JP3881002B2 - 水圧転写方法及び水圧転写品 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶性フィルム上の印刷パターンが水圧転写されて形成された装飾層を有し、この装飾層の上に表面保護層を施すことなくこの装飾層を最表面とすることができる水圧転写品に関するものである。
水圧転写方法は、水溶性フィルムの上に非水溶性の印刷パターンが施されている転写フィルムを転写槽内の水面上に浮かばせ、この転写フィルムにおける水溶性フィルムを水で湿潤させた上で、物品(被転写体)をこの転写フィルムの印刷パターンに接触させながら転写槽内の水中に押し入れ、水圧を利用して転写フィルムの印刷パターンを物品の表面に転写して装飾層を形成する方法である。そして、普通は、転写フィルムは、水溶性フィルム上に印刷パターンが事前に印刷されて形成されているため、印刷パターンのインクは乾燥状態にあるので、転写に際して、転写フィルム上の印刷パターンに活性剤やシンナー類を塗布して、印刷パターンを印刷直後と同様の湿潤状態で付着性を発現した状態に戻す必要があり、これは、通常、活性化と称されている。更に、このようにして物品の表面に形成された装飾層へ耐摩性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性等を付与するために、装飾層の上に透明な表面保護層(トップコート層)を形成する必要がある。
このように、装飾層の上に表面保護層を形成すると、全体に表面光沢が得られて意匠に深みが与えられるので、水圧転写品である製品によっては、磨き込まれたような一種の高級感が付与されるため、意匠表現上に効能がある。しかし、その反面、外観表面の全体が一様の光沢感となり、例えば、木目模様あっては、侘、寂の趣きに似た本木感、質感を表現できないため、意匠的表現の限界を生ずる原因となっていた。一方、表面保護層を形成しないで装飾層が露出しても、この侘、寂の趣に似た本木感、質感を必ずしも表現できるものではなく、仮にこれらを表現できるとしても、表面保護層がない状態では、耐摩性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性等に劣るので、最終製品とすることができないため、意匠的表現を犠牲にして表面保護層を施しているのが実情である。
また、装飾層の上に表面保護層を形成すると、表面に触った時に滑りを生ずる感覚や低級感が出たりすることがあるので、これらの滑り感を防止したり高級感を付与したりするためには、表面保護層を施さないことも一つの手法であるが、上記の意匠的表現の場合と同様に、耐摩性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性等の物理的、化学的特性を得るために、装飾層の表面感触が劣って低級感を与えることを犠牲にして表面保護層を施していた。
このため、本出願人は、上述の意匠表現や表面感触の問題を解決するのは非常に困難であろうと考え、この意匠表現や表面感触の問題を棚上げして、以下に述べるように、水圧転写技術における種々の課題の解決を図ることを試みていた。
第1の従来技術では、表面保護層は、印刷パターンを転写して形成された装飾層の上にウレタン2液型塗料、アクリルラッカー形塗料、紫外線硬化型塗料をスプレー塗布し、この紫外線硬化型塗料に紫外線を照射することによってこの塗料を硬化させて形成されていた。
しかし、この方法では、装飾層そのものの耐溶剤性等を向上させるのではなくて装飾層をオーバーコートする表面保護層(トップコート層)に耐耗性、耐溶剤性等を担わせようとしたものであり、また、物品上に印刷パターンを転写してから水洗、乾燥した後にウレタン2液型塗料を塗布するので、これらの処理に比較的長い時間を要する上に、一般的に、乾燥は、熱風に晒して行われるので、装飾層の上にほこりが付着し易く、装飾層の外観を低下させる欠点があった。
第2の従来技術では、印刷パターンの水圧転写と表面保護層の形成とを同時に行う方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、水溶性フィルム上に非水溶性樹脂製の透明又は半透明な表面保護層と更にその上に非水溶性の印刷層とを施して保護層付きの転写フィルムを形成し、この保護層付き転写フィルムを物品(被転写物)に水圧転写する方法である。
この方法では、水圧転写時に、水圧を利用して転写フィルムに物品の表面を接触させると、水溶性フィルム上の表面保護層と印刷層とが物品の表面に同時に転写されるので、上記の第1の従来技術のように、転写工程後の保護塗料の塗布工程及び硬化工程を必要としないし、装飾層と表面保護層との間にほこりが付着することがない。
このように、この方法は、印刷層の転写と同時に表面保護層が形成されるので、作業工程が簡略化される上に装飾層の外観を悪くすることがないので有利であるが、表面保護層は、ブチルメタクリレート重合体、エチルメタクリレート重合体等の耐溶剤性の低い保護剤から成っているので、耐摩性等を付与して物品の印刷層の表面を機械的に保護することはできるが、溶剤や薬品に触れると変質し易いなどの化学的に保護に乏しい欠点があった。
この第2の従来技術に類似しているが、第2の従来技術の表面保護層に紫外線等によって硬化する樹脂を用いた第3の従来技術が提案されている(特許文献2参照)。
この第3の従来技術では、表面保護層が紫外線等によって硬化する樹脂を用いているので、装飾層を機械的又は化学的に表面保護するのに有効であるが、後に述べるように、転写フィルムの最表面にある印刷パターンの付着性を再現する際に好ましくない幾つかの欠点を有する。
即ち、上記の第1乃至第3の従来技術に共通していることであるが、転写に際しては、転写フィルム上の印刷パターンに活性剤やシンナー類を塗布して、印刷パターンの付着性を再現しているが、これらの活性剤やシンナー類には有機溶剤が用いられているので、工程条件としてその溶剤成分が揮発し終える迄の時間や乾燥条件を見込む必要があり、もし印刷パターンの転写後の装飾層に溶剤成分が残留していると、品質に悪影響を生じることがあり、更に作業中に有機溶剤が大気中に放出されたり人体に吸入されたりするので、印刷パターンの活性化に有機溶剤を用いることは、有機大気汚染や労働者の健康阻害の元凶となり、これに対して早急に対処しなければならない問題となっている。
そこで、本出願人は、試みに、環境対応型の塗料でもあり上記の第1の従来技術でも既に用いられていた紫外線硬化型塗料を転写フィルム上の印刷パターンに直接塗布してみたところ、印刷パターンのインクに一時的に付着性を再現することができたが、それを水圧転写工程中の連続作業で行おうとすると、転写時点においては印刷パターンの付着性が低下するため転写不良となることが判明した。更に、同じ紫外線硬化樹脂組成物であるところの紫外線硬化型インクで着色顔料の入っていないものを用いて同様に試してみたところ、印刷パターンのインクに付着性を再現することができ、しかも、転写時点においても付着性が低下することなく転写することができることを発見した。
