JP3888128B2 - 材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板ならびにその製造方法および加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の輸送機に使用される部材に適した、材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板ならびにその製造方法および加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車を代表する輸送機分野において、燃費向上を目的に車体の軽量化が検討されている。この車体軽量化の検討の一つとして、使用鋼板の高強度化が推進されている。従来より、高強度鋼板として、C,Mn,Siの固溶強化と、Ti,Nbの析出強化を複合した製造コストの低い鋼板が用いられてきたが、Cを0.12〜0.15%含有するため、鋼中にセメンタイトが多く析出し延性が乏しく、自動車用部材のような難加工材ではプレス割れを起こしていた。
【0003】
このようなプレス割れを回避する高成形性高張力熱延鋼板として、特開平6−172924号公報にはSiで炭化物析出を抑制するとともに、Cr添加量制限で低温変態相生成を抑制し、組織をベイナイティックフェライト単相とし、さらにNi,Moを固溶強化元素として用いたTi添加高伸びフランジ加工性高張力熱延鋼板が開示されている。しかしながら、この技術の根幹をなすラス間に炭化物析出をともなわないラス状組織であるベイニティックフェライト組織では、Ti添加量を炭窒化物形成限界以下に制限していることから、Tiと結合しないCをベイニティックフェライト中に過飽和に固溶させなければならない。このため、炭化物析出駆動力が高い状態であることから添加成分の微妙な増減や熱延条件に対して炭化物析出の感受性が著しく強く、通常起こりうる幅方向の温度変動に対しても炭化物が容易に析出するようになり、幅方向で部分的に加工性が急激に劣化するのが現状である。
【0004】
また、特開平7−11382号公報には、Cと結合するTi,Nb量をCに対して原子比で0.5以上添加し、固溶Ti,Nbで熱間圧延後のフェライト核生成を抑制することで組織をアシキュラーフェライトとし、さらにCr,Moの固溶強化で強度を調整した高伸びフランジ性熱延鋼板が開示されている。しかしながら、この技術におけるアシキュラーフェライト組織の熱延鋼板は843MPaの強度で伸びが15%であり、伸びが高いことが要求される張り出し成形に対しては延性が未だ十分ではなく、このような特性の熱延鋼板に対し実際に張り出し成形を行うと割れが生じてしまう。さらに、ただ単に極低炭素鋼にTi、Nbを添加し、固溶Ti、Nb量を十分確保してもアシキュラーフェライト組織は得られないように、Ti、Nbによる組織のアシキュラー化効果は極めて小さく、この技術では多少の製造条件の変動でアシキュラーフェライトが得られなくなってしまう。
【0005】
一方で、高加工性と高強度化をTi,Nb,V,Moの微細化効果で実現する方法が特開平11−152544号公報に開示されている。しかし、この技術では粒径を2μm以下にすることから、伸びの劣化は避けられずやはり張り出し成形で割れが生じてしまう。また、粒径があまりにも微細なため、粒成長性が極めて大きく、通常起こりうる幅方向の熱延条件の変動で2μmを超える粒が部分的に生じて混粒組織となり、加工性が急激に劣化するのが現状である。
【0006】
さらに、特開平6−200351号公報には、ポリゴナルフェライトに対するパーライトや低温変態相の面積比が15%以下でポリゴナルフェライト中にTiCが分散した組織を有し、かつ、Moの固溶強化で強度調整を行った伸びフランジ性が優れた高強度熱延鋼板が開示されている。しかしながら、この鋼板では、TiCの析出温度が狭範囲なため、幅方向センターでは加工性が良好でも、エッジでは規定の強度を下回り、延性が著しく劣化するのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来技術では、加工性に優れた高張力熱延鋼板が提案されているものの、コイル内の引張特性の変動が大きかったり、通常起こりうる製造条件の変動で加工性が劣化してしまう等、工業生産に適さないのは明らかである。