JP3879167B2 - 自動車用空調ユニットおよび空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空気調和装置に関し、特にエバポレータ(凝縮器、冷却用熱交換器)とヒータコア(加熱用熱交換器)とが一体ユニット内に配置された縦型一体エアコンに関する。
【0002】
【従来の技術】
クーラ装着率の向上を背景として、特に乗用車系空気調和装置においては、エバポレータとヒータコアとを一つのユニットに収納し、従来のクーラユニットを廃止することが検討されている。インテークユニット、クーラユニットおよびヒータユニットが、車両の左右方向に横一列に配置される従来の横型エアコンに対し、この種の自動車用空気調和装置は、縦型一体エアコンと称されることが少なくない。
【0003】
クーラユニットとヒータユニットとを一つのユニットにまとめることで、車室内の足元スペースが拡大するだけでなく、ユニットを一体化することによる材料、製造および組付コストの低減が図られる。
【0004】
従来の縦型一体エアコンとしては、エバポレータとヒータコアとを略直立させて車両の前後方向に配置したもの(例えば、実開昭57−5,318号公報参照)や、エバポレータとヒータコアとを略水平にして車両の上下方向に配置したもの(例えば、特開平8−104,129号公報参照)が知られている。
【0005】
前者のエアコンは、図6に示すように、空調ユニットケーシング31に、エバ32とヒータコア33とが略直立状態で設けられており、インテークユニットからの取入空気は、車両前方に位置する入口40からケーシング31内へ導入される。また、エバポレータ32とヒータコア33との間にはミックスドア34a、サブミックスドア34bとバイパス路35とが設けられ、バイパス路35の上側にベント吹出口37とデフロスト吹出口38とフット吹出口39とが形成されている。
【0006】
この種のエアコンでは、入口40から導入された空気は、エバポレータ32、ヒータコア33の順に車両後方へ向かって流れることになる。なお、「37D」はベントドア、「38D」はデフドア、「39D」はフットドアである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、同図に示される従来の縦型一体エアコンでは、ヒータコア33の背面空間(温風通路)41とエアミックスチャンバCとが常時連通している構造であるため、例えばフルクールモードにおいてミックスドア34aを全閉していても、ヒータコア33の背面により暖められた暖気が自然上昇し、これがエアミックスチャンバCにて冷風と混合して、冷房能力が低下するという問題がある。
【0008】
尤も、ヒータコア33の温水配管に温水バルブを取り付け、冷房時にはこの温水バルブを閉じることで、かかる問題は解消できるが、こうすると温水バルブが増加するぶん、部品コスト、付帯部品コストあるいは組付工数等々も増加し、コスト的に好ましくない。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ヒータコアからの暖気による冷房能力の低下を低コストで防止できる縦型一体エアコンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の自動車用空調ユニットは、エバポレータ(32)およびヒータコア(33)が、前記エバポレータを上流側に前記ヒータコアを下流側にして、かつそれぞれの空気通過面(32a,33a)を略直立にして配置された自動車用空調ユニット(30)であって、前記ヒータコアの近傍に当該ヒータコアを迂回するバイパス路(35)が形成され、前記ヒータコアの車両上側にエアミックスチャンバ(C)が形成され、前記ヒータコアの背面側に温風通路(41)が形成され、前記ヒータコアの車両下側に、前記エバポレータからの冷風が当該ヒータコアを迂回して前記温風通路に導かれる冷風通路(43)が形成され、前記エバポレータ(32)と前記ヒータコア(33)との間に、前記ヒータコアへ流下する空気量と前記冷風通路へ流下する空気量とを制御する第1のミックスドア(34a)と、前記ヒータコアへ流下する空気量と前記バイパス路へ流下する空気量とを制御する第2のミックスドア(34b)とが設けられ、前記エアミックスチャンバ(C)にベント吹出口(37)が形成され、当該ベント吹出口を開閉するベントドア(37D)が、前記温風通路(41)を全閉可能である自動車用空調ユニットにおいて、前記第1のミックスドアと前記第2のミックスドアとが前記ヒータコアを全閉とし、前記ベント吹出口を開閉するベントドアが前記温風通路を全閉とするフルクールモードを有することを特徴とする。