水圧転写の場合には、印刷パターンのインクだけを湿潤状態に戻して付着性を再現すればよいのではなく、印刷パターンを支える水溶性フィルムも転写槽内の水で湿潤して、物品が水中に押し入れられる際に、印刷パターンと水溶性フィルムの両方が物品表面に付き回りする必要がある。従って、両者の湿潤状態の調和が得られたタイミングにて物品を水中へ押し入れる必要があると共に、転写が完了するまで、物品への付き回りにも適応する付着性を再現している必要がある。
このため、これら試行の結果の違いは、同じ紫外線硬化樹脂組成物でありながら、紫外線硬化型塗料と紫外線硬化型インクとの用途別製品としての組成の違いから生じているのであろうと考え、紫外線硬化型塗料には低沸点溶剤が含まれるが、紫外線硬化型インクには溶剤が含まれていないのが一般的であり、従って、印刷パターンに紫外線硬化型塗料を塗布した場合には、この塗料中の溶剤により当初の付着性を再現するが、転写時点においてはこの溶剤が揮発してしまって付着性が低下し、他方、紫外線硬化型インクには溶剤成分が含まれていないので、紫外線硬化型インク中の何らか非溶剤成分により付着性が再現されるのであろうと推測し、その後も種々の実験等を繰り返して、従来技術における種々の問題について解決できる方法を先に提案している。
この解決方法は、転写フィルムの印刷パターン上に無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を塗布してこの紫外線硬化樹脂組成物中の非溶活性化成分により印刷パターンの付着性を再現する工程と、紫外線硬化樹脂組成物を含む印刷パターンに物品の表面を押し当てるようにして物品を転写フィルムと共に水中へ押し入れる工程と、それによって紫外線硬化樹脂組成物を含む印刷パターンが転写された物品に紫外線を照射して紫外線硬化樹脂組成物と印刷パターンとを渾然一体化した状態で硬化して装飾層を形成する工程とを備えている(未公開特許文献3及び4)。
本出願人は、この発明を完成する過程で、この水圧転写方法により得られた水圧転写品の装飾層自体が少なくとも物品表面への密着性と耐溶剤性とを備えており、従って表面保護層を有していなくても製品化することができることを確認した。
また、本出願人は、この水圧転写方法により得られた水圧転写品が表面保護層を用いることなく装飾層の意匠的変化の表現を達成することができることを確認した。
この装飾層の意匠的変化の表現に関して述べると、例えば、木目模様の印刷パターンを水圧転写して形成された装飾層を観察すると、その早材部分を表現した層部分には光沢感が観察されるが、黒インクを高い濃度で印刷して晩材部分を表現した層部分には光沢感がないように観察され、この光沢感の差が隣接して存在することによって、恰も本木のような立体感を感じ取ることができていることに気付いた。
この光沢感の差は、次のような原因で発生するものと推測される。即ち、水圧転写時に印刷パターンの付着性を再現させるために転写フィルムの表面に塗布された紫外線硬化樹脂組成物は、黒インク中の着色顔料等により吸収されるので、黒インクが高い濃度で転写された位置(層部分)では顔料の粒子感(微細な凹凸)を露出して紫外線硬化するため光沢感が減じられ、他方、黒インク以外のインクが転写された位置や黒インクが低いインク濃度で転写された位置では紫外線硬化樹脂組成物が余り吸油されないで顔料間を埋めるように紫外線硬化するため微細な凹凸が少なく光沢を維持し、これらが原因で光沢感の差を生じているのであろうと推測した。そこで、その後は、この推測に基づいた意匠観点から種々の確認実験等を繰り返した。
特開平4−197699号公報 特開2003−305998号公報 特願2003−156439号明細書 特願2003−409874号明細書
本発明の第1の基本的な目的は、物品上の装飾層自体に密着性、耐溶剤性の如き機械的及び化学的な表面保護機能を具備して、表面保護層(トップコート層)を形成することなく、装飾層を外観最表面として使用することができ、且つこの装飾層の表面の光沢変化性を改良することができる水圧転写方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、装飾層に光沢感のある部分と光沢感の減じられた部分とを形成してこれらの光沢感の差によって装飾層に立体感を付与することができる水圧転写方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、装飾層に光沢感の差に基づいて立体感を付与し、この立体感が本木感、質感、本物感、斬新感、奇異感、侘、寂の趣き等の趣向を感じさせて、従来技術にない豊かな意匠的表現を与えることができる水圧転写方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、装飾層自体に表面保護機能を付与すると同時にその光沢変化性を改良して意匠的表現を向上することができる水圧転写品を提供することにある。
本発明の第1の特徴は、水溶性フィルム上の乾燥された印刷パターンを湿潤した後、物品の表面にこの印刷パターンを水圧転写して物品の表面に装飾層を形成する水圧転写方法において、印刷パターンを湿潤するために印刷パターンに光重合性モノマー含有の無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を塗布して印刷パターンにこの光重合性モノマー含有の無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を浸透し、水圧転写後、この紫外線硬化樹脂組成物を紫外線硬化し、且つこの印刷パターンのインクの顔料の吸油量、インクの濃度に応じて装飾層のインク印刷部分に高光沢模様部と低光沢模様部とが隣接する光沢変化性を付与することを特徴とする水圧転写方法を提供することにある。
本発明の第1の特徴において、低光沢模様部は、日本工業規格Z8741−1997「方法3−60度鏡面光沢」に準拠して測定して20未満の光沢度を有し、高光沢模様部と低光沢模様部との光沢度の差が日本工業規格Z8741−1997「方法3−60度鏡面光沢」に準拠して測定して10以上であるのが好ましい。
また、本発明の第1の特徴において、紫外線硬化樹脂組成物には艶消し成分が含ませることができ、この艶消し成分は、高光沢模様部と低光沢模様部とに艶消し効果を付与する機能を有する。
本発明の第1の特徴は、印刷パターンが木目模様を有し、装飾層の高光沢模様部が印刷パターンの木目模様における粗組織表現部に相応しており、装飾層の低光沢模様部は、印刷パターンの木目模様における密組織表現部に相応し、粗組織表現部が早材部分に相当し、密組織表現部が晩材部分に相当し、それによって最表面装飾層は、板目または柾目の意匠とすることができる。
本発明の第2の特徴は、上記の第1の特徴によって形成された装飾層を有することを特徴とする水圧転写品を提供することにある。
なお、本発明において、「インクの濃度」とは、インクの成分である樹脂と顔料のうち顔料の含有割合」を意味する。