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、コイル内材質変動、特に幅方向の材質変動が最小限であり、工業的に実用可能な材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板ならびにその製造方法および加工方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術では解決されない熱延ランナウトテーブルからコイラにかけてのセンターとエッジの冷却履歴の違いによる幅方向の材質変化や圧延速度の変化で生じるランナウトテーブル上のストリップの冷却速度変化などが原因となるコイル内の長手方向の材質変動を小さくするために鋭意研究を重ねた結果、上記従来技術に示すラス状組織でもベイニティックフェライトでも2μm以下の微細粒でもなく、図1の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で示すフェライト単相組織をある範囲のTi/Mo原子比をもつ微細析出物で強化した鋼により材質変動が低減されることを見出した。また、このような組織とすることにより、従来不可欠であったSiの添加を極力低減することが可能となり、表面性状を悪化させるSiに起因する赤スケールの生成も抑制することができることも見出した。
【0010】
なお、本発明では図1に示す組織をフェライトと呼称し、以下の説明におけるフェライトも図1に示す組織を指すものとする。
【0011】
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであって、以下の(1)〜(8)を提供する。
【0013】
(1)重量%で、C≦0.1%、Si≦0.5%、Mn:1〜2%、P≦0.06%、S≦0.005%、Al≦0.1%、N≦0.006%、Cr:0.04〜0.5%、Mo:0.05〜0.6%、Ti:0.02〜0.10%、Nb≦0.08%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、体積率で95%以上のフェライト組織に、原子比でTi/Mo≧0.1を満たす範囲でTiおよびMoを含む炭化物が分散析出してなることを特徴とする材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板。
【0014】
(2)上記(1)において、Si+Mo≦0.5%を満たすことを特徴とする材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板。
【0015】
(3)上記(1)または(2)において、C、Ti、Moを以下の(1)式を満足するように含有することを特徴とする材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板。
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5 …(1)
ただし、上記(1)式中、C、Ti、Moは各成分の重量%を表す。
【0016】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴とする材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板。
【0017】
(5)上記(1)〜(3)のいずれかの成分組成を有する鋼をオーステナイト単相域の温度に加熱後、熱間圧延を行うにあたり、880℃以上で仕上圧延を完了し、550〜700℃で巻取ることを特徴とする材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板の製造方法。
【0018】
(6)上記(1)〜(4)のいずれかの鋼板からなる部材を準備する第1の工程と、前記部材にプレス成形を施して所望の形状のプレス成形品に加工する第2の工程とを有する高成形性高張力熱延鋼板の加工方法。
【0019】
(7)上記(6)において、プレス成形品は、自動車用部品、特に自動車用足廻り部材である高成形性高張力熱延鋼板の加工方法。
【0020】
(8)上記(1)から(4)のいずれかに記載の鋼板により製造された自動車用部品。
【0021】
このような構成の本発明によれば、(1)図1のようなフェライト組織が形成され、セメンタイト等の製造熱履歴で形態が変化する粗大Fe炭化物の析出がないかもしくは最小限に抑制されること、および(2)Moの作用によりランナウトテーブル上のγ→α変態が遅延され、広い温度域で安定的に析出するTi、Moを含む微細炭化物が巻取り時に進行するフェライト変態とともに析出するようになることにより、ランナウトテーブル上の温度変化やコイル内変動が生じても組織変動が抑えられ、材質均一性に優れた鋼板が得られる。また、実質的にフェライト組織にTiとMoとを含む微細な炭化物が分散析出するため、高成形性でかつ高強度が実現される。