【0012】
この請求項1記載の自動車用空調ユニットでは、ヒータコアの車両上側にエアミックスチャンバが形成され、ヒータコアの背面側に温風通路が形成されているので、例えばフルクールモードにおいて、ヒータコアの背面で暖められた空気が温風通路を上昇してエアミックスチャンバに流入しようとするが、ベントドアが温風通路を全閉可能であるため、フルクールモードにおいて温風通路を全閉すれば、かかる暖気の混入を防止できる。その結果、バイパス路から流下した冷風は、何ら暖められることなくそのままの温度を維持して室内に供給され、これにより低コストで冷房能力の低下が防止される。
【0013】
ただし、請求項1記載の自動車用空調ユニットでは、ベントドアによる温風通路の全閉は、フルクールモードにのみ限定されない。すなわち、必要とされるモードで適用すればよい。
【0014】
請求項1記載の自動車用空調ユニットにおいて、フット吹出口の設定位置は特に限定されないが、請求項2記載の自動車用空調ユニットは、前記温風通路の車両下側に、フット吹出口が形成されていることを特徴とするフット吹出口からの空気(温風)は、乗員の足下に供給されるべきものであるため、温風通路の車両下側にフット吹出口を形成することで、ヒータコアを通過した温風をそのまま当該フット吹出口へ案内でき、車両上側に形成した場合に必要とされる別部品のフット吹出ダクトを省略することができる。
【0015】
請求項1または2記載の自動車用空調ユニットにおいて、デフロスト吹出口の設定位置は特に限定されないが、請求項3記載の自動車用空調ユニットは、前記エアミックスチャンバの車両上側に、デフロスト吹出口が形成されていることを特徴とする。
【0016】
この自動車用空調ユニットは、インストルメントパネルのセンターコンソール付近に搭載されるので、デフロストグリルに接続されるデフロスト吹出口は、インストルメントパネルの直近にあることが望ましい。このため、請求項4記載の自動車用空調ユニットでは、デフロスト吹出口をエアミックスチャンバの車両上側に形成することとし、これによりデフロストグリルへ至るダクトを極力短くする。
【0017】
請求項1記載の自動車用空調ユニットは、前記エバポレータと前記ヒータコアとの間に、前記ヒータコアへ流下する空気量を制御する第1のミックスドアと、前記バイパス路へ流下する空気量を制御する第2のミックスドアとが設けられていることを特徴とする。
【0018】
この請求項1記載の自動車用空調ユニットでは、エバポレータとヒータコアとの間に設けられるミックスドアが、第1のミックスドアと第2のミックスドアとに二分割されているので、回動に必要な範囲が小さくて済む。すなわち、エバポレータとヒータコアとの間の寸法を短く設定することができ、その結果、車両前後方向に短い空調ユニットを提供することができる。
【0019】
請求項1記載の自動車用空調ユニットにおいて、特に限定されないが、請求項4記載のように前記第1および第2のミックスドアの少なくとも何れか一方がバタフライ状ドアであることがより好ましい。こうすることで、エバポレータとヒータコアとの間の寸法をさらに短くすることができ、しかもドアの回動操作力も小さくなる。また、取入空気の偏向機能も発揮される。
【0020】
請求項1〜4記載の自動車用空調ユニットにおいて、エバポレータとヒータコアの車両搭載時の向き、および空調ユニット内へ導入される空気の入口の設定位置は特に限定されないが、請求項7記載の自動車用空調ユニットは、前記エバポレータおよび前記ヒータコアが、前記エバポレータを車両前側に前記ヒータコアを車両後側にして、かつそれぞれの空気通過面を略車両前後方向に向けて配置され、前記エバポレータの車両前側に、取入空気の入口が形成されていることを特徴とする。
【0021】
こうすることで、空調ユニット内の空気流路が車両前側から後側へ直線状に形成されるので、通気抵抗の小さい空調ユニットを提供することができる。また、こうすることで、車両前後方向の寸法が小さくできるので、エバポレータの車両前側に通気抵抗を十分小さくし得る広い入口が設定できる。
【0022】
