JP3891479B2 - 表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、光機能材料、電子機能材料などに応用できる多孔質シリカフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
均一なメソ細孔を持つ多孔質の無機化合物は、従来のゼオライト等の酸化物に比べ、大きい細孔を持ち、触媒担体、分離吸着剤、燃料電池、センサーへの利用が検討されている。
このような均一なメソ細孔を持つ酸化物の製造法に関しては、有機化合物を利用して無機物の構造制御をすることを利用した方法が、新規な形状、構造が得られるため注目されている。特に有機化合物と無機化合物の自己組織化を利用することで合成される均一なメソ細孔を持つ酸化物は、従来のゼオライト等の酸化物に比べ、高い細孔容積、表面積を持つことが知られている。ここで言う均一なメソ孔を持つ酸化物とは、酸化物中に細孔が規則正しく配置しているため、X線回折法による測定で構造規則性を示す回折ピークの存在がみられるものを指す。
【0003】
有機化合物と無機化合物の自己組織化を利用した均一なメソ細孔を持つ酸化物の製造方法としては、たとえばWO−91/11390にシリカゲルと界面活性剤などを密封した耐熱性容器内で水熱合成することにより製造する方法、Bull.Chem.Soc.Jp.誌1990年63巻988頁には、層状ケイ酸塩の一種であるカネマイトと界面活性剤とのイオン交換により製造する方法が知られている。
【0004】
このような均一なメソ細孔を持つ酸化物を光機能材料、電子機能材料などに応用するために、近年、その形態をフィルム状に調製することが報告されている。たとえば、Nature誌1996年379巻703頁、あるいはJ.Am.Chem.Soc.誌1999年121巻7618頁などには、アルコキシシランの縮合物と界面活性剤からなるゾル液中に基板を入れ基板表面に多孔質シリカを析出させフィルム状にする方法、あるいは、Supramolecular Science誌1998年5巻247頁、Adv.Mater.誌1998年10巻1280頁、Nature誌1997年389巻364頁、あるいはNature誌1999年398巻223頁などには、アルコキシシランの縮合物と界面活性剤を有機溶媒に混合した液を塗布し有機溶媒を蒸発させて基板上にフィルムを調製する方法が記載されている。基板表面に多孔質シリカを析出する方法では、調製に長時間を要したり、粉体として析出する多孔質シリカが多く歩留まりが悪いなどの欠点があり、有機溶媒を蒸発させる方法の方が多孔質シリカフィルムの調製に優れている。
【0005】
有機溶媒を蒸発させて基板上にフィルムを調製する方法において、たとえば、特開2000−38509号公報では、多価アルコールグリコールエーテル溶媒、グリコールアセテートエーテル溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、カルボン酸エステル溶媒などが用いられており、またWO99/03926では、アミド結合を有する有機溶媒及びエステル結合を有する有機溶媒などが用いられている。
【0006】
一方、最近、このような多孔質シリカフィルムを光機能材料、電子機能材料などに応用するに際し、表面の平滑性の問題が生じている。たとえば、電子機能材料として層間絶縁膜への応用を考えた場合、膜の平滑性は±数nmにしなければならない。しかしながら、有機溶媒を蒸発させてフィルムに製膜する方法では、どうしても膜表面に凹凸が発生することは避けられなかった。
【0007】
たとえば、層間絶縁膜として誘電率が大きいH2Oの吸着による絶縁性低下を防止するため、塗布液中にパーフルオロアルカン基含有アルコキシシランを添加することが報告されている(たとえば、特開2001−226171号公報)。ところがこの場合には、フィルム表面に縞が生ずることが記載されている。また塗布液中にパーフルオロアルカン基含有アルコキシシランを添加しなくとも、塗布液は種々の沸点を持つ化合物の混合液であり、各混合物の表面張力も異なるため、蒸発時にその蒸発速度の違いから、フィルム表面にクレーター状の欠陥を生じたり放射状の筋を生じることがある。ゆっくり時間をかけて製膜すれば平坦になるかもしれないが、蒸発速度が遅いと規則性が低下することが指摘されているため(たとえば、J.Phys.Chem.B誌1997年101巻10610頁)、溶媒は膜から素早く蒸発させる必要がある。
【0008】
また、塗布液中にシリコーン系界面活性剤を添加した報告がされている(例えば、特開2000−187866号公報)。しかしながら、この報告で得られる膜は、X線回折法による測定で周期的な構造を示さないため、細孔が均一に規則正しく配列していない。従って均質な材料としての利用は困難である。
表面に凹凸がある多孔質シリカフィルムでは、光機能材料、電子機能材料などへの応用は困難であるため、平滑なフィルム表面を有する多孔質シリカフィルムの製造方法が望まれていた。
【0009】
【発明の目的】
本発明の目的は、光機能材料や電子機能材料に応用可能であるような平滑なフィルム表面を有する多孔質シリカフィルムの製造方法を提供することにある。
【0010】
【発明の概要】
本発明は上記のような技術的課題を解決したものであって、フィルム表面が平滑性に優れた多孔質シリカフィルムの製造方法を提供するものである。
すなわち本発明に係る表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法は、
加水分解縮合したアルコキシシラン類と界面活性剤とを含む塗布液を、基板に塗布した後、焼成あるいは抽出により界面活性剤を除去して多孔質シリカフィルムを調製する際に、この塗布液にポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物を添加することを特徴とする。