【0022】
さらに、本発明においては従来技術では所望の特性を得るために一定量以上必要であったSiを極力低減することが可能となり、表面性状を劣化させるSiに起因する赤スケールの生成を抑制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る熱延鋼板は、重量%で、C≦0.1%、Mo:0.05〜0.6%、Ti:0.02〜0.10%を含み、体積率で95%以上のフェライト組織に、原子比でTi/Mo≧0.1を満たす範囲でTiおよびMoを含む炭化物が分散析出してなるものである。
【0024】
マトリックスを体積率で95%以上のフェライト組織としたのは、複合組織では2種以上の組織形成を制御しなければならず、材質均一性を実現するのが困難であるのに対し、体積率で95%以上のほぼフェライト単相では複数の組織を同時に制御する困難性を解消することができるからである。たとえば、Fe炭化物はストリップやコイルの熱履歴により形態が変化し、これが多量に含まれていると材質変動の原因となる。
【0025】
具体的には断面組織観察などにより体積%で95%以上がフェライトとなっていればよい。好ましくは98%以上である。また、微細析出物以外の粗大なFe炭化物は体積%で1%未満であれば本発明の効果を損なうことがない。
【0026】
巻取り時にフェライト変態させるには、通常ランナウト冷却時に起こるγ→α変態を巻取りまで遅延させる必要がある。そこで、本発明ではMoを添加し、フェライト変態を遅延させる。Moは同時にパーライト変態も遅延させ、したがって粗大なFe炭化物の析出を抑制することができる。
【0027】
マトリックスが体積率で95%以上のフェライトからなる本発明の熱延鋼板では、微細析出物により強度を担保する。一般にMoはMo2C炭化物を形成し、析出強化に寄与するが、Mo2Cの析出速度は遅いため、Mo単独では550MPa以上の高強度が実現しにくいうえに、巻取り後のコイル冷却時に析出するため、冷却速度の速いコイル外周部と中央部とでは強度が変化してしまう。そこで、巻取り前後までMo炭化物の析出を促進するため、Tiを添加するとともに、微細炭化物中に含まれるTiとMoとの比、Ti/Moを適切な範囲とすることにより、析出物の析出速度を適切な値に制御する。これにより析出物の析出速度を制御することができる理由は必ずしも明確ではないが、析出速度の速いTi炭化物がMoを巻き込んで析出するためと思われる。微細炭化物中のTi/Moの値が0.1未満では、拡散の遅いMoの含有率が高く、微細炭化物析出速度が遅くなり、材質変動を有効に低減することができない。したがって、Ti/Moの値を0.1以上とした。
【0028】
次に、上記組成について説明する。
C≦0.1%
CはTiとMoを含む炭化物として固定され、鋼の強度を担うのに必要不可欠な元素である。しかし、含有量が0.1%を超えると粗大なFe炭化物の生成や、島状マルテンサイトの生成により延性が劣化する。そのため、C量の上限を0.1%とした。Fe炭化物の生成量を低減する観点からは0.06%以下が望ましい。一方、540MPa以上の強度を維持するためには0.02%以上含有させることが望ましい。
【0029】
Mo:0.05〜0.6%
Moは、上述したように、ランナウトテーブル上でのフェライト変態を抑制し、組織形成に対するランナウトテーブル上の熱履歴の影響を低減し、同時にパーライト変態も遅延させ、粗大なFe炭化物の析出を抑制する。また、Tiとともに微細な炭化物を形成し、鋼の高強度化に寄与する。一方では後述するように、Siと合わさり表面性状に影響を与える。Moが0.05%未満では、冷却中の粗大なFe炭化物の析出を抑制することができず、また0.6%を超えるとベイナイト変態点やマルテンサイト変態点が上昇し、マトリックスがフェライトから低温変態相に変化してしまう。したがって、Mo含有量を0.05〜0.6%とした。望ましくは0.5%以下である。
【0030】
Ti:0.02〜0.10%
TiはMoの炭化物形成を促進し、Moとともに微細炭化物を形成して鋼の強度を担う。しかし、0.02%未満では微細析出物量が少なくなり、高強度を実現することができなくなり、一方、0.10%を超えると変態点の著しい上昇を招くとともに、結晶粒微細化により粗大なFe炭化物の析出を促進してしまう。したがって、Ti含有量を0.02〜0.10%とした。