請求項1〜5記載の自動車用空調ユニットと、送風機を有するインテークユニットとを組み合わせ、これらを車両左右方向に沿って配置することで、上述した作用効果を発揮できる自動車用空気調和装置が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の自動車用空気調和装置の搭載状態を示す斜視図、図2は本発明の自動車用空調ユニットの実施形態を示す縦断面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の自動車用空気調和装置100は、インテークユニット10および空調ユニット30からなり、それぞれインテークユニットケーシング11、空調ユニットケーシング31を有し、これらがダクト(図示省略)で接続されている。これらのユニット10,30は、車両のインストルメントパネルIP内であってダッシュパネルDPに沿って左右方向に搭載される。特に限定されないが、インテークユニット10は、助手席の足元に位置するインストルメントパネルIPの奥に取り付けられ、空調ユニット30は、車両中央に位置するセンターコンソールCCの奥に取り付けられる。なお、左ハンドル車では、図1と左右対称に搭載される。
【0025】
インテークユニットケーシング11には、車室外の空気を取り入れるための外気取入口12と、室内空気を循環させるための内気取入口13とが形成されている。内気取入口13は、インテークユニットケース11に直接開口形成されているが、外気取入口12は、車体のカウルパネルに開口形成された取入口とエアダクト(何れも図示しない。)を介して連通されている。
【0026】
図示はしないが、インテークユニットケース11には、インテークドアが回動自在に設けられており、外気取入口12を全閉する位置(内気循環モード)と内気取入口13を全閉する位置(外気取入モード)との間を回動し、必要に応じてその中間位置(内外気取入モード)でも停止する。このインテークドアの回動動作は、インテークユニットケース11に取り付けられたインテークドアアクチュエータあるいは手動ワイヤによってなされる。また、内気および/または外気の取り入れは、ファンモータによって回転するファンにより行われる。
【0027】
図2に示すように、空調ユニットケーシング31には、インテークユニット10からダクトを介して送風された空気の入口40が、ケーシング31の側面の車両前側に形成されている。なお、図2は、図1において助手席側から空調ユニット30を見たときの縦断面図である。
【0028】
この入口40に近接して、取入空気を冷却するためのエバポレータ32が、略直立し、かつ空気通過面32aを車両前後方向に向けて設けられている。このエバポレータ32は、これとコンプレッサ、コンデンサ(蒸発器)、膨張弁およびリキッドタンク等を冷媒配管で接続して構成される冷房サイクルの一要素となる。また、コンプレッサ、コンデンサ、リキッドタンクなどの主要部品はエンジンルーム内に設けられているので、これらとエバポレータ32とは、冷媒配管によりダッシュパネルDPを貫通して接続される。なお冷房サイクルの運転および停止は、車室内のインストルメントパネルIPに設けられたコントロールパネルのエアコンスイッチにより行われる。
【0029】
空調ユニットケース31の上記エバポレータ32の車両後側には、ヒータコア33がバイパス路35を形成するように略直立して設けられている。このヒータコア33も、その空気の通過面33aを車両前後方向に向けて配設されている。ヒータコア33には、車両のエンジン冷却水が循環し、このエンジン冷却水と空気との熱交換によって当該空気が加熱される。
【0030】
特に本実施形態の空調ユニット30では、後述するようにフルクール時の暖気対策が採られているので、エンジン冷却水配管に設けられる温水バルブを省略することができる。
【0031】
本実施形態の空調ユニット30では、エバポレータ32とヒータコア33との間に、2枚のミックスドア34a,34bが設けられている。車両下側に位置する第1のミックスドア34aは、専らヒータコア33へ流下する空気量を制御するのに対し、車両上側に位置する第2のミックスドア34bは、ヒータコア33およびバイパス路35へ流下する空気量を制御する。
【0032】
これら2枚のミックスドア34a,34bは、機械的(例えばリンク機構)あるいは電気的(例えばアクチュエータモータとコントローラ)に連動して回動され、これによりヒータコア33を通過する空気量とバイパス路35を通過する空気量との比率が調節される。
【0033】
本実施形態の空調ユニット30では、エバポレータ32とヒータコア33との間に設けられるミックスドアが、第1のミックスドア34aと第2のミックスドア34bとに二分割されているので、1枚のミックスドアで温調を行う場合に比べ、回動に必要な範囲が小さくて済む。すなわち、エバポレータ32とヒータコア33との間の車両前後方向の寸法を短く設定することができ、その結果、車両前後方向に短い空調ユニット30を提供することができる。
【0034】