【0011】
前記多孔質シリカフィルムは、X線回折法による測定で周期的な結晶構造を有し、相対強度が最大である回折ピークの面間隔が20〜120Åの範囲であることが好ましい。
前記ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物の添加量は、アルコキシシラン類の部分加水分解物と界面活性剤からなる塗布液に対して界面活性剤からなる塗布液に対して500ppm〜20000ppmであることが望ましい。
【0012】
前記アルコキシシラン類が一般式 (ZO)4-nSiRn(式中、n=0〜2、Zはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基を示し、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、フェニル基、フェネチル基、フッ素原子、(CH2)a(CF2)b(O(CF2)c)dX(式中、Xはフッ素原子、OCF3、OCF(CF3)2、OC(CF3)3、CF(CF3)2、C(CF3)3を示し、a=0〜3、b=0〜10、c=1〜3、d=0〜3である。)、C6HeF(5-e)(式中、e=0〜4である。)R2O(CHR3CH2O)f(CHR4CH2O)g(CH2)h(式中R2〜R4は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、メチル基を示し、f=0〜20、g=1〜20、h=1〜4である。))で表される化合物の少なくとも1種以上であることが望ましい。
【0013】
前記ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物は、ポリジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロックコポリマーであることが望ましい。
多孔質シリカフィルム内に、フッ素原子が0.5原子%〜20原子%の範囲で存在していることが好ましい。
【0014】
また表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルム製造用塗布液は、
加水分解縮合したアルコキシシラン類と界面活性剤とを含む塗布液を、基板に塗布した後、焼成あるいは抽出により界面活性剤を除去して、X線回折法による測定で周期的な結晶構造を有し、相対強度が最大である回折ピークの面間隔が20〜120Åの範囲である多孔質シリカフィルムを調製する際に、この塗布液にポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物を添加することを特徴とする。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下本発明に係る多孔質シリカフィルムの製造方法について具体的に説明する。
フィルム表面が平滑性に優れる多孔質シリカフィルム、好ましくはX線回折法による測定で周期的な結晶構造を有し、相対強度が最大である回折ピークの面間隔が20〜120Åの範囲であるフィルム表面が平滑性に優れる多孔質シリカフィルムを製造するには、まず、アルコキシシラン類の加水分解縮合反応を行う。この加水分解縮合は、アルコキシシラン類が部分的に加水分解縮合した状態であっても完全に加水分解縮合した状態であってもよく、触媒の存在下で行う。通常は触媒として酸が使用され、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、シュウ酸、マレイン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸が挙げられる。
【0016】
アルコキシシラン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブチルシラン等の4級アルコキシシラン、トリメトキシフルオロシラン、トリエトキシフルオロシラン、トリイソプロポキシフルオロシラン、トリブトキシフルオロシラン等の3級アルコキシフルオロシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリエトキシプロピルシラン等の3級アルコキシアルキルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリメトキシクロロフェニルシラン、トリエトキシクロロフェニルシラン等の3級アルコキシアリールシラントリメトキシフェネチルシラン、トリエトキシフェネチルシラン等の3級アルコキシフェネチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン等の2級アルコキシアルキルシラン、CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH3)3、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2Si(OCH3)3、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2Si(OCH3)3、(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(C6H4)CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)3(C6H4)CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5(C6H4)CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(C6H4)CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)3CH2CH2SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)5CH2CH2SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)7CH2CH2SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)9CH2CH2SiCH3(OCH3)2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2SiCH3(OCH3)2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2SiCH3(OCH3)2、(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2SiCH3(OCH3)2、CF3(C6H4)CH2CH2SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)3(C6H4)CH2CH2SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)5(C6H4)CH2CH2SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)7(C6H4)CH2CH2SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH2CH3)3、CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH2CH3)3、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH2CH3)3、CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH2CH3)3等のフッ素含有アルコキシシラン、CH3O(CH2CH2O)6(CH2)3Si(OCH3)3、CH3O(CH2CH2O)7(CH2)3Si(OCH3)3、CH3O(CH2CH2O)8(CH2)3Si(OCH3)3、CH3O(CH2CH2O)9(CH2)3Si(OCH3)3等のポリアルキレンオキシド基含有アルコキシシランが挙げられる。特に、テトラエトキシシラン、CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH2CH3)3の使用が好ましい。このようなアルコキシシラン類は、1種単独でまたは2種以上の組み合わせで使用できる。
【0017】
加水分解はアルコキシシラン類、pH調製剤および水によって行うが、添加する水の量はアルコキシシラン1モル当たり、0.5〜20モルの範囲であり、室温で数分〜5時間程度かけて行う。
この時に溶媒を共存させて行うことができる。使用可能な溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール等の一級アルコール、2−プロパノール、2−ブタノール等の二級アルコール、ターシャリーブチルアルコール等の三級アルコール、アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。溶媒は1種単独でまたは2種以上の組み合わせで使用できる。
【0018】
アルコキシシラン類の加水分解縮合反応後、界面活性剤を添加し数分〜5時間程度撹拌する。
界面活性剤としては、通常、長鎖アルキル基および親水基を有する化合物を使用する。長鎖アルキル基としては、炭素原子数8〜24のものが好ましい。また、親水基としては、たとえば、4級アンモニウム塩、アミノ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0019】
界面活性剤としては、具体的には、一般式 CnH2n+1N(CH3)3X(式中、nは8〜24の整数であり、Xはハロゲン化物イオン、HSO4 -または有機アニオンである。)で表されるアルキルアンモニウム塩の使用が好ましい。
使用する界面活性剤は、アルコキシシラン類とのモル比を変えることにより、得られる多孔質シリカフィルムの結晶構造を制御することができる。界面活性剤のモル数はアルコキシシラン類の1モルに対して、0.03〜1モルの範囲が好ましく、0.05〜0.2モルの範囲がより好ましい。界面活性剤がこの範囲内であれば、自己組織化に寄与できない過剰なシリカが生成して、多孔質性が著しく低下することはなく、また、過剰の界面活性剤により、均一な細孔構造を形成できず、焼成によって構造が崩壊するなどの不都合もない。
【0020】
また、界面活性剤として、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物も好ましく使用できる。
ポリアルキレンオキシド構造としては、ポリエチレンオキシド構造、ポリプロピレンオキシド構造、ポリテトラメチレンオキシド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
【0021】
界面活性剤が、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物の場合には、界面活性剤のモル数がアルコキシシラン類の1モルに対して、0.003〜0.05モルの範囲が好ましく、0.005〜0.03モルの範囲がより好ましい。界面活性剤がこの範囲内であれば、自己組織化に寄与できない過剰なシリカが生成して、多孔質性が著しく低下することはなく、また、過剰の界面活性剤により、均一な細孔構造を形成できず、焼成によって構造が崩壊するなどの不都合もない。