このように、装飾層は、水圧転写時に転写フィルム上に塗布された無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物が転写後紫外線照射により印刷パターンと渾然一体化した状態で硬化して形成されるので、耐摩性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性等の機械的及び化学的な表面保護機能を具備し、従って表面保護層(トップコート層)を形成する従来技術でこの表面保護層を形成する際に生ずるようなほこりの付着がなく、良品率が向上し、また露出状態で意匠的表現が維持される装飾層が従来技術のようにその上に施された表面保護層(トップコート層)によって意匠的表現が減少させられることがなく、意匠的表現を維持することができる製品(水圧転写品)を提供することができる。
また、装飾層は、紫外線硬化樹脂組成物が印刷パターンと渾然一体化した状態で硬化して形成されたものであるが、この紫外線硬化樹脂組成物は、印刷パターンのインク中の顔料の種類によって吸収され易かったり吸収し難かったりし、例えば、黒インク中の着色顔料であるカーボンブラックは、紫外線硬化樹脂組成物を容易に吸油するので、これら顔料が高い濃度で添加されたインクが転写された位置(装飾層部分=インク印刷部分)では、装飾層に微細な凹凸を発生して光沢感が減じられたように観察される低光沢模様部を呈すると共に、紫外線硬化樹脂組成物が吸収された状態で硬化して凸領域を形成する。他方、黒インク以外のインクが転写された位置や低い濃度でインクが転写される位置(同様に装飾層部分=インク印刷部分)では、微細な凹凸の発生が少なく高い光沢感が観察される高光沢模様部を呈すると共に、紫外線硬化樹脂組成物の吸収が少ない状態で硬化して、この凸領域よりも相対的に高さの低い凹領域を形成する。すなわち、これらの光沢感の差異が印刷パターンに呼応して装飾層上に隣接して必然と生じるので、この光沢感の差の存在によって装飾層に立体感を付与することができる製品(水圧転写品)を提供することができる。
水圧転写品の隣接する高光沢模様部と低光沢模様部との光沢度の差は、10以上であるのが好ましいが、それよりも小さくてもその差が大きく感じられることがある。即ち、光沢度計での測定数値と目視感覚とは100%合致するものではなく、目視感覚は、一般に、30乃至60の範囲内では鈍く、それを外れると、鋭くなる。例えば、光沢度の測定数値の差が僅か5であっても、30乃至60の範囲内では、光沢度の差5に対しては光沢感にあまり変化がないように感じられるが、この範囲を上方又は下方に外れた範囲での光沢度の差5は、かなりの差に感じられる。もちろん、光沢度の差が大きければ、それが大きく感じられるが、例えば、低光沢模様部の光沢度が20未満であると、ほぼ一目して光沢がないと感じ、従って、低光沢模様部とこれに隣接する高光沢模様部との光沢度の差が10であると、低光沢模様部と高光沢模様部との差が特に顕著に感じられる。しかし、高低の光沢模様部の光沢度が30乃至60の範囲に入っているものを除外するものではない。
また、印刷パターンが例えば板目や柾目であると、早材部分が表現された位置では茶色や薄茶色のインクが低い濃度で転写されるので、この位置では紫外線硬化樹脂組成物が吸収される度合いが低下して高光沢模様部となり、晩材部分が表現される位置では黒色インク等が高い濃度で転写されるので、その位置では紫外線硬化樹脂組成物が吸収される度合いが向上して低光沢模様部となり、これらの光沢感の差が隣接して存在することによって、恰も本木のような立体感を感じ取ることができ、更には、黒色ドットが点在する位置も低光沢模様部となり、道管が直角に近く切断された際の切り口で、深さのある穴のように観察されるので、全体として、本木感、板目や柾目の質感が付与される製品(水圧転写品)を提供することができる。勿論、板目や柾目の一般的な木目だけでなく、瘤や枝の根本ある部分やヤニを含んでいる部分などを切断した高級杢と言われる木の質感も感じされることができる製品も容易に得ることができる。
また、艶消し成分を含む紫外線硬化樹脂組成物が印刷パターンと渾然一体化した状態で硬化すると、この艶消し成分は、高光沢模様部により効果的に作用するので、高光沢模様部と低光沢模様部との光沢度の差を縮小させる傾向に全体のトーンを落とし、侘・寂の趣きなども感じさせる製品(水圧転写品)を提供することができる。
本発明に用いられる水圧転写方法の概略を示す概略図である。 本発明の水圧転写方法の1つの形態を工程順に示し、図2Aは、転写フィルムの断面図、図2Bは、転写フィルムに紫外線硬化樹脂組成物を塗布した状態の断面図、図2Cは、図2Bの転写フィルムを水面に浮かばせた状態の断面図、図2Dは、水圧転写すべき物品を水中に押し込む直前の状態の断面図、図2Eは、水圧転写後紫外線を照射する状態の断面図、図2Fは、物品から水溶性フィルムを水洗する状態の断面図、図2Gは、物品の表面を乾燥する状態の断面図である。 本発明の方法によって得られた製品の拡大断面図である。 本発明の1つの実施の形態による製品の斜視図である。 図4の製品の一部の模様を拡大して示す拡大図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図1は、本発明が適用される水圧転写方法を概略的に示し、この水圧転写方法は、印刷パターン12が施された水溶性フィルム14から成る転写フィルム16を印刷パターン12が上面となるようにして図示しない転写槽内の水18上に供給して浮かばせ、水圧転写すべき物品10をこの転写フィルム16を介して水18の中に押し込んで水圧転写する方法である。
水溶性フィルム14は、水を吸収して湿潤し軟化する例えばポリビニールアルコールを主成分とする水溶性材料から成っている。この水溶性フィルム14は、水圧転写時に、転写槽内の水18に触れて軟化し加飾されるべき物品に付き回って、水圧転写を行うことができるようにする。印刷パターン12は、一般的な水圧転写の場合には、水溶性フィルム14の上にグラビア印刷等によって予め施されている。
この水圧転写方法の特徴は、物品に印刷パターン12を水圧転写する前に、転写フィルム16の印刷パターン12に紫外線硬化樹脂組成物、理想的には無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を塗布することにある。
以下に、転写フィルム16の乾燥した印刷パターン12の付着性の回復を行う水圧転写方法の具体的な工程の例を図2を参照して説明すると、水溶性フィルム14の上に予め印刷パターン12を印刷し、この印刷パターン12が乾燥された状態にある転写フィルム16を用いて作業を開始する(図2A参照)。図示していないが、実際には、この転写フィルム16は、長尺の水溶性フィルム14に印刷パターン12を予め印刷し、乾燥してロール状に巻かれており、転写フィルム16は、このフィルムロールから連続的に繰り出されながら又は適当長さでカットしながら用いられる。
