いた場合よりも機械的強度を高くすることができる。したがって、本形態に係る溶接材料は、高強度を必要とする、例えば蒸気タービンの最終段翼根部の補修などに有用である。
【0056】
第1の実施の形態に示す各溶接材で溶接部Cを形成した各ロータ材Aについて560℃から640℃の各温度で10時間焼もどしを行ったときの溶接部熱影響部の最高硬さ及びロータ材A自体の硬さ測定結果について表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】
溶接部熱影響部に極端に硬い部分が存在すると、その部分が応力腐食割れを起こし、再使用中に損傷が発生してしまう。これを防止する観点から考えると、熱影響部の最高硬さはビッカース硬さで350以下にすることが望ましい。表5を参照すれば、焼きもどし温度が560℃以下であるとビッカース硬さが350以上になり、不適切な熱処理となる。一方、焼もどし温度を上げることによってロータ材A(母材)の硬さは低下していく。ロータ材Aの強度が低下すると蒸気タービンロータとして必要な機械的強度が満足できなくなる。このためには、焼もどし温度を必要以上に高くすることはできない。材料強度としても目安はビッカース硬さで240以上を確保することが望ましく、かかる観点からは620℃以下の温度での焼き戻しが望ましいことが分かる。
【0059】
上述の如き結果を踏まえれば、No,1〜No,5又はNo,15〜No,19の溶接材を用いて低合金鋼であるロータ材Aを母材とするタービンロータの肉盛溶接補修を行い、その後焼き戻し温度が580°C乃至600°Cの焼き戻し処理を行えば十分な機械的強度及び耐食性を有するタービンロータとして再生し得る。
【0060】
<第3の実施の形態>
表1の最下欄にその成分を示すロータ材Aは、上述の如き温度(580°C)の焼き戻し処理でもロータ材Aの溶接による熱影響部の硬さを緩和して実用に供し得る程度の機械的強度を確保することはできる。ロータ材Aは比較的Niの含有量が多いからである。すなわち、Niの含有量が多ければ多い程、低い温度の焼き戻し処理で前記熱影響部の機械的強度の回復を図ることができる。ただ、この場合でも溶接前の機械的強度を回復する迄には至らない。
【0061】
一方、Niの含有量が減少した場合には、前記熱影響部の硬さが増し、上述の如き温度(580°C)の焼き戻し処理では当該熱影響部が溶接処理前の機械的強度を回復するのは当然困難であるとして、実用に供し得る程度の機械的強度を回復することも困難である場合がある。この場合、単純に焼き戻し温度を上げた場合には、今度はこの焼き戻し処理により溶接部Cが軟化してその機械的強度を保持することが困難になる。すなわち、タービンロータの熱影響部の機械的強度を回復させるための要件と、溶接部の機械的強度を確保するための要件とは、二律背反する要件となっている。
【0062】
本形態は表1又は表2に示す成分の溶接材を用いる溶接補修処理において、前記二律背反する要件の調和を図り、例えNiの含有量が少ない低合金鋼を母材とするタービンロータであっても、その熱影響部の機械的強度を回復させると同時に、溶接部の機械的強度を十分確保することができる溶接方法を提供するものである。本形態では、ロータ材Aに較べてNiの含有量が少ないロータ材Bを考える。このロータ材Bは表6に示す成分を含有するものである。
【0063】
【表6】
【0064】
本形態に係る溶接方法では、低合金鋼であるロータ材Bを母材とするタービンロータの補修部に、まず表1乃至表2に示す成分の各溶接材を用いて一回目の溶接処理により最初の数層(例えば3層乃至4層)の溶接層を形成する。その後、第1及び第2の実施の形態に関連して示す溶接方法における焼き戻し温度(580°C)よりも高温の焼き戻し温度620°C乃至660°Cで一回目の焼き戻し処理を行う。続いて、同様の溶接材を用いて残りの全層の溶接を前記第一回目の溶接層に重畳して行う。最後に、前記一回目の焼き戻し温度よりも低温の焼き戻し温度である580°C乃至600°Cで二回目の焼き戻し処理を行う。
【0065】
かかる溶接方法によれば、高温で行う一回目の焼き戻し処理で、一回目の溶接処理による熱影響部を十分軟化させることができ、当該熱影響部に関しては応力腐食割れの発生懸念を除去し得る適切な熱処理とすることができる。
【0066】