【0022】
界面活性剤は、固体の状態でも、溶媒あるいはアルコキシシランの加水分解溶液に溶解した状態などでもいずれの状態であってもよい。
本発明では、フィルム表面を平滑にするために、アルコキシシラン類の加水分解縮合物と界面活性剤からなる溶液に、ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物を添加している。
【0023】
ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物としては、トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリフェニルメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリ−3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリエチレンオキシドとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリプロピレンオキシドとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ヒドリド末端ポリジメチルシロキサン、ポリメチルヒドリドシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー、シラノール末端ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。特にポリジメチルシロキサンとポリエチレンレンオキシドのブロックコポリマー、ポリジメチルシロキサンとポリエチレンレンオキシドとポリプロピレンオキシドのブロックコポリマーの使用が好ましい。
【0024】
ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物の添加量は、アルコキシシラン類の加水分解物と界面活性剤からなる塗布液に対して(塗布液の重量を基準として)、500ppm〜20000ppmの範囲であり、特に5000ppm〜10000ppmの範囲が好ましい。この範囲内であれば、添加量が少なくてフィルム表面の平滑性の効果が出ないということはなく、また添加量が多すぎてフィルム表面の平滑性は良好であるが多孔質シリカフィルムの規則性が著しく低下するということもない。
【0025】
ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物の添加には、特に制限はなく、油状物の状態でも、溶媒あるいはアルコキシシランの加水分解溶液に溶解した状態でも、上記に示した範囲で添加されるのであればよい。
アルコキシシランの加水分解縮合物と、界面活性剤と、ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物とを含む溶液を基材に塗布して乾燥後、焼成あるいは抽出により界面活性剤を除去することにより、多孔質シリカフィルムが得られる。この多孔質シリカフィルムは、好ましくはX線回折法による測定で周期的な構造を有し、相対強度が最大である回折ピークの面間隔が20〜120Åの範囲にあるものである。
【0026】
またアルコキシシラン類としてフッ素含有アルコキシシランを使用すれば、多孔質シリカフィルム内にフッ素原子を固定することもできる。フッ素原子の固定化量は0.5原子%〜20原子%の範囲であり、より好ましくは1原子%〜15原子%の範囲である。この範囲内であれば、多孔質シリカの規則性が著しく低下することもなく、表面平滑性も低下することはない。
【0027】
本発明により製造した多孔質シリカフィルムでは、X線光電子分光測定した結果、フッ素原子と炭素とも、直接Siとも結合していると考えられる。
多孔質シリカをフィルムに形成する場合の基材としては、一般的に用いられるものであれば何れのものも使用できる。たとえば、ガラス、石英、シリコンウエハー、ステンレス等が挙げられる。また、板状、皿状等の何れの形状であってもよい。
【0028】
また、基材に塗布する方法としては、たとえば、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法等の一般的な方法が挙げられる。
スピンコート法の場合、スピナー上に基材を置き、該基材上に試料を滴下し500〜10000rpmで回転させることにより、フィルム表面が平滑性に優れる均一な膜厚の多孔質シリカフィルムが得られる。このときの回転時間は1秒〜10分が好ましい。乾燥条件は特に限定されず、溶媒が蒸発できればよい。また、焼成条件も特に限定されず、界面活性剤が除去できる温度であればよい。通常200℃〜600℃の範囲で実施することができる。焼成雰囲気も、大気中、不活性ガス中、真空中のいずれでも良い。
【0029】
また、界面活性剤を抽出により除去する場合では、アルコール類、エーテル類、アリール類化合物等の有機溶媒を用いて通常20〜100℃で数分〜24時間かけて行う。
得られた多孔質シリカフィルムは、自立した状態でも、基材に固着した状態でも、高い表面平滑性と構造規則性を有し、透明性を有するため、層間絶縁膜、分子記録媒体、透明導電性フィルム、固体電解質、光導波路、LCD用カラー部材などの光機能材料、電子機能材料として応用できる。特に、層間絶縁膜は、強度、耐熱性、低誘電率(高空隙率)が求められており、このような均一な細孔を有するフィルム表面の平滑性に優れるシリカフィルムは、層間絶縁膜として有望である。
【0030】