なお、本発明の空調ユニット30では、図6および図7に示すようにミックスドア34a,34bをバタフライ状ドアにより構成することもできる。この場合、図6に示すように冷風通路43を省略したときは、第1および第2のミックスドア34a,34bの両方をバタフライ状ドアにより構成することができる。また、図7に示すように冷風通路43を設けたときは第2のミックスドア34bのみをバタフライ状ドアとすることが望ましい。ミックスドアをバタフライ状ドアとすることで、さらに車両前後方向の寸法が短くなる。しかも、バタフライ状ドアにすると、受風によって一方のドア片に抗力が作用しても、この風は他方のドア片に対しては追い風となるので、ドアの回動に必要な操作力が小さくなるという利点もある。
【0035】
本実施形態の空調ユニット30は、インテークユニット10から送風された空気を上述したエバポレータ32で冷却したのち、上記ヒータコア33で温調するとともに、車室内に対して所望の吹出口から調和空気を配風する機能を有している。このために、空調ユニットケース31のヒータコア33の車両上側には、エアミックスチャンバCが形成され、さらにヒータコア33を通過した温風をエアミックスチャンバCまたはフット吹出口39に案内するための温風通路41が、ヒータコア33の背面に形成されている。
【0036】
これに加え、本実施形態の空調ユニットでは、ヒータコア33の下側に冷風通路43が形成されており、第1のミックスドア34aがヒータコア33を全開とする以外のときには、エバポレータ32からの冷風が当該冷風通路43を通過して温風通路41に導かれる。この冷風通路43は、バイレベルモードにおいて、ベント吹出口37からの冷風と、フット吹出口39からの温風との差温が大きくなるのを抑制するためのものであり、本発明では省略することも可能である。
【0037】
また、エアミックスチャンバCには、ベント吹出口37、デフロスト吹出口38が形成されている。
ベント吹出口37は、エアダクトを介してあるいは直接、車室内のインストルメントパネルIPの前面に設けられたベントグリルに連通され、調和空気を主として乗員の上半身に向かって吹き出す。
【0038】
デフロスト吹出口38は、エアダクトを介してあるいは直接、インストルメントパネルIPの上面に設けられたデフロストグリルに連通され、低湿度空気または温風などをフロントガラス内面に向かって吹き出し、曇りを晴らす。
【0039】
一方、フット吹出口39は、温風通路41の車両下側に形成されて車室内の乗員の足下で開口し、主として温風を乗員の足下に向かって吹き出す。
【0040】
ベント吹出口37、デフロスト吹出口38およびフット吹出口39には、それぞれベントドア37D、デフドア38Dおよびフットドア39Dが設けられ、それぞれの吹出口を開閉する。
【0041】
これらのドア37D,38D,39Dは、リンク機構等を介してモードドアアクチュエータあるいは手動ワイヤにより動作する。つまり、ベントモード、デフロストモード、バイレベルモード、フットモード等の各種吹出モードの選択によって、3つのドア37D,38D,39Dの開閉の組み合わせにしたがって、これらのドアが動作する。
【0042】
例えば、バイレベルモードでは、ベント吹出口37およびフット吹出口39をそれぞれ半開とし、ベント吹出口37からは冷風をフット吹出口39からは温風を吹き出し、いわゆる頭寒足熱型の温調を行う。
【0043】
特に、本実施形態の空調ユニット30では、ベントドア37Dが、ベント吹出口37を開閉するだけでなく、温風通路41の上端をも閉塞できる構造とされている。具体的には、図示するように、ヒータコア33の上端部に、ベントドア37Dの先端が接触可能なリブ42が形成されている。また、ベントドア37D側としては、従来のベント吹出口の全閉位置、同じく半開位置、同じく全閉位置の3ポジションに加え、温風通路の全閉の停止ポジションが、リンク機構あるいはアクチュエータによって付加されている。
【0044】
次に作用を説明する。
図3はフルクールモード、図4は温調/ベントモード、図5は温調/バイレベルモードにおける空気流をそれぞれ示している。
【0045】
まず、フルクールモードにおいては、図3に示すように、デフロスト吹出口38およびフット吹出口39を全閉とし、ベント吹出口37を全開、温風通路41を全閉とする。すなわち、ベントドア37Dは最大回動ポジションとする。また、第1のミックスドア34aはヒータコア33を全閉とし、第2のミックスドア34bはヒータコア33を全閉、バイパス路35を全開とする。なお、冷房サイクルは、通常ONとする。
【0046】