【0031】
本発明では上記組成および組織を満たしていれば所望の効果を奏することができるが、重量%で、C≦0.1%、Mo:0.05〜0.6%、Ti:0.02〜0.10%を含む他、Si≦0.5%、Mn:1〜2%、P≦0.06%、S≦0.005%、Al≦0.1%、N≦0.006%、Cr:0.04〜0.5%、Ti:0.02〜0.10%、Nb≦0.08%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるものであることが好ましい。また、Si+Mo≦0.5%を満たすことがより好ましい。以下に上記C、Mo、Ti以外の成分について説明する。
【0032】
Si≦0.5%、Si+Mo≦0.5%
Siは固溶強化元素としてよく用いられてきた。しかしながら、Siは赤スケールを生成し、表面性状を劣化させてしまう。したがって、Si量は0.5%以下が好ましい。また、本発明で添加されるMoによりスケール地鉄界面にMoが濃化し、赤スケール部の鋼板表面の凹凸が助長されるため、0.2%以下がより好ましい。
【0033】
このようなSi量およびMo量と赤スケールによる表面状態への影響との関係を実験結果に基づいて説明する。重量%でC≒0.05%、P≒0.01%、S≒0.002%、Al≒0.04%、N≒0.003%を含み、Si:0.05〜0.65%、Mo:0.05〜0.65%まで変化させた鋼を溶製し、熱間圧延を行った。仕上温度は890℃、巻取温度は600℃とした。酸洗後の表面性状を目視で評価した結果を図2に示す。表面に赤スケールに起因する圧延方向にのびた模様が認められないものを◎、若干認められるが実用上問題ないものを○、模様が著しく実用上問題となる場合を×とした。Siが0.5%以下、Moが0.7%以下およびSi+Mo≦0.7の領域で実用上問題がなく、さらにSi+Moが0.5%以下のとき良好な表面性状であることが分かる。また、Si量が0.2%以下であれば、Mo量が上限の0.5%以下のときに実用上問題ないことがわかる。以上より、表面性状を良好にする観点から、Si量が0.2%以下が好ましく、また、Mo量との関係においてSi+Mo≦0.5とすることが特に好ましい。
【0034】
Mn:1〜2%
Mnは固溶強化元素として使用される。しかし、1%未満では延性の劣化と材質変動をもたらすパーライトの生成を抑制できず、また、540MPa以上の強度が得難くなる。一方、2%を超えると硬質低延性の低温変態相が生成する。したがって、Mn量は1〜2%が好ましい。
【0035】
P≦0.06%
Pは固溶強化元素であるが、0.06%を超えて添加されると粒界への著しい偏析を招き延性が劣化するので、0.06%以下が好ましい。
【0036】
S≦0.005%
SはMnS、TiSとして固定される。このためSは材質特性に有効に作用するMn、Ti量を低減させ、また延性も低下させることから、0.005%以下が好ましい。
【0037】
Al≦0.1%
鋼中Alは脱酸剤として使用される。しかし、その含有量が0.1%を超えると鋼の延性低下を招くことから、0.1%以下が好ましい。
【0038】
N≦0.006%
Nは鋼中の不純物である。その含有量が0.006%を超えると延性を低下させる粗大な窒化物形成の原因となることから、0.006%以下が好ましい。
【0039】
Cr:0.04〜0.5%
CrはMoとともに添加されるとフェライト変態抑制効果が顕著となる。圧延後フェライト変態がランナウトテーブル上で著しく進行した場合、ストリップの幅方向の温度変動がそのままフェライト変態タイミング(ランナウトテーブル上の位置)のずれを招き、変態後のフェライト組織に影響を与える。すなわち、幅方向の中央部と端部とでは異なる熱履歴をたどるため組織が変動してしまう。CrはMoとともに添加されると、仕上圧延直後の高温域において幅方向中央部のフェライト変態を遅延させて、組織の均一化を促進させる働きがある。しかしながら、Cr量が0.04%未満ではこのような効果を十分に発揮することができず、一方、0.5%を超えて過剰に添加するとMnと同様に低延性の低温変態相が生成してしまう。したがって、Cr含有量は0.04〜0.5%が好ましい。
【0040】
Nb≦0.08%
Nbは鋼を適度に微細化し、結晶粒形状を整粒化する目的で添加する。しかし、0.08%を超えると結晶粒の極度の微細化をもたらし、均一伸びが低下する傾向があることから0.08%以下が好ましい。
【0041】