また、得られた多孔質シリカフィルムは、X線回折法による測定で周期的な結晶構造を有し、相対強度が最大である回折ピークの面間隔が20〜120Åの範囲であり、その規則性を損なうことなく有機ケイ素化合物によりシリル化することもできる。
有機ケイ素化合物によるシリル化はシリカ表面改質方法として一般的な方法であるが、本発明の多孔質シリカフィルムにおいても、その様な一般的な方法によってシリル化を実施できる。
【0031】
有機ケイ素化合物としては、塩化トリメチルシラン、ヘキサメチレンジシラザン、ヘキサメチレンジシロキサン等を使用することができる。
有機ケイ素化合物によるシリル化は、液相あるいは気相雰囲気下で実施する。液相で実施する場合は、有機溶媒を用いて実施しても良い。使用することのできる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等のアリールアルカン類等が挙げられる。
【0032】
気相で実施する場合は、有機ケイ素化合物をガスで稀釈して用いてもよい。使用することのできる希釈ガスとしては、空気、窒素、アルゴン、水素等が挙げられる。
有機ケイ素化合物によるシリル化の反応温度は、0〜120℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜100℃の範囲である。この範囲内であれば温度が低いために、反応が進まないこともなく、また、温度が高すぎて副反応を起こすこともなく、効率良くシリル化が進行する。
【0033】
シリル化に要する時間は反応温度にもよるが、通常、数分〜40時間で、好ましくは10分〜24時間である。
得られた多孔質シリカフィルムの平滑性は、光学顕微鏡を用いて確認することができる。本明細書における平滑とは、膜表面上に縞状やクレーター状の凹凸がなく、膜剥がれのない状態をいう。
【0034】
また、得られた多孔質シリカフィルムのフッ素原子の固定化および/またはシリル化による効果は、比誘電率を測定することで確認できる。比誘電率の測定は、多孔質フィルム表面と基材に用いたシリコンウェハーの裏面に蒸着法によりアルミニウム電極を作成し、25℃、相対湿度50%の雰囲気下、周波数100kHzにて常法により行なうことができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例によりさらに本発明を詳細に説明する。
【0036】
【実施例1】
テトラエトキシシラン10.0gとエタノール10mLを混合撹拌した。1N塩酸1.0mLおよび水10.0mLを添加しさらに1時間撹拌した。次いで、得られた混合液に、エタノール60mLに溶解したポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー(BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)2.8gと、ポリジメチルシロキサンとポリエチレンレンオキシドのブロックコポリマー0.6g(8000ppm、アズマックス社製DBE−821)とを添加した。1時間撹拌後、透明、均一な塗布液が得られた。
【0037】
この塗布液を、シリコンウエハー表面上に数滴のせ、10秒間、2000rpmで回転させシリコンウエハー表面にフィルムを調製した。得られたフィルムを乾燥、焼成した。X線回折測定により、フィルムは面間隔7.0nmの周期的なヘキサゴナル構造を保持していた。また、光学顕微鏡により表面には筋や縞模様は確認できず、表面の平滑性が優れていることがわかった。
【0038】
表1に面間隔値、表面評価結果および比誘電率測定結果を示す。また、図1に光学顕微鏡写真を示す。
【0039】
【実施例2】
テトラエトキシシラン10.0gとエタノール10mLを混合撹拌した。1N塩酸1.0mLおよび水10.0mLを添加しさらに1時間撹拌した。次いで、得られた混合液に、エタノール60mLに溶解したポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー(BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)2.8gと、ポリジメチルシロキサンとポリエチレンレンオキシドとポリプロピレンオキシドのブロックコポリマー 0.6g(8000ppm、アズマックス社製DBP−732)とを添加した。1時間撹拌後、透明、均一な塗布液が得られた。
【0040】
この塗布液を、シリコンウエハー表面上に数滴のせ、10秒間、2000rpmで回転させシリコンウエハー表面にフィルムを調製した。得られたフィルムを乾燥、焼成した。X線回折測定により、フィルムは面間隔7.1nmの周期的なヘキサゴナル構造を保持していた。また、光学顕微鏡により表面には筋や縞模様は確認できず、表面の平滑性が優れていることがわかった。
【0041】
表1に面間隔値、表面評価結果および比誘電率測定結果を示す。
【0042】
【実施例3】
テトラエトキシシラン10.0gとエタノール10mLを混合撹拌した。1N塩酸1.0mLおよび水10.0mLを添加しさらに1時間撹拌した。次いで、得られた混合液に、エタノール60mLに溶解したポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー(BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)2.8gと、ポリメチルヒドリドシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー0.6g(8000ppm、アズマックス社製HMS−301)とを添加した。1時間撹拌後、透明、均一な塗布液が得られた。
【0043】