こうすることで、インテークユニット10から入口40へ導入された取入空気は、エバポレータ32の空気通過面32aを通過しながら、車両後側へ向かって流れ、主としてバイパス路35に至りそのままベント吹出口37に流れ込む。ここで、エバポレータ32から流下した冷風のうち一部の空気は、冷風通路43を通って温風通路に至るが、温風通路41は、上端部がベントドア37Dにより、下端部がフットドア39Dにより閉塞されているので、当該温風通路の内圧が上昇するとそれ以上の空気は流入しない。
【0047】
このように、フルクールモードにおいては、ヒータコア33の背面(すなわち温風通路41側)で空気が暖められるが、温風通路41の上端部はベントドア37Dによって閉塞されているので、ベント吹出口へはエバポレータ32からの冷風のみが流れ込むこととなり、その結果、ベントドア37Dの改変のみで冷房能力が確保されることになる。
【0048】
また、入口40からベント吹出口37に至る空気流路がほぼ直線状に形成されているので、通気抵抗がきわめて小さく、大風量の冷風を室内へ供給することができる。ここで、図6に示すように第2のミックスドア34bをバタフライ状ドアで構成すれば、ここを通過する冷風をベント吹出口37へ偏向させることができるので、通気抵抗の低減がより助長される。
【0049】
中間温度の空気を供給する温調モードであってバイレベルモード(温調/ベントモード)においては、図4に示すように、デフロスト吹出口38およびフット吹出口39を全閉とし、ベント吹出口37を全開とする。このとき、ベントドア37Dは温風通路41を全閉しない。また、第1のミックスドア34aおよび第2のミックスドア34bは半閉とする。
【0050】
こうすることで、インテークユニット10から入口40へ導入された取入空気は、エバポレータ32の空気通過面32aを通過しながら、車両後側へ向かって流れ、バイパス路35へ流れる空気と、ヒータコア33へ流れる空気と、冷風通路43へ流れる空気とに分岐する。このうち、ヒータコア33の空気通過面33aを通った空気(温風)と、冷風通路43を通った空気とは、温風通路41にて混合しながら上昇し、ベントドア37Dの隙間からエアミックスチャンバC内へ流入する。そして、このエアミックスチャンバCにて、バイパス路35からの純粋な冷風と混合することで、適切な温度に温調されたのち、ベント吹出口に流れ込む。
【0051】
このように、温調/ベントモードにおいては、ベントドア37Dによって温風通路41が閉塞されないので、温風通路41からの温風をエアミックスチャンバCに導くことができ、これにより温調ベントモードが実現できる。また、図示するように、ベントドア37Dは、温風通路41を僅かに開くので、温風通路41内の内圧が比較的高くなり、したがって、温風通路41の上端部からエアミックスチャンバCへ吹き出される温風流速が高くなる。このように、温風通路41から温風をより遠くへ吹き出すことで、冷風との混合性が高まり、均一な温調空気を室内へ供給することができる。
【0052】
一方、中間温度の空気を供給する温調モードであってバイレベルモード(温調/バイレベルモード)においては、図5に示すように、デフロスト吹出口38を全閉とし、ベント吹出口37およびフット吹出口39を半開とする。また、第1および第2のミックスドア34a,34bはそれぞれ略中間位置とする。
【0053】
こうすると、インテークユニット10から入口40へ導入された取入空気は、エバポレータ32の空気通過面32aを通過しながら、車両後側へ向かって流れるが、ここで、第1のミックスドア34aと第2のミックスドア34bとによって、バイパス路35に導かれる空気と、ヒータコア33に導かれる空気と、冷風通路43へ導かれる空気とに分岐する。
【0054】
バイパス路35側へ分岐した冷風は、ヒータコア33を通過して温風通路41を上昇してきた温風と、エアミックスチャンバCにて衝突する。これにより混合されて適切な温度となったのち、ベント吹出口37に流れ込み、乗員の上半身に適当な温度となった空気が供給される。また、ヒータコア33を通過した温風と、冷風通路43を通過した冷風とは、温風通路41で混合し、若干温度が低下した状態でフット吹出ダクト42へ流れ込み、ベント吹出ダクトよりも高温の空気がフット吹出口39から乗員の足下へ供給される。ただし、冷風通路43が設けられているので、極端な差温は回避される。
【0055】
このように、温調/バイレベルモードにおいては、バイパス路35を通過した冷風と、ヒータコア33を通過して上昇してきた温風とが、略直角方向に衝突するので、混合性が高まり、均一な温度の温調空気が室内へ供給される。また、冷風通路43の存在によって、バイレベル差温の大小が調節でき、環境に応じた頭寒足熱温調を実現できる。