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5
鋼中のCと(Ti+Mo)との原子数比が0.5〜1.5となるように、C、Ti、Moの含有量を制御すると、TiとMoとを含む炭化物が微細に析出しやすくなる。その結果、高成形性でかつ高強度の実現が容易となり、材質均一性も向上する。したがって、(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}の値が以下の(1)式を満たすことが望ましい。
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5 …(1)
ただし、上記(1)式中、C、Ti、Moは各成分の重量%を表す。
上記(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}の値は、0.8〜1.3を満たすことがより望ましい。
【0043】
次に、以上のような本発明の熱延鋼板の好ましい製造条件について述べる。
ここでは、上記成分組成を有する鋼をオーステナイト単相域の温度に加熱後、熱間圧延するにあたり、880℃以上で仕上圧延を完了し、550〜700℃で巻取る。
【0044】
仕上圧延温度:880℃以上
仕上圧延温度は材質均一化のために重要である。880℃未満では幅方向の温度変化で加工γの再結晶率が変化してしまい、変態組織に変動が認められるようになることから、仕上圧延温度を880℃以上とした。
【0045】
巻取り温度:550〜700℃
本発明鋼ではTiとMoを含む炭化物の析出で粒界セメンタイトの析出を抑制することから、巻取り温度をTiとMoを含む炭化物の析出しやすい550〜700℃とした。さらに望ましくは600〜660℃である。また、本発明鋼では、Moによりフェライト変態が適度に抑制されているため、コイル内の巻取温度変動によらずフェライト変態が鋼板の幅方向で同時に起こり、巻取り時のフェライト変態直後にTiとMoを含む炭化物が析出する。このため、強度、延性ともに安定する。
【0046】
本発明の高張力熱延鋼板には、表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を形成し、溶融亜鉛系めっき鋼板としたものも含む。本発明の高張力熱延鋼板は良好な加工性を有することから、溶融亜鉛系めっき皮膜を形成しても良好な加工性を維持することができる。ここで、溶融亜鉛系めっきとは、亜鉛および亜鉛を主体とした溶融めっきであり、亜鉛の他にAl、Cr等の合金元素を含んだものを含む。このような溶融亜鉛系めっきを施した本発明の高張力熱延鋼板は、めっきままでもめっき後合金化処理を行ってもかまわない。めっき前焼鈍温度については、450℃未満ではめっきがつかず、750℃超えでは強度低下が生じやすい。そのため、焼鈍温度は450℃以上、750℃以下が好ましい。
【0047】
なお、本発明の熱延鋼板は、黒皮ままでも酸洗材でもその特性に差違はない。調質圧延についても通常行われているものであれば特に規定はない。また、上記溶融亜鉛めっきは酸洗後でも黒皮ままでも問題はない。亜鉛めっきについては電気めっきも可能である。化成処理についても特に問題はない。鋳造後直ちにもしくは補熱を目的とした加熱を施した後にそのまま熱間圧延を行う直送圧延を行っても本発明の効果に影響はない。さらに、粗圧延後に仕上圧延前で、圧延材を加熱しても、粗圧延後、圧延材を接合して行う連続圧延を行っても、さらには圧延材の加熱と連続圧延を同時に行っても本発明の効果は損なわれない。
【0048】
本発明の熱延鋼板は、表面性状と延性に優れ、コイル内材質変動も少ないのでこれをプレス成形した場合、その特質が活かされ、自動車用部材、特にサスペンションアーム等の足廻り部材のようなプレス時の断面形状が複雑な部材を良好な品質で製造することができ、特に、プレス成形品の軽量化に資することができる。以下に具体的に、本発明に係る熱延鋼板の加工方法、換言すればプレス成形品の製造方法について説明する。
【0049】