一方、この熱処理により溶接層は軟化するが、これは二回目の溶接処理により焼入れがなされて硬化する。そして、二回目の溶接処理に続く一回目の焼き戻し処理よりも低温で行う二回目の焼き戻し処理により所定の機械的強度を確保することができる。このとき、一回目の溶接処理に伴うロータ材Bの熱影響部は、二回目の溶接処理による熱的な影響を受けることはない。溶接時には、溶接部から十分に離れていることから焼きが入って硬くなる等の熱影響はないし、また二回目の焼き戻し時には、一回目の焼き戻し処理の温度よりも温度が低いために二回目の焼き戻しで機械的強度が低下することはないためである。
【0067】
なお、ここで一回目の焼き戻し処理の温度は補修するタービンロータの材質で異なるが、何れにしても補修するタービンロータの製造時の焼き戻し温度よりも低い温度にする必要かある。例えば、当該焼き戻し温度よりも40°C程度低温とする。また、ロータ材B等の低合金鋼の場合には、620°C乃至660°Cが適当である。
【0068】
一方、二回目の焼き戻し温度は、溶接材料により異なる。本形態では、第1及び第2の実施の形態と同様の溶接材料を用いているので、580°C乃至600°Cが適当である。
【0069】
表7は、表6に示すロータ材(CrMoV鋼製ロータ材)Bについて表5と同様のデータを収集したものである。すなわち、前記No,1〜No,3の各溶接材を用いてロータ材Bに関する図1に示す試験材と同様の試験材を形成し、これを560°C乃至640°Cの各温度で10時間熱処理した場合の試験結果を示すものである。
【0070】
【表7】
【0071】
表7を参照すれば、ロータ材BがNiの含有量を減じた材質である場合には、熱影響部の最高硬さは640℃以上の高温で焼もどしを行わないとビッカース硬さが350以下にはならないことが分かる。
【0072】
また、表8には溶接金属の常温引張試験結果を示すが、焼もどし温度を580℃以下にしないと0.2%耐力の仕様である640MPaを満足できない。すなわち、単純な焼もどしでは、熱影響部の最高硬さを下げること(応力腐食割れを起こさないため)と溶接金属の材料強度を満足させること(十分な機械的強度を得ること)の2つの仕様を両立させることはできない。
【0073】
【表8】
【0074】
そこで、表9に示す溶接及び熱処理を行い、熱影響部最高硬さ及び溶接継手の常温引張試験における0.2%耐力の測定を行った。その結果を同表に併せて示す。
【0075】
【表9】
【0076】
表9を参照すれば、本形態に係る溶接方法によって、溶接層の層数が3層乃至4層の場合、熱影響部最高硬さ<350Hv及び溶接継手の0.2%耐力の仕様を満足することができることが分かる。
【0077】
<第4の実施の形態>
上記第1乃至第3の実施の形態は、タービンロータの肉盛補修に最適な溶接材料及びこれを用いた溶接方法に関するものであるが、従来公知の低合金鋼を母材とするタービンロータの表面に第1乃至第3の実施の形態に記載する溶接材料及び溶接方法により肉盛溶接層をコーティングすることにより新製ロータを形成することもできる。これを第4の実施の形態に係るタービンロータとする。
【0078】
かかるタービンロータには、第1乃至第3の実施の形態に示す補修ロータと同様の機械的強度及び耐食性を期待し得る。
【0079】
表10に示す成分系のロータ材Dについて同表に示す溶接材を用いて図3に示す新製ロータを製造した。このときのロータ材Dはロータ材Bと同様の成分をほぼ同様の割合で含有する従来公知の低合金鋼であり、溶接部Fは〔請求項4〕に記載する発明に係る成分を含有する溶接材Eで形成したものである。また、製造に当たっては、ロータ材Dに第3の実施の形態と同様の溶接方法により溶接部Fを形成した。すなわち、小径部が1100mmφで長さが1000mm、また大径部が1700mmφで長さが1000mmのロータ材Dに、第1の溶接処理で数層の溶接部Eを形成し、その後640°Cで10時間の第1の焼き戻し処理を行う。続いて、第2の溶接処理で前記溶接部Fに重畳して同様の溶接材Dを肉盛溶接する。その後、その後580°Cで10時間の第2の焼き戻し処理を行い、最後に溶接部Fを研削加工してその厚みを100mmとした。
【0080】
【表10】
【0081】
当該ロータは安価な低合金鋼であるロータ材Dの蒸気が触れる裏面のみに12Cr鋼を溶接肉盛したロータである。本ロータを切断調査し、各種特性評価試験を実施した結果を表11に示す。
【0082】
【表11】
【0083】
表11を参照すれば、機械的強度及びビッカース硬さ、共に良好な値を有していることが分かる。すなわち、機械的強度及び耐食性に優れるロータであることが分かる。このことは、高価な12Crロータ材でロータ全体を製造する必要はなく、安価な低合金鋼を母材とする場合であっても適切なコーテッングを施すことによりこれと等価なロータを形成することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明した通り、〔請求項1〕に記載する発明は、