水圧転写を行う際には、転写フィルム16の乾燥された状態にある印刷パターン12上に光重合性モノマー含有の無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物20を塗布し(図2B参照)、この無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物20によって印刷パターン12の付着性が再現した状態で転写フィルム16を転写槽内の水18に浮かばせ(図2C参照)、次いで、物品10の表面10Sに紫外線硬化樹脂組成物20を含む印刷パターン12を押し当てるように転写フィルム16と共に物品10を水中に押し入れ(図2D参照)、それによって紫外線硬化樹脂組成物20を含む印刷パターン12が転写された物品10に紫外線22を照射して紫外線硬化樹脂組成物20と印刷パターン12とを硬化する(図2E参照)。なお、図示しないが、実際には、物品10は逆三角状のコンベヤで搬送されたりロボットアームにより支持されたりしながら水中に押し入れられ、また、場合によっては、印刷パターン12上に無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を塗布する工程(図2B参照)と水に浮かばせる工程(図2C参照)との工程順序を逆にして、水に浮かばせた転写フィルムの印刷パターン上に無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物をスプレー塗布して印刷パターンの付着性の再現を行ってもよい。
紫外線硬化樹脂組成物とは、紫外線の化学的作用によって比較的短時間に硬化する樹脂組成物であり、用途に応じて、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型インク、紫外線硬化型接着剤などの形態を採るが、これらは、基本的には、(1)光重合性プレポリマー、(2)光重合性モノマー、(3)光開始剤を必須成分とするものである。なお、紫外線硬化型塗料として市販されているものには、一般にシンナー等の溶剤が添加されており、紫外線硬化型インクの場合には、アルコール等の溶剤が添加されているものもあるが、一般的な紫外線硬化型インクは、溶剤を含まず、光重合性モノマーを希釈剤として機能させるべく配合されており、本発明において、この水圧転写方法で必要とする「紫外線硬化樹脂組成物」は、紫外線硬化樹脂の用途別の形態に拘わらず、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光開始剤を必須成分として配合され、且つ溶剤が添加されていないで紫外線照射により硬化する性質のものをいう。
このように、ここで説明する水圧転写方法で用いられる「紫外線硬化樹脂組成物」は、溶剤を含むタイプの紫外線硬化樹脂組成物を除いており、溶剤を添加しない無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物に限定している。その理由は、この水圧転写方法においては、転写フィルムの印刷パターンの付着性を再現させるのは、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物中の非溶剤活性化成分、典型的には光重合性モノマーに因るからであり、溶剤を含まないことに基づく種々の利点を得ることを意図するためである。無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物として適用できる紫外線硬化樹脂組成物は、例えば、次の組成を有する成分から成っている。
(1)オリゴマー(光重合性プレポリマー) 30〜50重量%
(2)多官能性アクリレート(光重合性モノマー) 10〜30重量%
(3)単官能性アクリレート(光重合性モノマー) 10〜40重量%
(4)光開始剤 0.5〜5重量%
(5)非反応添加物 1〜20重量%
光重合性プレポリマーは、光化学作用によって更に硬化し得るポリマーであって、光重合性不飽和ポリマーと呼ばれたり、ベースレジンや光重合性オリゴマーとも言われたりしている。そして、これは、硬化後の塗膜としての基本的な諸物性に影響を与える基本成分であり、所望特性に応じて、アクリル系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー等の何れかを単独又は任意に組み合わせて使用することができる。なお、光重合性プレポリマーは、最終的なポリマー程に重合度は高くないが、モノマーでもなく、ある程度重合したものであるので、相応の粘度を有しており、使用時の作業性を考慮して希釈剤が必要とされる。
光重合性モノマーは、光重合性プレポリマーの希釈剤の役割を果たして、樹脂組成物の実用上の作業性を確保すると共に、紫外線が照射された際には、それ自身が重合に関与するものであり、官能基が一つある単官能性モノマーと、官能基が二つ以上ある多官能性モノマーとがある。単官能性モノマーは、物品との密着性を向上させたり、硬化後の塗膜に柔軟性を付与したりする機能を有し、また多官能性モノマーは、プレポリマー分子間を橋渡しする架橋剤の役割をも有する。例えば、ポリアクリル酸メチル等のポリアクリレ−トは、架橋による塗膜の収縮作用を緩和する目的で使用される。塗膜の収縮力が高くなると、塗膜の付着性を低下するので、ポリアクリレートは、これを防止するのに役立つ。これら光重合性モノマーは、紫外線硬化樹脂組成物の粘度調整用の希釈剤として機能するのであるが、この水圧転写方法においては、乾燥状態にある印刷パターンの付着性を再現する機能成分としても働くことになる。
光開始剤は、紫外線を吸収して重合反応を開始させるもので、光重合開始剤とも呼ばれ、紫外線硬化反応がラジカル反応である場合にはアセトフェノン、ベンゾフェノン等を使用することができ、紫外線硬化反応がイオン反応である場合にはジアゾ化合物等を使用することができる。
紫外線硬化樹脂組成物には、この他、必要に応じて、増感剤、充填材、不活性有機ポリマー、レべリング剤、チキソトロピー付与剤、熱重合禁止剤、艶消し成分等が添加されていてもよい。特に、後に詳細に述べるように、艶消し成分は、本発明によって得られる水圧転写品の装飾層の意匠的表現を促進するのに有効に用いられる。
無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物20を塗布する工程は、グラビアロール、ミヤバー又はスプレーの何れかの方法で行うことができるが、スプレー塗布方法は、多量の塗料を浪費する傾向があるので、グラビアロール塗布方法又はミヤバー塗布方法が好ましい。