図4は、本発明に係る熱延鋼板の加工方法の作業フローの一例を示すフローチャートである。この作業フローは、通常、本発明に係る鋼板を製造することまたはその製造された鋼板を例えばコイルにして目的場所に搬送することを前工程としており、まず、本発明に係る熱延鋼板を準備することから始まる(S0、S1)。この鋼板に対してプレス加工を施す前に、鋼板に対して前処理的な加工を施すこともあれば(S2)、裁断機により所定の寸法や形状に加工することもある(S3)。前者のS2の工程では、例えば鋼板の幅方向の所定箇所に切り込みや穿孔を行い、引き続くプレス加工を終えた段階またはそのプレス加工の過程で、所定の寸法および形状のプレス成形品または被プレス加工部材として切り離すことができるようにしておく。後者のS3の工程では、最終的なプレス成形品の寸法、形状等を予め考慮して、所定の寸法および形状の鋼板部材に加工(したがって裁断)するようにしておく。その後、S2およびS3の工程を経由した部材には、プレス加工が施され、最終的に目的とする寸法・形状の所望のプレス成形品が製造される(S4)。このプレス加工は、通常は多段階で行われ、3段階以上7段階以下であることが多い。
【0050】
S4の工程は、S2およびS3の工程を経由した部材に対してさらに所定の寸法や形状に裁断する工程を含む場合もある。この場合の「裁断」という作業は、例えば、少なくともプレス加工の過程で、S2およびS3の工程を経由した部材の端部のような最終的なプレス成形品には不要部分を切り離す作業であっても構わないし、また、S2の工程で設けられた鋼板の幅方向の切り込みや穿孔に沿って被プレス加工部材を切り離す作業であっても構わない。
【0051】
なお、図4中、N1ないしN3は、鋼板、部材、プレス成形品を、機械的にあるいは作業員による搬送作業である場合がある。
【0052】
こうして製造されるプレス成形品は、必要に応じて次工程に送られる。次工程としては、例えば、プレス成形品にさらに機械加工を施し、寸法や形状を調整する工程、プレス成形品を所定場所に搬送し、格納する工程、プレス成形品に表面処理を施す工程、プレス成形品を用いて自動車のような目的物を組み立てる組立工程がある。
【0053】
図5は、図4に示した作業を実際に行う装置と鋼板、部材、プレス成形品の流れとの関係を示すブロック図である。この図においては、本発明に係る熱延鋼板はコイル状で準備されており、プレス加工機によりプレス成形品が製造される。プレス加工機は多段プレスを行う機種のものであるが、本件発明はこれに限定されない。
【0054】
プレス加工機の前段に、裁断機その他の前処理機械を設置する場合(図5の(a))もあれば、設置しない場合(図5の(b))もある。裁断機が設置される場合には、コイルから供給される長尺の本発明に係る鋼板から、必要な寸法又は形状の部材を裁断し、この部材がプレス加工機においてプレス加工され、所定のプレス成形品となる。鋼板の幅方向に切り欠きや穿孔を施す前処理機械が設置される場合には、プレス加工機においてその切り欠きや穿孔に沿って裁断が行われても構わない。前処理機械を設置しない場合には、プレス加工機において鋼板がプレス加工される過程で、裁断が行われ、最終的に所定の寸法、形状を有するプレス成形品が製造される。なお、図5における「裁断」の意味は、図4における裁断と同じである。
【0055】
こうして製造されるプレス成形品は、その原材料として表面性状と延性に優れ、コイル内材質変動も少ない本発明に係る鋼板を使用しているので、良好で均一な品質を有するに至り、かかるプレス成型品の製造歩留も高い。このような特長は、プレス成形品が自動車用部材、特にサスペンションアーム等の足廻り部材である場合に特に有用である。
【0056】
【実施例】
[実施例1]
表1に示す化学成分を有する鋼を溶製し、加熱温度1250℃、仕上圧延温度約890℃、巻取温度約650℃で熱間圧延を行い、板厚約3.2mmの鋼板を作製した。得られた鋼板の長手方向中央部よりJIS5号試験片を採取し、幅方向中央部と端部から65mmの位置の引張特性およびその変化を調査した。引張特性として幅方向中央部の引張強度(TS)および伸び(El)を求め、引張特性の変化については、幅方向中央部と端部の材質差の絶対値で評価した。また、表面性状については、長手方向に延びた赤スケール起因の模様がほとんど認められないものを◎、多少認められるが実用上問題ないものを○、模様が著しく発生したものを×とし、目視判定した。さらに、鋼板から作製した薄膜を透過型電子顕微鏡(TEM)によって析出物を観察するとともに析出物中のTi、Moの組成をTEMに装備されたエネルギー分散型X線分光装置(EDX)による分析から把握し、析出物のTi/Mo(原子比)の値を求めた。これらの結果を表1に示す。表1中、No.1〜No.5は主にMo量を変化させたもの、No.6〜No.10は主にMo、Cr量を変化させたもの、No.11〜No.15はTi量を変化させたもの、No.16〜No.20は主にMo量を変化させたものである。また、表1のA値は、上記(1)式の(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}の値を示す。