重量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.1〜1.0%、Ni:4.0〜6.0%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.1〜1.2%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなる溶接材料であるので、
既存のタービンロータに発生した腐食性欠陥を容易に補修し、しかも元々のロータ材よりも優れた耐食性を有するロータに変えることができる。
【0085】
〔請求項2〕に記載する発明は、
重量%で、C:0.03〜0.06%、Si:0.15〜0.25%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなる溶接材料であるので、
既存のタービンロータに発生した腐食性欠陥を容易に補修し、しかも元々のロータ材よりも優れた耐食性を有するロータに変えることができるという効果をより顕著に得ることができる。
【0086】
〔請求項3〕に記載する発明は、
重量%で、C:0.04〜0.05%、Si:0.18〜0.22%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなる溶接材料であるので、
既存のタービンロータに発生した腐食性欠陥を容易に補修し、しかも元々のロータ材よりも優れた耐食性を有するロータに変えることができるという効果を最も顕著な形で得ることができる。
【0087】
〔請求項4〕に記載する発明は、
重量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.1〜1.0%、Ni:4.0〜6.0%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.1〜1.2%、V:0.01〜0.10%、N:0.001%〜0.070%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなる溶接材料であるので、
既存のタービンロータに発生した腐食性欠陥を容易に補修し、しかも元々のロータ材よりも優れた耐食性を有するロータに変えることができる。
さらに、Nを微量含有するので、耐食性を向上させるべくCを減じても、Cに代わって十分な機械的強度も確保し得る。
【0088】
〔請求項5〕に記載する発明は、
重量%で、C:0.03〜0.06%、Si:0.15〜0.25%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%、N:0.035〜0.070%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなる溶接材料であるので、
既存のタービンロータに発生した腐食性欠陥を容易に補修し、しかも元々のロータ材よりも優れた耐食性を有するロータに変えることができる。
さらに、Nを微量含有するので、耐食性を向上させるべくCを減じても、Cに代わって十分な機械的強度も確保し得るという効果をより顕著なものとして得ることができる。
【0089】
〔請求項6〕に記載する発明は、
重量%で、C:0.04〜0.05%、Si:0.18〜0.22%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%、N:0.05〜0.07%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなる溶接材料であるので、
既存のタービンロータに発生した腐食性欠陥を容易に補修し、しかも元々のロータ材よりも優れた耐食性を有するロータに変えることができる。
さらに、Nを微量含有するので、耐食性を向上させるべくCを減じても、Cに代わって十分な機械的強度も確保し得るという効果を最も顕著なものとして得ることができる。
【0090】
〔請求項7〕に記載する発明は、
低合金鋼で形成したタービンロータの損傷部分を肉盛溶接により補修する場合の溶接方法において、
〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を使用して損傷部分を肉盛溶接で補修する溶接工程と、
その後当該補修部分を所定温度まで加熱する焼き戻し工程とを有する溶接方法であるので、