この塗布液を、シリコンウエハー表面上に数滴のせ、10秒間、2000rpmで回転させシリコンウエハー表面にフィルムを調製した。得られたフィルムを乾燥、焼成した。X線回折測定により、フィルムは面間隔7.0nmの周期的なヘキサゴナル構造を保持していた。また、光学顕微鏡により表面には筋や縞模様は確認できず、表面の平滑性が優れていることがわかった。
【0044】
表1に面間隔値、表面評価結果および比誘電率測定結果を示す。
【0045】
【実施例4】
テトラエトキシシラン10.0gとエタノール10mLを混合撹拌した。1N塩酸1.0mLおよび水10.0mLを添加しさらに1時間撹拌した。次いで、得られた混合液に、エタノール60mLに溶解したポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー(BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)2.8gと、ポリエチレンオキシドとポリジメチルシロキサンとポリエチレンオキシドのブロックコポリマー0.6g(8000ppm、アズマックス社製DBE−C25)とを添加した。1時間撹拌後、透明、均一な塗布液が得られた。
【0046】
この塗布液を、シリコンウエハー表面上に数滴のせ、10秒間、2000rpmで回転させシリコンウエハー表面にフィルムを調製した。得られたフィルムを乾燥、焼成した。X線回折測定により、フィルムは面間隔7.0nmの周期的なヘキサゴナル構造を保持していた。また、光学顕微鏡により表面には筋や縞模様は確認できず、表面の平滑性が優れていることがわかった。
【0047】
表1に面間隔値、表面評価結果および比誘電率測定結果を示す。
【0048】
【実施例5】
テトラエトキシシラン10.0gとエタノール10mLを混合撹拌した。1N塩酸1.0mLおよび水10.0mLを添加しさらに1時間撹拌した。次いで、得られた混合液に、エタノール60mLに溶解したポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー(BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)2.8gと、ポリジメチルシロキサンとポリエチレンレンオキシドのブロックコポリマー0.6g(8000ppm、アズマックス社製DBE−C25)と、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン(東京化成:CF3(CF2)5CH2CH2Si(OC2H5)3)1.2gとを混合した。1時間撹拌後、透明、均一な塗布液が得られた。
【0049】
この塗布液を、シリコンウエハー表面上に数滴のせ、10秒間、2000rpmで回転させシリコンウエハー表面にフィルムを調製した。得られたフィルムを乾燥、焼成した。X線回折測定により、フィルムは面間隔6.0nmの周期的なヘキサゴナル構造を保持していた。また、光学顕微鏡により表面には筋や縞模様は確認できず、表面の平滑性が優れていることがわかった。X線光電子分光測定により、フィルム内にフッ素原子が8原子%でほぼ均一に存在することがわかった。
【0050】
表1に面間隔値、表面評価結果および比誘電率測定結果を示す。また、図2に光学顕微鏡写真を示す。また、図5にX線光電子分光測定結果を示す。
【0051】
【実施例6】
実施例1で得られたフィルムを、200℃で1mmHgまで減圧にして1時間乾燥した。50℃まで冷却した後、ヘキサメチレンジシラザン蒸気を導入し、2時間反応した。100℃で1時間乾燥後、シリル化したフィルムを得た。X線回折測定により、シリル化後でもフィルムは面間隔7.0nmの周期的なヘキサゴナル構造を保持していた。
【0052】
表1に面間隔値、表面評価結果および比誘電率測定結果を示す。
【0053】
【実施例7】
実施例6と同様な操作で、実施例1で得られたフィルムの代わりに実施例5で得られたフィルムを用いてシリル化を行った。X線回折測定により、シリル化後でもフィルムは面間隔6.0nmの周期的なヘキサゴナル構造を保持していた。また、光学顕微鏡により表面には筋や縞模様は確認できず、表面の平滑性が優れていることがわかった。表1に面間隔値、表面評価結果および比誘電率測定結果を示す。
【0054】
【比較例1】
実施例1と同様な操作で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物を添加せずに塗布液を得て、シリコンウエハー表面上にフィルムを調製した。X線回折測定により、フィルムは面間隔7.0nmの周期的なヘキサゴナル構造を保持していた。また、光学顕微鏡により表面にははっきりとした放射状の筋(縞模様)が確認でき、表面が平滑ではないことがわかった。またアルミニウム電極とフィルムとの接触面積が正確に算出できないため、比誘電率を測定することができなかった。
【0055】
表1に面間隔値と表面評価結果を示す。図3に光学顕微鏡写真を示す。
【0056】
【比較例2】
テトラエトキシシラン61mLと無水エタノール61mL、イオン交換水5mLおよび0.07Nの塩酸0.2mLをテフロン(R)容器中に密閉し、60℃の水浴に90分間つけた。この溶液を室温まで冷却しストック液を調製した。ポリプロピレン製容器に、ストック液10mL、エタノール10mL、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン0.42mL、イオン交換水0.4mLおよび0.07Nの塩酸1.0mLを混合し塗布液を調製した。溶液の重量(100重量%とする。)を量り、その量の6重量%でエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー(BASF社製PluronicL121)を加えた。得られた溶液を20分間超音波処理し、得られた無色透明な溶液を0.2μmのシリンジフィルターに通してろ過した。