印刷パターン12の上に無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物20を塗布すると、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物20中の光重合性モノマーが印刷パターン12の乾燥したインクに浸透し、これを溶解して、印刷パターン12に印刷直後と同様な湿潤状態である付着性を再現する。従って、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物20は、従来から用いられていた活性剤と同等の機能を発揮することができ、活性剤やシンナー等の塗布を省略することができるのは勿論、光重合性モノマーを始めとする紫外線硬化樹脂組成物中の各成分は、一般に、溶剤等と比べて遥かに揮発性が低いので、再現した付着性の度合がその後に変動したり低下したりすることが少なく、印刷パターンに対して今迄以上に安定した活性化が望めることとなる。
また、この印刷パターン12を物品10に転写して、紫外線22を照射すると、光重合性モノマー等の紫外線硬化樹脂組成物20の各成分が印刷パターン12のインク中に浸透して両者が渾然一体となった状態で硬化されることとなり、装飾層そのものに耐摩性等の機械的特性を付与し、また耐溶剤性、耐薬品性等の化学的な表面保護機能を付与することとなる。なお、図2Bでは、印刷パターン12のインク成分と紫外線硬化樹脂組成物20とが渾然一体化した状態では示されていないが、これは、図面上そのように表現すると、両者が区別できなくなるため、便宜的に層状に記載されていることを理解すべきである。また、紫外線照射後、光重合性モノマーは、自身自らが重合に参加するので、これが遊離して、その後に悪さを生ずることもない。
水圧転写方法として、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を用いると、種々の利点があることを以下に詳説する。市販一般の紫外線硬化型塗料のように溶剤が添加されている紫外線硬化樹脂組成物を用いても、印刷パターンの活性化に何等不具合はなく、却って好都合であるように理解されるかもしれないが、紫外線硬化樹脂は紫外線照射により短時間で硬化されるので、添加されている溶剤が揮発性の高い低沸点溶剤であると、物品が水中へ押し入れられる時に揮発してしまっていて付着性の不足による転写不良を起こしてしまい、また逆に揮発し難い高沸点溶剤が添加されていると、物品が水中へ押し入れられる時に付着性不足の問題は回避できるが、紫外線照射作業は、溶剤が完全に揮発するまで待たなければならないし、溶剤の揮発が不充分な内に紫外線照射して溶剤を内包した状態で紫外線硬化型樹脂成分を硬化させると、その後において欠陥を生ずる事態となる。このように、低沸点溶剤であれ、高沸点溶剤であれ、溶剤が添加された紫外線硬化樹脂組成物を用いると、大気汚染や人体吸引による健康阻害を生ずる他に、工程処理上又は品質上の数々の問題を生ずるので好ましくない。
これに対して、既に部分的に述べたように、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を用いると、粘度調整の目的で光重合性モノマーが希釈剤としても機能させることができるために、溶剤含有タイプのものに比べて多く調合されるので、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物中の非溶剤活性化成分、典型的には光重合性モノマーによる作用だけで必要且つ充分で安定した付着性を再現することができ、更には、紫外線硬化樹脂組成物20と印刷パターン12とが渾然一体化して硬化して、従来技術で用いられている溶剤に相当する機能を有する光重合性モノマー自身が重合に参加するので、その後、この光重合性モノマーが遊離等して悪さをすることがない。
紫外線22の照射は、紫外線硬化樹脂組成物20を含む印刷パターン12が転写された物品10に転写フィルム16の水溶性フィルム14が巻き付いている間に行われるのが好ましく、従って紫外線照射工程は、物品10がまだ水中にあるか、物品10が水中から出た後であって水溶性フィルム14を除去するための水洗作業の前に行われるのが好ましい。なお、紫外線22は、低圧乃至高圧水銀ランプ、メタルハライドランプの如き光源ランプと照射器(ランプハウス)を含む公知の紫外線硬化装置によって照射される。
このように、水溶性フィルム14が物品10に巻き付いている間に紫外線22を照射すると、印刷パターン12が完全に乾く前にごみ等が付着して固着したままとなるようなことがなく、水溶性フィルム14が除去された時点では印刷パターン12は硬化しているので、ごみ付着の可能性を低減することができ、外観の良好な装飾層30を容易に得ることができる。なお、紫外線22の照射は、物品10がクリーンルームのようなトンネル等の如きごみや埃のない環境下で行なわれる場合には、物品10から水溶性フィルム14が洗い流された後に行ってもよいことは勿論である。
その後、図2Fに示すように、水シャワー24を噴射して物品10を水洗し、物品10上を覆った状態となっている転写フィルム16の水溶性フィルム14を除去する。次いで、図2Gに示すように、紫外線硬化樹脂組成物20を含む印刷パターン12が転写された物品10に熱風26を当てて物品10表面を乾燥し、装飾層30を有する製品10’を完成する(図3参照)。
このようにして得られた水圧転写品の装飾層30は、水圧転写時に印刷パターンの付着性を再現させるべく転写フィルムに塗布された紫外線硬化樹脂組成物が紫外線照射により印刷パターンと渾然一体化した状態で硬化して形成されるので、耐摩性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性等の機械的及び化学的な表面保護機能を備えており、その点で従来必要とされていた表面保護層(トップコート層)を形成する必要はなく、水圧転写で形成されたままの装飾層を物品の外観最表面とした製品(水圧転写品)を提供することができる。このように、表面保護層(トップコート層)を形成する必要がないと、トップコート層を形成する際に生ずるほこりが付着する機会がなくなり、ほこりの付着の少ない良品率の高い製品を得ることができる。
また、本発明によって得られる水圧転写品の重要な特徴であるが、このようにして得られた装飾層が表面保護層(トップコート層)によって従来ありきたりの意匠的表現に減じられることを回避することができることである。更に、以下に詳細に述べるように、このようにして得られた装飾層は、従来では達成することができない意匠的表現を得ることができる。
木目模様の印刷パターンが水圧転写された製品を例として本発明の実施の形態を、図4を参照して詳細に述べる。この製品(水圧転写品)100は、小物入れの蓋の形態であるABS樹脂から成形された基材(被転写物)102から成り、装飾層130は、この基材102の周囲の立ち上がり部とこれに連続する上面とに、図2に示される水圧転写方法により板目の印刷パターンを転写して形成される。基材102の原料であるABS樹脂自体は、既に薄茶色の着色が一様に施されているので、装飾層130は、薄茶色の地色に印刷パターンのインクの色を重ねた板目模様を有する。