補修したタービンロータの機械的強度と耐食性とを同時に備えたものとすることができ、その分寿命を延ばすことより当該タービンロータを有する蒸気タービンの稼働効率を向上させることができ、ランニングコストの低減等により良好な経済性を有するタービンを構築するのに資することができる。
【0091】
〔請求項8〕に記載する発明は、
〔請求項7〕に記載する溶接方法において、
焼き戻し工程における加熱温度を、580°C乃至600°Cとした溶接方法であるので、
溶接部の硬さを好適なものとして〔請求項7〕に記載する発明と同様の効果を奏する。
【0092】
〔請求項9〕に記載する発明は、
低合金鋼で形成したタービンロータの損傷部分を肉盛溶接により補修する場合の溶接方法において、
〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を使用して損傷部分を肉盛溶接で補修する第1の溶接工程と、
その後当該補修部分を所定温度まで加熱する第1の焼き戻し工程と、
前記第1の溶接工程で用いたのと同じ溶接材料を使用し、前記第1の溶接工程で形成した溶接層に重畳してさらに肉盛溶接を行うことにより当該部分の補修を行う第2の溶接工程と、
その後前記第1の焼き戻し工程よりも低温の所定温度まで、前記補修部分を加熱する第2の焼き戻し工程とを含むこ溶接方法であるので、
従来二律背反する要件とされていたロータ母材の硬さを適正にする要件と、溶接部の機械的強度を適正にするための要件との調和をとり、両者を同士に適正なものとして十分な機械的強度を有し、同時に十分な耐食性も有するタービンロータを肉盛り補修により提供することができる。
【0093】
〔請求項10〕に記載する発明は、
〔請求項9〕に記載する溶接方法において、
第1の焼き戻し工程における加熱温度を、補修するタービンロータの製造時の焼き戻し温度よりも低い温度にするとともに、
第2の焼き戻し工程における加熱温度を、前記第1の焼き戻し工程よりも低温の580°C乃至600°Cとした溶接方法であるので、
〔請求項9〕に記載する発明の効果を確実に得ることができる。
【0094】
〔請求項11〕に記載する発明は、
〔請求項9〕に記載する溶接方法において、
第1の焼き戻し工程における加熱温度を、620°C乃至660°Cにするとともに、
第2の焼き戻し工程における加熱温度を、580°C乃至600°Cにする溶接方法であるので、
〔請求項9〕に記載する発明の効果を確実に得ることができる。
【0095】
〔請求項12〕に記載する発明は、
低合金鋼で形成した母材の表面に、〔請求項7〕に記載する溶接方法により、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を肉盛溶接して形成するコーティング層を設けたタービンロータであるので、
機械的強度に優れ、同時に耐食性にも優れるタービンロータを安価に製造することができる。すなわち、高価な12Crロータ材を全体に使用する必要はなく、その結果として極めて廉価な高品質のタービンロータを提供し得る。この結果、当該タービンロータを適用するタービンの稼働率を向上させ、ランニングコストの低減等と相俟って極めて効率の良い地熱プラントを構築し得る。
【0096】
〔請求項13〕に記載する発明は、
低合金鋼で形成した母材の表面に、〔請求項8〕に記載する溶接方法により、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を肉盛溶接して形成するコーティング層を設けたタービンロータであるので、
〔請求項12〕に記載する発明よりもさらに耐食性及び機械的強度に優れるタービンロータとすることができ、〔請求項12〕に記載する発明と同様の効果をより顕著なものとして得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接部の強度及び耐食性を調べるために作製したロータ材を示す説明図である。
【図2】図1に示すロータ材の応力腐食割れを調べるための試験の態様を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るタービンロータの性能を調べるために作製した試験ロータを概念的に示す説明図である。
【符号の説明】
A、B、D ロータ材
C、F 溶接部
Claims (13)