【0057】
No.1〜No.5の中では、本発明例のNo.2〜No.4では良好な材質安定性および表面性状を得ることができた。また、Si+Moが0.5以下である本発明例のNo.2およびNo.3で極めて良好な表面性状を得ることができた。なお、図3に、No.3の鋼板の透過型電子顕微鏡写真を示す。この写真から、微細なTiおよびMoを含む炭化物がフェライト単相組織中に均一に分散していることがわかる。これに対して、Moが無添加の比較例のNo.1は組成がフェライト+パーライトであり、材質差がΔTSで30MPa以上、ΔElで2%以上と大きく、材質変動が抑えられていない。また、Mo添加量が多く、Ti/Moが0.1未満の比較例のNo.5では材質変動は小さいが延性低下が大きい。
【0058】
No.6〜No.10の中では、本発明例のNo.7〜No.9では良好な材質安定性および極めて良好な表面性状を得ることができた。これに対して、Moが無添加の比較例のNo.6では組成がフェライト+パーライトであり、材質差がΔTSで30MPa以上、ΔElで2%以上と材質変動が大きいことがわかる。Cr添加量が多い比較例のNo.10では低温変態相の生成が抑制できなかったため、延性の低下が著しい。なお、これらは全てSi+Moが0.5%以下であることから表面性状が極めて良好であった。
【0059】
No.11〜No.15については、Ti量の増大とともに析出強化により強度が上昇しており、本発明例のNo.12〜No.14では良好な材質安定性および表面性状を得ることができた。これに対して、Tiが無添加の比較例のNo.11ではパーライトおよび粒界のセメンタイトが析出し、低強度であるにも関わらず延性がNo.12と同程度であり、延性の低下が認められ、かつ、材質変動も大きかった。Ti量が多い比較例のNo.15では部分的に結晶粒が微細化し組織が混粒であることから材質変動が大きい。
【0060】
No.16〜No.20については、本発明例のNo.17〜No.19では良好な材質安定性および表面性状を得ることができた。特にSi+Moが0.5%以下であるNo.17では表面性状が極めて良好であった。これに対して、Mo添加されていない比較例のNo.16では材質変動が大きく、Mo添加量が多い比較例のNo.20では延性が低下していた。
【0061】
【表1】
【0062】
[実施例2]
表2に示す成分の鋼を溶製し、表2に示す条件で熱間圧延を行った。板厚は3.6mmとした。得られた熱延板を酸洗し、長手方向中央部よりJIS5号試験片を採取し、幅方向中央部と端部の引張特性の変化を調査した。幅方向中央部と端部の引張特性の差の絶対値を引張特性とともに表2に示す。また、実施例1と同様にして把握した析出物のTi/Mo(原子比)の値も表2に併記する。
【0063】
表2に示すように、No.21〜No.25は仕上温度を変化させた例であるが、仕上温度が880℃以上で材質安定性が極めて良好になることが確認される。No.26〜No.30は巻取温度を変化させた例であり、その中で巻取温度が550℃〜700℃の間にあるNo.27〜No.29は極めて良好な材質安定性を示し、伸びも大きかった。これに対して、巻き取り温度が550〜700℃から外れるNo.26,30は、No.27〜No.29より材質安定性が劣っていた。No.31〜No.35は仕上温度と巻取温度とを変化させたものであるが、仕上温度が880℃以上、かつ、巻取温度が550℃〜700℃であるNo.32〜34で極めて良好な材質均一性を示していた。
【0064】
なお、No.36〜38は、析出物のTi/Moの値が0.1未満であり、その中でNo.36,37では仕上温度が880℃以上かつ巻取温度が550℃〜700℃であるにもかかわらず材質安定性に劣っていた。また、No.38は巻取温度も500℃と低く、組織がベイナイトとなり、材質安定性、特に強度の安定性に劣っていた。
【0065】
【表2】
【0066】
[実施例3]
表3に示す鋼を仕上げ温度900℃、巻取温度650℃で熱間圧延を行い、板厚約3.2mmの鋼板を作製した。得られた鋼板を酸洗後、合金化溶融亜鉛めっきした。得られた鋼板から作製した薄膜について透過型電子顕微鏡(TEM)によって析出物を観察するとともに析出物中のTi、Moの組成をTEMに装備されたエネルギー分散型X線分光装置(EDX)による分析から把握し、析出物のTi/Mo(原子比)の値を求めた。また、マトリックスの組織観察を行った。さらに、得られた鋼板の長手方向中央部よりJIS5号試験片を採取し、幅方向中央部と端部から65mmの位置の引張特性およびその変化を調査した。引張特性として幅方向中央部の引張強度(TS)および伸び(El)を求め、引張特性の変化については、幅方向中央部と端部の材質差の絶対値で評価した。これらの結果を表3に示す。