装飾層130の模様部分130Aは、板目模様の内で春に形成される比較的粗い組織である早材部分が表現された部分であり、薄茶色の地色に薄茶色のインクが極めて低いインク濃度で転写され、薄茶色を背景に所々に茶色の筋が走っているような外観を呈している。また、装飾層130の模様部分130Bは、板目模様の内で夏から秋に形成される緻密組織の晩材部分が表現された部分であり、薄茶色の地色に主に黒インク及び焦げ茶色が高い濃度で転写され、地色の薄茶色が殆んど隠蔽されて、焦げ茶又は殆んど黒に近い色の外観を呈している。また、装飾層130の模様部分130Cは、晩材部分を表現した模様部分130Bと早材部分を表現した模様部分130Aとの境目付近で、黒色ドットが点在するように顕われた模様部分であり、図5に拡大して示されるように、道管が直角に近く切断された際の切り口ように観察される部分である。
このような装飾層130において、晩材部分が表現された模様部分130Bと早材部分が表現された模様部分130Aとを対比すると、晩材部分は光沢度が極端に減じられたように感じるのに対し、早材部分はそれ程光沢感が減じられているとは感じられないので、これらの間で光沢感の差が認識される。
種々の確認実験を行って判明したことであるが、水圧転写時に印刷パターンの付着性を再現させるべく転写フィルムに塗布された紫外線硬化樹脂組成物は、印刷パターンのインク中の顔料の種類によって吸収され易かったり吸収し難かったりし、例えば、黒インク中のカーボンブラック等の高吸油性成分は、紫外線硬化樹脂組成物を容易に吸油するので、これら顔料が多く添加されたインクが転写されたインク印刷部分においては、顔料の粒子感(微細な凹凸)を露呈する状態で硬化するため、光沢感が減じられたように見える低光沢模様部を呈し、他方、紫外線硬化樹脂組成物を吸収し難い顔料等の低吸油性成分が添加されたインクが転写されたインク印刷部分や低い濃度でインクが転写されたインク印刷部分では、紫外線硬化樹脂組成物が余り吸油されないで顔料の粒子間を埋めて硬化するため、光沢感を保って高光沢模様部を呈する。
このように、本発明によって得られる水圧転写品は、晩材部分が低光沢模様部となり、早材部分が高光沢模様部となり、これらの光沢感の差が隣接して存在することによる光沢変化性によって立体感が付与され、また黒色ドットが点在する部分も低光沢模様部となり、道管が直角に近く切断された際の切り口で、深さのある穴のようにも見えるので、装飾層130全体として、本木感、板目や柾目の質感が付与される。もちろん、板目や柾目の一般的な木目だけでなく、瘤や枝の根本ある部分やヤニを生じている部分等を切断したときに表れたり、特定の種類の木で表れたりすることが多いもの、例えば、玉杢、泡杢、葡萄杢、鳥眼杢、如鱗杢の如き高級杢の質感を感じさせるような装飾層を有する製品(水圧転写品)を提供することもできる。
た、艶消し成分を含む紫外線硬化樹脂組成物が印刷パターンと渾然一体化した状態で硬化すると、この艶消し成分は、高光沢模様部により効果的に作用するので、高光沢模様部と低光沢模様部との光沢度の差を縮小させて全体のトーンを落とすことができるので、侘・寂の趣きなどを感じさせる水圧転写品を提供することができる。
なお、紫外線硬化樹脂組成物は、印刷パターンのインク中の顔料の種類によって吸収され易かったり吸収され難かったりするが、紫外線硬化樹脂組成物を吸油し易い高吸油成分は、紫外線硬化樹脂組成物で実際上測定して確認した訳ではいが、一般的な吸油量として技術文献に記載されている数値からも推定すると、黒顔料であるカーボンブラックや松煙が掲げられ、カーボンブラックの吸油量の指標は、100〜258であり、松煙のそれは、60〜158であり、これらの顔料の吸油量は、桁違いに高く、紫外線硬化樹脂組成物を著しく吸収すると考えられる。その他に紫外線硬化樹脂組成物を吸収し易い高吸油成分として考えられる顔料には、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料や、吸油量が47の体質顔料の珪藻土、吸油量が54の赤系顔料の弁柄、吸油量が74の青顔料の紺青、吸油量が72の黄色顔料の黄土がある。なお、各色インクに用いる着色顔料は、この吸油量の大小を考慮に入れる他、耐光性など色の褪色対策にも配慮して選定するのが望ましい。
また、従来技術の活性剤で印刷パターンに付着性を再現して行われる水圧転写によって得られる従来技術による装飾層でも、装飾層内の顔料に活性剤やインク成分が多少とも吸油され、インクの顔料の種類やインク濃度(顔料の含有割合)による吸収の差による光沢差が多少とも表れることもある。しかし、既に述べたように、従来技術の活性剤を用いて得られた装飾層の表面保護機能の不足によって装飾層を外観最表面とする製品とすることができないため装飾層の上に施される表面保護層によって意匠的表現が減殺されるのに対して、本発明のように、紫外線硬化樹脂組成物によって付着性が再現された印刷パターンを転写して得られる装飾層の方が樹脂成分の吸収し易さによる影響が顕著となるので有利である。
このように、本発明による水圧転写方法及びこの方法によって得られた水圧転写品では、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を用いて種々の利点を得ることができるが、この水圧転写方法で用いられる無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物における「無溶剤タイプ」とは、溶剤成分が絶対零という意味ではなく、紫外線硬化樹脂組成物における非溶剤活性化成分、典型的には光重合性モノマーによる印刷パターンの再付着化機能を必要且つ充分に得ることができればよく、その他の理由で溶剤成分が添加されているのを排除するものではなく、また、モノマーやプレポリマーを製造する際に用いた溶剤成分が残留しているのを排除するものではない。また同様に、「無溶剤タイプ」は、光重合性モノマー等の揮発性が絶対零と言うのではなく、溶剤ほど高くはないという意味であり、実用上無視できる程度の揮発性を有していてもよいことはもちろんである。
物品の装飾層に光沢差を付与する本発明の実施例1乃至4及び比較例1乃至7を以下に説明する。
(実施例1)
本発明の具体的実施例1では、転写フィルムのインクの付着性を再現するために大橋化学工業株式会社製の商品名「ユービックSクリアー33−N2」と称する無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を使用し、木目模様を有する転写フィルムのインクの付着性をこの紫外線硬化樹脂組成物で再現し、10cm×20cm×3mmのABS樹脂製の平板に、図2A乃至図2Gに示す工程順で転写フィルム上の木目模様を水圧転写した。転写フィルムは、黒又は焦げ茶の筋状の晩材部分とその間の茶色の早材部分とが明解に表現されるように濃いインクで木目模様を印刷して形成し、株式会社キュービックが水圧転写技術のライセンス先に「ZEBRA LINE」と称する商品名で販売しているものを用い、また上記の無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物は、転写フィルムを転写槽内に導入する直前にミヤバー塗布方法によって転写フィルムの印刷パターン上に塗布した。このようにして塗布された無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を有する転写フィルムを転写槽の水面上に浮かばせ、この紫外線硬化樹脂組成物によって印刷パターンの付着性を再現させた後に、図2Dに示すように、転写フィルムを介して物品を水中に押し込み、転写後、物品を水中から取り出した後、紫外線を照射し、水洗、乾燥を行って水圧転写品(製品)10’を得た。