【0056】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ヒータコアによる暖気の混入がベントドアによって簡単な構造で防止できるので、冷房能力の低下を低コストで防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用空気調和装置の搭載状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の自動車用空調ユニットの実施形態を示す縦断面図である。
【図3】図2の空調ユニットのフルクールモードを示す縦断面図である。
【図4】図2の空調ユニットの温調/ベントモードを示す縦断面図である。
【図5】図2の空調ユニットの温調/バイレベルモードを示す縦断面図である。
【図6】本発明の自動車用空調ユニットの他の実施形態を示す縦断面図である。
【図7】本発明の自動車用空調ユニットのさらに他の実施形態を示す縦断面図である。
【図8】従来の縦型一体空調ユニットを示す縦断面図である。
【符号の説明】
10…インテークユニット
30…空調ユニット
31…ケーシング
32…エバポレータ
32a…空気通過面
33…ヒータコア
33a…空気通過面
34a…第1のミックスドア
34b…第2のミックスドア
35…バイパス路
37…ベント吹出口
38…デフロスト吹出口
39…フット吹出口
40…入口
41…温風通路
42…リブ
43…冷風通路
C…エアミックスチャンバ
IP…インストルメントパネル
CC…センターコンソール
DP…ダッシュパネル

Claims (6)

  1. エバポレータ(32)およびヒータコア(33)が、前記エバポレータを上流側に前記ヒータコアを下流側にして、かつそれぞれの空気通過面(32a,33a)を略直立にして配置された自動車用空調ユニット(30)であって、
    前記ヒータコアの近傍に当該ヒータコアを迂回するバイパス路(35)が形成され、前記ヒータコアの車両上側にエアミックスチャンバ(C)が形成され、前記ヒータコアの背面側に温風通路(41)が形成され、
    前記ヒータコアの車両下側に、前記エバポレータからの冷風が当該ヒータコアを迂回して前記温風通路に導かれる冷風通路(43)が形成され、
    前記エバポレータ(32)と前記ヒータコア(33)との間に、前記ヒータコアへ流下する空気量と前記冷風通路へ流下する空気量とを制御する第1のミックスドア(34a)と、前記ヒータコアへ流下する空気量と前記バイパス路へ流下する空気量とを制御する第2のミックスドア(34b)とが設けられ、
    前記エアミックスチャンバ(C)にベント吹出口(37)が形成され、当該ベント吹出口を開閉するベントドア(37D)が、前記温風通路(41)を全閉可能である自動車用空調ユニットにおいて、
    前記第1のミックスドアと前記第2のミックスドアとが前記ヒータコアを全閉とし、前記ベント吹出口を開閉するベントドアが前記温風通路を全閉とするフルクールモードを有することを特徴とする自動車用空調ユニット。
  2. 前記温風通路(41)の車両下側に、フット吹出口(39)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用空調ユニット。
  3. 前記エアミックスチャンバ(C)の車両上側に、デフロスト吹出口(38)が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の自動車用空調ユニット。
  4. 前記第1および第2のミックスドア(34a,34b)の少なくとも何れか一方がバタフライ状ドアであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動車用空調ユニット。
  5. 前記エバポレータ(32)および前記ヒータコア(33)が、前記エバポレータを車両前側に前記ヒータコアを車両後側にして、かつそれぞれの空気通過面(32a,33a)を略車両前後方向に向けて配置され、前記エバポレータ(32)の車両前側に、取入空気の入口(40)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の自動車用空調ユニット。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の自動車用空調ユニット(30)と、送風機を有するインテークユニット(10)とが、車両左右方向に沿って配置された自動車用空気調和装置。
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