【0057】
このようにして得られた塗布液1.2mLを、500rpmで10秒回転させながらシリコンウェハー上に滴下し、25秒間で3000rpmに上げフィルムを調製した。窒素パージした箱型炉中で、毎分5℃で昇温し、425℃までフィルムを加熱して425℃で30分間保つことにより焼成を行った。焼成後、シリコンウエハーからフィルムの剥がれが観測された。このため比誘電率を測定することができなかった。
表1に表面評価結果を示す。図4に光学顕微鏡写真を示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、光機能材料や電子機能材料に応用可能な、均一な細孔を有するとともにフィルム表面の平滑性に優れる多孔質シリカフィルムが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1で製造されたフィルムの表面平滑性を説明する光学顕微鏡写真である。
【図2】 図2は、実施例5で製造されたフィルムの表面平滑性を説明する光学顕微鏡写真である。
【図3】 図3は、比較例1で製造されたフィルムの表面平滑性を説明する光学顕微鏡写真である。
【図4】 図4は、比較例2で製造されたフィルムの表面平滑性を説明する光学顕微鏡写真である。
【図5】 図5は、実施例5で製造されたフィルムのX線光電子分光測定結果を示すグラフである。
Claims (9)
- 加水分解縮合したアルコキシシラン類と界面活性剤とを含む塗布液を、基板に塗布した後、焼成あるいは抽出により界面活性剤を除去して多孔質シリカフィルムを調製する際に、この塗布液にポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物を添加することを特徴とする表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法。
- 前記多孔質シリカフィルムが、X線回折法による測定で周期的な結晶構造を有し、相対強度が最大である回折ピークの面間隔が20〜120Åの範囲であることを特徴とする請求項1記載の表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法。
- ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物の添加量が、上記塗布液に対して500ppm〜20000ppmであることを特徴とする請求項1記載の表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法。
- アルコキシシラン類が一般式 (ZO)4-nSiR1 n(式中、n=0〜2、Zはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基を示し、R1はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、フェニル基、フェネチル基、フッ素原子、(CH2)a(CF2)b(O(CF2)c)dX(式中、Xはフッ素原子、OCF3、OCF(CF3)2、OC(CF3)3、CF(CF3)2、C(CF3)3を示し、a=0〜3、b=0〜10、c=1〜3、d=0〜3である。)、C6HeF(5-e)(式中、e=0〜4である。)R2O(CHR3CH2O)f(CHR4CH2O)g(CH2)h(式中R2〜R4は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、メチル基を示し、f=0〜20、g=1〜20、h=1〜4である。))で表される化合物の少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法。
- ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物が、ポリジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロックコポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法。
- 多孔質シリカフィルム内に、フッ素原子が0.5原子%〜20原子%の範囲で存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法。
- 加水分解縮合したアルコキシシラン類と界面活性剤とを含む塗布液を、基板に塗布した後、焼成あるいは抽出により界面活性剤を除去して、X線回折法による測定で周期的な結晶構造を有し、相対強度が最大である回折ピークの面間隔が20〜120Åの範囲である多孔質シリカフィルムを調製する際に、この塗布液にポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物を添加してなることを特徴とする表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルム製造用塗布液。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造された多孔質シリカフィルムからなる層間絶縁膜。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造された表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムをシリル化した層間絶縁膜。
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