【0067】
表3に示すように、鋼組成および組織が本発明例であるNo.39は、溶融亜鉛系めっきを行っても加工性は良好であり、幅方向の材質変動も小さいことが確認された。これに対し、比較例のNo.40は加工性が低く、幅方向の材質変動が大きかった。
【0068】
【表3】
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋼の成分組成を適切に制御し、実質的にフェライト組織に特定組成のTiおよびMoを含む炭化物を分散析出した構成としたので、セメンタイト等の製造熱履歴で形態が変化する粗大Fe炭化物の析出を最小限に抑えることができ、またMoの作用によりランナウトテーブル上のγ→α変態が遅延され、広い温度域で安定的に析出するTi、Moを含む微細炭化物が巻取り時に進行するフェライト変態とともに析出するようになるので、ランナウトテーブル上の温度変化やコイル内変動が生じても組織変動が抑えられ、材質均一性に優れた熱延鋼板を得ることができる。また、実質的にフェライト組織にTiとMoとを含む微細な炭化物が分散析出するため、高成形性でかつ高強度の熱延鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱延鋼板の金属組織を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
【図2】Si量およびMo量と、熱延鋼板の表面性状との関係を示すグラフ。
【図3】本発明に係る高張力熱延鋼板の金属組織を示す透過型電子顕微鏡写真。
【図4】本発明に係る熱延鋼板の加工方法の作業フローの一例を示すフローチャート。
【図5】図4に示した作業を実際に行う装置と鋼板、部材、プレス成形品の流れとの関係を示すブロック図。
Claims (8)
- 重量%で、C≦0.1%、Si≦0.5%、Mn:1〜2%、P≦0.06%、S≦0.005%、Al≦0.1%、N≦0.006%、Cr:0.04〜0.5%、Mo:0.05〜0.6%、Ti:0.02〜0.10%、Nb≦0.08%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、体積率で95%以上のフェライト組織に、原子比でTi/Mo≧0.1を満たす範囲でTiおよびMoを含む炭化物が分散析出してなることを特徴とする材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板。
- Si+Mo≦0.5%を満たすことを特徴とする請求項1に記載の材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板。
- C、Ti、Moを以下の(1)式を満足するように含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板。
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5 …(1)
ただし、上記(1)式中、C、Ti、Moは各成分の重量%を表す。 - 表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板。
- 請求項1から請求項3のいずれかの成分組成を有する鋼をオーステナイト単相域の温度に加熱後、熱間圧延を行うにあたり、880℃以上で仕上圧延を完了し、550〜700℃で巻取ることを特徴とする材質均一性に優れた高成形性高張力熱延鋼板の製造方法。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の鋼板からなる部材を準備する第1の工程と、前記部材にプレス成形を施して所望の形状のプレス成形品に加工する第2の工程とを有する高成形性高張力熱延鋼板の加工方法。
- 前記プレス成形品は、自動車用部品である請求項6に記載の高成形性高張力熱延鋼板の加工方法。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の鋼板により製造された自動車用部品。
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