(実施例2)
本発明の具体的な実施例2では、「ユービックSクリアー33−N2」に対して艶消し成分を添加して艶消し仕様とした大橋化学工業株式会社製の商品名「ユービックS艶消しクリアー33−N2」」と称する無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を使用した以外は、実施例1と同様に処理した。
(実施例3)
本発明の具体的実施例3では、黒と濃茶と濃緑とがそれぞれ印刷された部分と何も印刷されない部分との4者を比較的大きく斑状に配置してボウガンなどのアウトドアグッズ向け迷彩模様を有し株式会社キュービックのライセンス先に「MEISAI DARK」と称する商品名で販売している転写フィルムを用いた以外は、実施例1と同様に処理した。
(実施例4)
本発明の具体的な実施例4では、艶消し仕様の大橋化学工業株式会社製の商品名「ユービックS艶消しクリアー33−N2」」を無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物として使用した以外は、実施例3と同様に処理した。
(参考例1)
本発明の具体的実施例5では、実施例1で用いた商品名「ZEBRA LINE」と称する転写フィルムとは対照的に、全体が同一基調で、晩材部分と早材部分との強調がない全体的に薄茶色の木目模様を有し株式会社キュービックが水圧転写技術のライセンス先に「CREATION NATURAL」と称する商品名で販売している転写フィルムを用いた以外は、実施例1と同様に処理した。
(比較例1)
比較例1では、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を転写フィルムの活性化に用いるのではなく、株式会社キュービックが水圧転写技術のライセンス先に「CPA−H」(日本国特許第3385576号の実施品)と称する商品名で販売している従来技術の活性剤を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。これは、従来と同様の水圧転写の工法で得た装飾層のみを有し、未だ表面保護層を形成しない中間製品状態のものである。
(比較例2)
この比較例2では、比較例1で得られた装飾層の上に、日本油脂BASFコーティングス株式会社製の商品名「ハイウレタンNo.2000クリヤーG−500 21HP」と称するウレタン系の透明塗料をスプレー塗布し乾燥してトップコート層を形成した。これは、従来と全く同様の水圧転写の工法で最終製品として提供できる状態にまで仕上げた水圧転写品である。
(比較例3)
この比較例3では、比較例1で得られた装飾層の上に、日本油脂BASFコーティングス株式会社製の商品名「ハイウレタンNo.5000スーパークリヤーG−4 81HP」と称するウレタン系の艶消しタイプの透明塗料をスプレー塗布し乾燥してトップコート層を形成した以外は、比較例2と同様に処理した。
(比較例4)
この比較例4では、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を活性化に用いるのではなく、株式会社キュービックが水圧転写のライセンス先に「CPA−H」(日本国特許第3385576号の実施品)と称する商品名で販売している従来技術の活性剤を用いた以外は、実施例3と同様に処理した。
(比較例5)
比較例5では、比較例4で得られた装飾層の上に、日本油脂BASFコーティングス株式会社製の商品名「ハイウレタンNo.2000クリヤーG−500 21HP」と称するウレタン系の透明塗料をスプレー塗布し乾燥してトップコート層を形成した。
(比較例6)
比較例6では、比較例4で得られた装飾層の上に、日本油脂BASFコーティングス株式会社製の商品名「ハイウレタンNo.5000スーパークリヤーG−4 81HP」と称するウレタン系の艶消しタイプの透明塗料をスプレー塗布し乾燥してトップコート層を形成した以外は、比較例5と同様に処理した。
(比較例7)
比較例7では、無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を活性化に用いるのではなく、株式会社キュービックが水圧転写のライセンス先に「CPA−H」(日本国特許第3385576号の実施品)と称する商品名で販売している従来技術の活性剤を用いた以外は、実施例5と同様に処理した。
各実施例における転写時の状況は、何れの実施例でも従来とほぼ同様に水圧転写することができたものであり、各実施例の装飾層の密着性を碁盤目テープ法(1mm碁盤目クロス100升)でテストしたところ、実施例1乃至4及び参考例1のいずれも、従来の活性剤を用いて活性化した印刷パターンを転写してトップコート層を施さなかった比較例1、4、7や、その装飾層の上に従来のウレタン系の透明塗料でトップコート層を形成した比較例2、3、5、6と同等の密着性を有することが確認された。
一方、耐溶剤性のテストとして、キシレンを含ませた10枚重ねのガーゼを手で製品の表面に押し当てて8往復擦りつけてみたところ、何れの実施例の製品も、従来のウレタン系の透明塗料でトップコート層を形成した比較例2、3、5、6の製品に匹敵する程度の良好な耐溶剤性を示すことが確認された。トップコート層を施さなかった比較例1、4、7の製品は、当然のことであるが、耐溶剤性が非常に劣り、装飾層を最表面とする製品として供することができないものであった。
また、日本工業規格の「鏡面光沢度−測定方法 Z8741−1997」による測定方法の種類「方法3−60度鏡面光沢」に従い、東京電色株式会社製の光沢度計「Gloss Meter Model GP−60」を用いて各実施例及び比較例の製品の光沢度を測定したところ表(1)及び表(2)に示す通りの結果となった。
Figure 0003881002
Figure 0003881002
表1に示すように、実施例1は、晩材部分と早材部分との光沢度に明らかな差があるのに対して、表2に示すように、比較例1は、これらの部分に光沢度の差が全くなく、また、これで始めて製品として提供できる状態にまで仕上げられたところのものである比較例2及び比較例3は、両比較例の間で光沢仕上げか艶消し仕上げかの違いによる測定数値の大きな差はあるが、各比較例の晩材部分と早材部分との光沢度の差は全くなかった。実施例1では、この光沢度の差によって木目模様の本物感が一層強く感じられるものとなっていた。