- 重量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.1〜1.0%、Ni:4.0〜6.0%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.1〜1.2%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなることを特徴とする溶接材料。
- 重量%で、C:0.03〜0.06%、Si:0.15〜0.25%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなることを特徴とする溶接材料。
- 重量%で、C:0.04〜0.05%、Si:0.18〜0.22%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなることを特徴とする溶接材料。
- 重量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.1〜1.0%、Ni:4.0〜6.0%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.1〜1.2%、V:0.01〜0.10%、N:0.001%〜0.070%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなることを特徴とする溶接材料。
- 重量%で、C:0.03〜0.06%、Si:0.15〜0.25%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%、N:0.035〜0.070%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなることを特徴とする溶接材料。
- 重量%で、C:0.04〜0.05%、Si:0.18〜0.22%、Mn:0.3〜0.7%、Ni:5.0〜5.5%、Cr:11.5〜12.5%、Mo:0.3〜1.0%、V:0.01〜0.10%、N:0.05〜0.07%を含有し、残部がFe及び付随的不純物よりなることを特徴とする溶接材料。
- 低合金鋼で形成したタービンロータの損傷部分を肉盛溶接により補修する場合の溶接方法において、
〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を使用して損傷部分を肉盛溶接で補修する溶接工程と、
その後当該補修部分を所定温度まで加熱する焼き戻し工程とを有することを特徴とする溶接方法。 - 〔請求項7〕に記載する溶接方法において、
焼き戻し工程における加熱温度を、580°C乃至600°Cとしたことを特徴とする溶接方法。 - 低合金鋼で形成したタービンロータの損傷部分を肉盛溶接により補修する場合の溶接方法において、
〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を使用して損傷部分を肉盛溶接で補修する第1の溶接工程と、
その後当該補修部分を所定温度まで加熱する第1の焼き戻し工程と、
前記第1の溶接工程で用いたのと同じ溶接材料を使用し、前記第1の溶接工程で形成した溶接層に重畳してさらに肉盛溶接を行うことにより当該部分の補修を行う第2の溶接工程と、
その後前記第1の焼き戻し工程よりも低温の所定温度まで、前記補修部分を加熱する第2の焼き戻し工程とを含むことを特徴とする溶接方法。 - 〔請求項9〕に記載する溶接方法において、
第1の焼き戻し工程における加熱温度を、補修するタービンロータの製造時の焼き戻し温度よりも低い温度にするとともに、
第2の焼き戻し工程における加熱温度を、前記第1の焼き戻し工程よりも低温の580°C乃至600°Cとしたことを特徴とする溶接方法。 - 〔請求項9〕に記載する溶接方法において、
第1の焼き戻し工程における加熱温度を、620°C乃至660°Cにするとともに、
第2の焼き戻し工程における加熱温度を、580°C乃至600°Cにすることを特徴とする溶接方法。 - 低合金鋼で形成した母材の表面に、〔請求項7〕に記載する溶接方法により、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を肉盛溶接して形成するコーティング層を設けたことを特徴とするタービンロータ。
- 低合金鋼で形成した母材の表面に、〔請求項8〕に記載する溶接方法により、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つの溶接材料を肉盛溶接して形成するコーティング層を設けたことを特徴とするタービンロータ。
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