また、実施例1と実施例2の測定結果を比較すると、実施例2は、実施例1に比べて晩材部分及び早材部分とも測定数値が比較的大きく低下したものの、依然として、晩材部分と早材部分とでは光沢度に差があり、見た感じでは、長い期間風雨日光に晒されたような、侘び、寂のような枯れた感じを付与する。
他方、比較例2と比較例3の測定結果から明らかなように、光沢タイプか艶消しタイプかに拘わらず透明塗料がトップコート層として施されると、その影響は晩材部分と早材部分とに共通に働いて光沢仕上げとして全体の光沢度が上がるか、艶消し仕上げとして全体の光沢度が下がるかしており、晩材部分と早材部分とで光沢度に差を生じさせることはできない。
次に、実施例3の測定結果を見ると、色の異なる部位並びに地色部(非印刷部に相当する転写部位)で明らかに光沢度の差が生じていることが解る。黒部分−濃茶部分−濃緑部分の間では、光沢度の測定数値が順次倍に上がり、地色部分では更に上がって最高の光沢度となっている。実施例3は、この光沢度の差により、黒部分−濃茶部分−濃緑部分−地色部分に奥行き感があるように感じられて迷彩模様が立体的に付与されるものとなっていた。
比較例4の測定結果を見ると、色の異なる部位並びに地色部(非印刷部に相当する転写部位)で光沢度の差を多少とも生じてはいるが、その差の程度は、極めて微々たるものであり、殆んど光沢度の差を生じていないことが解る。尤も、この状態では、これを商品の最表面とする製品としては提供することができないので、トップコート層を形成することが必要となるが、このようにすると、比較例5及び比較例6の測定結果に見るように、全体が均一の光沢度となって本発明の目的を達成することができないことが解る。
参考例1は、1つの装飾層上に低光沢模様部と高光沢模様部とが巧く形成されていないが、高光沢模様部の光沢度を測定した例として参考のために示した。参考例1の光沢度は、同じ茶色系の部分を測定した結果数値でありながら、実施例1の早材部分の光沢度より高く、実施例3の濃緑部分の光沢度と略同じであることが解る。これは、参考例1より実施例1の早材部分の方が茶色は濃く、その分だけ紫外線硬化樹脂組成物をより吸油し易い黒顔料等の顔料が添加されているインクが高いチャージ量で転写され、その結果、実施例1の早材部分の方が測定数値は低くなった結果であると推測される。また、参考例1より実施例3の濃緑部分の方が色が濃く暗い感じがするのに、光沢度の測定数値が略同じであるのは、その濃緑部分にはインクチャージ量が多くても、元来紫外線硬化樹脂組成物を余り吸油しない顔料が添加されているインクが転写されている結果であると推測される。
他方、比較例7の光沢度の測定数値は、比較例4の黒部分、濃茶部分、濃緑部分、地色部(非印刷部の相当する転写部位)とほぼ同じ程度であるのが解る。これらの測定結果を総合すると、いずれの比較例の場合も、、インク成分中の顔料の吸油量による光沢度への影響は、インクの色(顔料種類)とかチャージ量には余り依存しないで、いずれの実施例のそれに比べて、顕著でないことが確認できる。
従って、例えば、仮に、低光沢模様部と高光沢模様部との間の光沢度の差が最大である木目模様を得ようとするならば、実施例3の黒部分が晩材部分に、実施例5の薄茶が早材部分になるようなインクによる印刷パターンの転写フィルムを用いて水圧転写すればよいことになる。また、比較例の測定結果から判明したように、従来のトップコート層を形成した場合には全体が略均一の光沢度しか得られないことは勿論、従来の活性剤で印刷パターンを活性化して得た装飾層でも、光沢度の差を顕著にすることは難しいことが確認できた。
表1の実施例2では、低光沢模様部と高光沢模様部との光沢度は、いずれも光沢度の数値範囲30乃至60から外れているので、既に述べたように、その差が5であっても光沢度の差が大きく感じられる。実施例1では、高光沢模様部の光沢度が30乃至60の範囲内にあるが、高光沢模様部と低光沢模様部の光沢度の差が約18と大きいので、一方がこの範囲にあっても光沢の差が充分に認識される。
転写すべき印刷パターンの付着再現性付与用の無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物と印刷パターンとが渾然一体化して硬化されるので、物品の装飾層に機械的及び化学的な表面保護機能が付与され、またこの紫外線硬化樹脂組成物は、印刷パターンのインク中の顔料の種類によって吸収され易かったり吸収し難かったりして転写によって形成された装飾層のインク印刷部分に低光沢模様部と高光沢模様部とが形成され、これらの光沢感の差の存在によって装飾層に立体感を付与することのできる製品(水圧転写品)を提供することができるので、産業上の利用性が向上する。

Claims (5)

  1. 水溶性フィルム上の乾燥された印刷パターンを湿潤した後、物品の表面に前記印刷パターンを水圧転写して前記物品の表面に装飾層を形成する水圧転写方法において、前記印刷パターンを湿潤するために前記印刷パターンに光重合性モノマー含有の無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を塗布して前記印刷パターンに前記光重合性モノマー含有の無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を浸透し、水圧転写後、前記紫外線硬化樹脂組成物を紫外線硬化し、且つ前記印刷パターンのインクの顔料の吸油量、インクの濃度に応じて前記装飾層のインク印刷部分に高光沢模様部と低光沢模様部とが隣接する光沢変化性を付与することを特徴とする水圧転写方法。
  2. 請求項2に記載の水圧転写方法であって、前記低光沢模様部は、日本工業規格Z8741−1997「方法3−60度鏡面光沢」に準拠して測定して20未満の光沢度を有し、前記高光沢模様部と前記低光沢模様部との光沢度の差が日本工業規格Z8741−1997「方法3−60度鏡面光沢」に準拠して測定して10以上であることを特徴とする水圧転写方法。
  3. 請求項1又は2に記載の水圧転写方法であって、前記紫外線硬化樹脂組成物には艶消し成分が含まれ、前記艶消し成分は、前記高光沢模様部と前記低光沢模様部とに艶消し効果を付与することを特徴とする水圧転写方法
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の水圧転写方法であって、前記印刷パターンは、木目模様を有し、前記装飾層の高光沢模様部は、前記印刷パターンの木目模様における粗組織表現部に相応しており、前記装飾層の低光沢模様部は、前記印刷パターンの木目模様における密組織表現部に相応し、且つ前記粗組織表現部が早材部分に相当し、前記密組織表現部が晩材部分に相当し、前記最表面装飾層が板目または柾目の意匠となっていることを特徴とする水圧転写方法
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法によって形成された装飾層を有することを特徴とする水圧転写品。
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